JPH10236813A - アルカリ性ガス吸着用活性炭 - Google Patents

アルカリ性ガス吸着用活性炭

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JPH10236813A
JPH10236813A JP9041061A JP4106197A JPH10236813A JP H10236813 A JPH10236813 A JP H10236813A JP 9041061 A JP9041061 A JP 9041061A JP 4106197 A JP4106197 A JP 4106197A JP H10236813 A JPH10236813 A JP H10236813A
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alkaline gas
phosphorus
organic
phosphoric acid
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JP9041061A
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Ryohei Imamura
良平 今村
Muneo Mita
宗雄 三田
Asao Otani
朝男 大谷
Toshi Iizuka
登志 飯塚
Masanao Satou
真尚 佐藤
Satoru Yoshida
覚 吉田
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種アルカリ性ガスに対しても、速い吸着速
度で優れた脱臭能力を発揮する吸着剤を提供する。 【解決手段】 リン成分の存在下で有機化合物を炭素化
および賦活させたリン酸担持活性炭を主成分とすること
を特徴とするアルカリ性ガス吸着用活性炭。この吸着用
活性炭は、有機リン化合物とこれと反応性の有機化合物
とを反応させてリン成分含有活性炭前駆体有機物を調製
し、次いでこれを焼成して炭素化および賦活化処理する
ことにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニア、アミ
ン類、苛性ソーダ、苛性カリ等のアルカリ性ガスの吸着
除去に有用なアルカリ性ガス吸着用活性炭およびその製
造方法、更に詳しくは、リン酸を担持した新規なアルカ
リ性ガス吸着用活性炭およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、悪臭ガスの吸着除去方法として
は、種々の方法が知られている。例えば、アンモニア、
アミン類、有機酸などの悪臭成分を水に溶解除去する水
洗浄法、酸やアルカリの水溶液に悪臭成分を反応吸収さ
せる薬液吸収法、活性炭やイオン交換樹脂などの吸着剤
による物理的あるいは化学的吸着法、650℃以上の温
度で燃焼分解させる直接燃焼法、白金触媒などを用いて
約300〜400℃で酸化分解させる触媒酸化法、芳香
性成分を用いて悪臭成分を隠蔽させるマスキング法、微
生物や酵素製剤などを用いる生化学的方法などがある。
これらの中で化学的並びに物理的に多機能な物性を持つ
活性炭による物理吸着法が最も一般的な方法である。し
かしながら、活性炭は多くの有機物の吸着には有効であ
るが、アンモニア、アミン類等のアルカリ性ガス、塩
酸、フッ酸、硝酸、酢酸、リン酸、硫酸等の酸性ガスに
対して吸着能力が低く、容易に吸着飽和に達する。その
ため、機能アップを図るため、金属イオンを添着させた
活性炭も吸着剤として知られている。
【0003】現在、活性炭を用いたアンモニア、アミン
類等のアルカリ性ガスの脱臭法は、ある種の酸性薬剤を
添着させた脱臭用活性炭(特開昭52−63882号公
報)、Cr、Fe、Co、Mn等の硫酸塩およびCr、
Mn等のハロゲン化物若しくはホウ素の酸素化合物を組
み合わせて、活性炭表面に添着させた活性炭(特開昭5
2−70995号公報)、両性金属塩類を添着させた活
性炭(特開昭52−74589号公報)、リン酸アルミ
ニウムを添着させた活性炭(特開昭52−136895
号公報)、活性炭を銅化合物溶液に浸漬して銅イオンを
担持した脱臭用活性炭(特開平5−269375号公
報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の酸性薬剤を活性炭に添着させたものは、吸着性能が急
激に劣化する傾向があり、これは添着タイプの活性炭
は、細孔表面まで薬剤が担持されないか、担持されたと
しても細孔が薬剤により塞がれるなどが原因と思われ
る。さらにまた、添着タイプの活性炭を製造するには、
添着処理に手間がかかる等の問題がある。現在、粒状活
性炭、粉末活性炭に次ぐ活性炭として繊維状活性炭(Ac
tivatedCarbon Fiber)が工業化されている。これは直
径10〜30μmの繊維状をしており、粒状活性炭との
大きな相違点は、構造上ミクロポアが主体であるという
ことで、このことが被吸着分子に対する吸着速度が速い
という効果をもたらす。比表面積は2500m2/g以
上の物もあるが、一般的には1000〜2000m2
gの高比表面積を有し、そして、弾性率や強度といった
機械的特性を兼ね備えた細い繊維状という形態から加工
性に優れ、従来の活性炭と比較し、様々な形態への加工
を可能にしている。近年、半導体工場では、高集積度化
に伴って、環境内クリーン化の汚染防止の要求レベルが
高くなり、またアンモニアガスはコンクリートから発生
して、博物館や美術館等においては、その文化財を変色
させる等の原因となることから、吸着能だけでなく、吸
着剤の長寿命化といった、より高性能な吸着能を有する
ものが望まれている。
【0005】本発明者らは前記課題に鑑み、高性能な吸
着能を有するアルカリ性ガス吸着用活性炭について鋭意
研究を重ねた結果、反応性有機化合物と有機リン化合物
とを反応させ、分子レベルで反応生成物中にリン成分を
均一に担持して、次いで炭素化および賦活処理を行って
得られる活性炭が、アルカリ性ガスの吸着に優れた性能
を発揮することを知見し、本発明を完成させた。即ち、
本発明はアルカリ性ガスに対して吸着能がすぐれ、かつ
長寿命を有する新規なアルカリガス吸着用活性炭および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、リン
成分の存在下で有機化合物を炭素化および賦活させたリ
ン酸担持活性炭を主成分とすることを特徴とするアルカ
リ性ガス吸着用活性炭を提供するものである。さらにま
た本発明は、有機リン化合物とこれと反応性の有機化合
物とを反応させてリン成分含有活性炭前駆体有機物を調
製し、次いでこれを焼成することにより炭素化および賦
活化処理することを特徴とする、アルカリ性ガス吸着用
活性炭の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係るアルカリ性ガス吸着
用活性炭は、リン酸担持活性炭ではあるが、従来のよう
な活性炭に酸性薬剤を添着したものとは基本的に異な
る。すなわち、本発明におけるリン酸担持活性炭はリン
成分の存在下で炭素化および賦活されたものである。こ
こで、リン成分の存在下で、炭素化および賦活すると
は、後述するように反応性有機化合物と有機リン化合物
を反応させ、次いで、常法により炭素化および賦活処理
を施したものであって、リン酸成分は活性炭中に均質に
存在しているものである。換言すれば、本発明の活性炭
は、活性炭の炭素成分とリン酸が均質に物理的または化
学的に結合した状態で存在しているものである。リン酸
成分の活性炭中の含有量は、活性炭の製造条件や吸着用
途等によって一様ではないけれどもリン金属として1〜
30重量%、好ましくは5〜25重量%の範囲にある。
この理由は、1重量%より少なければ吸着効果の改善が
不十分であり、一方、30重量%を越えては活性炭の物
性、例えば、繊維状にあっては弾性、強度の劣化など好
ましくない傾向を示すからである。
【0008】なお、本発明において、リン成分のほかに
所望により、遷移金属中のCu、Mn、Fe、Co、N
i、Zn中の一種以上を担持させることも可能である。
また、本発明に係る活性炭はそれ自体で抗菌性を有する
がAgを担持することによって、より抗菌性も併せて発
揮させることが出来る。本発明に係るアルカリ性ガス吸
着用活性炭は、使用目的によって、粉体、または成形体
のいずれであってもよい。粉体の粒度は特に限定するも
のではなく、また、成形体にあっても顆粒状、繊維状、
ハニカム体など任意の形態を採りうる。しかし、経済的
な面を除けば繊維状活性炭が最も好ましいと言える。
【0009】本発明のアルカリ性ガス吸着用活性炭は、
被吸着分子として、アンモニア、アミン類、苛性ソ−
ダ、苛性カリ等のアルカリ性ガス等を対象とした場合に
優れた効果を発揮する。更に、Cu、Mn等を併用担持
することにより、例えば、硫化水素、ジメチルスルフィ
ド、ジメチルジスルフィド、メチルメルカプタン、エチ
ルメルカプタンおよび硫黄酸化物等の各種硫黄化合物、
更にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオア
ルデヒド等のアルデヒド類、酢酸、酪酸、吉草酸、イソ
吉草酸等の脂肪族炭化水素、インド−ル、スカト−ル等
のインド−ル類、フェノ−ル類、エチレン類の不飽和炭
化水素、イソプロピリアルコ−ル等のアルコ−ル類、下
水臭、動物臭、その他有機系ガスの吸着に効果が認めら
れる。
【0010】かかるアルカリ性ガス用活性炭の製造方法
は、(1)反応性有機化合物と有機リン化合物とを反応
させてリン成分含有活性炭前駆体有機物を得る前駆体調
製工程と、(2)得られた前駆体有機物を焼成して、炭
素化および賦活処理する焼成工程より基本的に成る。
【0011】(1)前駆体調製工程 前駆体調製工程は、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂の如き熱硬化性樹脂、ポリ
アクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ
ビニルアルコール、澱粉、セルロース、メチルセルロー
ス等の通常活性炭前駆体となりうる有機高分子の製造原
料となる反応性有機化合物と有機リン化合物とを反応さ
せて、化学的にリン成分を上記の樹脂中に均質に存在さ
せることが重要な要件となる。反応性有機化合物として
は、上記の有機高分子の製造原料となるものであれば特
に限定はないが、例えばフェノール、クレゾール、キシ
レノール、ビスフェノールA、p−tert−ブチルフ
ェノール、ノニルフェノール、アミルフェノール、エチ
ルフェノール、フェニルフェノール、p−tert−ア
ミノフェノール、レゾルシノール、フェノールノボラッ
ク、クレゾールノボラック、レゾール、アルキルベンゼ
ン樹脂変性フェノール樹脂のフェノール樹脂初期縮合物
等のフェノール類、エチレン、プロピレン、ブテン等の
アルキン、メタクリル酸およびその誘導体、アクリル酸
およびその誘導体、スチレンおよびその誘導体、メラニ
ンおよびその誘導体、酢酸ビニル、尿素およびその誘導
体、ヘキサメチレンジアミン、ε−カプロラクタム、ヘ
キサメチレンジアミン、11−アミノウデカン酸、ω−
ラウロラクタム等が挙げられ、この中でも、フェノール
類が好適に用いられる。
【0012】次に、有機リン化合物としては、上記反応
性有機化合物と反応しうる有機リン化合物であれば特に
限定するものではない。具体的には、テトラキス(ヒド
ロキシメチル)ホスホニウムクロライド(THPC)、
テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェ
ート(THPS)、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフ
ィンオキサイド(THPO)、トリス(ヒドロキシメチ
ル)ホスフィン、モノベンジルビス(ヒドロキシメチ
ル)ホスフィン、モノメチルビス(ヒドロキシメチル)
ホスフィン、ジベンジル(モノヒドロキシメチル)ホス
フィンおよびその誘導体のヒドロキシメチルホスフィン
オキサイド等が好適に用いられる。
【0013】これら原料を所望の容器内にて重合し、リ
ン成分含有活性炭前駆体有機物を調製する。反応条件は
用いる原料系により一様ではないけれども、例えばフェ
ノール類とヒドロキシメチルホスフィンオキサイドとの
反応は、特公昭46−5476号公報および特公昭51
−40111号公報の方法に従えばよい。なお必要に応
じ、Cu、Mn、Fe、Co、Ni、Ag化合物とを併
用し重合するかまたは溶液として混合しても差し支えな
い。これら化合物としては、有機系化合物、硝酸塩、塩
化物、酢酸塩等が好ましく、その水溶液、または、有機
溶媒を用いた溶液状態で使用する。
【0014】(2)焼成工程 次いで、上記で調製したリン成分含有活性炭前駆体有機
物を、常法により炭素化および賦活処理して活性炭とす
る。なお、活性炭素繊維にあっては原料調合物を紡糸し
た後、炭素化および賦活することも好ましい。炭素化条
件は、特に限定するものではなく、例えば窒素ガスの如
き非酸素ガス気流中で600〜1000℃の温度下で焼
成することにより行われ、本発明において、特に常法と
異なる手段をとる必要はない。また、賦活化条件につい
ても、特に限定するものではなく常法と異なる方法を取
る必要はなく、例えば、窒素ガスをキャリアガスとする
水蒸気や炭酸ガスの場合では700〜1000℃、酸素
ガスの場合では200〜700℃の温度化で処理するこ
とにより行われる。好ましくは、水蒸気および大気の混
合ガスを用いて、200℃〜600℃の範囲が適当であ
る。また、その後、冷却中も水蒸気を供給しても差し支
えない。
【0015】本発明に係るアルカリ性ガス吸着用活性炭
は、従来の活性炭が吸着剤として用いられる分野へすべ
て用いることができるのは当然であるが、特に薄い汚染
ガスの除去、あるいは高レベルの汚染ガスの除去に対応
できなかった分野へ効果的に適用することができる。
【0016】
【作用】本発明に係るアルカリ性ガス吸着用活性炭は活
性炭前駆体となりうる反応性有機化合物と有機リン化合
物を重合し、炭素化および賦活して得られるリン酸担持
活性炭を有効成分とする。かかるアルカリ性ガス吸着用
活性炭の製造方法は、反応性有機化合物と有機リン化合
物とを反応させる原料調製工程と、得られる原料混合物
を焼成炭素化および賦活処理する工程より基本的に成る
ものである。この賦活化工程により担持されたリンが、
どのような形態で存在するのか、その詳細な機構は明ら
かではないが、おそらくは赤燐の状態で炭素構造中に存
在しているものと考えられる。それが、賦活により酸素
および水蒸気と瞬間的に反応し初期状態では縮合リン酸
として活性炭の細孔表面に担持されるものと考える。さ
らに、水蒸気を加えることによりオルトリン酸へと加水
分解が進行する。従って、従来のように活性炭にリン化
合物を添着させたものと本質的に異なる。また、活性炭
単独では吸着性能の劣るアンモニア、アミン類、苛性ソ
−ダ、苛性カリ等のアルカリガスを速い吸着速度で吸着
することにより、低濃度汚染物質においても、長期間優
れた脱臭能力を発揮するものである。
【0017】
【実施例】以下、本発明につき、更に具体的に説明する
ために実施例および比較例を挙げるが、これに限定され
るものではない。 実施例1 還流冷却器、温度計、撹拌機をつけた1000mlの三
口セパラブルフラスコに蒸留したフェノ−ル100g、
37%ホルムアルデヒド水溶液47g、80%テトラキ
ス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライド(TH
PC)水溶液50g、触媒として35%濃塩酸0.1m
lを加えた。次いで混合物を撹拌しながら湯浴中で加熱
し、反応混合物の温度が85℃に達したら、60分間撹
拌・加熱を継続して反応を行った。反応終了後、放冷
し、さらに、170℃に設定したホットプレ−ト上で水
や未反応物質などの揮発分を除去して、次いで80℃で
2日間減圧乾燥を行った。得られた上記リン含有フェノ
−ル樹脂原料を、遠心紡糸法にて繊維化し、ホルマリン
を主成分とした硬化液を用いて、硬化繊維を得た。更に
横型管状炉に硬化繊維を1g入れ、窒素気流中、昇温速
度5℃/分で800℃まで昇温し炭素化を行た。次いで
600℃まで温度を下げ、温度一定の状態で60分間大
気および水蒸気の混合ガスで賦活を行い、リン酸担持活
性炭素繊維を得た。
【0018】実施例2 還流冷却器、温度計、撹拌機をつけた1000mlの三
口セパラブルフラスコに蒸留したフェノ−ル100g、
37%ホルムアルデヒド水溶液47g、80%テトラキ
ス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェート(T
HPS)水溶液53g、触媒として35%濃塩酸0.1
mlを加えた。次いで混合物を撹拌しながら湯浴中で加
熱し、反応混合物の温度が85℃に達したら、60分間
撹拌・加熱を継続して反応を行った。反応終了後、放冷
し、さらに、170℃に設定したホットプレ−ト上で水
や未反応物質などの揮発分を除去して、次いで80℃で
2日間減圧乾燥を行った。得られた上記リン含有フェノ
−ル樹脂原料を、遠心紡糸法にて繊維化し、ホルマリン
を主成分とした硬化液を用いて、硬化繊維を得た。更に
横型管状炉に硬化繊維を1g入れ、窒素気流中、昇温速
度5℃/分で800℃まで昇温し炭素化を行った。次い
で600℃まで温度を下げ、温度一定の状態で60分間
大気および水蒸気の混合ガスで賦活を行い、リン酸担持
活性炭素繊維を得た。
【0019】実施例3 還流冷却器、温度計、撹拌機をつけた1000mlの三
口セパラブルフラスコに蒸留したフェノ−ル100g、
37%ホルムアルデヒド水溶液47g、80%ヒドロキ
シメチルホスフィンオキサイド水溶液37g、触媒とし
て35%濃塩酸0.1mlを加えた。次いで混合物を撹
拌しながら湯浴中で加熱し、反応混合物の温度が85℃
に達したら、60分間撹拌・加熱を継続して反応を行っ
た。反応後、フラスコ中の反応物を蒸発皿に移し、放冷
し、さらに、170℃に設定したホットプレ−ト上で水
や未反応物質などの揮発分を除去して、次いで80℃で
2日間減圧乾燥を行った。得られた上記リン含有フェノ
−ル樹脂原料を、遠心紡糸法にて繊維化し、ホルマリン
を主成分とした硬化液を用いて、硬化繊維を得た。更に
横型管状炉に硬化繊維を1g入れ、窒素気流中、昇温速
度5℃/分で800℃まで昇温し炭素化を行った。その
後、600℃まで温度を下げ、温度一定の状態で60分
間大気および水蒸気の混合ガスで賦活を行い、リン酸担
持活性炭素繊維を得た。
【0020】比較例1 還流冷却器、温度計、撹拌機をつけた1000mlの三
口セパラブルフラスコに蒸留したフェノ−ル100g、
37%ホルムアルデヒド水溶液74g、触媒として35
%濃塩酸0.1mlを加えた。次いで混合物を撹拌しな
がら湯浴中で加熱し、反応混合物の温度が85℃に達し
たら、60分間撹拌・加熱を継続して反応を行った。反
応終了後、放冷し、さらに、170℃に設定したホット
プレ−ト上で水や未反応物質などの揮発分を除去した。
次いで80℃で2日間減圧乾燥を行った。得られた上記
リン含有フェノ−ル樹脂原料を、遠心紡糸法にて繊維化
し、ホルマリンを主成分とした硬化液を用いて硬化繊維
を得た。次いで横型管状炉に硬化繊維を1g入れ、窒素
気流中、昇温速度5℃/分で800℃まで昇温し炭素化
を行た。次いで800℃で60分間水蒸気で賦活を行
い、活性炭素繊維を得た。
【0021】比較例2 30%リン酸水溶液1400mlに、比表面積1000
2/gの活性炭素繊維の原綿を30分間含浸させた。
次いでリン酸を含浸した活性炭素繊維を取り出し、遠心
分離にて余分のリン酸を除去した。次いで120℃に設
定した通風乾燥機で6時間乾燥してリン酸添着活性炭素
繊維を得た。
【0022】<物性評価>実施例および比較例で得られ
た各活性炭素繊維につき、化学分析、BET比表面積を
測定して物性評価した。その結果を表−1にて示す。
【0023】
【表1】
【0024】<脱臭試験>試験カラム(直径25mm
φ)に各活性炭素繊維の試料1.0g充填し、次いで約
5000ppmのアンモニア標準ガスを大気で希釈して
30ppmに調整して下記の測定条件で通過させた。こ
のときの温度、湿度はそれぞれ25℃、50%とほぼ一
定になるようにする。その時のカラムの入口、出口のガ
ス濃度を測定し、ガス吸着率を求めた。この結果を図1
に示した。
【0025】測定条件 空間速度 20000hr-1 測定ガス アンモニア標準ガス 測定方法 ガス検知管法 希釈ガス 大気 ガス濃度 約30ppm カラム 直径25mm、長さ300mm 試料充填層高 30mm ガス流量 10リットル/分
【0026】図1の結果から判るように、リン成分を含
有しない比較例1の試料ではアンモニアガスの初期除去
率も低く、またその持続性もほとんど無い。また、リン
成分を添着した比較例2の試料では、初期の除去率は一
応高いが、持続性に劣る。これに対して、本発明の実施
例1、2および3の試料は、初期除去率および除去能力
の持続性においても最も優れていることが判る。
【0027】
【発明の効果】本発明に係るアルカリ性ガス吸着用活性
炭は、担持したリン酸成分と相まって、活性炭単独では
吸着能力の劣る各種アルカリ性ガスに対しても、速い吸
着速度で優れた脱臭能力を発揮し、しかも低濃度の汚染
物質においても、長期間優れた吸着性能を維持するもの
である。また、本発明に係る製造方法によれば、かかる
脱臭性活性炭を工業的に有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2、3および比較例1、2で得られ
た活性炭試料のアンモニアガス脱臭試験の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 朝男 群馬県桐生市天神1丁目5番1号 (72)発明者 飯塚 登志 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化学 工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 真尚 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化学 工業株式会社内 (72)発明者 吉田 覚 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化学 工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン成分の存在下で有機化合物を炭素化
    および賦活させたリン酸担持活性炭を主成分とする、ア
    ルカリ性ガス吸着用活性炭。
  2. 【請求項2】 リン酸担持活性炭は繊維状である請求項
    1に記載のアルカリ性ガス吸着用活性炭。
  3. 【請求項3】 リン酸担持活性炭中のリン成分は、リン
    金属として1〜30重量%である請求項1または2に記
    載のアルカリ性ガス吸着用活性炭。
  4. 【請求項4】 有機リン化合物とこれと反応性の有機化
    合物とを反応させてリン成分含有活性炭前駆体有機物を
    調製し、次いでこれを焼成することにより炭素化および
    賦活化処理することを特徴とする、アルカリ性ガス吸着
    用活性炭の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応性の有機化合物がフェノール類であ
    る請求項4に記載のアルカリ性ガス用活性炭の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 有機リン化合物がヒドロキシメチルホス
    フィンオキサイドである請求項4または5に記載のアル
    カリ性ガス吸着用活性炭の製造方法。
JP9041061A 1997-02-25 1997-02-25 アルカリ性ガス吸着用活性炭 Pending JPH10236813A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004002070A (ja) * 2002-05-30 2004-01-08 Kajima Corp 清浄空間用モルタルまたはコンクリート系材料
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