JPH08252304A - 脱臭性活性炭及びその製造方法 - Google Patents
脱臭性活性炭及びその製造方法Info
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- JPH08252304A JPH08252304A JP7056194A JP5619495A JPH08252304A JP H08252304 A JPH08252304 A JP H08252304A JP 7056194 A JP7056194 A JP 7056194A JP 5619495 A JP5619495 A JP 5619495A JP H08252304 A JPH08252304 A JP H08252304A
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Abstract
性炭及びその製造方法を提供することにある。 【構成】 本発明の脱臭性活性炭は、銅触媒の存在下で
炭素化及び賦活された銅担持活性炭を主成分とするもの
であり、該脱臭性活性炭は、活性炭前駆体有機物と銅含
有溶液とを均一に混合処理した後、次いで焼成により炭
素化し、賦活化処理することを特徴として製造すること
ができる。
Description
びその製造方法に関する。
法が知られている。例えば、アンモニア、アミン類、有
機酸などの悪臭成分を水に溶解除去する水洗浄法、酸や
アルカリの水溶液に悪臭成分を反応吸収させる薬液吸収
法、活性炭やイオン交換樹脂などの吸着剤による物理的
あるいは化学的吸着法、650℃以上の温度で燃焼分解
させる直接燃焼法、白金触媒などを用いて約300〜4
00℃で酸化分解させる触媒酸化法、芳香族成分を用い
て悪臭成分を隠蔽させるマスキング法、微生物や酵素製
剤などを用いる生化学的方法などがある。
な物性をもつ活性炭による物理吸着法が最も一般的な方
法である。更に、機能アップを図ることから、金属イオ
ンを添着させた活性炭も脱臭剤として知られている。例
えば、活性炭に過マンガン酸カリウム溶液を吸着させて
生ずる活性二酸化マンガンを添着させた脱臭剤は通常の
活性炭に比べて悪臭ガスに対する吸着能に優れている。
効であるが、アンモニアや硫化水素のような低分子量の
極性ガスに対しては吸着力が弱く、そこで吸着性能を捕
促するために、酸またはアルカリ剤を添着させた脱臭用
活性炭(特開昭52−63882号公報)や、活性炭を銅化合物
溶液に浸漬して銅イオンを担持した脱臭用活性炭(特開
平5−269375号公報)、あるいは活性炭中のCOOH基
にCu2+やAg+を結合させたイオン交換性活性炭(特開
昭54−124892号公報)等も知られている。
炭として繊維状活性炭(ActivatedCarbon Fiber)が工業
化されている。これは直径10〜30μmの繊維状をし
ており、粒状活性炭との大きな相違点はミクロポアが主
体であることで、このことが被吸着分子に対する吸着速
度が早いことに起因する。比表面積は2500m2/g
のものもあり、一般的にも1000〜2000m2/g
の高比表面積を有し、そして、弾性率や強度といった機
械的特性を兼ね備えた細かい繊維状という形態から加工
性に優れ、従来の活性炭と比較し、様々な形態への加工
を可能にしている。しかし、このような高比表面積を有
する繊維状活性炭においても単独では有機系ガス吸着に
は有効であるが、低分子極性ガスであるアンモニアや硫
化水素においては吸着性能が劣る。
無機または有機金属化合物などを添加して、できるだけ
低い熱処理温度で黒鉛化させ、高温度処理と同じ効果を
与えようとする、いわゆる触媒黒鉛化については周知で
あり、例えば大谷氏の論文がある[炭素、1980(N
o.102)118〜131頁]。
て担持した脱臭剤は添着した薬剤が使用により変質し易
い、あるいは比表面積を低下させるために脱臭能が急激
に劣化する傾向があるのみならず添着処理に手間がかか
る欠点がある。最近の半導体工場では高集積度化に伴っ
て環境内クリーン化の汚染防止レベルが高くなり、且つ
長期間の寿命といった、より高度な吸着性能が強く望ま
れている。粒状にしろ、繊維状にしろ、添着タイプの活
性炭は脱臭能の劣化の著しいのは細孔表面まで薬剤が担
持されないか、または担持されたとしても逆に細孔が薬
剤によって塞がれるなどが原因していると思われる。
比較的低温で黒鉛化できる点で優れているものである。
しかし、この方法で得られた黒鉛の脱臭能については検
討されておらず、また、触媒物質と炭素材との関係で脱
臭能につき研究されたものは全くない。
性活性炭及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
実を鑑み、新しい活性炭系の吸着剤の開発につき、鋭意
研究した結果、活性炭前駆体に予め銅化合物を存在させ
て焼成炭化し、賦活処理した活性炭が有機系ガスは勿
論、アンモニア、硫化水素といった低分子極性ガス及び
硫黄酸化物、窒素酸化物、アミン類といった多くの被吸
着分子に対して優れた吸着能を有することを知見し、本
発明を完成するに至った。
性炭は銅触媒の存在下で炭素化及び賦活された銅担持活
性炭を有効成分とすることを構成上の特徴とする。
性炭の製造方法は、活性炭前駆体有機物と銅含有溶液と
を均一に混合処理した後、次いで焼成により炭素化し、
賦活処理することを構成上の特徴とする。
炭ではあるが、従来のような活性炭に銅を添着したもの
とは基本的に異なる。即ち、本発明における銅担持活性
炭は銅触媒の存在下で炭素化及び賦活されたものであ
る。ここで、銅触媒の存在下で、炭素化及び賦活すると
は、後述するように活性炭の前駆体である有機化合物と
銅化合物との混合物を常法により炭素化及び賦活処理を
施したものであって、銅成分は活性炭中で均質に存在し
ているものである。
炭の製造条件や脱臭用途等によって一様ではないけれど
もCuとして0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜2
0重量%の範囲内にある。この理由は、約0.1重量%
未満では脱臭効果の改善が不十分であり、一方、約30
重量%を超えると活性炭の物性、例えば繊維状にあって
は弾性、強度の劣化など好ましくない傾向を示すからで
ある。
により、遷移金属中のMn、Fe、Co、Ni、Zn中
の1種以上を担持させることも可能である。また、本発
明に係る活性炭はそれ自体で抗菌性を有するが、Agを
担持させることによって、より抗菌性を発揮させること
もできる。
自体がもつ比表面積と実質的に変わらず、従来の添着型
活性炭が比表面積の劣化を生ずるのに比して大きな特徴
の1つと言える。比表面積の大きさは、銅化合物の含有
量や種類、炭素前駆体の物性及び活性炭の製造条件によ
って変化依存するから特定されるものではない。
って粉体または成型体のいずれであってもよい。粉体の
粒度は特に限定されるものではなく、また、成型体にあ
っても顆粒状、繊維状、ハニカム体など任意の形態を採
りうる。しかし、経済的な面を除けば繊維状活性炭が最
も好ましいと言える。
例えばアンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、窒素酸化物等の窒素化合物、硫
化水素、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、
メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、硫黄酸化物
等の各種硫黄化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、プロピルアルデヒド等のアルデヒド類、酢酸、酪
酸、吉草酸、イソ吉草酸等の脂肪族炭化水素、インドー
ル、スカトール等のインドール類、フェノール類、エチ
レン類等の不飽和炭化水素、イソプロピルアルコール等
のアルコール類、下水臭、動物臭、その他有機系ガスの
吸着に効果を発揮する。
前駆体有機物と銅含有溶液とを均一に混合処理する原料
調製工程と、得られる原料混合物を焼成炭素化及び賦活
処理する工程より基本的になる。
ではなく、従来より公知の活性炭素材として用いられる
有機物質であれば、いずれも適用することができる。例
えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、
尿素樹脂の如き熱硬化性樹脂、ポリアクリロニトリル、
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニ
ルアルコール、澱粉、セルロース、メチルセルロース、
モミガラ、ヤシガラ、タール成分、石炭、木材チップ、
廃タイヤ等の1種または2種が挙げられる。
分解性の銅含有物質であれば特に限定されるものではな
いが、例えば硝酸銅、塩化銅、酢酸銅等が好ましく、そ
の水溶液またはメタノール、エタノール、アセトン、ベ
ンゼンの如き有機溶媒を用いた溶液状態で使用する。な
お、必要に応じ、Mn、Fe、Co、Ni、Agイオン
を含有する溶液を併用しても差し支えない。これら化合
物としては、硝酸塩、塩化物、硝酸塩等が好ましく、そ
の水溶液または有機溶媒を用いた溶液状態で使用する。
これら原料を所望の容器内にて混合し、均一な原料混合
物を得る。従って、有機物も有機溶媒に溶けるものであ
れば溶液状にして混合することが望ましい。
調合物を常法により炭素化及び賦活処理を施して活性炭
とする。この場合、活性炭素繊維にあっては原料調合物
を紡糸した後、炭素化及び賦活することも好ましい。
く、例えば窒素ガスの如き非酸素ガス気流中で600〜
1000℃の温度下で焼成することにより行われ、本発
明において、特に常法と異なる手段を採る必要はない。
また、賦活化条件についても、特に限定するものではな
く、常法と異なる方法を採る必要はなく、例えば窒素ガ
スをキャリアガスとする水蒸気や炭酸ガスの場合では7
00〜1000℃、酸素ガスの場合では400〜700
℃の温度下で処理することにより行われる。
ような形態で存在するのか、その詳細な機構は明らかで
はないが、活性炭の細孔表面に出現し、活性点となり、
吸着し難いアンモニアや硫化水素といった低分子量極性
ガスの吸着サイトとして機能することにより、優れた吸
着性能を発揮するものと考えられる。
炭が脱臭剤として用いられる分野へすべて用いることが
できるのは当然であるが、特に薄い汚染ガスの除去ある
いは高レベルの汚染ガスの除去に対応できなかった分野
へ効果的に適用することができる。
る有機物を炭素化及び賦活して得られる銅担持活性炭を
有効成分とする。従って、従来のように活性炭に銅化合
物を添着させたものと本質的に異なり、担持された銅成
分は活性炭中に均一に存在していることから、銅成分の
担持により活性炭の細孔が閉塞するようなことはなく、
通常の活性炭と同様の細孔と比表面積を有する。よっ
て、高度な有機系ガスの吸着能力を保持し、且つ活性炭
単独では吸着性能に劣るアンモニアや硫化水素等を始
め、多くの被吸着物質を速い吸着速度で吸着することに
より、低濃度汚染物質においても、長期間優れた脱臭能
力を発揮するものである。
ために実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれらに
限定されるものではないことを理解されたい。 実施例1〜3 ノボラック型フェノール樹脂[群栄化学工業(株)社製
品]100重量部をメタノール400重量部に溶解して
フェノール樹脂のメタノール溶液を得た。一方、酢酸銅
[Cu(CH3COO)2・H2O]のメタノール溶液を調
製し、その所定量を各フェノール樹脂メタノール溶液に
混合し、十分撹拌した。次いで、ロータリーエバポレー
ターによる減圧乾燥によって、メタノールを除去してC
u含有フェノール樹脂を得た。次いで、得られた各Cu
含有フェノール樹脂を常法により遠心紡糸(直径14μ
m)してフェノール樹脂繊維を得た。得られた上記繊維
をホルムアルデヒドに20分間浸漬させた後、昇温速度
0.5℃/分で95℃まで加熱し、8時間保持して硬化
させた。得られた硬化繊維をカーボンクロスに包み、横
型管状炉にて窒素気流中、昇温速度5℃/分で800℃
まで加熱し、30分間保持して焼成し、炭素化した。次
いで、窒素ガスをキャリアガスとして水蒸気に切り替
え、800℃で1.5時間保持して賦活処理し、銅担持
活性炭繊維を得た。
全く同様の操作と条件にて活性炭素繊維を得た。
量%酢酸銅水溶液1400重量部に30分間浸漬した。
次いで、濾過し、乾燥して銅担持活性炭素繊維を得た。
各活性炭素繊維につき、化学分析、BET比表面積を測
定して物性評価した。その結果を表1にて示す。
に各活性炭素繊維の試料1.5gを充填する。次いで、
悪臭試料ガスを大気で希釈して30ppmに調整して下
記の測定条件で通過させた。このときの温度、湿度はそ
れぞれ20℃、50%とほぼ一定になるようにする。そ
の時のカラムの入口、出口のガス濃度を測定し、ガス吸
着率を求める。この結果を図1〜4にて示す。 測定条件 空間速度 25000時間-1 測定ガス 硫化水素、メチルメルカプタン、アン
モニア、トリメチルアミン 測定方法 ガス検知管法 希釈ガス 大気 ガス濃度 約30ppm カラム 直径25mm、長さ300mm 試料充填層高 49mm 温度 18.9〜20.5℃ 湿度 46.9〜50.8% ガス流量 10リットル/分 面風速 0.34m/秒
着型薬剤担持活性炭に比べて、細孔容積の閉塞などがな
く、高比表面積を維持したものである。よって、高度な
有機系ガスの吸着能力を保持し、担持したCu成分と相
俟って活性炭単独では吸着能力の劣る悪臭ガスに対して
も脱臭能が著しく、しかも、多くの被吸着物質を速い吸
着速度で吸着することにより、低汚染物質においても、
長期間優れた吸着性能を維持するものである。また、本
発明に係る製造方法によれば、かかる脱臭性活性炭を工
業的に有利に得ることができる。
性炭素繊維の硫化水素除去試験の結果を示す図である。
性炭素繊維のメチルメルカプタン除去試験の結果を示す
図である。
性炭素繊維のアンモニア除去試験の結果を示す図であ
る。
性炭素繊維のトリメチルアミン除去試験の結果を示す図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 銅触媒の存在下で炭素化及び賦活された
銅担持活性炭を主成分とする脱臭性活性炭。 - 【請求項2】 銅担持活性炭は繊維状である請求項1記
載の脱臭性活性炭。 - 【請求項3】 銅担持活性炭は全重量当たりCuとして
0.1〜30重量%の銅成分の含有量を有するものであ
る請求項1または2記載の脱臭性活性炭。 - 【請求項4】 活性炭前駆体有機物と銅含有溶液とを均
一に混合処理した後、次いで焼成により炭素化し、賦活
化処理することを特徴とする脱臭性活性炭の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7056194A JPH08252304A (ja) | 1995-03-15 | 1995-03-15 | 脱臭性活性炭及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7056194A JPH08252304A (ja) | 1995-03-15 | 1995-03-15 | 脱臭性活性炭及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08252304A true JPH08252304A (ja) | 1996-10-01 |
Family
ID=13020311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7056194A Pending JPH08252304A (ja) | 1995-03-15 | 1995-03-15 | 脱臭性活性炭及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08252304A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003154027A (ja) * | 2001-11-22 | 2003-05-27 | Shigematsu Works Co Ltd | メタノール用吸収剤及び前記吸収剤を使用するメタノール含有空気からのメタノール除去方法 |
JP2009213992A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Hiroshima Univ | 脱臭剤及び脱臭剤の製造方法 |
KR20170027636A (ko) | 2015-09-02 | 2017-03-10 | 고영신 | 내발화성이 향상된 제올라이트/활성탄의 성형 복합흡착제용 조성물을 펠렛화하는 펠렛제조장치 |
JP2017148265A (ja) * | 2016-02-25 | 2017-08-31 | 東洋紡株式会社 | ガス除去素子およびそれを用いた悪臭除去装置 |
CN115845797A (zh) * | 2022-10-31 | 2023-03-28 | 中国船舶重工集团公司第七一八研究所 | 一种气体吸附剂及其制备方法和应用 |
-
1995
- 1995-03-15 JP JP7056194A patent/JPH08252304A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003154027A (ja) * | 2001-11-22 | 2003-05-27 | Shigematsu Works Co Ltd | メタノール用吸収剤及び前記吸収剤を使用するメタノール含有空気からのメタノール除去方法 |
JP2009213992A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Hiroshima Univ | 脱臭剤及び脱臭剤の製造方法 |
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CN115845797A (zh) * | 2022-10-31 | 2023-03-28 | 中国船舶重工集团公司第七一八研究所 | 一种气体吸附剂及其制备方法和应用 |
CN115845797B (zh) * | 2022-10-31 | 2024-04-09 | 中国船舶重工集团公司第七一八研究所 | 一种气体吸附剂及其制备方法和应用 |
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