JP2006200833A - 加湿装置および加湿構造体の再生方法 - Google Patents

加湿装置および加湿構造体の再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室内を加湿する加湿装置において、スケールの析出を抑制し、長期間にわたって加湿能力を維持できる簡易な構造の加湿装置を提供すること。
【解決手段】発泡体基材22に陽イオン交換材料23を担持して成る加湿構造体21を用いて水中のカルシウムやマグネシウム成分を除去するとともに、加湿構造体21が得た水を気化させることにより、簡易な構造でスケール発生を抑制しながら加湿空気を供給する。また、粒子径の制御された陽イオン交換材料23を発泡体基材22に担持することにより発泡体基材22に微細な凹凸を形成し、加湿性能を向上させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、スケールの析出を抑制できる簡易な構造の加湿装置に関する。
特許文献1記載の従来の加湿装置を、図6を参照しながら説明する。加湿装置101において、不織布で構成される加湿フィルタ102がその下方の一部を水槽103の水104に浸らせた状態で配置され、加湿フィルタ102が毛細管現象によって水槽103の水104を吸い上げ、送風手段105によって加湿装置101に矢印の示す方向に沿って導入された乾燥空気が、加湿フィルタ102の水に浸っていない部分を通過する。そのとき加湿フィルタ102の吸い上げた水が気化して空気は高湿度となり、その高湿度な空気を室内へ供給するという方式が一般に知られている。
また、特許文献2には、給水タンクを形成する給水キャップに、浄水機能を有するフィルターユニットとイオン交換樹脂を有する加湿器が示されている。吸水タンクから供給される水に含まれる塵埃等とカルシウムやマグネシウム等のミネラル分は、吸水キャップを通過する際に除去され、水蒸気発生部のスケール発生を防止する構造となっている。
特開平11−166413号公報 特開平10−103720号公報
特許文献1の方式は、水を吸い上げた加湿フィルタがそれを通過する乾燥空気を加湿させながら加湿フィルタ自身が乾燥し、毛細管現象によって水槽の水に浸っていた加湿フィルタの下方部分から水に接触していない他の部分全域に水分を浸透させながら常時フィルタを湿った状態に保つものである。しかし、通常加湿装置には水道水が用いられるため、その水が含有するカルシウム、マグネシウムなどの元素を含む微量の化合物が、加湿装置を運転していないときなど、加湿フィルタが乾燥していく過程で加湿フィルタ表面上にスケールとなって析出する。このスケール析出にともなって、加湿フィルタによる水の吸い上げ効果は著しく低下するため、長期間にわたって加湿能力を維持することができないという課題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、スケールの発生を防止することはできるものの、吸水キャップが大型で複雑な構造になってしまうという課題があった。
本発明は上記課題を解決するため、スケールの析出を抑制し、長期間にわたって加湿能力を維持できる簡易な構造の加湿装置を提供することを目的としている。
本発明の加湿装置は上記目的を達成するために、請求項1に記載の通り、発泡体基材に陽イオン交換材料を担持して成る加湿構造体と送風手段と水供給手段とからなることを特徴とする。
また、請求項2記載の加湿装置は、発泡体基材に陽イオン交換材料を担持して成る加湿構造体が、水供給手段から得た水を気化させることを特徴とする。
また、請求項3記載の加湿装置は、発泡体基材に担持する陽イオン交換材料が、H+、K+、Na+から選ばれるいずれか一つ以上の陽イオンを含むことを特徴とする。
また、請求項4記載の加湿装置は、粒子径2μm〜150μmの陽イオン交換材料を担持して、発泡体基材表面に微細な凹凸を設けたことを特徴とする。
また、請求項5記載の加湿装置は、発泡体基材に担持する陽イオン交換材料がゼオライトであることを特徴とする。
また、請求項6記載の加湿装置は、発泡体基材に担持する陽イオン交換材料が、一般式−SO3M、−COOM(Mは陽イオン)で示される少なくとも1つの官能基を有することを特徴とする。
また、請求項7記載の加湿装置は、発泡体基材がウレタンであることを特徴とする。
また、請求項8記載の加湿装置は、陽イオン交換材料を、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、シリケート化合物あるいはチタネート化合物の中から選ばれる少なくとも一種類以上を含むバインダーで発泡体基材に固定化したことを特徴とする。
また、請求項9記載の加湿装置は、加湿構造体の前段に空気加熱手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項10記載の加湿装置は、水供給手段の給水口が加湿構造体の上部に配置され、加湿構造体に水を給水することを特徴とする。
また、請求項11記載の加湿装置は、水を保持する水槽を加湿構造体の下部に設けたことを特徴とする。
また、請求項12記載の加湿装置は、発泡体基材の発泡密度が17セル/25mm以下で、厚さが5〜30mmであることを特徴とする。
また、請求項13記載の加湿装置は、加湿構造体が円筒形であることを特徴とする。
また、請求項14記載の加湿装置は、円筒形の加湿構造体が円筒の中心を水平な軸として回転し、加湿構造体の少なくとも一部が水槽の水と接触していることを特徴とする。
また、請求項15記載の加湿装置は、運転停止時に、送風手段の風量を低下させながら空気加熱手段を運転し、加湿構造体を乾燥させることを特徴とする。
また、請求項16記載の加湿装置は、イオン交換材料の再生または付着したスケールの溶解が可能な希酸および/またはその塩類を貯蔵する収納ケースを設けたことを特徴とする。
また、請求項17記載の加湿構造体の再生方法は、希酸を用いて加湿構造体を洗浄することを特徴とする。
本発明によれば、イオン交換材料によって水中からカルシウムやマグネシウムなどの析出しやすい成分を取り除き、さらに加湿構造体が立体的な網目構造によって水を保持できるため、長期間にわたって加湿能力を維持できる加湿装置を提供することができる。また、加湿構造体が陽イオン交換能力を備えているため、別部品としてイオン交換材料を配置する必要がなく、簡易な構造でスケールの析出を抑制できる加湿装置を提供することができる。
本発明の加湿装置11は例えば図1に示す通り、発泡体基材に陽イオン交換材料を担持して成る加湿構造体12と、送風手段13と水供給手段14を備え、送風手段13によって加湿装置内へ取り入れられた乾燥空気15を、水供給手段14から水16を受けて湿った加湿構造体12に接触させることによって加湿構造体12の水を気化させるものである。水の気化によって得られた高湿度な空気17は送風手段13の力で加湿装置11から室内へ供給される。水供給手段14は、水を供給することができれば特に形状に制約はなく、一箇所に給水用の穴とそれを任意の割合でふさぐキャップを設けた水タンクなどが利用できる。また、水を供給できる給水パイプと流量調整用のバルブをつないで使用することも可能である。
また、温度の高い空気ほどたくさんの水分を保持することができるという性質を利用して、通過する乾燥空気15を加熱手段18で加熱して温風にすることにより、より多量の水分を含む空気を室内に供給することができる。送風手段13としてはファン、ポンプなどが利用できる。加熱手段18としては、ヒーター、高温の空気・ガス・水を利用した熱交換器、バーナーなどが利用できる。
図1に示す通り、水供給手段14が加湿構造体12の上部から水を供給する場合、水供給手段14の給水口19の形状は加湿構造体12の上面の形状と同一であることが、加湿構造体12全域に水を行き渡らせるためには理想的であるが、適切な水量を実現するために給水口19にはシャワーノズルのような細かい穴を多数設けて水量を絞るとよい。また、水供給手段14の給水口19を細長い線形状にして、加湿構造体12上面全域を網羅できるように給水口19が加湿構造体12の上面で水平方向に反復運動しながら散水する方式も考えられる。さらに水を保持する水槽を加湿構造体の下部に設けることにより、気化する水の量が少なく水供給手段から供給される水の量が多い場合でも水を貯留することができ、逆に気化する水の量が多い場合には水槽から毛細管現象によって加湿構造体に吸い上げられた水を加湿に利用することができるという効果をえることができる。また、水槽に貯留された水をポンプ等で水タンクに返送すれば、水を無駄なく使用することができる。
本発明の加湿装置における加湿構造体には、多量の水分を保持させて効率よく空気を加湿することができ、内部に多くの空隙を有する発泡体が適している。その材質としては、ウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フェノール樹脂、シリコーン等の有機樹脂や発泡金属、セラミック等が挙げられる。これらの中でも発泡ウレタン樹脂は、内部に多くの空隙を有しているため通気性能に優れている上、安価で柔軟性があり加工が容易である。高温、高湿度などの過酷な条件下での長期間の使用を考える場合には、成形性には劣るが発泡体としてセラミックを用いたほうが強度の低下が少ない。
加湿構造体には陽イオン交換材料が担持されている。水道水中のカルシウム、マグネシウム成分は炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムなどの溶解度の低い析出物となって沈殿することが知られている。陽イオン交換材料で、水中に含まれているカルシウム、マグネシウム成分を取り除くことにより、スケールの発生を抑制することができる。例えば25℃の水に対する溶解度は、炭酸カルシウムCaCO3は0.82g/1000g水であるが、炭酸ナトリウムNa2CO3では294g/1000g水となり、炭酸H2CO3では沈殿を生じない。同様に水酸化マグネシウムMg(OH)2では9.8mg/1000g水(18℃)であるが、水酸化ナトリウムNaOHでは1140g/1000g水(25℃)、水酸化カリウムKOHでは1180g/1000g水(25℃)となり、カルシウムイオン、マグネシウムイオンを取り除くことによって難溶性析出物によるスケール発生を抑制することができる。
陽イオン交換材料には無機系の材料と有機系の樹脂材料が利用できる。無機系の材料には、正長石(K2O・Al23・6SiO2)、曹長石(Na2O・Al23・6SiO2)、白雲母(K2O・3Al23・6SiO2・2H2O)、天然および合成ゼオライトなどが挙げられる。ゼオライトにはA型・X型・Y型・ZSM型などの種類があるが、陽イオン交換量の多いA型が好適である。石炭や石油ピッチなどの鉱物を硫酸で処理して骨格に−COOH、−SO3Hで示されるカルボキシル基やスルホン酸基を導入したものも有効である。有機系の樹脂材料としては、例えばスチレン系イオン交換樹脂、アクリル系イオン交換樹脂、メタクリル系イオン交換樹脂などを用いることができる。イオン交換基としては、一般式−COOM、−SO3M(Mは陽イオン)で示されるカルボキシル基やスルホン基、あるいはフェノール性水酸基などを用いることができ、特に強酸性の陽イオン交換樹脂であるスルホン基を有するものが好適である。
陽イオン交換材料は、難溶性沈殿物を生じにくいイオン種を任意に利用できる。Li+やCu+、Ag+などのイオンを用いても良いが、カルシウム、マグネシウムイオンの除去が目的であるなら安価で入手しやすいH+、K+、Na+型を用いるとよい。特にH+型は上記に示したように沈殿物を生じないため、最も好適である。
このような陽イオン交換材料であらかじめ水道水を処理して、軟水化した水を加湿器に利用する方法も一般的であるが、本発明によれば加湿構造体自身がイオン交換作用を有しているため、コンパクトな構造で加湿器を構成することができ、水道水を直接利用しても長期間にわたってスケールの発生を抑制することができるという効果が得られる。
図2に加湿構造体の外観と概略断面図を示す。加湿構造体21は、発泡体基材22に担持された陽イオン交換材料23から形成され、外面24および内部の空隙25には陽イオン交換材料23によって微細な凹凸が形成されている。微細な凹凸は、発泡体基材22の表面積を広げるとともに凹凸の隙間に水を保持することができるため、加湿構造体からの水の気化量が多くなって加湿装置の加湿量を増加させることができる。陽イオン交換材料23の粒子径は小さすぎると凹凸を形成することができず、大きすぎると加湿構造体を空気が通過する妨げとなるほか、陽イオン交換材料の発泡体基材への密着力が低下して剥離しやすくなるため最適な範囲がある。好ましくは粒子径2μm〜150μmであり、より好ましくは2〜55μmであり、さらに好ましくは4〜15μmである。発泡体基材の表面にこれらの粒子を担持することによって、粒子間に形成される隙間がサブミクロンから数10ミクロンの間隔となり、この凹凸に水が入り込んで保持されることによって、凹凸のない加湿構造体に比べて加湿性能が向上するものと思われる。隙間は規則的な間隔を保つ必要はなく、粒子径が異なる陽イオン交換材料を混合して用いてもなんら問題はない。
本発明の陽イオン交換材料を発泡体基材に担持する方法として、バインダーを用いることが考えられる。バインダーは、長期間にわたって吸水と乾燥を繰返しても陽イオン交換材料を剥離させない強固なものでなければならない。この要求を満たすバインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、シリケート化合物あるいはチタネート化合物の加水分解物などが挙げられ、シリケート化合物の加水分解物が好適である。
シリケート化合物としては、テトラエトキシシランおよびその重合体であるメトキシポリシロキサン、エトキシポリシロキサン、ブトキシポリシロキサン、リチウムシリケートなどが挙げられ、チタネート化合物としては、テトラプロポキシチタンおよびその重合体などが挙げられる。これらの金属アルコキシド類は、水と酸によって加水分解され、バインダーとして用いることができる。
加湿構造体を円筒形にすれば次の利点がある。それは、円筒形の加湿構造体を、その円筒の中心を垂直な軸として加湿装置に配置した場合、円筒面の上方に配置した水供給手段の線形状の給水口は、円筒の中心線上に中心を持つ円を描きながら回転すれば、加湿構造体全域に散水することができ、給水口が水平に移動する場合よりも簡単な機構となる。また、加湿構造体自身がその円筒の中心を垂直な軸として回転するものであれば、線形状の給水口は固定されていても加湿構造体全域に散水ができる。また、加湿構造体をその円筒の中心を水平な軸として加湿装置に配置した場合も同じである。さらにこの場合、水供給手段を水槽に水を貯えたようなものとして加湿構造体の下方に配置し、加湿構造体を円筒の下方半分以下が常に水供給手段の水と接触した状態になるように保ちながら、加湿構造体がその円筒の中心を軸として回転すれば、水は加湿構造体全域に行き渡るため、特別に給水口を設ける必要がなくなる。
加湿効率を上げるには、加湿構造体を構成する発泡体基材の網目は細かすぎると充分な通気性と発泡体内部への水の浸透性が得られないため、送風手段の送風能力が1m3/min程度ならば発泡密度が17セル/25mm以下の粗さのものが適する。また、加湿構造体は発泡体の厚みによって空気が通過する際の圧力損失が変化し、通気性の向上によって水の気化効率も高まるため最適な厚みがあり、発泡体の肉厚が5〜30mmであれば構造体の強度と気化効率のバランスが適度に得られてよい。円筒形の加湿構造体の場合は、発泡体の肉厚が5〜15mmであれば構造体の強度と気化効率のバランスが適度に得られてよい。
加湿装置を停止する際に、空気温度が約40℃になるように送風手段の風量を低下させながら空気加熱手段をはたらかせれば、加湿構造体を乾燥させることができ、カビの発生を抑制して加湿構造体を衛生的に保つことができる。
本発明の加湿構造体は抗菌剤および/または防カビ剤を含んでいても良い。加湿構造体を通過する空気中に含まれる雑菌やカビの胞子は、加湿構造体の表面に堆積し繁殖する恐れがある。抗菌剤および/または防カビ剤を加湿構造体表面に含ませておくことにより、給水した加湿構造体の表面には抗菌剤および/または防カビ剤が溶出し、雑菌やカビ胞子は付着と同時に不活化され、加湿構造体上での繁殖を防ぐことができる。
陽イオン交換材料は、長期間使用すると徐々にそのイオン交換能力が低下する。それに伴い加湿構造体、水供給手段、水槽などにスケールが析出し始める。これらを洗浄するためには、pH2〜6の希薄な酸で洗浄を行うと良い。酸としては塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸などあらゆる酸が利用できる。クエン酸を用いれば、粉末として長期間保管できる上、安全性と入手の容易さからも好ましい。洗浄は、加湿装置の水供給手段に洗浄用の希薄な酸を添加しても良いし、加湿構造体を本体から取り外して希薄な酸水溶液中に浸漬しても良い。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明は、以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
平均粒子径6μmのNa−X型ゼオライトとバインダー溶液を用意し、発泡密度が13セル/25mm、厚さ20mm、幅120×120mmのウレタン製発泡体をその溶液に浸漬した。数秒間浸した後、引揚げて余剰の液を振り払い、約100℃で約20分間乾燥させ、加湿構造体Aを得た。ゼオライトを添加しない点以外は同様の手順で加湿構造体Bを作成した。また、比較として無処理のウレタン製発泡体を加湿構造体Cとした。
作成した前記加湿構造体A,B、Cをそれぞれ水中に2分間浸漬した後、軽く水をきり図1に示す加湿装置に設置した。30℃、湿度40%に制御された室内に設置した重量天秤の上に前記加湿装置を置き、1m/sの風速で加湿構造体に通風しながら重量を記録し、その重量変化から加湿性能を求めた。
その結果、1時間あたりの加湿量が最も多かったのは加湿構造体Aの66ml/hであった。次に加湿量が多かったのは、加湿構造体Bの36ml/hであった。無処理のウレタンである加湿構造体Cは十分な保水力がなく加湿量はほぼゼロであった。
試験後の加湿構造体の表面を顕微鏡で観察すると、加湿構造体Aの表面にはゼオライトの粒子が分散して担持されており、0.5μmから4μm程度の凹凸が形成されていた。一方加湿構造体BおよびCの表面はほぼ平坦な形状であった。
(実施例2)
平均粒子径6μmのNa−X型ゼオライト、バインダー、そして抗菌剤として1,1‘−ヘキサメチレンビス〔5−(4−クロロフェニル)ビグアナイド〕ジハイドロクロライドをゼオライトに対して0.5重量%、防カビ剤としてチアベンダゾールをゼオライトに対して0.5重量%を混合した溶液を用意し、発泡密度が13セル/25mm、厚さ10mm、幅300×200mmのウレタン製発泡体をその溶液に浸漬した。数秒間浸した後、引揚げて余剰の液を振り払い、筒状に丸めて約100℃で約20分間乾燥させ、中空な円筒形の加湿構造体を得た。
また、これ以外の発泡密度のウレタンフォームを用いて円筒形の加湿構造体の作製を試みたが、17セル/25mm以上のものはセル間隔が細かすぎて、スラリにシートを浸漬するときにシートの内部にまで溶液が浸透していかないため、17セル/25mm以下がよい。また、シートの厚さとして、5mmから20mmのものを用いて円筒形の加湿構造体を作製した。20mmのものは厚みが大きく、一般的な家庭用加湿装置に備えられているファンの力では充分な空気を流すことができないため、15mm以下がよい。また、5mm以下の場合は厚みが小さく、加湿構造体としての強度が保てないだけではなく、シートの加工も困難なため、シート厚みとしては5〜15mmが適当であった。
(実施例3)
図3および図4にその正面および側面からみた概略断面図を示す加湿装置31は、中空な円筒形の加湿構造体32と送風手段としてファン33と水槽34を備えてなり、ファン33と加湿構造体32の間に空気加熱手段としてヒーター35を配している。加湿構造32は、その下方の一部が水槽34の水36に接触するように配置されている。加湿構造体32は軸37を中心として、モーター38によって回転しながら加湿構造体32の全体に水が行き渡る仕組みとなっている。ファン33によって加湿装置31に取り入れられた空気はヒーター35で約50℃まで温められ、加湿構造体32の円周側面から中空部を通過して円周面の反対側へ抜けていき、加湿空気を室内に供給することができる。水槽34内の水36は、加湿構造体32に吸い上げられて減少するが、水タンク39から水を補給することによって加湿運転を継続することができる。水36に含まれるカルシウム、マグネシウムイオンは加湿構造体32に担持されているNa−X型ゼオライトのイオン交換作用によって除去されるため、加湿構造体32および水槽34内にこれらの不溶性の炭酸塩や水酸化物は析出しない。
水タンク39内に水がなくなると加湿ができなくなるが、水タンク39は着脱自在となっているため、水道水をいれて再度加湿運転を行うことができる。このように加湿運転を続けた場合、Na−X型ゼオライトのイオン交換作用は徐々に弱くなっていく。収納ケース40に食塩NaClをいれ、イオン交換作用が低下した時点で食塩を水中に投入すれば、食塩が溶解して生成する高濃度のNaイオンの作用によってCa、Mgで飽和されていたX型ゼオライトのイオン交換サイトを置換して、Na型ゼオライトとして再生することができる。同様に収納ケース40内にクエン酸粉末を入れておき、イオン交換作用が低下した時点でクエン酸を投入すれば、Ca、Mgで飽和されていたX型ゼオライトのイオン交換サイトを置換して、H型ゼオライトとして再生することができる。また、クエン酸の場合、水槽34内の水はpH2〜4程度の酸性となるため、一度析出したスケール分を溶解させて、水槽34内を清潔に保つことができる。加湿構造体32を加湿装置31から取り外し、食塩水、あるいはクエン酸水溶液の中に浸漬して洗浄しても同様の再生効果を得ることができる。
(実施例4)
平均粒子径の異なる陽イオン交換材料を用いて、実施例2と同様の手順で加湿構造体を作成した。実施例3で説明した図3および図4に示す加湿装置に組み込み、20℃、湿度30%に制御された室内で加湿運転した際の、陽イオン交換材料の平均粒子径と加湿量の関係を図5に示す。平均粒子径が大きくなるに従って加湿量が増加していき4〜15μm付近で最大の加湿量が得られる。それ以上の粒子径では、なだらかな曲線を描きながら徐々に加湿量は低下していくことがわかる。150μm以上の粒子では発泡体への十分な接着強度を得ることができず、加湿構造体の作成が困難であるため実用には適さなかった。
本発明の加湿装置では、水中からのスケールの析出を抑制し、長期間にわたって加湿能力を維持することができる簡易な構造の加湿装置を提供することができ、家庭用・業務用加湿装置としての用途が期待できる。
本発明の発明を実施するための最良の形態の加湿装置の概略断面図 同加湿構造体の外観と概略断面図 同実施例3の加湿装置の正面からみた概略断面図 同実施例3の加湿装置の側面からみた概略断面図 同実施例4の加湿装置の陽イオン交換材料の粒子径と加湿量の関係を示すグラフ 従来例の加湿装置の概略断面図
符号の説明
11 加湿装置
12 加湿構造体
13 送風手段
14 水供給手段
15 乾燥空気
16 水
17 高湿度な空気
18 加熱手段
19 給水口
21 加湿構造体
22 発泡体基材
23 陽イオン交換材料
24 外面
25 空隙
31 加湿装置
32 加湿構造体
33 ファン
34 水槽
35 ヒーター
36 水
37 軸
38 モーター
39 水タンク
40 収納ケース
101 加湿装置
102 加湿フィルタ
103 水槽
104 水
105 送風手段

Claims (17)

  1. 発泡体基材に陽イオン交換材料を担持して成る加湿構造体と送風手段と水供給手段とからなる加湿装置。
  2. 発泡体基材に陽イオン交換材料を担持して成る加湿構造体が、水供給手段から得た水を気化させることを特徴とした加湿装置。
  3. 陽イオン交換材料が、H+、K+、Na+から選ばれるいずれか一つ以上の陽イオンを含むことを特徴とする請求項1または2記載の加湿装置。
  4. 粒子径2μm〜150μmの陽イオン交換材料を担持して、発泡体基材表面に微細な凹凸を設けたことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の加湿装置。
  5. 陽イオン交換材料がゼオライトであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の加湿装置。
  6. 陽イオン交換材料が、一般式−SO3M、−COOM(Mは陽イオン)で示される少なくとも1つの官能基を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の加湿装置。
  7. 発泡体基材がウレタンであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の加湿装置。
  8. 陽イオン交換材料をシリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、シリケート化合物あるいはチタネート化合物の中から選ばれる少なくとも一種類以上を含むバインダーで発泡体基材に固定化したことを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の加湿装置。
  9. 加湿構造体の前段に空気加熱手段を備えた請求項1乃至8いずれかに記載の加湿装置。
  10. 水供給手段の給水口が加湿構造体の上部に配置され、加湿構造体に水を給水することを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の加湿装置。
  11. 水を保持する水槽を加湿構造体の下部に設けたことを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の加湿装置。
  12. 発泡体基材の発泡密度が17セル/25mm以下で、厚さが5〜30mmであることを特徴とした請求項1乃至11いずれかに記載の加湿装置。
  13. 加湿構造体が円筒形であることを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の加湿装置。
  14. 円筒形の加湿構造体が円筒の中心を水平な軸として回転し、加湿構造体の少なくとも一部が水槽の水と接触していることを特徴とする請求項13記載の加湿装置。
  15. 運転停止時に、送風手段の風量を低下させながら空気加熱手段を運転し、加湿構造体を乾燥させることを特徴とする請求項9乃至14いずれかに記載の加湿装置。
  16. イオン交換材料の再生または付着したスケールの溶解が可能な希酸および/またはその塩類を貯蔵する収納ケースを設けたことを特徴とする請求項1乃至15いずれかに記載の加湿装置。
  17. 希酸を用いて請求項1乃至16いずれかに記載の加湿構造体を洗浄することを特徴とする加湿構造体の再生方法。
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