JP2005131484A - 洗浄可能フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】界面活性剤を用いた洗浄処理を行っても繊維に自然帯電またはエレクトレット化帯電した電荷量が減少せず、濾過効率の低下が少ない熱可塑性樹脂の不織布からなる洗浄可能フィルタの提供。
【解決手段】熱可塑性樹脂にイミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を0.05〜3重量%配合した熱可塑性樹脂組成物から得られる不織布、好ましくは目付け5〜100g/m2、平均繊維径2〜30μm、厚み0.1〜0.6mm、通気度20〜200cc/sec/cm2のエレクトレット化ポリプロピレンメルトブロー不織布を用いることを特徴とする洗浄可能フィルタ。
【選択図】なし
【解決手段】熱可塑性樹脂にイミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を0.05〜3重量%配合した熱可塑性樹脂組成物から得られる不織布、好ましくは目付け5〜100g/m2、平均繊維径2〜30μm、厚み0.1〜0.6mm、通気度20〜200cc/sec/cm2のエレクトレット化ポリプロピレンメルトブロー不織布を用いることを特徴とする洗浄可能フィルタ。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱可塑性樹脂の不織布からなる洗浄可能フィルタに関し、特に、洗浄を繰り返しても濾過効率の低下が少ない熱可塑性樹脂の不織布からなる洗浄可能フィルタに関する。
従来より、微粒子の捕集はもとより比較的大きいダストを効率良く捕集できるフィルタ材として、極細繊維からなる不織布が用いられ、特に低圧力損失下で微粒子の捕集効率を高めるフィルタの材料として、不織布に電荷を付与したエレクトレット不織布が主に用いられてきている。これらのフィルタにおいては、帯電した電荷は経時的に減少するため、一定の捕集効率が維持できない状態になると、交換されて、使い捨てられているものが多かった。
一方、最近の環境問題から、フィルタのリサイクル化の要望が強く、交換した濾材あるいは濾材を含んだユニット自体を洗浄して再生化が図られてきている。
しかしながら、洗浄による再生化においては、界面活性剤を用いて洗浄する方法がとられているため、エレクトレット化されたフィルタは、付与された静電荷が失われ易く、再使用時にはその効率が低下してしまうという問題を有していた。
一方、最近の環境問題から、フィルタのリサイクル化の要望が強く、交換した濾材あるいは濾材を含んだユニット自体を洗浄して再生化が図られてきている。
しかしながら、洗浄による再生化においては、界面活性剤を用いて洗浄する方法がとられているため、エレクトレット化されたフィルタは、付与された静電荷が失われ易く、再使用時にはその効率が低下してしまうという問題を有していた。
これらの問題点を解決する方法としては、エレクトレット化等による電荷密度を高める方法が考えられ、樹脂に添加剤を配合して電荷密度量を向上させる方法が考えられる。例えば、ポリオレフィン等の樹脂に脂肪酸金属塩を配合する方法(例えば、特許文献1参照。)、ヒンダードアミン系、含窒素とヒンダードフェノール系、金属塩ヒンダードフェノール系、フェノール系、硫黄系、燐系安定剤等を配合する方法(例えば、特許文献2参照。)、塩素化ポリオレフィンを配合する方法(例えば、特許文献3参照。)、熱安定性有機トリアジン化合物、テトラフルオロエチレン等のフッ素化合物を配合する方法(例えば、特許文献4参照。)等が挙げられる。しかしながら、帯電する電荷は、一時的に高められるが、界面活性剤を用いた洗浄を行うと、電荷量は減少し、濾過効率の低下を抑えることはできなかった。
また、洗浄再生化には、極細繊維層の繊維を更に細かくして所定の効率にした濾材が使用されているが、しかしこの方法では圧力損失が高くなってしまうという問題があった。
特開昭60−196922号公報
特開平1−287914号公報
特開平8−284063号公報
特表平11−510862号公報
また、洗浄再生化には、極細繊維層の繊維を更に細かくして所定の効率にした濾材が使用されているが、しかしこの方法では圧力損失が高くなってしまうという問題があった。
本発明の目的は、前述の問題点を解決し、界面活性剤を用いた洗浄処理を行っても繊維に自然帯電またはエレクトレット化帯電した電荷量が減少せず、濾過効率の低下が少ない熱可塑性樹脂の不織布からなる洗浄可能フィルタを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、不織布の原料樹脂に特定量のイミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を配合した樹脂組成物から不織布を製造することによって、界面活性剤を使用した洗浄処理によっても不織布繊維に自然帯電またはエレクトレット化帯電した電荷量が減少せず、濾過効率の低下が少ないフィルタが得られることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、熱可塑性樹脂にイミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を0.05〜3重量%配合した樹脂組成物から得られる不織布を用いることを特徴とする洗浄可能フィルタが提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、熱可塑性樹脂がポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂であることを特徴とする洗浄可能フィルタが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、不織布が、目付け5〜100g/m2、平均繊維径2〜30μm、厚み0.1〜0.6mm、通気度20〜200cc/sec/cm2のポリプロピレンメルトブロー不織布であることを特徴とする洗浄可能フィルタが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、不織布がエレクトレット化処理をされてなることを特徴とする洗浄可能フィルタが提供される。
本発明のフィルタは、イミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を含有する熱可塑性樹脂の不織布からなるので、界面活性剤を用いた洗浄処理を行っても繊維に自然帯電またはエレクトレット化帯電した電荷量が減少せず、濾過効率の低下が少なく、脱臭・除塵用フィルタ、特にキャビンフィルタ用として有用である。
本発明を以下に詳しく説明する。
本発明の不織布に用いる熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリーレンスルフィド等を挙げることができる。これらの中では、ポリオレフィン、ポリエステルが好ましく、特に、プロピレンからなる単独重合体、共重合体が細い均一な繊維構成を得やすく、かつまた、不織布強度の面から好ましい。また、これらの熱可塑性樹脂は、必要に応じて適宜ブレンドして用いることができる。
本発明の不織布に用いる熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリーレンスルフィド等を挙げることができる。これらの中では、ポリオレフィン、ポリエステルが好ましく、特に、プロピレンからなる単独重合体、共重合体が細い均一な繊維構成を得やすく、かつまた、不織布強度の面から好ましい。また、これらの熱可塑性樹脂は、必要に応じて適宜ブレンドして用いることができる。
また、上記熱可塑性樹脂の2種類以上の組合せからなる複合繊維を用いてもよい。例えば、外層がポリエチレンからなり、内芯層が外層ポリエチレンより20℃以上、好ましくは30℃以上高い融点を有する樹脂よりなる複合繊維が挙げられる。この複合繊維においては、例えば、外層のポリエチレンとしては、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のいずれも使用できるが、特に低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の低融点のポリエチレンが好ましい。
内芯層を構成する樹脂としては、ポリエチレンの融点より20℃以上高い融点を有する樹脂で、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリーレンオキシド等の樹脂が挙げられ、特に、好ましくはポリプロピレンである。
内芯層の太さは、繊維径の1/5〜4/5程度であることが、外層の接着性と内芯層による形状保持効果を保つ上で望ましく、内芯層の位置は繊維の中心であっても偏芯していてもよい。
鞘の材質がポリエチレンであると、不織布製造時の熱エンボス処理や熱カレンダー処理の加工工程をより低温で行うことができるために好ましい。また、メルトブロー法ポリプロピレン不織布のポリプロピレンの結晶化温度においてポリエチレン部分を融解させてポリプロピレン繊維との結合度を増すことになり好都合である。さらに、鞘のポリエチレンが溶融しても、芯の部分は溶融せず、繊維としての形状が保持され、かつ強度も保持される。
鞘の材質がポリエチレンであると、不織布製造時の熱エンボス処理や熱カレンダー処理の加工工程をより低温で行うことができるために好ましい。また、メルトブロー法ポリプロピレン不織布のポリプロピレンの結晶化温度においてポリエチレン部分を融解させてポリプロピレン繊維との結合度を増すことになり好都合である。さらに、鞘のポリエチレンが溶融しても、芯の部分は溶融せず、繊維としての形状が保持され、かつ強度も保持される。
本発明において、上記熱可塑性樹脂に配合して用いるイミダゾール化合物は、熱可塑性樹脂のメルトブロー不織布繊維に自然帯電またはエレクトレット化帯電した電荷量をほとんど減少させない機能を有する化合物であり、トナー等において帯電性能を効果的にコントロールするために用いられているイミダゾール化合物帯電調整剤が挙げられる。
本発明で用いることのできるイミダゾール化合物としては、イミダゾール環を有する化合物であれば良いが、イミダゾール環の電子密度が上げられた状態の化合物が好ましく、電子供与性の置換基を導入されて帯電量が向上したもの、また長鎖アルキル基が導入されて帯電力が向上したものが好ましい。具体的には、2−アルキルベンズイミダゾール化合物の金属錯体、4級アンモニウム塩とイミダゾール類の金属錯体、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−S−トリアジン等を挙げることができる。
本発明で用いることのできるイミダゾール化合物としては、イミダゾール環を有する化合物であれば良いが、イミダゾール環の電子密度が上げられた状態の化合物が好ましく、電子供与性の置換基を導入されて帯電量が向上したもの、また長鎖アルキル基が導入されて帯電力が向上したものが好ましい。具体的には、2−アルキルベンズイミダゾール化合物の金属錯体、4級アンモニウム塩とイミダゾール類の金属錯体、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−S−トリアジン等を挙げることができる。
本発明において、上記熱可塑性樹脂に配合して用いる脂肪酸アマイド化合物は、熱可塑性樹脂のメルトブロー不織布繊維に自然帯電またはエレクトレット化帯電した電荷量をほとんど減少させない機能を有する化合物である。本発明で用いることのできる脂肪酸アマイド化合物としては、脂肪酸、不飽和脂肪酸のモノアマイド類、ビスアマイド類が挙げられ、例えば、ステアリン酸アマイド、バルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、ミリスチン酸アマイド、エルカ酸アマイド、オレイン酸アマイド、カプリル酸アマイド、カプリン酸アマイド、リノール酸アマイド、リノレン酸アマイド、リジノール酸アマイド、パルミトレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、アラキド酸アマイド、アラキジン酸アマイド、エイコセン酸アマイド、ブライジン酸アマイド、エライジン酸アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド、N−(2−ハイドロキシメチル)・ステアリン酸アマイド、N−(2−ハイドロキシエチル)ラウリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アマイド、オクタメチレンビスエルカ酸アマイド等を挙げることができる。
本発明において、熱可塑性樹脂に配合するイミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物の配合量は、熱可塑性樹脂に対して0.05〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。配合量が0.05重量%未満では繊維の電荷の維持効果が小さく、3重量%を超えると効果の飽和とともに、配合物が不織布化工程で分解し製品の着発色、臭気、揮発成分の生成などの副作用が起きやすくなり好ましくない。
本発明の不織布は、上記の熱可塑性樹脂にイミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を配合した樹脂組成物を用い、メルトブロー法、スパンボンド法、乾式法、湿式法等で製造して得られる。
特にポリオレフィンを用いたメルトブロー法不織布としては、目付けは、好ましくは5〜100g/m2であり、より好ましくは10〜40g/m2である。平均繊維径は、好ましくは2〜30μmであり、より好ましくは4〜25μmである。厚みは、好ましくは0.1〜0.6mmであり、より好ましくは0.2〜0.4mmである。通気度は、好ましくは20〜200cc/sec/cm2であり、より好ましくは30〜150cc/sec/cm2である。このような物性を有するポリプロピレンメルトブロー不織布がエアーフィルタとして用いるのに好ましい。
また、ポリオレフィンを用いたスパンボンド法不織布としては、目付重量は、好ましくは5〜100g/m2であり、より好ましくは10〜40g/m2である。平均繊維径は、好ましくは10〜30μmであり、より好ましくは10〜20μmである。厚みは、好ましくは0.1〜0.6mmであり、より好ましくは0.2〜0.4mmである。通気度は、好ましくは100〜400cc/sec/cm2であり、より好ましくは150〜300cc/sec/cm2である。このような物性を有すポリプロピレンスパンボンド不織布がエアーフィルタとして用いるのに好ましい。
特にポリオレフィンを用いたメルトブロー法不織布としては、目付けは、好ましくは5〜100g/m2であり、より好ましくは10〜40g/m2である。平均繊維径は、好ましくは2〜30μmであり、より好ましくは4〜25μmである。厚みは、好ましくは0.1〜0.6mmであり、より好ましくは0.2〜0.4mmである。通気度は、好ましくは20〜200cc/sec/cm2であり、より好ましくは30〜150cc/sec/cm2である。このような物性を有するポリプロピレンメルトブロー不織布がエアーフィルタとして用いるのに好ましい。
また、ポリオレフィンを用いたスパンボンド法不織布としては、目付重量は、好ましくは5〜100g/m2であり、より好ましくは10〜40g/m2である。平均繊維径は、好ましくは10〜30μmであり、より好ましくは10〜20μmである。厚みは、好ましくは0.1〜0.6mmであり、より好ましくは0.2〜0.4mmである。通気度は、好ましくは100〜400cc/sec/cm2であり、より好ましくは150〜300cc/sec/cm2である。このような物性を有すポリプロピレンスパンボンド不織布がエアーフィルタとして用いるのに好ましい。
本発明において、不織布は、必要に応じて、エレクトレット化することができる。エレクトレット化は、コロナ放電を用いる方法、水の噴流または水滴流を衝突させる方法のいずれも用いることができる。コロナ放電を用いる方法は、不織布をアースされた電極上を走行させ、この上から針電極又はワイヤー電極に高電圧を印加することによってコロナ放電を行い達成される。
また、本発明のフィルタは、上記熱可塑性樹脂にイミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を配合した樹脂組成物から得られる不織布にプリーツ加工等の機能を付与するために他の不織布を積層して用いても良い。積層できる不織布としては、ケミカルボンド不織布、乾式不織布、サーマルボンド乾式不織布、湿式不織布等を挙げることができる。
本発明のフィルタは、イミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物が配合された熱可塑性樹脂から得られているため、初期の帯電量は高くなり、界面活性剤を用いた洗浄処理を行っても繊維に自然帯電またはエレクトレット化帯電した電荷量が減少せず濾過効率の低下が少なく、さらに経時劣化が少ないため、空気清浄用フィルタ、マスク、自動車用キャビンフィルタ、ワイパー等に有効に用いることができる。
本発明を以下の実施例、比較例によって具体的に説明する。なお、物性の測定は以下の方法を用いて行った。
(1)平均繊維径:試験片の任意な5箇所を電子顕微鏡で5枚の写真撮影を行い、1枚の写真につき20本の繊維の直径を測定し、これら5枚の写真について行い、合計100本の繊維径を平均して求めた。
(2)目付け:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測定し、1m2当たりに換算して求めた。
(3)厚み:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、ダイヤルシックネスゲージで測定した。
(4)通気度:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、JIS L 1096に準拠し、フラジール型試験機を用いて測定した。
(5)捕集効率:0.3μmのNaCl粒子の試験用粉塵含有空気を5.3cm/sの流量で通過させ、JIS Z 8813に準じた光散乱光量積算方式により、通過前通過後の粉塵濃度を同時に連続的に測定し、次式により、捕集効率を求めた。
捕集効率(%)=(通過後の粉塵濃度(mg/m2)−通過前の粉塵濃度(mg/m2)/(通過前の粉塵濃度(mg/m2)×100
(6)圧力損失:捕集効率の試験と並行してアネロイド式圧力計を用い、0.3μmのNaCl粒子の試験用粉塵含有空気の通過前後の圧力を測定し、その差圧を求めた。
(1)平均繊維径:試験片の任意な5箇所を電子顕微鏡で5枚の写真撮影を行い、1枚の写真につき20本の繊維の直径を測定し、これら5枚の写真について行い、合計100本の繊維径を平均して求めた。
(2)目付け:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測定し、1m2当たりに換算して求めた。
(3)厚み:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、ダイヤルシックネスゲージで測定した。
(4)通気度:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、JIS L 1096に準拠し、フラジール型試験機を用いて測定した。
(5)捕集効率:0.3μmのNaCl粒子の試験用粉塵含有空気を5.3cm/sの流量で通過させ、JIS Z 8813に準じた光散乱光量積算方式により、通過前通過後の粉塵濃度を同時に連続的に測定し、次式により、捕集効率を求めた。
捕集効率(%)=(通過後の粉塵濃度(mg/m2)−通過前の粉塵濃度(mg/m2)/(通過前の粉塵濃度(mg/m2)×100
(6)圧力損失:捕集効率の試験と並行してアネロイド式圧力計を用い、0.3μmのNaCl粒子の試験用粉塵含有空気の通過前後の圧力を測定し、その差圧を求めた。
(実施例1)
メルトフローレート50g/10分のホモポリプロピレンに対し、1重量%の2,4−ジアミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−S−トリアジン(四国化成工業(株)製CIIZ−A)を配合した樹脂組成物を押出機によって溶融可塑化し、ポリマーラインを経て、ダイ幅20インチ、ノズル孔が10インチ当たり300孔、エアギャップ1.0mm、セットバック1.0mmのノズルピースにより、下記の条件で加熱された圧縮空気とともに大気中に吐出し、これを回転スクリーン上に連続的に捕集させ、スクリーンの移動速度を適当に調節して、平均繊維径3μm、目付け20g/m2、厚み0.19mm、通気度50cc/sec/cm2のメルトブロー不織布を得た。
樹脂全吐出量 7kg/hr
ダイ温度 300℃
空気温度 300℃
空気流量 15Nm3/hr
ダイ−コンベア距離 200mm
メルトフローレート50g/10分のホモポリプロピレンに対し、1重量%の2,4−ジアミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−S−トリアジン(四国化成工業(株)製CIIZ−A)を配合した樹脂組成物を押出機によって溶融可塑化し、ポリマーラインを経て、ダイ幅20インチ、ノズル孔が10インチ当たり300孔、エアギャップ1.0mm、セットバック1.0mmのノズルピースにより、下記の条件で加熱された圧縮空気とともに大気中に吐出し、これを回転スクリーン上に連続的に捕集させ、スクリーンの移動速度を適当に調節して、平均繊維径3μm、目付け20g/m2、厚み0.19mm、通気度50cc/sec/cm2のメルトブロー不織布を得た。
樹脂全吐出量 7kg/hr
ダイ温度 300℃
空気温度 300℃
空気流量 15Nm3/hr
ダイ−コンベア距離 200mm
次に、得られたメルトブロー不織布を厚さ0.5mmのケミカルボンド乾式不布と積層し、フィルタを得た。得られたフィルタの捕集効率及び圧力損失を測定し、次いで、主成分がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの洗浄剤を用いて1分間超音波洗浄した。乾燥後同様に捕集効率及び圧力損失を測定した。同じ操作を8回まで繰り返した。各洗浄後の捕集効率及び圧力損失の結果を表1に示す。
(実施例2)
コロナ放電法によりメルトブロー不織布をエレクトレット化処理する以外は、実施例1と同様にしてフィルタを得た。得られたフィルタの捕集効率及び圧力損失を測定し、次いで、主成分がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの洗浄剤を用いて1分間超音波洗浄した。乾燥後同様に捕集効率を測定した。同じ操作を8回まで繰り返した。各洗浄後の捕集効率の結果を表1に示す。
コロナ放電法によりメルトブロー不織布をエレクトレット化処理する以外は、実施例1と同様にしてフィルタを得た。得られたフィルタの捕集効率及び圧力損失を測定し、次いで、主成分がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの洗浄剤を用いて1分間超音波洗浄した。乾燥後同様に捕集効率を測定した。同じ操作を8回まで繰り返した。各洗浄後の捕集効率の結果を表1に示す。
(実施例3)
イミダゾール化合物に代えて、脂肪酸アマイド化合物として、エチレンビスステアリン酸アマイド(日本化成(株)製スリパックス−E)を用いる以外は、実施例1と同様にしてフィルタを得、評価した。結果を表1に示す。
イミダゾール化合物に代えて、脂肪酸アマイド化合物として、エチレンビスステアリン酸アマイド(日本化成(株)製スリパックス−E)を用いる以外は、実施例1と同様にしてフィルタを得、評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
イミダゾール化合物に代えて、脂肪酸アマイド化合物として、エチレンビスステアリン酸アマイド(日本化成(株)製スリパックス−E)を用いる以外は、実施例2と同様にしてフィルタを得、評価した。結果を表1に示す。
イミダゾール化合物に代えて、脂肪酸アマイド化合物として、エチレンビスステアリン酸アマイド(日本化成(株)製スリパックス−E)を用いる以外は、実施例2と同様にしてフィルタを得、評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
イミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を用いない以外は、実施例1と同様にしてフィルタを得た。得られたフィルタの捕集効率及び圧力損失を測定し、次いで、主成分がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの洗浄剤を用いて1分間超音波洗浄した。乾燥後同様に捕集効率を測定した。同じ操作を8回まで繰り返した。各洗浄後の捕集効率の結果を表1に示す。
イミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を用いない以外は、実施例1と同様にしてフィルタを得た。得られたフィルタの捕集効率及び圧力損失を測定し、次いで、主成分がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの洗浄剤を用いて1分間超音波洗浄した。乾燥後同様に捕集効率を測定した。同じ操作を8回まで繰り返した。各洗浄後の捕集効率の結果を表1に示す。
(比較例2)
イミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を用いない以外は、実施例2と同様にしてフィルタを得た。得られたフィルタの捕集効率及び圧力損失を測定し、次いで、主成分がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの洗浄剤を用いて1分間超音波洗浄した。乾燥後同様に捕集効率を測定した。同じ操作を8回まで繰り返した。各洗浄後の捕集効率の結果を表1に示す。
イミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を用いない以外は、実施例2と同様にしてフィルタを得た。得られたフィルタの捕集効率及び圧力損失を測定し、次いで、主成分がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの洗浄剤を用いて1分間超音波洗浄した。乾燥後同様に捕集効率を測定した。同じ操作を8回まで繰り返した。各洗浄後の捕集効率の結果を表1に示す。
本発明のフィルタは、界面活性剤を用いた洗浄処理を行っても繊維に自然帯電またはエレクトレット化帯電した電荷量が減少せず、濾過効率の低下が少なく、脱臭・除塵用フィルタ、特にキャビンフィルタ用として有用である。
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂にイミダゾール化合物または脂肪酸アマイド化合物を0.05〜3重量%配合した樹脂組成物から得られる不織布を用いることを特徴とする洗浄可能フィルタ。
- 熱可塑性樹脂がポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄可能フィルタ。
- 不織布が、目付け5〜100g/m2、平均繊維径2〜30μm、厚み0.1〜0.6mm、通気度20〜200cc/sec/cm2のポリプロピレンメルトブロー不織布であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄可能フィルタ。
- 不織布がエレクトレット化処理をされてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄可能フィルタ。
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