JP2003504175A - 気体濾過用の生物破壊性濾過材 - Google Patents

気体濾過用の生物破壊性濾過材

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Abstract

(57)【要約】 本発明は濾過材に関する。濾過材は吸着濾過層を担持する担持体を有し、吸着濾過層には生態破壊作用のある付加物が備えてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （技術分野） 本発明は、気体、特に空気の濾過に関する。
【０００２】 （背景技術） 空気流から有害および悪臭物質を除去する濾過システムはＤＥ３２２８１５６
から公知である。その利用分野として内部空間、車両のキャビンが挙げられてい
る。
【０００３】 車両、特に自動車の乗客は２つの流入物、すなわちＣＯ、ＮＯＸ、および少量
のＳＯ２など濃度が高くない限り無臭あるいは殆ど無臭のいわゆる有害物質、お
よび大部分が燃料特にディーゼル燃料の不完全燃焼物質からなる臭物質にさらさ
れる。
【０００４】 通常の自動車利用者にとって臭物質は非常に嫌なものである。
【０００５】 ＣＯやＮＯＸなどは、現在の技術では通常それを取付けるスペースが全く無い
ような大きくて高価なシステムによってのみ大幅に除去することができる。
【０００６】 臭物質は測定できず、感覚されるものである。その特殊性は、それら臭物質は
濃度が低くても知覚され、また不快な臭気の場合負担に感じられることである。
定置式ディーゼル機関での実験によると、排気ガスを新鮮な空気で１０００００
倍に薄めても不快な臭気が知覚されることが確かめられた。したがって道路交通
の臭気を車両内部空間に与えないようにするための特別なフィルターが要望され
るのは驚くべきことではない。
【０００７】 上記濾過システムを汚れたパーティクルフィルタを濾過システムから取外して
処理するようにすることは現状技術で対応できる。フィルタ交換は、１つには埃
の体積および流れ抵抗の増大のため、他には埃の堆積層には鉱物性の埃の他に温
度および空気湿度が適合した環境条件では萌芽状態あるいは増殖状態になる生物
的活性物（バクテリア、芽胞）が存在するために必要となるものである。これら
微生物は、爆発的に成長して濾過媒体に生息し、濾過媒体で繁茂して悪臭や蛋白
質を含有する有害物質をもたらす。
【０００８】 パーティクルフィルタの交換による濾過システムの手入れが必要であることは
、濾過システムを長期間使用したいとの要望と益々矛盾する。これは建物内への
給気の濾過、また車両内への給気の濾過におけるフィルタ交換間隔にも係わるこ
とである。濾過材の着実な進歩によりパーティクルおよび気体の濾過特性を長期
間要求通りに保持することはできるが、そのような濾過システムを長期間装着し
ておくことは微生物による汚染の危険のため不可能である。
【０００９】 （発明の開示） したがって、本発明の課題は、バクテリア、酵母菌、および黴などの微生物が
生息するという上記欠点を有しない材料を開発することである。
【００１０】 この課題は、独立請求項の特徴によって解決される。
【００１１】 本発明の本質的利点は、生物破壊作用のある材料が吸着作用のある材料に長期
間作用するように結合されることにある。生物破壊作用物質のゆっくりした不断
の放出により、パーティクル層内の発芽力のある材料が永久に殺され、微生物の
成長が引起されることがない。
【００１２】 本発明の他の形態では、フィルタ吸着層は活性炭、あるいは吸着剤ポリマー、
シリカゲルあるいはゼオライトからなる。勿論フィルタ吸着層は、これらあるい
は適当な吸着剤を組合せて作ることも可能である。生物破壊作用のある付加物の
好ましい混合比率は、フィルタ吸着層面積単位の３乃至３０％、好ましくは１０
％である。これにより、一方では大きい吸着容積が利用でき、他方では悪い環境
条件下においても発芽力のある黴や生息している真菌類を有効に殺すに十分な生
物破壊作用が確保される。生物破壊作用のある付加物としては、ポリマーあるい
は活性炭吸着剤に結合されたヨウ素や３ヨウ化物が適する。
【００１３】 さらに他の形態では、フィルタは、担持層、濾過層、および濾過性のカバー層
からなる組合せフィルタの形に構成される。勿論高い濾過率を得るために、多数
のフィルター層を並べて接続する可能性もある。
【００１４】 本発明のさらに他の実施形態では、濾過材は開放セル状の担持体構造からなる
吸着剤および殺菌剤が埋め込まれあるいは粘着された３次元のフィルタに形成さ
れる。
【００１５】 （発明を実施するための最良の形態） 本発明のこのおよびさらに好ましい形態は、請求項のほかに明細記述から判り
、個々の特徴は、それ自身のみであるいは多くは本発明の実施形態の組合せて他
の分野でも実現でき、有利な、それ自身保護され得る実施形態を具現することが
でき、それらに対してここに保護を要請するものである。
【００１６】 本発明は以下により詳しく説明される。担持体層、濾過層、およびパーティク
ル層からなる組合せ濾過材は、例えばＥＰ８１８２３０に開示されている。これ
は、４４０ｇ／ｍ２の活性炭を含み、耐久試験が行われた。この試験においては
１２ヶ月間一定流量１５０ｍ３／ｈの外気が供給され、外気中のパ−ティクルと
有害ガスが濾過された。パーティクル濾過層に形成された埃層には８５ＫＢＥ／
ｃｍ２（胚芽形成単位／ｃｍ２）の酵母菌が見出された。成長促進環境、２３℃
、相対湿度８０％で４８時間の重ね置きにより４０００ＫＢＥ／ｃｍ２への成長
が観察された。
【００１７】 一方、上記した材料を、２００ｇの活性炭と２０ｇのＷＯ／９４／０６２９６
に記載の間接ポリマーとの混合物を２つの担持層に持ち込んで作製し、パーティ
クルおよびガス濾過性が上記した原料と同等の組合せフィルタとして組み立てた
。そして、１２ヶ月の耐久試験で僅か５ＫＢＥ／ｃｍ２の酵母菌が見出された。
上記した条件での発芽試験では４８時間後に僅か１０ＫＢＥ／ｃｍ２の酵母菌が
もたらされた。
【００１８】 上記の例は、生物破壊作用のある組合せ濾過材は、明らかに発芽力のある黴も
また生きた真菌類も効果的に殺すことを示している。
【００１９】 ３次元の開放セル状発泡体の上に構成された活性炭濾過材は、既に１９９２年
以来供給空気の濾過に使用されている。該吸着フィルタは通常パーティクルフィ
ルタの後に組み込まれる。使用時間はしばしば５年にまで達する。該パーティク
ルフィルタ媒体の最も微小なパーティクルおよび微生物に対する残存透過性に基
づくと、この吸着フィルタエレメントには長期の使用時間に亘って微生物がぶつ
かっている。
【００２０】 上記したようなパーティクルおよび吸着フィルタのフィルタ配置では、１２ヶ
月間の耐久試験で２０ＫＢＥ／ｃｍ２の酵母菌が吸着層の最上部に見出された。
【００２１】 生物破壊性を付与される濾過材を、吸着剤を発泡材基台に結合する前に２０％
のＷＯ９４／０６２９６記載のヨウ素処理ポリマーを活性炭と均一に混合し、該
混合物を発泡材基台に結合して作製した。このようなフィルタは、耐久試験後フ
ィルタ表面の酵母菌は僅か６ＫＢＥ／ｃｍ２であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｌ 9/01 Ａ６１Ｌ 9/01 Ｈ Ｍ 9/16 9/16 Ｂ０１Ｄ 39/16 Ｂ０１Ｄ 39/16 Ｂ // Ｂ６０Ｈ 3/06 ６３１ Ｂ６０Ｈ 3/06 ６３１ Ｆターム(参考） 4C080 AA05 AA07 BB02 BB05 CC01 HH05 JJ04 KK08 LL02 MM01 MM05 MM22 4D019 AA01 BA03 BA06 BA07 BA13 BA16 BB01 BB07 BC05 BC06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 空気を通過する担持体と、フィルタ吸着層と、前記担持体及
    び／或は前記フィルタ吸着層を形成する部材の少なくとも１つに付加される生物
    破壊作用のある付加物からなる気体特に空気フィルタ。
  2. 【請求項２】 前記フィルタ吸着層が活性炭、及び／或は吸着剤ポリマー、
    及び／或はシリカゲル、及び／或はゼオライトからなることを特徴とする請求の
    範囲第１項記載のフィルタ。
  3. 【請求項３】 前記フィルタ吸着層が生物破壊作用のある付加物を粒状材の
    形状で前記フィルタ吸着層の面積単位で３％乃至３０％、好ましくは１０％含む
    ことを特徴とする請求の範囲第１項或は２項に記載のフィルタ。
  4. 【請求項４】前記生物破壊作用のある付加物がヨウ素或は３ヨウ化物を結合
    したポリマーであることを特徴とする前記請求の範囲いずれか１項に記載のフィ
    ルタ。
  5. 【請求項５】担持層、濾過層、および濾過性カバー層を連続して構成した組
    合せ型フィルタである請求の範囲第１項記載のフィルタ。
  6. 【請求項６】濾過材が開放セル型担持体構造の３次元フィルタ形状に形成さ
    れ、吸着剤及び／又は生物破壊剤が埋設及び／又は粘着されていることを特徴と
    する前記請求の範囲いずれか１項に記載のフィルタ。
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