JP3282497B2 - 多孔質焼結体用乾燥成形体の製造方法および製造装置 - Google Patents

多孔質焼結体用乾燥成形体の製造方法および製造装置

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JP3282497B2
JP3282497B2 JP12432496A JP12432496A JP3282497B2 JP 3282497 B2 JP3282497 B2 JP 3282497B2 JP 12432496 A JP12432496 A JP 12432496A JP 12432496 A JP12432496 A JP 12432496A JP 3282497 B2 JP3282497 B2 JP 3282497B2
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porous sintered
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質焼結体用乾
燥成形体の製造方法および製造装置に関し、特に、例え
ばフィルター、二次電池電極の基板等に用いられるスポ
ンジ状の空隙を有する多孔質焼結金属板の製造に用いら
れる多孔質焼結金属板用乾燥成形体(グリーンシート)
の製造方法および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電池の電極、各種フィルタ
ー、触媒の担持体などには、三次元網状骨格を有する気
孔率の高い多孔質金属板が用いられている。このような
多孔質金属板の製造方法としては、従来より、導電化し
た発泡ウレタンフォームなどにメッキを施した後、焼成
する方法(特開平4−002759号公報)、接着剤を
塗着した発泡ウレタンフォーム等に金属粉末を付着させ
た後、焼成する方法(特開平3−188203号公
報)、微細水溶性結晶体を充填した容器内に低融点金属
を加圧注入して凝固させた後、水溶性結晶体を水洗して
除去することによって空隙を形成する方法(特開昭59
−001651号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メッキ
や洗い流す方法では、金属組成の自由度がなく、用途が
限定される。また、樹脂フォームにメッキや金属粉末を
付着させる方法では、骨格に樹脂が消失した中空が生
じ、有効な空間体積が不十分である。更に、従来方法で
は、100μmより小さい孔径の多孔質構造が得にく
く、比表面積が小さいという問題がある。
【0004】本出願人らは、金属組成の自由度が大き
く、かつ比表面積が大きい多孔質焼結金属板を得る方法
として、金属粉末を含有する発泡性スラリーを調製し、
これを成形、乾燥、焼成することでなる製造方法を先に
開発した。しかしながら、このように発泡性スラリーを
成形後、乾燥、焼成することで多孔質焼結体を得る方法
において、乾燥と同時に該スラリー成形体の発泡が行な
われると、成形体表層部が先に乾燥して、発泡が不均一
となったり、成形体表層部に亀裂が生じたりする場合が
あり問題であった。
【0005】従って本発明は、多孔質焼結体用の乾燥成
形体を得るにおいて、該乾燥成形体内部における均一な
発泡をもたらすことのできる製造方法および製造装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の多孔質焼結体用乾燥成形体の製造方法は、
少なくとも無機粉末、発泡剤および液状媒体を含有する
発泡性スラリーを搬送体上に所定形状に展開し、加湿源
からの加湿により高湿条件にて乾燥させない状態でこの
発泡性スラリー中に含まれる発泡剤を発泡させ、その後
乾燥させて、乾燥成形体を得ることを特徴とするもので
ある。
【0007】
【0008】さらに本発明においては、所定形状に展開
する際に該発泡性スラリーを収容しておく開放チャンバ
において、該チャンバ内に保持された該発泡性スラリー
の表面部に対し、液状媒体を噴霧することが好ましい。
また上記目的を達成するために、本発明の多孔質焼結体
用乾燥成形体の製造装置は、少なくとも無機粉末、発泡
剤および液状媒体を含有する発泡性スラリーを調製する
スラリー調製手段と、前記スラリー調整手段より供給さ
れる前記発泡性スラリーを所定形状に成形する成形手段
と、前記所定形状に成形された発泡性スラリーの成形体
を連続的に後工程へ搬送する搬送手段と、加湿源を備
え、前記所定形状に成形された発泡性スラリー成形体を
当該加湿源からの加湿により高湿条件にて乾燥させない
状態で発泡させる発泡手段と、前記所定形状に成形され
た発泡性スラリー成形体を乾燥する乾燥手段とを有する
ことを特徴とする。
【0009】本発明の製造装置において、前記発泡手段
が、前記搬送手段の搬送路を囲繞する、搬送入口および
搬送出口を備えた炉体内に、前記加湿源としての水温調
節ヒータを備えた水槽と、前記炉体内の搬送路に沿っ
て設けられた成形体加熱ヒータと、炉体内壁面に設け
られた結露防止ヒーターとを有してなるものであること
が好ましい。
【0010】さらに本発明の製造装置において、前記ス
ラリー調製手段と前記成形手段との間に、前記スラリー
調製手段より供給される前記発泡性スラリーを収容する
開放チャンバ部を備えてなり、このチャンバ部が、該チ
ャンバ内に保持された該発泡性スラリーの表面部に対
し、液状媒体を噴霧する手段を備えてなるものであるこ
とが好ましい。
【0011】本発明の製造方法および製造装置において
は、発泡性スラリーの成形工程と乾燥工程との間に発泡
工程を設け、この発泡工程において加湿源からの加湿に
より高湿度条件下にて乾燥させない状態で発泡性スラリ
ー中に含まれる発泡剤の発泡を行なうため、発泡時にお
いて成形体に局部的な乾燥が生じることがなく、成形体
全体のスラリー粘度が均一に保たれ、成形体全体に均一
な発泡が生じるものである。
【0012】本発明の製造方法および製造装置におい
て、発泡性スラリーを所定形状に展開する成形手段は、
ドクターブレードを有する手段であることが好ましい。
なお、図1は、本発明に係る高湿度条件下においての発
泡状況を模式的に示す図面である。発泡性スラリーが所
定形状、例えば板状に展開されて成形体2aとされた
(図1(a))後、発泡工程においてスラリー中に含ま
れる発泡剤がガスを発生して成形体2a中に気泡3が生
じる(図1(b)〜(c))が、発泡工程が高湿度条件
下において行なわれるため成形体2a全体におけるスラ
リー粘度が均一であり、気泡3は成形体全体において均
一に成長し、成形体全体が均一な発泡構造を有する発泡
成形体2bとなるものである(図1(d))。なお、発
泡工程が高湿度条件下において行なわれるため、発泡成
形体1b表面に亀裂等の不具合が発生することもない
(図1(e))。
【0013】一方、図2は、発泡性スラリーを成形後、
そのまま乾燥させるないしは低湿度条件下で発泡させた
場合における発泡状況を模式的に示す図面であるが、こ
のように低湿度条件下において発泡が行なわれると、発
泡性スラリーが所定形状に展開されて成形体2aとされ
た(図2(a))後、前記と同様に発泡工程においてス
ラリー中に含まれる発泡剤がガスを発生して成形体2a
中に気泡3が生じる(図2(b)〜(c))が、低湿度
条件下であるために成形体2aの表層部が先に乾燥し、
成形体2aにおけるスラリー粘度が不均一となり、気泡
3が成形体において不均一に成長し、不均一な発泡構造
を有する発泡成形体2bとなるものである(図2
(d))。さらに、発泡成形体2b表面には亀裂4等の
不具合が発生しやすくなる(図2(e))。本発明の製
造方法および製造装置の好ましい態様においては、発泡
性スラリーを所定形状に展開する際に該発泡性スラリー
を収容しておく開放チャンバにおいて、該チャンバ内に
保持された該発泡性スラリーの表面部に対し、液状媒体
を噴霧するが、これは以下のような理由による。すなわ
ち、該チャンバはスラリー調製手段より供給された発泡
性スラリーに巻き込まれた空気泡を大気中へと逃すこと
で脱泡を行ない得るものであるため有効なものである
が、該チャンバ内に保持された該発泡性スラリーの表面
部が乾燥してしまうため、図3に示すように、次に該チ
ャンバへと発泡性スラリーSが補給された際に、元々の
スラリー界面Ssuに伴なわれて空気気泡Bがスラリー層
内部へ巻込まれてしまう。発泡性スラリーの成形体にこ
のような空気気泡が包含されてしまうと、発泡性スラリ
ー中に含まれていた発泡剤の発泡により本来的に形成さ
れる気泡とは異なる大きさの気泡が存在することとな
り、成形体が不均一な気泡構造を生じてしまう。前記チ
ャンバ内に保持された該発泡性スラリーの表面部に対
し、液状媒体を噴霧しておけば、チャンバ内に保持され
たスラリー表面が乾燥してしまうことがなく、上記した
ような空気気泡の巻込みに帰因する成形体の気泡構造の
不均一化が防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き具体的に説明する。図4は本発明の実施の形態である
多孔質焼結金属板用グリーンシートの製造装置を示す断
面図、図5は同実施形態に係る発泡装置を示す要部断面
図、図6は本発明の別の実施の形態に係るスラリーチャ
ンバの構成を模式的に示す断面図、図7は本発明の他の
実施の形態に係る2枚刃のドクターブレードを示す要部
断面図、図8は、本発明に係る多孔質焼結金属板の製造
工程を示すフローチャート、図9は本発明の製造装置に
より得られた多孔質焼結金属の発泡構造の例を示す概略
断面図である。
【0015】第1実施形態 図4に示すように、本実施の形態である多孔質焼結金属
板用グリーンシートの製造装置は、スチールベルト製の
キャリアーシート1が掛け渡された第1ロール61及び
第2ロール62とを有する。これら第1ロール61と第
2ロール62との間を搬送するキャリアシート1がいわ
ばベルトコンベヤー(搬送手段)の働きをする。そし
て、第1ロール61側から第2ロール62側へ、順に離
型剤塗布装置11、スラリー溜31、スラリー成形用ド
クターブレード32、発泡用高温高湿装置41、乾燥機
51が設けられている。
【0016】離型剤塗布装置11は、第1ロール61側
から順に離型剤溜12、離型剤塗布用ドクターブレード
13、離型剤乾燥機14を有している。離型剤溜12
は、第1ロール61近傍のキャリアシートの上面に接し
て四角箱状であり、この離型剤溜12のキャリアシート
進行方向側の壁は、キャリアシートと調整可能な間隙を
持って離間するドクターブレード13が設けられ、離型
剤Rの塗膜の厚さは、このドクターブレード13とキャ
リアシート1との間の間隙で調整される。離型剤溜12
に、例えばフッ素樹脂分散液等の調製した離型剤Rを入
れ、キャリアーシート1を搬送させると、離型剤Rは、
ドクターブレード13とキャリアシート1の間隙から押
し出されて所定の厚さを持った塗膜に成形され、この塗
膜はキャリアシート1に運ばれて次の離型剤乾燥機14
に移動する。
【0017】離型剤乾燥機14は、前工程でキャリアシ
ート1上に形成された離型剤塗膜を乾燥固化させるもの
であり、例えば、温風乾燥機、遠赤外線乾燥機などを用
いることができる。このようにして形成された離型剤塗
膜は、多孔質焼結金属板のキャリアテープとして用いら
れ、焼結時に同時に焼くことにより消失させることがで
きる。また、離型剤塗膜同士を積層させることにも用い
られる。このように離型剤塗膜を形成するのは、後述す
る脆い乾燥成形体2Cの取扱を容易にするためである。
【0018】図4に示すスラリー溜31は、搬送方向下
流側において前記離型剤乾燥機14近傍のキャリアシー
トの上面に接して四角箱状であり、このスラリー溜31
のキャリアシート進行方向側の壁は、キャリアシートと
調整可能な間隙を持って離間するドクターブレード32
が設けられ、成形体2Aの厚さは、このドクターブレー
ド32とキャリアシート1との間の間隙で調整される。
スラリー溜31に調製した発泡性スラリーSを入れ、キ
ャリアーシート1を搬送させると、発泡性スラリーS
は、ドクターブレード32とキャリアシート1の間隙か
ら押し出されて所定の厚さを持った板状成形体1Aに成
形され、この板状成形体1Aはキャリアシート1に運ば
れて次の発泡用高温高湿装置41に移動する。
【0019】スラリー溜31の上部には、当該スラリー
溜31に供給される発泡性スラリーSを調製するための
発泡性スラリー混合機21が設けられている。この発泡
性スラリー混合機21には、発泡剤含有溶液貯槽22
と、金属粉含有スラリー貯槽23と、これら双方から供
給された原料を混練し発泡性スラリーSを調製するため
の混練機24を備えている。発泡性スラリーを構成する
成分を二液に分割し、その二液を、ドクターブレードに
供給する直前に混合することによって、発泡剤の揮発を
可及的に防止することができる。
【0020】なお、スラリー溜31としては、図6に示
すような、貯溜されたスラリーS表面Ssuに対し、液状
媒体Mを噴霧する加湿器71を備えたものを用いること
が好ましい。これは、液状媒体を噴霧することにより、
貯溜されたスラリーS表面Ssuの乾燥を防ぎ、新たにス
ラリーSが前記発泡性スラリー混合機21より補給され
た際に、元々のスラリー表面Ssuに伴なってスラリー層
内部へ空気気泡が巻き込まれないようにするためであ
る。なお液状媒体の噴霧は、スラリー表面Ssuの乾燥が
防止できる限り、断続的に行なってもあるいは連続的に
行なってもよい。
【0021】また、ドクターブレード32として、図7
に示すような、二枚刃のブレード32A,32Bを用い
ることがより好ましい。これは、2枚の刃32A,32
Bの間隙から大きい泡が除かれ、2枚目のブレード32
Bとキャリアシート1との間隙から押し出されてくる板
状成形体2Aに大きな泡が入らないこと、発泡性スラリ
ーSの液面の高低に拘わらず成形体2Aの厚さを均一に
できるからである。この場合、キャリアシート1下流側
の1枚目の第1ブレード32Aの刃先とキャリアシート
との間隙G1は、第2ブレード32Bの刃先のキャリア
シートとの間隙G2より大きくすることがより好まし
い。また、第1ブレード32Aと第2ブレード32Bの
隙間Dは、例えば5〜20mm程度とすることがより好
ましい。更に、第2ブレード32Bのキャリアシート1
との間隙G2は、0.2〜2mmの範囲が適当である。
【0022】発泡用高温高湿装置41が設けられた発泡
ゾーンは、成形体2Aを乾燥させる前に、十分に発泡を
完了させる工程である。成形直後に乾燥させると、成形
体2Aの表面が先に乾燥されて表皮が生じた状態にな
り、成形体2A内部の発泡や水分の蒸発が妨げられて、
発泡が不均一になる場合がある。このため、成形工程と
乾燥工程の間に、発泡工程を設けることが好ましい。
【0023】発泡の条件は、発泡と同時に乾燥させる
と、成形体表面に亀裂が生じやすいので、発泡中はでき
る限り乾燥を防止するため、高湿度の雰囲気下で行うこ
とが好ましい。具体的には、例えばスラリー粘性が35
000cps以上の時、湿度は70%以上、好ましくは
湿度は80%以上である。湿度が70%より低いと、成
形体内部で発泡が均一に進行しなかったり、乾燥時に成
形体表面に割れが入るおそれがある。発泡温度は、使用
する発泡剤によっても左右されるが、通常、15〜65
℃、特に28〜40℃の範囲が好ましい。発泡温度が1
5℃より低いと、発泡に例えば2時間以上かかる場合が
あり、65℃を超えると成形体が発泡しすぎて成形体が
崩壊する場合がある。発泡時間は、通常10〜45分の
範囲である。
【0024】なお、この高温高湿装置41としては、例
えば図5に示すような構造を有するものが好ましい。図
5に示す高温高湿装置は、前記キャリアシート1の搬送
路を囲繞し、キャリアシート1の上方および下方に至る
閉塞空間を形成する矩形の炉体46を有する。この炉体
46の第1ロール61側壁面には、キャリアシート1の
搬送入口47が設けられ、一方第2ロール側壁面には、
搬送出口48が設けられている。そしてこの炉体46の
略中央部を通過するキャリアシート1の搬送路より下方
側の空間49Aは水槽として機能し、該空間には加湿源
として所定量の水が収容されている。なお、この空間4
9A底部には水温調節ヒーター43が備えられており、
収容された水45を加熱して炉内雰囲気を所定の湿度に
保てるようにしている。なお、この空間49Aには収容
された水を攪拌させて温度の均一化を図るための攪拌機
構を備えていることが望ましい。一方、炉体46の内部
におけるキャリアシート1の搬送路より上方側の空間4
9Bの壁面には、プレートヒーター42が配置してあ
り、壁面における水の凝結を防止すると共に、雰囲気温
度を所定温度に保つことを補助している。さらに、前記
キャリアシート1の搬送路直下には、搬送路に沿ってプ
レートヒーター44が配してあり、主としてこのヒータ
44によって、キャリアシート1上に成形されたスラリ
ー成形体2Aを所定温度に加熱して成形体の発泡を促進
する構成とされている。なお、前記水温調節ヒータ42
としては、例えばニクロム線シースヒーターが、またヒ
ーター43,44としては例えばカーボンプレートヒー
ターが用いられ得る。
【0025】発泡用高温高湿装置41により発泡した発
泡成形体2Bは、乾燥機51が設けられた乾燥ゾーンに
搬送され、ここで乾燥される。乾燥前の気泡は、水膜が
存在することによって維持されている。このとき、スラ
リーは気泡と気泡との界面に凝集し、骨格構造(発泡体
構造)を形成する。そのままの状態で水膜が割れると骨
格を形成しているスラリーが流動し、骨格構造が崩壊し
てしまう。そのような崩壊が起こらないように乾燥すれ
ば、発泡体構造の成形体を得ることができる。できる限
り骨格構造の崩壊を生じさせないように乾燥するために
は、速やかに乾燥させる。これには遠赤外線乾燥が適し
ている。また、スラリー中の水分がほんの少し蒸発する
と粘性が著しく増大するようなスラリー組成としておく
ことが好ましい。
【0026】乾燥機51の具体的な条件は、例えば遠赤
外線ヒータ52を用い、ヒーター温度120〜180
℃、雰囲気温度40〜80℃、乾燥時間20〜120分
の条件を採用することができる。これにより、板状の乾
燥成形体2Cを得ることができる。この乾燥成形体2C
の厚さは、発泡により、通常、図7中G2の高さの3〜
8倍の厚さになる。図4に示した本実施の形態である多
孔質焼結金属板用グリーンシートの製造装置では、乾燥
成形体2Cを乗せたキャリアシート1を第2ロール62
部位において下側直角方向に折曲させながら搬送させる
ことで、乾燥成形体(グリーン体)2Cとキャリアシー
ト1とを分離している。続いて乾燥成形体2Cは、必要
に応じて所定の長さ毎に切断され、次の焼成工程に送ら
れる。
【0027】なお、説明では、成形工程、発泡工程及び
乾燥工程を別個の装置で行う例を説明したが、これらの
工程を連続した一つの装置を用いても良い。次に本発明
の多孔質焼結体用乾燥成形体の製造装置を用いて多孔質
焼結金属板を製造する手順を説明する。
【0028】本発明に係る多孔質焼結金属板の製造方法
では、図8のフローチャートに示すように、発泡性スラ
リー調製工程、成形工程、発泡工程、乾燥工程、脱脂工
程、焼結工程により製造することができる。本発明に係
る多孔質焼結体用乾燥成形体の製造装置を用いて行われ
る多孔質焼結金属板の製造方法は、従来公知の一般的方
法とは全く異なり、金属粉末を含有する発泡性スラリー
をスラリー調整手段で調製し、これをドクターブレード
で板状に成形し、この板状成形体を搬送手段で連続的に
後工程へ搬送しながら、発泡手段で発泡させた後、乾燥
手段で乾燥させ、最後に、この板状成形体を焼成するこ
とにより多孔質焼結金属板を得る。
【0029】金属粉末は、発泡性スラリー中で微細な気
泡を構成する薄い液体壁に集まる。そして、これを乾燥
すると、水溶性樹脂結合剤(バインダー)と共に気泡の
形状を維持しながら固化する。これを焼成すると、結合
剤が消失すると共に、金属粉末同士が焼結し、気泡形状
を持った発泡状の三次元網状構造を有する多孔質焼結金
属板が得られる。
【0030】従って、本発明で用いることができる金属
粉末としては、粉末化及び焼結可能な全ての金属が使用
可能であるので、多種類のものを選定できると共に、多
種類の金属を混合することも可能であり、組成の自由度
は非常に高い。また、多孔質焼結金属板を構成する三次
元網状構造体は、金属粉末が焼結したものであるので、
骨格自体が多孔性であり、このため、比表面積は非常に
大きいものとなる。
【0031】まず、発泡性スラリーの調製は、例えば金
属粉末、発泡剤、および液状媒体としての水、さらに水
溶性樹脂結合剤、界面活性剤等を含有するスラリーを発
泡性スラリー混合機21にて調製する。ここで、金属粉
末の種類には限定はなく、例えばニッケル、銅、鉄、S
US、クロム、コバルト、金、銀等の焼結する金属及び
合金全てが使用可能である。金属粉末の粒径は、平均粒
径が500μm以下、特に0.5〜100μmの範囲が
好ましい。平均粒径が0.5μmより小さいと、スラリ
ー調整時に水と反応して着火するおそれがあり、一方、
平均粒径が500μmより大きいと、できあがる多孔質
焼結金属板の強度が弱くなりすぎる場合がある。金属粉
末のスラリー中における配合量は、5〜80%(重量
%、以下同様)、特に30〜80%の範囲が望ましい。
【0032】発泡剤は、ガスを発生して気泡を形成する
ことができればよく、一定の温度で分解してガスを発生
する化合物や、揮発性の有機溶剤などを選択することが
できる。揮発性の有機溶剤としては、例えば炭素数5〜
8の炭化水素系有機溶剤を挙げることができる。このよ
うな有機溶剤は常温で液体であり、揮発性で、スラリー
中においては界面活性剤の作用でミセルを形成し、常温
又は加熱下で気化して微細な気泡を形成する。炭素数5
〜8の炭化水素系有機溶剤としては、例えばペンタン、
ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、イソヘプタ
ン、ベンゼン、オクタン、トルエン等を挙げることがで
きる。発泡剤の配合量は、0.05〜10%、特に0.
5〜5%の範囲が好ましい。0.05%より少ない配合
量では、気泡の発生が不十分になり、気孔率が高くなら
ない場合があり、一方、10%より配合量を多くする
と、ミセルが大径化し、これに伴い成形体中に形成され
る気泡も大径化するため、得られる成形体及び焼結体の
強度が低下する場合がある。なお、発泡剤を使用する代
わりに、空気などの気体を激しく混合させる方法によっ
て、発泡性スラリーを調整することも可能である。
【0033】スラリー調製に用いられる液状媒体として
は、高温加熱により大気中に揮散でき、かつ少なくとも
前記発泡剤よりも低揮発性で高沸点の、常温で液状を呈
するものであれば特に限定されるものではないが、コス
ト面、安全性等の観点から通常は水が用いられる。
【0034】水溶性樹脂結合剤は、スラリーを乾燥させ
たときに多孔質成形体の形状を保持させる働きを有す
る。また、スラリーの粘度調整剤としても機能する。水
溶性樹脂結合剤としては、メチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、エチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール等を例示すること
ができる。水溶性樹脂結合剤の配合量は、0.5〜20
%、特に2〜10%の範囲が好ましい。0.5%より配
合量が少ないと、乾燥成形体の強度が弱く、ハンドリン
グに差し支える場合があり、一方、20%より多いと、
粘度が高くなりすぎて成形が困難になる場合がある。
【0035】界面活性剤は、発泡状態を安定化し、発泡
剤のミセルを形成する作用があり、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アル
カンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリエチ
レングリコール誘導体、多価アルコール誘導体等の非イ
オン系界面活性剤等を例示することができる。界面活性
剤の配合量は、0.05〜5%、特に0.5〜3%の範
囲が好ましい。0.05%より配合量が少ないとミセル
の形成が不安定となり、微細な気泡を保つことが困難に
なる場合があり、一方、5%より多いとそれ以上の効果
が見られない場合がある。
【0036】本発明に係る発泡性スラリーには、以上の
成分以外に、可塑剤、気孔形成促進用可燃剤等を配合す
ることができる。可塑剤は、成形体に可塑性を付与する
ためのもので、エチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、グリセリンなどの多価アルコール、鰯油、菜種
油、オリーブ油などの油脂、石油エーテル等のエーテル
類、フタル酸ジエチル、フタル酸ジNブチル、フタル酸
ジエチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ソルビタンモ
ノオレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンパ
ルミテート、ソルビタンステアレートなどのエステル類
等を例示することができる。可塑剤の種類に応じて図9
に示すような異なる多孔質構造の多孔質体が得られる。
可塑剤の配合量は、0.1〜15%、特に2〜10%の
範囲が好ましい。配合量が0.1%より少ないと、可塑
作用が不十分になる場合があり、一方、15%より多い
と、成形体の強度が不十分になる場合がある。
【0037】また、気孔形成促進用可燃剤は、乾燥成形
体の焼成時に、消失させることによって、気孔の形成を
促進するためのものである。従って、粉末、繊維状など
の形状を保ち、焼成時に消失するものを選定することが
できる。具体的には、0.1〜200μm程度の粉末状
のもの、長さが200μm以下、好ましくは30〜12
0μm程度の繊維状のものがよい。材料としては、パル
プ、綿、糸くず、コーンスターチ、カルボキシメチルセ
ルローズ、非水溶性セルロース繊維、ポリビニルブチラ
ル樹脂、ポリビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン
樹脂などを例示することができる。
【0038】本発明に係る発泡性スラリーは、上記成分
を混合することによって得ることができる。この場合、
混合順序に制限はないが、混合中はできる限り発泡を制
限するために、発泡剤は最後に混合することが好まし
い。なお、スラリーが発泡するとスラリーの粘度が低下
して成型性が悪くなるが、発泡剤を添加してからスラリ
ーが発泡するまでの時間は、発泡剤の種類、添加量、及
び温度でコントロールが可能であり、これを適度にコン
トロールし、流動性があるうちに成形することができ
る。また、スラリーの粘度は、20℃で、10000c
ps〜70000cpsの範囲、特に、30000〜5
5000cpsの範囲が好ましい。10000cpsよ
り粘度が低いと、乾燥時に発泡構造が崩壊する場合があ
り、一方、70000cpsより粘度が高いと、粘性が
大きくなりすぎて成形が困難になる場合がある。
【0039】次に、このように調製した発泡性スラリー
Sをスラリー溜31に入れ、ドクターブレード32を用
いて板状に成形するが、その前にキャリアシート1の表
面に離型剤塗膜を形成する。すなわち、キャリアーシー
ト1を搬送させると、離型剤溜12に投入された離型剤
Rは、ドクターブレード13とキャリアシート1の間隙
から押し出されて所定の厚さを持った塗膜に成形され、
この塗膜はキャリアシート1に運ばれて次の乾燥機13
に移動し、ここで乾燥固化される。
【0040】このようにして形成された離型剤塗膜上
に、発泡性スラリーSの板状成形体2Aを形成する。こ
のときキャリアシート1が板状成形体1Aのベルトコン
ベヤーの働きをし、スラリー溜31に投入された発泡性
スラリーSは、ドクターブレード32とキャリアシート
10の間隙から押し出されて所定の厚さを持った板状成
形体2Aに成形され、この板状成形体2Aはキャリアシ
ート10に運ばれて次の発泡用加熱加湿機40に移動す
る。
【0041】発泡用加熱加湿機40では、成形体2Aを
乾燥させる前に十分に発泡を完了させるとともに、発泡
中はできる限り乾燥を防止するため、高湿度の雰囲気下
で行われる。発泡用加熱加湿機40により発泡した発泡
成形体2Bは、乾燥機50が設けられた乾燥ゾーンに搬
送され、ここで乾燥されることにより乾燥成形体2Cが
得られる。
【0042】次に、乾燥成形体2Cを乗せたキャリアシ
ート1を下側直角方向に折曲させながら搬送させること
で、乾燥成形体2Cとキャリアシート1とが分離され、
続いて乾燥成形体2Cは、必要に応じてカッター等によ
り所定の長さ毎に切断され、次の焼成工程に送られる。
【0043】焼成工程は、2段階の工程とすることが好
ましい。第1段階は脱脂と呼ばれ、有機物(バインダー
等)を揮散させる工程であり、第2段階は、金属粉末を
焼結させる工程である。また、これらの工程は連続とす
ることができる。脱脂工程は、例えば空気雰囲気下ある
いは水素ガスなどの還元ガス雰囲気下で、300〜70
0℃程度の温度で10〜60分の時間焼成することがで
きる。また、焼結工程は、製造する金属の種類に応じ
て、アンモニア分解ガス雰囲気、水素ガスのような還元
性雰囲気下、あるいは真空中、さらには空気中の雰囲気
で、800〜1400℃程度の温度で20〜120分間
焼成することが好ましい。脱脂・焼結時に、体積が約2
0%収縮するので、脱脂、焼結は、グラファイト板など
の滑りのよい敷板に乗せて行うことが好ましい。焼結工
程後、スキンパス圧延などで厚さを変えても良い。
【0044】かくして表面積の大きい、三次元網状骨格
構造を有するスポンジ状の多孔質焼結金属板を得ること
ができる。多孔質焼結金属板は、図8に示すように、ス
ラリーの調製方法、発泡方法、乾燥方法、焼成方法等の
違いにより、例えば図4(A)に示すような泡一層、
(B)に示すような閉気孔構造、(C)に示すような表
面が閉口した構造、(D)に示すような表面が開口した
構造など種々の細孔構造とすることが可能である。
【0045】多孔質焼結金属板は、三次元網状骨格が金
属粉末の焼結体であるので、骨格自体が多孔質である。
このため、表面積が非常に大きく、例えばBET比表面
積が300〜1500cm2 /cm3 の範囲である。ま
た、発泡体の孔径が非常に小さく、100μm未満の孔
径を有するものを容易に得ることができ、具体的には、
平均孔径が60〜600μmの範囲のもので、気孔率が
90〜98容量%のものを製造することができる。
【0046】本発明により得られる多孔質焼結金属板
は、上記特徴を有するため、例えばアルカリ二次電池の
電極の活物質保持材、水電解電極、石油暖房機器の灯油
噴霧化部材、磁気シールドパッキン、爆薬を使用するエ
アクッションの気体膨張緩衝材、吸音材、浄化機の水電
解フィルター、空気浄化機の静電フィルター、エンジン
排ガスのオイルミストフィルター、石油ストーブなどの
燃焼機器の脱臭触媒、高温排気集塵フィルター、アルミ
ニウムを気孔中に高圧充填した複合材(CRM)の基
材、工業用触媒、坦体等の有用な用途を有する。
【0047】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、本発明の範囲内で種々に改変することができ
る。その他の実施の形態 たとえば上述した実施の形態では、多孔質焼結金属板用
乾燥成形体を製造したが、金属以外のセラミックス等の
多孔質焼結体の製造に適用することも可能であり、また
乾燥成形体の形状としても板状のもののみならず、各種
の形状のものとすることができる。
【0048】また上述した実施の形態では、発泡工程に
用いられる高温高湿装置として内部に水槽を有する構造
のものを例示したが、これ以外にも、例えば外部より加
熱加湿空気を連続的に供給される構造のものなど任意の
構造のものを用いることができる。
【0049】また上述した実施の形態では、発泡性スラ
リーの成形を行なう成形手段としてドクターブレードを
使用したが、これ以外にも押出機その他の任意の成形手
段を採用することができる。また上述した実施の形態で
は、脆い乾燥成形体2Cの取扱を容易にするために、ス
チールベルト製キャリアシート上にフッ素樹脂系離型剤
塗膜を形成したが、このような離型剤塗膜としては、フ
ッ素樹脂系のものに限られず、発泡乾燥成形体2Cの焼
成時に消失し、多孔質燒結金属の特性に影響を与えない
ものであれば各種の樹脂膜を用いることができる。この
ような樹脂膜としては、発泡性スラリーの発泡、乾燥工
程で収縮しないものであると共に、焼成時には完全に消
失するものであることが好ましい。また、キャリアシー
ト10から容易に分離することが好ましい。かかる樹脂
として、例えば、上記したフッ素樹脂以外に、ウレタン
樹脂が好適な例として挙げることができるが、このほか
にエポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル、耐熱性のある
熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、エ
チレン酢酸ビニル系樹脂などを使用することができる。
また、上記実施の形態では、離型剤塗膜を形成するため
の手段として、ドクターブレード13を用いているが、
その他の塗膜形成装置として、例えば押出成形方法など
も採用することができる。なお、塗膜を形成する工程を
省いて、上記樹脂群の樹脂フィルムを用いることもでき
る。例えば樹脂フィルムを捲回したロールなどを用い、
このロールから繰り出した樹脂フィルムに発泡性スラリ
ーを成形するようにしてもよい。
【0050】
【実施例】以下、具体的に本発明の実施例について説明
する。図4に示すような装置構成において、フッ素樹脂
分散液を離型剤(R)としてスチールベルト1に塗布し
た。
【0051】一方、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス1.5重量%、グリセリンン30.8重量%、ヘキサ
ン30.8重量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム4重量%および水残部からなる発泡剤含有溶液
(A)と、平均粒径10μmの純Ni粉62.0重量
%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2.4重量%
および水残部からなる金属粉含有スラリー(B)を、ス
ラリー混合装置21の混練機24で混合して発泡性スラ
リー(S)を調製した。
【0052】そして、ドクターブレード32を表1に示
すブレード高さの設定して上記発泡性スラリー(R)を
スチールベルト1に塗布成形し、高温高湿装置41のヒ
ーター42,43,44を所定の温度に設定して表1に
示す条件で発泡させた後、同じく表1に示す条件で遠赤
外線乾燥機51で乾燥して発泡成形体No.1〜9を製
造した。
【0053】なお、成形したスラリーの高温高湿装置4
1内での保持時間はスチールベルト1の送り速度を変え
ることによって調節した。得られた発泡成形体をN2−
5%H2雰囲気中、温度850℃に30分間保持して脱
脂および仮焼結した後、温度1250℃に15分間加熱
保持して発泡金属体No.1〜9を製造した。
【0054】得られた発泡金属体について、その重量お
よび寸法から気孔率を算出した。その結果を表2に示
す。また実体顕微鏡写真をそれぞれの発泡金属体ごとに
10箇所、倍率20倍で撮影し、撮影した写真を画像解
析することによって空孔径を測定した。その結果を表2
に示す。
【0055】比較のために、高温高湿装置を作動させな
いで、室温20℃、湿度55%の条件で発泡させた以外
は、上記と同様の条件で成形および焼結を行ない、発泡
金属体No.11〜14を得た。これらの発泡金属体の
気孔率および空孔径を上記と同様に測定し、その結果を
表2に併記した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】表1〜2から明らかなように、発泡に高温
高湿装置を用い、所定の条件(本実施例の場合、温度3
5〜65℃、湿度70%以上の発泡金属体No.1〜
6)で成形すると、97%以上の高気孔率の発泡金属を
短時間で製造できた。
【0059】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、多孔質焼結体用の乾燥成形体を得るにおいて、該乾
燥成形体内部における均一な発泡をもたらすことがで
き、例えば、金属組成の自由度が高く、比表面積が大き
な発泡構造の多孔質焼結金属板を容易にかつ確実に得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る高湿度条件下においての発
泡状況を模式的に示す図面である。
【図2】図2は低湿度条件下においての発泡状況を模式
的に示す図面である。
【図3】図3はスラリーチャンバにおける空気の巻込み
状況を模式的に示す図面である。
【図4】図4は本発明の実施の形態である多孔質焼結金
属板用グリーンシートの製造装置を示す断面図である。
【図5】図5は同実施形態に係る発泡装置を示す要部断
面図である。
【図6】図6は本発明の別の実施の形態に係るスラリー
チャンバの構成を模式的に示す断面図である。
【図7】図7は本発明の他の実施の形態に係る2枚刃の
ドクターブレードを示す要部断面図である。
【図8】図8は本発明に係る多孔質焼結金属板の製造工
程を示すフローチャートである。
【図9】図9は本発明の製造装置により得られた多孔質
焼結金属の発泡構造の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1… キャリアシート(搬送手段) 21… 発泡性スラリー混合機(スラリー調製手段) 31… スラリー溜 32… ドクターブレード(成形手段) 41… 発泡用高温高湿装置(発泡手段) 51… 乾燥機(乾燥手段) S… スラリー 2A… 成形体 2B… 発泡体 2C… 乾燥成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 5/00 H01M 4/80

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも無機粉末、発泡剤および液状媒
    を含有する発泡性スラリーを搬送体上に所定形状に展
    開し、加湿源からの加湿により高湿条件にて乾燥させな
    い状態でこの発泡性スラリー中に含まれる発泡剤を発
    させ、その後乾燥させて、乾燥成形体を得ることを特徴
    とする多孔質焼結体用乾燥成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】所定形状に展開する際に該発泡性スラリー
    を収容しておく開放チャンバにおいて、該チャンバ内に
    保持された該発泡性スラリーの表面部に対し、液状媒体
    を噴霧することを特徴とする請求項1に記載の多孔質焼
    結体用乾燥成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】少なくとも無機粉末、発泡剤および液状媒
    を含有する発泡性スラリーを調製するスラリー調製手
    段と、 前記スラリー調整手段より供給される前記発泡性スラリ
    ーを所定形状に成形する成形手段と、 前記所定形状に成形された発泡性スラリーの成形体を連
    続的に後工程へ搬送する搬送手段と、加湿源を備え、 前記所定形状に成形された発泡性スラリ
    ー成形体を当該加湿源からの加湿により高湿条件にて
    燥させない状態で発泡させる発泡手段と、 前記所定形状に成形された発泡性スラリー成形体を乾燥
    する乾燥手段と、 を有することを特徴とする多孔質焼結体用乾燥成形体の
    製造装置。
  4. 【請求項4】前記発泡手段が、前記搬送手段の搬送路を
    囲繞する、搬送入口および搬送出口を備えた炉体内に、
    前記加湿源としての水温調節ヒータを備えた水槽と、
    前記炉体内の搬送路に沿って設けられた成形体加熱ヒー
    と、炉体内壁面に設けられた結露防止ヒーターとを
    有してなるものであることを特徴とする請求項に記載
    の多孔質焼結体用乾燥成形体の製造装置。
  5. 【請求項5】前記スラリー調整手段と前記成形手段との
    間に、前記スラリー調整手段より供給される前記発泡性
    スラリーを収容する開放チャンバ部を備えてなり、この
    チャンバ部が、該チャンバ内に保持された該発泡性スラ
    リーの表面部に対し、液状媒体を噴霧する手段を備えて
    なることを特徴とする請求項またはに記載の多孔質
    焼結体用乾燥成形体の製造装置。
  6. 【請求項6】前記成形手段が、ドクターブレードを有す
    る請求項のいずれかに記載の多孔質焼結体用乾燥
    成形体の製造装置。
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