JP5825311B2 - アルミニウム多孔質焼結体 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、リチウムイオン二次電池や電気二重層型キャパシタの集電体に適したアルミニウム多孔質焼結体に関するものである。
現在、リチウムイオン電池や電気二重層型のキャパシタの正極集電体として一般的にアルミニウム箔が用いられている。そして、近年、これらの電池やキャパシタが電気自動車などにも用いられるようになり、そのような用途拡大に伴って電池やキャパシタにおける電極集電体の高出力化、高エネルギー密度化が要求され、特許文献1および2に示すように、電極集電体として三次元網目構造の開気孔を有するアルミニウム多孔質体が知られるようになりつつある。
このようなアルミニウム多孔質体の製造方法としては、例えば、特許文献3に開示されるように、溶融アルミニウムに増粘剤を加えて増粘させた後に、発泡剤としての水素化チタンを添加して、水素化チタンの熱分解反応によって生じる水素ガスを利用して溶融アルミニウムを発泡させつつ固化させる発泡溶融法が知られている。しかしながら、同方法によって得られる発泡アルミニウムは、数mmの大きな閉気孔を有するものであった。
その他、第2の方法として、スポンジウレタンを中子にした鋳型にアルミニウムを圧入し、ウレタンが焼失して形成される空洞にアルミニウムを充填することにより、スポンジ骨格の発泡アルミニウムを得る方法がある。同方法によれば、40PPI以下の孔径、すなわち、1インチ当たり40セル以下の孔径(孔径約600μm以上)の開気孔を有する発泡アルミニウムが得られる。
さらに、第3の方法として、特許文献4に開示されるように、中空セラミックスからなる強化材にアルミニウム合金を加圧浸透させて、強化材の寸法に応じた500μm以下の孔径の閉気孔を有する発泡アルミニウムを得る方法もある。
また、第4の方法として、特許文献5に開示されるように、AlSi合金粉末とTiH2粉末との混合粉末をアルミニウム板材に挟んで加熱圧延することによって、TiH2粉末の分解によりアルミニウムを発泡させる方法があるものの、同方法によって得られる発泡アルミニウムは、数mm単位の大きな孔径を有するものである。
さらには、第5の方法として、特許文献6に開示されるように、アルミニウムとの共晶温度がアルミニウムの融点よりも低い金属をアルミニウムに混合し、共晶温度よりも高くアルミニウムの融点よりも低い温度に加熱焼成する方法があるものの、同方法によって得られる発泡アルミニウムは、孔径を小さくすることができても気孔率が40%前後と小さい。このため、集電体としての発泡アルミニウムの気孔に浸透する正極活物質や負極活物質の量が少なく、所望の高出力化、高エネルギー密度化が図れなかった。
特許第3591055号公報 特開2009―43536号公報 特開平08−209265号公報 特開2007−238971号公報 特表2003−520292号公報 特公昭61−48566号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、高出力化、高エネルギー密度化が要求される電池やキャパシタの正極集電体に適したアルミニウム多孔質焼結体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、金属粉末の焼結体からなる三次元網目構造の金属骨格を有し、上記金属骨格間に外表面に開口する空孔を有してなるアルミニウム多孔質焼結体であって、上記有孔金属焼結体にAl−Ti化合物が分散しているとともに、外表面に開口し、かつ上記金属骨格自体に形成された直線長さ100μmあたり2〜4ヶの微小気孔と、上記金属骨格間に形成された直線長さ1cm当たりに20ヶ以上の3次元空孔との2種類の形態の異なる気孔が形成されることにより、全体気孔率が70〜99%であることを特徴としている。
請求項1に記載のアルミニウム多孔質焼結体によれば、正極集電体として円柱状の電池要素の外周に巻き付けた場合にも正極活物質の剥離がないだけでなく、充放電に伴う活物質の膨張収縮による正極活物質の脱落が生じにくく、安定的に使用できる。
実施例1の発泡アルミニウムのSEM写真である。 図1の一部拡大SEM写真図である。 比較例1の発泡アルミニウムのSEM写真である。 アルミニウム粉末をフリーシンタリングする方法としての従来技術における第5の方法にスラリー発泡法を組み合わせた手法にて得られた発泡アルミニウムの写真である。
以下、本発明に係るアルミニウム多孔質焼結体の一実施形態について説明する。
まず、本発明のアルミニウム多孔質焼結体を得るための製造方法は、アルミニウム粉末にチタンおよび/または水素化チタンを混合してアルミニウム混合原料粉末とするアルミニウム混合原料粉末調製工程と、このアルミニウム混合原料粉末に水溶性樹脂結合剤と水と可塑剤とを混合して粘性組成物を調製する粘性組成物調製工程と、この粘性組成物に気泡を混合させた状態で乾燥させて焼結前成形体を得る焼結前工程と、焼結前成形体を非酸化性雰囲気にてTm−10(℃)≦加熱焼成温度T≦685(℃)で加熱焼成する焼結工程とを有する。なお、Tm(℃)は、アルミニウム混合原料粉末が溶解を開始する温度である。
このアルミニウム混合原料粉末調製工程では、アルミニウム粉末として平均粒子径2〜200μmのものが用いられる。これは、平均粒子径が小さくなると、アルミニウム粉末に対して水溶性樹脂結合剤を多量に加えて、粘性組成物が所望の形状に成形可能な程度に粘性を有するように、かつ焼結前成形体がハンドリング強度を有するようにする必要がある。しかしながら、水溶性樹脂結合剤を多量に加えると、焼結前成形体を加熱焼成する際にアルミニウム中に残存する炭素量が増加して、焼結反応が阻害されてしまう。他方、アルミニウム粉末の粒子径が大きすぎると、発泡アルミニウムの強度が低下してしまう。そこで、アルミニウム粉末としては、上述のように平均粒子径2〜200μmの範囲内、より好ましくは7μm〜40μmの範囲内のものが用いられる。
さらに、このアルミニウム粉末にチタンおよび/または水素化チタンを混合する。これは、アルミニウム粉末にチタンを混合して、焼結前成形体をTm−10(℃)≦加熱焼成温度T≦685(℃)にて加熱焼成することによって、液滴の塊を生成させることのないアルミニウムのフリーシンタリングが可能となるためである。また、水素化チタン(TiH)は、そのチタン含有量が47.88(チタンの分子量)/(47.88+1(水素の分子量)×2)で95質量%以上である上に、470〜530℃にて脱水素してチタンとなるため上述の加熱焼成により熱分解してチタンとなる。従って、水素化チタンを混合した場合にも液滴の塊を生成させることのないアルミニウムのフリーシンタリングが可能となる。
その際、チタンあるいは水素化チタンの平均粒子径をr(μm)、チタンあるいは水素化チタンの配合比をW質量%としたときにの配合比をW質量%としたときに、1(μm)≦r≦30(μm)、0.1(質量%)≦W≦20(質量%)であり、かつ0.1≦W/r≦2とする。すなわち、平均粒子径4μmの水素化チタン粉の場合に、配合比Wは、0.1≦W/4≦2であることから0.4〜8質量%となり、平均粒子径20μmのチタン粉の場合に、配合比Wは、0.1≦W/20≦2であることから2〜40質量%となるが、0.1(質量%)≦W≦20(質量%)から2〜20質量%となる。
また、水素化チタンの平均粒子径は0.1(μm)≦r≦30(μm)としたが、より好ましくは4(μm)≦r≦20(μm)とする。このようにしたのは、1μm以下であると、自然発火する恐れがあり、一方、30μmを超えると、前記水素化チタンは焼結後にアルミニウムとチタンとの化合物が被覆したチタン粒子になるが、そのアルミニウムとチタンの化合物相がチタン粒子から剥離しやすくなって、焼結体に所望の強さが得られなるためである。
さらに、0.1(質量%)≦W≦20(質量%)としたのは、焼結助剤粉末の配合比Wが20質量%を超えるとアルミニウム混合原料粉末中で焼結助剤粉末同士が接点を持つようになって、アルミニウムとチタンの反応熱を制御できなくなるとともに所望の多孔質焼結体が得られないようになるためである。
また、0.1(質量%)≦W≦20(質量%)の範囲内であっても、焼結助剤粉末の粒子径によってはアルミニウムとチタンの反応熱が大きくなりすぎる場合があり、反応熱によって溶解したアルミニウムの温度がさらに上昇して粘性が下がり、液滴を生じてしまう場合があった。
そこで、種々の条件で作製した試験片を電子顕微鏡で観察した結果から、発熱量をチタンの配合量および粒子径で制御できる範囲内では、チタン粒子の露出表面側からほぼ一定の厚さの表層部だけがアルミニウム反応していることがわかった。これにより、液滴の発生を防止するためには1(μm)≦r≦30(μm)、かつ0.1≦W/r≦2であることが望ましいことを実験的に導出した。
なお、0.1≦W/r≦2の意味について、焼結助剤粉末にチタンを利用する場合を説明すると、チタンの平均粒子径をr、チタンの粒子数をN、チタンの添加質量をw、チタンの比重をD、アルミニウムとの反応によるチタン粒径の減少量をdとすると、反応熱量Qは反応したチタンの体積に比例することから、Q∝4πr2dNである。さらに、チタン粒子の添加量は、チタン粒子1個の平均体積とチタン粒子の数との積により算出されることから、w=4/3πr3DNである。よって後者の式を前者の式に代入すると、Q∝3wd/rDとなる。ここで、3/Dが定数であること、ならびにdが焼結条件によらずほぼ一定であるという観察結果からQ∝w/rである。従って、液滴が発生しないW/rの範囲を実験的に求めて上述のように限定することによって、アルミニウムとチタンの反応熱が大きすぎることによる液滴の発生を防止するものである。
次いで、粘性組成物調製工程は、上記アルミニウム混合原料粉末に、水溶性樹脂結合剤として、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよびエチルセルロースの少なくともいずれか一種以上を、可塑剤として、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびフタル酸ジNブチルの少なくともいずれか一種以上をそれぞれ加えるとともに、蒸留水と、界面活性剤としてのアルキルベタインとをそれぞれ加える。
このように、水溶性樹脂結合剤として、ポリビニルアルコール、メチルセルロースやエチルセルロースを用いることにより、その添加量が比較的少量で足りる。このため、その添加量をアルミニウム混合原料粉末の質量の0.5%〜7%の範囲内とする。これは、アルミニウム混合原料粉末の質量の7%を超えて含まれると、加熱焼成する際に焼結前成形体などに残留する炭素量が増加して焼結反応が阻害され、0.5%未満であると、焼結前成形体のハンドリング強度が確保されないためである。
また、アルキルベタインは、アルミニウム混合原料粉末の質量の0.02%〜3%が添加される。これは、アルミニウム混合原料粉末の質量の0.02%以上とすることによって、後述の非水溶性炭化水素系有機溶剤の混合の際に気泡が効果的に生成され、3%以下とすることによって、焼結前成形体などに残存する炭素量が増加することによる焼結反応の阻害が防止される。
そして、これらを混練した後に、さらに炭素数5〜8非水溶性炭化水素系有機溶剤を混合することにより発泡させて、気泡の混合した粘性組成物を調整する。この炭素数5〜8非水溶性炭化水素系有機溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンの少なくとも一種以上が使用可能である。
次いで、焼結前工程では、帯状のポリエチレンシートの剥離剤塗布面に、粘性組成物を厚さ0.05mm〜5mmの厚さに引き延ばして塗布し、周囲の温度および湿度を一定時間管理して、気泡を整寸化した後、大気乾燥機にて温度70度で乾燥させる。その際、粘性組成物は、ドクターブレード法、スラリー押出し法あるいはスクリーン印刷法などによって塗布する。
そして、乾燥後の粘性組成物を、ポリエチレンシートから剥がして、必要に応じて直径100mmの円形などの所定形状に切り出して焼結前成形体が得られる。
次いで、焼結工程では、上記焼結前成形体を、ジルコニア敷粉を敷いたアルミナセッターの上に載置して、露点が−20℃以下のアルゴン雰囲気中に520℃で1時間加熱保持する仮焼成を行う。これにより、焼結前成形体の水溶性樹脂結合剤成分、可塑剤成分、蒸留水およびアルキルベタインのバインダー溶液を飛ばす脱バインダーがなされるとともに、焼結助剤粉末として水素化チタンを用いた場合には脱水素がなされる。
その後、仮焼成後の焼結前成形体を、Tm−10(℃)≦加熱焼成温度T≦685(℃)で加熱焼成して発泡アルミニウムを得る。
これは、焼結前成形体を融解温度Tm(℃)まで加熱することにより、アルミニウムとチタンとの反応が開始するものと考えられるものの、実際にはアルミニウムに不純物としてFeやSiなどの共晶合金元素を微量に含有して融点が低下することから、Tm−10(℃)まで加熱することによりアルミニウムとチタンとの反応が開始して発泡アルミニウムを形成するものと考えられるためである。実際に、アルミニウムの融点が660℃であるのに対して、純アルミニウム粉として流通している純度98%〜99.7%程度のアトマイズ粉では650℃前後が溶解開始温度となる。
他方、アルミニウムとチタンの包晶温度である665℃になり、さらに融解潜熱が入熱されるとアルミニウムの焼結体が融解することから、炉内雰囲気温度を685℃以下に保つ必要がある。
なお、焼結工程における加熱焼成は、アルミニウム粒子表面およびチタン粒子表面の酸化被膜の成長を抑制するため、非酸化性雰囲気にて行う必要がある。但し、加熱温度が400℃以下に30分間程度保持の条件であれば空気中で加熱してもアルミニウム粒子表面およびチタン粒子表面の酸化被膜はさほど成長しないので、例えば、焼結前成形体を、一旦空気中で300℃〜400℃に10分間程度加熱保持して脱バインダーした後、アルゴン雰囲気中で所定の温度に加熱して焼成してもよい。
これにより得られた発泡アルミニウムは、有孔金属焼結体からなる三次元網目構造の金属骨格を有し、金属骨格間に空孔を有している。また、有孔金属焼結体にAl−Ti化合物が分散しており、空孔が直線長さ1cm当たりに20ヶ以上形成されて、70〜90%の全体気孔率を有し、リチウムイオン二次電池や電気二重層型キャパシタの集電体として好適に用いられる。
なお、本発明は、上述の実施形態に何ら限定されるものでなく、例えば、チタンや水素化チタン以外の焼結助剤粉末を用いてもよく、焼結助剤元素としてチタンを含む焼結助剤粉末を用いればよい。
本実施形態の発泡アルミニウムの製造方法によれば、アルミニウム混合原料粉末調製工程にてアルミニウム粉末に焼結助剤粉末としてチタンおよび/または水素化チタンを混合したアルミニウム混合原料粉末を、粘性組成物調製工程にて発泡させ、焼結工程にてTm−10(℃)≦T≦685(℃)にて加熱焼成することによってスポンジ骨格で囲まれる孔径600μm未満の整寸な気孔と、スポンジ骨格自体に形成される直線長さ100μmあたり2ヶ以上の微小気孔の2種類の形態の異なる気孔を有する高気孔率で均質な発泡アルミニウムを得ることができる。その際、水素化チタンは、そのチタン含有量が95質量%以上である上に、470〜530℃にて脱水素してチタンとなるため、上述の加熱焼成により熱分解してチタンとなる。従って、水素化チタンは、チタンと同様に、上述の加熱焼成によって発泡アルミニウムの製造に寄与するものと考えられる。
さらに、粘性組成物調製工程と焼結工程との間に、帯状のポリエチレンシートの剥離剤塗布面に、粘性組成物を厚さ0.05mm〜5mmの厚さに引き延ばして塗布するなどして所定形状の焼結前成形体とする焼結前工程を有することによって、後工程の焼結工程を得ることにより、リチウムイオン二次電池や電気二重層型キャパシタの集電体などの用途に応じた発泡アルミニウムを得ることができる。
(実施例1〜16)
次に、平均粒子径2.1μm、9.4μm、24μm、87μmおよび175μmのAl粉と、平均粒子径9.8μm、24μmおよび42μmのTi粉と、平均粒子径4.2μm、9.1μmおよび21μmのTiH2粉とを用意する。そして、上述の実施の形態に従って、表1に示す割合でAl粉にTi粉および/またはTiH2粉を混合したアルミニウム混合原料粉末1〜10を調製し、表2に示す配合組成でバインダー溶液1〜5を調製し、それらと非水溶性炭化水素系有機溶剤を表3に示す割合で混練して実施例1〜16の粘性組成物を製造した。
次いで、これらの実施例1〜16の粘性組成物を、ドクターブレード法にて剥離剤が塗布されたポリエチレンシートに引き伸ばして塗布し、温度および湿度を一定時間保持するよう管理して、気泡を整寸化した後、大気乾燥機にて温度70℃で乾燥させる。その際の粘性組成物の塗布厚さ並びに上記温度、湿度及び保持時間を表3に示す。そして、乾燥後の粘性組成物を、ポリエチレンシートから剥がして、直径100mmの円形に切り出して実施例1〜16の焼結前成形体を得る。
そして、これらの実施例1〜16の焼結前成形体を、ジルコニア敷粉を敷いたアルミナセッターの上に載置して、アルゴン気流雰囲気中または大気中で脱バインダーを行った後に、加熱焼成して、発泡アルミニウムを得る。その際の加熱焼成温度と加熱焼成保持時間についても表3に示す。
次に、これにより得られた実施例1〜16の発泡アルミニウムの収縮率と気孔率とを算出した。また、実体顕微鏡写真から3次元空孔数および走査型電子顕微鏡(SEM)写真から骨格の孔数をそれぞれ計測するとともに、同SEM写真にて液滴凝固の有無を確認し、さらには、電子線マイクロアナライザー(EPMA)による面分析によって発泡アルミニウムの骨格表面にAl−Ti化合物の有無を確認した。それらの結果を表5に示すとともに、実施例1の発泡アルミニウムのSEM写真を図1に、その一部拡大写真を図2にそれぞれ示した。
次に、実施例1〜16の発泡アルミニウムについて、それぞれ圧下率20%にてロール圧延テストを行って割れの有無を黙視にて確認した後に、20mm×50mmの矩形状に切り出して対向角部間の電気抵抗を測定した。次いで、これらの矩形状の発泡アルミニウムをそれぞれ直径5mmの円柱体の外周に巻きつけて、割れの有無を目視にて確認した。それらの結果を表5に示した。
(比較例1〜9)
次いで、実施例と同一のAl粉、Ti粉およびTiH2粉を用意して調製した比較アルミニウム混合原料粉末1〜5を上記アルミニウム混合原料粉末1〜9とともに用いて、表2に示すバインダー溶液1〜5によって非水溶性炭化水素系有機溶剤を表4に示す割合で混練した他は、実施例と同様にして比較例1〜9の発泡アルミニウムを製造した。そして、比較例1〜9の発泡アルミニウムを実施例と同様の方法にて評価して表5に示すとともに、比較例1の発泡アルミニウムのSEM写真を図3した。
表5から判るように、実施例1〜16の発泡アルミニウムは、有孔金属焼結体の骨格長さ100μm当たりの孔数2〜4であるとともに、金属骨格間にある3次元空孔を1インチ当たり52ヶ以上有し、すなわち、1cm当たりに20ヶ以上有している。そして、発泡アルミニウムに液滴状の塊が生じることもなく、電機抵抗も低く、巻き付け試験による割れもなかった。従って、高出力化、高エネルギー密度化が要求される電池やキャパシタの正極集電体に適している。
次に、活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdE)と、導電材として人造黒鉛粉とを重量比で86:6:8に混合して正極剤を調製し、この正極剤に溶剤としてN−メチル−2ピロリドンを混合して正極活物質スラリーを調製した。
次いで、この正極活物質スラリーに、実施例1〜16の発泡アルミニウムおよび従来例1の発泡アルミニウムを10分間浸漬し、取り出して乾燥させた後に、圧延して厚さ0.5mmの実施例1〜16のリチウムイオン電池の正極を作製した。
なお、従来例1の発泡アルミニウムとしては、従来技術の第2の方法であるスポンジウレタンを中子にした鋳型にアルミニウムを圧入する方法で製造した30PPIの発泡アルミニウムを用いた。また、これらの実施例1〜16の発泡アルミニウムおよび従来例1の発泡アルミニウムの正極活物質の充填密度は表5に示した。
次いで、直径1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mmの円柱体をそれぞれ用意して、実施例1〜16および従来例1のリチウムイオン電池の正極を巻き付けて、活物質が剥離するか否かを目視観察し、剥離が認められなかった最小径を表5に示した。
その結果、表5から判るように、実施例1〜16のリチウムイオン電池の正極は、直径1.5mm〜2.5mmの円柱体に巻き付けても活物質が剥離しなかったのに対して、従来例1の正極は、直径3mmの円柱体に巻き付けた段階で活物質が剥離してしまった。さらには、実施例1〜16のリチウムイオン電池の正極は、活物質の充填密度が4.1g/cm3以上であるのに対して、従来例1の正極は、活物質の充填密度が3.84.1g/cm3と小さかった。
発泡アルミニウムとして利用できる他、リチウムイオン二次電池や電気二重層型キャパシタの集電体として利用できる。

Claims (1)

  1. 金属粉末の焼結体からなる三次元網目構造の金属骨格を有し、上記金属骨格間に外表面に開口する空孔を有してなるアルミニウム多孔質焼結体であって、
    上記有孔金属焼結体にAl−Ti化合物が分散しているとともに、上記金属骨格自体に形成された直線長さ100μmあたり2〜4ヶの微小気孔と、上記金属骨格間に形成された直線長さ1cm当たりに20ヶ以上の3次元空孔との2種類の形態の異なる気孔が形成されることにより、全体気孔率が70〜99%であることを特徴とするアルミニウム多孔質焼結体。
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