JPH09118902A - 積層体の製造方法及び積層体並びに多孔質焼結金属板の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法及び積層体並びに多孔質焼結金属板の製造方法

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JPH09118902A
JPH09118902A JP27748695A JP27748695A JPH09118902A JP H09118902 A JPH09118902 A JP H09118902A JP 27748695 A JP27748695 A JP 27748695A JP 27748695 A JP27748695 A JP 27748695A JP H09118902 A JPH09118902 A JP H09118902A
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porous sintered
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Koji Hoshino
孝二 星野
Yoshiyuki Mayuzumi
良享 黛
Toru Kono
通 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中間体としての乾燥成形板の取扱を容易にでき
る積層体及びその製造方法並びにその積層体を用いる多
孔質金属焼結板の製造方法を提供する。 【解決手段】金属粉末、発泡剤、水溶性樹脂結合剤、及
び界面活性剤を含有する発泡性スラリーを、後に焼成し
て消失させる樹脂膜上に、板状に成形し、発泡性スラリ
ーを乾燥させて積層体を製造する。また、この積層体を
焼成して多孔質焼結金属板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルター、二次
電池電極の基板等に用いられるスポンジ状の多孔質焼結
金属板の製造方法並びにその中間体である積層体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、電池の電極、各種フィルター、触媒の坦体などに
は、三次元網状骨格を有する気孔率の高い多孔質金属板
が用いられている。このような多孔質金属板の製造方法
としては、従来、導電化した発泡ウレタンフォームなど
にメッキを施した後、焼成する方法(特開平4−002
759号公報)、接着剤を塗着した発泡ウレタンフォー
ム等に金属粉末を付着させた後、焼成する方法(特開平
3−188203号公報)、微細水溶性結晶体を充填し
た容器内に低融点金属を加圧注入して凝固させた後、水
溶性結晶体を水洗して除去することによって空隙を形成
する方法(特開昭59−001651号公報)等の方法
が知られている。
【0003】しかしながら、メッキや洗い流す方法で
は、金属組成の自由度がなく、用途が限定される。ま
た、樹脂フォームにメッキや金属粉末を付着させる方法
では、骨格に樹脂が消失した中空が生じ、有効な空間体
積が不十分である。更に、従来方法では、100μmよ
り小さい孔径の多孔質構造が得にくく、比表面積が小さ
いという問題がある。
【0004】これに対し、本発明者らは、従来の多孔質
金属の製造方法と全く異なる製造方法を開発した。これ
は、発泡剤、金属粉末、界面活性剤、水溶性樹脂結合
剤、水などを含有する発泡性スラリーを調製し、このス
ラリーを成形、乾燥、焼成することにより製造するもの
である。この方法により製造した多孔質焼結金属は、金
属組成の自由度が高く、非常に多孔質で、比表面積も大
きいという特徴を有する。
【0005】しかしながら、発泡性スラリーを板状に成
形、乾燥したものは、次に焼成工程を経て多孔質焼結金
属板となるが、この中間体の乾燥成形板は、脆く、容易
に割れてしまい、輸送や保管が困難であるという問題が
ある。本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、上記
中間体としての乾燥成形板の取扱を容易にできる積層体
及びその製造方法並びにその積層体を用いる多孔質金属
焼結板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次の積層体の製造方法及び積層体並びに多
孔質焼結金属板の製造方法を提供する。 (1)金属粉末を含有する発泡性スラリーを、後に焼成
して消失させる樹脂膜上に、板状に成形する工程と、該
発泡性スラリーを乾燥する工程とを有することを特徴と
する積層体の製造方法。 (2)発泡性スラリーが、更に発泡剤、水溶性樹脂結合
剤、及び界面活性剤を含有する上記(1)記載の積層体
の製造方法。 (3)発泡性スラリーの成形工程前に、該発泡性スラリ
ーをその上に成形する樹脂膜を形成する工程を有する上
記(1)又は(2)記載の積層体の製造方法。 (4)樹脂膜がポリウレタン樹脂である上記(1)〜
(3)いずれかに記載の積層体の製造方法。 (5)上記(1)〜(4)いずれか記載の製造方法によ
り得られる積層体。 (6)上記(5)記載の積層体を焼成することを特徴と
する多孔質焼結金属板の製造方法。
【0007】本発明の積層体の製造方法は、樹脂膜に金
属粉末を含有する発泡性スラリーを板状に成形、乾燥す
るものである。この乾燥成形板を樹脂膜との積層体とす
ることにより、脆く、割れやすい乾燥成形板の取扱が容
易になり、輸送、保管が容易になる。また、焼成により
樹脂膜は消失して樹脂膜がないときと同様の多孔質焼結
金属板を得ることができる。
【0008】また、樹脂膜は予めフィルム状になってい
るものを使用しても良いが、樹脂膜の成膜工程を発泡性
スラリーの成形工程前に設けて、形成直後の樹脂膜上に
発泡性スラリーを成形することもできる。このような樹
脂膜の材料としては、発泡性スラリーの乾燥時に収縮が
小さく、乾燥成形板の形状を維持できると共に、焼成時
には消失するポリウレタン樹脂が好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 [実施例1]図1は、本発明の積層体の製造方法を説明
する概略図である。本例は、樹脂膜として樹脂フィルム
を用い、これをベルトコンベヤーの如く移動させなが
ら、乾燥成形体と樹脂膜との積層体を連続的に得る工程
を示す。
【0010】ローラーから繰り出された樹脂フィルムR
を、図示しない台の上を移動させ、搬送手段として用い
る。この樹脂フィルムRの移動の始端側から終端側にか
けて、成形装置5、発泡装置6、乾燥装置7、及びカッ
ター8の順序で配設され、それぞれ成形工程、発泡工
程、乾燥工程、切断工程が行われる。
【0011】成形装置5は、本例においてはドクターブ
レードを用いている。このほか、押出成形などの成形方
法も採用することができる。発泡性スラリーSはブレー
ド51と樹脂フィルムRとの間隙から押し出され、所定
の厚さの板状に成形される。発泡性スラリー成形体を乗
せた樹脂フィルムは、次いで発泡装置6内に入り、ここ
で発泡性スラリーを十分に発泡させる。次に、乾燥装置
7内で水分を乾燥させ、乾燥成形体(グリーン体)Gと
し、これにより乾燥成形体Gと樹脂フィルムRの積層体
1を得、最後にカッター8で所定の長さ毎に切断する。
【0012】ここで、発泡性スラリーSは、例えば金属
粉末、水溶性樹脂結合剤、発泡剤、界面活性剤、水等を
含有する。金属粉末は、発泡性スラリー中で、微細な気
泡を構成する薄い液体壁に集まる。そして、これを乾燥
すると、水溶性樹脂結合剤(バインダー)と共に気泡の
形状を維持しながら固化し、これを焼成すると、結合剤
が消失すると共に、金属粉末同士が焼結し、気泡形状を
持った発泡状の三次元網状構造を有する多孔質焼結金属
板が得られるものである。
【0013】このため、上記発泡性スラリーから製造さ
れる多孔質焼結金属は、金属粉末として、粉末化できる
と共に、焼結可能な全ての金属が使用可能であるので、
多種類のものを選定できると共に、多種類の金属を混合
することも可能であり、組成の自由度は非常に高い。ま
た、多孔質焼結金属を構成する三次元網状構造体は、金
属粉末が焼結したものであるので、骨格自体が多孔性で
あり、このため、比表面積は非常に大きいものとなる。
【0014】この発泡性スラリーSの調製は、例えば金
属粉末、水溶性樹脂結合剤、発泡剤、界面活性剤、水等
を混合する。ここで、金属粉末の種類には限定はなく、
例えばニッケル、銅、鉄、SUS、クロム、コバルト、
金、銀等の焼結する金属及び合金全てが使用可能であ
る。金属粉末の粒径は、平均粒径が500μm以下、特
に0.5〜100μmの範囲が好ましい。平均粒径が
0.5μmより小さいと、気孔率が小さくなる場合があ
り、一方、平均粒径が500μmより大きいと、できあ
がる多孔質焼結金属板の強度が弱くなりすぎる場合があ
る。金属粉末のスラリー中における配合量は、5〜80
%(重量%、以下同様)、特に30〜80%の範囲が望
ましい。
【0015】水溶性樹脂結合剤は、スラリーを乾燥させ
たときに多孔質成形体の形状を保持させる働きを有す
る。また、スラリーの粘度調整剤としても機能する。水
溶性樹脂結合剤としては、メチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、エチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール等を例示すること
ができる。水溶性樹脂結合剤の配合量は、0.5〜20
%、特に2〜10%の範囲が好ましい。0.5%より配
合量が少ないと、乾燥成形体の強度が弱く、ハンドリン
グに差し支える場合があり、一方、20%より多いと、
粘度が高くなりすぎて成形が困難になる場合がある。
【0016】発泡剤は、ガスを発生して気泡を形成する
ことができればよく、一定の温度で分解してガスを発生
する化合物や、揮発性の有機溶剤などを選択することが
できる。揮発性の有機溶剤としては、例えば炭素数5〜
8の炭化水素系有機溶剤を挙げることができる。このよ
うな有機溶剤は常温で液体であり、揮発性で、スラリー
中においては界面活性剤の作用でミセルを形成し、常温
又は加熱下で気化して微細な気泡を形成する。炭素数5
〜8の炭化水素系有機溶剤としては、例えばペンタン、
ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、イソヘプタ
ン、ベンゼン、オクタン、トルエン等を挙げることがで
きる。発泡剤の配合量は、0.05〜10%、特に0.
5〜5%の範囲が好ましい。0.05%より少ない配合
量では、気泡の発生が不十分になり、気孔率が高くなら
ない場合があり、一方、10%より配合量を多くする
と、ミセルが大径化し、これに伴い成形体中に形成され
る気泡も大径化するため、得られる成形体及び焼結体の
強度が低下する場合がある。なお、発泡剤を使用する代
わりに、空気などの気体を激しく混合させる方法によっ
て、発泡性スラリーを調製することも可能である。
【0017】界面活性剤は、発泡状態を安定化し、発泡
剤のミセルを形成する作用があり、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アル
カンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリエチ
レングリコール誘導体、多価アルコール誘導体等の非イ
オン系界面活性剤等を例示することができる。界面活性
剤の配合量は、0.05〜5%、特に0.5〜3%の範
囲が好ましい。0.05%より配合量が少ないとミセル
の形成が不安定となり、微細な気泡を保つことが困難に
なる場合があり、一方、5%より多いとそれ以上の効果
が見られない場合がある。
【0018】本発明にかかる発泡性スラリーには、以上
の成分以外に、可塑剤、気孔形成促進用可燃剤等を配合
することができる。可塑剤は、成形体に可塑性を付与す
るためのもので、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリンなどの多価アルコール、鰯油、菜
種油、オリーブ油などの油脂、石油エーテル等のエーテ
ル類、フタル酸ジエチル、フタル酸ジNブチル、フタル
酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ソルビタン
モノオレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタン
パルミテート、ソルビタンステアレートなどのエステル
類等を例示することができる。可塑剤の配合量は、0.
1〜15%、特に2〜10%の範囲が好ましい。配合量
が0.1%より少ないと、可塑作用が不十分になる場合
があり、一方、15%より多いと、成形体の強度が不十
分になる場合がある。
【0019】また、気孔形成促進用可燃剤は、乾燥成形
体の焼成時に、消失させることによって、気孔の形成を
促進するためのものである。従って、粉末、繊維状など
の形状を保ち、焼成時に消失するものを選定することが
できる。具体的には、0.1〜200μm程度の粉末状
のもの、長さが200μm以下、好ましくは30〜12
0μm程度の繊維状のものがよい。材料としては、パル
プ、綿、糸くず、コーンスターチ、カルボキシメチルセ
ルローズ、非水溶性セルロース繊維、ポリビニルブチラ
ル樹脂、ポリビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン
樹脂などを例示することができる。
【0020】本発明にかかる発泡性スラリーは、上記成
分を混合することによって得ることができる。この場
合、混合順序に制限はないが、混合中はできる限り発泡
を制限するために、発泡剤は最後に混合することが好ま
しい。なお、スラリーが発泡するとスラリーの粘度が低
下して成型性が悪くなるが、発泡剤を添加してからスラ
リーが発泡するまでの時間は、発泡剤の種類、添加量、
及び温度でコントロールが可能であり、これを適度にコ
ントロールし、流動性があるうちに成形することができ
る。また、スラリーの粘度は、20℃で、20000c
ps〜70000cpsの範囲、特に、30000〜5
5000cpsの範囲が好ましい。20000cpsよ
り粘度が低いと、乾燥時に発泡構造が崩壊する場合があ
り、一方、70000cpsより粘度が高いと、粘性が
大きくなりすぎて成形が困難になる場合がある。
【0021】また、樹脂フィルムRとしては、発泡性ス
ラリーSの発泡、乾燥工程で収縮しないものであると共
に、焼成時には完全に消失するものであることが好まし
い。かかる樹脂として、ウレタン樹脂が好適な例として
挙げることができるが、このほかにエポキシ樹脂、熱硬
化性ポリエステル、耐熱性のある熱可塑性樹脂、ポリビ
ニル樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂などを使用す
ることができる。その厚さは、特に制限されないが、通
常0.05〜0.3mm程度の範囲が好ましい。
【0022】次の成形工程では、発泡性スラリーSを樹
脂フィルムR上に薄板状に成形する。ドクターブレード
5等により、例えば0.1〜15mm、好ましくは0.
2〜2mm程度の厚さの板状成形体を製造する。次の発
泡工程は、成形体を乾燥させる前に、十分に発泡を完了
させる工程である。成形直後に乾燥させると、成形体表
面が先に乾燥され、表皮が生じた状態になり、成形体内
部の発泡や水分の蒸発が妨げられて、発泡が不均一にな
る場合がある。このため、成形工程と乾燥工程の間に、
発泡工程を設けることが好ましい。
【0023】発泡の条件は、発泡と同時に乾燥させる
と、成形体表面に亀裂が生じやすいので、発泡中はでき
る限り乾燥を防止するため、高湿度の雰囲気下で行うこ
とが好ましい。具体的には、例えばスラリー粘性が35
000cps以上の時、湿度は65%以上、好ましくは
湿度は80%以上である。湿度が65%より低いと、乾
燥時に成形体表面に割れが入るおそれがある。発泡温度
は15〜65℃、特に28〜40℃の範囲が好ましい。
発泡温度が15℃より低いと、発泡に例えば2時間以上
かかる場合があり、65℃を超えると成形体が発泡しす
ぎて成形体が崩壊する場合がある。
【0024】発泡装置6は、この条件を満たす恒温高湿
装置とすることができるが、室内雰囲気条件がこれを満
たせば、特に装置を設けずに、室内雰囲気に晒すだけで
よい。発泡工程における滞留時間は、通常10〜45分
の範囲である。発泡成形体は、発泡工程に続いて乾燥装
置7に搬送され、ここで乾燥される。乾燥前の気泡は、
水膜が存在することによって維持されている。このと
き、スラリーは気泡と気泡との界面に凝集し、骨格構造
(発泡体構造)を形成する。そのままの状態で水膜が割
れると骨格を形成しているスラリーが流動し、骨格構造
が崩壊してしまう。そのような崩壊が起こらないように
乾燥すれば、発泡体構造の成形体を得ることができる。
できる限り骨格構造の崩壊を生じさせないように乾燥す
るためには、速やかに乾燥させる。これには遠赤外線乾
燥が適している。また、スラリー中の水分がほんの少し
蒸発すると粘性が著しく増大するようなスラリー組成と
しておくことが好ましい。
【0025】乾燥機7の具体的な条件は、例えば遠赤外
線を用い、ヒーター温度120〜180℃、雰囲気温度
40〜80℃、乾燥時間20〜120分の条件を採用す
ることができる。これにより、樹脂膜R上に積層された
板状の乾燥成形体Gを得ることができる。この乾燥成形
体Gの厚さは、発泡により、通常、ドクターブレードと
51と樹脂フィルムRとの間隙の3〜8倍程度になる。
【0026】続いて乾燥成形体Gと樹脂フィルムRとの
積層体1は、カッター8により所定の長さ毎に切断され
る。なお、説明では、成形工程、発泡工程及び乾燥工程
を連続で行う例を説明したが、これらの工程をそれぞれ
別個の装置を用いても良いことは勿論である。
【0027】得られた積層体1は、乾燥成形体の脆さを
樹脂フィルムが補っているので、取扱が容易で、輸送、
保管を容易に行うことができると共に、乾燥成形体の割
れなどを可及的に防止することができるので、最終製品
の歩留まりも向上する。かかる積層体1は、その後の焼
成工程により多孔質燒結金属板となる。焼成工程は、2
段階の工程とすることが好ましい。第1段階は脱脂と呼
ばれ、有機物(バインダー等)を揮散させる工程であ
り、第2段階は、金属粉末を焼結させる工程である。ま
た、これらの工程は連続とすることができる。
【0028】脱脂工程は、例えば空気雰囲気下あるいは
水素ガスなどの還元ガス雰囲気下で、300〜700℃
程度の温度で10〜60分の時間焼成することができ
る。また、焼結工程は、製造する金属の種類に応じて、
アンモニア分解ガス雰囲気、水素ガスのような還元性雰
囲気下、あるいは真空中、さらには空気中の雰囲気で、
800〜1400℃程度の温度で20〜120分間焼成
することが好ましい。
【0029】脱脂時に、樹脂フィルムRは消失する。ま
た、脱脂・焼結時に、体積が約20%収縮するので、脱
脂、焼結は、グラファイト板などの滑りのよい敷板に乗
せて行うことが好ましい。焼結工程後、スキンパス圧延
などで厚さを変えても良い。また、図2に示すように、
乾燥成形体Gと樹脂フィルムRとの積層体を2枚用い、
これらの積層体1、1の乾燥成形板G相互の面を密着さ
せて焼成することが可能である。これにより、乾燥成形
板相互が一体化し、厚手の多孔質焼結板Mを製造するこ
とができる。更に、乾燥成形体Gの樹脂フィルムRと接
する面は、比較的表面がきれいであるので、これらのき
れいな表面が両方の表側になるという利点もある。
【0030】かくして表面積の大きい、三次元網状骨格
構造を有するスポンジ状の多孔質焼結金属板を得ること
ができる。かかる多孔質焼結金属板は、三次元網状骨格
が金属粉末の焼結体であるので、骨格自体が多孔質であ
る。このため、表面積が非常に大きく、例えばBET比
表面積が300〜1500cm2 /cm3 の範囲であ
る。また、発泡体の孔径が非常に小さく、100μm未
満の孔径を有するものを容易に得ることができ、具体的
には、平均孔径が60〜600μmの範囲のもので、気
孔率が90〜98容量%のものを製造することができ
る。
【0031】本発明の発泡性スラリーの製造方法により
得られる多孔質焼結金属板は、上記特徴を有するため、
例えばアルカリ二次電池の電極の活物質保持材、水電解
電極、石油暖房機器の灯油噴霧化部材、磁気シールドパ
ッキン、爆薬を使用するエアクッションの気体膨張緩衝
材、吸音材、浄化機の水電解フィルター、空気浄化機の
静電フィルター、エンジン排ガスのオイルミストフィル
ター、石油ストーブなどの燃焼機器の脱臭触媒、高温排
気集塵フィルター、アルミニウムを気孔中に高圧充填し
た複合材(CRM)の基材、工業用触媒、坦体等の有用
な用途を有する。 [実施例2]本例も発泡性スラリーを成形、発泡、乾燥
した乾燥成形体Gと樹脂膜Rとの積層体1を得る工程を
示すものであるが、樹脂膜形成工程が加わっている点が
実施例1と相違する。
【0032】本例における装置は、図3に示すように、
搬送装置3、この搬送装置3上に設けられた樹脂膜形成
装置4、成形装置5、発泡装置6、乾燥装置7、及びカ
ッターが搬送装置3の始端側から終端側にかけて配設さ
れ、それぞれ樹脂膜形成工程、成形工程、発泡工程、乾
燥工程、切断工程が行われる。
【0033】搬送装置3は、ベルトコンベヤーとして機
能するキャリアシート31を循環させるもので、図示し
ない駆動源により駆動する駆動ローラ32と33とで矢
印のような向きにキャリアシート31を駆動、循環させ
る。樹脂膜形成工程は、図3中のA−A線に沿った断面
図(A)に示すように、キャリアシート31の表面に樹
脂膜Rを形成するものである。本実施形態においては、
樹脂膜形成装置4として、ドクターブレード41を用い
ているが、その他の樹脂膜形成装置としては、例えば押
出成形方法なども採用することができる。このようなド
クターブレード41により、キャリアシート31上に、
例えば0.05〜0.3mm程度の厚さで液状の例えば
未硬化ポリウレタン液LRを塗布し、次いで、乾燥装置
42で乾燥硬化を終了し、図3中の(A)に示すよう
に、キャリアシート31表面に樹脂膜Rを形成する。
【0034】その後の成形工程、発泡工程、乾燥工程、
切断工程は実施例1と同様であるので、説明を省略す
る。
【0035】
【発明の効果】本発明の積層体の製造方法によれば、取
扱が容易な乾燥成形体(グリーン体)の積層体を得るこ
とができる。また、本発明の積層体は、脆く割れやすい
乾燥成形体の取扱が容易で、輸送や保管が容易である。
【0036】更に、本発明の多孔質焼結金属板の製造方
法によれば、歩留まりよく多孔質焼結金属板を製造する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の製造工程の一例を示す概略図
である。
【図2】本発明の積層体を2枚重ねして焼成する様子を
示す断面図である。
【図3】本発明の積層体の製造工程の他の例を示す概略
図である。
【符号の説明】
1 積層体 3 搬送装置 4 樹脂膜形成装置 5 成形装置 6 発泡装置 7 乾燥装置 8 カッター S 発泡性スラリー R 樹脂膜 G 乾燥成形体(グリーン体) M 多孔質焼結金属板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉末を含有する発泡性スラリーを、後
    に焼成して消失させる樹脂膜上に、板状に成形する工程
    と、 該発泡性スラリーを乾燥する工程とを有することを特徴
    とする積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】発泡性スラリーが、更に発泡剤、水溶性樹
    脂結合剤、及び界面活性剤を含有する請求項1記載の積
    層体の製造方法。
  3. 【請求項3】発泡性スラリーの成形工程前に、該発泡性
    スラリーをその上に成形する樹脂膜を形成する工程を有
    する請求項1又は2記載の積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】樹脂膜がポリウレタン樹脂である請求項1
    乃至3いずれかに記載の積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4いずれか記載の製造方法に
    より得られる積層体。
  6. 【請求項6】請求項5記載の積層体を焼成することを特
    徴とする多孔質焼結金属板の製造方法。
JP27748695A 1995-10-25 1995-10-25 積層体の製造方法及び積層体並びに多孔質焼結金属板の製造方法 Pending JPH09118902A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004127566A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Mitsubishi Materials Corp 燃料電池用ガス拡散層
KR20210029275A (ko) * 2018-07-27 2021-03-15 횔러 엘렉트로리제르 게엠베하 전기화학 전지의 다공성 수송층을 제조하는 방법

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