JPH11157821A - 活性炭およびその製造方法 - Google Patents

活性炭およびその製造方法

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JPH11157821A
JPH11157821A JP9332920A JP33292097A JPH11157821A JP H11157821 A JPH11157821 A JP H11157821A JP 9332920 A JP9332920 A JP 9332920A JP 33292097 A JP33292097 A JP 33292097A JP H11157821 A JPH11157821 A JP H11157821A
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activated carbon
phosphorus
organic
compound
surface area
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JP9332920A
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Ryohei Imamura
良平 今村
Muneo Mita
宗雄 三田
Keitaro Matsui
啓太郎 松井
Asao Otani
朝男 大谷
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
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  • Inorganic Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の用途だけではなく、液相、気相におけ
る比較的高分子量の被吸着成分の除去に効果的に適用す
ることができる活性炭、および極めて工業的に有利な方
法で、高比表面積でかつ著しくメソポアが発達した活性
炭を得ることのできる製造方法の提供。 【解決手段】 BET比表面積が1000m2/g以上
で、かつメソポアの細孔容積が80mm3/g以上であ
る活性炭、および有機リン化合物とこれと反応性の有機
化合物とを反応させてリン成分含有活性炭前駆体有機物
を調製し、続いてこれを焼成し炭素化して炭化材を得、
次いで、前記炭化材を700℃以上の温度で水蒸気によ
り賦活処理し、前記炭化材の反応消耗率を30重量%以
上、かつ残存リン成分の量が、リンとして、1.0重量
%以下にする活性炭の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸着剤や触媒等に
有用な高比表面積でメソポアを有する活性炭およびその
製造方法、さらに詳しくは、BET比表面積が1000
2/g以上で、かつメソポアの細孔容積が80mm3
g以上である活性炭およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性炭は、多孔質構造の発達した炭素材
料であり、従来より吸着剤あるいは触媒担体として化学
工業、食品工業、水処理等の分野で幅広く用いられてき
た。従来、活性炭は、堅木や軟木、トウモロコシの穂
軸、コーヒ豆、稲の籾、果実の種等の植物、バガス、リ
グニン等の残滓、泥炭、亜炭、軟炭、無煙炭、タール、
ピッチ、アスファルト、石油残留物、カーボンブラック
等の原料を、賦活して製造されている。
【0003】賦活の方法は、ガス賦活法と薬品賦活法に
大別される。ガス賦活法は、炭化された原料を高温で水
蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触さ
せて、賦活処理する方法である。一方、薬品賦活法は、
原料に、例えば塩化亜鉛、リン酸、塩化カルシウム、硫
化カリウム等の賦活薬品を均等に含浸させて、不活性ガ
ス雰囲気中で加熱焼成し、薬品の脱水および酸化反応に
より、賦活処理する方法、炭素質材料に対して金属とし
て0.001〜1重量%の金属の単体、酸化物、硫化物
またはその塩の1種または2種以上を添加して、炭素化
および賦活処理する方法(特開昭54−78395号公
報)、アスファルトにアルカリ金属塩を1種または2種
以上混合し、反応温度430〜650℃においてコーキ
ングを行い、次いで賦活処理を行う方法(特公昭50−
26515号公報)等が提案されている。
【0004】活性炭の細孔特性は、そのサイズによりサ
ブミクロンポア(<8Å)、ミクロポア(8−20
Å)、メソポア(20−500Å)、マクロポア(>5
00Å)に分類されるが、これまでのほとんどの繊維状
活性炭は、ミクロポアが発達したものである。
【0005】現在、粒状活性炭、粉末活性炭に次ぐ活性
炭として繊維状活性炭(ActivatedCarbon Fiber)が工
業化されている。これは直径10〜30μmの繊維状を
しており、粒状活性炭との大きな相違点はミクロポアが
主体であることで、このことが被吸着分子に対する吸着
速度が速いことに起因する。比表面積は2500m2
gの物もあるが一般的には1000〜2000m2/g
の高比表面積を有し、そして、弾性率や強度といった機
械的特性を兼ね備えた細い繊維状という形態から加工性
に優れ、従来の活性炭と比較し、様々な形態への加工を
可能にしている。
【0006】近時、用途の拡大多様化に伴い吸着分離ま
たは除去の対象となる物質も増え、活性炭素繊維に求め
られる細孔や表面官能基など表面の構造や特性を自在に
制御する技術の開発が望まれている。とくに液相系吸着
においてメソポアは重要な役割を演じるため、メソポア
を有する繊維状の多孔性炭素を調製するプロセスが求め
られている。例えば、いくつかの金属種の賦活触媒を予
め炭素原料繊維に添加する方法(平野亜希子、大谷朝
男、第8回カーボンアロイ研究会要旨集、15〜18
p、1996年、小島重行、安田源、山田能生、第23
回炭素材料学会年回予稿集、A15、32−33p)等
が提案されている。
【0007】しかしながら、上記の金属種の賦活触媒を
添加する方法では、調製された活性炭素繊維中には触媒
金属が残存しており、液相吸着においてこれらの溶出が
問題となる。このため、賦活触媒を用いずメソポアを形
成する方法、もしくは賦活後に繊維中から除去が容易で
あるような触媒系を用いる方法によるメソポアの形成が
望ましい。前者の方法としては、例えば熱分解特性の異
なるポリマーを組み合わせるポリマーブレンド法(J.
Ozaki、E.Endo、A.Oya、Carbo
n、35、1031−1033(1997)、特開平9
−13232号公報)等が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の用途だけではなく、液相、気相における比較的高分子
量の被吸着成分の除去に効果的に適用することができ
る、高比表面積でかつ著しくメソポアの発達した活性炭
および前記活性炭を極めて工業的に有利な方法で得るこ
とのできる製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先にリン
成分の存在下で有機化合物を炭素化および賦活させた新
規なリン酸担持活性炭を提案した(特願平9−4106
1号)。これは、有機リン化合物とこれと反応性の有機
化合物とを反応させて、リン成分含有活性炭前駆体有機
物を調製し、次いでこれを焼成して炭素化および賦活処
理を行って得られるものである。本発明者らは、先の発
明において、さらにリン成分の賦活触媒としての優れた
機能に着目し、リン成分含有活性炭前駆体有機物を、特
定条件下、水蒸気により賦活処理することにより、高比
表面積でかつ著しくメソポアの発達した活性炭が得られ
ることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、リン成分を含有する有
機化合物を炭素化および賦活処理して得られる活性炭で
あって、BET比表面積が1000m2/g以上で、か
つメソポアの細孔容積が80mm3/g以上であること
を特徴とする活性炭を提供するものである。
【0011】また本発明は、活性炭は繊維状である前記
の活性炭を提供するものである。
【0012】さらに本発明は、有機リン化合物とこれと
反応性の有機化合物とを反応させてリン成分含有活性炭
前駆体有機物を調製し、続いてこれを焼成し炭素化して
炭化材を得、次いで、前記炭化材を700℃以上の温度
で水蒸気により賦活処理し、前記炭化材の反応消耗率を
30重量%以上、かつ残存リン成分の量が、リンとし
て、1.0重量%以下にすることを特徴とする活性炭の
製造方法を提供するものである。
【0013】さらにまた本発明は、反応性の有機化合物
がフェノール類である前記の活性炭の製造方法を提供す
るものである。
【0014】また本発明は、有機リン化合物がテトラキ
ス(ヒドロキシメチル)基を有する化合物である前記の
活性炭の製造方法を提供するものである。
【0015】さらに本発明は、テトラキス(ヒドロキシ
メチル)基を有する化合物がテトラキス(ヒドロキシメ
チル)ホスホニウムサルフェートである前記の活性炭の
製造方法を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る活性炭は、リン成分
を含有する有機化合物を炭素化および賦活処理して得ら
れるものであって、BET比表面積が1000m2/g
以上で、かつメソポアの細孔容積が80mm3/g以上
である。活性炭の上記特性のうち、BET比表面積は、
1000m2/g以上、好ましくは1200m2/g以上
のものがよく、メソポアの細孔容積は、80mm3/g
以上、好ましくは100mm3/g以上のものがよい。
本発明の活性炭のメソポアは、全細孔容積中5%以上を
占めると言うこともできる。なお、メソポアの細孔径
は、20〜100Å、好ましくは20〜60Åである。
【0017】本発明において、メソポアの細孔容積と
は、調製試料を350℃で2時間の真空加熱による前処
理後、液体窒素温度で相対圧を変化させ平衡吸着量を測
定した窒素吸着等温線から活性炭試料の窒素ガスの吸着
量および脱着量を求め、Dollimore−Heal
法(DH法)により求められるものである。
【0018】なお本発明において、所望により、遷移金
属中のCu、Mn、Fe、Co、Ni、Zn中の一種以
上を担持させることも可能である。また、本発明に係る
活性炭はAgを担持することによって、抗菌性も併せて
発揮させることができる。
【0019】本発明に係る活性炭は、使用目的によっ
て、粉体、または成型体のいずれであってもよい。粉体
の粒度は特に限定するものではなく、また、成型体にあ
っても顆粒状、繊維状、ハニカム体など任意の形態を採
りうる しかし、経済的な面を除けば繊維状活性炭が最
も好ましいと言える。
【0020】本発明に係る活性炭の製造方法は、その一
実施態様によれば、有機リン化合物と、これと反応性の
有機化合物、例えば不飽和有機化合物とを重合反応させ
(原料調製工程)、得られたリン成分含有活性炭前駆体
有機物を焼成し炭素化し、続いて賦活処理する(賦活処
理工程)ことから基本的になる。本発明に係る製造方法
は、賦活条件がとくに重要となる。
【0021】原料調製工程は、例えばフェノール樹脂、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂の如き熱硬化性
樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリア
ミド、ポリビニルアルコール、澱粉、セルロース、メチ
ルセルロース等の通常活性炭前駆体となりうる有機高分
子の製造原料となる不飽和有機化合物と有機リン化合物
とを重合反応させて、化学的にリン成分を上記の樹脂中
に均質に存在させることが重要な要件となる。
【0022】不飽和有機化合物としては、上記の有機高
分子の製造原料となるものであればとくに制限されない
が、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ビ
スフェノールA、p−tert−ブチルフェノール、ノ
ニルフェノール、アミルフェノール、エチルフェノー
ル、フェニルフェノール、p−tert−アミノフェノ
ール、レゾルシノール、フェノールノボラック、クレゾ
ールノボラック、レゾール、アルキルベンゼン樹脂変性
フェノール樹脂のフェノール樹脂初期縮合物等のフェノ
ール類、エチレン、プロピレン、ブテン等のアルキン、
メタクリル酸およびその誘導体、アクリル酸およびその
誘導体、スチレンおよびその誘導体、メラニンおよびそ
の誘導体、酢酸ビニル、尿素およびその誘導体、ヘキサ
メチレンジアミン、ε−カプロラクタム、ヘキサメチレ
ンジアミン、11−アミノウデカン酸、ω−ラウロラク
タム等が挙げられ、この中でも、フェノール類が好適に
用いられる。
【0023】次に、有機リン化合物としては、上記不飽
和有機化合物と重合し得るものであればとくに制限され
ないが、テトラキス(ヒドロキシメチル)基を有する化
合物が好適である。具体的には、テトラキス(ヒドロキ
シメチル)ホスホニウムクロライド(THPC)、テト
ラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルファイド
(THPS)、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホ
ニウムサルフェート、トリス(ヒドロキシメチル)ホス
フィンオキサイド(THPO)、トリス(ヒドロキシメ
チル)ホスフィン、モノベンジルビス(ヒドロキシメチ
ル)ホスフィン、モノメチルビス(ヒドロキシメチル)
ホスフィン、ジベンジル(モノヒドロキシメチル)ホス
フィンおよびその誘導体等が挙げられ、この中でも、テ
トラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェー
トが好適に用いられる。
【0024】これら原料を所望の容器内にて重合し、リ
ン成分含有活性炭前駆体有機物を調製する。なお、この
際、ホルムアルデヒドとこれら所望の原料とを重合反応
させてもよい。
【0025】反応条件は用いる原料系により一様ではな
いが、例えばフェノール類と有機リン化合物との重合反
応は、特公昭46−5476号公報および特公昭51−
40111号公報の方法に従えばよい。なお必要に応
じ、Cu、Mn、Fe、Co、Ni、Ag化合物とを併
用し重合するかまたは溶液として混合しても差し支えな
い。これら化合物としては、有機系化合物,硝酸塩、塩
化物、酢酸塩等が好ましく、その水溶液、または、有機
溶媒を用いた溶液状態で使用する。
【0026】次いで、上記で調製したリン成分含有活性
炭前駆体有機物に炭素化および賦活処理を施して活性炭
とする。なお、繊維状の活性炭を得る場合には、リン成
分含有活性炭前駆体有機物を紡糸した後、炭素化および
賦活することも好ましい。
【0027】炭素化条件は、とくに限定するものではな
く、例えば窒素ガスの如き不活性ガス気流中で600〜
1000℃の温度下で焼成することにより行われ、本発
明において、とくに常法と異なる手段をとる必要はな
い。このようにして炭化材が得られる。
【0028】次いで、炭化材の賦活処理を行うが、この
賦活処理において、700℃以上、好ましくは800℃
以上の温度で、水蒸気により賦活処理して、炭化材の反
応消耗率を30重量%以上、好ましくは35重量%以
上、残存リン成分の量を、リンとして、1.0重量%以
下、好ましくは0.7重量%以下にすることが重要な要
件となる。
【0029】ここで、炭化材の反応消耗率(%)とは、
炭素化後と賦活処理後の重量変化で示され、すなわち、
下記一般式で示される。
【0030】
【数1】
【0031】炭化材の反応消耗率と残存リン成分量を限
定する理由は、この範囲以外では、高比表面積で、メソ
ポアが発達した活性炭が得られにくい傾向があり、ま
た、水蒸気による賦活処理の温度を700℃以上とする
のは、この温度より賦活温度が低くなると、水蒸気と炭
化材およびリン成分との反応性が悪くなる傾向があるた
めである。なお、水蒸気のキャリアガスとしては、窒素
ガス等の不活性ガスを用いることが望ましい。
【0032】かくして、BET比表面積が1000m2
/g以上で、かつメソポアの細孔容積が80mm3/g
以上である、高比表面積で、かつメソポアの発達した活
性炭を得ることができ、従来の活性炭が吸着剤として用
いられる分野へすべて用いることができるのは当然であ
るが、液相、気相における比較的高分子量の被吸着成分
の除去に効果的に適用することができる。
【0033】
【作用】本発明に係る活性炭は、有機リン化合物とこれ
と反応性の有機化合物とを反応させてリン成分含有活性
炭前駆体有機物を調製し、次いでこれを焼成することに
より炭素化し炭化材を得、次いで、炭化材を700℃以
上の温度で水蒸気により賦活処理して、炭化材の反応消
耗率を30重量%以上、かつ残存リン成分の量が、リン
として、1.0重量%以下として得られるものである。
とくに、この製造方法においては、賦活条件に特徴があ
る。この賦活処理により、どのような機構でメソポアが
形成されるのか明らかでないが、反応性有機化合物と有
機リン化合物とを反応させて、分子レベルで反応生成物
中にリン成分を均一に含むリン成分含有活性炭前駆体有
機物を炭素化および賦活処理することから、おそらく、
リン成分の賦活触媒としての機能が、活性炭内部まで反
応が進行し、さらに炭素と水蒸気の反応とも相俟って、
炭化材の反応消耗率を30重量%以上で、かつ残存リン
成分の量が、リンとして、1.0重量%以下とすること
により、さらに、反応は進行し、高比表面積でかつ発達
したメソポアが形成されると考えられる。本発明に係る
活性炭は、高比表面積でかつ著しくメソポアが発達して
いることから、従来の用途だけではなく高性能な液相系
の吸着剤としても適用できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定さ
れるものではない。 (実施例1〜3および比較例1〜2)フェノール、80
%テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフ
ェート水溶液、37%ホルムアルデヒド水溶液の混合物
(モル比 1.0:0.75:0.1)に35%塩酸を
適量加え、還流条件下85℃で1時間保持し、一部をリ
ンで架橋したフェノールホルムアルデヒド樹脂を合成し
た。反応生成物に含まれる揮発分を加熱除去し、冷却後
これを溶融紡糸した。この繊維をホルマリン主成分の硬
化溶液に浸漬して硬化繊維とした。これをN2雰囲気下
800℃で炭素化し、さらに800℃の温度で、N2
スをキャリアガスとして、水蒸気により賦活処理を行っ
て、表1に示す特性を有する繊維状の活性炭を調製し
た。なお、反応消耗率および残存リン成分量(リン含有
率)は、賦活時間を変更することにより調整した。
【0035】(比較例3)フェノール100g、37%
ホルムアルデヒド水溶液74g、触媒として35%濃硫
酸0.1mlを加え、還流条件下85℃で1時間保持
し、フェノールホルムアルデヒド樹脂を合成した。反応
生成物に含まれる揮発分を加熱除去し、冷却後これを溶
融紡糸した。この繊維をホルマリン主成分の硬化溶液に
浸漬して硬化繊維とした。これをN2雰囲気下800℃
で炭素化し、さらに800℃の温度で、N2ガスをキャ
リアガスとして、水蒸気により賦活処理を行って表1に
示す特性を有する繊維状の活性炭を調製した。
【0036】<物性評価>実施例および比較例で得られ
た繊維状の各活性炭につき、BET比表面積および細孔
容積を測定して物性評価した。その結果を表1に併せて
示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1(試料番号P−ACF−II)、比
較例1(試料番号P−CF−800)および比較例2
(試料番号P−ACF−I)で得られた活性炭試料につ
き、相対蒸気圧に於ける窒素ガス吸着・脱着曲線を図
1、図2および図3にそれぞれ示した。図1、図2およ
び図3より明らかように、図1では、吸着と脱着の間に
ヒステリシスが現れており、活性炭にメソポアが存在し
ていることが解る。さらに、実施例1、比較例1および
比較例2で得られた活性炭試料につき、Dollimo
re−Heal法により得られた各試料の細孔径分布を
図4に示した。図4から明らかなように、本発明の製造
方法により得られた活性炭試料には、細孔半径2nm付
近にシャープなピークが見られ、著しくメソポアが発達
していることが解る。
【0039】
【発明の効果】上記したように、本発明の活性炭は、高
比表面積でかつ著しくメソポアが発達していることか
ら、従来の用途だけではなく、液相、気相における比較
的高分子量の被吸着成分の除去に効果的に適用すること
ができる。また、本発明の製造方法によれば、極めて工
業的に有利な方法で、高比表面積でかつ著しくメソポア
が発達した活性炭を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製した活性炭素繊維試料の相対蒸
気圧に於ける窒素ガス吸着・脱着曲線である。
【図2】比較例1で調製した活性炭素繊維試料の相対蒸
気圧に於ける窒素ガス吸着・脱着曲線である。
【図3】比較例2で調製した活性炭素繊維試料の相対蒸
気圧に於ける窒素ガス吸着・脱着曲線である。
【図4】実施例1、比較例1および比較例2で調製した
活性炭素繊維のDollimore−Heal法により
得られたの細孔径分布図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン成分を含有する有機化合物を炭素化
    および賦活処理して得られる活性炭であって、BET比
    表面積が1000m2/g以上で、かつメソポアの細孔
    容積が80mm3/g以上であることを特徴とする活性
    炭。
  2. 【請求項2】 活性炭は繊維状である請求項1に記載の
    活性炭。
  3. 【請求項3】 有機リン化合物とこれと反応性の有機化
    合物とを反応させてリン成分含有活性炭前駆体有機物を
    調製し、続いてこれを焼成し炭素化して炭化材を得、次
    いで、前記炭化材を700℃以上の温度で水蒸気により
    賦活処理し、前記炭化材の反応消耗率を30重量%以
    上、かつ残存リン成分の量が、リンとして、1.0重量
    %以下にすることを特徴とする活性炭の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応性の有機化合物がフェノール類であ
    る請求項3に記載の活性炭の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機リン化合物がテトラキス(ヒドロキ
    シメチル)基を有する化合物である請求項3または4に
    記載の活性炭の製造方法。
  6. 【請求項6】 テトラキス(ヒドロキシメチル)基を有
    する化合物がテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニ
    ウムサルフェートである請求項5に記載の活性炭の製造
    方法。
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