JP3377019B2 - 長尺な成形体の連続焼成方法および焼成装置 - Google Patents

長尺な成形体の連続焼成方法および焼成装置

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JP3377019B2 JP12428596A JP12428596A JP3377019B2 JP 3377019 B2 JP3377019 B2 JP 3377019B2 JP 12428596 A JP12428596 A JP 12428596A JP 12428596 A JP12428596 A JP 12428596A JP 3377019 B2 JP3377019 B2 JP 3377019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末冶金法、セラ
ミックス焼結法などにおいて、板状に成形された乾燥成
形体(グリーンシート)を連続的に長尺のまま焼成する
製造方法および製造装置に関するものである。本発明は
また、長尺な多孔質焼結金属板の製造方法および製造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄・アルミニウム合金は、アルミニウム
の含有率が高いほど耐高温酸化性が向上する特徴を持っ
ている。この合金箔を作製するには、溶解法と粉末法が
知られている。前者は、インゴットを圧延して所定の厚
さの箔にする方法である。溶解法では、合金の組成に制
約があり、圧延も非常に高度の技術を要する。一方後者
は、原料粉末とバインダー、水、可塑剤等を混合・混練
し、スラリー状にして成形する方法である。組成の自由
度が高く、成形時に箔の厚さを制御できる利点がある。
しかし、金属粉末を焼結するときには収縮を伴ない、結
果として割れを発生させるという問題があり、連続長大
な箔を得ることは困難なことであった。
【0003】また、本発明者らは、金属組成の自由度が
大きく、かつ比表面積が大きい多孔質金属板を得る方法
として、金属粉末を含有する発泡性スラリーを調製し、
これを成形、乾燥、焼成することでなる製造方法を開発
した。この方法においては、成形後乾燥した乾燥成形体
(グリーンシート)を焼結して多孔質焼結金属板を製造
するが、焼結時に全体が約20%程度収縮し、その収縮
によって割れが生じる場合があるので、大面積の平板状
のものを得ることが困難である。
【0004】従来、長尺の多孔質金属板を得る方法とし
ては、接合による方法が知られている。例えば金属多孔
体シートと別の金属多孔体シートの端部相互を熱可塑性
樹脂を介在させて重ね合せ、この熱可塑性樹脂の軟化点
以上の温度に加熱すると共に、シートの重ね合せ部を加
圧圧縮する方法がある(特公昭61−6501号公
報)。
【0005】また、接合すべき2個の発泡金属部材の被
接合端面相互を突き合せて、この突き合わせ部に溶融金
属を流し込んで相互の発泡金属部材を接合する方法があ
る(特公平4−68071号公報)。さらに本発明者ら
は、金属粉末のグリーンシートの両面をセラミックス粉
末のグリーンシートで覆い、あるいはそれぞれを積層さ
せたものを金属粉末の焼結温度で焼結する方法を提唱し
ている(特開平7−097605号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
61−6501号公報に述べられる方法においては、接
合部では発泡金属の密度は2倍になってしまい、接合部
での気孔率が小さくなって、得られる接合体の細孔構造
が不均一化するという問題がある。また特公平4−68
071号公報に述べられる方法でも、接合部で金属密度
が変化し、やはり接合部で構造が不均一化するという問
題がある。これら両者の方法によっては、いずれも接合
部ではその他の部分と構造が変化してしまい、接合部で
の性能の低下は避けられない。また、特開平7−097
605号公報に述べられるセラミックス粉末のグリーン
シートの積層方法では、高多孔性の金属板では強度不足
のため、焼結時に形状が崩れ、長尺の発泡金属を得るの
は困難である。
【0007】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、粉末冶金法、セラミックス焼結法などの粉末焼結に
おいて、成形された乾燥成形体(グリーンシート)を連
続的に長尺のまま焼成することのできる製造方法および
製造装置を提供することを目的とするものである。本発
明はまた、金属組成の自由度が大きく、かつ比表面積が
大きい多孔質焼結金属板を長尺な連続体として製造する
ことのできる製造方法および製造装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る連続焼成方法は、所定断面形状を有す
る連続する長尺な成形体を、トンネル状焼成炉内を連続
的に移動させながら焼結して長尺な焼結体を得る方法に
おいて、前記焼成炉内の少なくとも一部において、前記
成形体を、連続的に配列された、搬送方向に順方向に周
回転する複数の転がり面にて線接触ないし点接触によっ
て支持し、前記成形体の収縮量に応じて、前記複数の転
がり面のうち、前記焼成炉の出口側に位置する転がり面
を、当該焼成炉のより入口側に位置するものより周速度
を小さく速度制御しながら、前記成形体を搬送すること
を特徴とする。
【0009】本発明の連続焼成方法は、前記焼結体が焼
結金属板、更には多孔質焼結金属板である場合に特に有
効である。また上記目的は、トンネル状炉体と、所定断
面形状を有する連続する長尺な成形体を該炉体の入口側
より出口側に向って連続的に移動させる搬送体を備えて
なる連続焼成装置であって、前記炉体内の少なくとも一
部において前記搬送体が、連続的に配列された、搬送方
向に順方向に周回転する複数の回転体によって形成され
おり、前記成形体の収縮量に応じて、前記複数の回転
体のうち、前記炉体の出口側に位置する回転体が、当該
炉体のより入口側に位置するものより周速度が小さく速
度制御されていることを特徴とする本発明に係る連続焼
成装置によっても達成される。
【0010】
【0011】さらに上記目的は、金属粉末を含む発泡性
スラリーを調製し、この発泡性スラリーを、所定断面形
状を有する連続する長尺な板状に成形し、得られた板状
成形体を搬送手段で連続的に後工程へ搬送しながら、発
泡手段で発泡させ、その後、前記板状成形体を乾燥手段
で乾燥させ、さらに焼成炉において、前記板状成形体
を、前記焼成炉内の少なくとも一部において、連続的に
配列された、搬送方向に順方向に周回転する複数の転が
り面にて線接触ないし点接触によって支持し、前記成形
体の収縮量に応じて、前記複数の転がり面のうち、前記
焼成炉の出口側に位置する転がり面を、当該焼成炉のよ
り入口側に位置するものより周速度を小さく速度制御
ながら焼成することを特徴とする本発明に係る長尺な多
孔質焼結金属板の製造方法によっても達成できる。
【0012】また上記目的は、金属粉末を含む発泡性ス
ラリーを調製するスラリー調製手段と、前記発泡性スラ
リーを、所定断面形状を有する連続する長尺な板状に成
形する成形手段と、前記板状に成形された発泡性スラリ
ーの板状成形体を連続的に後工程へ搬送する搬送手段
と、前記板状成形体を発泡させる発泡手段と、前記板状
成形体を乾燥する乾燥手段と、前記板状成形体を焼成す
る焼成手段であって、その内部を通過する前記搬送手段
が少なくともその一部において、連続的に配列された、
搬送方向に順方向に周回転する複数の回転体によって形
成されてなり、前記板状成形体の収縮量に応じて、前記
複数の回転体のうち、前記焼成手段の出口側に位置する
回転体が、当該焼成手段のより入口側に位置するものよ
り周速度が小さく速度制御されている焼成手段と、を有
することを特徴とする本発明に係る長尺な多孔質焼結金
属板の製造装置によっても達成できる。
【0013】本発明においては、粉末冶金法、セラミッ
クス焼結法などの粉末焼結により、所定断面形状を有す
る連続した長尺な成形体をトンネル状焼成炉内を連続的
に移動させながら焼結して長尺な焼結体を得るにおい
て、前記焼成炉内の少なくとも一部において、前記成形
体を、連続的に配列された、搬送方向に順方向に周回転
する複数の転がり面にて線接触ないし点接触によって支
持しながら、搬送することで、成形体とこれを載置する
搬送手段との間の接触抵抗を低減し、これらの間で滑り
が生じやすいものとし、焼結の際に発生する収縮を容易
に吸収できるようにしたものである。これにより収縮に
よる割れ等を発生させることなく、連続した長尺な焼結
体を永続的に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き具体的に説明する。本発明の焼成装置を用いて多孔質
焼結金属板を製造する場合の手順を説明する。
【0015】多孔質焼結金属板は、図1のフローチャー
トに示すように、発泡性スラリー調製工程、成形工程、
発泡工程、乾燥工程、脱脂工程、焼成工程により製造す
ることができる。この多孔質焼結金属板の製造方法は、
従来公知の一般的方法とは全く異なり、金属粉末を含有
する発泡性スラリーをスラリー調製手段で調製し、これ
を板状に成形し、この板状成形体を搬送手段で連続的に
後工程へ搬送しながら、発泡手段で発泡させた後、乾燥
手段で乾燥させ、最後に、この板状成形体を焼成するこ
とにより多孔質焼結金属板を得るものである。
【0016】金属粉末は、発泡性スラリー中で微細な気
泡を構成する薄い液体壁に集まる。そして、これを乾燥
すると、水溶性樹脂結合剤(バインダー)と共に気泡の
形状を維持しながら固化する。これを焼成すると、結合
剤が消失すると共に、金属粉末同士が焼結し、気泡形状
を持った発泡状の三次元網状構造を有する多孔質焼結金
属板が得られる。
【0017】従って、本発明で用いることができる金属
粉末としては、粉末化及び焼結可能な全ての金属が使用
可能であるので、多種類のものを選定できると共に、多
種類の金属を混合することも可能であり、組成の自由度
は非常に高い。また、多孔質焼結金属板を構成する三次
元網状構造体は、金属粉末が焼結したものであるので、
骨格自体が多孔性であり、このため、比表面積は非常に
大きいものとなる。
【0018】図2は、このような多孔質焼結金属板の製
造に用いられる本発明に係る製造装置の全体構成図であ
る。図2に示す製造装置は、大きく分けて板状成形体の
成形装置部201と、板状成形体の焼成装置部202と
から構成される。
【0019】まず成形装置部201は、スチールベルト
製のキャリアーシート1が掛け渡された第1ロール3及
び第2ロール4とを有する。これら第1ロール3と第2
ロール4との間を搬送するキャリアシート1がいわばベ
ルトコンベヤー(搬送手段)の働きをする。そして、第
1ロール3側から第2ロール4側へ、順に離型剤塗布装
置11、スラリー溜31、スラリー成形用ドクターブレ
ード32、発泡用高温高湿装置41、乾燥機51が設け
てある。
【0020】離型剤塗布装置11は、第1ロール61側
から順に離型剤溜12、離型剤塗布用ドクターブレード
13、離型剤乾燥機14を有している。離型剤溜12
は、第1ロール61近傍のキャリアシートの上面に接し
て四角箱状であり、この離型剤溜12のキャリアシート
進行方向側の壁は、キャリアシートと調整可能な間隙を
持って離間するドクターブレード13が設けられ、離型
剤Rの塗膜の厚さは、このドクターブレード13とキャ
リアシート1との間の間隙で調整される。離型剤溜12
に、例えばフッ素樹脂分散液等の調製した離型剤Rを入
れ、キャリアーシート1を搬送させると、離型剤Rは、
ドクターブレード13とキャリアシート1の間隙から押
し出されて所定の厚さを持った塗膜に成形され、この塗
膜はキャリアシート1に運ばれて次の離型剤乾燥機14
に移動する。
【0021】離型剤乾燥機14は、前工程でキャリアシ
ート1上に形成された離型剤塗膜を乾燥固化させるもの
であり、例えば、温風乾燥機、遠赤外線乾燥機などを用
いることができる。このようにして形成された離型剤塗
膜は、多孔質焼結金属板のキャリアテープとして用いら
れ、焼結時に同時に焼くことにより消失させることがで
きる。このように離型剤塗膜を形成するのは、後述する
脆い乾燥成形体10Cの取扱を容易にするためである。
【0022】図2に示すスラリー溜31は、搬送方向下
流側において前記離型剤乾燥機14近傍のキャリアシー
トの上面に接して四角箱状であり、このスラリー溜31
のキャリアシート進行方向側の壁は、キャリアシートと
調整可能な間隙を持って離間するドクターブレード32
が設けられ、成形体10Aの厚さは、このドクターブレ
ード32とキャリアシート1との間の間隙で調整され
る。スラリー溜31に調製した発泡性スラリーSを入
れ、キャリアーシート1を搬送させると、発泡性スラリ
ーSは、ドクターブレード32とキャリアシート1の間
隙から押し出されて所定の厚さを持った板状成形体10
Aに成形される。
【0023】なお、ドクターブレード32として、図3
に示すような、二枚刃のブレード32A,32Bを用い
ることがより好ましい。これは、2枚の刃32A,32
Bの間隙から大きい泡が除かれ、2枚目のブレード32
Bとキャリアシート1との間隙から押し出されてくる板
状成形体10Aに大きな泡が入らないこと、発泡性スラ
リーSの液面の高低に拘わらず成形体10Aの厚さを均
一にできるからである。この場合、キャリアシート1下
流側の1枚目の第1ブレード32Aの刃先とキャリアシ
ートとの間隙G1は、第2ブレード32Bの刃先のキャ
リアシートとの間隙G2より大きくすることがより好ま
しい。また、第1ブレード32Aと第2ブレード32B
の隙間Dは、例えば5〜20mm程度とすることがより
好ましい。更に、第2ブレード32Bのキャリアシート
1との間隙G2は、0.2〜2mmの範囲が適当であ
る。
【0024】また、この実施の形態では、スラリーの成
形方法として、ドクターブレード法を用いたが、これに
何ら限定されるものではなく、押出法等のその他の成形
方法を用いることも可能である。スラリー溜31の上部
には、当該スラリー溜31に供給される発泡性スラリー
Sを調製するための発泡性スラリー混合機21が設けら
れている。この発泡性スラリー混合機21には、発泡剤
含有溶液貯槽22と、金属粉含有スラリー貯槽23と、
これら双方から供給された原料を混練し発泡性スラリー
Sを調製するための混練機24を備えている。発泡性ス
ラリーを構成する成分を二液に分割し、その二液を、ド
クターブレードに供給する直前に混合することによっ
て、発泡剤の揮発を可及的に防止することができる。
【0025】発泡性スラリーSの調製は、例えば金属粉
末、水溶性樹脂結合剤、発泡剤、界面活性剤、液状媒体
としての水等を含有するスラリーを発泡性スラリー混合
機にて調製する。ここで、金属粉末の種類には限定はな
く、例えばニッケル、銅、鉄、SUS、クロム、コバル
ト、金、銀等の焼結する金属及び合金全てが使用可能で
ある。金属粉末の粒径は、平均粒径が500μm以下、
特に0.5〜100μmの範囲が好ましい。平均粒径が
0.5μmより小さいと、スラリー調整時に水と反応し
て着火するおそれがあり、一方、平均粒径が500μm
より大きいと、できあがる多孔質焼結金属板の強度が弱
くなりすぎる場合がある。金属粉末のスラリー中におけ
る配合量は、5〜80%(重量%、以下同様)、特に3
0〜80%の範囲が望ましい。
【0026】水溶性樹脂結合剤は、スラリーを乾燥させ
たときに多孔質成形体の形状を保持させる働きを有す
る。また、スラリーの粘度調整剤としても機能する。水
溶性樹脂結合剤としては、メチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、エチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール等を例示すること
ができる。水溶性樹脂結合剤の配合量は、0.5〜20
%、特に2〜10%の範囲が好ましい。0.5%より配
合量が少ないと、乾燥成形体の強度が弱く、ハンドリン
グに差し支える場合があり、一方、20%より多いと、
粘度が高くなりすぎて成形が困難になる場合がある。
【0027】発泡剤は、ガスを発生して気泡を形成する
ことができればよく、一定の温度で分解してガスを発生
する化合物や、揮発性の有機溶剤などを選択することが
できる。揮発性の有機溶剤としては、例えば炭素数5〜
8の炭化水素系有機溶剤を挙げることができる。このよ
うな有機溶剤は常温で液体であり、揮発性で、スラリー
中においては界面活性剤の作用でミセルを形成し、常温
又は加熱下で気化して微細な気泡を形成する。炭素数5
〜8の炭化水素系有機溶剤としては、例えばペンタン、
ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、イソヘプタ
ン、ベンゼン、オクタン、トルエン等を挙げることがで
きる。発泡剤の配合量は、0.05〜10%、特に0.
5〜5%の範囲が好ましい。0.05%より少ない配合
量では、気泡の発生が不十分になり、気孔率が高くなら
ない場合があり、一方、10%より配合量を多くする
と、ミセルが大径化し、これに伴い成形体中に形成され
る気泡も大径化するため、得られる成形体及び焼結体の
強度が低下する場合がある。なお、発泡剤を使用する代
わりに、空気などの気体を激しく混合させる方法によっ
て、発泡性スラリーを調整することも可能である。
【0028】界面活性剤は、発泡状態を安定化し、発泡
剤のミセルを形成する作用があり、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アル
カンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリエチ
レングリコール誘導体、多価アルコール誘導体等の非イ
オン系界面活性剤等を例示することができる。界面活性
剤の配合量は、0.05〜5%、特に0.5〜3%の範
囲が好ましい。0.05%より配合量が少ないとミセル
の形成が不安定となり、微細な気泡を保つことが困難に
なる場合があり、一方、5%より多いとそれ以上の効果
が見られない場合がある。
【0029】スラリー調製に用いられる液状媒体として
は、高温加熱により大気中に揮散でき、かつ少なくとも
前記発泡剤よりも低揮発性で高沸点の、常温で液状を呈
するものであれば特に限定されるものではないが、コス
ト面、安全性等の観点から通常は水が用いられる。
【0030】本発明に係る発泡性スラリーには、以上の
成分以外に、可塑剤、気孔形成促進用可燃剤等を配合す
ることができる。可塑剤は、成形体に可塑性を付与する
ためのもので、エチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、グリセリンなどの多価アルコール、鰯油、菜種
油、オリーブ油などの油脂、石油エーテル等のエーテル
類、フタル酸ジエチル、フタル酸ジNブチル、フタル酸
ジエチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ソルビタンモ
ノオレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンパ
ルミテート、ソルビタンステアレートなどのエステル類
等を例示することができる。可塑剤の種類に応じて図4
に示すような異なる多孔質構造の多孔質体を得ることが
できる。可塑剤の配合量は、0.1〜15%、特に2〜
10%の範囲が好ましい。配合量が0.1%より少ない
と、可塑作用が不十分になる場合があり、一方、15%
より多いと、成形体の強度が不十分になる場合がある。
【0031】また、気孔形成促進用可燃剤は、乾燥成形
体の焼成時に、消失させることによって、気孔の形成を
促進するためのものである。従って、粉末、繊維状など
の形状を保ち、焼成時に消失するものを選定することが
できる。具体的には、0.1〜200μm程度の粉末状
のもの、長さが200μm以下、好ましくは30〜12
0μm程度の繊維状のものがよい。材料としては、パル
プ、綿、糸くず、コーンスターチ、カルボキシメチルセ
ルローズ、非水溶性セルロース繊維、ポリビニルブチラ
ル樹脂、ポリビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン
樹脂などを例示することができる。
【0032】本発明に係る発泡性スラリーは、上記成分
を混合することによって得ることができる。この場合、
混合順序に制限はないが、混合中はできる限り発泡を制
限するために、発泡剤は最後に混合することが好まし
い。なお、スラリーが発泡するとスラリーの粘度が低下
して成型性が悪くなるが、発泡剤を添加してからスラリ
ーが発泡するまでの時間は、発泡剤の種類、添加量、及
び温度でコントロールが可能であり、これを適度にコン
トロールし、流動性があるうちに成形することができ
る。また、スラリーの粘度は、20℃で、10000c
ps〜70000cpsの範囲、特に、30000〜5
5000cpsの範囲が好ましい。10000cpsよ
り粘度が低いと、乾燥時に発泡構造が崩壊する場合があ
り、一方、70000cpsより粘度が高いと、粘性が
大きくなりすぎて成形が困難になる場合がある。
【0033】上記のごとくドクターブレード32によっ
て成形された、板状成形体10Aはキャリアシート1に
運ばれて次の発泡用高温高湿装置41に移動する。発泡
用高温高湿装置41が設けられた発泡ゾーンは、成形体
10Aを乾燥させる前に、十分に発泡を完了させる工程
である。成形直後に乾燥させると、成形体10Aの表面
が先に乾燥されて表皮が生じた状態になり、成形体10
A内部の発泡や水分の蒸発が妨げられて、発泡が不均一
になる場合がある。このため、成形工程と乾燥工程の間
に、発泡工程を設けることが好ましい。
【0034】発泡の条件は、発泡と同時に乾燥させる
と、成形体表面に亀裂が生じやすいので、発泡中はでき
る限り乾燥を防止するため、高湿度の雰囲気下で行うこ
とが好ましい。具体的には、例えばスラリー粘性が35
000cps以上の時、湿度は70%以上、好ましくは
湿度は80%以上である。湿度が70%より低いと、成
形体内部で発泡が均一に進行しなかったり、乾燥時に成
形体表面に割れが入るおそれがある。発泡温度は、使用
する発泡剤によっても左右されるが、通常、15〜65
℃、特に28〜40℃の範囲が好ましい。発泡温度が1
5℃より低いと、発泡に例えば2時間以上かかる場合が
あり、65℃を超えると成形体が発泡しすぎて成形体が
崩壊する場合がある。発泡時間は、通常10〜45分の
範囲である。
【0035】なお、この高温高湿装置41としては、例
えば図2中に示すような構造を有するものが好ましい。
図2中に示す高温高湿装置は、前記キャリアシート1の
搬送路を囲繞し、キャリアシート1の上方および下方に
至る閉塞空間を形成する矩形の炉体46を有する。この
炉体46の第1ロール61側壁面には、キャリアシート
1の搬送入口が設けられ、一方第2ロール側壁面には、
搬送出口が設けられている。そしてこの炉体46の略中
央部を通過するキャリアシート1の搬送路より下方側の
空間は水槽として機能し、該空間には加湿源として所定
量の水45が収容されている。なお、この下方空間底部
には水温調節ヒーター43が備えられており、収容され
た水45を加熱して炉内雰囲気を所定の湿度に保てるよ
うにしている。なお、この下方空間には収容された水を
攪拌させて温度の均一化を図るための攪拌機構を備えて
いることが望ましい。一方、炉体46の内部におけるキ
ャリアシート1の搬送路より上方側の空間の壁面には、
プレートヒーター42が配置してあり、壁面における水
の凝結を防止すると共に、雰囲気温度を所定温度に保つ
ことを補助している。さらに、前記キャリアシート1の
搬送路直下には、搬送路に沿ってプレートヒーター44
が配してあり、主としてこのヒータ44によって、キャ
リアシート1上に成形されたスラリー成形体10Aを所
定温度に加熱して成形体の発泡を促進する構成とされて
いる。なお、前記水温調節ヒータ42としては、例えば
ニクロム線シースヒーターが、またヒーター43,44
としては例えばカーボンプレートヒーターが用いられ得
る。
【0036】発泡用高温高湿装置41により発泡した発
泡成形体10Bは、乾燥機51が設けられた乾燥ゾーン
に搬送され、ここで乾燥される。乾燥前の気泡は、水膜
が存在することによって維持されている。このとき、ス
ラリーは気泡と気泡との界面に凝集し、骨格構造(発泡
体構造)を形成する。そのままの状態で水膜が割れると
骨格を形成しているスラリーが流動し、骨格構造が崩壊
してしまう。そのような崩壊が起こらないように乾燥す
れば、発泡体構造の成形体を得ることができる。できる
限り骨格構造の崩壊を生じさせないように乾燥するため
には、速やかに乾燥させる。これには遠赤外線乾燥が適
している。また、スラリー中の水分がほんの少し蒸発す
ると粘性が著しく増大するようなスラリー組成としてお
くことが好ましい。
【0037】乾燥機51の具体的な条件は、例えば遠赤
外線ヒータ52を用い、ヒーター温度120〜180
℃、雰囲気温度40〜80℃、乾燥時間20〜120分
の条件を採用することができる。これにより、板状の乾
燥成形体10Cを得ることができる。この乾燥成形体1
0Cの厚さは、発泡により、通常、図3中G2の高さの
3〜8倍の厚さになる。図2に示した本実施の形態であ
る多孔質焼結金属板の製造装置では、乾燥成形体10C
を乗せたキャリアシート1を第2ロール3部位において
下側直角方向に折曲させながら搬送させることで、乾燥
成形体(グリーン体)10Cとキャリアシート1とを分
離している。続いて乾燥成形体10Cは、次の本発明の
要部に係る焼成装置を有してなる焼成装置部202に送
られる。
【0038】このような焼成装置部202を用いて行な
われる金属焼結体の焼成工程は、2段階の工程とするこ
とが好ましい。第1段階は脱脂と呼ばれ、有機物(バイ
ンダー等)を揮散させる工程であり、第2段階は、金属
粉末を焼結させる工程である。また、これらの工程は同
一平面上で連続的に行うことにより脱脂後の非常にもろ
い状態時間を短くし、安定した品質の焼結体を得ること
ができる。
【0039】脱脂仮焼結工程は、例えば空気雰囲気下、
窒素雰囲気下、あるいは水素ガス(窒素ガスを含んでも
良い)などの還元ガス雰囲気下で、300〜900℃程
度(多孔質金属板を形成する場合には、700〜900
°C)の温度で10〜60分の時間焼成することができ
る。また、本焼結工程は、製造する金属の種類に応じ
て、アンモニア分解ガス雰囲気、水素ガス(窒素ガスな
どを含んでも良い)のような還元性雰囲気下、あるいは
真空中、さらには空気中の雰囲気、または窒素ガス雰囲
気下で、800〜1400℃程度の温度(多孔質金属を
形成する場合には1000〜1300°C)で20〜1
20分間焼成することが好ましい。
【0040】図2に示した本実施の形態である多孔質焼
結金属板の製造装置において、焼成装置部は、搬送方向
に沿って順に脱脂仮焼結炉71および本焼結炉81を有
している。脱脂仮焼結炉71は、前記成形装置部201
の第1ロール3に隣接して配置された第1ロール72と
駆動装置を備えた第2ロール73とに掛け渡されたスチ
ールベルトからなるキャリアーシート74を有する。こ
れら第1ロール72と第2ロール73との間を搬送する
キャリアシート74がいわばベルトコンベヤー(搬送手
段)の働きをする。脱脂仮焼結炉71は、キャリアシー
ト74の上方に閉塞空間を形成する矩形のトンネル状炉
体であり、炉体の第1ロール72側壁面には、キャリア
シートの搬送入口75が設けられ、一方第2ロール73
側壁面には、搬送出口76が設けられている。
【0041】また、脱脂仮焼結炉71において、第1ロ
ール72の下方位置に、キャリアシート74に接して潤
滑剤塗布機61が設けられており、ここより、キャリア
シート74表面には、乾燥成形体10Cの搬送に先立
ち、潤滑剤が塗布される。上記したように、脱脂仮焼結
炉71により行なわれる脱脂仮焼結工程は、主として成
形体10C中に含まれる有機物(バインダー等)を揮散
させる工程であり、この工程においては、成形体の大き
な収縮は生じないものであるが、成形体の収縮を吸収す
る、キャリアシート74と乾燥成形体10Cとの間の滑
りが容易に生じるように、キャリアシート74表面にこ
のような潤滑剤を付与しておくことは、極めて有効であ
る。なお潤滑剤としては、グラファイト、ピッチ、シリ
コン、窒化硼素(ボロンナイトライド)、炭化けい素
(シリコンカーバイド)等を液体あるいは固体粉末状に
て使用できる。
【0042】なお、キャリアシート74はこの実施の形
態ではスチールベルト製のものとしたが、ステンレス
鋼、Ni基耐熱合金、モリブデン合金等のより耐熱性の
ある金属によって構成することも可能である。この脱脂
仮焼結炉71において、乾燥成形体10Cは、上記した
ような所定の条件で仮焼成、脱脂されて脱脂体10Dと
なり、キャリアシート74を第2ロール73部位におい
て下側直角方向に折曲させながら搬送させることで脱脂
体10Dとキャリアシート74とが分離され、脱脂体1
0Dは、本焼成炉81に送られる。
【0043】本焼結炉81も、前記脱脂仮焼結炉71と
同様に、閉塞空間を形成する矩形のトンネル状炉体であ
り、脱脂仮焼結炉71側壁面には、脱脂体1Dの搬送入
口85が設けられ、一方他方側壁面には、搬送出口86
が設けられている。しかして、この本焼結炉81は、前
記搬送入口側85から搬送出口側86へと脱脂体1Dを
搬送する搬送手段として、搬送方向に直角な軸線を有す
る回転ローラ82を水平方向に複数本並列に配置してな
るものを有し、いわゆる炉床がローラーハース83とさ
れた連続焼結炉である。各回転ローラ82は、図示しな
い駆動手段によって、それぞれ独立して、あるいは複数
本づつないしは全てが同じ周速度にて、搬送方向に順方
向に周回転するものである。このローラハース83は、
焼結炉81の搬送入口85より前方の炉体外部位置(前
記脱脂仮焼結炉71の第2ロール73近傍)から、搬送
出口86よりも後方の炉体外部位置まで延長されてい
る。そして、ローラハース83の各回転ローラ82は、
搬送方向に順方向に周回転するものとされているため、
その上部に載置された脱脂体1Dは、複数のローラ82
によって線接触によって支持されながら、搬送方向前方
へと送られる。
【0044】ローラハース83の各回転ローラ82間の
間隔は、成形体(脱脂体1D)の肉厚、空孔率等および
焼成の進行の度合によっても異なるが、あまりローラ間
の間隔が開いていると、十分な支持が行なえなくなり、
成形体の変形が生じる虞れが高くなるため、所定の範囲
内の間隔に配置すべきである。例えば、ローラ間隔は、
25〜70mm程度とすることが適当であり、特に焼結
炉の搬送入口85側近傍ではより狭い間隔で配置するこ
とが望ましい。
【0045】なお、この実施の形態においては、複数の
回転ローラによって本焼結炉81の搬送手段を構成した
が、当該転がり面を形成する回転体としては、回転ロー
ラに限られるものではなく、搬送方向に順方向に周回転
するように軸支した複数の球体ないし楕円球体によって
構成し、点接触によって支持しながら搬送するものとし
てもよい。また、本焼結炉81の搬送手段の一部、特に
脱脂体1Dに大きな収縮が生じる区間における搬送手段
のみを、このような転がり面による線接触ないし点接触
構造とし、残りの部位は、ベルト式の搬送手段等で構成
することも可能である。さらに、前記脱脂仮焼結炉71
における搬送手段をこのような転がり面による線接触な
いし点接触構造とすることももちろん可能である。
【0046】焼結を行なうと、金属板は最大約20%程
度収縮(Ni多孔質金属を1200℃で焼成した場合)
するので、従来のベルト炉においては、数十センチ程度
の長さの多孔質焼結金属板しか得られない。本発明に係
る連続焼成装置においては、図1に示すように、前記焼
成炉内の少なくとも一部において、成形体を、連続的に
配列された、搬送方向に順方向に周回転する複数の転が
り面にて線接触ないし点接触によって支持しながら、搬
送するものであるため、成形体とこれを載置する搬送手
段との間の接触抵抗が非常に低く、これらの間で滑りが
生じやすいものであるため、焼結の際に成形体が収縮し
ようとする動きが支持面(搬送体)に規制されることな
く、搬送方向と反方向側に容易に収縮できる。すなわ
ち、焼結の際に生じる収縮量を成形体と低抵抗支持面と
の間で生じる滑り量と一致させることにより、収縮割れ
を防止できるので、長尺な多結晶焼結金属板1Eを得る
ことが可能である。
【0047】また、この成形体の収縮量に応じて、前記
搬送手段を構成する複数の回転体82のそれぞれ周速度
を調整する、例えば、炉体の出口側に位置するものが、
炉体のより入口側に位置するものより周速度の小さいも
のとすれば、搬送においてより良好な収縮の吸収が行な
い得る。
【0048】なお、この実施の形態においては、本焼結
炉81内を特に区画していないが、このような焼結炉に
よって構成される焼結ゾーンを複数のブース、特に3ブ
ース以上に区画することも可能であり、このように複数
のブースに区画し、第1ブース、第2ブース、第3ブー
ス…という順番に温度を高く設定していけば、搬送が進
むにつれ焼結を徐々に進行させることができるため、急
激な加熱による割れ等の発生の虞れが少なくなり、安定
した操作が行ない得る。
【0049】また本焼結炉81内での搬送方向における
昇温速度は2〜50℃/min、特に5〜30℃/mi
nが好ましい。また、脱脂仮焼結炉、本焼結炉に配置さ
れる加熱源としては、特に限定されるものではなく、焼
結しようとする金属種等に応じて、例えば、ニクロム線
ヒータ、Moヒータ、SiCヒータ、Wヒータなどから
適宜選択できる。
【0050】このようにして本焼結炉81で焼結され、
本焼結炉より導出された金属板10Eは、巻取装置91
に巻き取られ、ロール状の連続ストリップ92とされ
る。なお、焼結後に必要に応じて、スキンパス圧延など
で厚さを変えても良い。焼結金属体の最終収縮率をS、
焼成装置のキャリアシートの移動速度をV1 とすれば、
圧延ロールの回転速度V2は以下のようになる。
【0051】V2 =V1 ×(100−S)/100 かくして表面積の大きい、三次元網状骨格構造を有する
スポンジ状の多孔質焼結金属板を得ることができる。多
孔質焼結金属板は、図4に示すように、スラリーの調製
方法、発泡方法、乾燥方法、焼成方法等の違いにより、
例えば図4(A)に示すような泡一層、(B)に示すよ
うな閉気孔構造、(C)に示すような表面が閉口した構
造、(D)に示すような表面が開口した構造など種々の
細孔構造とすることが可能である。
【0052】多孔質焼結金属板は、三次元網状骨格が金
属粉末の焼結体であるので、骨格自体が多孔質である。
このため、表面積が非常に大きく、例えばBET比表面
積が300〜1500cm2 /cm3 の範囲である。ま
た、発泡体の孔径が非常に小さく、100μm未満の孔
径を有するものを容易に得ることができ、具体的には、
平均孔径が60〜600μmの範囲のもので、気孔率が
90〜99容量%のものを製造することができる。
【0053】このようにして得られる多孔質焼結金属板
は、上記特徴を有するため、例えばアルカリ二次電池の
電極の活物質保持材、水電解電極、石油暖房機器の灯油
噴霧化部材、磁気シールドパッキン、爆薬を使用するエ
アクッションの気体膨張緩衝材、吸音材、浄化機の水電
解フィルター、空気浄化機の静電フィルター、エンジン
排ガスのオイルミストフィルター、石油ストーブなどの
燃焼機器の脱臭触媒、高温排気集塵フィルター、アルミ
ニウムを気孔中に高圧充填した複合材(CRM)の基
材、工業用触媒、坦体等の有用な用途を有する。
【0054】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、本発明の範囲内で種々に改変することができ
る。たとえば上述した実施の形態では、本発明に係る焼
成方法を、多孔質焼結金属板の製造に適用したが、多孔
質焼結金属板以外にも、緻密な金属板ないし金属箔の連
続ストリップの製造に用いることも可能である。さら
に、このような板状ないし箔状のものに限られず、棒状
ないし管状などといった長さ方向における任意位置の断
面形状が概略同じものであるような長尺な焼結体の製造
にも適用することが可能である。さらに、焼結金属のみ
ならず、長尺なセラミックス焼結体の製造の製造にも適
用可能である。
【0055】また上述した実施の形態では、本発明に係
る焼成装置が、脱脂仮焼結工程と本焼結工程とを別々の
炉体として有するものとしたが、これらを1つの炉体に
おいて隔壁等により区画して設けることも可能である。
さらに、脱脂ゾーンを有しない焼成装置とすることもで
きる。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、粉
末冶金法などにおいて、連続する長尺な焼結体を、容易
にかつ確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る多孔質焼結金属板の製造工
程を示すフローチャートである。
【図2】図2は本発明の連続焼結装置の一実施形態を備
えてなる多孔質焼結金属板連続製造装置の構成を模式的
に示す断面図である。
【図3】図3は2枚刃のドクターブレードを示す要部断
面図である。
【図4】図4は本発明の製造装置により得られた多孔質
焼結金属の発泡構造の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10A 成形体 10B 発泡成形体 10C 乾燥成形体 10D 脱脂体 10E 焼結体 31 スラリー溜 32 ドクターブレード 41 発泡装置 51 乾燥機 61 潤滑剤塗布機 71 脱脂仮焼結炉 81 本焼結炉 82 回転ローラ 83 ローラハース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−137004(JP,A) 特開 平6−330154(JP,A) 特開 平6−24863(JP,A) 米国特許5213612(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 3/10 B22F 3/11 B22F 3/22 F27B 9/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定断面形状を有する連続する長尺な成形
    体を、トンネル状焼成炉内を連続的に移動させながら焼
    成して長尺な焼結体を得る方法であって、 前記焼成炉内の少なくとも一部において、前記成形体
    を、連続的に配列された、搬送方向に順方向に周回転す
    る複数の転がり面にて線接触ないし点接触によって支持
    前記成形体の収縮量に応じて、前記複数の転がり面のう
    ち、前記焼成炉の出口側に位置する転がり面を、当該焼
    成炉のより入口側に位置するものより周速度を小さく速
    度制御し ながら、前記成形体を搬送することを特徴とす
    る長尺な成形体の連続焼成方法。
  2. 【請求項2】前記焼結体が焼結金属板である請求項1に
    記載の連続焼成方法。
  3. 【請求項3】トンネル状炉体と、所定断面形状を有する
    連続する長尺な成形体を該炉体の入口側より出口側に向
    って連続的に移動させる搬送体を備えてなる連続焼成装
    置であって、 前記炉体内の少なくとも一部において前記搬送体が、連
    続的に配列された、搬送方向に順方向に周回転する複数
    の回転体によって形成されており、 前記成形体の収縮量に応じて、前記複数の回転体のう
    ち、前記炉体の出口側に位置する回転体が、当該炉体の
    より入口側に位置するものより周速度が小さく速度制御
    されて いることを特徴とする連続焼成装置。
  4. 【請求項4】前記回転体が、回転ローラである請求項3
    に記載の焼成装置。
  5. 【請求項5】金属粉末を含む発泡性スラリーを調製し、 この発泡性スラリーを、所定断面形状を有する連続する
    長尺な板状に成形し、 得られた板状成形体を搬送手段で連続的に後工程へ搬送
    しながら、発泡手段で発泡させ その 後、前記板状成形体を乾燥手段で乾燥させ、 さらに焼成炉において、前記板状成形体を、前記焼成炉
    内の少なくとも一部において、連続的に配列された、搬
    送方向に順方向に周回転する複数の転がり面にて線接触
    ないし点接触によって支持し、前記成形体の収縮量に応
    じて、前記複数の転がり面のうち、前記焼成炉の出口側
    に位置する転がり面を、当該焼成炉のより入口側に位置
    するものより周速度を小さく速度制御しながら焼成する
    ことを特徴とする長尺な多孔質焼結金属板の製造方法。
  6. 【請求項6】金属粉末を含む発泡性スラリーを調製する
    スラリー調製手段と、 前記発泡性スラリーを、所定断面形状を有する連続する
    長尺な板状に成形する成形手段と、 前記板状に成形された発泡性スラリーの板状成形体を連
    続的に後工程へ搬送する搬送手段と、 前記板状成形体を発泡させる発泡手段と、 前記板状成形体を乾燥する乾燥手段と、 前記板状成形体を焼成する焼成手段であって、その内部
    を通過する前記搬送手段が少なくともその一部におい
    て、連続的に配列された、搬送方向に順方向に周回転す
    る複数の回転体によって形成されてなり、前記板状成形
    体の収縮量に応じて、前記複数の回転体のうち、前記焼
    成手段の出口側に位置する回転体が、当該焼成手段のよ
    り入口側に位置するものより周速度が小さく速度制御さ
    れている焼成手段と、 を有することを特徴とする長尺な多孔質焼結金属板の製
    造装置。
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