JPH05245325A

JPH05245325A - 空気浄化用フィルタ

Info

Publication number: JPH05245325A
Application number: JP4048189A
Authority: JP
Inventors: Shuzo Tokumitsu; 修三徳満; Noboru Naruo; 昇成尾
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1992-03-05
Filing date: 1992-03-05
Publication date: 1993-09-24

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、低騒音・高性能の空気清浄器を実
現するに当たって、低圧損・高性能で、コンパクトな空
気浄化用フィルタを提供することを目的としている。【構成】粉粒状吸着剤を担持した通気性面状の脱臭フ
ィルタ２と、通気性面状の集塵フィルタ１を一体に折り
込み加工したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】一般家庭における集塵や脱臭など
の要望は年々強くなり、たばこの煙や臭いの除去、ペッ
トやトイレの臭い除去、ハウスダストの除去などについ
ての要望が、建築物の密閉度の向上や、冷暖房機器の普
及に比例し高まってきている。

【０００２】本発明はこのような要請に基づく、空気清
浄器に使う空気浄化用フィルタ関するもので、低圧損・
高性能・コンパクトを特徴とするものである。

【０００３】

【従来の技術】一般に室内や車内で使用されている空気
清浄器は、比較的低濃度の粉塵や臭気を効率良く除去す
る必要があり、ＨＥＰＡフィルタ・静電フィルタ・電気
集塵などの集塵部と、活性炭充填層を組み合わせること
により、実用化されてきている。浄化効率を高めるため
には、ワンパスの効率を高めると共に、風量を高めて循
環を早くすることが重要である。

【０００４】前記方式のなかで、低圧損・高効率でメイ
ンテナンスの簡単な空気清浄器として次のようなものが
ある。それは、コロナ放電による粉塵のイオン化部と、
粉塵を捕集するシ−ト状エレクトレットフィルタと、ハ
ニカム状基材のセル内に破砕した活性炭等の吸着剤を入
れ、かつ前記ハニカム状基材の両面に不織布を貼り合わ
せた脱臭フィルタから成る空気清浄器である。以下、こ
の脱臭フィルタの構成について図１０〜１２を参照しな
がら説明する。

【０００５】図１０は上記従来例の脱臭フィルタの全体
図であり、図１１はその一部拡大図である。図１２はハ
ニカム状基材５１の拡大図である。このハニカム状基材
５１は、アルミニウムの薄板やクラフト紙をフェノ−ル
系樹脂等で硬化したもので成る蜂の巣状のものである。
このフィルタは、ハニカム状基材５１のセル５５内に吸
着剤５２を入れ、両面に不織布５３を、くもの巣状接着
シ−ト５４で接合している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし前記した従来の
構成のフィルタにおいては、フィルタ内部の吸着剤５２
として通常微粒子を含んでいる。このため結果として、
不織布５３の繊維目付量が多くなり、圧損が高くなると
いう課題を有している。

【０００７】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、低騒音・高性能の空気清浄器を実現するに当たっ
て、低圧損・高性能で、コンパクトな空気浄化用フィル
タを提供することを第一の目的としている。また、前記
第一の目的を一層確実に達成することができる高性能な
空気浄化用フィルタを提供することを、第二の目的とし
ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、粉粒状吸着剤を担持した通
気性面状の脱臭フィルタと通気性面状の集塵フィルタを
一体に折り込み加工した空気浄化用フィルタとするもの
である。

【０００９】また第二の目的を達成するための本発明の
第二の手段は、粉粒状吸着剤を立体編み物に担持した脱
臭フィルタと通気性面状の集塵フィルタを一体に折り込
み加工した空気浄化用フィルタとするものである。

【００１０】

【作用】本発明の第一の手段は、以下のように作用す
る。つまり、悪臭空気の通過面積を極めて広くできるた
め、低圧損で作用する。また吸着剤の粒あるいは粉末を
接着するため、多量の吸着剤を担持でき、脱臭性能を高
めるように作用する。また、集塵フィルタを一体に折り
込み加工しているため、空気浄化用フィルタをコンパク
トな構成で実現している。

【００１１】本発明の第二の手段は、三次元的な担体で
ある立体編み物に吸着剤の粒あるいは粉末を接着するの
で、一層多量の吸着剤を担持でき、一層高性能な空気浄
化用フィルタとして作用するものである。

【００１２】

【実施例】

（実施例１）以下本発明の第一の実施例の構成につい
て、図１・図２を参照しながら説明する。集塵フィルタ
１は、メルトブロ−ン製法で作られた直径が２〜３μｍ
と極細で、かつエレクトレット化されたポリプロピレン
繊維の不織布である。不織布の目付量は約60g/m²であ
る。脱臭フィルタ２は、不織布状の通気性面状脱臭材か
らなっている。本実施例の空気浄化用フィルタは、この
集塵フィルタ１と脱臭フィルタ２を一体に折りこみ加工
し、周囲を厚手の不織布の枠板３で接着剤を用いて固定
したものである。折り込み加工のピッチと山の高さは、
集塵性能・脱臭性能・圧損・装置の大きさなどを勘案し
て決定されるが、一般的にピッチは４mm〜１０mm、山の
高さは１５mm〜５０mmが望ましい。ここではピッチ６m
m、高さ約３０mmの折り込み形に加工し、寸法は横454mm
×縦302mmとしている。

【００１３】ここで脱臭フィルタ２について詳しく説明
する。通気性面状脱臭材は、ここではポリエステル製の
不織布に吸着剤を担持したものである。吸着剤として
は、一般的には活性炭・ゼオライト・シリカゲル・アル
ミナゲル、あるいはこれらのものに臭い成分に有効な薬
品を添着したものなどを使用する。ここでは、100mesh
以下で比表面積約1200m²/g（ＢＥＴ法）の椰子殻活性炭
約７５重量部に、ゴムラテックス及びカルボキシメチル
セルロ−ス（ＣＭＣ）等から成るバインダ−約２５重量
部を混合したものを、表１のＡに示す不織布に含浸した
後乾燥した。乾燥後の活性炭の目付量は約205g/m²であ
った。ここではさらに、このうちの３分の１（面積比）
をりんご酸１４重量部，硫酸第一鉄６重量部の溶液に浸
漬し、乾燥した。前記浸漬した部分は約２７重量％（吸
着剤の中の割合）のりんご酸＋硫酸第一鉄が添着されて
いる。その次にフィルタ全体にアニリンが約6.5重量％
添着されるように、アニリンガスを吸着させた。その後
前記方法で集塵フィルタ１と一体に折り込み加工した。
吸着剤の全量は約306gである。

【００１４】

【表１】

【００１５】次に、本実施例の空気浄化用フィルタ４を
使用した空気清浄器の構成について、図３・図４に基づ
いて説明する。５は空気吸い込み口、６は空気吹き出し
口、７はコントロ−ル部である。８は空気中の大きい粉
塵を除去するプレフィルタ、９はモ−タ、１０はファン
部、１１は空気の流路を示す。１２は空気清浄器のボデ
ィである。

【００１６】以下この空気清浄器の動作を説明する。フ
ァン部１０が回転して、空気吸い込み口５より吸引され
た空気は、まずプレフィルタ８で大きい粉塵を除去され
る。続いて空気浄化用フィルタ４が作用して、空気中の
細かい埃や煙を捕集する。すなわち、空気浄化用フィル
タ４を構成している集塵フィルタ１は、極細繊維による
フィルタ効果とエレクトレット効果を有しているため、
細かい埃や煙を集塵するものである。その後臭いなどの
ガス成分は、同様に空気浄化用フィルタを構成している
脱臭フィルタ２の吸着剤で吸着される。こうして浄化さ
れた空気は、空気吹き出し口６より出ていく。

【００１７】（実施例２）次に、本発明の第二の実施例
について図１〜図５を参照しながら説明する。本実施例
も実施例１と同じように、集塵フィルタと脱臭フィルタ
を一体に折りこみ加工したもので、その構成は図１・図
２に示したものと同様である。集塵フィルタは、実施例
１と同じメルトブロ−ン製法で作られた直径が２〜３μ
ｍと極細で、かつエレクトレット化されたポリプロピレ
ン繊維の不織布である。不織布の目付は約60g/m²であ
る。脱臭フィルタはメッシュ状の通気性面状脱臭材から
なっている。ここではピッチ6mm、高さ約30mmに折り込
み形に加工し、寸法は横454mm×縦302mmとした。

【００１８】脱臭フィルタは、実施例１と同じ方法で表
１に示すポリエステル製のメッシュに活性炭を担持し
た。前記活性炭の目付量は約238g/m²であった。ここで
はさらに、以下の加工を行っている。すなわち、第一に
面積比で全体の３分の１をりんご酸１４重量部、硫酸第
一鉄６重量部の溶液に浸漬し乾燥している。これによっ
て、前記浸漬した部分には、約２７重量％（吸着剤の中
の割合）のりんご酸＋硫酸第一鉄が添着される。次にフ
ィルタ全体にアニリンが約6.5重量％添着されるよう
に、アニリンガスを吸着させている。その後、表１のＢ
に示す寸法で折り込み加工した。この様にして得られた
脱臭フィルタは横454mm×縦302mm×厚さ25mmで、吸着剤
の全量は約312gである。図５は脱臭フィルタの一部拡大
図で、２１はメッシュ表面の吸着剤である。

【００１９】本実施例の空気浄化用フィルタも、実施例
１と同様、図３・図４に示した空気清浄器に用いる。

【００２０】（実施例３）次に、本発明の第三の実施例
について図１・図２、図６〜図９を参照しながら説明す
る。本実施例も実施例１・実施例２と同様、集塵フィル
タと脱臭フィルタを一体に折りこみ加工したもので、そ
の構成は図１・図２に示したものと同様である。集塵フ
ィルタは、厚さ約10μm、幅約38μmのエレクトレット化
したポリプロピレン繊維の不織布で、目付量は約150g/m
²である。脱臭フィルタは三次元構造体の通気性脱臭材
からなっている。ここではピッチ20mm、高さ約33mmに折
り込んだ形に加工し、寸法は横454mm×縦302mmとした。

【００２１】本実施例においては、脱臭フィルタは立体
編み物に吸着剤を担持したものである。図６は脱臭フィ
ルタの断面図であり、図７はその平面図である。図８は
立体編み物３１の拡大図である。多角形網目状のセルか
らなる立体編み物３１は、撚糸で編まれた表裏の多角形
の網３２・３３を平行に連結糸３４で繋いだものであ
る。ここでは表裏の多角形の網３２・３３はポリエステ
ルの撚糸でなり、連結糸３４はナイロンの単糸を使って
いる。セルの寸法は一般的にｌ₁ ，ｌ₂ 寸法で表示され
るが、このｌ₁ ・ｌ₂ 寸法とｃ寸法はフィルタの性能に
大きく影響する。つまり、使用する活性炭等の吸着剤３
５の量と許容される圧損とから、最適な寸法を設定す
る。一般的にｌ₁ ・ｌ₂ 寸法は1.5mm〜10mm、ｃ寸法は
1.5mm〜10mmが望ましい。ここでは表１のＣに示すよう
に、ｌ₁ を2.5mm、ｌ₂ を4.5mm、ｃを3.0mmのものを使
った。脱臭フィルタは、このような立体編み物３１の網
３２・３３及び連結糸３４に吸着剤３５を担持したもの
である。ここでは実施例１・実施例２と同じ椰子殻活性
炭約８０重量部に、ゴムラテックス及びカルボキシメチ
ルセルロ−ス（ＣＭＣ）等からなるバインダ−約２０重
量部を混合したものを、立体編み物３１に含浸した後乾
燥した。乾燥後の活性炭の目付量は約540g/m²であっ
た。ここではさらに、実施例１・実施例２と同じように
して、りんご酸＋硫酸第一鉄とアニリンを添着した。そ
の後、表１のＣに示す寸法で折り込み加工した。この様
にして得られた脱臭フィルタは、横454mm×縦302mm×厚
さ30mmで、吸着剤の全量は約304gである。

【００２２】図９は、実施例３の空気浄化用フィルタ４
１を使った空気清浄器の主要縦断面図である。４２は空
気吸い込み口、４３は空気吹き出し口である。４４は空
気中の大きい粉塵を除去するプレフィルタ、４５は小さ
な粉塵をイオン化するコロナ放電のための放電線であ
り、陽極となる。その対向電極板が４６である。また集
塵フィルタの分極を強化するために、放電線４５の対極
として脱臭フィルタの導電性部分が機能する。脱臭フィ
ルタの導電率は約100kΩ/30cmである。４７はモ−タ、
４８はファン部、４９は空気の流路を示している。また
５０は空気清浄器のボディである。

【００２３】以下この空気清浄器の動作を説明する。フ
ァン部４８の回転によって、空気吸い込み口４２から吸
引された空気は、まずプレフィルタ４４で大きい粉塵を
除去される。続いて放電線４５のコロナ放電によって細
かい埃や、煙がプラスに帯電され、空気浄化用フィルタ
４１を構成している集塵フィルタに捕らえられる。その
後臭いなどのガス成分は、同脱臭フィルタの吸着剤で吸
着される。こうして浄化された空気は、空気吹き出し口
４３より出ていく。

【００２４】以上三つの実施例について説明したが、こ
れらは本発明を何等限定するものでない。集塵部・脱臭
部を目的によって最適な組合せで使うことが望ましい。

【００２５】（実験結果）次に上記各実施例の空気浄化
用フィルタと、従来の空気浄化用フィルタの特性を比較
する実験結果について報告する。実験に使用したサンプ
ルは、従来の空気浄化用フィルタとしては、集塵フィル
タは実施例３と同様のエレクトレットフィルタからなる
平面状のものを、脱臭フィルタとしては図１０〜図１２
に示す形状の物を使用している。脱臭フィルタＤにおい
ては、クラフト紙のセルの寸法ｌは12mm、厚さｃ₁ は7m
m、また吸着剤５２は6mesh〜12mesh（約2mm〜4mm）の、
アルデヒド用・アンモニア用・硫黄化合物系用及び炭化
水素用の４種の破砕炭300gを用いた。また不織布５３
は、ポリエステル・アクリル・ＰＰ・ＰＥなどの熱可塑
性樹脂から成り、導電処理を施した繊維状不織布で、目
付重量30g/m²のものを使用した。くもの巣状接着シ−ト
５４は、目付重量16g/m²のナイロン製を使い、フィルタ
の寸法は454mm×302mmの大きさにした。１．脱臭性能 (1) １ｍ³の密閉箱中でたばこ（セブンスタ−）を１本
自然燃焼させた後、実施例と比較例の空気清浄器をそれ
ぞれ運転し、箱中のガス濃度をＦＩＤ検出器付きガスク
ロマトグラフィで分析し、減衰曲線を求めた。その結
果、１０分の１に減衰する時間はいずれも１０分以内で
あり、非常に早かった。 (2) 又、たばこ喫煙者の居間でそれぞれの空気清浄器を
１年間使用した後に、(1) と同じ方法で１０分間測定を
行ったところ、全て８０％以上の除去率であり、まだ十
分に脱臭能力があることが分かった。２．圧損・騒音・集塵性能圧損の評価は、集塵部と脱臭部を合わせたものを風速45
cm/secで測定した。騒音と塵埃捕集率は、それぞれの空
気清浄器について風量3m³/minで測定した。

【００２６】その結果を表２に示す。

【００２７】

【表２】

【００２８】表２から明からなように、本実施例の空気
浄化用フィルタを用いた空気清浄器は、高性能な脱臭能
力・集塵能力を維持したまま、いずれも比較例よりも圧
損が低く、低騒音である。また、別々に折り込んだ集塵
フィルタと脱臭フィルタをそれぞれ形成するよりも、一
体に形成したほうが製造工程が簡略化でき、安価にな
る。また、空気清浄器としてもコンパクトにできるもの
である。

【００２９】

【発明の効果】本発明の第一の手段によれば、粉粒状吸
着剤を担持した通気性面状の脱臭フィルタと通気性面状
の集塵フィルタを一体に折り込み加工した構成とするこ
とによって、低圧損・高性能で、低騒音・高性能の空気
清浄器を実現することができる空気浄化用フィルタを実
現することができる。

【００３０】また本発明の第二の手段によれば、粉粒状
吸着剤を立体編み物に担持した脱臭フィルタと通気性面
状の集塵フィルタを一体に折り込み加工した構成とする
ことによって、本発明の第一の手段が有している効果を
一層高めた空気浄化用フィルタを実現することができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一・第二・第三の実施例における空
気浄化用フィルタの横断面図

【図２】同空気浄化用フィルタの斜視図

【図３】本発明の第一・第二の実施例における空気清浄
器の主要縦断面図

【図４】同空気清浄器の斜視図

【図５】本発明の第二の実施例における脱臭フィルタの
一部拡大図

【図６】本発明の第三の実施例における脱臭フィルタの
断面図

【図７】同脱臭フィルタの一部平面図

【図８】同立体編み物の一部拡大斜視図

【図９】同空気清浄器の主要縦断面図

【図１０】従来の脱臭フィルタの基本構成を示す断面図

【図１１】同脱臭フィルタの一部拡大図

【図１２】同脱臭フィルタにおけるハニカム状基材の一
部拡大斜視図

【符号の説明】

１集塵フィルタ２脱臭フィルタ４・４１空気浄化用フィルタ３１立体編み物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】粉粒状吸着剤を担持した通気性面状の脱
臭フィルタと通気性面状の集塵フィルタを一体に折り込
み加工した空気浄化用フィルタ。
【請求項２】粉粒状吸着剤を立体編み物に担持した脱
臭フィルタと通気性面状の集塵フィルタを一体に折り込
み加工した空気浄化用フィルタ。