JPH1190133A - 空気浄化フィルタ - Google Patents

空気浄化フィルタ

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Publication number
JPH1190133A
JPH1190133A JP26158697A JP26158697A JPH1190133A JP H1190133 A JPH1190133 A JP H1190133A JP 26158697 A JP26158697 A JP 26158697A JP 26158697 A JP26158697 A JP 26158697A JP H1190133 A JPH1190133 A JP H1190133A
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JP
Japan
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antibacterial
nonwoven fabric
honeycomb
antifungal
air purification
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Application number
JP26158697A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Ueda
和宏 植田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塵埃を効率的に集塵・除去し、且つ、捕集し
た塵埃中の菌、黴類の増殖を抑制することができるハニ
カム状の空気浄化フィルタを提供すること。 【解決手段】 セル内面積の30〜70%が抗菌抗黴不
織布からなり、特定のハニカム波ピッチ及び高さ、特定
の不織布厚みを有するハニカム状の空気浄化フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は風量低下を引き起こ
さないハニカム状の抗菌抗黴性を有するエレクトレット
フィルタに関し、詳しくは、塵埃を効率的に除去し、且
つ、捕集した塵埃中の菌、黴類の増殖を抑制することが
できるハニカム状の空気浄化フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、室内で発生するハウスダスト、花
粉等の数十ミクロンオーダーの粒子に対する除去やタバ
コ煙を初め、ディーゼル自動車等から排出されるサブミ
クロンオーダーの微粒子に対する除去の要望が、健康上
の問題から大きくクローズアップされている。この要望
に対する濾材としてエレクトレット繊維の静電気力を利
用したフィルタがすでに公知であり、種々市販されてい
る。
【0003】この反面、かかるフィルタに捕集された塵
埃中には菌、黴類が混在し、場合によってはこれらの
菌、黴類がフィルタ中などで増殖し、異臭が発生した
り、増殖した菌、黴類の再飛散などによる健康、衛生上
の問題を生じていた。
【0004】集塵性能の高いエレクトレット化不織布の
形状としては、単板状、ヒダ折り加工を施したプリーツ
状、フルート部とライナー部からなるハニカム状がある
が、エアコン用等の空気浄化フィルタの場合、使用時の
通気抵抗上昇がなく、超低初期通気抵抗が必要とされる
ため、後者のハニカム状フィルタが一般的に使用されて
いる。
【0005】実際、特公昭59−25612、特公昭5
9−25613、特公昭59−25614、特公昭59
−51323等で各種ハニカム状のエレクトレットフィ
ルターが提案されているが、これらのフィルタには抗菌
抗黴性能が無く、捕集した塵埃中の菌、黴類によって異
臭が発生したり、増殖した菌、黴類の再飛散などの問題
を生じていた。
【0006】ハニカム状フィルタに、抗菌抗黴剤を組み
合わせたフィルタとしては、例えば、以下のフィルタが
提案されている。
【0007】特開昭63−137724には、ハニカム
構造体のセル内部に活性炭等の吸着剤を入れ、両面に防
菌防黴処理を施した不織布をくもの巣状接着シートにて
接合した空気浄化フィルタが提案されている。しかし、
両面に防菌防黴処理を施した不織布を接合するため、通
気抵抗が上昇し、また、ハニカム内に抗菌抗黴処理がな
されていないので、内部に進入した菌や黴が増殖すると
いう問題を有していた。さらに、活性炭だけであるの
で、除塵性能が不十分であった。
【0008】特公平7−83815には、ハニカム構造
体に防黴剤を添加した粘着剤により、約20〜60メッ
シュの吸着剤粒子を添着したエアコンディショナ用脱臭
フィルタが提案されている。しかし、このフィルタの場
合、本来の目的が、脱臭であり、除塵性能が不十分であ
った。
【0009】一方、塵埃保持量がハニカム状より高い単
板状やプリーツ状のフィルタの場合には、下記の各種フ
ィルタが提案されている。
【0010】特開昭62−42715、実開平5−60
513、実開平7−9415には、エレクトレット不織
布と抗菌抗黴不織布の積層フィルタが提案されている
が、抗菌抗黴剤を有する不織布等の積層フィルタである
ため、初期通気抵抗を上昇させ、且つ、熱融着による接
着であるため集塵性能が低下する問題があった。
【0011】特開昭62−42716公報、実開平6−
57412では抗菌抗黴加工を施した不織布をエレクト
レット化したフィルタが提案されているが、不織布に抗
菌抗黴剤を固着させ、その後エレクトレット化する方法
を採用しているため、本来の集塵性能が低下するという
問題があった。
【0012】特開平1−164411公報、特開平1−
187918公報では、エレクトレットの吸着現象を利
用して、抗菌抗黴剤を付着させたエレクトレットフィル
タが提案されているが、熱処理で抗菌抗黴剤を固着化し
ているため集塵性能の発現性が不充分であった。
【0013】上記で説明した通り、初期通気抵抗が低
く、集塵性能に優れつつ、且つ、抗菌抗黴性能を有する
空気浄化フィルタは提供されていないのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、初期通気抵抗の上
昇及び塵埃の集塵性能の低下を防ぎ、且つ、捕集した
菌、黴類の増殖を抑制することが可能な空気浄化フィル
タを提供するものである。
【0015】即ち、本発明者は、上記課題を解決するた
めに、初期通気抵抗の低いハニカムフィルターに関し、
エレクトレット化不織布の集塵性能を生かせつつ、フィ
ルタ全体に抗菌抗黴性能を付与するために、ハニカムフ
ィルタのセル中での抗菌抗黴不織布の構成に関して鋭意
検討した結果、驚いたことに、セル内の全面積を抗菌抗
黴不織布で覆わなくても、セル内の全面積の30%以上
を抗菌抗黴不織布で覆うことにより、フィルタ全体の抗
菌抗黴性能を発現し得ることを見出した。
【0016】現時点で、上記知見の詳細な理由は不明で
あるが、上記知見に基づいてセルの内表面の一部を抗菌
抗黴不織布とし、残りをエレクトレット化不織布とする
ことにより、塵埃の集塵性能と抗菌抗黴性能の両者が共
に優れたハニカムフィルタの提供を可能としたものであ
る。
【0017】すなわち、言い換えると、エレクトレット
化不織布と抗菌、抗黴不織布を積層した場合や、1つの
不織布に抗菌抗黴性能とエレクトレットとを共に付与し
た場合には、集塵性能の劣化や圧力損失の上昇等により
不織布の体積部分が十分に利用されず、満足し得る性能
を発揮することが困難であったという従来の問題点を本
発明により解決することを可能としたものである。
【0018】本発明者は、上記の知見に基づきさらに重
ねて検討した結果、不織布の厚み、ハニカムのピッチや
高さ等を規定することにより、上記の性能をさらに確実
なものとし得ることを見出し、本発明を完成したもので
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ハニカ
ムを構成する各セルが、エレクトレット化された不織布
と抗菌抗黴性の不織布により形成されてなるハニカム状
空気浄化フィルタであって、前記セル内面の全面積中の
前記抗菌抗黴性の不織布の占める面積の割合が30〜7
0%であるハニカム状空気浄化フィルタを提供するもの
である。
【0020】本発明の好ましい実施態様は、前記ハニカ
ムの波ピッチが1.5mm〜10mmであり、且つ、波
高さが0.6mm〜8.0mmである。
【0021】本発明の好ましい実施態様は、前記抗菌抗
黴性の不織布の厚みが、0.05mm〜1.0mmであ
る。
【0022】本発明の好ましい実施態様は、前記エレク
トレット化された不織布の厚みが0.05mm〜1.5
mmであり、且つ、前記エレクトレット化された不織布
の嵩密度が0.03g/cc〜0.25g/ccであ
る。
【0023】本発明の好ましい実施態様は、前記抗菌抗
黴性の不織布の総重量に対する抗菌剤及び抗黴剤の含有
量が、0.01〜20重量%である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の空気浄化フィルタはハニ
カム型であることが必要である。エアコン等に使用され
る空気浄化フィルタは初期通気抵抗や使用時の通気抵抗
を低く抑える必要があるためである。
【0025】本発明のハニカム状空気浄化フィルタのハ
ニカムを構成する各セルは、エレクトレット化された不
織布と抗菌抗黴性の不織布により形成されていることが
必要である。フィルタ全体として、塵埃の集塵性能と集
めた塵埃中の抗菌抗黴性能を共に発現するためである。
【0026】本発明のハニカム状空気浄化フィルタのハ
ニカムを構成する各セルは、セル内面の全面積中の抗菌
抗黴性の不織布の占める割合が30%〜70%であるこ
とが必要である。抗菌抗黴性の不織布の割合が30%未
満の場合には、抗菌抗黴性能が低下し、菌や黴の種類に
よっては増殖する。また、この割合が70%を越える場
合には、集塵性能が低下する恐れがある。
【0027】本発明のハニカム状空気浄化フィルタのハ
ニカムの波ピッチは、1.5mm〜10mmであること
が好ましく、2.0mm〜8.0mmであればより好ま
しい。
【0028】本発明のハニカム状空気浄化フィルタのハ
ニカムの波高さは、0.6mm〜8.0mmであること
が好ましく、0.8mm〜6.0mmであればより好ま
しい。
【0029】上記ハニカムの波ピッチ及び波高さは、管
状通路の太さを決定するものであり、例えば、細い管状
通路の場合には、通気抵抗が大きくなるが、空気中の被
吸着物の管壁への移動速度も大きくなるため、除去に必
要なハニカム層長を短くすることができる。このよう
に、一般的には、主にフィルタの使用目的等を勘案し、
決定される。
【0030】しかし、本発明においては、管状通路の太
さは、上記の理由とは別に、抗菌抗黴性能に影響し、波
ピッチが10mmを越えたり又は/及び波高さが8mm
を越える場合には、菌、黴類の増殖を十分に抑えること
が困難となる。また、逆に、管状通路が細く、波ピッチ
が1.5mm未満又は/及び波高さが0.8mm未満の
場合には、通気抵抗が高くなり、安定した除塵性能を発
現することが困難となる。
【0031】本発明のハニカム状空気浄化フィルタを製
造する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、
段ボール加工機により、波型に加工した波型シート(フ
ルート部)の片面と平面シート(ライナー部)の接点を
接合して片段ボールを成形し、その後、この片段ボール
を積み重ね或いはロール状に巻き上げてハニカム状フィ
ルタを製造する。
【0032】上記において、片段ボールを積み重ねてハ
ニカム状に成形する場合は、波型シートの波の頂点に接
着剤を塗布して固定するのが一般的であるが、プラスチ
ック樹脂等のケースに充填する場合は接着剤による固定
は必ずしも必要ない。図1には片段ボールの断面図を、
図2には片段ボールを積み重ねたハニカム状フィルタの
断面図を、図3には、ロール状に巻き上げて成形したハ
ニカム断面図をそれぞれ示した。
【0033】本発明のハニカム状空気浄化フィルタを形
成するエレクトレット化された不織布は、不織布に永久
的な分極を与え、常に一定の電荷を有した不織布であ
る。従ってその表面を通過する空気中の塵埃は静電気力
によってエレクトレット化された不織布に吸着され、空
気中から除去される。かかるエレクトレット化された不
織布は、エレクトレット化された誘導体(例えば、フィ
ルム、糸)を素材として不織布状に作られる場合や、不
織布を形成させてからエレクトレット化する場合があ
る。
【0034】本発明のハニカム状空気浄化フィルタを形
成するエレクトレット化された不織布の素材は、特に限
定されるものではないが、例えば、ポリ弗化ビニリデ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリアミド類、ポリエステル類等の熱可塑性樹脂が挙げ
られる。
【0035】本発明のハニカム状空気浄化フィルタを形
成するエレクトレット化された不織布の製造方法は、特
に限定されるものではないが、例えば、熱エレクトレッ
ト法、エレクトロエレクトレット法、ホトエレクトレッ
ト法、ラジオエレクトレット法、マグネエレクトレット
法、メカノエレクトレット法等が挙げられる。
【0036】上記の熱エレクトレット法の場合は、上記
素材からなる不織布を2枚の電極板間に挟み、上記素材
の軟化温度よりわずか低い温度に保持し、これに直流高
電圧を因荷しながら室温まで冷やす。この方法は操作性
が良好であると共に、注入された電荷の寿命が数年に及
ぶという特性を有し、特に好ましい。
【0037】本発明のハニカム状空気浄化フィルタを形
成するエレクトレット化された不織布の厚みは、0.0
5mm〜1.5mmが好ましく、0.1mm〜1.0m
mがより好ましい。0.05mm未満では、ハニカムの
加工成形が困難となり、1.5mmを越える場合には、
塵埃の吸着性能が低下する。
【0038】本願発明のハニカム状空気浄化フィルタを
形成するエレクトレット化された不織布の嵩密度は、
0.02g/cm3 〜0.25g/cm3 が好ましく、
0.03g/cm3 〜0.20g/cm3 がより好まし
い。嵩密度が0.02g/cm 3 未満の場合には、ハニ
カムの加工成形が困難となり、0.25g/cm3 を越
える場合には、塵埃の吸着性能が低下する。
【0039】即ち、本発明のハニカム状空気浄化フィル
タを形成するエレクトレット化された不織布は、表面に
対して空気が並行に流されるものであるから、必ずしも
処理空気が貫通するものではない。従って、塵埃吸着容
量を高めるためには、空気の微細な塵埃をシート内部ま
で取り込み得る必要があり、シート内部に空気が容易に
侵入し、時にはこれを通過することができる厚みである
ことが必要となる。
【0040】本発明のハニカム状空気浄化フィルタを形
成する抗菌抗黴性の不織布は、不織布を構成する繊維に
抗菌抗黴剤を接着性樹脂により固着していることが好ま
しい。固着化していない場合には、抗菌抗黴剤が飛散
し、抗菌抗黴性能が低下するばかりでなく、飛散した抗
菌抗黴剤により、健康・衛生上問題を生じるためであ
る。なお、必要に応じて、上記の不織布に抗ウイルス剤
を固着することにより、抗ウイルス性の効果を加えるこ
とも可能である。
【0041】本発明のハニカム状空気浄化フィルタを形
成する抗菌抗黴性の不織布の製造方法は、特に限定され
るものではないが、例えば、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、レーヨン、麻、木材パルプ等の繊
維を単独に又は混合して形成した不織布に、接着性樹脂
と抗菌抗黴剤を加え混合した溶液を添着乾燥して製造す
る乾式法や、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、レーヨン、麻、木材パルプ等の繊維を接着剤及び
抗菌抗黴剤と共に混合し、スラリーを作成し、このスラ
リーを濾過乾燥して製造する湿式法が挙げられる。
【0042】本発明において、不織布に抗菌抗黴剤を固
着する方法は、特に限定されるものではなく、例えば下
記の方法が挙げられる。前者の乾式法の場合には、例え
ば、グラビアコーティング法、スプレー法、ディッピン
グ法等により不織布に添着した後に、熱風乾燥や回転ド
ラム等により乾燥して固着化する方法が挙げられる。
後者の湿式法の場合には、例えば、スラリーを濾過後乾
燥ドラムにより乾燥することにより固着化される方法が
挙げられる。
【0043】本発明において、不織布に抗菌抗黴剤を固
着する接着性樹脂は、特に限定されるものではないが、
例えば、乾式法と湿式法の両者に共通して用いられる接
着性樹脂としては、アクリル系、塩ビ系、酢ビ系、ゴム
系、エポキシ系等の樹脂が挙げられる。また、湿式法の
場合には、上記以外に、ポリビニルアルコール等の水膨
潤性繊維やポリエチレン、ポリプロピレン−ポリエチレ
ン複合繊維等の熱融着繊維が挙げられる。
【0044】本発明において、不織布に抗菌抗黴剤を固
着する接着性樹脂の量としては、アクリル系、塩ビ系、
酢ビ系、ゴム系、エポキシ系等の接着性樹脂の場合は、
抗菌抗黴剤に対し、10〜500wt%、好ましくは3
0〜300wt%、ポリビニルアルコール等の水膨潤性
繊維やポリエチレン、ポリプロピレン−ポリエチレン複
合繊維等の熱融着繊維等の接着性樹脂の場合は、抗菌抗
黴剤に対し、100〜1000wt%、好ましくは30
0〜600wt%である。
【0045】本発明において用いられる抗菌抗黴剤は、
特に限定されるものではないが、例えば下記の抗菌抗黴
剤が挙げられる。フェノール系として2,4,6−トリ
クロルフェノールナトリウム、2,4,6−トリブロム
フェノールナトリウム等が挙げられる。有機ヨード系と
してはP−クロルフェノキシ−(3−ヨード−2プロパ
ギル)オキシメタン、3−エトキシカルボニルオキシ−
1−ブロム−1,2−ジヨード−1−プロペン等が挙げ
られる。ベンツイミダゾール系としては2−メトキシカ
ルボニールアミノベンツイミダゾール、ベンツイミダゾ
ールカルバミン酸メチル等が挙げられる。ベンゾチアゾ
ール系としては2−チオシアノメチルチオベンベンゾチ
アゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げら
れる。N−ハロアルキルチオ系としてはN,N−ジメチ
ル−N’−フェニル−N’−ジクロルフルオロメチルチ
オスルファミド、N−1,1,2,2−テトラクロルエ
チルチオテトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。ニ
トリル系としては2,4,5,6−テトラクロルイソフ
タロニトリル等が挙げられる。ピリジン系としては2,
3,5,6−テトラクロル−4−(メチルスルホニル)
ピリジン等が挙げられる。イソチアゾリン系としては2
−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙
げられる。有機ヒ素系としては10,10’−オキシビ
スフェノキシアルシン等が挙げられる。キノリン系とし
ては8−オキシキノリン銅等が挙げられる。第4アンモ
ニウム塩としては塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピ
リジニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0046】本発明のハニカム状空気浄化フィルタを形
成する抗菌抗黴性の不織布の厚みは、0.05mm〜
1.0mmであることが好ましく、0.1mm〜0.6
mmであればより好ましい。0.05mm未満の場合に
は、ハニカムの形成が困難となり、1.0mmを越える
場合には、空気が並行流の通気性が悪くなる。
【0047】本発明において、抗菌抗黴性の不織布に固
着される抗菌抗黴剤の量は、不織布重量に対して、0.
01〜20wt%、好ましくは0.5〜10wt%であ
る。0.01wt%以下では後述の黴の生育面積が30
%以上になり黴の生育が認められる。20wt%以上で
は、後述の抗菌性で5.0×10-2、黴の生育面積が0
%であり、抗菌抗黴効果が一定になる。
【0048】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、実施例は本発明を何等制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更することは
すべて本発明の技術範囲に包含される。
【0049】
【実施例】以下、まず、下記の実施例において用いられ
た測定法に関して説明する。
【0050】1.通気抵抗 空気浄化フィルタを60mm×300mmのアクリル樹
脂製ダクト内に設置して、該ダクトに温度25℃、相対
湿度50%の空気を空塔線速度100cm/secで流
した。空気浄化フィルタの入口側及び出口側の通気抵抗
を測定した。
【0051】2.塵埃除去性能 空気浄化フィルタを空気清浄機に設置し、2.7m3の
アクリル樹脂製ケースの中央に設置し、温度25℃、相
対湿度50%の環境下にタバコ(マイルドセブン:商品
名)を自然燃焼させ粉塵測定器で5000個の汚染環境
にした後、空塔線速度100cm/secとして空気清
浄機を70分間運転し塵埃除去性能を測定した。 除塵性能(%)=(1−A/B)×100 但し、A:70分後の塵埃粒子数(個) B:初期塵埃粒子数(個)
【0052】3.抗菌抗黴性能 抗菌性としては菌数測定法、抗黴性能はJISZ291
1.6.2.2(繊維製品の試験;湿式法)で実施し
た。菌数測定法は空気浄化フィルタに試験菌のブイヨン
懸濁液を注加し、密閉容器で、温度37℃、18時間培
養後の生菌数を計測し、植菌数に対する増減値を求め
た。培養直前の生菌数は約43万個に調整し、試験菌は
黄色葡萄状球菌で実施した。 抗菌性(−)=C/D 但し、C:培養後の生菌数 D:培養直前の生菌数
【0053】抗黴性能はJISZ2911.6.2.2
(繊維製品の試験;湿式法)に準じ、JIS無機寒天培
地に空気浄化フィルタを貼付し、指定の4菌株の胞子懸
濁液を噴霧し、温度27±1℃で14日間培養する。1
4日後の黴の生育面積を求めた。試験菌はAsperg
illus niger、Penicilliumci
trinum、Chaetomium globosu
m、Myrotyecium verrucariaの
4種類混合菌種で実施した。
【0054】(実施例1)エレクトレット化されたポリ
プロピレンのシート状不織布(14μm、目付重量50
g/m2 、厚み0.35mm、嵩密度0.14g/cm
3 )をフルート部とし、ポリエステルのシート状不織布
(目付重量50g/m2 、厚み0.25mm、嵩密度
0.2g/cm3 )に2−メトキシカルボニールアミノ
ベンツイミダゾール(抗菌抗黴剤)を1g/m2 (シー
ト状不織布に対して2wt%)、アクリル樹脂(バイン
ダー)を2g/m2 (抗菌抗黴剤に対して200wt
%)添着乾燥させたものをライナー部として、波ピッチ
約3.1mm、波高さ約2mmの片段ボールを30段積
層して高さ60mm、横300mm、層長(図2のt)
10mmのハニカム状空気浄化フィルタを作製した。ハ
ニカムの一つの空間を構成する抗菌シートの比率が40
%であった。
【0055】(実施例2)実施例1で用いたのと同一の
素材を利用し、エレクトレット化されたシート状不織布
をライナー部、抗菌抗黴剤と有するシート状不織布をフ
ルート部とした他は全て実施例1に準じて空気浄化フィ
ルタを作製した。ハニカムの一つの空間を構成する抗菌
シートの比率が60%であった。
【0056】(比較例1)エレクトレット化されたポリ
プロピレンのシート状不織布(14μm、目付重量50
g/m2 、厚み0.35mm、嵩密度0.14g/cm
3 )をフルート部及びライナー部の両方に使用して、波
ピッチ約3.1mm、波高さ約2mmの片段ボールを3
0段積層して高さ60mm、横300mm、層長5mm
のハニカム状空気浄化フィルタを作製した。ハニカムの
一つの空間を構成する抗菌シートの比率が0%であっ
た。
【0057】(比較例2)ポリエステルのシート状不織
布(目付重量50g/m2 、厚み0.25mm、嵩密度
0.2g/cm3 )に2−メトキシカルボニールアミノ
ベンツイミダゾール(抗菌抗黴剤)を1g/m2 (シー
ト状不織布に対して2wt%)、アクリル樹脂(バイン
ダー)を2g/m2 (抗菌抗黴剤に対して200wt
%)添着乾燥させたものをフルート部及びライナー部の
両方に使用して、波ピッチ約3.1mm、波高さ約2m
mの片段ボールを30段積層して高さ60mm、横30
0mm、層長5mmのハニカム状空気浄化フィルタを作
製した。ハニカムの一つの空間を構成する抗菌シートの
比率が100%であった。
【0058】(比較例3)比較例1のエレクトレット不
織布ハニカムと比較例2の抗菌抗黴不織布ハニカムを積
層した。空気浄化用フィルタの層長は10mmとなっ
た。ハニカムの一つの空間を構成する抗菌シートの比率
が0%及び100%であった。
【0059】(比較例4)エレクトレット化されたポリ
プロピレンのシート状不織布(14μm、目付重量50
g/m2 、厚み0.35mm、嵩密度0.14g/cm
3 )にプリーツ保持用のネット(目合い6mm×6m
m、開孔率93%、目付重量60g/m2 )を接着後ヒ
ダ折り機でプリーツピッチ3mmに加工した後、高さ6
0mm、横幅300mm、層長5mmの塵埃除去専用プ
リーツ状フィルタを作製した。また比較例2と同仕様の
ハニカムフィルタ(層長5mm)を抗菌抗黴専用フィル
タとして準備し、前記プリーツ状フィルタに積層した。
従って空気浄化用フィルタとしては層長10mmとなっ
た。尚プリーツ状フィルタは空気の流れに対して直交配
列とした。
【0060】以上の様にして得られた空気浄化フィルタ
の特性を測定した。表1に示されるように実施例1,2
の空気浄化フィルタはタバコ煙粒子の除去及び抗菌抗黴
性に優れた性能を発揮した。しかも層長が比較例3,4
と同一であるにも関わらず通気抵抗が低く、抗菌抗黴性
も優れていた。比較例1は塵埃除去性能は優れている
が、抗菌抗黴性能が無い。比較例2は抗菌抗黴性能は優
れているが、塵埃除去性能が低い。比較例3,4は通気
抵抗が高く、抗菌抗黴性能が不充分であった。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
小容積でありながら塵埃除去性能及び抗菌抗黴性能が優
れ、通気抵抗の非常に小さい空気浄化フィルタを提供す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 片段ボールの断面図。
【図2】 片段ボールを積層したハニカム状空気浄化フ
ィルタの斜視図。
【図3】 片段ボールを巻き上げたハニカム状空気浄化
フィルタの斜視図。
【図4】 実施例におけるフィルタの除塵性能の測定装
置を示す図。
【符号の説明】
1 フルート部 2 ライナー部 3 空気浄化フィルタ 4 2.7m3アクリル樹脂製ケース 5 空気清浄器 A 空気の流れ方向 t 層長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 13/38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカムを構成する各セルが、エレクト
    レット化された不織布と抗菌抗黴性の不織布により形成
    されてなるハニカム状空気浄化フィルタであって、前記
    セル内面の全面積中の前記抗菌抗黴性の不織布の占める
    面積の割合が30〜70%であることを特徴とするハニ
    カム状空気浄化フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記ハニカムの波ピッチが1.5mm〜
    10mmであり、且つ、波高さが0.6mm〜8.0m
    mであることを特徴とする請求項1に記載のハニカム状
    空気浄化フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記抗菌抗黴性の不織布の厚みが、0.
    05mm〜1.0mmであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のハニカム状空気浄化フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記エレクトレット化された不織布の厚
    みが0.05mm〜1.5mmであり、且つ、前記エレ
    クトレット化された不織布の嵩密度が0.03g/cc
    〜0.25g/ccであることを特徴とする請求項1乃
    至3に記載のハニカム状空気浄化フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記抗菌抗黴性の不織布の総重量に対す
    る抗菌剤及び抗黴剤の含有量が、0.01〜20重量%
    であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム状空
    気浄化フィルタ。
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