JPH09173829A - 空気浄化剤および空気浄化用フィルター - Google Patents

空気浄化剤および空気浄化用フィルター

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JPH09173829A
JPH09173829A JP7339457A JP33945795A JPH09173829A JP H09173829 A JPH09173829 A JP H09173829A JP 7339457 A JP7339457 A JP 7339457A JP 33945795 A JP33945795 A JP 33945795A JP H09173829 A JPH09173829 A JP H09173829A
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activated carbon
metal
air
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active carbon
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JP7339457A
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Ryohei Imamura
良平 今村
Sakae Iizuka
栄 飯塚
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低濃度の汚染ガスに対して長時間に亘り優れ
た除去能を発揮する高性能な空気浄化剤および空気浄化
用フィルターを提供する。 【解決手段】 アルカリ金属、アルカリ土類金属、C
u、Mn、Zn、Fe、Ni又はAgから選ばれた1種
又は2種以上の金属元素を含有する化合物の存在下で、
炭素化および賦活された金属成分担持活性炭を、不織布
とともにシート状に形成してなる空気浄化剤、およびそ
れを使用してなる空気浄化用フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、著しく低濃度に汚
染された環境汚染空気をも効果的に浄化することができ
る高性能な空気浄化剤とそれを用いた空気浄化フィルタ
ーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球環境の浄化が大きな問題となってい
る現状において、特に大気汚染の制御・防止は緊急な課
題となっており、各種産業の作業環境や生活環境を含む
あらゆる環境下で低濃度汚染に対する空気浄化が強く要
求されている。従来、空気を浄化する手段としては乾式
法と湿式法が知られているが、簡便性と多くの有機物の
吸着に有効なことから、活性炭を用いた乾式浄化法が古
くから実用化されている。しかし、活性炭はアンモニ
ア、トリメチルアミン、アセトアルデヒド等の塩基性ガ
ス、硫化水素、塩酸、フッ酸、硝酸、酢酸、リン酸、硫
酸等の酸性ガスに対しては、吸着能力が低く、そのた
め、塩基性ガスの吸着に対して、活性炭に酸を添着した
活性炭を用いる方法(特開昭52−63882号公
報)、銅イオンを担持した活性炭を用いる方法(特開平
5−269375号公報)、酸性ガスの吸着に対して、
アルカリ薬剤を添着した活性炭を用いる方法(特開昭5
2−63882号公報、特開昭54−35188号公
報、特開昭56−144727号公報)、アミノ基含有
有機化合物を担持した活性炭を用いる方法(特開平6−
7634号公報)等のある種の薬剤を添着し、吸着性能
を補足する方法がとられている。
【0003】しかしながら、活性炭に薬剤を吸着させて
担持する、いわゆる添着タイプのものは、薬剤が不可避
的に細孔を塞いで比表面積を著しく低下させるため、活
性炭本来の物理的特徴を有効に活用できないことから、
初期吸着能は優れているが、以後吸着性能が急激に悪化
する傾向があると共に、低濃度の汚染ガスに対する除去
能及びその使用寿命においても満足のいくものではな
い。現在、粒状活性炭、粉末活性炭に次ぐ活性炭として
繊維状活性炭(Activated Carbon F
iber)が工業化されている。これは直径が10〜3
0μmの繊維状をしており、粒状活性炭との大きな相違
はミクロポアが主体であることで、このことにより被吸
着分子に対する吸着速度が速い特徴がある。比表面積
は、2500m2/gのものもあるが、一般的には10
00〜2000m2/gの高比表面積を有し、そして、
弾性率や強度といった機械的特性を兼ね備えた細い繊維
状の形態であるので、加工性に優れ、従来の活性炭と比
較し、様々な形態への加工を可能にしている。しかし、
このような高比表面積を有する繊維状活性炭においても
単独では塩基性ガス、酸性ガスの吸着性能が不充分なた
め、酸やアルカリ薬剤を添着し(特開平6−33962
9号公報)、吸着性能を補足している。このような添着
タイプにおいては、繊維状活性炭といえども上記のよう
な微細孔閉塞による悪影響は避けられない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体をはじめ
とする精密エレクトロニクスの製造分野での製造精度や
歩留まりの向上、あるいは絵画のような高級美術品の褐
変色を防止して恒久保存を可能にする等の目的から、低
濃度の汚染ガスを完全かつ簡易的に除去し得ると共に、
取り扱いが容易で、かつ安全な空気浄化剤の開発が強く
望まれている。本発明は、かかる要請に鑑みて鋭意研究
した結果開発されたもので、その目的は、前記のような
微細孔閉塞の悪影響がなくて、使用寿命が長く、低濃度
の汚染ガスに対して十分な除去能を有し、かつ簡易的に
設置できる構造の空気浄化剤及び空気浄化フィルタ−を
提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明が提供しようとす
る空気浄化剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、C
u、Mn、Zn、Fe、Ni又はAgの金属元素から選
ばれた1種又は2種以上の金属元素を含有する化合物の
存在下で、炭素化および賦活された金属成分担持活性炭
を、不織布とともにシート状に形成することを構成上の
特徴とする。また、本発明の空気浄化剤の特徴は、従来
の薬剤を添着した活性炭を用いたものと異なり、担持し
た金属が活性炭中に均質に存在し、活性炭本来の細孔と
高比表面積を有しているので、低濃度の汚染ガスに対し
て優れた吸着性能を発揮すると共に、使用寿命が長いと
ころにある。特に、繊維状活性炭を用いた場合には、ガ
スの種類を問わず速い吸着速度で吸着し、更に効果的に
目的とするガスを除去することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る空気浄化剤は、金属成分担持活性炭を吸着
の主組成とするものであるが、従来のように、活性炭に
後から各種の金属化合物を吸着させて含有するいわゆる
「添着タイプ」の活性炭を用いたものとは、基本的に異
なる。すなわち、本発明で用いる金属成分担持活性炭
は、所望の金属元素を含有する化合物の存在下で炭素化
及び賦活されたものである。ここで金属元素を含有する
化合物の存在下で炭素化及び賦活するとは、後述するよ
うに活性炭の前駆体である有機化合物と所望の金属元素
を含有する化合物との混合物を常法により炭素化及び賦
活処理を施したものであって、所望の金属元素を含有す
る化合物が活性炭の製造工程の当初から、原料として使
用され、結果的かつ必然的に活性炭中に均質に存在して
いるものである。換言すれば、活性炭の製造段階で所望
の金属成分を包含、担持させ、化学的に変性させた活性
炭と言うことができる。
【0007】本発明で用いる金属成分担持活性炭は、活
性炭前駆体に、Li、Na、K、Rb、Csのアルカリ
金属、Be、Mg、Ca、Sr、Baのアルカリ土類金
属、Cu、Mn、Zn、Fe、Ni又はAgから選ばれ
た1種又は2種以上の金属元素を含有する金属成分の存
在下で炭素化および賦活処理された活性炭である。活性
炭の金属成分担持量は、活性炭の製造条件や用途等によ
り一様ではないけれども、金属元素として、通常0.1
〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
この理由は、0.1重量%より担持量が少なくなると吸
着性能が不充分であり、一方、30重量%より多くなる
と活性炭の物性劣化、例えば繊維状活性炭にいたっては
弾性、強度の劣化が生じ、空気浄化用フィルターへの加
工性に問題が生じる。
【0008】係る金属成分担持活性炭の製造法は、活性
炭前駆体有機物と所望の金属化合物とを均一に混合する
原料調製工程と、得られた原料混合物を焼成炭化および
賦活処理する工程より基本的になるものである。上記、
活性炭前駆体有機物としては、従来より公知の活性炭素
材としてもちいられているものであれば、特に限定なく
用いることができる。例えば、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、澱粉、
セルロース、籾殻、ヤシ殻、タール成分、石炭、木材チ
ップ、廃タイヤ等の1種又は2種以上が挙げられ、これ
らのうち、下記の如き所望の有機溶媒に実質的に溶解す
る炭素原料が好ましい。
【0009】上記、金属化合物としては、Li、Na、
K、Rb、Csのアルカリ金属、Be、Mg、Ca、S
r、Baのアルカリ土類金属、Cu、Mn、Fe、Ni
又はAgの遷移金属から選ばれた1種又は2種以上の金
属を含有する熱分解性の金属含有物質であれば、特に限
定はないが、例えば、炭酸水素塩、炭酸塩、硝酸塩、リ
ン酸塩、ハロゲン化物、水酸化物等の無機塩、ギ酸塩、
酢酸塩、シュウ酸塩、安息酸塩、フェノール類の塩、ス
ルホン酸類の塩等の有機酸塩が挙げられるが、無機塩で
あれば硝酸塩、ハロゲン化物の如き揮発性塩類、酢酸塩
の如き有機酸の塩類が好ましく、その水溶液またはメタ
ノール、エタノール、アセトン、ベンゼンの如き有機溶
媒を用いた溶液状態で使用する。
【0010】これら原料を所望の容器に混合し、均一な
原料混合物を得ることが肝要である。従って、原料系を
所望の溶媒に実質的に溶かした一液の混合溶液とするこ
とが望ましいが、所望の溶媒に溶けない不均一原料、例
えば溶媒に溶けない炭素原料では、所望の金属成分を含
有する溶液に浸漬した後、撹拌等を施しながら、よく混
合して吸着、含浸処理する。次いで、溶媒を分離除去し
た後、得られる調合物を常法により炭素化及び賦活処理
を施して活性炭とする。この場合、活性炭繊維にあって
は、原料調合物を紡糸した後、炭素化及び賦活すること
が好ましい。活性炭素化の条件は、特に限定されるもの
でなく、公知の方法でよい。例えば炭素化は窒素ガスの
如き非酸素ガス気流中で600〜1000℃の温度下で
焼成することにより行われ、また、賦活化条件において
も、常法と異なる手段をとる必要はなく、例えば窒素ガ
スをキャリアガスとする水蒸気や炭酸ガスの場合では6
00〜1000℃、酸素ガスの場合では、400〜70
0℃の温度下で処理することにより行われる。
【0011】本発明で用いる活性炭と従来の添着タイプ
の活性炭との相違は、その比表面積や細孔容積などの物
理特性及び化学成分の存在状態を観察分析することによ
り識別することができる。すなわち、本発明のものは、
担持してない活性炭(ブランク)が本来有する比表面積
や細孔容積と同等または若干低くなる程度に比べて、添
着タイプのものは、それらが著しく低下している。よっ
て、本発明のものは金属成分が炭素成分と均質に物理、
化学的に結合したような状態で存在しているのに対し、
添着タイプのものは、担持金属成分と炭素成分とが表面
的かつ不均質に存在している。
【0012】活性炭に担持する金属の種類は、目的とす
る被吸着分子に対応し、例えば塩酸、リン酸、フッ酸、
硫酸等の酸性ガスの除去を目的とする場合には、Li、
Na、K、Rb、Csのアルカリ金属、Be、Mg、C
a、Sr、Baのアルカリ土類金属から選ばれた1種又
は2種以上の金属元素を含有する金属成分を有効成分と
して担持するのが好ましい。硫化水素、メチルメルカプ
タン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、エ
チルメルカプタン、硫黄酸化物等の含硫黄化合物の除去
を目的とする場合には、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、Mn、Zn、Fe又はNiから選ばれた1種又は2
種以上の金属元素を含有する金属成分を有効成分として
担持することが好ましい。また、上記金属成分の他、A
g成分又はCu成分を併用担持することにより、抗菌効
果及び防黴効果を併せて発揮することができる。アンモ
ニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、窒素酸化物等の含窒素化合物、硫化水素、メチ
ルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスル
フィド、エチルメルカプタン、硫黄酸化物等の含硫黄化
合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデ
ヒド類、脂肪族炭化水素、フェノール類、エチレン類等
の不飽和炭化水素、アルコール類、その他有機系ガスの
ように物性の異なる多成分ガスの除去を目的とする場合
には、Cu成分を有効成分として担持するのが好まし
い。一方、通常の環境下では、ガス成分は、物性の異な
る多くのガス分子が混在したかたちで存在することか
ら、目的に応じ、物性の異なる上記金属成分を1種又は
2種以上を併用担持して用いるか、もしくは物性の異な
る金属成分を担持した各種フィルターを数層に重ねて使
用しても差し支えない。
【0013】本発明の金属成分担持活性炭の形状は、使
用目的により粒状、粉末状、繊維状が挙げられるが、フ
ィルターへの加工性および吸着性能から繊維状活性炭が
最も好ましい。上記の金属成分担持活性炭を不織布とと
もにシート状に形成するには、活性炭が粉状や粒状の場
合には、適当な繊維媒体に付着させてこれを不織布状に
成形して、そのまま、またはこれを他の不織布と一体化
して、本発明の空気浄化剤としてもよく、また活性炭が
繊維状の場合にはそのまま不織布状に成形し、これを他
の例えば2枚の不織布により上下から挟み込むか、1枚
の不織布と重ね合わせるように1体に形成してフィルタ
ー状の空気浄化剤を作成する。なお、シート形状体の厚
さや大きさは、特に限定されない。
【0014】使用する不織布は、工業的に入手できるも
のを使用すればよく、例えばレーヨン、綿、合成繊維な
どの混合物やセルロース繊維、ナイロン、ポリエステル
などの合成繊維を原料としているものなどが主に使用さ
れる。本発明に係る空気浄化フィルターは、上記空気浄
化剤を支持枠に固定してなることを構成上の特徴とする
ものである。本発明の空気浄化剤をフィルターとして形
成するには、例えば帯状の空気浄化剤シートを一定幅に
交互に折り曲げてプリーツ状の連続体または半連続体と
したり、空気浄化剤シートをパネル状に積層する方法、
該空気浄化剤をハニカム状に成形しそれを積層または成
巻して成形する方法等がとられる。本発明に係る空気浄
化用フィルターは、単一ユニットとして用いることがで
きることは勿論であるが、多くの場合、被処理空気の容
量に応じて複数個をセットした複合ユニットとして適用
される。この場合、各ユニット中のフィルターは、同一
金属成分担持の空気浄化剤に限らず、除去目的や複合汚
染の状況に応じて異種金属成分を2種以上担持した空気
浄化剤を組み合わせフィルターを構成することもでき
る。
【0015】図1は本発明に係る空気浄化用フィルター
の1態様を例示した切欠斜視図で、1は空気浄化剤、2
は支持枠体である。空気浄化剤は帯状体を一定の幅で交
互に折り曲げて同一間隔を有するプリーツ状の連続体に
成形されており、アルミニウム又は合成樹脂などの成形
版で形成された支持体枠2つの内部に固定されている。
空気浄化剤1の固定には、スペーサー3が用いられ、支
持枠体2の内部に接触する部分はフィルター内を通過す
る空気のショートパスを防ぐため樹脂系接着剤のような
密封剤4で密着されている。また、支持枠2の上部には
ゴムなどの可塑性材料を結合させガスケット5が設置さ
れ、フィルター部分の複数の組み合わせを設定した際の
空気漏れを防止している。被処理空気は、矢印方向から
フィルター系を通過し、浄化される。
【0016】図2は空気浄化剤1がハニカム構造を有す
る空気浄化用フィルターを示した正面図である。この構
造の場合には流通空気の接触面積が大きくなってより効
果的な浄化作用が発揮される。本発明に係る空気浄化剤
は、通気による圧損が少なく、極めて軽量なため、目的
に応じて同種または異種の空気浄化剤を組み合わせたユ
ニットを設計して効果的な空気浄化を計ることができ
る。
【0017】
【作用】本発明に係る空気浄化剤は、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、Cu、Mn、Zn、Fe、Ni又はA
gから選ばれた1種または2種以上の金属元素を含有す
る金属成分の存在下で炭素下および賦活された金属成分
担持活性炭、換言すれば、活性炭の製造段階で上記金属
成分の1種又は2種以上を担持した活性炭を主な吸着物
質とするシート形状体からなることを特徴としている。
本発明における金属成分の活性炭中での存在形態は、明
らかでないが、金属単体、金属酸化物、炭酸塩等の状態
で活性炭中に均質に存在しているものと考えられる。従
って、従来の金属成分を添着した活性炭からなる空気浄
化剤とは異なり、活性炭本来の細孔と高比表面積を有効
に活用すると共に、活性炭表面または細孔表面を問わず
金属成分が均一に担持されている。よって、極めて低濃
度の範囲で汚染された空気を効果的に浄化できると共
に、その使用寿命が長く、かつ活性炭に担持する金属の
選定及び異なる物性を有する金属成分を担持した浄化剤
を組み合わせてフィルターを構成することにより、多様
な有毒ガスの単独または複合汚染ガスを効果的に除去す
ることが出来る。また、Cu成分またはAg成分を単独
または併用担持させたものは、強い抗菌作用及び防かび
作用を有することから、空気中に存在する各種の細菌、
黴、ウィルスなどの有害微生物も併せて除去することが
できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明について具体的に説明するため
に実施例及び比較例をあげて説明する。 実施例1 ノボラック型フェノ−ル樹脂(群栄化学工業(株)社
製)100重量部をメタノ−ル400重量部に溶解して
フェノ−ル樹脂のメタノ−ル溶液を得た。一方、酢酸銅
(Cu(CH3COO)2・H2O)のメタノ−ル溶液を
調製し、その所定量をフェノ−ル樹脂メタノ−ル溶液に
混合し、十分攪拌した。次いで、減圧乾燥により、メタ
ノ−ルを除去してCu含有フェノ−ル樹脂を得た。次い
で、得られたCu含有フェノ−ル樹脂を常法にて遠心紡
糸(直径14μm)してフェノ−ル樹脂繊維を得た。得
られた上記繊維をホルムアルデヒドに20分間浸漬させ
た後、昇温速度0.5℃/分で95℃まで加熱し、8時
間保持して硬化させた。得られた硬化繊維を管状炉にて
窒素気流中、昇温速度5℃/分で800℃まで加熱し、
30分間保持して焼成し、炭素化した。次いで、窒素ガ
スをキャリア−ガスとして水蒸気に切り替え、800℃
で1.5時間保持して賦活処理し、銅担持活性炭素繊維
を得た。これを不織布状にロ−ル成形して帯状体を得
た。この帯状体をセルロース繊維の素材からなる不織布
で挟み込んで、空気浄化剤を調製した。次いで、空気浄
化剤を一定幅に交互に折り曲げて図1に示すようなプリ
−ツ状に成形し、ハウジングの支持枠に固定して空気浄
化剤用フィルタ−(縦6.9cm×横5.5cm×幅7.
0cm)を作成した。
【0019】比較例1 酢酸銅−メタノ−ル溶液を使用しない以外は実施例1と
全く同様な操作と条件にて活性炭素繊維を得、更にこれ
を用いてフィルターを作成した。
【0020】比較例2 市販の活性炭素繊維(比表面積約1000m2/g)を
燐酸水溶液(25重量%)に浸漬して薬剤を添着させ、
遠心分離器で脱水し乾燥させたのち、帯状シ−トに成形
し、実施例1同様に空気浄化用フィルタ−を作成した。
実施例1及び比較例1〜2で得られた試料を下記の条件
によりアンモニアガスの除去能を評価した。表1に配合
組成と比表面積を、表2にアンモニアガス除去試験結果
を示す。
【0021】測定条件 ガス濃度 30ppm 温度 20〜25℃ 湿度 45〜55%RH 面風速 0.5m/秒 測定方法 ガス検知管法
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】実施例2 ノボラック型フェノ−ル樹脂(群栄化学工業(株)社
製)100重量部をメタノ−ル400重量部に溶解して
フェノ−ル樹脂のメタノ−ル溶液を得た。一方、酢酸マ
ンガン(Mn(CH3COO)2・4H2O)のメタノ−
ル溶液を調製し、その所定量をフェノ−ル樹脂メタノ−
ル溶液に混合し、十分攪拌した。次いで、減圧乾燥によ
り、メタノ−ルを除去してMn含有フェノ−ル樹脂を得
た。次いで、得られたMn含有フェノ−ル樹脂を常法に
て遠心紡糸(直径14μm)してフェノ−ル樹脂繊維を
得た。得られた上記繊維をホルムアルデヒドに20分間
浸漬させた後、昇温速度0.5℃/分で95℃まで加熱
し、8時間保持して硬化させた。得られた硬化繊維を管
状炉にて窒素気流中、昇温速度5℃/分で800℃まで
加熱し、30分間保持して焼成し、炭素化した。次い
で、窒素ガスをキャリア−ガスとして水蒸気に切り替
え、800℃で1.5時間保持して賦活処理し、マンガ
ン担持活性炭素繊維を得た。得られたマンガン担持活性
炭素繊維を実施例1と同様にして空気浄化剤用フィルタ
−を作成した。
【0025】比較例3 比較例として市販の活性炭素繊維(比表面積1000m
2/g)を過マンガン酸ソ−ダ水溶液(20重量%)に
浸漬して薬剤を添着させ、遠心分離機で脱水し乾燥させ
たのち、帯状シ−ト成形し、実施例1と同様に空気浄化
フィルタ−を作成した。実施例2及び比較例2で得られ
た空気浄化用フィルタ−につき、下記の条件により硫化
水素の除去能を評価した。表3に配合組成と比表面積、
表4に硫化水素除去試験結果を示す。
【0026】測定条件 ガス濃度 30ppm 温度 20〜25℃ 湿度 45〜55%RH 面風速 0.5m/秒 測定方法 ガス検知管法
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】実施例3 ノボラック型フェノ−ル樹脂(群栄化学工業(株)社
製)100重量部をメタノ−ル400重量部に溶解して
フェノ−ル樹脂のメタノ−ル溶液を得た。一方、酢酸カ
リ(CH3COOK)のメタノ−ル溶液を調製し、その
所定量をフェノ−ル樹脂メタノ−ル溶液に混合し、十分
攪拌した。次いで、減圧乾燥により、メタノ−ルを除去
してカリ含有フェノ−ル樹脂を得た。次いで、得られた
カリ含有フェノ−ル樹脂を常法にて遠心紡糸(直径14
μm)してフェノ−ル樹脂繊維を得た。得られた上記繊
維をアセトアルデヒドに20分間浸漬させた後、昇温速
度0.5℃/分で95℃まで加熱し、8時間保持して硬
化させた。得られた硬化繊維を管状炉にて窒素気流中、
昇温速度5℃/分で700℃まで加熱し、30分間保持
して焼成し、炭素化した。次いで、窒素ガスをキャリア
−ガスとして水蒸気に切り替え、700℃で1.5時間
保持して賦活処理し、カリ担持活性炭素繊維を得た。得
られたカリ担持活性炭素繊維を実施例1と同様にして空
気浄化剤用フィルタ−を作成した。
【0030】比較例4 比較例として活性炭素繊維を炭酸カリ水溶液(30重量
%)に浸漬して、薬剤を添着し、遠心分離機で脱水、乾
燥させたのち、帯状シ−トに成形し、実施例1と同様に
空気浄化用フィルタ−を作成した。実施例3及び比較例
3にて得られた空気浄化用フィルタ−を用いて下記の条
件にて塩酸ガスの除去能を評価した。表5に配合組成と
比表面積、表6に塩酸ガス除去試験結果を示す。
【0031】測定条件 ガス濃度 30ppm 温度 20〜25℃ 湿度 15〜20%RH 面風速 0.5m/秒 測定方法 ガス検知管法
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば著しく低
濃度の汚染ガスに対して長時間に亘り優れた除去能を発
揮する高性能な空気浄化剤および空気浄化用フィルター
を提供することができる。更に本発明の空気浄化剤及び
空気浄化用フィルターは、安全性が高く、かつ軽量であ
るため産業用から一般民生用に至るまで広い用途目的に
有用性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気浄化用フィルターを例示した
切欠斜視図である。
【図2】空気浄化剤がハニカム構造の空気浄化用フィル
ターを示した正面図である。
【符号の説明】
1 空気浄化剤 2 支持枠体 3 スペーサー 4 密封材 5 ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/40 D04H 1/40 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属、アルカリ土類金属、C
    u、Mn、Zn、Fe、Ni又はAgから選ばれた1種
    又は2種以上の金属元素を含有する化合物の存在下で、
    炭素化および賦活された金属成分担持活性炭を、不織布
    とともにシート状に形成してなる空気浄化剤。
  2. 【請求項2】 金属成分担持活性炭の金属成分担持量
    は、全量当たり金属元素として、0.1〜30重量%で
    ある請求項1記載の空気洗浄剤。
  3. 【請求項3】 金属成分担持活性炭が繊維状である請求
    項1又は2に記載の空気浄化剤。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれか1項に記
    載の空気浄化剤を、支持枠に固定してなることを特徴と
    する空気浄化用フィルター。
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