JP2003292688A - 難燃性ポリオレフィン樹脂成形物およびこれを用いた積層体とエアフィルター - Google Patents

難燃性ポリオレフィン樹脂成形物およびこれを用いた積層体とエアフィルター

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JP2003292688A
JP2003292688A JP2002097199A JP2002097199A JP2003292688A JP 2003292688 A JP2003292688 A JP 2003292688A JP 2002097199 A JP2002097199 A JP 2002097199A JP 2002097199 A JP2002097199 A JP 2002097199A JP 2003292688 A JP2003292688 A JP 2003292688A
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polyolefin resin
retardant
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Yosuke Takai
庸輔 高井
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Daiwa Boseki KK
Daiwabo Co Ltd
Daiwabo Polytec Co Ltd
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Daiwa Boseki KK
Daiwabo Co Ltd
Daiwabo Polytec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃性が高く、廃棄処理も容易で、かつ製造コ
ストの安い難燃性ポリオレフィン樹脂成形物およびこれ
を用いた積層体を提供する。 【解決手段】モノマー成分の平均炭素数Cが2.6≦C≦8
のαオレフィンを重合したポリオレフィン樹脂と、難燃
効果剤と熱安定剤と高分子量ヒンダードアミンを含む難
燃性ポリオレフィン樹脂成形物であって、前記難燃効果
剤がトリアジン骨格とその近傍に位置する複数のピペリ
ジン基のイミノ基(>N-H)の一部または全部がN-アルコキ
シ・イミノ基(>N-O-R)(但し、RO-は炭素数1-18のア
ルコキシ基等)に置換されているヒンダードアミン誘導
体であり、0.2-10質量%の範囲で含有したフィルムまた
はメッシュシート等の成形体(1)とする。不織布等の繊
維集合物(2,3)の少なくとも片面に成形物(1)を積層一体
化してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無公害で焼却処分
とリサイクル可能であり、かつ、火災に遭遇しても塩化
水素などの有害ガスを発生しないノンハロゲンの難燃性
の防虫網戸、不織布補強用のスクリム資材、各種フイル
ターの補強用メッシュや粗塵フイルターなどに好適な難
燃性ポリオレフィン樹脂成形物およびこれを用いた積層
体とエアフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、防虫網戸や粗塵フイルターなどの
難燃化多孔性平面網状体の分野で、塩化ビニルまたは塩
化ビニリデン樹脂が、安価で加工性に優れているため多
用されてきた。しかし、軟質塩化ビニル製品は環境ホル
モンもしくは類似の化学物質が可塑剤として使用され、
前記可塑剤が使用中に沁み出すため、再成形が困難であ
った。また、両者共に塩素を含むため、焼却処分時にダ
イオキシンの発生する可能性があり、使用後のリサイク
ル使用と環境ホルモンの含有の問題があった。
【0003】ポリオレフィン樹脂がこれら塩化ビニル製
品の代替原料として考えられたが、難燃化の達成で問題
があり、特にフィラメントや繊維などの糸条を使用する
分野では難燃剤の添加量が、従来は多かったため製造に
問題があり、難燃化した商品の大量生産には、技術的に
問題が多かった。
【0004】従来から製品に難燃性が求められている分
野では、塩化ビニル製品やハロゲン化合物の難燃剤を用
いた製品が多用されてきたが、使用後に焼却して廃棄処
分するとダイオキシンなどの有害物の発生の可能性があ
り、火災時にハロゲン化水素などの有害物や煤が発生
し、いずれも危険で問題視されている。
【0005】また、最近は、リサイクル性などが強く要
求されて、ポリエチレンテレフタレートよりリサイクル
が容易なポリオレフイン樹脂で上記資材を作ることが求
められているが、ポリオレフイン樹脂はラジカル重合で
作られているため、難燃化が困難であり、前述の様にハ
ロゲン化合物の難燃剤が用いられてきた。
【0006】従来のポリオレフィン系の難燃資材には、
比重の重いハロゲンガスを、熱分解させて発生させて資
材表面を覆って酸素を遮断することで難燃化するハロゲ
ン系難燃剤、主に縮重合樹脂で効果を発揮する、熱分解
温度を下げ、脱水反応で水素を引抜いて炭化を促進して
難燃化するリン酸アンモニウム塩や赤燐などの燐化合
物、そして、不燃の無機物やさらには結晶水を加熱する
と放出する無機物を概ね過半量添加して、可燃性の樹脂
の量を減らすことで難燃化する水酸化マグネシュウムな
どの水酸化物などを使用しており、これらを検討した
が、難燃効果が従来の物より格段に優れたものは見つか
らず、ここ十年、他社でも実用化されたものはなかっ
た。特に糸条は、電気コードなどに比べ薄くて作りにく
いので、少量で難燃化できる難燃剤が不可欠で、良いも
のがなかった。
【0007】ハロゲン化水素などの有害物や煤を発生し
ない難燃性ポリオレフィン繊維として、例えば、WO9
9/00450では、NOR型ヒンダードアミンを難燃
剤としてポリオレフィン樹脂に添加した難燃組成物が提
案されている。特開2001−348724号公報に
は、リン酸エステル系難燃剤とNOR型ヒンダードアミ
ン系安定剤とを含有する難燃性ポリプロピレンフィルム
が提案されている。USP5393812では、リン酸
エステル系難燃剤とNOR型ヒンダードアミン光安定剤
とを含有するポリオレフィン組成物が提案されている。
さらに、EP792911では、アルコキシアミン基を
有するヒンダードアミン光安定剤を難燃剤とし、リン酸
エステル系難燃剤とを併用するポリオレフィン組成物が
提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の製品に難燃性が
求められている分野では、従来、難燃効果の高いハロゲ
ン化合物、例えば、塩化ビニル樹脂やハロゲン系難燃剤
がこの用途に多用されてきたが、火災時にハロゲン化水
素などの有害物や煤を発生し、被災者にこれら有害物が
強い被害を与え、また、破損や劣化で使用に耐えなくな
った時、焼却して廃棄処分するとダイオキシンなどの有
害物が発生するため焼却できず、微生物などでの処分も
できないため、これらの使用は廃棄処分に重大な問題が
あった。
【0009】また、これら製品を製造またはリサイクル
使用する時、ハロゲン化水素などの有害物が発生し、製
造環境の劣悪化と製造設備の劣化を招き問題が大きく、
塩化ビニル製品においては、使用によって可塑剤が溶出
して再生が出来ない問題がある。
【0010】従来の難燃剤と言われているものは、公知
のハロゲン系難燃剤に加え、りん系、アンモニウム塩系
が発表されており、樹脂の難燃剤としては水酸化マグネ
シウムなどが従来から公知であったが、ポリオレフィン
製品では、ハロゲン系難燃剤主剤としないと効果がな
く、これらが主として実用されてきた。しかしながら、
上記した様に種々の問題があり、ポリオレフィン樹脂が
使用されている製品、特に糸条は、ノン環境ホルモンに
加え、難燃化は、ハロゲン元素を含まない薬剤の使用に
よって達成することが求められ、ノンハロゲン化によっ
て、より火災時に安全で、焼却などの廃棄処分が無害に
でき、リサイクル可能で、強力などの性能は従来並みで
製品の使い勝手に支障のないポリオレフィン製品が現在
も強く求められている。
【0011】さらには、本発明者らは、本発明に用いる
難燃剤と種々のポリオレフィン樹脂との相関を検討して
きたが、同じポリプロピレン樹脂でも、難燃効果がある
ものと無いものが現われ、メーカーとグレードで効果の
ばらつきが大きく、限定された特定の樹脂での効果の確
保では、経済的に問題であり、前記難燃剤のより少ない
量で常に最高の難燃効果を得ることと、より安価な樹脂
でも同様の効果を出してコストダウンの対策できる条件
を探して、汎用できるものにする必要があった。
【0012】例えば、ハロゲン化水素などの有害物や煤
を発生しない難燃性ポリオレフィンとして提案されてい
るものであっても、WO99/00450、特開200
1−348724号公報、USP5393812、およ
びEP792911では、NOR型ヒンダードアミン単
独では、十分な難燃効果が得られない場合があり、実質
的に他の従来の難燃剤との併用を提案している。これだ
と、従来の難燃性ポリプロピレン繊維と同様にリン系難
燃剤を多量に含有させる必要があり、難燃効果を有する
NOR型ヒンダードアミンを補助的に用いるのみであ
り、不経済である。
【0013】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、難燃性が高く、廃棄処理も容易で、リサイクルも可
能で、かつ製造コストの安い難燃性ポリオレフィン樹脂
成形物およびこれを用いた積層体を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物は、構成
するモノマー成分の平均炭素数Cが2.6≦C≦8であ
るαオレフィンを重合したポリマーを含む少なくとも1
種のポリオレフィン樹脂(A)と、難燃効果剤(a)と
熱安定剤(b)と高分子量ヒンダードアミン(c)を含
む難燃性ポリオレフィン樹脂成形物であって、前記難燃
効果剤(a)が、トリアジン骨格とその近傍に位置する
複数のピペリジン基のイミノ基(>N−H)の一部また
は全部がN−アルコキシ・イミノ基(>N−O−R)
(但し、RO−は炭素数1〜18のアルコキシ(alkox
y)基、炭素数5〜12のシクロアルコキシ(cycloalko
xy)基、炭素数7〜25のアルアルコキシ(aralkoxy)
基、炭素数6〜12のアリーロキシ(aryloxy)基)に
置換されているヒンダードアミン誘導体であり、前記難
燃効果剤(a)を0.2質量%を超え、10質量%未満
の範囲で含有し、前記熱安定剤(b)がリン系酸化防止
剤のアリールフォスファイトであり、前記高分子量ヒン
ダードアミン(c)が、トリアジン骨格と、過半のトリ
アジン骨格がその近傍に位置する複数のピペリジン基を
有する分子量が2000以上であり、前記高分子量ヒン
ダードアミン(c)を0.02質量%以上、1質量%以
下の範囲で含有していることを特徴とする。
【0015】次に本発明の積層体は、繊維集合物の少な
くとも片面に、前記の難燃性ポリオレフィン成形物が積
層一体化されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】ポリオレフィン樹脂に難燃性を発
現させるには、 (1)酸化剤である酸素の遮断 (2)着火しない低温で熱分解させて耐熱性の炭化物で
被覆する (3)可燃物である樹脂の含有量を減らし着火しても低
発熱とする手段が従来の難燃性付与方法であった。これ
らを整理すると、(1)酸化剤の遮断、(2)燃焼時の
可燃ガス発生抑制、(3)炎の低温化となり、ポリオレ
フィン系の難燃樹脂では、(1)の効果を持つハロゲン
系難燃剤を主体とし、(2)または(3)の添加剤を補
助とした難燃剤構成であった。しかし、製造上、使用
上、火災発生時などで大きな問題を抱えているため、検
討した。
【0017】本発明は、ポリオレフィン樹脂の燃焼機構
が、まず、熱によって樹脂が熱分解を起こし、低分子量
のモノマーなどを放出して、これらが着火し、さらに熱
分解の連鎖を起こして燃焼する機構と仮定して検討を続
けた結果、ハルス系(HALS:Hindered Amine Light
Stabilizersの略でトリアジン骨格とピペリジン基が含
まれる耐候性安定剤の総称。)のラジカル捕集剤をポリ
オレフィンの安定剤としてでなく、難燃化剤としてもっ
と大量に添加することで、外部からの炎によって樹脂が
熱分解される時、アルキルラジカル(R・)がまず発生
するが、このラジカルを捕捉することで熱分解連鎖を遮
断すれば、中分子量物から低分子量物の発生を抑制で
き、ポリオレフィン樹脂やその加工品を難燃化できるの
ではと考えた。
【0018】本発明者らは、イミノ基(>NH)を持つ
ハルス系のラジカル捕集剤の濃度アップによって、ポリ
オレフィン樹脂を難燃化できないか、種々検討したが、
期待する難燃効果は得られなかった。すなわち、燃焼に
よって生じたラジカル(R・)や(ROO・)をイミノ
基(>NH)ハルスは十分捕捉できず難燃効果を発揮し
ないことが判った。
【0019】ハルス系のラジカル捕集剤の作用機構は、
文献に記載があり、通説がほぼ確定している。例えば、
1998年日刊工業新聞社発行の「高分子添加剤の新展
開」があり、そのサイクルには、イミノ基(>NH)だ
けでなく、ヒドロキシイミノ基(>NOH)やアルコキ
シイミノ基(>NOR)、そして>NO・ラジカルが含
まれ、燃焼によって発生したラジカル(R・)は、酸素
分子O2と非常に早く反応してROO・ラジカルになる
が、>NO・ラジカルもラジカル(R・)と前記と同じ
くらい早く反応してアルコキシイミノ基(>NO)とな
ってラジカル(R・)を消滅させる。したがって、>N
O・ラジカルを持つハルス系添加剤が期待できるが、ラ
ジカルのため不安定で添加剤としては入手できない。こ
の>NO・ラジカルを容易に発生するのがアルコキシイ
ミノ基(>NOR)であり、揮発し易いアルキルを放出
して>NO・ラジカルを発生させ、代わりにポリオレフ
ィン樹脂が分解して発生した中分子量物から低分子量物
を捕捉、安定させることで、可燃性物質の発生を量的に
抑制して難燃効果を発現できると考えた。
【0020】なお、>NORのアルキル基は、当然揮発
し易く、少しでも酸化や分解しにくいアルキルが良く、
直鎖状より、環状のものが都合が良いと推定される。な
お、アルコキシイミノ基(>NOR)はラジカル捕集が
固相ではさらに有利であり、繊維やフィルムなどの成形
物の内部ではラジカル(R・)の捕捉も期待できる。ま
た、燃えるものが少ないか、無くなれば燃えないはずで
あり、炎が当たると速やかに溶融して、炎の部分から樹
脂を溶融張力で収縮させて、樹脂を遠ざける、すなわ
ち、簡単に溶けてより大きな穴を開けることができる様
な薄手のフィルムやメッシュなど、使う仕様も工夫すれ
ば、結果として難燃効果をさらに発現できるとも考え、
本発明に至った。
【0021】本発明者らは、アルコキシイミノ基(>N
OR)型ハルスを練り込んだ樹脂を用い、ポリプロピレ
ン(PP)樹脂からなる成形物を試作して、評価したと
ころ、良い難燃効果を示す結果を得た。
【0022】種々のメーカーのポリオレフィン樹脂に拡
大して検討した。しかし、予想に反してほとんどの樹脂
で、期待する結果を得ることができなかった。比較例で
例示する様に、2質量%の添加でも全焼する結果とな
り、特定のポリプロピレン(PP)樹脂でのみ、難燃等
級が最高の3級に、0.5質量%添加でも安定してなる
ことしか判らなかった。
【0023】使用したポリオレフィン樹脂の安定剤の相
関を調査し、アリールフォスファイトである、トリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト
(安定剤T、または単にT剤という。)を添加した樹脂
をマスターバッチのベース樹脂とした成形物が、難燃効
果もしくは難燃化傾向を持つことを知った。
【0024】本発明に用いるNOR型ハルスと安定剤T
を一緒に練り込んだマスターバッチと、安定剤Tのみの
マスターバッチを作り、検討したところ、以前に全焼し
た樹脂も、本発明に用いる難燃剤が同じ2質量%添加
で、安定剤Tを併用することで、難燃等級が最高の3級
の繊維とすることができ、本発明に至ったのである。
【0025】なお、本発明に用いる、いわゆるリン系酸
化防止剤アリールフォスファイトは、溶融混合して作る
マスターバッチや、溶融して作る成形物に用いる場合、
樹脂を溶融する200℃以上の温度で、劣化防止に卓越
した効果を発揮するため、前記リン酸化防止剤を添加す
ると、少なくとも、本発明に用いるNOR型ハルスの熱
的変質を防止して、その難燃効果を発揮させると推定さ
れる。また、燃焼時、資材などの成形物の表面が溶融す
るため、何らかの良い相乗効果を与えているとも推定さ
れる。いずれにしても、安定剤Tは本発明に不可欠であ
る。
【0026】さらに、ポリオレフィン樹脂成形物が本来
基本的に保有することが不可欠な耐候性を持たせるた
め、ポリオレフィン樹脂に、各種安定剤を添加すること
も不可欠であり、ポリオレフィン樹脂に添加する安定剤
と前記難燃効果剤との相性を検討したところ、ハルス系
安定剤以外では好ましい結果を得ることができなかっ
た。具体的には、酸化防止剤、光安定剤やラジカル捕集
剤と前記難燃効果剤であるNOR型ハルスとは、相性の
問題があり、酸化防止剤の代表例であるフェノール系酸
化防止剤BHTとは相互に反応してNOR型ハルスが変
質化し、黄変または褐色変し、本発明に用いる難燃効果
剤も余分に添加する必要があって、前記BHTを添加し
ない方が良いため、使用できず、イルガノックス101
0も同様であった。結局、難燃効果剤であるNOR型ハ
ルスと化学構造が近いハルス系のラジカル捕集剤が樹脂
の耐候性と難燃性の両立をさせるに最も都合が良いこと
が判明した。また、アルコキシイミノ基>NORは樹脂
成形物の内部でラジカルR・の捕捉も期待できるが、従
来のハルス系のラジカル捕集剤であるヒンダードアミン
の方が同じ添加量でもラジカルR・の捕捉効果が大きい
ので、前記難燃効果剤であるNOR型ハルスの変質防止
を兼ねて、これら両者の併用が不可欠となる。
【0027】特に、分子量が2000以上で、トリアジ
ン骨格と、過半のトリアジン骨格がその近傍に位置する
複数のピペリジン基を有する高分子量ヒンダードアミン
が、本発明に用いる難燃効果剤の難燃効果を生じる添加
量に影響を与えず、かつ、黄変などの着色も極めて低く
することができ、本発明に用いるポリオレフィン樹脂の
耐候性安定剤としても最適であることを知った。前記高
分子量ヒンダードアミンは、前記マスターバッチの希釈
ポリオレフィン樹脂に含有させても良いし、マスターバ
ッチに使用するポリオレフィン樹脂に含有させると都合
が良いが、さらに適量のリン系酸化防止剤アリールフォ
スファイトを追加するともっと都合が良いことも判明し
た。
【0028】以下、従来の難燃剤を用いずともポリオレ
フィン樹脂成形物を難燃化し得る方法について、具体的
に説明する。
【0029】本発明は、構成するモノマー成分の平均炭
素数Cが2.6≦C≦8であるαオレフィンを重合した
ポリマーを含む少なくとも1種のポリオレフィン樹脂
(A)に、トリアジン骨格とその近傍に位置する複数の
ピペリジン基のイミノ基(>N−H)の一部または全部
がN−アルコキシ・イミノ基(>N−O−R)(但し、
RO−は炭素数1〜18のアルコキシ(alkoxy)基、炭
素数5〜12のシクロアルコキシ(cycloalkoxy)基、
炭素数7〜25のアルアルコキシ(aralkoxy)基、炭素
数6〜12のアリーロキシ(aryloxy)基)に置換され
ているヒンダードアミン誘導体を難燃効果剤として0.
2質量%を超え、10質量%未満の範囲で含有し、熱安
定剤であるリン系酸化防止剤のアリールフォスファイト
を含有し、トリアジン骨格と、過半のトリアジン骨格が
その近傍に位置する複数のピペリジン基を有する分子量
が2000以上の高分子量ヒンダードアミンを0.02
質量%以上1質量%以下の範囲で含有し、ポリオレフィ
ン樹脂(A)に難燃性を付与することで難燃化したポリ
オレフィン系樹脂成形物およびこれを用いた積層体が得
られる。前記難燃効果剤が従来の難燃剤でなくポリオレ
フィン樹脂の安定剤である特定のヒンダードアミン系安
定剤を用い、従来のリン系難燃剤をも全く使用せずと
も、すなわち、従来からの概念である難燃剤は一切使用
せずとも、かつ、環境ホルモンにも該当しない薬剤で、
ノンハロゲンで基本的にはノンリンで難燃化を達成する
ことが可能であり、火災時にも有害ガスを発生せず、廃
棄処分でも有害物を排出しないので安全であり、前記難
燃効果剤がポリオレフィン樹脂の安定剤に類するもので
あるからリサイクルも容易であり、必要添加量も従来の
難燃剤より少ないので、樹脂成形物などの本来具備すべ
き性能の低下もあまり生じない特徴を持った、パッケー
ジなどの包装材、壁紙やピータイルなどのインテリア資
材、冷蔵庫やテレビやゲーム機などの家電製品の筐体、
防虫網戸や寒冷紗やネットなどの園芸用品などのアウテ
リヤ資材などの、射出成形物、フィルム、あるいはメッ
シュである樹脂成形物とすることができる。なお、前記
した「基本的にはノンリンで難燃化」とは、少量のリン
系安定剤は本発明に不可欠であるため除外できないが、
この安定剤より遥かに大量に添加するリン系難燃剤は使
用しておらず、成形物のリン含有量は、従来の難燃オレ
フィン繊維より遥かに少ないことを示唆しているのであ
る。
【0030】前記難燃効果剤としては、前述したよう
に、イミノ基の窒素部分が、N−アルコキシイミノ基>
NORであり、前記N−アルコキシイミノ基は、アルキ
ルーパーオキシラジカルRO2・を捕捉して容易に>N
O・ラジカルとなり難燃効果を発揮する。チバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社の商品名「チモソルブ944」
などのように多数のイミノ基が側鎖として存在するタイ
プの分子量2000以上の高分子量タイプで、トリアジ
ン骨格とこれの近傍に位置する複数のピペリジン基のイ
ミノ基>N−HがN−アルコキシ・イミノ基>N−O−
Rに置き換えられている高分子量ヒンダードアミン誘導
体は、ラジカル捕集によって3次元化するので、揮発物
を抑制でき、最も好ましい。
【0031】なお、具体的なNーアルコキシ・イミノ基
(>N−O−R)を持つNOR型の高分子ハルス難燃効
果剤は、トリアジン骨格とこれの近傍に位置する複数の
ピペリジン基のイミノ基>N−HがN−アルコキシ・イ
ミノ基>N−O−Rに置き換えられている、分子量が2
000を超える高分子量ヒンダードアミン誘導体がブリ
ードアウトの少ないなどの点からも都合良く、アルコキ
シ基はシクロヘキサノールのアルコールの水素基が欠落
した基が最も都合が良い。その一例は、チバ・スペシャ
リティ・ケミカルズ社のフレームスタブNOR116で
ある。その化学構造を下記式(化1)に示す。
【0032】
【化1】
【0033】本発明に用いる難燃効果剤では、ポリオレ
フィン樹脂のうちポリエチレンは、ポリプロピレンに比
べ、難燃効果を付与しにくく、ポリブテン−1やポリメ
チルペンテン−1などの側鎖のあるαオレフィン樹脂の
難燃化に有効である。これは、第3級炭素によって、発
生するラジカルの寿命が長くなる影響も考えられる。前
記した理由から構成するモノマー成分の平均炭素数Cが
2.6≦C≦8のαオレフィンを重合したポリマーを含
む少なくとも1種のポリオレフィン樹脂(A)を用い
る。例えば、平均炭素数が3未満であっても、炭素数が
3のプロピレンが主成分として使用されているエチレン
−プロピレン共重合体にも本発明に用いる難燃効果剤は
有効である。平均炭素数が8を超えるポリオレフィン樹
脂は実用的ではないので除外した。
【0034】また、本発明では、ポリオレフィン樹脂
(A)をプロピレンのホモポリマーまたはプロピレンを
主成分とする共重合体、ポリブテン−1、ポリメチルペ
ンテン−1およびオレフィン系エラストマーを中心に検
討し、記載するが、これらを過半量含むポリマーアロイ
や混合樹脂およびこれらの共重合体、炭化水素系のゴム
にも適応できる。
【0035】前記難燃効果剤が添加されているポリオレ
フィン樹脂(A)は、構成するモノマー成分の平均炭素
数Cが2.6≦C≦8であるαオレフィンのホモまたは
共重合ポリマーであって、炭素数3〜8であるプロピレ
ン、ブテン−1、メチルペンテン−1のホモポリマー、
または炭素数3〜8のモノマー成分を含む共重合体、例
えば、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタ
ジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン−オクテン−
1共重合体、およびこれらのポリマーアロイまたは混合
物を含む。
【0036】前記難燃効果剤のポリオレフィン樹脂
(A)への添加量(a質量%)は、0.2<a<10が
好ましい。より好ましい添加量の下限は、0.5質量%
以上である。より好ましい添加量の上限は、5質量%以
下である。なお、0.2質量%以下では、難燃性が十分
でなく、10質量%以上では、経済的に好ましくない。
【0037】次に、前記難燃効果剤は、マスターバッチ
化、あるいは成形物などの熱加工時に変質し易いため、
リン系酸化防止剤を併用するのが不可欠である。前記リ
ン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−
ブチルフェニル)フォスファイト(チバ・スペシャリテ
ィ・ケミカルズ社製「IRGAFOS168」(商品
名))に代表される、アルキル置換基を有するフェニル
基を少なくとも1つ有するアリールフォスファイトが都
合良く、具体的には、旭電化工業社製の「ADKSTA
B HP−10」、「PEP−24」や「PEP−3
6」(いずれも商品名)が他に挙げられる。
【0038】被添加樹脂が溶融状態時に前記難燃効果剤
の変質を防止する加工熱安定剤として併用するリン系酸
化防止剤のアリールフォスファイトの添加量(b質量
%)は、0.02≦bであり、かつ前記難燃効果剤の添
加量(a質量%)との間には1<a/b<70を満たす
ことが好ましい。より好ましいアリールフォスファイト
の添加量の下限は、0.1≦bである。より好ましいア
リールフォスファイトの添加量の上限はb≦1である。
さらに好ましいアリールフォスファイトの添加量の上限
はb<0.5である。より好ましいa/bの上限は、5
0である。さらに好ましいa/bの上限は、30であ
る。ポリオレフィン樹脂(A)に対する添加量が0.0
2質量%未満では変質防止効果が十分でなく、経済的に
は、難燃効果剤との比率a/bが1未満では添加が過剰
であり、70を超えるのは添加が過小となり好ましくな
い。なお、前記リン系酸化防止剤は、少なくとも本発明
に用いる難燃効果剤が熱加工される場合には共存するの
が特に好ましく、このマスターバッチを作成する場合
は、少なくとも0.3質量%の添加が好ましい。
【0039】次に、本発明に用いる高分子量ハルス系安
定剤は、トリアジン骨格と、過半のトリアジン骨格がそ
の近傍に位置する複数のピペリジン基を有する、分子量
が2000以上のラジカル捕集機能を有する高分子量ヒ
ンダードアミンが最適であり、具体的な例としては、チ
バ・スペシャリティ・ケミカルズ社のチモソルブ944
系、2020系および119系の高分子量ヒンダードア
ミンが挙げられる。前記高分子量ヒンダードアミンは、
前述したように、前記難燃効果剤に類似の化合物であ
り、ポリオレフィン樹脂への分散性の上でも都合良く、
互いに干渉しなければ、ポリオレフィン樹脂に耐候性を
付与できる添加量であれば少なくとも都合が良い。ま
た、その添加量はマスターバッチのベース樹脂、希釈ポ
リオレフィン樹脂ともに同様である。
【0040】本発明に用いるポリオレフィン樹脂(A)
において、都合の良い具体的な耐候性安定剤処方は、中
和剤を別とすれば、前記高分子量ヒンダードアミンを耐
候性安定剤として0.02質量%以上、1質量%以下の
範囲で含有する。高分子量ヒンダードアミンの好ましい
含有量の下限は0.1質量%以上である。さらに、アリ
ールフォスファイトを熱安定剤として0.02質量%以
上1質量%以下の範囲で添加すると、耐候性も良好な繊
維とすることができる。高分子量ヒンダードアミン、ア
リールフォスファイトの添加量が0.02質量%未満で
は、耐候性に問題が生じ、1質量%を超える添加では、
過剰すぎて経済的に好ましくない。
【0041】さらに、少なくともマスターバッチを希釈
するポリオレフィン樹脂には、耐候性安定剤としての高
分子量ヒンダードアミンとリン系酸化防止剤を添加する
ことが最適もしくは不可欠である。
【0042】なお、前記ポリオレフィン樹脂(A)に
は、難燃効果に影響がなく、他の物理物性を維持する範
囲で他の安定剤の通常量併用してもよい。
【0043】また、本発明の難燃性ポリオレフィン系樹
脂成形物にあっては、全てのポリオレフィン樹脂が前記
難燃効果剤を添加している樹脂である必要もなく、他の
ポリオレフィン樹脂も使用でき、成形物に含まれる全て
のポリオレフィン樹脂を100質量%としたとき、ポリ
オレフィン樹脂(A)の存在割合が、30質量%以上で
あることが好ましい。事実、目付がほぼ各層同じで、総
目付が75g/m2の3層のポリプロピレンフィルムに
おいて、中層を構成しているポリプロピレン樹脂に前記
難燃効果剤を添加していなくても、両表面のフィルム層
に前記難燃効果剤が添加されていると、十分な難燃効果
を発揮できる。
【0044】また、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂
成形物には、成形物を構成する全てのポリオレフィン樹
脂100質量%に対して、前記難燃効果剤が少なくとも
0.3質量%の割合で含有されているのが好ましく、こ
れ以下の量であると難燃性に問題を生じる場合があり好
ましくない。
【0045】前記ポリオレフィン樹脂(A)以外に用い
られる他のポリオレフィン樹脂(B)としては、炭素数
Cが2≦C≦8であるαオレフィンのホモまたはこれを
主成分とする共重合樹脂、例えば、ポリエチレン、エチ
レン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン共重合体、
ポリブテン−1、ポリメチルペンテンから選ばれる少な
くとも1種、あるいはプロピレン−オクテン共重合体や
メタロセン触媒に起因するポリエチレンのハードエラス
トマーなどの柔軟性樹脂は無論、無水マレイン酸やアク
リル酸のグラフト共重合体を好ましく用いることができ
る。無論、前記他のポリオレフィン樹脂(B)のうち、
ポリエチレンとエチレンが過半の共重合体以外の炭素数
が3≦C≦8であるαオレフィンを主成分とする樹脂に
は、トリアジン骨格と、過半のトリアジン骨格がその近
傍に位置する複数のピペリジン基を有する、分子量が2
000以上のラジカル捕集機能を有する高分子量ヒンダ
ードアミンを耐候性安定剤として0.02質量%以上、
1質量%以下の範囲で添加され、さらに、熱安定剤とし
てリン系酸化防止剤のアリルフォスファイトを0.02
質量%以上、1質量%以下の範囲で添加されて、耐候性
が強化されていることが好ましい。なお、他のポリオレ
フィン樹脂(B)は、前記難燃効果剤を含有しなくと
も、ポリオレフィン樹脂(A)が難燃効果を有している
ので、ポリオレフィン繊維としての難燃性を阻害するこ
とがない。
【0046】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物
は、リサイクル性が要求される用途には、大部分がポリ
オレフィン樹脂で構成されるのが好ましいためポリオレ
フィン系樹脂に限定しているが、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル樹脂やナイロン6などのポリ
アミド樹脂との併用であっても、ポリオレフィン樹脂
(A)の難燃効果には影響がない。
【0047】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物
は、射出成形物やフィルムなどの1成分または2成分以
上の樹脂混合物からなる成形物、2成分以上の樹脂から
なる複合(多層)フィルムや多層成形物であり、同一樹
脂であっても難燃効果剤が添加されたポリオレフィン樹
脂(A)と、難燃効果剤が添加されていないポリオレフ
ィン樹脂の多層品も含まれる。前記ポリオレフィン樹脂
(A)は成形物の必ずしも表面を占めている必要がな
く、成形物に前記した量が存在しさえすれば難燃効果を
発揮し得る。また、前記した様に、成形物は、単位面積
当たりの量を少なく、即ち、薄い形状のものの方が、難
燃効果が高くより好ましい。
【0048】また、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂
成形物は、フィルムやシートなどの平面体、シートの部
材の組合せである家電製品の筐体、パソコンや携帯電話
やゲーム機の射出成形による筐体、自動車の表面内装
材、ビル空調部材や建物の部材、ラミ建設資材、および
玩具や日用雑貨などに用いられる成形物を言い、これら
の厚みは0.01〜5mmが好ましく、0.03〜1m
mが特に好ましいが、用途によるので特に限定はしな
い。
【0049】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物
の好ましい一形態であるメッシュシートは、糸条が、2
次元的に少なくとも縦横方向または斜め方向の2方向
に、整然と配されて伸び、前記糸条が交差して糸条で囲
まれた孔状空隙を持つものであって、平面的な広がりを
持つ網状体であることが好ましい。具体的には、玉葱
袋、コンウェッド社のコンウェッドネット、あるいは発
泡法で成形された三井化学プラテック社のノイネットに
代表される熱可塑性樹脂でなる一体成形された網状物、
複合フィラメント繊維の糸条からなり、その交点が溶融
されて一体化成形された網状物、防虫網や寒冷紗の様に
各糸条をあらかじめ作り、織りまたは編みたてによって
成形され、糸条が交差した交点を熱接着や樹脂接着など
により結合した網状物であって、目付2〜400g/m
2が好ましく、5〜50g/m2のものが難燃効果と自身
の強度と経済性を考慮すると特に好ましい。
【0050】本発明の糸条の太さは、一体成形物、モノ
フィラメント、マルチフィラメント、スプリットヤーン
や紡績糸では直径1mm未満が好ましく、一体成形物や
モノフィラメントでは直径0.5〜0.1mmが特に好
ましい。
【0051】次に、本発明の積層体について具体的に説
明する。
【0052】本発明の積層体は、水流交絡やニードルパ
ンチなどの物理的交絡、熱風接着や熱ロール接着などの
熱接着、バインダーや接着剤での接着などで一体化され
た紙や不織布、スパンボンドやメルトブロー手法で樹脂
より直接不織布化された不織布、紡績糸、マルチフィラ
メント、モノフィラメントやスプリットヤーンなどの織
編物などの繊維集合物の少なくとも片面に、前記難燃性
ポリオレフィン樹脂成形物を積層一体化されて形成され
る。積層一体化の方法としては、樹脂による接着一体
化、繊維集合物及び/又は成形物による溶融一体化、成
形物がメッシュシートである場合であれば、上記以外に
水流交絡による交絡一体化などが挙げられ、積層体を使
用する目的や用途に応じて適宜設定するとよい。特に、
水流交絡による交絡一体化の場合、メッシュシートの小
さくして繊維ウェブとの交絡性を高めるか、メッシュシ
ートの両面に繊維ウェブを配置し、交絡させることで強
固に一体化することができる。
【0053】前記繊維集合物を構成する繊維は、特に限
定されず、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、アクリル樹脂、ビニロン樹脂などを含む
合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、木綿、カポック繊
維、ヤシ殻繊維、羊毛などの獣毛や絹などの天然繊維、
炭素繊維やガラス繊維などの無機繊維などが挙げられ
る。無論、前記難燃効果剤、熱安定剤、および高分子量
ヒンダードアミンを含有するポリオレフィン樹脂(A)
を含む難燃性ポリオレフィン繊維であってもよい。
【0054】前記積層体において、積層体全体を100
質量%としたとき、ポリオレフィン樹脂(A)は、少な
くとも30質量%含有されていることが好ましい。これ
以下の量であると難燃性が不十分となる恐れがある。
【0055】前記繊維集合物として、ポリオレフィン樹
脂を含むメルトブロー手法で作られた不織布は、本発明
の難燃現象と同様に、炎を近付けると孔が開いて一種の
難燃効果を有している。しかし、目付が増えたり、スク
リムなどのメッシュシートやスパンボント不織布で補強
すると難燃効果が著しく低下する。本発明と同じ構成の
ポリプロピレンからなるスパンボンド不織布の上にポリ
プロピレンの補強スクリム(メッシュシート)を配し、
その上からメルトブロー手法でポリオレフィン樹脂を吹
き付けてメルトブロー繊維集合物を融着接着して一体化
させた不織布は、その難燃性が不安定で、特にスパンボ
ンド不織布側から炎を当てると全焼する場合が多かっ
た。そこで、常に難燃性を発揮するためには、少なくと
も補強スクリム(メッシュシート)を難燃化すれば良い
ことが判った。すなわち、前記難燃性ポリオレフィンメ
ッシュシートの一方の面にポリオレフィン樹脂を含むス
パンボンド不織布が積層され、他方の面にポリオレフィ
ン樹脂を含むメルトブロー繊維集合物が積層された積層
体は、難燃効果に優れ、好ましい。さらに、前記メルト
ブロー繊維は、前記難燃性ポリオレフィンメッシュシー
トを介して前記スパンボンド不織布に融着し、一体化さ
れていると、積層体自体の強力にも優れ、プリーツ加工
などの成形性にも優れ、より好ましい。
【0056】前記メルトブロー繊維集合物を構成する繊
維としては、ポリオレフィン樹脂の単独繊維、あるいは
複合繊維が用いられ、特に、ポリプロピレン単独繊維、
またはポリプロピレン/ポリブテン−1複合繊維などの
熱接着繊維で構成し、ノズルと授与体との距離を近付け
融着接着させて全体を一体化することにより、さらに積
層体自体が補強され、好ましい。
【0057】前記メルトブロー繊維集合物は、50℃以
上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以
上の加熱下で、高圧強電界下に暴露してエレクトレット
化すると、エアフィルターとして都合が良い。特に、繊
維表面の過半をポリブテン−1樹脂で被覆され、繊維中
心部にポリプロピレン樹脂が位置している複合繊維であ
ると、熱融着による補強効果に優れるとともに、エレク
トレット加工性に優れ、好ましい。
【0058】図1A−Bを用いて本発明の一実施形態に
おける積層体の構造を説明する。図1Aは断面切り欠き
図、図1Bは断面図である。例えば積層体が前記エアフ
ィルターであれば、メッシュシート1の一方の面にポリ
オレフィン樹脂を含むスパンボンド不織布2を積層した
積層体のメッシュシート1側に、メルトブロー手法でポ
リオレフィン樹脂を吹き付けてメルトブロー繊維集合物
3を積層し、前記メルトブロー繊維が前記スパンボンド
不織布に融着し、一体化してエアフィルター6を形成し
ている。5はメッシュシート1を構成する縦糸と横糸の
交点の固定部である。
【0059】
【実施例】次に本発明の効果を実施例と比較例で具体的
に説明する。なお、本発明の実施の1形態であるフィル
ムや直径0.2mmのモノフイラメントを織ったメッシ
ュシートで主に説明するが、他の形態のポリオレフィン
系樹脂成形物も実施例を参考にすれば同様に作ることが
できる。
【0060】(実施例1〜7、比較例1〜2)本発明の
実施例と比較例のフィルムは、下記の通りの予め各添加
剤を練り込んだマスターバッチを作り、表1記載の条件
に従って、希釈樹脂と共に押出機で混合して分散させて
ストランドとし、押出機と同じ温度もしくはこれを下回
る温度に設定したホットプレスで圧迫してフィルムを作
成した。厚みは圧迫する際、スペーサーを使用して調整
した。前記フィルムをJIS.L1091.A−1法で
難燃効果を測定し、表に記載した。燃焼試験の炭化面積
はcm2、残炎および残塵時間は秒であり、燃焼試験の1
分とは1分加熱、着火後とは、着火3秒後を意味する。 (1)希釈樹脂およびマスターバッチベース樹脂に用い
たポリオレフィン樹脂の安定剤の基本配合 A.高分子量ヒンダードアミン(H剤):チバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社製、「CHIMASSORB
944FD」(商品名)(ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,
6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、分子
量2000〜3100) 添加量:0.1質量% B.熱安定剤(T剤):チバ・スペシャリティ・ケミカ
ルズ社製商品名「イルガホス 168」 添加量:0.2質量% (2)マスターバッチの基本配合(単独と混合で各種作
成した) 実施例などに使用した添加剤は以下の通り。
【0061】A.難燃効果剤(N剤):チバ・スペシャ
リティ・ケミカルズ社製商品名「フレムスタブ CGL
−116」 B.熱安定剤(T剤):チバ・スペシャリティ・ケミカ
ルズ社製商品名「イルガホス 168」 C.高分子量ヒンダードアミン(H剤):チバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社製、「CHIMASSORB
944FD」(商品名) 各表においてPPはポリプロピレン、EPはエチレン含
有量が5質量%であるエチレン−プロピレン共重合体、
PMはポリメチルペンテン、HPEは高密度ポリエチレ
ン、EOはエチレンーオクテン共重合体、EMAはエチ
レン−メチルアクリレート共重合体、PB1はポリブテ
ン−1(炭酸カルシウム5質量%添加)、SEBはJS
R社製水添スチレン−ブタジエン「ダイナロン」(商品
名)を示す。ポリエチレンとエチレン主体の共重合体を
除く、全てのポリオレフィン樹脂に、H剤を0.1質量
%、T剤を0.2質量%添加している。なお、T剤はN
剤との関係で表に示す添加量に調整している。また、M
FRはメルトフローレートを意味し、測定温度が230
℃のASTM−1238(L)による値で、単位はg/
10分、ただし、ポリメチルペンテン(PM)は測定温
度が260℃の値である。温度は℃である。結果を表1
に示す。
【0062】
【表1】
【0063】(実施例7〜14、比較例4)本発明の実
施例と比較例の2層複合フィルムは、表2記載の条件に
従って、それぞれフィルムを作成後、1:1の厚み比率
の組合せのものを選び、これらを重ねて圧迫して所定の
厚みで複合フィルム化してサンプルとし、実施例1と同
様にして評価し、結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】(実施例15〜20、比較例5〜7)本発
明の実施例と比較例の糸条で囲まれた孔状空間を持つメ
ッシュシートは、実施例1と同様に予め添加剤を練り込
んだマスターバッチを希釈樹脂と共に押出機で混合と分
散させながら押出機と同じ温度もしくはその温度前後に
設定した紡糸ノズルから押出して溶融紡糸し、温水中で
冷却しながら所定の速度で引き取って、0.2mmφの
モノフイラメントとし、縦と横方向の間隔を2mmとす
る様にして織り上げ、これを離型紙に挟んで140℃前
後のフラット熱ロールで圧迫接着して、糸条が交差した
交点を結合した多孔性網状物とした。これを実施例1と
同様にして評価し、結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】(実施例21〜22、比較例8)本発明の
実施例と比較例の紡績糸によるメッシュシートは、実施
例1と同様にして、表4の記載の条件に従って、繊維断
面が円の単一および複合繊維を溶融紡糸し、熱延伸し
て、アルキル硫酸エステル塩からなる易水溶性繊維処理
剤を付与しながら、スターファーボックスで捲縮を付与
し、長さ51mmの2dTexのステープル繊維とし、
20sの紡績糸とした。この紡績糸を用いて縦と横方向
の間隔が2mmの粗織物を作り、実施例1と同様にして
難燃性を評価した。結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】(実施例23〜24、比較例9〜10)1
44℃のコンベアー式熱風加工機で熱処理した、目付1
5g/m2の6dTexのポリプロピレン製スパンボン
ド不織布の上に、実施例1、2および比較例1、2のメ
ッシュシートを乗せ、前記メッシュシートの上から平均
繊維径0.3μmのメルトブロー手法で作った、繊維表
面の過半をポリブテン−1樹脂で被覆され、繊維中心部
にポリプロピレン樹脂が位置しているポリプロピレン/
ポリブテン−1複合繊維を吹き付け、目付90g/m2
の複合不織布とした。これを帯電装置を具備した120
℃のコンベアー式熱風加工機でエレクトレット加工し
て、エレクトレット積層体を得た。流速5.3cm/s
で粒子径0.5μmφの粒子を45%以上捕集するエア
フィルターを得ることができた。難燃性は実施例1と同
様にして評価し、結果を表5に示す。
【0070】
【表5】
【0071】
【発明の効果】本発明の難燃性の効果を有するポリオレ
フィン樹脂を用いた難燃性ポリオレフィン樹脂成形物
は、良好な難燃性を示し、かつ火災時にも有害ガスを発
生させず、たとえ焼却によって廃棄処分を行なっても有
毒物質の発生がなく、リサイクルの容易な商品を適切な
組合せを採用すれば容易に作ることができ、難燃化によ
る製品の性能低下もほとんどない特徴を備えたものであ
る。さらに、近年言われている環境ホルモンも含まない
ため環境に優しい難燃性の樹脂成形物として好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】A−Bは本発明の一実施形態におけるエアフィ
ルターの構造を説明する図であり、Aは断面切り欠き
図、Bは断面図である。
【符号の説明】
1 メッシュシート 2,3 繊維集合体 5 縦糸と横糸の交点の固定部 6 積層体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/32 B32B 27/32 E C08J 5/00 CES C08J 5/00 CES C08K 5/3492 C08K 5/3492 5/524 5/524 D03D 9/00 D03D 9/00 15/00 15/00 B (72)発明者 高井 庸輔 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウポリテック株式会社播磨研究所内 Fターム(参考) 4D019 AA01 BA13 BB02 BB03 BB10 BC01 BC11 CB01 CB06 DA01 DA02 DA08 4F071 AA20 AA20X AA21 AA21X AA82 AA84 AA88 AC12 AC15 AE05 AE07 AF47 AH01 AH03 AH12 AH19 BA01 BB04 BB05 BB06 BC01 BC07 4F100 AK03B AK03C AK07A AK09A AK62A AK66A AK73A AL01A AL09A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CA05A CA08A DG00B DG00C DG01A DG01B DG01C DG15B DG15C DG20B DG20C GB56 JJ07B JJ07C YY00A 4J002 AC081 BB111 BB161 BB171 BC051 EJ068 EU186 EW067 FD048 FD067 FD077 FD136 GA00 GC00 GQ00 4L048 AA15 AA27 AA46 AA53 AA56 AB00 AB01 AB07 AB10 AC14 BA06 CA06 DA20 DA40

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成するモノマー成分の平均炭素数Cが
    2.6≦C≦8であるαオレフィンを重合したポリマー
    を含む少なくとも1種のポリオレフィン樹脂(A)と、
    難燃効果剤(a)と熱安定剤(b)と高分子量ヒンダー
    ドアミン(c)を含む難燃性ポリオレフィン樹脂成形物
    であって、 前記難燃効果剤(a)が、トリアジン骨格とその近傍に
    位置する複数のピペリジン基のイミノ基(>N−H)の
    一部または全部がN−アルコキシ・イミノ基(>N−O
    −R)(但し、RO−は炭素数1〜18のアルコキシ
    (alkoxy)基、炭素数5〜12のシクロアルコキシ(cy
    cloalkoxy)基、炭素数7〜25のアルアルコキシ(ara
    lkoxy)基、炭素数6〜12のアリーロキシ(aryloxy)
    基)に置換されているヒンダードアミン誘導体であり、 前記難燃効果剤(a)を0.2質量%を超え、10質量
    %未満の範囲で含有し、 前記熱安定剤(b)がリン系酸化防止剤のアリールフォ
    スファイトであり、 前記高分子量ヒンダードアミン(c)が、トリアジン骨
    格と、過半のトリアジン骨格がその近傍に位置する複数
    のピペリジン基を有する分子量が2000以上であり、
    前記高分子量ヒンダードアミン(c)を0.02質量%
    以上、1質量%以下の範囲で含有していることを特徴と
    する難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。
  2. 【請求項2】 難燃効果剤(a)が、N−アルコキシ・
    イミノ基(>N−O−R)(但し、RO−は炭素数1〜
    18のアルコキシ(alkoxy)基、炭素数5〜12のシク
    ロアルコキシ(cycloalkoxy)基、炭素数7〜25のア
    ルアルコキシ(aralkoxy)基、炭素数6〜12のアリー
    ロキシ(aryloxy)基)に置換されている分子量200
    0以上の高分子量ヒンダードアミン誘導体である請求項
    1に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。
  3. 【請求項3】 難燃効果剤(a)の添加量をa質量%、
    熱安定剤(b)の添加量をb質量%としたとき、それぞ
    れの添加量が下記の式を満たす請求項1または2に記載
    の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。 0.2<a<10 1<a/b<70 かつ0.02≦b
  4. 【請求項4】 成形物を構成する全てのポリオレフィン
    樹脂100質量%に対して、成形物が難燃効果剤(a)
    を少なくとも0.3質量%の割合で含有する請求項1〜
    3のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形
    物。
  5. 【請求項5】 成形物が、ポリオレフィン樹脂(A)を
    少なくとも30質量%含有する請求項1〜4のいずれか
    に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。
  6. 【請求項6】 成形物が、ポリオレフィン樹脂(A)を
    少なくとも30質量%含有し、炭素数Cが2≦C≦8で
    あるαオレフィンを重合したポリマーからなり前記難燃
    効果剤を含む他のポリオレフィン樹脂(B)を多くとも
    70質量%含有する請求項5記載の難燃性ポリオレフィ
    ン樹脂成形物。
  7. 【請求項7】 成形物が、ポリオレフィン樹脂(A)を
    含有する層と、他のポリオレフィン樹脂(B)を含有す
    る層の少なくとも二層で構成されてなる請求項5または
    6に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。
  8. 【請求項8】 他のポリオレフィン樹脂(B)が、炭素
    数Cが3≦C≦8であるαオレフィンを重合させたポリ
    マーからなるポリオレフィン樹脂である請求項6または
    7に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。
  9. 【請求項9】 他のポリオレフィン樹脂(B)が、前記
    高分子量ヒンダードアミンを耐候性安定剤として0.0
    2質量%以上、1質量%以下の範囲で含有し、前記熱安
    定剤を0.02質量%以上、1質量%以下の範囲で含有
    している請求項8記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形
    物。
  10. 【請求項10】 ポリオレフィン樹脂(A)が、ポリプ
    ロピレン、プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ
    メチルペンテン、スチレン−ブタジエン系熱可塑性エラ
    ストマー、およびオクテン−1−エチレン共重合体から
    選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9のいずれか
    に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物成形物。
  11. 【請求項11】 成形物がフィルムである請求項1〜1
    0のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形
    物。
  12. 【請求項12】 成形物が、2次元的に、少なくとも縦
    横または斜め方向の2方向に糸条が整然と配されて伸び
    ており、前記糸条が交差し、糸条で囲まれた孔状空間を
    持つメッシュシートである請求項1〜10のいずれかに
    記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。
  13. 【請求項13】 メッシュシートが、ポリオレフィン樹
    脂(A)を含む樹脂で一体化成形された網状物である請
    求項12記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。
  14. 【請求項14】 メッシュシートが、ポリオレフィン樹
    脂(A)を含む複合フィラメント繊維の糸条からなり、
    その交点が溶融されて一体化成形された網状物である請
    求項12記載の難燃性ポリオレフィン樹脂成形物。
  15. 【請求項15】 メッシュシートが、紡績糸、マルチフ
    ィラメント、モノフィラメント、及びスプリットヤーン
    から選ばれる少なくとも1種の糸条からなり、前記糸条
    が織りまたは編みたてによって成形され、糸条が交差し
    た交点を結合した網状物である請求項12記載の難燃性
    ポリオレフィン樹脂成形物。
  16. 【請求項16】 繊維集合物の少なくとも片面に、請求
    項11〜15のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィン
    樹脂成形物が積層一体化されてなる積層体。
  17. 【請求項17】 繊維集合物が、難燃性ポリオレフィン
    繊維を含む集合物である請求項15または16に記載の
    積層体。
  18. 【請求項18】 繊維集合物が、ポリオレフィン系樹脂
    を含むメルトブロー繊維集合物である請求項16または
    17に記載の積層体。
  19. 【請求項19】 請求項12〜15のいずれかに記載の
    難燃性ポリオレフィン樹脂成形物の一方の面にポリオレ
    フィン樹脂を含むスパンボンド不織布が積層され、他方
    の面にポリオレフィン樹脂を含むメルトブロー繊維集合
    物が積層されており、前記メルトブロー繊維が前記スパ
    ンボンド不織布に融着し、一体化されてなる積層体。
  20. 【請求項20】 メルトブロー繊維集合物が、繊維表面
    の過半をポリブテン−1樹脂で被覆され、繊維中心部に
    ポリプロピレン樹脂が位置している複合繊維を含む集合
    物である請求項18または19に記載の積層体。
  21. 【請求項21】 メルトブロー繊維集合物において、少
    なくともポリブテン−1樹脂がエレクトレット化されて
    いる請求項22記載の積層体。
  22. 【請求項22】 請求項19または21に記載の積層体
    からなる難燃性エアフィルター。
  23. 【請求項23】 繊維集合物が繊維ウェブからなり、請
    求項12〜15のいずれかに記載の難燃性ポリオレフィ
    ン樹脂成形物の少なくとも片面に積層され、水流交絡に
    より交絡一体化されてなる積層体。
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