JP4696567B2 - 吸放湿性フィルタおよび加湿装置 - Google Patents

吸放湿性フィルタおよび加湿装置 Download PDF

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Description

本発明は、吸放湿性フィルタとそれを利用する加湿装置に関する。
従来の加湿装置の一例を図6に示す。すなわち加湿装置601において、不織布で構成される吸放湿性フィルタ602がその下方の一部を水槽603の水604に浸らせた状態で配置され、吸放湿性フィルタ602が毛細管現象によって水槽603の水604を吸い上げ、送風手段605によって加湿装置601に矢印の示す方向に沿って導入された乾燥空気が、吸放湿性フィルタ602の水に浸っていない部分を通過する。そのとき吸放湿性フィルタ602の吸い上げた水が気化して空気は高湿度となり、その高湿度な空気を室内へ供給するという方式が一般に知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平11-166413号公報
この方式は、水を吸い上げた吸放湿性フィルタがそれを通過する乾燥空気を加湿させながら吸放湿性フィルタ自身が乾燥し、毛細管現象によって水槽の水に浸っていた吸放湿性フィルタの下方部分から水に接触していない他の部分全域に水分を浸透させながら常時フィルタを湿った状態に保つものである。
このような吸放湿性フィルタは、水道水に含まれる珪素やカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分がフィルタ上に析出して毛細管現象による水の吸い上げを妨げるため、長期間の使用により吸放湿性能が低下してしまうという課題があった。
本発明は上記課題を解決するため、吸放湿性フィルタ上に析出物が生じても加湿能力を維持でき、長期間にわたって手入れが不要な吸放湿性フィルタおよび加湿装置を提供することを目的としている。
本発明の吸放湿性フィルタは、上記目的を達成するために請求項1記載の通り、空気が通過できる空隙を有する基材に、粒子径2μm〜55μmの無機材料を担持して、基材表面を凹凸にし、この表面に水分を付着させることを特徴としたものである。
また、請求項2記載の吸放湿性フィルタは、請求項1記載の吸放湿性フィルタにおいて、無機材料自体が含水性でないことを特徴としたものである。
また、請求項3記載の吸放湿性フィルタは、請求項1または2記載の吸放湿性フィルタにおいて、無機材料が板状構造であることを特徴としたものである。
また、請求項4記載の吸放湿性フィルタは、請求項1乃至3いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、無機材料がタルク、カオリン、セピオライトのいずれか一つ以上を含むことを特徴としたものである。
また、請求項5記載の吸放湿性フィルタは、請求項1乃至4いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、無機材料をシリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、シリケート化合物あるいはチタネート化合物の中から選ばれる少なくとも一種類以上を含むバインダーで基材に固定化したことを特徴としたものである。
また、請求項6記載の吸放湿性フィルタは、請求項1乃至5いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、空気が通過できる空隙を有する基材が、発泡形状であることを特徴としたものである。
また、請求項7記載の吸放湿性フィルタは、請求項6記載の吸放湿性フィルタにおいて、発泡形状基材の発泡密度が17セル/25mm以下で、前記発泡体基材の厚さが5〜30mmであることを特徴としたものである。
また、請求項8記載の吸放湿性フィルタは、請求項1乃至5いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、空気が通過できる空隙を有する基材が、ハニカム形状であることを特徴としたものである。
また、請求項9記載の吸放湿性フィルタは、請求項6乃至8いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、風速1m/secでの圧力損失が10Pa以下である基材を用いることを特徴としたものである。
また、請求項10記載の吸放湿性フィルタは、請求項1乃至9いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、脱臭触媒を担持したことを特徴としたものである。
また、請求項11記載の吸放湿性フィルタは、請求項1乃至10いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、防カビ剤を担持したことを特徴としたものである。
また、請求項12記載の吸放湿性フィルタは、請求項1乃至11いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、抗菌剤を担持したことを特徴としたものである。
また、請求項13記載の吸放湿性フィルタは、請求項1乃至12いずれかに記載の吸放湿性フィルタにおいて、光触媒を担持したことを特徴としたものである。
また、請求項14記載の加湿装置は、請求項1乃至13いずれかに記載の吸放湿性フィルタと送風手段と水供給手段とを備えたことを特徴としたものである。
また、請求項15記載の加湿装置は、請求項1乃至13いずれかに記載の吸放湿性フィルタと送風手段と水供給手段と空気加熱手段を備えたことを特徴としたものである。
また、請求項16記載の加湿装置は、請求項14または15記載の加湿装置において、水供給手段から供給される水を吸放湿性フィルタに散水するノズルを設けたことを特徴としたものである。
また、請求項17記載の加湿装置は、請求項14乃至16いずれかに記載の加湿装置において、円筒形の吸放湿性フィルタが回転運動することを特徴としたものである。
また、請求項18記載の加湿装置は、請求項17記載の加湿装置において、円筒形の吸放湿性フィルタが一部を水中に浸漬しながら回転運動することを特徴としたものである。
また、請求項19記載の加湿装置は、請求項18記載の加湿装置において、光触媒を担持した吸放湿性フィルタと光触媒励起手段を備えたことを特徴としたものである。
本発明によれば、空気が通過できる空隙を有する基材に粒子径2μm〜55μmの無機材料を担持して表面を凹凸にし、この表面に水分を付着させることにより、表面での吸放湿性に優れ、かつ毛細管現象による水の吸い上げを利用しないために、ミネラル分の付着による加湿能力の低下が少ない吸放湿性フィルタを提供することができる。同時に、長期間にわたって吸放湿性フィルタおよび加湿装置の手入れを不要にできる。
本発明の吸放湿性フィルタは、空気が通過できる空隙を有する基材に、粒子径2μm〜55μmの無機材料を担持して、基材表面を凹凸にし、この表面に水分を付着させることを特徴とする。図1に示すように、基材が発泡形状である吸放湿性フィルタ11は、空気が通過できる空隙12を有する基材13の表面14に、無機材料15が担持されて作られる凹凸16を有し、水を与えた場合、その空隙12と凹凸16への物理的作用による水膜の形成によって、吸放湿性フィルタ11は水を保持することができる。また、基材がハニカム形状であれば、図2に示すように、吸放湿性フィルタ21は、空気が通過できる空隙22を有する基材23の表面に、無機材料24が担持されて作られる凹凸25を有する。保水した吸放湿性フィルタ21に乾燥した空気を吹き込めば、水蒸気が揮発して乾燥空気が加湿される。このとき基材表面が凹凸であれば、平坦な場合に比べて多くの水が膜となり保持され、通風による気化量が増えると考えられる。粒子径が2μm未満の場合、基材表面の状態はより平坦に近づき保水量が減るため加湿量が減る。また、粒子径55μmより大きい場合、表面の凹凸が大きくなりすぎ、水膜を形成しにくくなるため加湿量が減る。よって、粒子径は2μm〜55μmが望ましい。
無機材料として、含水性でないもの、すなわち細孔の少ない材料を担持すれば、空気中や水中の臭い成分を吸着することがない。たとえば、タルクの含水率は約1%であり、細孔がほとんどない。細孔の多いゼオライトを担持した吸放湿性フィルタであれば、温度40℃、アンモニア濃度10ppmの空間に放置すると、30分後には約80%のアンモニアがフィルタに吸着され、60分後には約100%がフィルタに吸着される。しかし、細孔の少ないタルクを担持した吸放湿性フィルタでは、同条件で60分経過してもアンモニアの吸着量はほぼゼロである。よって、吸放湿性フィルタに、細孔の少ない無機材料を担持すれば、フィルタに通風した際に臭い成分を放出する心配がない、という効果を得ることができる。また、水が付着した際に、粒子の内部まで水が浸透することがなく、表面に付着した水分であれば通風により容易に乾燥させることができるので、カビや雑菌の繁殖を防ぐことができ、衛生面でのメリットがある。
無機材料として、板状構造の材料を基材に担持すれば、粒子は基材表面で三次元的に重なりあい、フィルタ表面の凹凸すなわち保水しうる空間をより大きくすることができる。
板状構造の材料としては、タルク、カオリン、セピオライトなどの鉱物が挙げられ、それらの材料は基材表面に立体的な空隙を作り出すため、より多くの保水量が期待できる。さらに、無機材料を予め焼成しておけば、材料自身の表面が荒れ微細な凹凸ができるので、より保水性を向上させることができる。
無機材料を、空気が通過できる空隙を有する基材に担持するための方法として、バインダーを用いることが考えられる。バインダーは、基材表面の凹凸を埋めることなく無機材料を担持することができ、かつ長期間にわたって乾燥・湿潤を繰り返しても無機材料を剥離させないものが求められる。この要求を満たすバインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、シリケート化合物あるいはチタネート化合物の加水分解物などが挙げられ、シリケート化合物の加水分分解物が好適である。
シリケート化合物としては、テトラエトキシシランおよびその重合体であるメトキシポリシロキサン、エトキシポリシロキサン、ブトキシポリシロキサン、リチウムシリケートなどが挙げられ、チタネート化合物としては、テトラプロポキシチタンおよびその重合体などが挙げられる。これらの金属アルコキシド類は、水と酸または塩基によって加水分解され、バインダーとして用いることができる。
空気が通過できる空隙を有する基材は、発泡形状であれば、より多量の水分を保持させて効率よく空気を加湿することが期待できる。その材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ウレタン等の有機樹脂や発泡金属等が挙げられる。これらの中でも発泡ウレタン樹脂は、内部に多くの空隙を有しているため通気性能に優れている上、安価で柔軟性があり加工が容易である。発泡体基材で構成される吸放湿性フィルタの場合、送風手段の送風能力が1m3/min程度ならば発泡密度が17セル/25mm以下のものが適する。また、発泡体の厚さによって空気が通過する際の圧力損失が変化し、通気性の向上によって水の気化効率が高まるため、最適な厚さがあり、発泡体の厚さが5〜30mmであれば吸放湿性フィルタの強度と気化効率のバランスが適度に得られてよい。
空気が通過できる空隙を有する基材は、ハニカム形状であれば、より通気性能に優れるため、効率よく空気を加湿することが期待できる。その材質としては、セラミックスや金属等が挙げられる。セラミックスは高温高湿度下における耐久性に優れ、長期間品質を維持するのに好適である。また、強度面で優れた金属素材には、無機材料を添着させることにより、ハニカムの強度を向上させることができる。たとえば、タルクを、シリケート化合物をバインダーとして鉄板に担持した場合、タルクは鉄板表面とハニカムの接合部分を覆うようにしっかりと固着するため、より強度を持ち、耐久性にも優れた吸放湿性フィルタを得ることができる。
吸放湿性フィルタは、基材の圧力損失が風速1m/secのとき10Pa以下であれば、通気性と保水性のバランスが適度に得られて良い。
本発明の吸放湿性フィルタに脱臭触媒を担持することにより、フィルタを通過する空気の脱臭が可能となる。脱臭触媒としてはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一つ以上の金属を含む化合物がよく、さらにPt、Ru、Pd、Rdから選ばれる少なくとも一つ以上の貴金属を含むものはなお効果的である。
本発明の吸放湿性フィルタは抗菌剤および/または防カビ剤を含んでいても良い。吸放湿性フィルタを通過する空気中に含まれる雑菌やカビの胞子は、吸放湿性フィルタの表面に堆積し繁殖する恐れがある。抗菌剤および/または防カビ剤を含んでいれば、フィルタ表面には、水分により抗菌剤および/または防カビ剤が溶出した状態になっていると考えられるので、雑菌やカビ胞子は付着と同時に不活化され、フィルタ上での繁殖を防ぐことができる。
上記抗菌剤としては、銀・銅・亜鉛などの金属イオンを溶出する無機化合物、銀・銅・亜鉛の金属微粒子、銀ゼオライト、銀含有リン酸ジルコニウム、ヨウ素化合物類、フェノール類、第4級アンモニウム塩類、イミダゾール化合物類、安息香酸類、過酸化水素、クレゾール、クロルヘキシジン、イルガサン、アルデヒド類、ソルビン酸等の薬剤やリゾチーム・セルラーゼ・プロテアーゼなどの酵素製剤、カテキン類、竹抽出物、ヒノキ抽出物、わさび抽出物、からし抽出物などの天然成分抽出物などが挙げられる。
上記防カビ剤としては、有機窒素化合物、硫黄系化合物、有機酸エステル類、有機ヨウ素系イミダゾール化合物、ベンザゾール化合物などが挙げられる。
本発明の吸放湿性フィルタは光触媒を含んでいても良い。吸放湿性フィルタに光触媒を担持し、太陽光、紫外線ランプ、蛍光灯など光触媒を活性化することができる光を照射することによって、吸放湿性フィルタに付着した雑菌や悪臭成分を分解することができる。
光触媒としては、酸化スズ、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化ビスマスなどの金属酸化物、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化モリブデンなどの金属硫化物、チタンナイトライドなどの窒化物が挙げられ、安全性、経済性などの面から、酸化チタンが好ましい。
酸化チタンとしては、二酸化チタンのほか、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタン、酸素欠損型酸化チタンなどが挙げられる。光触媒活性を有していれば結晶形については特に制限はなく、無定形、アナータス形、ルチル形、ブルカイト形のいずれでもよい。ルチル型とアナターゼ型酸化チタンの組み合せなど、結晶形の違う成分を複合してもなんら問題はない。
請求項14に記載の加湿装置は、吸放湿性フィルタと送風手段と水供給手段を備えたことを特徴とするものである。吸放湿性フィルタを水供給手段で強制的に湿らせた状態に保つことにより、そこを通過する空気に水分を与え、高湿度の空気を室内に供給することができる。ここで、温度の高い空気ほどたくさんの水分を保持することができるという性質を利用して、通過する空気を加熱手段で加熱して温風にすることにより、より多量の水分を含む空気を室内に供給することができる。送風手段としてはファン、ポンプなどが利用できる。空気加熱手段としては、ヒータ、高温の空気・ガス・水を利用した熱交換器、バーナーなどが利用できる。水供給手段が吸放湿性フィルタ全域に水を行き渡らせるには、散水ノズルを吸放湿性フィルタ外部に配置すれば良い。水供給手段は、細長い線形状にした給水口が吸放湿性フィルタの外部で水平に反復運動する構造、または、シャワーのように一度に吸放湿性フィルタ全域に散水ができる構造などが考えられる。
吸放湿性フィルタが円筒形であり、その円筒の中心を水平軸もしくは垂直軸として回転運動する場合、水供給手段である散水ノズルを円筒の周囲に固定して、吸放湿性フィルタ全域に給水することができる。また、細長い線状の給水口を用いれば少ない水量でも均一に給水することができ、吸放湿性フィルタ表面に保水されずに流れてしまう水量を減らすことができる。
吸放湿性フィルタが円筒形であり、その円筒の中心を水平軸として回転運動する場合、吸放湿性フィルタの下方に水槽を配置し、吸放湿性フィルタの一部が常に水槽中の水と接触した状態に保つことにより、水は必然的に吸放湿性フィルタ全域に行き渡る。よって、とくに水供給手段として散水ノズルを配置する必要がない。
光触媒を担持した円筒形の吸放湿性フィルタを回転運動させれば、ブラックライトや蛍光灯などの光触媒励起手段を吸放湿性フィルタの外側に配置し、光を照射することにより、光触媒は吸放湿性フィルタ表面の全域にわたって均一に活性化され、空気中の悪臭等の有害成分の除去分解や殺菌などの効果が得られる。光触媒とともに吸着剤を併用すれば、より除去効率が高まる。また、光触媒を担持した円筒形の吸放湿性フィルタを中空にした場合、その中空部に光触媒励起手段を配置しても同様の効果が得られる。吸放湿性フィルタの中空部には光触媒励起手段と空気加熱手段を同時に設けることも可能である。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明は、以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
(実施例1)吸放湿性フィルタの作成
テトラエトキシシランにエタノールと1N塩酸を加え加水分解を行い、バインダー液を作成した。バインダー液に、タルクおよび抗菌剤として1,1‘−ヘキサメチレンビス〔5−(4−クロロフェニル)ビグアナイド〕ジハイドロクロライド、防カビ剤としてチアベンダゾールを混合し、ボールミルにいれて攪拌・分散を5時間行いスラリーを作成した。
作成したスラリーを塗装用のスプレーガンに入れ、発泡ウレタンおよびセラミックハニカムの、表裏両面にスプレー噴霧した。その後、約100℃で約20分間乾燥させて吸放湿性フィルタを作成した。
発泡ウレタンの発泡密度について、6セル/25mm、6〜10セル/25mm、11〜17セル/25mm、17〜23セル/25mmのものを用いて吸放湿性フィルタの作製を試みた。17〜23セル/25mm以上のものはセル間隔が細かすぎて、スラリーが膜となって発泡ウレタンの空隙を塞いでしまうため、発泡密度は17セル/25mm以下がよい。ただし、10セル/25mm以下のものは、スラリーの担持性は高く好都合であるものの、吸放湿性フィルタとして単位体積あたりに保持できる水の量が少なくなるため、11〜17セル/25mmがよい。また、発泡ウレタンの厚さとして、5〜40mmのものを用いて円筒形の吸放湿性フィルタを作製した。厚さ40mmのものでは、一般的な家庭用加湿装置に備えられているファンの力では充分な空気を流すことができない。また、厚さ5mm以下の場合は、吸放湿性フィルタとして単位体積あたりに保持できる水の量が少なくなるだけでなく、強度も保てない。よって、発泡ウレタンの厚さとしては5〜30mmが適当である。
また、風速1m/secのときの圧力損失について、発泡ウレタンで7Pa、5Pa、3Pa、2Paのもの、セラミックスハニカムで10Pa、5Pa、3Paのものを用いて、上記と同様の方法で吸放湿性フィルタを作成した。発泡ウレタンでは、圧力損失が7Paのものは通気性が悪く、気化効率が悪いだけでなく騒音も発生するため、圧力損失は7Pa未満のものが適している。セラミックハニカムでは、風速1m/secのときの圧力損失10Pa以下であれば通気性と保水性のバランスを得ることができる。ただし、セラミックハニカムの場合、圧力損失が2Paより小さくなると、セル数が少なくなる、もしくは、厚さが小さくなり、フィルタの強度が落ちるため、圧力損失は2Pa以上であることが望ましい。
(実施例2)加湿装置
図3および図4にその正面および側面から見た概略断面図を示す加湿装置31は、送風手段としての送風手段32と吸放湿性フィルタ33と水槽34を備えてなり、送風手段32と吸放湿性フィルタ33の間に空気加熱手段として空気加熱手段35を配している。円筒形の吸放湿性フィルタは軸36を中心として回転する。送風手段32によって加湿装置31内へ取り入れられた乾燥空気は、空気加熱手段35で約50℃まで温められた後、吸放湿性フィルタ33に接触し抜けていく。このとき、吸放湿性フィルタ33は、水槽34から水を受けて湿った状態にあるので水が気化し、下流側には加湿された空気が供給される。
加湿装置に、実施例1で作成した吸放湿性フィルタを配置し、装置を運転してそれぞれのフィルタの加湿量(水の気化量)を測定した。また、無機材料として、粒子径の異なるタルクおよびカオリン、セピオライトをスラリーに混合して実施例1と同方法で吸放湿性フィルタを作成し、同様に加湿装置に入れその加湿量を測定した。図5に示すように、本発明品である吸放湿性フィルタでは、無機材料の粒子径が2μm〜55μmであれば、充分な加湿量が得られることがわかった。さらに、高品質を保つためにはμm〜30μmが好ましい。無機材料の粒子径が大きくなれば基材表面との接着は弱くなり、フィルタ表面に担持された無機材料が粉として落下しやすくなるからである。なお、十分な加湿量が得られた吸放湿性フィルタの表面状態を走査型電子顕微鏡で観察したところ、基材表面には板状の無機材料が均一に並び、水を保持しうる微細な凹凸を多く有する様子が認められた。
本発明の吸放湿性フィルタを用いることにより、スケール付着による加湿能力の低下が少ない吸放湿性フィルタを提供することができ、家庭用・業務用加湿装置などに用途がある。
本発明の発明を実施するための最良の形態の発泡形状の基材に無機材料を担持した吸放湿性フィルタの外観と概略断面図 同ハニカム形状の基材に無機材料を担持した吸放湿性フィルタの外観と概略断面図 本発明の実施例2の加湿装置の正面から見た概略断面図 同実施例2の加湿装置の側面から見た概略断面図 同実施例2の無機材料の粒子径と加湿量との関係を示したグラフ 従来例の加湿装置の概略断面図
符号の説明
11 吸放湿性フィルタ
12 空隙
13 基材
14 基材表面
15 無機材料
16 凹凸
21 吸放湿性フィルタ
22 空隙
23 基材
24 無機材料
25 凹凸
31 加湿装置
32 送風手段
33 吸放湿性フィルタ
34 水槽
35 空気加熱手段
36 軸
41 加湿装置
43 吸放湿性フィルタ
44 水槽
45 空気加熱手段
46 軸
47 水タンク
601 加湿装置
602 吸放湿性フィルタ
603 水槽
604 水
605 送風手段

Claims (19)

  1. 空気が通過できる空隙を有する基材に、粒子径2μm〜55μmの無機材料を担持して、基材表面を凹凸にし、この表面に水分を付着させることを特徴とした吸放湿性フィルタ。
  2. 無機材料自体が含水性でないことを特徴とする請求項1記載の吸放湿性フィルタ。
  3. 無機材料が板状構造であることを特徴とする請求項1または2記載の吸放湿性フィルタ。
  4. 無機材料がタルク、カオリン、セピオライトのいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  5. 無機材料をシリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、シリケート化合物あるいはチタネート化合物の中から選ばれる少なくとも一種類以上を含むバインダーで基材に固定化したことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  6. 空気が通過できる空隙を有する基材が、発泡形状であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  7. 発泡形状基材の発泡密度が17セル/25mm以下で、前記発泡体基材の厚さが5〜30mmである請求項6記載の吸放湿性フィルタ。
  8. 空気が通過できる空隙を有する基材が、ハニカム形状であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  9. 風速1m/secでの圧力損失が10Pa以下の基材を用いることを特徴とする請求項6乃至8いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  10. 脱臭触媒を担持したことを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  11. 防カビ剤を担持したことを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  12. 抗菌剤を担持したことを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  13. 光触媒を担持したことを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の吸放湿性フィルタ。
  14. 請求項1乃至13いずれかに記載の吸放湿性フィルタと送風手段と水供給手段とを備えた加湿装置。
  15. 請求項1乃至13いずれかに記載の吸放湿性フィルタと送風手段と水供給手段と空気加熱手段を備えた加湿装置。
  16. 水供給手段から供給される水を吸放湿性フィルタに散水するノズルを設けたことを特徴とする請求項14または15記載の加湿装置。
  17. 円筒形の吸放湿性フィルタが回転運動することを特徴とする請求項14乃至16いずれかに記載の加湿装置。
  18. 円筒形の吸放湿性フィルタが一部を水中に浸漬しながら回転運動することを特徴とする請求項17記載の加湿装置。
  19. 光触媒を担持した吸放湿性フィルタと光触媒励起手段を備えたことを特徴とする請求項17または18記載の加湿装置。
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