JP2014176798A - フィルタエレメントの使用方法、フィルタ枠及びフィルタ装置 - Google Patents

フィルタエレメントの使用方法、フィルタ枠及びフィルタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 プリーツが形成された濾材とその端面に配置された端板とを有するフィルタエレメントにおいて、ダストフィルタが目詰まりした場合でも、急激にブロワに負担がかかったり送風量が極端に低下したりするというリスクを回避することが可能であり、またダストフィルタ交換までの時間の確保が可能な、新規なフィルタエレメントの使用方法、フィルタ枠及びフィルタ装置を提供する。
【解決手段】 プリーツ折りされた第1の濾材及びその端面に配置された通気性の端板を有するフィルタエレメントにおける、前記端板を第2の濾材として使用することを特徴とするフィルタエレメントの使用方法。並びに、前記フィルタエレメントのフィルタ枠であり、気流の流入口と流出口との間の側壁の一部に設けた開口を前記端板によって塞ぐようにフィルタエレメントを収納したときに、前記端板による濾過が可能であるフィルタ枠。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の空調機器や家庭用空気清浄機などの生活環境における空調機器に装着されるフィルタエレメントのみならず、ビル、工場、事務所などに設置される、パッケージフィルタ、ファンコイルユニット、中央空調用フィルタユニット等の空気清浄装置に装着されるフィルタエレメントに関し、フィルタエレメントの使用方法、フィルタエレメントを収納するフィルタ枠、およびフィルタエレメントをフィルタ枠に収納したフィルタ装置に関する。
従来から、自動車の外気及び内気を清浄化するキャビンフィルタなどに、エアフィルタ基材をプリーツ折りして保形部材によってそのプリーツ形状を保持したフィルタエレメントが使用されている。このようなフィルタエレメントとして、例えば特許文献1のフィルタエレメントが知られている。当該文献の実施例では、図4に示すように、熱接着性繊維によって構成繊維が結合した比較的大きい平均繊度を有する厚さが約1mmの不織布基材111に、襞の高さ29mmで襞のピッチ5mmにプリーツ加工を施し、かつプリーツ113の峰線方向と交叉する端面に剛性のある不織布からなる保形部材112a、112bを、ホットメルトシートを介して貼り付けることにより粗塵除去用のフィルタエレメント110が形成されることが示されている。
このようなフィルタエレメントは、例えば特許文献3に示される車両用空調装置のダストフィルタとして用いることができる。この車両用空調装置は図7に示すように、車室内に清浄空気を導くための空気通路をなすエアダクト210を備えている。このエアダクト210の空気の入り口側には、エアダクト210内に取り入れる空気を車室内の空気(内気)とするか、車室外の空気(外気)とするかを決定する内外気切換ドア211が設けられている。内外気切換ドア211の下流側には、取り入れた空気中の個体粒子(ダスト)を取り除くためにダストフィルタ212が設けられている。このダストフィルタ212の下流側には、車室内に向かう空気流を発生させるブロワ215とブロワ215を駆動するブロワモータ214とからなるブロワユニットが設けられている。このように、このダストフィルタ212の周囲はエアダクト210の壁に支持され、ダストフィルタ212を構成するプリーツ濾材に内気又は外気が流入するようになっている。
しかし、このような車両用空調装置では、ダストフィルタが目詰まりした場合、急激にブロワに負担がかかったり、送風量が極端に低下したりするというリスクがあり、これらのリスクを回避することや、ダストフィルタ交換までの時間の確保が望まれていた。
このようなリスクの回避を目的とした装置としては、例えば図8に示す特許文献4のフィルタ装置を挙げることができる。このフィルタ装置では、自動車用空気調和装置310内に形成される空気通路中に濾過部材331が設けられ、且つ濾過部材331を迂回させて空気を流す常時開口したバイパス通路部339R、339Lが、濾過部材331が位置する空気通路断面に設けられている。このフィルタ装置によって、濾過部材の目詰まりに対する気遣いを少なくすることができ、集塵性能を多少犠牲にしてでも最低風量を確保して安全性を追及することができるという利点が示されている。このように、このフィルタ装置では、濾過部材331に空気が流入するとともに濾過部材331の周囲のバイパス通路部339R、339Lからも空気が流入するようになっており、空気の通過する通路が複数設けられている。しかし、バイパス通路部339R、339Lには濾過部材331が設けられていないため、濾過されない塵埃が通過してしまうという問題があった。
これに対して、空気の通過する通路を複数設け且つそれぞれに濾材を配置した装置として、図9に示す特許文献5の空調装置を挙げることができる。この空調装置は、一端に、第1外気導入部421、第2外気導入部412、および内気導入部413を備え、他端に、空調風を車室内に向けて吹き出す空気吹出部426を備えるケース411、473と、前記ケース411、473内に設けられた送風手段417と、第2外気導入部412及び内気導入部413に設けられた除塵フィルタ416と、前記第1外気導入部421に設けられた除塵フィルタ460及び脱臭フィルタ415とを備えた車両用空調装置である。当該車両用空調装置によれば、除塵フィルタ416を通過する通路以外に除塵フィルタ460及び脱臭フィルタ415を通過する通路が設けられており、空気の通過するこれら複数の通路のそれぞれに濾材が配置されている。しかし、この空調装置によれば各通路に対してそれぞれ濾材を配置する必要があり、空調装置の構造が複雑化し且つ濾材又はフィルタエレメントの設置コストが大きくなってしまうという問題があった。
特開2007−38211号公報 特開2004−89758号公報 特開平09−202134号公報 特開平07−76212号公報 特開平10−217761号公報
本発明は前述の問題を解決して、プリーツが形成された濾材と、その端面に配置された端板とを有するフィルタエレメントにおいて、ダストフィルタが目詰まりした場合でも、急激にブロワに負担がかかったり、送風量が極端に低下したりするというリスクを回避することが可能であり、またダストフィルタ交換までの時間の確保が可能な、新規なフィルタエレメントの使用方法、フィルタ枠及びフィルタ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、プリーツ折りされた第1の濾材および前記第1の濾材のプリーツの峰線に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板を有するフィルタエレメントにおける、前記端板を第2の濾材として使用することを特徴とするフィルタエレメントの使用方法をその解決手段とした。
請求項2に係る発明では、プリーツ折りされた第1の濾材および前記第1の濾材のプリーツの峰線に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板を有するフィルタエレメントを収納するフィルタ枠であって、前記フィルタ枠は気流が流入する流入口と、気流が流出する流出口と、前記流入口と前記流出口との間に設けられた側壁とを備えており、前記側壁の一部に開口が設けられており、前記側壁の開口の少なくとも一部が前記端板によって塞がれるように前記フィルタエレメントを収納したときに、前記端板による濾過が可能であることを特徴とするフィルタ枠である。
請求項3に係る発明では、プリーツ折りされた第1の濾材および前記第1の濾材のプリーツの峰線に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板を有するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントを収納するフィルタ枠とを備えたフィルタ装置であって、前記フィルタ枠は気流が流入する流入口と、気流が流出する流出口と、前記流入口と前記流出口との間に設けられた側壁とを備えており、前記側壁の一部に開口が設けられており、前記側壁の開口の少なくとも一部が前記端板によって塞がれるように前記フィルタエレメントが収納されており、前記端板による濾過が可能であることを特徴とするフィルタ装置である。
本発明によって、プリーツが形成された濾材と、その端面に配置された端板とを有するフィルタエレメントにおいて、ダストフィルタが目詰まりした場合でも、急激にブロワに負担がかかったり、送風量が極端に低下したりするというリスクを回避することが可能であり、またダストフィルタ交換までの時間の確保が可能な、新規なフィルタエレメントの使用方法、フィルタ枠及びフィルタ装置を提供することが可能となった。
本発明で使用するフィルタエレメントの一例を示す斜視図である。また端板を矢印A又は矢印Bの方向に装着する態様を例示する図である。 本発明で使用するフィルタエレメントの模式断面図である。 本発明のフィルタエレメントの使用方法の一例を示す図である。また本発明のフィルタ枠及びフィルタ装置の一例を示す模式図である。 従来のフィルタエレメントを示す斜視図である。また、保形部材を矢印Aの方向に装着する態様を示す図である。 従来のフィルタエレメントを製造する方法を示す図である。 従来のフィルタエレメントを製造する方法を示す図であり、加熱板105をテープ103に押し当ててテープ103を濾材102の端面102aに加熱圧着する態様を示す図である。 従来のフィルタ装置を示す図である。 従来のフィルタ装置を示す図である。 従来のフィルタ装置を示す図である。
以下、本発明に係るフィルタエレメントの使用方法、フィルタ枠及びフィルタ装置の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明のフィルタエレメントの使用方法は、図1に例示するように、プリーツ折りされた第1の濾材11および前記第1の濾材11のプリーツの峰線13に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板12a〜12dを有するフィルタエレメント10における、前記端板12a〜12dを第2の濾材として使用することを特徴とするフィルタエレメントの使用方法である。
前記フィルタエレメント10はプリーツ折りされた第1の濾材11を有している。第1の濾材はプリーツ折り加工が可能な通気性の基材がプリーツ折りされている限り特に限定されることはなく、このような基材として、例えば織物、編物、不織布、多孔質フィルム、発泡樹脂などが適用可能である。これらの基材の中でも不織布は嵩高で塵埃の保持容量も高く、目的の濾過性能に応じた繊維径や繊維構造を自由に設定することが可能であるので好ましい基材といえる。
このような不織布基材としては、通常の不織布の製法である、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法、静電紡糸法又はフラッシュ紡糸法などによって形成される不織布を適用することができる。これら製法の適用にあたり、粗塵を対象とする粗塵除去用の濾材としては、比較的太い繊維を対象とする乾式法、湿式法又はスパンボンド法などによる製造が適しており、微塵を対象とする微塵除去用の濾材としては、比較的細い繊維を対象とするメルトブロー法、静電紡糸法又はフラッシュ紡糸法などによる製造が適している。
乾式法は、例えば繊維長15〜100mmで、捲縮数5〜30個/インチを有する通常ステープル繊維と呼ばれる繊維をカード機やエアレイ装置などを使用して繊維ウェブに形成した後、接着性繊維または接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する方法である。乾式法による不織布は、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きく、且つ厚さがつぶれ難く、且つ圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れ、不織布基材に生じた繊維の歪も解消され易い特性を有している。
またスパンボンド法又はメルトブロー法と、乾式法とを組合せた製法も可能であり、例えば熱可塑性樹脂からなる繊維をノズルより紡出させて長繊維からなる繊維フリースとする際に、熱可塑性樹脂からなる熱接着性のステープル繊維を吹き込み長繊維と短繊維とが一体化した繊維フリースとした後、構成繊維を繊維接着によって結合する方法も可能である。メルトブロー法と乾式法とを組合せた製法によれば、細繊維に由来する高濾過性能の利点と、太繊維による嵩高性に由来する塵埃保持量が大きく濾過寿命の長い利点をともに有する濾材を得ることができる。
本発明に適用可能な好ましい前記不織布基材の例としては、熱接着性繊維又は接着剤によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmの不織布を挙げることができる。(以下、第1の濾材に適用される不織布基材を第1の不織布と称し、第1の不織布を構成する熱接着性繊維を第1の熱接着性繊維と称する。)このような不織布基材であれば、キャビンフィルタに適用可能な粗塵除去用のフィルタエレメントを形成する上で好適である。
前記第1の不織布は、例えば繊維長15〜100mmで、捲縮数5〜30個/インチを有するステープル繊維を、カード機やエアレイ装置などを使用して繊維ウエブに形成した後、第1の熱接着性繊維又は接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する乾式法不織布を適用することができる。接着剤によって構成繊維を接着する方法としては、繊維ウエブに、エマルジョン型、溶液型、ホットメルト型などの各種の接着剤を含浸、スプレー、コーティング等によって付与して、構成繊維を接着する方法が可能である。このエマルジョン型接着剤としては、例えば、アクリル系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリ酢酸ビニル系、合成ゴム系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系などを適用することが可能である。またこのような接着剤に難燃剤を含有させることも可能であり、非ハロゲン系のリン系難燃剤の使用が好ましい。
熱接着性繊維によって構成繊維を接着する方法としては、第1の熱接着性繊維を含有する繊維ウエブに対して、熱風吹き付け型の乾燥機またはエアスルー型の乾燥機などを用いて、熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の加熱気流をあてて加熱処理する方法を用いることができる。
このようにして得られる乾式法による不織布は、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きく、且つ厚さがつぶれ難いため第1の不織布として好ましい。また、ステープル繊維には、カード機などで開繊可能なように捲縮加工が施されているので、嵩高な不織布となり、且つ圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れるため、この点でもステープル繊維を用いた不織布であることが好ましい。
また、前記第1の不織布は、乾式法に限らずに任意の不織布の製法により、例えばスパンボンド法などによって形成される不織布も適用することができる。スパンボンド法による場合は、例えば、互いに融点が異なる2種類の樹脂成分からなる芯鞘型の熱接着性の長繊維をノズルより紡出させた後、低融点の鞘成分を接着成分として、前述のように加熱処理により、構成繊維を接着によって結合する方法がある。
また、これらの不織布製法において、形成される繊維ウェブ、繊維シート、または繊維フリースにニードルや水流の作用によって繊維同士を絡合させて繊維同士を結合する方法を併用することも可能である。繊維同士が絡合することによって、繊維が厚さ方向にも配向して構造が強固になり面方向に伸び難くなると共に厚さがつぶれ難くなるという利点がある。
前記第1の熱接着性繊維としては、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維がある。また他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維があり、このような複合繊維として具体的には、低融点樹脂成分と前記低融点樹脂成分の融点よりも10℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは100℃以上、高い融点を有する高融点樹脂成分とからなる複合繊維を挙げることができる。
またこのような複合繊維の形態としては、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。これらの繊維の中でも、高融点成分の融点が比較的高く熱的に安定であり、且つフィルタエレメント全体の剛性と保形性に優れた効果をもたらすポリエステル系繊維が好ましい。また低融点成分がポリエステルの複合繊維であれば、高融点成分と低融点成分の融点差を大きくとることが可能であり、濾材と端板とを熱接着することが容易になるという利点がある。またフィルタエレメントの濾過性能を向上させる上では、帯電性に優れるポリオレフィン系の繊維形成性重合体からなる複合繊維であることも好ましい。
第1の不織布を構成する繊維としては第1の熱接着性繊維以外にも、フィルタエレメントとしての機能向上のために、合成繊維やレーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維を含むことも可能である。合成繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維およびポリビニルアルコール系繊維などを挙げることができる。これらの繊維の中でも、融点が比較的高く熱的に安定であり、且つフィルタエレメント全体の剛性と保形性に優れた効果をもたらすポリエステル系繊維が好ましい。またフィルタエレメントの濾過性能を向上させる上では、帯電性に優れるポリオレフィン系繊維が好ましい。
第1の不織布における構成繊維の平均繊度は5〜30デシテックスであることが好ましく、8〜20デシテックスであることがより好ましい。5デシテックス未満では、不織布の目合いが密になるため濾過効率は上昇するものの圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下する場合がある。また30デシテックスを超えると、不織布の目合いが粗くなり過ぎて、濾過効率が低下するという問題や粉塵保持容量が低下する場合がある。
なお、構成繊維の平均繊度の計算方法としては、構成繊維に含まれる各繊維の繊度をaデシテックス、bデシテックス、cデシテックス・・・として、各繊維の含有割合をそれぞれa’質量%、b’質量%、c’質量%・・・とすると、(a’/a)+(b’/b)+(c’/c)・・・=(100/x)の関係式が成り立ち、この関係式から平均繊度xを求めることができる。
第1の不織布における厚さは1〜5mmであることが好ましく、1.5〜4.5mmであることがより好ましく、2〜4mmであることが更に好ましい。厚さが1〜5mmであることにより、圧力損失が低く粉塵保持容量が大きいという利点がある。1mm未満では粉塵保持容量が低下する場合がある。また端板との接触面積が少ないため濾材が端板に充分に接着しない場合がある。また5mmを超えると第1の不織布をプリーツ折りして濾材とした際に、プリーツの峰付部分または谷部分で濾材の壁面同士が接触して、気体の濾過に寄与しないか又は寄与が極めて少ない部分(以下、デッドスペースと称する)が多くなり、その結果、圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下する場合がある。なお、厚さは1cm当たり2gの荷重をかけた時に示す厚さとする。
このように、第1の不織布の厚さを1〜5mmにすれば、特許文献1に示されるような粗塵除去用のフィルタエレメントよりも厚さを厚くして、単位面積当たりの粉塵保持容量を増加させ、その分だけプリーツ間隔を広げて濾材の面積を少なくすることで全体の粉塵保持容量を同等とすることが可能であり、また場合によっては、図4に示されるような線状の樹脂からなるセパレータ114を省略することも可能であり、その結果、濾材の製造コストを低下させることができる。
第1の不織布の面密度は50〜400g/mであることが好ましく、75〜300g/mであることがより好ましく、90〜200g/mであることが更に好ましい。面密度が50〜400g/mであることにより、圧力損失が比較的低く粉塵保持容量が大きいという利点がある。これに対して50g/m未満では粉塵保持容量が低下する場合がある。また端板との接触面積が少なくなり濾材が端板に充分に接着しない場合がある。また剛性が低くなりプリーツ折りされた濾材の保形性が低下する場合がある。また端板との接触面積が少なくなり濾材が端板に充分に接着しない場合がある。また400g/mを超えると第1の不織布をプリーツ折りして濾材とした際に、プリーツの峰付部分または谷部分で濾材の壁面同士が接触してデッドスペースが多くなり、その結果、圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下する場合がある。
また第1の不織布は、端板との接着を妨げない範囲で、また濾材としての性能を妨げない範囲で、補強などを目的として、例えば不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合不織布であることも可能である。
第1の不織布の濾過性能は、粗塵除去用のフィルタとして機能することが可能であり、この場合、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.5m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。なお、SAE FINE ダストとは、ISO12103−1(1997)のA2(fine)に規定される試験用ダストに適合するダストである。
また粗塵除去用のフィルタとして機能するには、第1の不織布の初期の圧力損失は、試験条件が風速0.1m/secの時に、20Pa以下が好ましく、10Pa以下がより好ましく、5Pa以下が更に好ましい。また、第1の不織布の濾過寿命は風速0.5m/secの時に、最終の圧力損失200Paとした場合、粉塵捕集量100g/m以上が好ましく、200g/m以上がより好ましく、300g/m以上が更に好ましい。なお、第1の不織布の粒子捕集平均効率の値を高くしようとすると濾過寿命が短くなり(粉塵捕集量が少なくなり)、濾過寿命を長くしようとすると(粉塵捕集量を多くしようとすると)粒子捕集平均効率の値が低下することとなるので、上記好ましい範囲の不織布であれば、プリーツ加工を施すことにより、粗塵除去用フィルタエレメントとしてより好適に用いることができる。
第1の不織布の濾過性能をより向上させ、比色法のみならず計数法でも評価できる濾過性能を有するものとするには、第1の不織布に帯電加工を施し構成繊維をエレクトレット化する方法がある。このようなエレクトレット化した繊維は、比較的高温の加熱によってエレクトレットの効果が失われることが知られており、このため加熱処理によって第1の不織布とした後に帯電加工処理が行うことが好ましい。
第1の不織布の帯電加工が施された後の濾過性能は、微塵除去用のフィルタとして機能することが可能であり、この場合、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.5m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。また、JIS B9908形式1に規定される試験方法において、0.3μmの大気塵を用いて、計数法により評価すると、試験条件が風速0.1m/secの時に、粒子捕集平均効率が5〜50%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が10〜50%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が20〜50%であることが更に好ましい。
本発明で使用するフィルタエレメントは、図1に例示するように、プリーツ折りされた第1の濾材10のプリーツの峰線13に交差する端面に通気性の端板12aが配置されている。またはプリーツの峰線13に平行な端面に通気性の端板12dが配置されている。なお、図1では、プリーツ折りされた第1の濾材10のプリーツの峰線に交差する端面に、端板12bを矢印Aの方向に配置する態様も例示している。また第1の濾材10のプリーツの峰線に平行な端面に、端板12cを矢印Bの方向に配置する態様も例示している。当該第1の濾材のプリーツ折りの形態は、ジグザグ形状に折られている限り特に限定されず、このプリーツ折りの方法としてはレシプロ式やロータリー式などのプリーツ加工機による方法や、ジグザグ形状に成形された押型でプレスする方法などがある。
前記第1の濾材10は図1及び図2に例示するようにプリーツが多数形成されている。本発明では、プリーツの高さH及びプリーツのピッチPの値は特に限定されないが、前述のように好ましい態様である、第1の不織布における厚さが1〜5mmである場合、プリーツの高さHは10〜100mmが好ましく、15〜75mmがより好ましく、20〜50mmが更に好ましい。またプリーツのピッチPは8〜50mmが好ましく、10〜40mmがより好ましく、12〜30mmが更に好ましい。また、ピッチP(mm)と高さH(mm)との比P/Hが0.2〜2であることが好ましく、0.3〜1.5であることが好ましく、0.4〜1であることが更に好ましい。P/Hが0.2未満であると、プリーツの角度が小さくなり過ぎるので、風圧でプリーツの角度が広がり隣接するプリーツと付着してしまいデッドスペースとなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。また、P/Hが2を超えると、プリーツの数が少なくなり濾材全体の面積が少なくなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。また、プリーツの高さが10mm未満であると濾材全体の面積が少なくなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。プリーツの高さが100mmを超えると濾材全体の面積が大きくなるものの、プリーツの角度が小さくなり過ぎるのでデッドスペースとなり、かえって粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。
また、図2に示すように、プリーツのピッチをP(mm)、第1の不織布の厚さをT(mm)とすると、
式:a=(1−2T/P)×100
から算出した開口率aが50〜90%であることが好ましく、55〜85%であることがより好ましく、60〜80%であることが更に好ましい。図2から明らかなように、プリーツのピッチP(mm)と高さH(mm)との比P/Hの値が少ない場合、第1の不織布の厚さT(mm)の約2倍に相当する長さの幅がデッドスペースの巾D(mm)とほぼ等しくなる。そのため、フィルタエレメントのプリーツ数が多くなるほど、また第1の不織布の厚さが厚くなるほどデッドスペースが多くなり、フィルタエレメントとしての処理風量が低下して、濾過寿命が少なくなる傾向がある。その一方、フィルタエレメントの山数が多くなるほど、また第1の不織布の厚さが厚くなるほど第1の不織布の濾過面積が増加して濾過寿命が長くなる傾向がある。したがって、上記の式は、これら両傾向のバランスがとれ、濾過寿命が長くなる最も好ましい状態を表す式といえる。それゆえ前記開口率aが50%未満であると、フィルタエレメントの初期の圧力損失が大きく上昇してしまい、濾過寿命が短くなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。また、開口率aが90%を超えると第1の不織布の濾過面積が少なくなり、エアフィルタユニットの濾過寿命が短くなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。なお、第1の不織布が、不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合不織布である場合には、開口率aを求める前記式において、第1の不織布の厚さT(mm)として、複合不織布の厚さを用いることができる。
前記端板は通気性の基材であり、濾材として使用可能である限り特に限定されることはなく、このような基材として、例えば織物、編物、不織布、多孔質フィルム、発泡樹脂などが適用可能である。これらの基材の中でも不織布であれば嵩高で塵埃の保持容量も高く、目的の濾過性能に応じた繊維径や繊維構造を自由に設定することが可能であるので好ましい基材といえる。
このような不織布基材としては、前述の第1の濾材と同様に、通常の不織布の製法である、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法、静電紡糸法又はフラッシュ紡糸法などによって形成される不織布を適用することができる。また乾式法とスパンボンド法やメルトブロー法とを組合せた製法も可能である。
本発明では前記端板を第2の濾材として使用することを特徴としている。ここで、第1の濾材と第2の濾材の組合せとしては、(1)第1の濾材が粗塵除去用の濾材に対して第2の濾材が粗塵除去用の濾材の場合、(2)第1の濾材が粗塵除去用の濾材に対して第2の濾材が微塵除去用の濾材の場合、(3)第1の濾材が微塵除去用の濾材に対して第2の濾材が粗塵除去用の濾材の場合、及び(4)第1の濾材が微塵除去用の濾材に対して第2の濾材が微塵除去用の濾材の場合が考えられるが、端板の面積が少ないことから(1)又は(3)の第2の濾材が粗塵除去用の濾材の場合を選択することが好ましい。また用途によっては(4)の第1の濾材と第2の濾材が共に微塵除去用の濾材であることが好ましい。
前記端板に適用可能な好ましい前記不織布基材の例としては、熱接着性繊維又は接着剤によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmの不織布を挙げることができる。(以下、端板に適用される不織布基材を第2の不織布と称し、第2の不織布を構成する熱接着性繊維を第2の熱接着性繊維と称する。)このような不織布基材であれば、粗塵除去用の第2の濾材として好適である。また、前記第1の濾材と前記端板とは第1の熱接着性繊維又は/及び第2の接着性繊維によって接着していることが好ましい。
前記第2の不織布は、例えば繊維長15〜100mmで、捲縮数5〜30個/インチを有するステープル繊維を、カード機やエアレイ装置などを使用して繊維ウエブに形成した後、第1の不織布と同様に、第2の熱接着性繊維又は接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する乾式法不織布を適用することができる。接着剤によって構成繊維を接着する方法としては、繊維ウエブに、エマルジョン型、溶液型、ホットメルト型などの各種の接着剤を含浸、スプレー、コーティング等によって付与して、構成繊維を接着する方法が可能である。このエマルジョン型接着剤としては、例えば、アクリル系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリ酢酸ビニル系、合成ゴム系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系などを適用することが可能である。またこのような接着剤に難燃剤を含有させることも可能であり、非ハロゲン系のリン系難燃剤の使用が好ましい。
熱接着性繊維によって構成繊維を接着する方法としては、第2の熱接着性繊維を含有する繊維ウエブに対して、熱風吹き付け型の乾燥機またはエアスルー型の乾燥機などを用いて、熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の加熱気流をあてて加熱処理する方法を用いることができる。
このようにして得られる乾式法による不織布は、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きくフィルタエレメントを収納するフィルタ枠との密着性に優れ、且つ厚さがつぶれ難いため第2の不織布として好ましい。また、ステープル繊維には、カード機などで開繊可能なように捲縮加工が施されているので、嵩高な不織布となり、且つ圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れるため、この点でもステープル繊維を用いた不織布であることが好ましい。
また、前記第2の不織布は、乾式法に限らずに任意の不織布の製法により、例えばスパンボンド法などによって形成される不織布も適用することができる。スパンボンド法による場合は、例えば、互いに融点が異なる2種類の樹脂成分からなる芯鞘型の熱接着性の長繊維をノズルより紡出させた後、低融点の鞘成分を接着成分として、前述のように加熱処理により、構成繊維を接着によって結合する方法がある。
また、これらの不織布製法において、形成される繊維ウェブ、繊維シート、または繊維フリースにニードルや水流の作用によって繊維同士を絡合させて繊維同士を結合する方法を併用することも可能である。繊維同士が絡合することによって、繊維が厚さ方向にも配向して構造が強固になり面方向に伸び難くなると共に厚さがつぶれ難くなるという利点がある。
前記第2の熱接着性繊維としては、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維がある。また他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維があり、このような複合繊維として具体的には、低融点樹脂成分と前記低融点樹脂成分の融点よりも10℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは100℃以上、高い融点を有する高融点樹脂成分とからなる複合繊維を挙げることができる。
またこのような複合繊維の形態としては、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。これらの繊維の中でも、高融点成分の融点が比較的高く熱的に安定であり、且つフィルタエレメント全体の剛性と保形性に優れた効果をもたらすポリエステル系繊維が好ましい。また低融点成分がポリエステルの複合繊維であれば、高融点成分と低融点成分の融点差を大きくとることが可能であり、濾材と端板とを熱接着することが容易になるという利点がある。
第2の不織布を構成する繊維としては第2の熱接着性繊維以外にも、フィルタエレメントとしての機能向上のために、合成繊維やレーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維を含むことも可能である。合成繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維およびポリビニルアルコール系繊維などを挙げることができる。これらの繊維の中でも、融点が比較的高く熱的に安定であり、且つフィルタエレメント全体の剛性と保形性に優れた効果をもたらすポリエステル系繊維が好ましい。
第2の不織布における構成繊維の平均繊度は5〜30デシテックスであることが好ましく、8〜20デシテックスであることがより好ましい。5デシテックス未満では、不織布の目合いが密になるため目合いの粗い前記濾材と充分に接着しない場合がある。また繊度が小さいために端板が柔軟になり過ぎて、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。また30デシテックスを超えると、不織布の目合いが粗くなり過ぎるため、かえって端板が柔軟になり過ぎて、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。
第2の不織布における厚さは1〜5mmであることが好ましく、1.5〜4.5mmであることがより好ましく、2〜4mmであることが更に好ましい。厚さが1〜5mmであることにより、フィルタエレメントをフィルタ枠に装着する際にクッション性に優れ、フィルタ枠との間のシール性に優れるので好ましい。これに対して1mm未満では端板が柔軟になり過ぎて、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。また第2の濾材として粉塵保持容量が低下する場合がある。またフィルタエレメントを収納するフィルタ枠とのシール性に劣る場合がある。また5mmを超えると第1の濾材の濾過面積が少なくなり、その結果、圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下する場合がある。
第2の不織布の面密度は50〜400g/mであることが好ましく、75〜300g/mであることがより好ましく、90〜200g/mであることが更に好ましい。面密度が50〜400g/mであることにより、プリーツ形状を強固に保つとともにフィルタエレメントを収納するフィルタ枠とのシール性に優れる。これに対して、50g/m未満では端板が柔軟になり過ぎて、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。またフィルタエレメントを収納するフィルタ枠とのシール性に劣る場合がある。また濾材が端板に充分に接着しない場合がある。また第2の濾材として粉塵保持容量が低下する場合がある。また400g/mを超えると第1の濾材の濾過面積が少なくなり、その結果、圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下する場合がある。
また第2の不織布は、濾材との接着を妨げない範囲で、補強などを目的とした、例えば不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合不織布であることも可能である。この場合第2の不織布側に濾材を接着し、他の素材側をフィルタ枠側になるように配置される。なお他の素材を通気性のある素材とし、接着方法もホットメルト不織布を用いる方法や、含浸加工、スプレー加工、表面コーティング加工、ドット加工などのように通気性を保つ加工方法を採用することで、端板に通気性を持たせて、後述するように端板を第2の不織布として利用することも可能である。
また第2の不織布は、第2の濾材としての機能向上のため、抗菌剤、抗ウイルス剤、芳香剤、脱臭剤などの機能性物質が付着していることも可能である。
前記第2の不織布または端板の柔軟性の指標となる剛軟度(ガーレ法)の値は好ましくは1mN以上であることが好ましく、より好ましくは2mN以上であり、さらに好ましくは4mN以上である。なお剛軟度はJIS L1096:2010に記載される、曲げ反発性 A法 剛軟度(ガーレ法)に準じて測定した値を用い、タテ方向とヨコ方向の平均値を用いるものとする。
また、前記端板の大きさは、図1及び図2に例示するように、プリーツの高さH(mm)およびプリーツの巾W(mm)とそれぞれ同寸法または同寸法よりもやや大きめに設定することが好ましい。
第2の不織布の濾過性能は、粗塵除去用の濾材として機能することが可能であり、この場合、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.5m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用の濾材として使用できない場合がある。
また粗塵除去用の濾材として機能するには、第2の不織布の初期の圧力損失は、試験条件が風速0.1m/secの時に、20Pa以下が好ましく、10Pa以下がより好ましく、5Pa以下が更に好ましい。また、第2の不織布の濾過寿命は風速0.5m/secの時に、最終の圧力損失200Paとした場合、粉塵捕集量100g/m以上が好ましく、200g/m以上がより好ましく、300g/m以上が更に好ましい。なお、第2の不織布の粒子捕集平均効率の値を高くしようとすると濾過寿命が短くなり(粉塵捕集量が少なくなり)、濾過寿命を長くしようとすると(粉塵捕集量を多くしようとすると)粒子捕集平均効率の値が低下することとなるので、上記好ましい範囲の不織布であれば、粗塵除去用フィルタエレメントとしてより好適に用いることができる。
第2の不織布の濾過性能をより向上させ、比色法のみならず計数法でも評価できる濾過性能を有するものとするには、第2の不織布に帯電加工を施し構成繊維をエレクトレット化する方法がある。このようなエレクトレット化した繊維は、比較的高温の加熱によってエレクトレットの効果が失われることが知られており、このため加熱処理によって第2の不織布とした後に帯電加工処理が行うことが好ましい。
第2の不織布の帯電加工が施された後の濾過性能は、微塵除去用のフィルタとして機能することが可能であり、この場合、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.5m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。また、JIS B9908形式1に規定される試験方法において、0.3μmの大気塵を用いて、計数法により評価すると、試験条件が風速0.1m/secの時に、粒子捕集平均効率が5〜50%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が10〜50%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が20〜50%であることが更に好ましい。
本発明では第2の不織布の構成は第1の不織布と異なる構成であることも同じ構成であることも可能であるが、同じ構成であることによって、1種類の不織布で濾材と端板の両素材を製造することが可能であり、コスト低減効果がある。また第1の不織布及び第2の不織布が熱接着性繊維を含む場合は、後述するように濾材の端面に端板を熱接着し易いという効果もある。
本発明では、図1に例示するように、プリーツ折りされた第1の濾材11および前記第1の濾材11のプリーツの峰線13に交差する又は平行な端面に通気性の端板12a〜12dが配置されている。ここで交差するとは、峰線と端面とが任意の角度で交わることを意味しており、必ずしも直角に交わることのみを意味していないが、特殊な形状の場合を除き通常は直角又は直角に近い角度で交わるフィルタエレメントが要求される。また配置するとは、前記端面に端板が接着性繊維又は接着剤によって接着している形態のみならず、例えばフィルタエレメントを収納するフィルタ枠内に、前記第1の濾材の端面に端板が単に隣接配置されている形態も含んでいる。また第1の濾材11のプリーツの峰線13に平行な端面に通気性の端板12c及び12dを配置する形態として、プリーツの峰線13に平行な位置にある、第1の濾材11の最端部のプリーツの平面、を端板として適用することも可能である。この場合端面とは、第1の濾材11の最端部のプリーツの平面を意味する。またこのプリーツの平面に通気性の補強体を貼り合わせる形態も可能である。
前記端面に前記端板を接着剤によって接着する場合は、接着剤の使用によって通気性が失われないように、ホットメルト不織布を用いる方法や、スプレー加工、ホットメルト樹脂のペーストによるドット加工などのように通気性を保つ加工方法を採用することが望ましい。
また前記濾材と前記端板とが第1の熱接着性繊維又は/及び第2の熱接着性繊維によって接着していることも好ましい。この場合、濾材と端板とを接触状態で固定しておき、濾材に含有される第1の熱接着性繊維の低融点樹脂成分の融点P1と端板に含有される第2の熱接着性繊維の低融点樹脂成分の融点P2とを比較して、より低い融点を有する低融点樹脂成分(P1又はP2)の融点の温度以上で且つより高い融点を有する低融点樹脂成分(P2又はP1)の融点の温度未満に、前記濾材又は端板とを加熱処理することで、濾材又は端板に含まれる熱接着性繊維(第1の熱接着性繊維又は第2の熱接着性繊維)が、相手側(端板又は濾材)の構成繊維に融着することで接着が行われる。なお、融点P1と融点P2のいずれか高い方の融点以上に加熱処理が行われた場合には、両方の熱接着性繊維(第1の熱接着性繊維及び第2の熱接着性繊維)が相手側(端板及び濾材)の構成繊維に融着することで接着が行われる。
好ましい接着の形態としては、例えば第1の熱接着性繊維と第2の熱接着性繊維とが同じ材質の繊維であると、熱接着性繊維同士の相溶性が良いので濾材と端板とが接着し易いという利点がある。また第1の熱接着性繊維の融点P1と第2の熱接着性繊維の融点P2とが同じである場合も、接着温度を一定とすることができるので濾材と端板とが接着し易いという利点がある。したがって第1の熱接着性繊維と第2の熱接着性繊維とが同一の繊維であれば熱接着性繊維同士の相溶性が良く更に接着温度を一定とすることができるので濾材と端板とが更に接着し易いという利点がある。また第1の不織布と第2の不織布が同一の繊維構成であれば、加熱による第1の熱接着性繊維と第2の熱接着性繊維の他の繊維に対する接着挙動が同じになるので、濾材と端板とが更に接着し易いという利点がある。
濾材と端板とをそれぞれに含まれる熱接着性繊維によって接着する方法によれば、接着剤によって接着する方法よりも軽量化が可能であり、且つコスト低減が可能である。また端板の構成を濾材の構成に合わせるか又は近似させることによって、濾材と端板とが接着し易くなる。
濾材と端板とを接着させる方法としては、例えば特許文献2に記載される方法を適用することができる。当該文献の図5及び図6には、矩形状箱型をなす断面コの字形状の型枠106内に、プリーツ折り加工された濾材102をプリーツの峰線に直交する端面102aが固着側となるように収納し、次いで、濾材102の端面102aに接着層を有するテープ103を重ね合わせ、この状態で加熱板105をテープ103に押し当ててテープ103を濾材102の端面102aに加熱圧着する方法が記載されている。本願発明では、接着層を有するテープ103の代わりに端板12a〜12dを用いることで濾材と端板とを接着させることができる。
図6に示す方法を採用した場合、本発明では加熱板105を端板12a〜12dに直接押し当てることになるので、端板を濾材に接着させる工程を繰り返し長時間行うと加熱板105に端板を構成する第2の熱接着性繊維の低融点樹脂成分の一部が溶融付着する場合がある。そのため前記端板を、第2の不織布と、不織布、織物、編物またはネットなどの、低融点樹脂成分よりも高い融点を有する他の素材とを積層した複合不織布としておき、第2の不織布側に濾材を配置し、他の素材側に加熱板を配置すれば、加熱板105に低融点樹脂成分が付着することを防止することができる。
本発明では、前記濾材と前記端板とを第1の熱接着性繊維又は/及び第2の接着性繊維によって接着してフィルタエレメントを一旦形成し、このフィルタエレメントをフィルタエレメント中間体として、当該フィルタエレメント中間体全体を第1の熱接着性繊維または第2の接着性繊維の融点よりも高い温度、例えば10℃以上高い温度で加熱処理することも好ましい。フィルタエレメント中間体全体を加熱処理することによって、フィルタエレメント全体を更に剛性のある構造に変化させることができる。その理由として、プリーツ折り加工の際に圧縮されていた第1の不織布の厚さが元の厚さに回復し、その状態で第1の熱接着性繊維による再融着が行われ回復した厚さがそのまま固定されると共に、その回復した状態においてプリーツの峰部分又は谷部分でも再融着が行われV字形又はU字形の形状がそのまま固定されるためと考えられる。
また、本発明に適用可能なフィルタエレメントの全体の大きさは、自動車用や家庭用空気清浄機などの生活環境における空調機器に装着して使用されるフィルタエレメントの場合、空気の流入面の一辺の寸法が80〜500mmが好ましく、100〜400mmがより好ましく、150〜300mmが更に好ましい。また、奥行は10〜100mmが好ましく、15〜75mmがより好ましく、20〜50mmが更に好ましい。また、ビル、工場、事務所などに設置される空気清浄装置に、パッケージフィルター、ファンコイルユニット、中央空調用フィルタユニット等の粗塵除去用フィルタとして使用されるフィルタエレメントの場合、空気の流入面の一辺の寸法が200〜1500mmが好ましく、300〜1000mmがより好ましく、400〜700mmが更に好ましい。また、奥行は10〜500mmが好ましく、15〜400mmがより好ましく、20〜300mmが更に好ましい。
前記フィルタエレメントを空調装置に適用する場合はフィルタエレメントをフィルタ枠に装着して用いることができる。このフィルタ枠は剛性のある材質である限り特に限定されず、木材、金属、プラスチック等が適用され、数回の洗浄再生の後に焼却、廃棄される場合は木材が好ましい。
本発明に適用可能なフィルタエレメントの濾過性能は、粗塵除去用のフィルタとして機能することが好ましく、第1の不織布のみを濾材として使用した場合、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、空気の流入面の少なくとも一辺の寸法が80〜500mmの場合、試験条件が間口風速2.7m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。
また、前記フィルタエレメントの初期の圧力損失は、空気の流入面の少なくとも一辺の寸法が80〜500mmの場合、試験条件が間口風速2.7m/secの時に、150Pa以下が好ましく、100Pa以下がより好ましく、80Pa以下が更に好ましい。また、前記フィルタエレメントの濾過寿命は、最終の圧力損失200Paとした場合、間口面積当たりの粉塵捕集量500g/m以上が好ましく、750g/m以上がより好ましく、1000g/m以上が更に好ましい。なお、前記不織布基材が、不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合基材である場合には、前述の各圧力損失は、積層された他の素材やフィルタの圧力損失を加算した圧力損失とすることができる。
以上説明したように、本発明に適用可能な好ましいフィルタエレメントとして、前記濾材を第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布からなり、前記端板は第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布からなり、前記濾材と前記端板とが第1の熱接着性繊維又は/及び第2の接着性繊維によって接着している形態のフィルタエレメントを挙げることができる。このフィルタエレメントの場合、特許文献1に示されるような粗塵除去用のフィルタエレメントよりも、濾材の厚さを厚くすることで単位面積当たりの粉塵保持容量を増加させ、その分だけプリーツ間隔を広げて濾材の面積を少なくすることで全体の粉塵保持容量を同等とすることが可能であり、その結果、フィルタエレメントの製造コストを低下させることができる。また、濾材と端板とをそれぞれに含まれる熱接着性繊維によって接着しているので、特許文献1に示される粗塵除去用のフィルタエレメントのような接着剤を用いる方法よりも軽量化が可能であり、且つコスト低減が可能である。また端板の構成を濾材の構成に合わせるか又は近似させることによって、濾材と端板とが接着し易くなっている。また端板の厚さも厚くなっているのでプリーツ形状の濾材の保形性も優れている。このように、このフィルタエレメントは粗塵除去用のフィルタエレメントとして適用可能であり、濾過寿命或いは粉塵保持能力に優れ、且つ圧力損失が少なく、軽量化及び低コスト化が可能な新規な構造を有している。
本発明のフィルタエレメントの使用方法は、フィルタエレメントの前記端板を第2の濾材として使用することを特徴としており、端板を第2の濾材として使用する形態としては、本発明のフィルタ枠又は本発明のフィルタ装置を用いた濾過方法を例示することができる。
以下、本発明のフィルタ枠および本発明のフィルタ装置を図3に例示する自動車用の空調装置20を用いて説明する。本発明のフィルタ枠30は、図1及び図3に例示するように、プリーツ折りされた第1の濾材11および前記第1の濾材11のプリーツの峰線13に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板12a〜12dを有するフィルタエレメント10を収納するフィルタ枠30であって、前記フィルタ枠30は気流が流入する流入口31、32と、気流が流出する流出口34と、前記流入口31、32と前記流出口34との間に設けられた側壁33とを備えており、前記側壁33の一部に開口33aが設けられており、前記側壁33の開口33aの少なくとも一部が前記端板12a〜12dによって塞がれるように前記フィルタエレメント10を収納したときに、前記端板12a〜12dによる濾過が可能であることを特徴とする。
また、本発明のフィルタ装置20は、図1及び図3に例示するように、プリーツ折りされた第1の濾材11および前記第1の濾材11のプリーツの峰線13に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板12a〜12dを有するフィルタエレメント10と、前記フィルタエレメント10を収納するフィルタ枠30とを備えたフィルタ装置20であって、前記フィルタ枠30は気流が流入する流入口31、32と、気流が流出する流出口34と、前記流入口31、32と前記流出口34との間に設けられた側壁33とを備えており、前記側壁33の一部に開口33aが設けられており、前記側壁33の開口33aの少なくとも一部が前記端板12a〜12dによって塞がれるように前記フィルタエレメント10が収納されており、前記端板12a〜12dによる濾過が可能であることを特徴とする。
図1及び図3に例示するフィルタ枠30およびフィルタ装置20について、詳細に説明すると、この空調装置20においては、本願発明のフィルタエレメント10がフィルタ枠30に収納されている。フィルタ枠30は、内気が流入する流入口31および外気が流入する流入口32と、濾過後の気流が流出する流出口34と、前記流入口31、32と前記流出口34との間に設けられた側壁33とを備えており、前記側壁33の一部に開口33aが設けられている。さらに側壁の開口33aの少なくとも一部が前記端板12a又は12bによって塞がれるように前記フィルタエレメント10が収納されており、前記端板12a又は12bによって濾過が可能となっている。また開口33aには内気用のダクト41が接続されており、流出口34には流出用のダクト42が接続されている。またフィルタ枠33には流入口31、32の境に内外気の切り換えを行う内外気切換ドア35が設けられており、フィルタエレメント10の収納部の下方にブロワ40が設けられており、このブロワ40を駆動するモータ50がフィルタ枠33の外側に配置されている。
このフィルタ装置20によれば、フィルタエレメント10が目詰まりした場合でも、バイパスとして内気用のダクト41から開口33a及び端板12a〜12dを通してフィルタエレメント10に内気が流入すると共に端板によって内気の濾過を行うことができる。また、端板12a〜12dを通過する空気は粉塵濃度が極めて低い内気のみであるため、端板12a〜12dの圧力損失が上昇し難い構造となっている。その結果、急激にブロワ40に負担がかかったり、送風量が極端に低下したりするというリスクを回避することが可能であり、またフィルタエレメントの交換までの時間の確保が可能である。また端板12a〜12dに、抗菌剤、抗ウイルス剤、芳香剤、脱臭剤などの機能性物質を付着させておけば、外気中の粉塵によって機能性物質の付着効果が失われ易い第1の濾材に替わり、端板12a〜12dを第2の濾材として使用して、内気循環により長期間の防菌処理や防臭処理を施すことが可能である。
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
(第1の不織布又は第2の不織布の濾過性能試験方法−質量法)
ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、風速0.5m/secにて、圧力損失が200PaになるまでSAE FINE ダストを供給した後、粒子捕集平均効率(%)及び濾過寿命(粉塵捕集量)(g/m)を求める。また、初期の圧力損失(Pa)は風速0.1m/secにて測定した値を用いる。
(フィルタエレメントの濾過性能試験方法−質量法)
ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、間口風速2.7m/secにて、圧力損失が200PaになるまでSAE FINE ダストを供給した後、間口当たりの粒子捕集平均効率(%)及び濾過寿命(粉塵捕集量)(g/m)を求める。また、初期の圧力損失(Pa)は間口風速2.7m/secにて測定した値を用いる。
なお、フィルタエレメントの濾過性能は第1の不織布のみを濾材として使用した場合の評価を示す。
(実施例1)
芯成分が融点248℃のポリエステル樹脂であり、鞘成分が融点72℃のポリエステル樹脂からなる複合繊維(繊度22デシテックス、繊維長64mm)からなるステープル繊維65質量%と、芯成分が融点248℃のポリエステル樹脂であり、鞘成分が融点72℃のポリエステル樹脂からなる複合繊維(繊度6.6デシテックス、繊維長51mm)からなるステープル繊維35質量%とを混合して、カード機を使用して繊維ウエブ(平均繊度12.1デシテックス)を形成した。次いで、この繊維ウエブをエアスルー型の乾燥機を用いて、150℃の熱風により加熱接着処理を行い、面密度95g/mで、厚さ1.5mmの第1の不織布を形成した。得られた第1の不織布の濾過性能を評価した結果を表1に示す。
次いで、得られた第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が20mm、プリーツの数10峰となるようにプリーツ加工を施し濾材とした。次いで、プリーツの峰線と交差する濾材端面に、第1の不織布を巾29mm×長さ206mmにカットして作製した端板(剛軟度4.9mN)を加熱により接着して、全体の大きさが端板側206mm×端板と垂直な側212mmのフィルタエレメントを作製した。得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表1に示す。
なお端板の接着については、図5及び図6に示すように、矩形状箱型をなす断面コの字形状の型枠106内に、プリーツ折り加工した濾材をプリーツの峰線に直交する端面が固着側となるように収納し、次いで、濾材の端面に端板を重ね合わせ、この状態で100℃の加熱板105を端板に押し当てて端板を濾材の端面に加熱圧着した。
(実施例2)
実施例1において、面密度125g/mで、厚さ2.2mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、面密度150g/mで、厚さ3.5mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、面密度190g/mで、厚さ4.5mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1において、面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第1の不織布を形成したこと、及び第1の不織布と同様にして面密度125g/mで、厚さ2.2mmの第2の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布及び第2の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1において、面密度150g/mで、厚さ3.5mmの第1の不織布を形成したこと、第1の不織布と同様にして面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第2の不織布を形成したこと、及び第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が27mm、プリーツの数8峰となるようにプリーツ加工を施し濾材としたこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布及び第2の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1において、面密度150g/mで、厚さ3.5mmの第1の不織布を形成したこと、第1の不織布と同様にして面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第2の不織布を形成したこと、及び第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が14mm、プリーツの数15峰となるようにプリーツ加工を施し濾材としたこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布及び第2の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。
(比較例1)
芯成分が融点160℃のポリプロピレン樹脂であり、鞘成分が融点140℃のポリエチレン樹脂からなる複合繊維(繊度6.6デシテックス、繊維長64mm)からなるステープル繊維75質量%と、芯成分が融点160℃のポリプロピレン樹脂であり、鞘成分が融点140℃のポリエチレン樹脂からなる複合繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長51mm)からなるステープル繊維25質量%とを混合して、カード機を使用して繊維ウエブ(平均繊度4.4デシテックス)を形成した。次いで、この繊維ウエブをエアスルー型の乾燥機を用いて、140℃の熱風により加熱接着処理を行い、面密度85g/mで、厚さ0.9mmの第1の不織布を形成した。得られた第1の不織布の濾過性能を評価した結果を表3に示す。
次いで、得られた第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が5mm、プリーツの数40峰となるようにプリーツ加工を施し濾材とした。次いで、スポット状に熱融着された面密度220g/mのスパンボンド不織布に面密度380g/mのホットメルト樹脂をコーティングした後に巾29mm×長さ206mmにカットして作製した端板(剛軟度:高すぎて測定不能、濾過性能:通気性が無いため測定不能)を準備して、この端板をプリーツの峰線と交差する濾材端面に、実施例1と同様にして加熱により接着して、全体の大きさが端板側206mm×端板と垂直な側212mmのフィルタエレメントを作製した。得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。この比較例1では、端板は通気性がないため第2の濾材として用いることができなかった。さらに端板にホットメルト樹脂をコーティングしているため、また濾材の面積が大きいので、製作コストが高くなるという問題があった。
表1
Figure 2014176798































表2
Figure 2014176798
表3
Figure 2014176798
表1〜3から明らかなように、実施例1〜8のフィルタエレメントは、端板を第2の濾材として使用することが可能なフィルタエレメントであった。また、このフィルタエレメントを図3に示すフィルタ枠30内に収納して、フィルタ装置20とすることにより、この端板12a〜12dによって濾過を可能とすることができる。また、このフィルタ装置20によれば、フィルタエレメント10が目詰まりした場合でも、バイパスとして内気用のダクト41から開口33a及び端板12a〜12dを通してフィルタエレメント10に内気が流入すると共に端板によって内気の濾過を行うことができる。その結果、急激にブロワ40に負担がかかったり、送風量が極端に低下したりするというリスクを回避することが可能であり、またフィルタエレメントの交換までの時間の確保が可能である。これに対して、比較例1では、端板は通気性がないため第2の濾材として用いることができなかった。
10 フィルタエレメント
11 濾材
12a、12b、12c、12d 端板
13 プリーツの峰
20 空調装置
30 フィルタ枠
31 内気流入口
32 外気流入口
33 側壁
33a 開口
34 流出口
35 内外気切換ドア
40 ブロワ
41 内気用のダクト
42 流出用のダクト
50 モータ
102 濾材
102a 端面
103 テープ
105 加熱板
106 断面コの字形状の型枠
110 フィルタエレメント
111 不織布基材
112a、112b 保形部材
113 プリーツ加工
114 セパレータ
210 エアダクト
211 内外気切換ドア
212 ダストフィルタ
214 ブロワモータ
215 ブロワ
310 自動車用空気調和装置
331 濾過部材
339R、339L バイパス通路部
411 ケース
412 第2外気導入部
413 内気導入部
415 脱臭フィルタ
416 除塵フィルタ
417 送風手段
421 第1外気導入部
426 空気吹出部
460 除塵フィルタ
473 ケース

Claims (3)

  1. プリーツ折りされた第1の濾材および前記第1の濾材のプリーツの峰線に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板を有するフィルタエレメントにおける、前記端板を第2の濾材として使用することを特徴とするフィルタエレメントの使用方法。
  2. プリーツ折りされた第1の濾材および前記第1の濾材のプリーツの峰線に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板を有するフィルタエレメントを収納するフィルタ枠であって、
    前記フィルタ枠は気流が流入する流入口と、気流が流出する流出口と、前記流入口と前記流出口との間に設けられた側壁とを備えており、前記側壁の一部に開口が設けられており、
    前記側壁の開口の少なくとも一部が前記端板によって塞がれるように前記フィルタエレメントを収納したときに、前記端板による濾過が可能であることを特徴とするフィルタ枠。
  3. プリーツ折りされた第1の濾材および前記第1の濾材のプリーツの峰線に交差する又は平行な端面に配置された通気性の端板を有するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントを収納するフィルタ枠とを備えたフィルタ装置であって、
    前記フィルタ枠は気流が流入する流入口と、気流が流出する流出口と、前記流入口と前記流出口との間に設けられた側壁とを備えており、前記側壁の一部に開口が設けられており、
    前記側壁の開口の少なくとも一部が前記端板によって塞がれるように前記フィルタエレメントが収納されており、前記端板による濾過が可能であることを特徴とするフィルタ装置。
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