JP6981846B2 - 放熱板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子などの発熱体から発生する熱を効率的に放散させるために用いる放熱板とその製造方法に関する。
半導体素子から発生する熱を半導体機器から効率的に放散させるために、放熱板(ヒートシンク)が用いられている。この放熱板は、その機能上高い熱伝導率が求められるとともに、半導体やセラミック回路基板、金属パッケージ部材などにはんだ付けやろう付けで接合されるため、接合される部材に近い熱膨張率(低熱膨張率)であることが求められる。
低熱膨張率と高熱伝導率を得ることを狙いとして、特許文献1にはCuマトリックスに偏平なCr相が分散したCr−Cu複合体からなる放熱板が示されており、この放熱板は、多孔質のCr焼結体にCuを溶浸させて得られたCr−Cu複合材を圧延することにより製造される。しかし、この特許文献1の放熱板は、低熱膨張性ではあるが、板面内方向の熱伝導率に較べて板厚方向の熱伝導率が低いという問題がある。
近年、半導体の高出力化により放熱板の放熱性がより重要になっているが、半導体モジュールの小型化へのニーズも高く、放熱板もより小さな面積からの放熱が求められている。そのため、板面内方向での放熱よりも板厚方向での放熱性がより重要となってきている。
このような要請に対して、特許文献2には、CuマトリックスにCr相が分散したCr−Cu複合体層の両面にCu層を積層させた放熱板(3層クラッド材)、或いはCuマトリックスにCr相が分散したCr−Cu複合体層とCu層を交互に複数積層した積層体であって、この積層体の両面の最外層がCu層からなる放熱板(5層以上クラッド材)が示されており、この放熱板は、低熱膨張性であって、板面内方向だけでなく板厚方向の熱伝導性にも優れている。
特許第4138844号公報 特許第5698947号公報
一方、本発明者らが検討したところによれば、特許文献2に記載の放熱板のようにCr−Cu複合体層とCu層を積層させたクラッド材については、板厚方向の熱伝導率をさらに高めることができる最適なクラッド構造があることが判った。
したがって本発明の目的は、Cr−Cu複合体層とCu層を積層させたクラッド材からなる低熱膨張性、高熱伝導性の放熱板であって、特に板厚方向の熱伝導性に優れた放熱板を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような優れた熱特性を有する放熱板を安定して且つ低コストに製造することができる製造方法を提供することにある。
特許文献2に記載の放熱板のクラッド構造は、Cu/(Cr−Cu)/Cu構造であるが、本発明者らが検討したところによれば、(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)構造とした方が、同程度の低熱膨張率でありながら、より高い熱伝導率が得られることが判った。具体的には、(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)構造では、同じ密度で圧下率が同じでも、Cu/(Cr−Cu)/Cu構造に較べて板厚方向の熱伝導率が20W/m・K以上高くなり、条件によってはさらに高くなることが判った。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]板厚方向において、Cr−Cu複合体層、Cu層、Cr−Cu複合体層がこの順に積層した放熱板であって、
Cr−Cu複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なCr相が分散した板厚断面組織を有することを特徴とする放熱板。
[2]板厚方向において、Cr−Cu複合体層とCu層が交互に積層することで3層以上のCr−Cu複合体層と2層以上のCu層で構成されるとともに、両面の最外層がCr−Cu複合体層からなる放熱板であって、
Cr−Cu複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なCr相が分散した板厚断面組織を有することを特徴とする放熱板。
[3]上記[1]又は[2]の放熱板において、Cr−Cu複合体層はCr含有量が30質量%超80質量%以下であることを特徴とする放熱板。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの放熱板において、板厚方向の熱伝導率が160W/m・K以上、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率が13ppm/K以下であることを特徴とする放熱板。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの放熱板において、積層したCr−Cu複合体層とCu層とからなる放熱板本体の片面又は両面に、板厚方向の熱伝導率が放熱板本体よりも10W/m・K以上低くならないような膜厚のめっき皮膜が形成されたことを特徴とする放熱板。
[6]上記[1]〜[4]のいずれかの放熱板の製造方法であって、
Cuマトリクス中にCr相が分散した板厚断面組織を有するCr−Cu複合材(a)とCu材(b)を積層させ、該積層体を拡散接合した後、温間又は冷間での圧延(x)を施すことにより、Cr−Cu複合材(a)によるCr−Cu複合体層とCu材(b)によるCu層が積層した放熱板を得ることを特徴とする放熱板の製造方法。
[7]上記[6]の製造方法において、Cr−Cu複合材(a)が、Cr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に温間又は冷間での圧延(y)を施す工程を経て得られたものであり、
圧延(x)と圧延(y)を合わせたCr−Cu複合材(a)の総圧下率が80%以上であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[8]上記[6]の製造方法において、Cr−Cu複合材(a)が、Cr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程を経て得られたものであり、
圧延(x)の圧下率が80%以上であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[9]上記[6]の製造方法において、Cr−Cu複合材(a)が、Cr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程と、前記Cuを含浸させた焼結体に温間又は冷間での圧延(y)を施す工程を経て得られたものであり、
圧延(x)と圧延(y)を合わせたCr−Cu複合材(a)の総圧下率が80%以上であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[10]上記[6]〜[9]のいずれかの製造方法において、積層したCr−Cu複合体層とCu層とからなる放熱板本体の片面又は両面に、板厚方向での熱伝導率が放熱板本体よりも10W/m・K以上低くならないような膜厚のめっき皮膜を形成することを特徴とする放熱板の製造方法。
[11]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の放熱板を備えたことを特徴とする半導体パッケージ。
[12]上記[11]に記載の半導体パッケージを備えたことを特徴とする半導体モジュール。
本発明の放熱板は、低熱膨張性、高熱伝導性であって、特に板厚方向の熱伝導性に優れた熱特性を有する。また、本発明の製造方法によれば、そのような優れた熱特性を有する放熱板を安定して且つ低コストに製造することができる。
本発明の放熱板の板厚断面を模式的に示す説明図 実施例における発明例と比較例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から100℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例における発明例と比較例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から200℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例における発明例と比較例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例における発明例と比較例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例における発明例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から200℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例における発明例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例における発明例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ
本発明の放熱板のうち3層クラッド構造のものは、板厚方向において、Cr−Cu複合体層、Cu層、Cr−Cu複合体層がこの順に積層した放熱板であって、Cr−Cu複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なCr相が分散した板厚断面組織を有する。図1(A)は、この3層クラッド構造を有する本発明の放熱板の板厚断面を模式的に示している。また、本発明の放熱板は5層以上のクラッド構造としてもよく、このクラッド構造のものは、板厚方向において、Cr−Cu複合体層とCu層が交互に積層することで3層以上のCr−Cu複合体層と2層以上のCu層で構成されるとともに、両面の最外層がCr−Cu複合体層からなる放熱板であって、Cr−Cu複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なCr相が分散した板厚断面組織を有する。図1(B)は5層クラッド構造を有する本発明の放熱板の板厚断面を、図1(C)は7層クラッド構造を有する本発明の放熱板の板厚断面を、それぞれ模式的に示している。
本発明の放熱板は、事前に製作されたCr−Cu複合材とCu材を拡散接合した後、圧延することにより製造され、また、Cr−Cu複合材の製造工程でも圧延が行われることがあるので、全体が圧延組織であり、また、Cr−Cu複合体層のCuマトリクス中に分散するCr相は扁平に延伸された形態を有する。
また、本発明の放熱板のCr−Cu複合体層とCu層は、積層させたCr−Cu複合材とCu材を拡散接合させることにより構成されるものであり、両層間には拡散接合部を有するが、両部材のCuどうし(Cr−Cu複合材のCuとCu材)が拡散接合したものであるため、健全な拡散接合部が得られる。
以上のような両面の最外層がCr−Cu複合体層からなる本発明の放熱板(例えば(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)構造の放熱板)は、特許文献2に示されるCu/(Cr−Cu)/Cu構造の放熱板に較べて高い熱伝導率(板厚方向の熱伝導率)を有するが、これは、以下のような作用効果の違いによるものと考えられる。すなわち、特許文献2に示されるCu/(Cr−Cu)/Cu構造の場合には、熱伝導率が外層(Cu層)>内層(Cr−Cu複合体層)であるため外層・内層間の界面の熱抵抗が高く、外層(Cu層)に入った熱が外層・内層間の界面で反射・散乱して熱流が乱れるため、熱が内層(Cr−Cu複合体層)側にうまく伝わらず、その分、板厚方向の熱伝導率は低くなるものと考えられる。これに対して本発明の(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)構造の場合には、熱伝導率が外層(Cr−Cu複合体層)<内層(Cu層)であるため、外層・内層間の界面の熱抵抗がほとんどなく、外層(Cr−Cu複合体層)に入った熱がそのまま内層(Cu層)側に伝わるので、板厚方向での高い熱伝導率が得られるものと考えられる。
クラッド構造における積層数は特に制限はなく、積層数が多い方が熱膨張率が低くなり、また、プレス加工性も良くなるのでプレス加工には有利になる。但し、積層数が増えると厚さ方向の熱伝導率が若干低下傾向になることから、全積層数で11層程度が事実上の上限となる。
Cr−Cu複合体層のCr含有量は特に制限はないが、Cr−Cu複合体単体として考えた場合には、Cr含有量が少なすぎると低熱膨張性が得られにくくなり、逆にCr含有量が多すぎると高熱伝導率性得られにくくなる。また、特に本発明では、Cr−Cu複合体層によるCu層の熱膨張を拘束する効果(Cu層を両側から挟んで物理的に拘束する効果)を高めることで熱膨張率の低減化を図るためには、Cr含有量は多いほうが好ましい。一方、Cr含有量が多すぎるとCr粒子中へのCuの溶浸性や圧延性(特に冷間圧延性)に問題を生じるおそれもある。このためCr−Cu複合体層のCr含有量は、30質量%超80質量%程度が好ましい。この点は、特許文献1、2に記載のものと同様である。
図2〜図5は、後述する実施例(発明例、比較例)の放熱板について、それらの熱特性を整理して示したものであり、図2は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から100℃までの板面内平均熱膨張率を、図3は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から200℃までの板面内平均熱膨張率を、図4は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率を、図5は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率を、それぞれ示している。また、図6〜図8も、後述する実施例(発明例)の放熱板について、それらの熱特性を整理して示したものであり、図6は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から200℃までの板面内平均熱膨張率を、図7は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率を、図8は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率を、それぞれ示している。
ここで、板面内熱膨張率は押棒式変位検出法で測定されたものであり、例えば、「50℃から100℃までの板面内平均熱膨張率」は、50℃と100℃での伸び量の差を求め、その値を温度差50℃(=100℃−50℃)で割り算して求めた。同様にして、50℃から200℃までの板面内平均熱膨張率、50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率をそれぞれ求めた。また、板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)はフラッシュ法で測定した。
図2〜図5において、発明例1、2は(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)構造の3層クラッド材の放熱板、比較例1、2はCu/(Cr−Cu)/Cu構造の3層クラッド材の放熱板、比較例3〜10と比較例11〜13はCu/(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)/Cu構造の5層クラッド材の放熱板である。
これらのうち、発明例1、比較例1、3、5、7、9はほぼ同等の密度(8.50〜8.51)を有するものであるが、発明例1は、比較例1、3、5、7、9に較べて板面内熱膨張率は若干高いものの、板厚方向の熱伝導率が大幅に高く(この例では約45W/m・K以上高い)なっている。特に、同じ3層クラッド材の放熱板である発明例1と比較例1について板厚方向の熱伝導率を較べると、発明例1は比較例1よりも約75W/m・Kも高くなっている。
また、発明例2、比較例2、4、6、8、10はほぼ同等の密度(8.30〜8.31)を有するものであるが、発明例2は、比較例2、4、6、8、10に較べて板面内熱膨張率がほぼ同等若しくは若干高いものの、板厚方向の熱伝導率が大幅に高く(この例では約25W/m・K以上高い)なっている。特に、同じ3層クラッド材の放熱板である発明例2と比較例2について板厚方向の熱伝導率を較べると、発明例2は比較例2よりも約45W/m・Kも高くなっている。
なお、発明例1と発明例2を較べると、Cr−Cu複合体層のCr含有量は同じであるが積層構造中のCu層の層厚比が高いために密度が比較的大きい発明例1は、板厚方向の熱伝導率は発明例2よりも相当程度高いが、Cr−Cu複合体層によるCu層の熱膨張を拘束する効果が小さくなるため、発明例2に較べて熱膨張率は高くなっている。
また、図6〜図8において、発明例1、2は(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)構造の3層クラッド材の放熱板、発明例3、4は(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)構造の5層クラッド材の放熱板、発明例5、6は(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)構造の7層クラッド材の放熱板である。これらのうち、発明例1、3、5は同等の密度(8.51)を有するものであるが、発明例1は、発明例2、3に較べて板面内熱膨張率は若干高いものの、板厚方向の熱伝導率が特に高くなっている。また、発明例2、4、6はほぼ同等の密度(8.30〜8.31)を有するものであるが、発明例2は、発明例4、6に較べて板面内熱膨張率がほぼ同等若しくは若干高いものの、板厚方向の熱伝導率が若干高くなっている。
Cr−Cu複合体層とCu層の各厚さ、Cr−Cu複合体層とCu層の層厚比、放熱板の板厚なども特に制限はないが、5層以上(特に7層以上)の多層のクラッド材の場合には、Cr−Cu複合体層によるCu層の拘束力を強くするため、複数のCu層の厚さは同じであることが好ましい。また、5層以上の多層の場合は、熱特性を確保するとともに、圧延時や実用時に反りやゆがみ等が発生しないように、厚さ方向中央のCr−Cu複合体層を中心として厚さ方向で対称形の構造(Cr−Cu複合体層とCu層の厚さが対称形の構造)が好ましい。また、放熱板の板厚は1mm前後の場合が多いが、特に制限はない。
Cr−Cu複合体層とCu層の層厚比については、Cr−Cu複合体層に対してCu層の層厚比が大きいと、熱伝導率は高くなるが、Cr−Cu複合体層によるCu層の拘束が弱くなるので熱膨張率が高くなり、一方、Cu層の層厚比が小さいと熱膨張率は低くなるが、熱伝導率が低くなる。したがって、得ようとする熱特性(熱膨張率、熱伝導率)に応じて、Cr−Cu複合体層とCu層の層厚比を適宜選択すればよいが、低温(例えば200℃、400℃)での熱膨張率を低くするという観点からは、Cr−Cu複合体層に対してCu層をあまり厚くしない方がよい。
また、Cr−Cu複合体層のCr含有量やCr−Cu複合体層とCu層の層厚比は放熱板の密度にリンクするので、この密度は8.2〜8.6g/cm程度であることが好ましく、8.3〜8.5g/cm程度であることが特に好ましい。
本発明の放熱板が主に適用される半導体パッケージは、半導体が作動と休止を繰り返すことから、常温(寒冷地の場合には−50℃程度の場合もある)から半導体作動時の200℃程度までの昇温を繰り返す。このため放熱板は、熱疲労対応のために熱膨張率が低いことが必要である。また、ロウ付け接合を行う用途では800℃程度、はんだ付け接合を行う用途では400℃程度までの熱膨張率が低いことが重要である。一方、放熱板は、高い放熱性を得るために高い熱伝導率、特に板厚方向での高い熱伝導率を有することが必要である。
本発明の放熱板は、高熱伝導率と低熱膨張率を兼ね備えた優れた熱特性を有するものであるが、具体的には、板厚方向での熱伝導率(室温での熱伝導率)が160W/m・K以上であることが好ましく、180W/m・K以上であることがより好ましい。また、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率が13ppm/K以下であることが好ましく、12ppm/K以下であることがより好ましい。
本発明の放熱板は、防食目的や他の部材との接合(ロウ付け接合やはんだ付け接合)のために、その表面にNiめっきなどのめっきを施してもよい。この場合、めっき皮膜は放熱板の熱特性に大きく影響しない程度の膜厚で形成される。めっきの種類に特別な制限はなく、例えば、Niめっき、Cuめっき、Auめっき、Agめっきなどが適用でき、これらの中から選ばれるめっきを単独で或いは2層以上を組み合わせて施すことができる。めっき皮膜は、放熱板の片面(最外層である両Cr−Cu複合体層のうちの一方の表面)のみに設けてもよいし、放熱板の両面に設けてもよい。また、放熱板表面にNiめっきなどのめっきを施す際のめっき性の改善のために、放熱板表面(最外層であるCr−Cu複合体層の表面)に、熱特性に影響しない程度の厚さ(例えば数μm程度の厚さ)のCu膜(めっき皮膜など)を形成してもよい。
めっき皮膜は、Cr−Cu複合体層とCu層とからなる放熱板本体の熱特性に大きな影響を与えないような膜厚で形成する必要がある。具体的には、一般にめっき皮膜が厚くなると板厚方向での熱伝導率が低下するので、めっき皮膜は、板厚方向での熱伝導率が放熱板本体(めっき皮膜を有しない当該放熱板)のそれよりも10W/m・K以上低くならないような膜厚で形成されることが好ましい。このため、例えば、めっき皮膜がCuめっき皮膜の場合、一般には20μm以下の膜厚とすることが好ましい。
次に、以上述べた本発明の放熱板の製造方法について説明する。
本発明の放熱板の製造方法の一実施形態では、Cuマトリクス中にCr相が分散した板厚断面組織を有するCr−Cu複合材(a)とCu材(b)を積層させ、この積層体を拡散接合した後、温間又は冷間での圧延(x)を施すことにより、Cr−Cu複合材(a)によるCr−Cu複合体層とCu材(b)によるCu層が積層した放熱板を得る。ここで、Cr−Cu複合材(a)は予め製作されたものであるが、このCr−Cu複合材(a)は圧延を行わない方法(例えば、後述する(ii)の方法)で製作したものでもよいし、圧延(y)を行う方法(例えば、後述する(i)、(iii)の方法)で製作したものでもよい。
Cr−Cu複合材(a)とCu材(b)の厚さは、製造しようとする放熱板のCr−Cu複合体層とCu層の厚さに応じて選択され、したがって、Cu層の厚さによっては、Cu材(b)としてCu箔を用いてもよい。
なお、Cr−Cu複合材(a)を積層した複数枚の薄いCr−Cu複合材で構成してもよいし、Cu材(b)を積層した複数枚の薄いCu材で構成してもよい。したがって、その場合には、(1)複数枚のCr−Cu複合材からなるCr−Cu複合材(a)と単体のCu材(b)を積層させる、(2)単体のCr−Cu複合材(a)と複数枚のCu材からなるCu材(b)を積層させる、(3)複数枚のCr−Cu複合材からなるCr−Cu複合材(a)と複数枚のCu材からなるCu材(b)を積層させる、のいずれかによる積層体とし、この積層体を拡散接合する。
積層体の拡散接合を行う方法に特に制限はないが、放電プラズマ焼結(SPS)、ホットプレスによる拡散接合が好ましい。
Cr−Cu複合材(a)は事前に製作されるものであるが、Cr−Cu複合材(a)としては、例えば、下記(i)〜(iii)のいずれかを用いることができる。この点は特許文献1、2に記載のものと同様である。
(i)Cr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に温間又は冷間での圧延(y)を施す工程を経て得られたCr−Cu複合材(a)
(ii)Cr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程を経て得られたCr−Cu複合材(a)
(iii)Cr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程と、前記Cuを含浸させた焼結体に温間又は冷間での圧延(y)を施す工程を経て得られたCr−Cu複合材(a)
上記のようにCr−Cu複合材(a)の圧延(y)やクラッド材の圧延(x)は温間圧延(通常80〜250℃程度の温間圧延)又は冷間圧延で行うが、特に熱膨張率の低減化の観点からは、冷間圧延で行ことが好ましい。
これらの圧延は圧下率が大きくなるほど熱膨張率が低下するので、圧延(x)と圧延(y)を合わせたCr−Cu複合材(a)の総圧下率、すなわちCr−Cu複合材単体での圧下率とクラッド材圧延時のCr−Cu複合材の圧下率を合わせた総圧下率(但し、圧延(y)を行わない場合は圧延(x)の圧下率)が80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上となるような圧下率で圧延することが望ましい。
また、圧延(x)、圧延(y)は、一方向圧延としてもよいが、板面内で直交する2方向(X軸方向、Y軸方向)間の熱膨張率の差を小さくして面内異方性を減ずるために、直交する2方向で圧延を行うクロス圧延を行ってもよい。ここで、直交する2方向での圧延は、異なる圧下率で行ってもよいが、X軸方向とY軸方向で熱膨張率差のない均一な熱特性を有するCr−Cu複合層を得たい場合には、同じ圧下率で圧延するのが好ましい。また、圧延(y)でCr−Cu複合材(a)を一方向圧延した場合には、圧延(x)では、Cr−Cu複合材を圧延(y)の圧延方向と直交する方向に圧延してもよい。
また、Cu材(b)としては、通常、純Cu板(純Cu箔を含む)を用いる。
次に、上記(i)〜(iii)のCr−Cu複合材(a)を得るための工程について説明する。これらの工程は特許文献1、2に記載のものと同様である。
以下の説明において、Cr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程を工程(A)、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程を工程(B)、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程を工程(C)、前記焼結体又はこれにCuを溶浸したCr−Cu複合材に圧延(y)を施す工程を工程(D)という。
工程(A)では、常法に従いCr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する。この成形では、上記粉末を加圧成形して圧粉体としてもよい。上述したCr−Cu複合材(a)の製造方法では、成形した粉末の焼結後にCuの溶浸を行う場合とCuの溶浸を行わない場合とがあるが、後者の場合には、Cr−Cu複合材(a)のCu含有量に見合う量のCu粉末を配合する。
Cr粉末やCu粉末の純度や粒径は特に限定しないが、通常、Cr粉末としては、純度が99質量%以上、粒度が目開き50〜325メッシュ(45〜300μm)、好ましくは100〜200メッシュ(75〜150μm)程度の篩の篩下となるものが用いられる。Cr粉末は、一般に電解法、Alテルミット法、電気炉精錬法等により製造された金属塊または金属フレークを機械粉砕して得られる。
また、Cu粉末としては、通常、電解銅粉やアトマイズ銅粉末などの純Cuであって、平均粒径D50が5〜50μm程度のものが用いられる。
工程(A)では、Cr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する。この成形では、使用する混合粉末の充填性や成形密度の目標値に応じて圧力を調整しながら加圧成形し、圧粉体を得るようにしてもよい。
工程(B)では、工程(A)で成形された粉末を還元性雰囲気(水素雰囲気など)中又は真空中で焼結して焼結体とする。この焼結も通常の条件で行えばよく、1000〜1600℃(好ましくは1050〜1450℃)程度の温度で30〜300分程度保持する条件で行うことが好ましい。
工程(C)では、工程(B)で得られた焼結体(多孔質体)に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸(Cuの溶浸)させてCr−Cu複合材(a)を得る。この工程(C)を行う場合には、Cu溶浸によって所望のCu含有量となる。
Cuの溶浸も通常の条件で行えばよい。例えば、焼結体の上面及び/又は下面にCu板やCu粉末を配置し、1083〜1300℃(好ましくは1150〜1250℃)程度の温度で20〜600分保持する。非酸化性雰囲気は特に限定しないが、水素雰囲気が好ましい。また、溶浸した後の加工性向上の観点からは、真空中で溶浸するのが好ましい。
ここで、工程(B)と工程(C)を順次行う場合に、工程(A)で成形された粉末(圧粉体の場合を含む)にCu溶浸用のCu板やCu粉末を配置した状態で、まず焼結温度に加熱して工程(B)を実施し、しかる後、温度をCu溶浸温度まで上昇させて工程(C)を実施するようにしてもよい。
なお、この工程(C)で得られたCr−Cu複合材(溶浸体)は、表面に残留した余剰の純Cuを除去するために表面研削(例えば、フライス盤や砥石などによる表面研削加工)を施すことが好ましい。
工程(D)では、Cr−Cu複合材(a)の熱膨張率を低下させることを目的として、工程(B)で得られた焼結体又は工程(C)で得られたCr−Cu複合材に所定の圧下率で温間又は冷間での圧延(y)を施す。
以上述べたCr−Cu複合材(a)を得るための方法は、Cr−Cu複合材(a)のCr含有量などに応じて工程が適宜選択される。代表的な方法を挙げると、例えば、Cr含有量が40質量%未満のCr−Cu複合材(a)を得る場合、Cr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して加圧成形し(工程(A))、この圧粉体にCu溶浸用のCu板やCu粉末を配置した状態で、まず焼結温度に加熱して焼結を実施し(工程(B))、しかる後、温度をCu溶浸温度まで上昇させてCu含浸を実施し(工程(C))、次いで、温間又は冷間での圧延(y)を施す(工程(D))。一方、Cr含有量が40質量%以上のCr−Cu複合材(a)を得る場合、Cr粉末を型に充填して成形し(工程(A))、この成形した粉体に焼結を実施して焼結体とした後(工程(B))、この焼結体にCu溶浸用のCu板やCu粉末を配置した状態で加熱してCuの溶浸を実施し(工程(C))、次いで、温間又は冷間での圧延(y)を施す(工程(D))。
なお、工程(C)(Cuの溶浸)で得られたCr−Cu複合材に対して、必要に応じて300〜1050℃程度の温度で均質化時効熱処理を施してもよい。この均質化時効熱処理は、保持時間30分以上が好ましく、また雰囲気は真空が好ましい。また、工程(D)で圧延(y)されたCr−Cu複合材に対して、必要に応じて300〜900℃程度の温度で軟質化時効熱処理を施してもよい。この軟質化時効熱処理も、保持時間30分以上が好ましく、また雰囲気は真空が好ましい。
本発明の放熱板は、冷間圧延又は温間圧延のままで、或いはさらに熱処理(軟質化時効熱処理)を施すことにより製品とすることができる。また、必要に応じて、半導体の台座としての使用を想定したはんだ付けやろう付けのために、さらには耐食性及び電食に対する性能を向上させる目的で、表面にさらにNiめっきなどのめっきを施してもよい。この場合、めっき皮膜は放熱板の熱特性に大きく影響しない程度の膜厚で形成される。めっきの種類に特別な制限はなく、例えば、Niめっき、Cuめっき、Auめっき、Agめっきなどが適用でき、これらの中から選ばれるめっきを単独で或いは2層以上を組み合わせて施すことができる。めっきは、放熱板の片面(最外層である両Cr−Cu複合体層のうちの一方の表面)のみに施してもよいし、放熱板の両面に施してもよい。また、放熱板表面にNiめっきなどのめっきを施す際のめっき性の改善のために、放熱板表面(最外層であるCr−Cu複合体層の表面)に下地としてCuめっきを施してもよい。以上のようなめっきにより形成されるめっき皮膜の好ましい膜厚は、さきに述べた通りである。
本発明の放熱板は、各種の半導体モジュールが備えるセラミックパッケージやメタルパッケージなどの半導体パッケージに好適に利用でき、高い放熱性と耐用性が得られる。特に、高熱伝導率でありながら、低い熱膨張率が800℃を超える高温に曝された後も保持されるので、接合温度が750℃以上と高くなるロウ付け接合を行なう用途などについても問題なく適用できる。
(1)Cr−Cu複合材の製造条件
Cr粉末(100メッシュの篩の篩下)を型(50mm×50mm)に充填して成形し、後工程の圧延(y)(冷間圧延)での圧下率に応じた厚さの粉末成形体とした。この粉末成形体を水素雰囲気中で焼結(1300℃、180分)して焼結体を得た。次いで、この焼結体の上面に純Cu板を置き、水素雰囲気中で1200℃に加熱(保持時間60分)して純Cu板を溶解させ、この溶解したCuを焼結体に含浸させることでCr−Cu複合材を得た。このCr−Cu複合材を、表面に残留するCuをフライス盤を用いて除去した後、所定の圧下率で一方向の圧延(y)(冷間圧延)を施し、Cr含有量が50質量%のCr−Cu複合材を製作した。
(2)各供試体の製造条件
(2.1)本発明例
上記のようにして得られた所定の板厚のCr−Cu複合材(Cr含有量:50質量%)と純Cu板を、(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)の3層構造、(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)の5層構造、(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)の7層構造のいずれかに積層させ、この積層体を放電プラズマ焼結(SPS)装置(住友石炭鉱業(株)社製「DR.SINTER SPS-1050」)を用いて、950℃、30分保持、加圧力15MPaの条件で拡散接合させた。次いで、上記Cr−Cu複合材の圧延(y)(冷間圧延)と同じ圧下率で、圧延(y)の圧延方向と直交する方向に圧延(x)(冷間圧延)を施し、さらに800℃×1hrの熱処理(軟質化時効熱処理)を施し、本発明例の放熱板を製造した。ここで、圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材の総圧下率は98%とした。
(2.2)比較例
Cr−Cu複合材と純Cu板をCu/(Cr−Cu)/Cuの3層構造又はCu/(Cr−Cu)/Cu/(Cr−Cu)/Cuの5層構造とした以外は、本発明例と同一の条件で比較例の放熱板を製造した。
(3)熱特性の測定
各供試体について、板面内熱膨張率を押棒式変位検出法で測定し、50℃−100℃、50℃−200℃、50℃−400℃、50℃−800℃における各伸び量の差を温度差で割り算して、50℃から100℃までの板面内平均熱膨張率、50℃から200℃までの板面内平均熱膨張率、50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率をそれぞれを求めた。また、板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)をフラッシュ法で測定した。
(4)熱特性の評価
表1及び表2に、各供試体の熱特性を製造条件とともに示す。これによれば、比較例に較べて発明例は板厚方向の熱伝導率が大幅に増加していることが判る。
Figure 0006981846
Figure 0006981846

Claims (12)

  1. 板厚方向において、Cr−Cu複合体層、Cu層、Cr−Cu複合体層がこの順に積層することで、2層のCr−Cu複合体層と1層のCu層で構成され、両面の最外層がCr−Cu複合体層からなる放熱板であって、
    Cr−Cu複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なCr相が分散した板厚断面組織を有することを特徴とする放熱板。
  2. 板厚方向において、Cr−Cu複合体層とCu層が交互に積層することで3層以上のCr−Cu複合体層と2層以上のCu層で構成されるとともに、両面の最外層がCr−Cu複合体層からなる放熱板であって、
    Cr−Cu複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なCr相が分散した板厚断面組織を有することを特徴とする放熱板。
  3. Cr−Cu複合体層はCr含有量が30質量%超80質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放熱板。
  4. 板厚方向の熱伝導率が160W/m・K以上、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率が13ppm/K以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放熱板。
  5. 積層したCr−Cu複合体層とCu層とからなる放熱板本体の片面又は両面に、板厚方向の熱伝導率が放熱板本体よりも10W/m・K以上低くならないような膜厚のめっき皮膜が形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放熱板。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の放熱板の製造方法であって、
    Cuマトリクス中にCr相が分散した板厚断面組織を有するCr−Cu複合材(a)とCu材(b)を積層させ、該積層体を拡散接合した後、温間又は冷間での圧延(x)を施すことにより、Cr−Cu複合材(a)によるCr−Cu複合体層とCu材(b)によるCu層が積層した放熱板を得ることを特徴とする放熱板の製造方法。
  7. Cr−Cu複合材(a)が、Cr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に温間又は冷間での圧延(y)を施す工程を経て得られたものであり、
    圧延(x)と圧延(y)を合わせたCr−Cu複合材(a)の総圧下率が80%以上であることを特徴とする請求項6に記載の放熱板の製造方法。
  8. Cr−Cu複合材(a)が、Cr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程を経て得られたものであり、
    圧延(x)の圧下率が80%以上であることを特徴とする請求項6に記載の放熱板の製造方法。
  9. Cr−Cu複合材(a)が、Cr粉末又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填して成形する(但し、加圧成形する場合を含む)工程と、前記成形された粉末を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程と、前記Cuを含浸させた焼結体に温間又は冷間での圧延(y)を施す工程を経て得られたものであり、
    圧延(x)と圧延(y)を合わせたCr−Cu複合材(a)の総圧下率が80%以上であることを特徴とする請求項6に記載の放熱板の製造方法。
  10. 積層したCr−Cu複合体層とCu層とからなる放熱板本体の片面又は両面に、板厚方向での熱伝導率が放熱板本体よりも10W/m・K以上低くならないような膜厚のめっき皮膜を形成することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の放熱板を備えたことを特徴とする半導体パッケージ。
  12. 請求項11に記載の半導体パッケージを備えたことを特徴とする半導体モジュール。
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