JP5652127B2 - 蒸発板 - Google Patents
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Description
空気を加湿する方法としては、
(1)熱源により水を加熱して蒸発させる方法、
(2)超音波などで微細な水滴を形成し、噴霧する方法、
(3)多孔性の不織布などに水を染込ませ、空気をその沿面を通過させることで水を蒸発させる方法
などが知られている。これらの手法は、一長一短があり、目的に応じて、選択し利用されている。
そのうち、(3)の方法は、気化式と呼ばれる加湿方法で、例えば特許文献1に示される。この方式は、加熱の熱源や超音波振動を加える電源も要らないことから、省エネルギーであり、空気清浄の効果もあることから、様々な分野で利用されている。
また、穴が開いていることにより、平面での伝播経路が狭くなり、供給水を速やかに平面内に広げることができる。
さらに、蒸発板は金属により形成されているので、樹脂素材を用いた不織布などと比較し、熱伝導が良いため、均熱性が良い。このため、気化熱による部分的な温度低下などがなく、全面的に均一な蒸発が得られる。
穴が開いていることと、穴の周縁部の気孔率が低いこととの相乗作用により、この蒸発板は、蒸発させるための多くの量の水を安定的に蒸発界面に供給して、全面から均一かつ速やかに蒸発させることができる。
この場合、プレス成形等によって穴の周縁部を押圧して薄く形成することにより、その他の部分と比べて穴の周縁部の気孔率を低く形成することができる。
また、前記穴部分は、表面全体に対する面積比率が10〜40%であるとよく、前記穴の面積は、10mm2以上80mm2以下に形成されているとよい。
第1実施形態の蒸発板1は、後述する多孔質金属板Mによって形成されており、図1に示すように、この例では平面視円形の複数の穴2が形成されている。
多孔質金属板Mの気孔率は70〜90%である。この場合、穴2の面積は単体で10mm2以上80mm2以下に形成されており、蒸発板1に形成される穴2全体では、蒸発板1の表面全体に対する面積比率が10〜40%とされる。
金属粉末、バインダ、可塑剤、界面活性剤、発泡剤を溶媒の水とともに混練してスラリーを作製し、そのスラリーをドクターブレード法等により板状に成形し、脱脂、焼結することにより、多孔質金属体を作製する。
成形装置20は、ドクターブレード法を用いてシートを形成する装置であり、発泡性スラリーSが貯留されるホッパ21、ホッパ21から供給された発泡性スラリーSを移送するキャリヤシート22、キャリヤシート22を支持するローラ23、キャリヤシート22上の発泡性スラリーSを所定厚さに成形するブレード(ドクターブレード)24、発泡性スラリーSを発泡させる恒温・高湿度槽25、および発泡したスラリーを乾燥させる乾燥槽26を備えている。なお、キャリヤシート22の下面は、支持プレート27によって支えられている。
成形装置20においては、まず、発泡性スラリーSをホッパ21に投入しておき、このホッパ21から発泡性スラリーSをキャリヤシート22上に供給する。キャリヤシート22は図の右方向へ回転するローラ23および支持プレート27によって支持されており、その上面が図の右方向へと移動している。キャリヤシート22上に供給された発泡性スラリーSは、キャリヤシート22とともに移動しながらブレード24によって薄板状に成形される。
このようにして得られたグリーンシートGを脱脂・焼結することにより、薄板状の多孔質金属板Mを形成する。具体的には、例えば真空中、温度550℃〜650℃、25分〜35分の条件下でグリーンシートG中のバインダ(水溶性樹脂結合剤)を除去(脱脂)した後、さらに真空中、温度700℃〜1300℃、60分〜120分の条件下で焼結する。
このようにして得られる多孔質金属板Mは、図2に示すように、連続した骨格31により形成される空孔32が連通した三次元網目状構造を有しており、気孔率が例えば70%〜90%とされる。
多孔質金属板Mを圧延により厚さ調整後、レーザー加工又はウォータージェット加工等により穴あけ加工を施して円形状の穴2を複数形成し、蒸発板1とする。この際、図2(b)に示すように、穴2の切断面は、ほぼ垂直に形成される。
また、蒸発板1は金属により形成されているので、樹脂素材を用いた不織布などと比較し、熱伝導が良く、均熱性が良い。このため、気化熱による部分的な温度低下などがなく、全面的に均一な蒸発が得られる。
これらの相乗作用により、蒸発板1は、蒸発させるための多くの量の水を安定的に蒸発界面に供給して、全面から均一かつ速やかに蒸発させることができる。
このように、蒸発板13は、穴63の周縁部と比べて、その他の部分の気孔率が高く、多孔質金属板の多くの空孔によって水の保持能力が高い。一方、穴63の周縁部は、気孔率が低く空孔が少ないために毛細管力が大きい。このことから、穴63の周縁部以外の高気孔率部4aで多くの水を含ませた状態に保持し、低気孔率部4bである穴63の周縁部で面方向に水を移送しながら、全面から均一に速やかに蒸発させることができる。
穴63の周縁部は、気孔率が低く密であることから、蒸発量の多い周縁部に速やかに水が供給され、水の供給律速になることを防止でき、蒸発量が変化した場合でも安定した蒸発を行うことが可能となる。
この場合、プレス成形により圧縮された部分の凹部40は、気孔率が50%〜80%の低気孔率部4bとなり、その他の部分は、プレス工程前の多孔質金属板Mと同じ70%〜90%の気孔率の高気孔率部4aとなる。
この場合も、第2実施形態の蒸発板13と同様に、穴64の周縁部以外の高気孔率部4aで多くの水を含ませた状態に保持し、低気孔率部4bである穴64の周縁部(凹部40)で面方向に水を移送しながら、全面から均一に速やかに蒸発させることができる。
また、第4実施形態では、先に凹部を加工してから穴を形成していたが、先に穴を形成してから凹部を加工する順序としてもよい。
まず、スラリー発泡法により、平均粒径20μmのSUS304ステンレス鋼の組成を持つ合金粉末を水アトマイズ法により作製し、結着剤としてポリビニルアルコールと、可塑剤としてグリセリンと、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩と、発泡剤としてヘプタンとを、溶媒の水とともに混練することにより、スラリーを作製した。そのスラリーを板状に成形し、脱脂、焼結にすることにより、多孔質金属板を得た。
このとき多孔質金属板の表面を顕微鏡で観察したところ、平均の孔径は約50μmであった。
この多孔質金属板を圧延機で厚さを2mmとし、外形を72mm×72mmにカットした。そして、この多孔質金属板に、炭酸ガスレーザー加工機により、直径6mmの穴を加工した。形成された穴の多孔質金属板の表面全体に占める面積は30%であった。
(実施例2)
実施例1と同様に、厚さ2mmの外形を72mm×72mmにカットした多孔質金属板を用い、この多孔質金属板を、炭酸ガスレーザー加工機により、8mm×8mm角の穴を加工した。形成された穴の多孔質金属板の表面全体に占める面積は20%であった。
(比較例)
実施例1及び実施例2と同様にスラリー発泡法により作製した厚さ2mm、外形72mm×72mmの凹凸のない平坦な板のままの多孔質金属板を用いた。
蒸発量の評価方法は以下の通りとした。すなわち、図8に示すように、蒸発板51(多孔質金属板)を水受け皿52の上に配置し、蒸発板51の端部中央に、定量ポンプ53を用いて5ml/minの純水を滴下した。実験室内の環境は、気温25℃、湿度30%とした。そして、水平方向から送風機54を用いて、一定の風量を送風した。
この時、滴下開始から蒸発板の全面に水が行き渡る時間を目視により観察した。評価は、全面に水が行き渡る時間が滴下開始から90秒以内を◎、90秒〜180秒を○、180秒以上かかったものを×とした。
また、蒸発量(g/cm2・min)を
(定量ポンプの水量(g)−水受け皿の水量(g))/(金属多孔質板の面積(cm2)・滴下時間(min))
の式により求めた。
結果を表1に示す。
実施例1、2と同様の製造方法により、成形の塗工厚さと発泡剤の量を調整して、各種気孔率の板厚2mm、72mm×72mmの多孔質金属板を作製した。そして、打ち抜き加工によって、多孔質金属板に穴を形成し、図5及び図6に示す第3実施形態に相当する蒸発板を作製した。さらに抜き型を変更して各種の蒸発板を作製し、実施例1、2と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1、2と同様の手法で、下記の表3に示す異なる気孔率の厚さ2mm、72mm×72mmのチタン製多孔質金属板を製造した。このチタン製多孔質金属板に、プレス加工により凹部を形成した後、打ち抜き加工を施して穴を形成し、図7に示す第4実施形態に相当する蒸発板を作製した。
ちなみに、このとき多孔質金属板の表面を顕微鏡で観察したところ、平均の気孔径は約300μmであった。
2,62,63,64 穴
4a 高気孔率部
4b 低気孔率部
M 金属多孔質板
20 成形装置
21 ホッパ
22 キャリヤシート
23 ローラ
24 ブレード
25 恒温・高湿度槽
26 乾燥層
27 支持プレート
31 骨格
32 空孔
40 凹部
52 水受け皿
53 定量ポンプ
54 送風機
Claims (4)
- 連続した骨格により形成される空孔が連通した三次元網目状構造を有する多孔質金属板からなり、その空孔内に加湿用の水を含んで保持することができる蒸発板であって、板厚方向に穴が開口しており、前記穴の周縁部は、その他の部分と比べて気孔率が低くかつ厚さが薄く形成されていることを特徴とする蒸発板。
- 前記その他の部分の気孔率が70〜90%であり、前記穴の周縁部は気孔率が50〜80%であることを特徴とする請求項1記載の蒸発板。
- 前記穴部分は、表面全体に対する面積比率が10〜40%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸発板。
- 前記穴の面積は、10mm2以上80mm2以下に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の蒸発板。
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