JP2004301396A - 加湿エレメント - Google Patents

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Takehiko Yasujima
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Abstract

【課題】吸水性に優れた吸水シートかならなる、加湿性能と耐久性に優れた加湿エレメントを提供することを目的とするものである。
【解決手段】光反応性半導体を含有する吸水シートからなる加湿エレメントである。好ましくは、吸着剤を含有する加湿エレメントである。さらに好ましくは▲1▼コルゲートもしくはハニカム、▲2▼プリーツ、▲3▼プレーン積層形状から選ばれた少なくとも一つの構造を構成単位とする加湿エレメントである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加湿エレメントに関する。さらに詳しくは、光反応性半導体を含有する部材からなる吸水性、蒸散性、耐久性等に優れた加湿エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般家庭においても、乾燥した室内の相対湿度を上げるために、水道水を蒸発させることにより室内を加湿する加湿器が利用されている。加湿器には、超音波により水を霧状にして放出する超音波方式のものと、水を加熱して沸騰蒸発させる加熱方式のものと、吸水性を有する加湿エレメントに水を含ませ、送風し気化させる気化方式(自然蒸発式)のものに大別される。
【0003】
超音波方式や加熱方式のものは装置が比較的小型で多量の加湿量が得られる。しかしながら、超音波方式では水中のカルシウム、マグネシウム等の不純物が水と一緒に空気中に放出されるために衛生面で問題を有している。また、加熱方式は消費電力が大きいために電気代が高くなる等の問題を有している。一方、気化方式の加湿器は、不純物が空中に放出されることもなく、ランニングコストが少ない等の利点を有する。気化式の加湿エレメントには、商品設計が容易な点から、吸水性あるいは親水性を有する不織布、特殊紙を加工したものが広く利用されている。
【0004】
不織布からの水蒸散性を利用した加湿器用媒体、エレメントとしては、厚手の不織布・シートト(例えば特許文献1参照)を所望の形状に打ち抜いて使用するもの、あるいは薄手の不織布(例えば特許文献2参照)をコルゲートあるいはプリーツ加工行い、エレメント形状に成形したものが用いられている。また、薄手の不織布に開孔を設け、通気性、比表面積を増やし、加湿効率を上げた商品がある。これらの商品には、親水処理、抗菌・防かび処理を行い耐久性を付与する試みがなされている。
【0005】
通常、加湿エレメントを用いる加湿器あるいは加湿機能を有する機器においては、初期の加湿性能は優れているが、繰り返しの使用によりエレメント自体の吸水性が劣化すること及び、水中の金属イオン、不純物等が不織布に沈着し、不織布の多孔性が失われ、風量の低下が原因で、性能が低下する問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−283129号公報
【特許文献2】
特開平08−159526公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、吸水性に優れた吸水シートかならなる、加湿性能と耐久性に優れた加湿エレメントを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した。その結果、光反応性半導体を含有する特定の吸水シートを用いて得られる加湿エレメントが、加湿性能に優れ、洗浄と紫外線光による処理により抗菌防黴性を発揮するだけでなく、繰り返しの吸水・放湿を経ても、加湿性能の劣化が少なく、耐久性を有するという予想外の効果を見い出した。本発明はこれらの知見をもとに達成されたものである。
【0009】
即ち、本発明は、光反応性半導体を含有する吸水シートからなる加湿エレメントである。好ましくは、吸着剤を含有する加湿エレメントである。さらに好ましくは▲1▼コルゲートもしくはハニカム、▲2▼プリーツ、▲3▼プレーン積層形状から選ばれた少なくとも一つの構造を構成単位とする加湿エレメントである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明で使用する光反応性半導体について具体的に説明する。光反応性半導体とは、光が照射されることで触媒作用により有害物質を分解除去する性能を有するものである。本発明の加湿フィルターにおいては、光反応性半導体の分解除去に係わる性能だけでなく、その親水性能により加湿フィルターを構成する吸水シートの吸水性に寄与するものである。
【0011】
光反応性半導体とは、“光触媒”と呼ばれ、0.5〜5eV、好ましくは1〜3eVの禁止帯幅を有する光触媒反応を生ずる半導体である。光反応性半導体で生成した正孔、OHラジカルなどにより有害物質が分解される。光反応性半導体の形状としては、自身の吸水性、親水性を発現させるため比表面積が10〜500m/gのものが好ましい。また、吸水シート内で、毛細管現象による吸い上げ効果を発現させるためには、粒子状のものが好ましく、粒子径を適宜選択して用いることできる。このような比表面積を持つ光反応性半導体の粒径は30nm以下が好ましく、さらに好ましくは10nm以下である。粒子の状態は一次粒子の状態でもよいし、凝集した粒子状態となっていても有害物質の除去性能には影響はない。
【0012】
このような光反応性半導体としては、特開平2−273514号公報に開示されているものを挙げることでき、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好ましい。これらの中でも、酸化チタンは、構造安定性、光反応性半導体としての能力、吸水性を付与、あるいは維持できること、取り扱い上の安全性などを考慮した場合、特に好ましい材料である。
【0013】
酸化チタンとしては、従来汎用の酸化チタンの他、含水酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸、水酸化チタンと呼称されているチタン酸化物または水酸化物を全て包含する。酸化チタンの製造方法としては、硫酸チタニル、塩化チタン、有機チタン化合物などを必要に応じて核形成用種子の共存下で加水分解する方法(加水分解法)、必要に応じて核形成用種子を共存させながら、硫酸チタニル、塩化チタン、有機チタン化合物などにアルカリ剤を添加して中和する方法(中和法)、加水分解および中和法で得られた酸化チタンを焼成する方法(焼成法)などが挙げられ、何れの製法によって得られた酸化チタンでも用いることができる。
【0014】
長時間使用した加湿エレメントはカビや水垢、水道水中のカルシウム等により汚染され加湿性能が劣化する。このような加湿エレメントは清浄水、洗剤、あるいはクエン酸により洗浄し、再度使用されるが、このような洗浄方法では、吸水シートに付着するカビや水垢、カルシウムを完全に除去することは困難で、加湿性能を取り戻すことは難しい状況である。従って、加湿性能が維持するためには、頻繁に加湿エレメントの洗浄を行わねばならず、使用者の負担となっていた。
【0015】
光反応性半導体を用い、洗浄後、太陽光、冷陰極間、蛍光灯等に含まれる紫外光を照射することで、先に述べた洗浄方法だけでは除去が難しいカビや水垢を、分解・除去することが出来るものである。また、加湿エレメントとして使用中も、紫外光を照射することで、継続使用期間を延長することができる。さらには、使用中は紫外光が取り入れにくい状況において使用され、カルシウム等の水道水由来の物質が沈着しても、加湿エレメントの加湿性能の劣化が少ないという予想外の効果が見い出されるに至った。
【0016】
酸化チタンなどに代表される光反応性半導体は、セラミックへの混練、ガラス表面への塗工等で開示されているように、抗菌効果以外に、親水性により防汚、防曇効果が確認されている。加湿フィルターとして利用される場合、吸水シート内にはカルシウムやマグネシウム等の水道水由来の金属塩などが堆積されるが、吸水シート表面に密着して被覆されるに至らず、吸水性が維持され、加湿性能の劣化も少ないのであろうと予想される。
【0017】
次に、本発明に係わる吸着剤について、以下に具体的に説明する。従来、特開平10−212685号公報に開示されている様に、吸着剤と光反応性半導体と共に用いるものは、吸着剤を併用することによって、光反応性半導体の効果を高めるために、悪臭や有害化学物質などの有害物質の吸着・分解に係わる効果の即効性や容量を高めること、一時的に暗所になるような使用環境、紫外線量の少ない使用環境においても吸着剤の吸着作用によって高度の有害物質除去性能を維持することを目的とされている。
【0018】
本発明においては、吸着剤と光反応性半導体を混合し、凝集化させることによって、吸着剤が光反応性半導体を担持するホスト基材として作用し、不織布基材と光反応性半導体との接触部分を減少させ、光反応性半導体の光触媒作用に起因した吸水シートの劣化すなわち繊維の劣化による光反応性半導体の脱落や変色を抑制することも可能となる。
さらには、微細繊維等により凝集一体化させることで、凝集が適切な大きさとなって不織布基材の空隙に収まりやすくなり、表面張力による吸水性向上に寄与するものと思われる。また、微細繊維と不織布基材を構成する繊維との絡みにより、吸水シートから光反応性半導体や吸着剤の脱落が極めて少なくなるという効果も得られることが判明した。
【0019】
本発明に係わる吸着剤は、光反応性半導体と凝集体を造りやすいものが好ましく、多孔質性のものなど親水性の物を用いることで、吸水シートの吸水性を維持することも可能となる。この様な吸着剤としては、物理吸着作用を有するものとして、活性炭、活性白土、ゼオライト、セピオライト、シリカゲル、セラミック、活性アルミナ、複合フィロケイ酸塩など、化学吸着作用を有するものとして、イオン交換樹脂、酸化鉄などの鉄系化合物、有機酸など、物理化学吸着作用を有するものとして、添着活性炭、添着ゼオライト、天然無機物などが挙げられる。これら従来汎用の吸着剤を各々単独で、あるいは複数混合して用いることが可能である。この様な吸着剤の粒子系としては光反応性半導体と同程度が好ましく、30nm以下が好ましく、さらに好ましくは10nm以下である。
【0020】
本発明の加湿フィルターに用いる吸水性に優れた吸水シートの構成について説明を行う。吸水シートを水が伝わる単位時間当たりの速度をいう。吸水シートとしては、シート内に空隙を有する、多孔質性のシートが好ましく、具体的には、ウレタン等のフォーム形状、編織布、不織布等が挙げられる。
シート設計、複合化、高機能化、後加工が容易であることから不織布は最も好ましいシートの一つである。不織布の製法については特に制限はなく、スパンボンド法、メルトブロー法、乾式法、湿式法等で得られたウェブに、レジンボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、ステッチボンド等の結合法により選ばれた方法により得ることが出来る。必要に応じて、これらの複数の方法を組み合わせることができる。
【0021】
本発明で使用する不織布を構成する繊維としては、親水性を阻害しないものであれば特に制限はない。具体的にはポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ナイロン系繊維などの汎用有機繊維、芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維などのエンプラ繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維等の無機繊維、木材パルプ、コットン繊維、麻繊維等のセルロース系繊維、絹繊維、羊毛繊維等のタンパク質繊維等が例示される。
【0022】
使用する繊維の繊維径は3〜15μmの範囲が好ましい。3μmより小さい場合は、シートが高密度となり吸水性が阻害されるので好ましくない。15μmを越えると繊維間が広くなり、繊維間の表面張力を十分に利用できないため、吸水性が低下し好ましくない。
【0023】
本発明においてはこの様な繊維を、不織布中で30〜80質量%使用することが、吸水性を維持する上で好ましい。30質量%より少ないの場合は、繊維間隔が広くなり好ましくない。80質量%より多い場合はシートが高密度となり好ましくない。
【0024】
本発明で必要に応じて、抗菌防黴剤を使用することができる。抗菌防黴剤とは、細菌類に対して有効な抗菌作用と黴類に対して有効な防黴作用を併せ持ち、好ましくは抗ウイルス性を有する薬剤であり、例えば細菌類の繁殖を抑制または死滅させ、且つ黴類の繁殖または発芽を抑制するなどの効果を発現するものである。具体的には、ベンズイミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、有機ヒ素系、有機銅系、有機ヨード系、有機銀系などの抗菌防黴剤が挙げられる。
【0025】
本発明で用いる吸水性シートに光反応性半導体、吸着剤を担持させる方法としては、上記の吸水シートにバインダーを利用して塗工および含浸するなどの方法によって担持させる方法、および基材の原料となる樹脂や金属などに練り混みなどの手段によって担持する方法、湿式抄紙法により原料繊維をシート化する過程で内添担持させる方法が挙げられる。
【0026】
光反応性半導体の表面積を被覆しにくい点、シートが均一で目付けむらが少ないことから吸水性むらが少なく、また加工性が善くなることが予想され、加湿フィルターの品質が向上することから湿式抄紙法は最も好ましい方法の一つである。
【0027】
湿式抄紙法には、ワイヤーパートから円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機及び複数のワイヤーパートを組み合わせたコンビネーション抄紙機等を用いることができる。湿式抄紙においては、例えば基材の主成分である繊維を予め水性液に分散させ、必要に応じて叩解等の処理を施した後に、光反応性半導体、吸着剤及び所望により凝集剤等と混合し、湿式抄紙することが好ましい。
【0028】
基材に定着させる定着剤は、水系、溶剤系などの液状のもの、粉体状のもの、繊維状のものが挙げられる。なかでも、比表面積の大きな微細繊維状物を用いて、光反応性半導体の凝集体、あるいは必要に応じて吸着剤との凝集体を作り、吸水シート基材に定着させる方法が、均一性、工程が少ない等の面からも好ましい方法である。定着剤としての微細繊維状物とは、重叩解した木材パルプ、爆砕パルプ、バイオセルロースあるいは麻、シルク等の天然繊維、芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリベンザゾール等の剛直性有機合成繊維にこれらの処理を施したものが例示される。
【0029】
本発明の吸水シートの坪量は、30〜300g/cmの範囲が好ましい。300g/cmを超えると、保水性は大きくが、シートが厚くなり過ぎて、コルゲート、プリーツ等のエレメントへの加工が困難となり好ましくない。
30g/mより小さいと厚みが薄くなり、保水量が小さくなるばかりか、剛度が小さくなるので、プリーツやコルゲートの加工が難しいための好ましくない。また、エレメントの強度も小さいものとなり好ましくない。
【0030】
本発明の吸水シートにおいて、加湿性能に及ぼす吸水の指標として、バイレック吸水法により測定した吸水速度が120cm/10分以上であることが好ましい。120cm/10分以上であると、加湿のより蒸発する水に対して、吸水による水の供給が十分に行き届く。経時的にも加湿フィルターとしての吸水性能の劣化が押さえることが可能となる。
【0031】
この様にして得られた吸水シートをコルゲートもしくはハニカム、プリーツおよびプレーン形状から選ばれた少なくとも一つの構造を構成単位として加湿器用フィルターとすることが出来る。
【0032】
コルゲートもしくはハニカム形状の場合について、コルゲート形状を代表に説明する。コルゲート形状の構造体は、JIS Z 1516記載の「外装用段ボール」に準拠して作製される。例えば、プレーン形状のライナー上に、波状のフルート中しんを接合した片段ボールを順次接着剤で積層させて、任意の寸法にトリミングして、コルゲートブロックを作製する。このコルゲートブロックのライナー面に対して、垂直あるいは一定の角度で斜めに切断してコルゲート状加湿フィルターとすることができ、水を吸い上げた状態にて、この面に空気を当て、加湿フィルター内部を通風させることによって、加湿した空気を外部に提供することができる。
フルート中しんの山の間隔は1〜10mm、山の高さは1〜10mmの範囲で所望する加湿量・通気量により、任意に選択することができる。
【0033】
ハニカム形状の構造体についてもコルゲート同様に、吸水シートと垂直あるいは一定の角度で通風させること加湿することができる。
【0034】
プリーツ形状の構造体は、プリーツ加工機によっていわゆるヒダ折り加工することにより製造することが出来る。山の高さは10〜100mmの範囲で、ピッチは1〜10mmの範囲で所望する加湿量・通気量により、任意に選択することができる。通風の方向は吸水シートを通気させる方向であり、吸水シートの通気度が低い場合は、開孔を設けて通気度を上げることが好ましい。
【0035】
プレーン形状の構造体は、所望の形状に加工した後、一定のピッチで概平行になるように並べて、その間隔を通風させることにより加湿する。やはり、そのピッチは1〜10mmの範囲で所望する加湿量・通気量により、任意に選択することができる。必要に応じて、吸水シートに開孔を設けること、通風方向に対して一定の角度をつけることも好ましい方法である。
【0036】
以上に述べた構造体は、単独あるいは複数を組み合わせて用いることが可能である。構造体の形状を枠により、維持補強することも可能である。枠の材質は吸水性シートと同材質のシート、あるいは加湿器用エレメントの材質を極端に阻害しないものであれば問題はない。
【0037】
本発明の加湿エレメントは、コルゲート、ハニカム構造体は、耐水性のある接着剤、ホットメルト樹脂などを用い製造する。先に述べた枠による補強においても、同様の接着剤を用いることが出来る。
【0038】
本発明の加湿エレメントは、吸水性、耐久性に優れ、加湿器用吸水材、水蒸散板だけでなく、結露吸水材、調湿板、濾過材などの広範な分野で活用することができる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」および「%」は、各々「質量部」および「質量%」であることを意味する。なお、実施例および比較例においては、以下の方法を用いて評価を行った。
【0040】
<吸水速度>
吸水シートを、幅20mm、長さ250mmに裁断した後、試験片の一端10mmを20℃の純水に浸漬し、10分間に水が試験片中を水面より上昇した距離(mm)を求めた。吸水性の指標とした。
【0041】
<加湿量>
新品の加湿エレメントを、国産の500g/時間クラスのハイブリッドタイプの加湿器に装着し、20℃、30%RHの条件にて、ハイブリッドモードでの連続運転を行い、加湿器運転開始後1時間後から7時間後までの6時間に、水が減った重量を測定し、時間当たりの加湿量とした。なお用水は、東京都葛飾区の三菱製紙株式会社、総合研究所、商品開発センター内の水道水を用いた。
【0042】
<耐久性>
タンク容量は4リットルである。同じ加湿器に加湿エレメントを装着し、加湿器が空になるまでの連続運転を行い、再度用水を加え連続加湿運転を行う作業を繰り返した。この間エレメントの洗浄は行わず、それぞれの回数ごとの時間当たりの加湿量を測定し、加湿量の経時変化を測定した。カタログ値の半分(250g/時間)まで低下した場合を寿命とし、その回数を記載した。また、そのときの加湿エレメントの外観状態を付記した。
【0043】
<再生加湿量、再生耐久性>
耐久性の調査試験によって、加湿性能が低下した加湿エレメントを市販のポット洗浄剤(クエン酸)にて一昼夜漬け置きしたのち、流水で洗浄し、吸水シートに沈着した物質を除去した。一旦天日にて乾燥させた後、上記の加湿量ならびに耐久性の調査を行った。
【0044】
実施例1
吸水シート質量に対して、ポリエステル繊維(帝人社製、テピルス、繊度0.6デシテックス、繊維長5mm)27質量%、針葉樹晒クラフトパルプ(カナダ標準濾水度=650mL)20質量%、熱溶融性ポリエステル繊維(ユニチカ社製、メルティ4080、繊度2.2デシテックス、繊維長5mm)30質量%を水とともにパルパー内にて攪拌し、繊維分散液を調製した。
光反応性半導体として、酸化チタン粉末(日本アエロジル社製、P25S6)20質量%、微細セルロース(ダイセル化学工業社製、セリッシュKY−100S)2質量%を水中に添加混合した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(水澤化学工業社製、PAC)1質量%を添加し、凝集体分散液を調製した。
スラリーと水性分散液を混合し、緩やかに攪拌し、均一に混合したことを確認した後、傾斜短網抄紙機を用いて、坪量100g/mの吸水シートを作製した。
【0045】
該吸水シートを中しんおよびライナーに用いて、JIS Z 1516「外装用段ボール」に準拠して、ピッチ6.5mm、高さ3mmで片面段ボールを形成し、該片面段ボールを積層接着してコルゲート構造体とした。これを100mm幅×165mm高さ×50mm厚にトリミングし、加湿エレメントとした。
【0046】
実施例2
光反応性半導体として、酸化チタン粉末10質量%、吸着剤として複合フィロケイ酸塩(水澤化学工業社製、ミズカナイトAP)10質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で吸水シートを作製し、加湿エレメントとした。
【0047】
実施例3
実施例1で得られた吸水シートに、多列の開孔を設けた。開孔はφ2mm、単列における開孔の間隔を10mm、列同士の間隔10mm、開孔の配列が千鳥状になるように施した。該吸水シートを山高さ50mmにプリーツ加工施し、90mm巾にスリットして、山のピッチ5mm(35山)にて、吸水シートの枠を設けて、プリーツ構造体を製造し、加湿エレメントとした。なお、プリーツ構造体において、山同士が接触するのを防止するため、山の折り目と直交方向に、太さ2mmの糸状のホットメルトを2.54cm間隔で吸水シート表面に塗布(ビート加工)した。
【0048】
実施例4
実施例1の吸水シートを200g/mとした。50mm×90mm角の短冊をつくり、これを4mm間隔で60枚並べた。短冊の50mmの部分を枠にて固定し、加湿エレメントととした。
【0049】
比較例1
光反応性半導体吸水シートの配合を、吸水シート質量に対して、ポリエステル繊維40質量%、熱溶融性繊維30質量%、木材パルプ30質量%とする以外は実施例1と同様の方法にて加湿エレメントとした。
【0050】
比較例2
本実施例の評価で用いた加湿器の純正加湿エレメントを使用した。吸水速度は加湿エレメントを分解して測定した。
【0051】
以上、実施例1〜4、比較例1〜2の結果を表1、表2に記す。
【0052】
【表1】
Figure 2004301396
【0053】
【表2】
Figure 2004301396
【0054】
<結果評価>
実施例1〜4の加湿エレメントは加湿性能、耐久性、再生性能とも優れていることが確認された。特に、光反応性半導体と吸着剤を併用したものは、耐久性、再生性能に優れていることが確認された。
【0055】
使用後、再生処理により初回の加湿量は、比較例1を除きいずれも良好であるが、一旦劣化したものは、実施例を除いて、加湿量の劣化は極めて早いものとなる。また、加湿フィルターからの臭いは、実施例1〜4は殆どに追わないレベルであったが、比較例1は臭いがとれなかった。
【0056】
【発明の効果】
光反応性半導体を含有する特定の吸水シートを用いて得られる加湿エレメントは、加湿性能に優れ、繰り返しの吸水・放湿を経ても、加湿性能の劣化が少なく、耐久性を有することが確認された。

Claims (3)

  1. 光応性半導体を含有する吸水シートからなる加湿エレメント。
  2. 吸着剤を含有する請求項1記載の加湿エレメント。
  3. ▲1▼コルゲートもしくはハニカム、▲2▼プリーツ、及び▲3▼プレーン積層形状から選ばれた少なくとも一つの構造を構成単位とする請求項1〜2の少なくとも1項記載の加湿エレメント。
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