JP2000005544A - 脱臭剤及び脱臭方法 - Google Patents

脱臭剤及び脱臭方法

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JP2000005544A
JP2000005544A JP10173451A JP17345198A JP2000005544A JP 2000005544 A JP2000005544 A JP 2000005544A JP 10173451 A JP10173451 A JP 10173451A JP 17345198 A JP17345198 A JP 17345198A JP 2000005544 A JP2000005544 A JP 2000005544A
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deodorant
ion exchange
exchange resin
deodorizing
adsorption medium
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Shinichi Hara
慎一 原
Naoto Hayashi
直人 林
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Zexel Corp
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】添着成分及び一度吸着した悪臭成分が脱離しに
くい高性能な脱臭剤及び脱臭方法を提供すること。 【解決手段】活性炭、ゼオライト又はシリカゲル等の吸
着媒体と、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩形酸性イ
オン交換樹脂等のイオン交換樹脂とを含む脱臭剤。ま
た、前記脱臭剤又は前記脱臭剤を用いた脱臭フィルター
に、被脱臭気体を接触させる脱臭方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 脱臭剤及び脱臭
方法に関し、特に、排気ガス臭気に対する脱臭剤及び脱
臭方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
生活環境の快適性の向上に対する関心が高まってきてい
る。特に密閉された環境において、快適性を向上させる
ことは重要な課題である。車両内においても密閉された
環境となるため、車室内に侵入する排気ガスなどによっ
てもたらされる悪臭が、不快感を与えている。このよう
な悪臭は、すべて脱臭剤によって吸着され、排除される
ことが望ましい。しかし、これまでは窒素酸化物、硫黄
酸化物などの悪臭成分に対して、十分な脱臭効果を得ら
れていないのが現状である。また、脱臭剤がこのような
悪臭成分を吸着できたとしても、脱臭剤に一度付着した
窒素酸化物、硫黄酸化物等の悪臭成分が脱離することも
あり、再び悪臭の原因となる。
【0003】例えば、従来から脱臭剤として活性炭等の
吸着媒体が広く利用されている。特に、活性炭は、ベン
ゼン、トルエンなどの溶剤ガスを吸着する能力が高い。
しかし、活性炭だけを用いる方法では、アンモニア等の
極性物質に対して物理吸着率が小さいため、完全に脱臭
しきれていない。硫黄酸化物、窒素酸化物などの悪臭成
分に対しても、活性炭だけでは、同様に十分な脱臭効果
が得られない。
【0004】これに対して、活性炭に酸又はアルカリを
添着させてなる脱臭用活性炭(特開昭52−63882
号公報及び特開昭61−68136号公報)や、アミノ
ベンゼンスルホン酸を添着させた活性炭(特開平7−1
36502号公報)が知られている。これらの活性炭を
乾燥した環境下で使用する場合には、アンモニア等の極
性物質に対しても所望の脱臭効果を得ることができる。
しかしながら、水にさらされる環境下で使用する場合に
は、活性炭の添着成分である酸又はアルカリが、水分と
接触する。水分に接触した添着成分は、活性炭に付着し
ているだけの状態であるので、水分により洗い流されて
しまう。このため、活性炭の脱臭効果が半減するおそれ
がある。さらに、一度活性炭に付着したアンモニア、窒
素酸化物及び硫黄酸化物等の悪臭成分が、水分と接触す
る場合もある。このような場合、脱臭剤に吸着したはず
の悪臭成分が、添着成分と同様に水分により洗い流さ
れ、周辺に溜まった悪臭成分を含む水は、再び悪臭の原
因となる。上記活性炭では、添着成分及び悪臭成分の脱
離防止の手段については、考慮されていない。
【0005】また、活性炭の添着成分の脱離を防止する
ために、活性炭の表面に官能基をシラノール結合により
固定化させる方法(特開平4−180834号公報)や、
酸化処理を施して酸性官能基を導入した繊維状活性炭
(特開平9−192484号公報)が知られている。しか
し、これら活性炭を脱臭剤として使用する場合について
も、カタログによれば水洗いは厳禁となっている。水洗
いにより、一度活性炭に付着したアンモンニア、窒素酸
化物及び硫黄酸化物等の悪臭成分が、脱離するおそれが
あるからである。上記活性炭については、添着成分の脱
離は防止できても悪臭成分の脱離までは防止できない。
【0006】そこで、本発明の目的は、添着成分及び一
度吸着した悪臭成分が脱離しにくい高性能な脱臭剤及び
脱臭方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の脱臭剤は、吸着
媒体と、イオン交換樹脂とを含むことを特徴とする。
【0008】また、本発明の脱臭フィルターは、吸着媒
体と、イオン交換樹脂とを含む脱臭剤を用いたことを特
徴とする。
【0009】また、本発明の脱臭方法は、吸着媒体と、
イオン交換樹脂とを含む脱臭剤又は脱臭フィルターに、
被脱臭気体を接触させることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の脱臭剤は、吸着媒体と、
イオン交換樹脂とを含む。吸着媒体として、例えば、活
性炭、ゼオライト、シリカゲルなどを挙げることができ
る。吸着媒体の吸着能の観点から、好ましくは、活性炭
又はゼオライトである。以下では、吸着媒体が活性炭で
ある脱臭剤について説明するが、本発明はこれに限定さ
れる意図ではない。
【0011】活性炭の原料には、石炭やヤシガラ等の一
般的な活性炭の原料を用いることができる。活性炭の形
状は、粉末状でも顆粒状でも繊維状でもよく、形状は問
わない。加工のし易さという観点から、繊維状の活性炭
を用いることができる。
【0012】繊維状の活性炭は、ベースとなる材料を炭
化賦活処理して得られるものであることができる。ベー
スとなる材料には、例えば、綿、麻、紙、セルロース系
繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル系繊維、芳
香族ポリアミド繊維、架橋ホルムアルデヒド繊維、リグ
ニン繊維、フェノール系繊維、石油ピッチ繊維の群から
選択される少なくとも1種の材料を用いることができ
る。これらのベースとなる材料は、1種だけを用いても
良く、適当な種類を組み合わせて用いてもよい。ベース
となる材料は、得られる活性炭素繊維の物性(強度など)
の高いことや、比較的低い賦活温度で吸着能を活性炭に
付与されるという観点から、セルロース系繊維、フェノ
ール系繊維が好ましい。
【0013】繊維状の活性炭を得るには、まず、上記ベ
ース材に必要に応じて適当な耐炎剤を含有させる。耐炎
剤は、一般にリン、窒素及びハロゲン原子を含む化合物
が好ましく、特に、セルロース系繊維の場合にはリン酸
アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニ
ウム塩、塩基亜鉛等が挙げられる。耐炎剤は、原料繊維
中に混合されてもよいし、後処理により繊維表面に付着
されてもよい。
【0014】その後、適当な雰囲気中で400℃以下の
温度で耐炎化処理を施す。耐炎化処理時の雰囲気として
は不活性ガス(窒素、燃焼ガス等)が好ましいが、ある程
度酸素を含んでいてもよい。
【0015】耐炎化処理を施した後、さらに500℃以
上の温度で炭化賦活処理する。炭化賦活処理は、雰囲気
中に水蒸気、二酸化炭素を10〜70窒素%含有させた
状態で500℃以上に加熱することにより行われる。こ
の場合最初に適当な賦活助剤を含侵させてもよいし、ま
た、炭素繊維を製造した後上記の方法により活性化して
もよい。このようにして繊維状の活性炭を得ることがで
きる。
【0016】イオン交換樹脂の骨格となる樹脂として
は、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリロニトリルの群から選択され
る少なくとも1種の重合体を用いることができる。
【0017】イオン交換樹脂のイオン交換部の官能基
は、酸性基又は塩基性基を挙げることができる。例え
ば、イオン交換樹脂に用いられている一般的な、スルホ
ン酸基(−SO )、カルボン酸基(−COO)、リン
酸基(−PO )、ホスホン酸基(−HPO )、ヒ酸
基(−AsO )、セレン基(−SeO )、トリメチ
ルアンモニウム(−N(CH))、アミノ基(−N
)、アンモニア(−NH )等を用いることができ
る。
【0018】特に、スルホン酸基、カルボン酸基、アミ
ノ基を官能基として用いると脱臭効果が優れる。スルホ
ン酸基及びカルボン酸基は、アンモニア、アミン等の塩
基性ガスの脱臭に有効である。さらに、スルホン酸基及
びカルボン酸基は、排気ガス臭気の主成分であるS
、NOに対しても有効である。この場合は、アル
カリ金属塩又はアンモニウム塩の塩形構造を有する。こ
のようにすることで、脱臭剤の使用中にアルカリ金属塩
又はアンモニウム塩等の添着成分が脱落するのを防止す
ることができる。アルカリ金属は、周期表1A族の金
属、すなわち、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシ
ウムなどを挙げることができる。特に好ましくは、ナト
リウム、カリウムである。本発明では、イオン交換樹脂
の官能基にアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を結合さ
せたので、これらのアルカリ金属又はアンモニウム塩が
反応した後でも、大気塵埃等によりイオン交換樹脂に再
びイオンが供給されることもある。したがって、脱臭剤
の脱臭効果を長く維持することができ、脱臭剤の寿命も
長いという利点がある。アミノ基は、アセトアルデヒド
硫化水素等の有害な酸性ガスの脱臭に有効である。
【0019】具体的な本発明の脱臭剤の製造方法は、吸
着媒体と、イオン交換樹脂とを混合し、通常の丸網式湿
式抄紙機で抄紙し、平面状にヒートプレスすることによ
り行うことができる。
【0020】吸着媒体及びイオン交換樹脂の量は、密閉
環境などの用途によって、適宜設定することができる。
吸着媒体の量は、好ましくは50%〜80%、より好ま
しくは、55%〜70%である。イオン交換樹脂の量
は、好ましくは20%〜50%、より好ましくは、30
%〜45%である。
【0021】このようにして、本発明の脱臭剤を得るこ
とができるが、吸着媒体及びイオン交換樹脂の他に、必
要に応じて樹脂バインダーを用いることができる。樹脂
バインダーを使用することで、脱臭前の機械的強度を高
めることができる。樹脂バインダーは、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂を問わない。例えば、樹脂バインダーに
は、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル
系樹脂、ウレタン系樹脂等を挙げることができる。
【0022】樹脂バインダーを使用する場合、吸着媒
体、イオン交換樹脂及び樹脂バインダーの量もまた、密
閉環境などの用途に応じて適宜設定することができる。
吸着媒体の量は、好ましくは、50%〜70%、より好
ましくは、55%〜65%である。イオン交換樹脂の量
は、好ましくは、15%〜25%である。樹脂バインダ
ーの量は、好ましくは、15%〜25%である。
【0023】また、本発明の脱臭フィルターには、吸着
媒体と、イオン交換樹脂とを含む脱臭剤を用いることが
できる。したがって、上述したような本発明の脱臭剤で
使用する「吸着媒体」、「イオン交換樹脂」等を脱臭フ
ィルターに適用することができる。脱臭フィルターは、
本発明の脱臭剤を用いたものであれば、特に限定され
ず、その形状は問わない。通気性を良好にするという観
点から、シート状、積層状、ハニカム構造状にしたもの
が好ましい。
【0024】具体的な本発明の脱臭フィルターの製造方
法は、まず、上述した脱臭剤の製造方法と同様に、吸着
媒体と、イオン交換樹脂とを混合し、通常の丸網式湿式
抄紙機で抄紙し、平面状にヒートプレスすることにより
行うことができる。
【0025】吸着媒体及びイオン交換樹脂の量もまた、
上述した脱臭剤の製造方法と同様に、密閉環境などの用
途によって適宜設定することができる。
【0026】次に、ヒートプレスして得た紙を、通常の
コルゲーターにかけて波のピッチ数〜数百mmで高さ数〜
数百mmのフィルターを得ることができる。波のピッチ、
波の高さは用途に応じて、適宜変更することができ、特
に限定されることはない。このフィルターを数枚〜数十
枚重ねて、フィルター同士を必要に応じて接着し層状に
する。層状にしたフィルターを用途に応じて数〜数百mm
の間で、スライスして脱臭フィルターを得ることができ
る。
【0027】脱臭フィルターをハニカム構造にした場
合、空気が通過する面は、実用上10〜1000メッシ
ュ(10〜1000セル数/インチ)の細かいセルにより
形成される。より好ましくは、100〜300セル数/
インチである。このような脱臭フィルターは、そのセル
が細かいほど、またはフィルターの厚みが大きいほど、
臭気成分との接触時間が長くなり脱臭性能が向上する。
したがって、用途に応じて、セル数、フィルターの厚み
を適宜設定することができる。
【0028】本発明の脱臭フィルターは、乾燥した環境
下、水にさらされる環境下を問わず、どこでも設置する
ことができる。これは、本発明の脱臭フィルターは、高
分子系樹脂でイオン交換部を形成するため、従来の脱臭
フィルターと比較して極めて水に強いからである。本発
明の脱臭フィルターは、例えば、建物、自動車、列車等
の室内の密閉された環境の脱臭フィルターとして使用す
ることができ、以下では、自動車用の場合について説明
する。
【0029】自動車内に空気清浄器等を装備している場
合には、当該空気清浄器に本発明の脱臭フィルターを取
り付けて使用することができる。
【0030】このような空気清浄器を装備していない場
合には、冷暖房装置(エアコン)の一部に本発明の脱臭フ
ィルターを取り付けて使用することができる。エアコン
の空気通路は、一般には、室外空気を取り入れる外気吸
入口と、室内空気を取り入れる内気吸入口と、これら外
気吸入口と内気吸入口とを選択的に開閉するインテーク
ドアと、外気吸入口あるいは内気吸入口から導入した空
気を吹出口に向かって送風する送風機と、取り入れた空
気を所定温度に冷却するエバポレータと、から構成され
ている。
【0031】本脱臭フィルターは、前記外気吸入口に取
り付けても良く、前記内気吸入口に取り付けても良い。
また、インテークドアの直前または直後に取り付けても
良い。さらに、吹出口の直前に脱臭フィルターを設けて
も良い。一般的には、脱臭フィルターは、エバポレータ
周辺を避けて設置しなければならない。なぜなら、エバ
ポレータ付近はエバ凝縮水により濡れた環境となるた
め、脱臭フィルターをエバポレータ周辺に設けた場合、
一度活性炭に付着したアンモニア、窒素酸化物及び硫黄
酸化物等の悪臭成分及び添着成分が脱離し、再び悪臭の
原因となるからである。
【0032】しかし、本発明の脱臭フィルターの場合に
は、エバポレータ周辺以外はもちろん、エバポレータ周
辺、特にエバポレータ直前(空気の導入側)又はエバポレ
ータ直後(空気の出口側)を問わず脱臭フィルターを設け
ることができる。上述のように、本発明の脱臭フィルタ
ーは、高分子系樹脂でイオン交換部を形成するため、従
来の脱臭フィルターと比較して極めて水に強いからであ
る。
【0033】また、本発明の脱臭方法は、上述した本発
明の脱臭剤又は脱臭フィルターに、被脱臭気体を接触さ
せることからなる。本発明の脱臭方法による「吸着媒
体」及び「イオン交換樹脂」についても、上述した本発
明の脱臭剤で使用するものを用いることができる。
【0034】被脱臭気体を接触させるには、建物、自動
車、電車、列車等の密閉された環境内に、本発明の脱臭
剤又は脱臭フィルターを放置することにより行うことが
できる。また、空気清浄器又はエアコンなどの循環器を
設置してある密閉環境内では、循環器の空気通路の一部
に本発明の脱臭剤又は脱臭フィルターを設置することに
より行うことができる。循環器の空気通路の一部に脱臭
剤又は脱臭フィルターを設置すると、脱臭剤又は脱臭フ
ィルターに被脱臭気体を効率的に接触させることができ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。 実施例1 まず、セルロース系繊維に、適当な耐炎剤を含有させた
後、適当な雰囲気中で400℃以下の温度で耐炎化処理
を施し、さらに500℃以上の温度で炭化賦活し、活性
炭素繊維を得た。その後、スチレンとスルホン基を結合
させたスチレンの共重合体である市販の酸性イオン交換
樹脂(Na形)20%と上記活性炭素繊維60%とフェノ
ール樹脂20%とを混合し、通常の丸網式湿式抄紙機で
抄紙し、平面状にヒートプレスした。このようにして本
発明の脱臭剤を得た。
【0036】比較例として、セルロース系繊維を焼成賦
活し、活性炭素繊維としただけのものと、この活性炭素
繊維の活性炭にアルカリを添着させたものを用意した。
そして、得られた本発明の脱臭剤、活性炭のみのもの及
び活性炭にアルカリを添着させたものの各サンプルを用
いて、脱臭性能試験及び脱離評価試験を行った。
【0037】脱臭性能試験及び脱離評価試験には、ガス
分析計を用いた。
【0038】脱臭性能試験は、NO、SOをそれぞ
れ30ppm含むガスを準備し、ガス分析計に各サンプル
を取り付けることにより行った。その後、NO、SO
を含んだガスを風速1m/sの条件で、入口と出口で
ガス濃度を測定し、各サンプルの脱臭性能を測定した。
【0039】脱離評価試験は、脱臭率が0%になった時
点でガスの供給を停止し、各サンプルから脱離してくる
ガス濃度を測定することにより行った。結果を表1、表
2に示す。
【0040】試験の結果から、本発明の脱臭剤は高い脱
臭効果を有することが示された。すなわち、本発明の脱
臭剤は、イオン交換樹脂の官能基にアルカリ金属塩又は
アンモニウム塩を結合させたので、添着成分及び悪臭成
分の分離、分解、脱離等がなかった。これに対して、比
較例の脱離評価では、活性炭のみを用いた場合、アルカ
リ添着活性炭を用いた場合のいずれにおいても刺激臭が
残っており、NO、SOの悪臭成分を完全に脱臭し
きれなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】また、上述したような乾燥した環境下で使
用する場合はもちろん、本発明の脱臭剤は、イオン交換
樹脂の官能基にアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を結
合させているので、水にさらされる環境下で使用する場
合でも添着成分及び悪臭成分の分離、分解、脱離等がな
かった。
【0044】実施例2 次に、本発明の脱臭剤を用いたハニカム構造を有する脱
臭フィルターについて説明する。セルロース系繊維に、
適当な耐炎剤を含有させた後、適当な雰囲気中で400
℃以下の温度で耐炎化処理を施し、さらに500℃以上
の温度で炭化賦活し、活性炭素繊維を得た。前記活性炭
素繊維60%、スルホン酸基を結合させたポリアクリロ
ニトリルである酸性イオン交換樹脂(Na形)20%及び
フェノール樹脂20%を混合して、丸網式湿式抄紙機で
抄紙し、平面状でヒートプレス後活性炭素繊維を得た。
該紙を用いて通常の片面コルゲーターにかけて波のピッ
チ5mmで高さ3mmのフィルターを得た。このフィルター
を数十枚重ねて、フィルター同士を必要により接着し層
状にした。層状にしたフィルターを5mmで、スライスし
て脱臭フィルターを得た。この脱臭フィルターは、20
0セル数/インチの範囲であった。このようにして得ら
れた脱臭フィルターも、実施例1の本発明による脱臭剤
と同様の高い脱臭性能が得られた。
【0045】また、得られた脱臭フィルターを自動車内
の冷暖房装置(エアコン)の一部に取り付けて使用した場
合、エバポレータ周辺及びエバポレータ周辺以外の部分
を問わず、良好な脱臭効果を示した。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、排気ガス臭の主成分で
ある窒素酸化物、硫黄酸化物を除去できるため、車室内
に進入する臭気を除去でき生活環境の快適性を向上させ
ることができる。
【0047】また、本発明によれば、一度吸着した悪臭
成分が吸着媒体から脱離しないため、再び悪臭の原因と
ならない。
【0048】また、本発明によれば、水にさらされる環
境においても同様に、添着成分及び一度吸着した悪臭成
分が脱離しないため、密閉された環境下で一層快適性を
向上させることができる。
【0049】さらに、本発明では、イオン交換樹脂の官
能基にアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を結合させた
ので、これらのアルカリ金属又はアンモニウム塩が反応
した後でも、大気塵埃等によりイオン交換樹脂に再びイ
オンが供給されることもある。したがって、脱臭効果を
長く維持することができ、脱臭剤の寿命も長いという利
点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 CC02 CC03 CC07 CC12 HH05 JJ05 KK08 LL12 MM04 MM05 MM06 MM22 QQ01 4D012 BA01 BA02 BA03 CA09 CA12 CA15 CA16 CB02 CG01 CG03 CG04 4G066 AA05B AA13B AA22B AA52B AA61B AC02A AC17B AE01B AE10B AE10C AE11D AE12D BA03 BA07 BA16 CA02 CA23 CA28 DA02 DA03 FA03 FA21 FA28 FA40

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着媒体と、イオン交換樹脂とを含むこ
    とを特徴とする脱臭剤。
  2. 【請求項2】 前記イオン交換樹脂が、アルカリ金属塩
    又はアンモニウム塩形酸性イオン交換樹脂である請求項
    1に記載の脱臭剤。
  3. 【請求項3】 前記吸着媒体が、活性炭、ゼオライト又
    はシリカゲルである請求項1又は請求項2に記載の脱臭
    剤。
  4. 【請求項4】 前記活性炭が、繊維状である請求項1〜
    3に記載の脱臭剤。
  5. 【請求項5】 バインダー樹脂をさらに含む請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の脱臭剤。
  6. 【請求項6】 前記バインダー樹脂が、熱硬化性樹脂又
    は熱可塑性樹脂である請求項5に記載の脱臭剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の脱
    臭剤を用いた脱臭フィルター。
  8. 【請求項8】 前記脱臭フィルターが、ハニカム構造を
    有する請求項7に記載の脱臭フィルター。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の脱
    臭剤又は請求項7若しくは請求項8に記載の脱臭フィル
    ターに、被脱臭気体を接触させることを特徴とする脱臭
    方法。
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