JPH07299893A - 加湿器用保水材 - Google Patents

加湿器用保水材

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JPH07299893A
JPH07299893A JP6113881A JP11388194A JPH07299893A JP H07299893 A JPH07299893 A JP H07299893A JP 6113881 A JP6113881 A JP 6113881A JP 11388194 A JP11388194 A JP 11388194A JP H07299893 A JPH07299893 A JP H07299893A
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JP
Japan
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water
sheet
hydrophilic
humidifier
retention material
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JP6113881A
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Norikazu Matsui
規和 松井
Kenichi Tanimoto
健一 谷本
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】吸水性、力学的特性に優れ、大気からの悪臭の
吸着が格段に少ない加湿器用保水材を提供する。 【構成】ポリエステル繊維またはポリエステル繊維・フ
ェノール樹脂複合体からなる一方の面から他方の面に貫
通する多数の連続気孔を有するシートに親水性ポリエス
テル樹脂が被覆されてなる加湿器用保水材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性、力学的特性に
優れた親水性多孔シートからなり、特に大気から悪臭の
吸着が格段に少ない好適な加湿器用保水材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の加湿器用保水材としては、ポリエ
ステル繊維等の高分子繊維あるいはガラス繊維等の無機
繊維を主材とし、シリカゲル、アルミナゲル、人工ゼオ
ライトあるいは珪酸系、アルミナ系の活性土壌等の吸着
剤を付与して親水性を高めた多孔性シートが用いられて
いる。例えば、ポリエステル繊維のような繊維と特定の
熱硬化性樹脂からなる連続気孔を有するシートに粒径1
μm 以下のシリカ微粒子を添着させた多孔性複合シート
及びその製造法が提案されており(特開昭63−114
369号公報)、加湿器用保水材として広く使用されて
いる。しかしながら、上記例の多孔性複合シートも含
め、広く普及している加湿器用保水材として使用されて
いる多孔性シートはポリエステル繊維等の高分子繊維あ
るいはアクリル、エポキシ等の高分子バインダーを使用
したガラス繊維、セラミック繊維を主材として用い、こ
れに親水剤として吸着剤を添着したものを使用している
が、これが運転中に水ばかりでなく、大気の臭気を吸着
し周期的に脱着して悪臭を発生する。
【0003】本発明者らは加湿器における悪臭のメカニ
ズムを以下のごとく考えている。加湿器用保水材として
広く使用されている吸着材はシリカゲル、アルミナゲ
ル、人工ゼオライトあるいは珪酸系、アルミナ系の活性
土壌等であり、いずれも比表面積が100m2 /g以上
の多孔質物質で表面は水酸基等の活性基で覆われてい
る。そこで水が水素結合により強い親和力で吸着する。
また、悪臭成分は比較的弱いファンデルワールス力によ
り吸着する。しかるに大気中の悪臭成分を取り込んだ保
水材に水が供給されると水のほうが悪臭物質よりも親和
性が強いために悪臭物質が保水材から脱着してしまい、
雰囲気下に悪臭が飛散して不快に感ずるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記臭気発
生の問題を解決し、かつ、吸水性、力学的特性に優れる
加湿器用保水材を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決するために、鋭意研究の結果、上記親水性
吸着材にかわる親水性被覆材の採用により臭気発生防止
の目的が達成されるという事実を見出し、本発明に到達
した。すなわち、本発明は、一方の面から他の面に貫通
する多数の連続気孔を有し、親水性ポリエステル樹脂に
て被覆されたポリエステル繊維シートよりなり、気孔率
が40〜90%、吸水率が40%以上、水滴吸収性が3
秒以内で曲げ強度が30 kgf/cm2 以上であることを特
徴とする加湿器用保水材を要旨とするものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
加湿器用保水材とは、気化式加湿器に用いられるシート
状の加湿ユニットすなわち保水媒体のことである。加湿
器において保水された保水材に一方向から風を供給する
と保水材間を通過した風は加湿され風上方向に排出され
る。本発明に用いる多孔性シートとしては、従来公知の
有機合成繊維あるいは無機繊維が使用し得るが、特に好
適な繊維としてはポリエステル繊維が挙げられる。この
ようなポリエステル繊維の繊維素材としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イ
ソフタレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート・
パラオキシベンゾエート共重合体、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0007】また、本発明のシートの繊維形態は、織
布、編物、不織布、紙状体等の繊維シートで一方の面か
ら他の面に貫通する多数の連続気孔を有し、気孔率が4
0〜90%であるものである。気孔率が40%未満であ
ると加湿器用保水材として十分な吸水量を保持すること
が出来ないことがある。また、気孔率が90%を超える
とシートの腰がなくなり、曲げ強度等の十分な力学的特
性が得られない傾向がある。本発明で述べる気孔率はシ
ートの全容積に対する非貫通性あるいは貫通性の気孔の
容積比率を百分率で表したものである。かかる気孔率は
具体的には次のようにして測定される。まず、シートの
乾燥重量W(g)と体積(cm3 )を測定する。次にシ
ートを粉末状にしてシートの真密度ρ(g/m2 )を測
定し、気孔率を数式 [1] により算出する。
【0008】
【数1】
【0009】次に本発明のシートは構成素材の間隙に形
成された通常の非貫通性の気孔を多数に含有するが、そ
れ以外にシートの一方の面から他方の面に貫通した連続
気孔も多数有する。かかる連続気孔はシートを構成する
繊維の空隙をぬって折れ曲がり、一方の面から他方の面
に貫通しているものの、一方の面から他方の面に比較的
直線に貫通しているもの等多様な形態のものがあげられ
る。
【0010】本発明において連続気孔の存在の有無は便
宜上次のようにして判断する。まずシートから直径10
mmの円板を切り抜き、この円板に1Nリットル/mi
nの割合で空気を流した場合に圧力損失が1000mm
2 O/mm以下の場合に連続気孔を有すると判断す
る。但し、圧力損失の単位:mmH2 O/mmの分母の
mmはシートの厚さである。上記圧力損失はシートの通
気性の程度を表すものである。本発明のシートにおいて
は、特に上記圧力損失が500mmH2 O/mm以下で
あることが好ましい。
【0011】本発明の加湿器用保水材のシートとして
は、上述の繊維形態のものをそのまま親水化処理したも
のを使用する以外に、必要に応じて、ポリエステル繊維
とフェノール樹脂を複合化したシートを使用するのが有
効な場合もある。特にシートの剛性、耐久性等特性を重
視する用途の場合はこのような複合化が必要となる。こ
の際、フェノール樹脂としては150℃以下の温度で熱
流動性を示すフェノール樹脂が原料として用いられる。
かかる熱流動性のフェノール樹脂とはJIS−K691
1[成形材料(円板式流れ)]に基づく伸びが3〜15
cmのものをいう。熱流動性を有するフェノール樹脂の
使用形態は粉粒体状である。かかるフェノール樹脂とし
てはフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られ
る熱硬化性のフェノール・アルデヒド樹脂、フェノール
類とアルデヒド類と含窒素化合物とを反応させて得られ
る熱硬化性の含窒素フェノール・アルデヒド樹脂等が挙
げられる。
【0012】本発明のシートは、前述のとおりポリエス
テル繊維またはポリエステル繊維とフェノール樹脂複合
体で構成されているため、そのままでは親水性ではな
く、加湿器用保水材としては適切なものではない。した
がって親水性に改質すべく親水化の方法を種々検討した
結果、親水性ポリエステル樹脂による被覆が有効なこと
を見出した。特にテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香
族二塩基酸とアルキレングリコール及びポリアルキレン
グリコールからなるポリエステルポリエーテルブロック
共重合体等のポリエステル樹脂が優れた親水性被覆材と
して採用することができる。
【0013】ここでいう芳香族二塩基酸とアルキレング
リコール及びポリアルキレングリコールからなるポリエ
ステルポリエーテルブロック共重合体とは、具体的に
は、テレフタル酸−アルキレングリコール−ポリアルキ
レングリコール、テレフタル酸−イソフタル酸−アルキ
レングリコール−ポリアルキレングリコール、テレフタ
ル酸、イソフタル酸−アルキレングリコール−ポリアル
キレングリコールモノエーテル等のブロック共重合体で
あって、テレフタレート単位:イソフタレート単位=1
00:0〜50:50(モル比)、テレフタレート単位
+イソフタレート単位:ポリアルキレングリコール単位
=2〜15:1(モル比)、ポリアルキレングリコール
の分子量600〜60000であるものが好ましい。
【0014】上記アルキレングリコールにはエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオー
ル等が含まれ、ポリアルキレングリコールにはポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチ
レン・プロピレングリコール、等が含まれる。また、ポ
リアルキレングリコールモノエーテルにはポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール等のモノメチル
エーテル、モノエチルエーテル等が含まれる。
【0015】さらには、ブロック共重合体を水中で分散
を安定させるためにアニオンもしくはノニオン界面活性
剤を加えたものが好ましい。さらには、水分散液の凝集
開始温度を調整するために酸もしくは水溶性塩類を添加
してもよい。上記ブロック共重合体に例えば適当なアニ
オン界面活性剤を分散剤として配合して水中に分散させ
たものとして、高松油脂 (株) 製SR−1000、SR
−1300、SR−1800、SR−6200が市販さ
れており、ポリエステル繊維製品の帯電防止剤、親水剤
として利用されている。
【0016】これらブロック共重合体をシートへ付与し
繊維を被覆する方法としては、上述の水中に分散させた
ブロック共重合体をシートに含浸あるいはロールコータ
等によりコーティングする方法等が挙げられる。この処
理シートを乾燥後180℃程度で熱処理すると樹脂は繊
維間に均一に浸透し繊維への固着性が優れた強固な被膜
が形成される。また、上述のような後加工によりシート
へ付与する方法とは異なって、ブロック共重合体水分散
液をポリエステル繊維糸へ直接含浸、コーティング等に
より付与させた改質ポリエステル繊維糸を使用し、織
布、不織布、編物、紙等に加工して親水化したシートを
形成する方法も好適に採用することができる。
【0017】これらブロック共重合体のシートへの付与
量としては0.05〜3.0重量%、好ましくは0.1
5〜2.0重量%のものが好適である。これらブロック
共重合体は水酸基を保持しており親水性に富んだ物質で
あり、且つ、ミクロポーラス構造のように非表面積が大
きいということがなく悪臭を取り込むことは極く少な
い。臭気とは以下のように評価する。シートを300m
3の室内中で1日100本の喫煙を実施し、暴露放置を
7日行った。その後、悪臭の全く感じられない空間にお
いてシート上に水1mリットルを滴下し、水滴下部から
発せられる臭気を臭覚に障害のない10人をモニターに
選び官能検査を実施した。官能検査の判定基準は1;臭
いを感じない、2;やや臭う、3;臭う、4;臭いがき
つい、5;極めて臭いがきつい、として10人の平均値
とした。
【0018】本発明の多孔シートは吸水率が40%以
上、水滴吸収性が3秒以内で吸水性に優れるものであ
る。吸水率の上限は特に限定されないが、実用的には9
0%程度である。ここで、吸水率は、具体的に次のよう
にして測定される。まず、多孔シートの乾燥重量W
1 (g)を測定する。次に、シートを水に十分に浸漬し
た後、水中から引き上げて雫を切り、濡れた状態におけ
る重量W2 (g)を測定し、次の数式[2] から算出す
る。
【0019】
【数2】
【0020】また、水滴吸収性は、シートの吸水所要時
間を表す特性値であって、具体的にはマイクロピペット
で水50μリットルを計り取り、10mm上方からシー
トに水を滴下させた時に、水がシートに完全に吸収され
るのに要する時間をいう。この値が小さい程吸水速度が
速いことを表している。
【0021】さらには本発明で得られる多孔シートは、
気孔率が40〜90%、吸水率が40%以上、水滴吸収
性が3秒以内で曲げ強度が30 kgf/cm2 以上の特性を
有し、親水性と力学的性質の両面で優れたものである。
ここで、曲げ強度は、JIS−K7203[硬質プラス
チックの曲げ試験方法]の規定に基づいて測定したもの
である。
【0022】また、本発明の多孔シートは厚さとしては
0.2〜5.0mmが好ましく、さらには0.3〜3.
0mmがより好ましい。厚さが0.2mm以下であると
曲げ強度等の力学的特性が不十分であるため好ましくな
い。また、厚さが5.0mm以上であるとユニット化し
た際にユニットの風入側から風出側へ風を供給するに際
して風量損失が起こるか、もしくはユニットの大型化を
招いてしまい好ましいものでない。以上のようにして悪
臭の取り込みが極く少なく、吸水性、力学的特性に優れ
た多孔シートを得ることができ、加湿器用保水材として
好適な多孔シートが得られる。
【0023】上記多孔シートを加湿器用保水材として使
用するには例えば図1のようにユニット化して利用す
る。すなわち、図1は、本発明の加湿器用保水材の実施
態様を示す斜視図である。1は天材、2は保水材、3は
給水パイプである。ここで天材は保水材と同様吸水性に
富んだシートが使用される。具体的には次のように使用
される。給水パイプ3から天材1上に水を供給し、天材
1から保水材2全体に水が伝搬し、保水材2全体に水が
拡散する。そして図1中の風下側から風を供給すると保
水材2に浸透された水によって加湿され、風上側に送ら
れる。保水材2は適当な間隔を空けて設置される。適当
な間隔とは0.5〜10.0mm、好ましくは1.0〜
5.0mmである。間隔が0.5mm以下であると間隔
が狭すぎ風入側から風出側への風量損失が生じ、好まし
く加湿空気を送風できない。また、10.0mm以上で
あると風量損失は少ないものの保水材表面積が少なく、
加湿されていない風を送風することとなり好ましいもの
でない。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 繊度10デニール、繊維長51mmのポリエチレンテレ
フタレート短繊維80重量部、繊度4デニール、繊維長
51mmのポリエチレンテレフタレート/イソフタレー
ト共重合体短繊維20重量部からなる目付700g/m
2 の混繊不織布を加熱プレス成形機にて180℃、1k
g/cm2 で5分間加熱加圧し、厚さ2mmの部分融着
した短繊維不織布を調製した。この短繊維不織布(シー
トAと称する。)をテレフタル酸/イソフタル酸/エチ
レングリコール/ポリエチレングリコールブロック共重
合体 [テレフタレート単位/イソフタレート単位=65
/85、 (テレフタレート単位+イソフタレート単位)
/ポリエチレングリコール単位=3.5/1、ポリエチ
レングリコール分子量=1540、ブロック共重合体の
平均分子量6,000] の15%水性分散液10g/リ
ットル、界面活性剤C1225 -Φ- O(CH2 CH
2 O)15SO3 NH4 (ここで -Φ- はパラ・フェニレ
ン基を表す。以下同様)1g/リットル,燐酸第2アン
モニウム5g/リットルからなる水を分散媒体とする親
水剤処理液Aに含浸し、絞りローラでこの処理液を絞っ
た後、100℃の乾燥機中で5分間乾燥した。この際の
短繊維不織布に対するブロック共重合体の付与量は1.
0重量%であった。さらにこの不織布を180℃のオー
ブン中で3分間熱処理を行った。かくして厚さ2.0m
mの親水性多孔シートAを得た。
【0025】実施例2 繊度10デニール、繊維長51mm、目付500g/m
2 のポリエチレンテレフタレート短繊維不織布にフェノ
ール樹脂(ユニチカ(株)製ユニベックス樹脂UA−3
0、平均粒径25μm、熱流動性50mm)20g/リ
ットルの水分散液(複合剤処理液Bと称する。)を含浸
し、絞りローラでこの分散液を絞った後、100℃で2
0分間乾燥し、未硬化のフェノール樹脂が付着したポリ
エチレンテレフタレート不織布を得た。この際のフェノ
ール樹脂付着量は35〜40重量%であった。これを1
80℃に余熱したプレス成形機を用いて1kg/cm2
の圧力で5分間加熱・加圧することによりフェノール樹
脂を硬化させて厚さ2mmのシートを得た。かくして得
られたシートをシートBと称する。シートBを30cm
角に抜き取り、親水剤処理液A1リットル中に浸漬し、
絞りローラで絞った後、100℃の乾燥機中で5分間乾
燥した。この際のシートBへの親水剤ブロック共重合体
の付与量は1.0重量%であった。さらにこのシートB
を180℃のオーブン中で3分間加熱処理した。かよう
にして気孔率75%の親水性多孔シートBを得た。
【0026】実施例3 親水剤処理液Aに前記フェノール樹脂(ユニチカ(株)
製ユニベックス樹脂UA−30、平均粒径25μm、熱
流動性50mm)を20g/リットル分散させて親水剤
複合剤処理液Cを調製し、繊度10デニール、繊維長5
1mm、目付500g/m2 のポリエチレンテレフタレ
ート短繊維不織布をを含浸し、絞りローラでこの処理液
を絞った後、100℃で20分間乾燥し、未硬化のフェ
ノール樹脂及び親水剤が付着したポリエチレンテレフタ
レート不織布を得た。この際のフェノール樹脂付着量は
35〜40重量%、親水剤ブロック共重合体の付与量は
1.0重量%であった。このシートをシートCと称す
る。さらにシートCを180℃に余熱したプレス成形機
を用いて1kg/cm2 の圧力で5分間加熱・加圧する
ことによりフェノール樹脂の硬化及びブロック共重合体
の均一分散化を行った。かようにして厚さ2mm、気孔
率75%の親水性多孔シートCを得た。
【0027】比較例1 実施例1の不織布に粒径0.02mmで濃度5重量%の
シリカゾルを含浸した後、20分間乾燥し、微細なシリ
カゲルが1重量%添着した厚さ2.0mm、気孔率75
%の親水性多孔シートDを得た。
【0028】比較例2 実施例1と同様にして厚さ0.8mm、気孔率35%の
親水性多孔シートEを得た。
【0029】比較例3 実施例1と同様にして厚さ5.0mm、気孔率93%の
親水性多孔シートFを得た。
【0030】比較例4 実施例1で用いたと同じテレフタル酸/イソフタル酸/
エチレングリコール/ポリエチレングリコールブロック
共重合体の15%水性分散液0.5g/リットル、界面
活性剤C1225 -Φ- O(CH2 CH2 O)15SO3
4 0.05g/リットル,燐酸第2アンモニウム0.
25g/リットルからなる親水剤処理液A' に実施例1
と同様の短繊維不織布を含浸して、実施例1と同様に操
作し、不織布に対する親水剤の付与量が0.03重量
%、厚さ2.0mm、気孔率75%である親水性多孔シ
ートGを得た。上記実施例1〜3及び比較例1〜4にて
得られた親水性多孔シートA〜Gについて吸水率、水滴
吸収性、曲げ強度及び臭気を測定した。その結果は表1
にまとめて示すとおりである。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、親水剤として従
来の吸着剤シリカゲルを使用した親水性多孔シートDは
吸水性、力学的特性の点では問題がないが臭気で問題が
ある。気孔率が35%である親水性多孔シートEは吸水
率が33%と低く、水滴吸収性が5秒と悪く吸水性に問
題があった。また、気孔率が93%である親水性多孔シ
ートFは曲げ強度が26kg/cm2 と低く、力学的特
性に問題を残すものである。また、親水剤ブロック共重
合ポリエステルの短繊維不織布への付与量が0.03重
量%である親水性多孔シートGは水滴吸収性が8秒であ
り吸水性に問題がある。それに対して実施例の親水性多
孔シートA、B、Cはいずれも上記したような親水性,
力学特性、及び臭気に関する問題が全く認められず、優
れた加湿器用保水材としての特性を備えたものであるこ
とが明らかとなった。
【0033】
【発明の効果】本発明の多孔性シートは吸水性、力学的
特性に優れ、臭気の吸着が極めて少ないものであり、加
湿器用保水材として使用するに好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加湿器用保水材の実施態様を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 天材 2 保水材 3 給水パイプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面から他の面に貫通する多数の連
    続気孔を有し、親水性ポリエステル樹脂にて被覆された
    ポリエステル繊維シートよりなり、気孔率が40〜90
    %、吸水率が40%以上、水滴吸収性が3秒以内で曲げ
    強度が30 kgf/cm2 以上であることを特徴とする加湿
    器用保水材。
  2. 【請求項2】 親水性ポリエステル樹脂が芳香族二塩基
    酸とアルキレングリコール及びポリアルキレングリコー
    ルからなるポリエステルポリエーテルブロック共重合体
    であって、ポリエステル繊維に対して0.05〜3.0
    重量%被覆されてなることを特徴とする請求項1記載の
    加湿器用保水材。
  3. 【請求項3】 ポリエステル繊維シートがポリエステル
    繊維とフェノール樹脂から構成されていることを特徴と
    する請求項1記載又は請求項2記載の加湿器用保水材。
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