JP3396737B2 - 放電加工と塑性加工を組み合わせた金属質の多孔質体の気孔率分布制御法 - Google Patents

放電加工と塑性加工を組み合わせた金属質の多孔質体の気孔率分布制御法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電加工と塑性加
工を組み合わせて、更には高温での熱処理を行って、金
属質の多孔質体の気孔率分布及び強度分布を任意に制御
して所定の気孔率分布及び強度分布を有する金属質の多
孔質体を製造する方法に関するものであり、更に詳しく
は、本発明は、使用目的に合致した特性を発現するため
に、例えば、複雑なパターンの気孔率の不均一な分布を
有する金属質の多孔質体板材を、放電加工と塑性加工を
組み合わせたプロセス及び必要な場合は高強度化のため
にそれを高温で熱処理するプロセスを行って、安価で高
能率に製造することを可能とする技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属質の多孔質体の気孔率分布
を任意に制御することは、従来は困難とされており、こ
れまでの代表的な手法としては、1)骨材となる金属粉
末とバインダーを混合して成形し、加熱焼成によってバ
インダーを除去し、多孔質体を作るプロセスにおいて、
骨材とバインダーの含有比が異なるシート状の素材を積
層した後、加熱焼成して、板厚方向に気孔率を傾斜させ
た多孔質体を製造する方法、2)気孔率の異なる金属質
の多孔質体の板材を積層して拡散接合する方法、3)金
属の溶湯を固化させる際に、圧力の変化(溶解ガスの噴
出)、温度変化(ガス化あるいは分解によるガスの放
出)、ガスの吹き込み等による発泡を起こさせ、それに
際して、温度や圧力等に傾斜をつけて不均一な発泡状態
を作りだし、多孔質体の構造を制御する方法、等があ
る。
【0003】しかし、これらの方法では、板厚方向に気
孔率の単純な傾斜を形成することはできても、複雑なパ
ターンの気孔率の不均一分布を形成することは非常に困
難であった。また、板材の広がり方向に任意の気孔率分
布を形成することは、これまでの方法では、ほぼ不可能
であった。
【0004】更に、上記方法では、形成し得る気孔率の
上限や下限も、多孔質体の製法によって、厳しい制約を
受け、例えば、粉末を焼結させて多孔質体を製造する場
合には、気孔率を大きくすることが困難であり、また、
液体中で発泡を起こさせる場合には、逆に気孔率を小さ
くすることに困難が伴う、という問題があった。
【0005】また、これまでの方法では、製造条件の選
択は非常に微妙であり、所定の気孔率分布に組織制御を
行うためには、多回数の予備実験を行い、圧力や温度等
の条件制御を精密に行う必要があるため、非常に高コス
トになる、という問題があった。
【0006】以上のように、使用条件に適合した気孔率
分布を有する金属質の多孔質体を、工業的に適用可能な
コストで製造する技術は、その応用範囲が高いにも拘わ
らず、現状では存在せず、当技術分野では、金属質の多
孔質体の気孔率分布を任意に制御する技術の開発が強く
望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、金属質の多
孔質体の気孔率分布及び強度分布を任意に制御すること
ができる新しい気孔率制御法を開発することを目標とし
て鋭意研究を重ねた結果、放電加工と塑性加工を組み合
わせたプロセス、更には高温で熱処理するプロセスを採
用することで、所期の目的を達成し得ることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、上記
の点を考慮し、気孔率の高い金属質の均質な多孔質体に
対し、強度の分布、熱伝導率等の熱的性質の分布、及び
内部空間を流体が流れる際の抵抗の分布等の、各種の使
用条件に適合した不均質性を発現させることのできる任
意の気孔率分布を付与するための、金属質の多孔質体の
構造制御手法を提供することを、目的とする。本発明
は、気孔率の高い金属質の多孔質体の板材に対して、放
電加工と一軸圧縮又は圧延加工を行うことで、任意の気
孔率分布を有する多孔質体板材を製造する方法を提供す
ることを目的とする。また、本発明は、上記多孔質体板
材に対し、更に、高温での熱処理を行うことで、任意の
気孔率分布及び強度分布を有する金属質の多孔質体板材
を製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)気孔率分布を制御した金属質の多孔質体板材を製
造する方法であって、以下の工程; 1)気孔率の高い金属質の多孔質体の板材に対して、型
彫り放電加工による除去加工を行い、板材の厚さに分布
がある多孔質体板材を製造すること、 2)その後で板材に対して、一軸圧縮又は圧延加工を行
い、放電加工されなかった部分の板厚を減少させるこ
と、 3)上記1)〜2)により、多孔質体の一部に気孔率の
低い、高密度化した部分を形成し、任意の気孔率分布を
有する多孔質体板材を製造すること、 から成ることを特
徴とする任意の気孔率分布を有する多孔質体板材の製造
方法。 (2)気孔率分布及び強度分布を制御した金属質の多孔
質体板材を製造する方法であって、以下の工程; 1)気孔率の高い金属質の多孔質体の板材に対して、型
彫り放電加工による除去加工を行い、板材の厚さに分布
がある多孔質体板材を製造すること、 2)その後で板材に対して、一軸圧縮又は圧延加工を行
い、放電加工されなかった部分の板厚を減少させるこ
と、 3)上記1)〜2)により、多孔質体の一部に気孔率の
低い、高密度化した部分を形成し、任意の気孔率分布を
有する多孔質体板材を製造すること、 4) 更に、高温での熱処理を行うことで、低気孔率化し
部分を焼結させて、部分的に板材の強度を高める
、から成ることを特徴とする任意の気孔率分布及び強
度分布を有する金属質の多孔質体板材の製造方法。(3)前記(1)の方法により製造された多孔質体板材
であって、多孔質体の一部に気孔率の低い、高密度化し
た部分を形成し、任意の気孔率分布を有する多孔質体板
材としたことを特徴とする金属質の多孔質体板材。 (4)前記(2)の方法により製造された多孔質体板材
であって、多孔質体の一部に気孔率の低い、高密度化し
た部分を形成し、任意の気孔率分布を有する多孔 質体板
材とするとともに、低気孔率化した部分を焼結させて、
部分的に板材の強度を高めたことを特徴とする金属質の
多孔質体板材。
【0009】本発明者らは、これまで、気孔率が非常に
高い均質な金属質の多孔質体の製造プロセスの研究や、
一軸圧縮試験による変形量の大きな塑性変形特性の研究
を行ってきた。そして、気孔率が非常に高い金属質の多
孔質体の場合、圧縮変形や圧延加工においては、変形量
の増加によって多孔質体が緻密化し気孔率が約50%以
下になるまで、荷重負荷方向に垂直な方向の歪みは非常
に小さいままであることや、局所的に外部荷重を負荷す
ると荷重を負荷した表面近くの気孔率は局所的に減少す
るが、気孔率の変化はその近傍だけに留まることを見い
だした。また、金属質の多孔質体を圧縮変形や圧延加工
で低気孔率化した上で熱処理を行い、焼結を起こさせる
ことで、高強度化するプロセスについても研究した。更
に、高気孔率多孔質体の場合、切削などの機械加工を行
うと、表面近傍の組織に大きな損傷を与え、特にオープ
ンセル構造の場合は、セル構造の破損によって加工面近
傍での流体の流れが妨げられる。そこで、多孔質体の表
面近傍のマクロ組織にほとんど損傷を与えない、型彫り
放電加工の研究も従来から実施していた。
【0010】これらの研究を踏まえ、本発明者らは、多
孔質体の塑性加工法と放電加工法の両者を結びつけて、
金属質の多孔質体の板材に対して、型彫り放電加工で任
意の板厚分布を有する多孔質体の板材を製造し、その上
で、一軸圧縮加工や圧延加工を行うことによって、任意
の気孔率/密度分布を有する金属系の多孔質体の板材を
製造できることを見いだした。
【0011】そして、更に、本発明者らは、変形によっ
て低気孔率化した部分が、高温での熱処理よって焼結
し、高強度化することも見いだし、金属質の多孔質体板
材の気孔率分布及び強度分布を任意に制御することを可
能とする、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明の気孔率の高い金属質の均質な多孔
質体板材に対する気孔率分布の制御法は、多孔質体の表
面近傍の微構造に損傷を与えずに複雑形状の創成が可能
な型彫り放電加工法によって、任意の板厚分布を板材に
与え、その後、一軸圧縮加工や圧延加工を行うことによ
って、塑性変形前に板厚が大きかった部分は大きな変形
を受けて気孔率が減少し、板厚が小さかった部分は変形
量が小さいか全く変形を受けないため、気孔率は減少し
ないことを利用して、任意の気孔率分布を有する金属系
の多孔質体を製造する方法を、その要旨とするものであ
る。
【0013】本発明においては、高温での熱処理によっ
て、塑性加工で気孔率が低下した部分の拡散接合を進行
させることで、その部分の強度を向上させ、一方、圧縮
の塑性変形量が小さく、気孔率が低下しなかった部分
は、同じ熱処理条件でも焼結は進まず気孔の微構造は変
化しないので、熱処理の影響を受けないという、熱処理
による高強度化プロセスを含んでいる。
【0014】一般に、型彫り放電加工や塑性加工は、極
一般的な加工法であるが、これらは、従来、気孔率の高
い金属質の多孔質体の気孔率分布及び強度分布を制御す
る方法としては用いられていない状況にあって、本発明
の方法は、既に確立した工業的手法として広く用いられ
ている型彫り放電加工法と、極く一般的な塑性加工法で
ある一軸圧縮と圧延加工を特定の方式で組み合わせて、
同じく既にアルミニウム、ニッケル、ニッケルクロム合
金に対しては商業化されている気孔率の高い金属質の均
質な多孔質体を用いて、それらの組織を精密に制御する
ことを可能にするものであり、任意に制御された気孔率
分布を有する金属質の多孔質体板材を、低いコストで高
能率に製造することを可能にするという、大きな利点を
有する。
【0015】本発明の方法により製造されるセル構造体
は、広い範囲の気孔率の分布を任意に取り得る。そのた
め、例えば、多孔質体がオープンセル構造を取る場合
は、流体の通過量の分布を任意に制御できるフィルター
部材を一体構造で製造することや、高強度な部分で荷重
を分担できる部分が格子状等に形成され、残りの部分は
低密度で流体を通し易いフィルターとして作用するオー
プンセル構造を創製することが出来る。更に、上記多孔
質体は、内部の冷却媒体の流れを制御できる耐熱部材と
しての利用も可能である。また、金属質の多孔質体を断
熱材として利用するに際して、気孔率の分布を熱伝導率
の分布として利用し、温度分布の制御を行うことや、非
常に軽量な金属質の多孔質体部材の一部を高密度化し、
部材を他の部材に固定し負荷を受け持つ部分として利用
することも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明を更に詳細に説明す
るために、図面を参照しつつ、本発明の具体的構成につ
いて詳細に説明することとする。先ず、図1に、本発明
に従う金属質の多孔質体板材の気孔率分布の制御方法
を、局所的に低気孔率の多孔質体の製造に適用する場合
の一例を示す。即ち、図1は、本発明の基本概念図であ
り、気孔率の高い金属質の均質な多孔質体の板材を円柱
状の電極を用いて型彫り放電加工で加工した後、一軸圧
縮で塑性変形させて、気孔率の高い部分と低い部分を形
成し、任意の気孔率分布を有する多孔質体の板材を製造
する工程である。これは、具体的には、緻密な板材の一
部に、気孔率が高い任意形状の領域を形成する方法であ
る。更に詳しく説明すると、まず、気孔率の高い金属質
の均質な多孔質体板材1の一部を任意形状の型彫り放電
加工用電極3を用いて除去し、板厚が不均一な板厚分布
が形成された多孔質体板材4を作る。そして、単純形状
の一軸圧縮用工具5で多孔質体板材を圧縮加工し、多孔
質体板材の任意部分の板厚を減少させる。放電加工され
なかった部分(圧縮によって塑性変形し気孔率が低くな
った部分)6は、圧縮によって板厚が大幅に減少するこ
とで、気孔率が大幅に低下し、高密度化する。一方、放
電加工で板厚を減少させた部分(気孔率が圧縮前と変化
しない、高気孔率な部分)7は、圧縮加工による変形が
放電加工されなかった部分より小さいか、もしくは全く
変形しないため、気孔率の変化は小さいかもしくは全く
無い。これによって、金属質の多孔質体板材の気孔率分
布を、任意に制御することが出来る。放電加工により除
去加工される部分の形状は任意に選択することが可能
で、任意の板厚分布を有する多孔質体を作り出すこと
で、圧縮加工によって、任意の気孔率分布を有する板材
を得ることができる。なお、多孔質体の板材の厚さを減
少させる塑性加工法として、一軸圧縮加工の替わりに圧
延加工も適用可能なことは言うまでもない。
【0017】一方、図2は、金属質の均質な多孔質体板
材を型彫り放電加工で加工し、残った突起部分を圧延加
工で局所的に塑性加工することで、多孔質体板材の一部
を低気孔率化して高強度化することで、任意の気孔率分
布を有する多孔質体の板材を製造する工程である。更に
詳しく説明すると、金属質の多孔質体板材1の一部を残
して、任意形状の型彫り放電加工用電極3を用いて放電
加工することによって板厚を減少させた板材2を作り、
圧延加工用ロール4を用いた圧延加工によって、塑性加
工前の板厚が厚い突出した部分5を中心に圧縮加工し、
突出した部分の高密度化と板材の厚さ方法への押し込み
を同時に行い、多孔質体の板材の一部に気孔率の低い、
高密度化した部分6を形成する。なお、多孔質体の板材
の厚さを減少させる塑性加工法として、一軸圧縮加工の
替わりに圧延加工も適用可能なことは言うまでもない。
【0018】更に、他の例を図3に示す。図3は、金属
質の均質な多孔質体板材を円錐状の電極を用いて型彫り
放電加工で加工し、円錐状の穴を有する多孔質体の板材
を一軸圧縮で塑性加工することで、多孔質体板材に気孔
率の傾斜構造を有する部分を形成する工程である。更に
詳しく説明すると、均質な金属質の多孔質体板材1に円
錐状電極2で型彫り放電加工を行い、円錐状の穴を形成
した多孔質体板材3を作る。そして、単純形状の一軸圧
縮用工具4で圧縮加工し、板厚を減少させる。これによ
り、気孔率の傾斜構造を有する多孔質体板材6が成形さ
れる。円錐状の穴を形成した部分は、中央部の気孔率が
高い、気孔率の傾斜構造部7を形成する。
【0019】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するため
に、本発明の代表的な実施例について、図面を参照しつ
つ、詳細に説明することとするが、本発明は、そのよう
な実施例の記載によって、何等の制約をも受けるもので
ないことは、言うまでもない。また、本発明には、以下
の実施例の他にも、更には上記の具体的な記述以外に
も、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の
知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得る
ものであることが、理解されるべきである。
【0020】実施例 (1)気孔率分布を制御した多孔質体板材の作製 この実施例では、気孔率の高い金属質の多孔質体とし
て、板厚10mm、一辺5cmの正方形で、気孔率約9
5%、平均セル直径1mm弱の工業用純ニッケル質の多
孔質体の板材を使用した。この多孔質体の構造は内部を
流体が容易に通過できるオープンセル構造であった。こ
の多孔質体に対し、直径2.5cmの円柱状の銅電極を
用いた型彫り放電加工を行い、残りの厚さ約1mmまで
直径約2.5cmの穴を掘った。その後、板材を一軸圧
縮で厚さ約1mmになるまで圧縮加工した。放電加工し
た部分である直径2.5cmの穴の部分では気孔率は変
化せず約95%であり、その他の部分の気孔率は圧縮変
形による高密度化によって約55%にまで低下した。
【0021】(2)多孔質体板材の高密度化と高強度化 次に、この材料に対して、工業用純ニッケルの焼鈍温度
である927℃真空中で4時間保持する熱処理を行っ
た。その結果、圧縮変形によって多孔質体が低気孔率化
した部分は、オープンセル構造の柱の部分同士が接触し
ていた部分で拡散接合が起こり、多孔質体の高密度化と
高強度化が進行すること、及び圧縮変形が起きなかった
部分では柱の部分の接合などのセル組織の変化は全く見
られなかったこと、がわかった。
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、金属
質の気孔率が高い多孔質体の板材に対する型彫り放電加
工と一軸圧縮加工又は圧延加工を組み合わせた気孔率分
布制御方法に係るものであり、任意の気孔率分布を有す
る金属質の多孔質体板材の製造を可能とするものであ
る。本発明は、気孔率の高い金属質の多孔体材料が素材
として使用できるものであれば、全ての多孔質体に適用
可能である。そのため、本発明により、例えば、気孔率
分布の制御されたフィルター等の製造が可能である。こ
れにより、精密に性能が制御された、熱伝導率が場所に
よって異なる板材、流体の流れの精密制御が可能なフィ
ルター等を、製造することが可能となる。本発明の方法
は、耐熱性、耐食性に優れた金属質材料でこのような材
料を製造すれば、流体や熱の流れの管理の高度化が期待
でき、その省エネルギー効果を通じて、非常に広範な分
野への波及効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型彫り放電加工と一軸圧縮により気孔率の高い
部分と低い部分を形成し、任意の気孔率分布を有する多
孔質板材を製造する工程を示す。
【図2】型彫り放電加工と圧延加工により多孔質板材の
一部を低気孔率化して高強度化する工程を示す。
【図3】円錐状の電極を用いた型彫り放電加工と一軸圧
縮により多孔質体板材に気孔率の傾斜構造を形成する工
程を示す。
【符号の説明】 (図1の符号の説明) 1 気孔率の高い金属質の均質な多孔質体板材 2 型彫り放電加工されている均質な多孔質体 3 任意形状の型彫り放電加工用電極 4 板厚分布が形成された多孔質体板材 5 一軸圧縮用工具 6 圧縮によって塑性変形し気孔率が低くなった部分 7 気孔率が圧縮前と変化しない、高気孔率な部分 (図2の符号の説明) 1 気孔率の高い金属質の均質な多孔質体板材 2 型彫り放電加工されている均質な多孔質体 3 任意形状の型彫り放電加工用電極 4 圧延加工用ロール 5 圧延加工されている突起部 6 圧延加工によって塑性変形し気孔率が低くなった部
分 (図3の符号の説明) 1 気孔率の高い金属質の均質な多孔質体板材 2 円錐状電極 3 放電加工によって円錐状の穴が形成された金属質の
均質な多孔質体の板材 4 一軸圧縮用工具 5 圧縮加工されている多孔質体の板材 6 円錐状の穴の部分が圧縮された気孔率の傾斜構造を
有する多孔質体板材 7 気孔率の傾斜構造部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 623 C22F 1/00 623 628 628 683 683 687 687 (72)発明者 重松 一典 愛知県大府市若草町2丁目249番地 リ ンピア桂302 (72)発明者 千野 靖正 愛知県名古屋市北区光音寺1−66 エス テート弦四路406 (56)参考文献 特開 平4−83977(JP,A) 特開 平9−225580(JP,A) 特開 平6−269851(JP,A) 特公 平5−65293(JP,B2) 実公 平2−45594(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 9/00 B22F 3/10 B22F 3/11 B22F 3/24 C22C 1/08 C22F 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気孔率分布を制御した金属質の多孔質体
    板材を製造する方法であって、以下の工程; 1)気孔率の高い金属質の多孔質体の板材に対して、型
    彫り放電加工による除去加工を行い、板材の厚さに分布
    がある多孔質体板材を製造すること、 2)その後で板材に対して、一軸圧縮又は圧延加工を行
    い、放電加工されなかった部分の板厚を減少させるこ
    と、 3)上記1)〜2)により、多孔質体の一部に気孔率の
    低い、高密度化した部分を形成し、任意の気孔率分布を
    有する多孔質体板材を製造すること、 から成ることを特徴とする任意の気孔率分布を有する多
    孔質体板材の製造方法。
  2. 【請求項2】 気孔率分布及び強度分布を制御した金属
    質の多孔質体板材を製造する方法であって、以下の工
    程; 1)気孔率の高い金属質の多孔質体の板材に対して、型
    彫り放電加工による除去加工を行い、板材の厚さに分布
    がある多孔質体板材を製造すること、 2)その後で板材に対して、一軸圧縮又は圧延加工を行
    い、放電加工されなかった部分の板厚を減少させるこ
    と、 3)上記1)〜2)により、多孔質体の一部に気孔率の
    低い、高密度化した部分を形成し、任意の気孔率分布を
    有する多孔質体板材を製造すること、 4) 更に、高温での熱処理を行うことで、低気孔率化し
    部分を焼結させて、部分的に板材の強度を高める
    と、 から成ることを特徴とする任意の気孔率分布及び強度分
    布を有する金属質の多孔質体板材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法により製造された多
    孔質体板材であって、多孔質体の一部に気孔率の低い、
    高密度化した部分を形成し、任意の気孔率分布を有する
    多孔質体板材としたことを特徴とする金属質の多孔質体
    板材。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の方法により製造された多
    孔質体板材であって、多孔質体の一部に気孔率の低い、
    高密度化した部分を形成し、任意の気孔率分布を有する
    多孔質体板材とするとともに、低気孔率化した部分を焼
    結させて、部分的に板材の強度を高めたことを特徴とす
    る金属質の多孔質体板材。
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