JP4984550B2 - 気化フィルタおよび加湿装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気化フィルタおよびそれを利用する加湿装置に関する。
従来の加湿装置の一例を図6に示す。すなわち、波状やU字状に変形したシート状の気化フィルタ101の端面を水槽102に浸漬し、水を吸上げたシート状の気化フィルタ101の間隔にファン103で乾燥空気を通風させることにより、加湿空気を得るものである(例えば特許文献1参照)。
また、この種の加湿装置には、気化フィルタへの水供給方法が、毛細管現象によらないものもある。すなわち、図7に一例を示すように、発泡形状の基材に親水性の無機化合物を担持してなる気化フィルタ201は、水供給手段202から水を与えられる。そうして保水した気化フィルタ201に、ファン203によって装置内に導入された乾燥空気を接触させることによって、加湿空気を得るものである。
特許第2514145号公報 特開2005−315554号公報
しかしながら、水を吸上げた気化フィルタに乾燥空気を通過させる方式では、供給される水が含有する珪素やカルシウム、マグネシウムなどの元素を含む微量の化合物が、気化フィルタが乾燥していく過程でフィルタの表面にスケールとなって析出する。析出したスケールは通風路を阻害する。気化フィルタをシート状にし、その間隔に乾燥空気を通風すれば、通風路は常に確保されるものの、スケールはフィルタの固定箇所に析出し、気化フィルタによる水の吸い上げ効果は著しく低下する。
また、発泡体の基材に親水性の無機化合物を担持してなる気化フィルタでは、スケールが析出しても、気化フィルタ内部に保持できる水の量にはほとんど影響を与えないため、長期間にわたって加湿能力を維持できるが、さらなる加湿能力の向上が求められていた。
本発明は、このような課題を解決するものであり、長期間にわたって高い加湿能力を発揮でき、かつ、気化フィルタ上にスケールが析出しても加湿能力を維持できる気化フィルタおよび加湿装置を提供することを目的としている。
本発明は、水を気化させて加湿を行う気化フィルタにおいて、フィルタ基材表面に粒子を担持することによりフィルタ表層部の空隙率が10〜25%であり、30×30μmの断面内に、1〜20μmの面積を持つ空隙が複数存在し、この空隙を有する表層部が、気化フィルタ表面から10μm〜50μmの厚さを有し、前記空隙が水を保持することにより、毛細管現象を利用せずとも気化フィルタが水を保持でき、フィルタ強度と加湿能力を両立することを特徴とするものである。
また、空隙の内部が親水性であることを特徴とする。
また、フィルタ基材が吸水性でないことを特徴とする。
また、粒子が吸水性をもつことを特徴とする。
また、粒子が無機材料であることを特徴とする。
また、粒子の径が2〜55μmであることを特徴とする。
また、粒子を担持する際に、バインダを用いることを特徴とする。
また、気化フィルタが三次元網状構造であることを特徴とする。
また、請求項1乃至いずれかに記載の気化フィルタと、水供給手段と、送風手段を備えた加湿装置である。
本発明によれば、長期間にわたって高い加湿能力を発揮し、かつ、気化フィルタ上にスケールが析出しても加湿能力を維持でき、フィルタ強度と加湿能力を両立する気化フィルタおよび加湿装置を提供できる。
本発明の請求項1記載の発明は、水を気化させて加湿を行う気化フィルタにおいて、フィルタ基材表面に粒子を担持することによりフィルタ表層部の空隙率が10〜25%であり、30×30μmの断面内に、1〜20μmの面積を持つ空隙が複数存在し、この空隙を有する表層部が、気化フィルタ表面から10μm〜50μmの厚さを有し、前記空隙が水を保持することにより、毛細管現象を利用せずとも気化フィルタが水を保持でき、フィルタ強度と加湿能力を両立することを特徴とするものであり、表層部に存在する空隙が水を保持することにより、毛細管現象を利用せずとも気化フィルタが水を保持できるという効果が得られる。また、空隙を有するために、通過する乾燥空気と保持された水との接触面積が増大し、より高い加湿能力が得られる。また、粒子がフィルタ基材表面に形成する空隙が水を保持することにより、毛細管現象を利用せずとも気化フィルタが水を保持できる。また、水を充分に保持し、かつ空気と水との接触面積を充分に得ることができるために、高い加湿能力が得られる。
また、空隙の内部が親水性であることを特徴とするものであり、空隙内部壁面に水が広く付着するという作用を有し、空気が通過したときに接触面積が大きくなるために加湿しやすいという効果が得られる。
また、フィルタ基材が吸水性でないことを特徴とするものであり、気化フィルタに付着した水が基材の内部まで入り込みにくいために、付着した水分が繊維から離れやすく、高い加湿能力が得られる。
また、粒子が吸水性をもつことを特徴とするものであり、気化フィルタ表層部の水なじみが向上するために、通過空気がより多くの水に触れることができ、高い加湿能力が得られる。
また、粒子が無機材料であることを特徴とするものであり、無機材料は耐熱性に優れるために、湿潤と乾燥を繰り返す雰囲気において、気化フィルタに耐久性を与えるという効果が得られる。
また、粒子の径が2〜55μmであることにより、形成する空隙の量と、粒子の担持強度を両立できるという効果が得られる。
また、粒子を担持する際に、バインダを用いることを特徴とするものであり、バインダによって粒子とフィルタ基材とを高い接着強度で担持できるために、長時間にわたって乾燥・湿潤を繰り返す雰囲気においても粒子が剥離しないという効果を奏する。
また、気化フィルタが三次元網状構造であれば、開口面積が大きく、気化フィルタ上にスケールが析出しても目詰まりを起こしにくいという作用を有し、通風路を阻害しにくいという効果が得られる。また、網状構造が一度にたくさんの水を保持できるという効果も得られる。
本発明の請求項1乃至いずれかに記載の気化フィルタと、水供給手段と、送風手段を備えた加湿装置は、粒子がフィルタ表面に形成する空隙により水を保持するために、通過する乾燥空気と保持された水との接触面積が増大し、高い加湿能力が得られる。また、気化フィルタの表層部にのみ水が保持されるために、気化フィルタから水が離れやすく、より高い加湿能力が得られる。また、気化フィルタ上にスケールが析出しても長期間にわたって、加湿能力を維持できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に断面の一例を示すように、気化フィルタ11はフィルタ基材12としての金属板の表面である基材表面13に粒子14としての焼成珪藻土を担持して10〜25%の空隙15を形成したことを特徴とする。なお、粒子14としての焼成珪藻土は、吸水性をもつ無機材料であり、この粒子14の周囲に配されたバインダ層16によってフィルタ基材12の表層部に固定化されている。
上記構成によれば、粒子がフィルタ表面に形成する空隙が水を保持することにより、毛細管現象を利用せずとも気化フィルタ11が水を保持できる。また、空隙を有するために、通過する乾燥空気と保持された水との接触面積が増大し、より高い加湿能力が得られる。
本発明において、粒子を担持してなる表層部がフィルタ表面から10μmの厚さを有していないとき、すなわち、表層部がフィルタ表面から10μmより薄い場合、保持できる水量が少なく、空気と水との接触面積も少ないために、充分な加湿能力が得られない。水を充分に保持し、かつ空気と水との接触面積を充分に得るためには、10〜50μm程度の厚さが望ましい。
フィルタ基材12の材質はとくに限定しないが、樹脂や金属、セラミックスなどがある。樹脂であれば、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリル、セルロース、およびこれらの共重合体や誘導体から構成されているものなどがあり、成形性にも優れている。また、金属であれば、耐久性に優れ、かつ、銀や銅、ニッケル、亜鉛などの抗菌性を持つものを使用した場合、気化フィルタに抗菌性を付加することができ、長期間にわたって衛生的な使用を継続できる。また、セラミックスであれば耐熱性に優れるために、乾燥と湿潤を繰り返す雰囲気下での使用における耐久性が得られる。フィルタ基材12が金属のような吸水性でないものであれば、水は表層部にのみ保持され、基材の内部までは入り込まない。通過する空気は、気化フィルタ11の深部まで瞬時には入り込みにくいために、水が表層部のみに保持されていたほうが、乾燥空気が通過したときに水が離れやすく、高い加湿能力が得られる。また、空隙の内部が親水性であれば、供給された水が瞬時に空隙内部に広がり、空気が通過したときに接触面積が大きくなるために加湿能力がより向上する。
また、フィルタ基材12に担持する粒子としては、珪藻土やゼオライト、カオリン、タルクのような鉱物や、金属粒子などの無機材料、多孔質ポリマービーズなどの有機材料があるが、粒子が吸水性であれば、形成される空隙が親水性になり、気化フィルタ表層部の水なじみ性が向上し、通過空気がより多くの水に触れることができるために、高い加湿能力が得られる。また、粒子が無機材料であれば、気化フィルタ11に耐久性を与えるという効果が得られる。粒子はあらかじめ焼成処理されていても良い。焼成により、粒子表面が荒げられ微細な凹凸が形成されるために、粒子を担持した際により多くの間隔を持して重なり合い、気化フィルタ11表層部における空隙を形成しやすく、より多くの水を保持できる。また、粒子の径が2〜55μmであれば、空隙を容易にかつ均一に形成しやすい。2μmより小さい粒子では、粒子がフィルタ基材12表面に細かく並びすぎるために、担持後の気化フィルタ11表面がより平坦に近づいてしまい、空隙が形成されにくくなる。また、55μmより大きい粒子の場合には、内部に形成する空隙に対して、粒子の占める体積が大きい、すなわち空隙率が少ないために、水と通過空気の接触面積が得にくい。さらに、粒子とバインダとの接触面積が少なく、担持強度が不足する。よって、担持する粒子の径としては2〜55μmが適当である。
また、粒子を担持する際に、バインダを用いれば、粒子とフィルタ基材との接着強度が得られ、気化フィルタ11から粒子14が剥離するのを防止することができる。バインダの種類はとくに限定しないが、撥水性のものより親水性をもつもののほうが、空隙15での保水性を向上させるので望ましい。親水性のバインダとしては、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ケイ酸ナトリウム、シリケート化合物の加水分解物などが挙げられる。バインダを用いて粒子14を担持する場合は、バインダと粒子14とをあらかじめ混合、液体スラリ状にしたものをフィルタ表層部に塗布する方法や、気化フィルタ11の表層部にバインダ層16を形成し、その後に粒子14を担持する方法などがある。バインダと粒子とをあらかじめ混合、液体スラリ状にしたものをフィルタ表層部に塗布する方法では、フィルタ基材12を該スラリに浸漬することによって、表層部に粒子14とバインダの混合皮膜を形成することができる。このとき、フィルタ基材表面に膜ができるので、粒子14が均一に担持されやすく、形成される空隙も均一になりやすい。また、粒子14とバインダを混合したスラリを、スプレーなどを用いて基材に対して噴霧することもできる。このとき、フィルタ表層部に粒子14を積もるように担持できるため、望む量の粒子14を容易に担持することができる。さらに、フィルタ内の担持濃度も容易に変えることができる。気化フィルタ11の表層部にバインダ層16を形成した後に粒子を担持する方法では、粒子14がバインダに埋まってしまうことがなく、均一に粒子14を担持することができるというメリットがある。
また、気化フィルタ表層部の空隙は、粒子14を担持して空隙を形成する以外にも、フィルタ基材12自体に空隙を持たせても良い。たとえば、焼結したセラミックス多孔質体などは表層部に空隙15が存在しており、粒子14を担持せずとも本発明の気化フィルタ11を得ることができる。
(実施の形態2)
図2に概略および断面の一例を示す三次元網状構造の気化フィルタは、多数の開口部21を持っている。三次元網状構造を形成する骨格部分22には、粒子を担持し、気化フィルタ表層部に10〜25%の空隙を形成している。
上記構成によれば、粒子がフィルタ表面に形成する空隙が水を保持することにより、毛細管現象を利用せずとも気化フィルタが水を保持できるだけでなく、三次元網状構造が一度にたくさんの水を保持するという効果によって、加湿能力がいっそう向上する。また、空隙を有するために、通過する乾燥空気と保持された水との接触面積が増大し、より高い加湿能力が得られる。さらに、三次元網状構造であるために、開口面積が大きく、気化フィルタ上にスケールが析出しても目詰まりを起こしにくく、通風路を阻害しにくい。よって、長期間にわたって加湿能力を維持できる。
三次元網状構造としては、繊維を絡ませた形状、発泡形状などがある。たとえば、繊維を絡ませた形状であればスチールウールなどが挙げられ、発泡形状であれば発泡金属や発泡樹脂、セラミックフォームなどが挙げられる。
(実施の形態3)
図3に断面の一例を示すように、加湿装置31は、表層部に粒子を担持して10〜25%の空隙を形成したことを特徴とする気化フィルタ32を搭載している。気化フィルタ32の上部にはフィルタへの水供給手段33としての散水装置を備える。送風手段34としてのファンによって装置内に導入された乾燥空気は、空気加熱手段35であるヒーターを通過して温められ、その後、気化フィルタ32を通過して加湿空気となって装置の外へ出て行く。気化フィルタ32は円筒形状をしており、それ自体が回転することによって水供給手段33より供給される水を気化フィルタ32全体に行きわたらせている。水供給手段33は、気化フィルタ32の上部から散水する方式であれば、水供給手段33の給水口の形状が気化フィルタ32の上面の形状と同一であることが、気化フィルタ32全域に水を行きわたらせるためには理想的である。適切な水量を実現するためには、給水口にシャワーノズルのような細かい穴を多数設けて水量を絞るとよい。また、水供給手段33の給水口を細長い線形状にして、気化フィルタ32上面全域を網羅できるように給水口が気化フィルタ32の上面で水平方向に反復運動しながら散水する方式も考えられる。また、気化フィルタ32を、その下部を水槽中の水と接触させながら回転させれば、水槽が水供給手段33となるため、気化フィルタ32は自身で水の供給ができるようになり、加湿装置31の構造が簡略化できるというメリットが生まれる。また、気化フィルタ32が円筒形状であれば、その円筒の中心を垂直な軸として加湿装置31に配置した場合、円筒面の上方に配置した水供給手段33の線形状の給水口が、円筒の中心線上に中心を持つ円を描きながら回転すれば、気化フィルタ32全域に散水することができ、給水口が水平に移動する場合よりも簡単な機構となる。また、気化フィルタ32自身がその円筒の中心を垂直な軸として回転するものであれば、線形状の給水口は固定されていても気化フィルタ32全域に散水ができる。気化フィルタ32をその円筒の中心を水平な軸として加湿装置31に配置した場合も同じである。
また、加湿装置31が、空気加熱手段35を備えていても良い。装置内に導入される乾燥空気が加熱されれば、飽和水蒸気量が上昇し、より高い加湿能力を得ることができる。また、加湿装置31が、フィルタ加熱手段を備えている場合は、気化フィルタ32自身を加熱することで、通風による水分気化だけでなく、発熱による蒸発作用も起きるため、より高い加湿能力を得ることができる。
三次元網状構造を有するポリウレタンフォームに、吸水性をもつ粒子であるゼオライトと、吸水性でない粒子のタルク、および焼成していない珪藻土と、焼成して表面を荒げた珪藻土を担持して気化フィルタを作成した。それぞれが、1mの通過空気に対して放出する水分量を加湿能力(ml/m)として測定した。図4(a)にはフィルタのある断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真図を、図4(b)にはその断面において空隙が占める部分のみを画像処理によって抽出した画像を示す。黒色の部分が空隙41であることを表している。図4(b)の処理画像を用いて、フィルタの一断面における黒色部分の面積比を、空隙率として算出した。図5には、7種類のフィルタについて測定した表層部の空隙率および加湿能力を示す。焼成していない珪藻土に比べて、焼成珪藻土を担持したフィルタでは、空隙率が高く、加湿能力も高いことがわかった。しかし、焼成珪藻土を担持したフィルタでは表層部が脆く、フィルタとして充分な強度が得られなかった。顕微鏡で断面を観察すると、不均一な大きさの空隙が散在しており、中にはその面積が80μmを超えるような空隙も存在した。また、これらの空隙が連なるように存在する部分もあった。いっぽう、フィルタ強度と加湿能力を両立していたフィルタでは、空隙の面積が1〜3μm程度のものが多く、たとえば、吸水性のゼオライトを担持したフィルタでは、30×30μmの断面内に、20μm以下の面積を持つ空隙が69個存在していた。すなわち、空隙率は同じであっても、たとえば、30×30μmの断面内に、180μmの面積を持つ大きな空隙がひとつ存在するよりも、18μmの面積を持つ小さな空隙が10個存在するほうが、フィルタとしての強度が得やすいということになる。また、吸水性をもつ粒子を担持したフィルタは、ほぼ一定して高い加湿能力を呈した。これは、粒子を担持して形成する空隙に加えて、吸水性の粒子自身が有する多数の細孔にも水が保持されるために、より高い加湿能力が得られるものと考えられる。気化フィルタの加湿能力としては、一般的な家庭用加湿機においては、7.5ml/m以上であれば、一定量の空気に対して充分に水が含まれている状態として評価される。よって、加湿能力と、フィルタとしての充分な強度を両立するためには、表層部の空隙率は10〜25%であることが望ましい。
本発明により、長期間にわたって高い加湿能力を発揮でき、かつ、気化フィルタ上にスケールが析出しても加湿能力を維持できる気化フィルタおよび加湿装置を提供できるため、家庭用・業務用加湿装置および空気調和装置への展開用途が期待できる。
本発明の実施の形態1の気化フィルタを示す概略断面図 本発明の実施の形態2の気化フィルタを示す概略斜視図 本発明の実施の形態3の加湿装置の概略断面図 本発明の実施例1の気化フィルタ断面を示す図((a)気化フィルタ断面を示す顕微鏡写真、(b)気化フィルタ断面の空隙を示す顕微鏡写真処理画像の図) 本発明の実施例の空隙率と加湿能力を示すグラフ 従来例の加湿装置の概略斜視図 従来例の加湿装置の概略斜視図
符号の説明
11 気化フィルタ
12 フィルタ基材
13 基材表面
14 粒子
15 空隙
16 バインダ層
21 開口部
22 骨格部分
31 加湿装置
32 気化フィルタ
33 水供給手段
34 送風手段
35 空気加熱手段
41 空隙

Claims (9)

  1. 水を気化させて加湿を行う気化フィルタにおいて、フィルタ基材表面に粒子を担持することによりフィルタ表層部の空隙率が10〜25%であり、30×30μmの断面内に、1〜20μmの面積を持つ空隙が複数存在し、この空隙を有する表層部が、気化フィルタ表面から10μm〜50μmの厚さを有し、前記空隙が水を保持することにより、毛細管現象を利用せずとも気化フィルタが水を保持でき、フィルタ強度と加湿能力を両立することを特徴とする気化フィルタ。
  2. 空隙の内部が親水性であることを特徴とする請求項1記載の気化フィルタ。
  3. フィルタ基材が吸水性でないことを特徴とする請求項1または2記載の気化フィルタ。
  4. 粒子が吸水性をもつことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の気化フィルタ。
  5. 粒子が無機材料であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の気化フィルタ。
  6. 粒子の径が2〜55μmであることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の気化フィルタ。
  7. 粒子を担持する際に、バインダを用いることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の気化フィルタ。
  8. 気化フィルタが三次元網状構造である請求項1乃至7いずれかに記載の気化フィルタ。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の気化フィルタと、水供給手段と、送風手段を備えた加湿装置。
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