JP3709267B2 - メソポアカーボンおよびその製造方法 - Google Patents

メソポアカーボンおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有し、該範囲の細孔容積が0.010〜0.50cm3 /gで、かつ、該細孔容積が細孔直径2.0〜50nmの範囲の全メソポア容積の15%以上を占めることを特徴とするメソポアカーボンおよびその製造方法に関するものである。本発明のメソポアカーボンは、メソポア領域に細孔径分布の単一で特徴的な極大値を有し、トリハロメタンの前駆物質となるフミン質や、染料等の有機化合物等の比較的大きな分子サイズの化合物の特異的な吸着除去に用いることができるとともに、電極材、あるいは触媒担体として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の物質或いはイオン等の吸着能を示すものとして、粉末活性炭、粒状活性炭や繊維状活性炭が知られており、浄水装置、脱臭装置、脱色装置などに充填される各種吸着材や、触媒担体、あるいは、電極材などに広く用いられている。これらの活性炭は、従来、主としてヤシ殻や、石炭、木材等を原料とする炭素材を水蒸気存在下あるいは、塩化亜鉛、水酸化カリウム等の存在下に賦活処理することによって製造され、微細な細孔を数多く有している。なお、本発明においては、細孔直径0.7nm未満の細孔をサブミクロポア、細孔直径0.7〜2.0nmの範囲の細孔をミクロポア、細孔直径2.0〜50nmの範囲の細孔をメソポア、細孔直径50nm以上の細孔をマクロ孔と称する。
【0003】
従来の活性炭の製造方法によれば、主に細孔直径が0.7〜2.0nmであるミクロポアおよび細孔直径が0.7nm未満であるサブミクロポアの発達した活性炭が製造され、細孔直径が2.0〜50nmであるメソポアの形成が少なく、メソポアの細孔容積の比率は全体の10%に満たない活性炭となっている。そのような活性炭は、比表面積が大きく、分子サイズが2.0nmより小さい分子の吸着能力に優れている半面、染色工業等で使用される有機化合物のような分子サイズの大きい物質を効率よく吸着することは出来ないという欠点がある。また、触媒あるいは触媒担体として用いる場合でも、細孔直径が小さいために、触媒坦持量が小さくなり、触媒活性が低くなるという欠点がある。
【0004】
また、吸着質の分子サイズに応じた吸着特性の観点からは、特定のサイズの細孔のみを有する活性炭の製造が望ましいが、メソポアに関して、特定の細孔領域に特異的な細孔径分布を有する吸着材は得られていない。
【0005】
近年、河川水からの水道原水中に溶存する有機物であるフミン質が、水道水の殺菌の際に添加される塩素と反応して、発癌性の高いトリハロメタン等を生成することが大きな環境問題となっている。フミン質の除去は水道水の安全性の点から重要であるが、フミン質は比較的分子サイズが大きいため、2〜30nmの範囲の、その中でも細孔直径が3.0〜10.0nmのメソポア領域の細孔が発達していることが重要であるが、従来の活性炭ではその範囲の細孔容積が小さく、十分な吸着除去能が得られず、メソポア領域に細孔を有する吸着材の開発が急務となっている。
【0006】
また、染色工業で使用される、分子径が2.26nmと巨大な構造の酸性染料(Acid Blue 90)や、医薬品分野で有用である、分子径が2.09nmのビタミンB12等の比較的大きな分子サイズの化学物質の吸着に対して、選択的に吸着効率を向上させるには、細孔直径3.0〜10.0nmの範囲に細孔径分布の極大値を有した吸着材が極めて有用である。
【0007】
また、近年、バックアップ電源、補助電源等として活性炭を分極性電極とした電気二重層コンデンサがエレクトロニクス分野の発展とともに需要も急成長しており、大きな注目を浴びている。この電気二重層コンデンサの静電容量は、分極性電極の表面積や、単位面積当たりの静電容量や電極の内部抵抗等に、影響を受けるが、特に電気二重層を形成する電解液中のイオンの大きさと、活性炭の細孔の大きさの関係が重要である。
【0008】
具体的には、有機溶媒系といわれるアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン等を利用したコンデンサは、細孔直径2nm以上の部分が静電容量に関与しているといわれており、さらに硫酸を電解質とする水系コンデンサでも、高電流密度および低温での性能は2nm以上の細孔が静電容量に寄与していると考えられており、細孔直径3.0〜10.0nmの範囲に細孔分布を有する活性炭は、電気二重層コンデンサ用電極材としても優れていることが期待できる。
【0009】
これまでにも、活性炭の細孔直径を大きくし、分子径の比較的大きい物質を吸着できる吸着材を製造する種々の試みがなされている。例えば、賦活工程を幾度も繰り返すことにより、細孔直径を大きくする方法があるが、その製造法では、全細孔容積に占めるメソポア領域の細孔容積の割合は低く、また、賦活工程を繰り返すことにより収率が低下するので好ましくない。
【0010】
また、特開平5−302216号公報で開示されている比表面積0.1〜1200m2 /gの炭素質繊維に酸化剤による親水化処理を施した後、アルカリ土類金属を担持せしめて、賦活処理を行なう炭素質繊維の改質方法では、孔径1.5〜15nmの範囲に細孔は形成されるが、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)に極大値を有するものではなく、炭素材の微細構造の厳密な制御がなされていない。こうした炭素材は、広範な細孔分布を有し、吸着に効果的な細孔以外の余分な細孔が多数存在するために吸着効率が低下し、また、繊維密度が減少して強度も低下するという欠点を有している。
【0011】
また、特開平5−811号公報に開示されている活性炭素材料は、蛋白質または蛋白質含有汚泥もしくは廃棄物、あるいはポリアクリロニトリル繊維状活性炭を原料とするため、不純物が多く、また、単に炭化あるいは水蒸気、炭酸ガス、酸素等で賦活処理するだけであるため、厳密な細孔径制御がなされていない等の欠点を有している。さらに、炭素純度が低いため電気伝導性が低く、電極材料用途にも適していない。
【0012】
さらに、特開平5−294607号公報に開示されている低軟化点ピッチと金属化合物からなる混合物を炭素化処理及び賦活処理してなる金属含有活性炭の製造方法でも、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に極大値を有するものを得ることは出来ず、また、イッテルビウム化合物及び/又はイットリウム化合物等の希土類化合物を使用するので原料コストが高くなり経済的でないのが現状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のメソポア領域に細孔を形成させる方法では、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有するメソポアカーボンは得られておらず、厳密な細孔径制御が十分に出来ていないのが現状である。本発明は、上記の種々の問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、メソポア領域において細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有するメソポアカーボンを得ることにある。また、本発明のさらなる目的は本発明の上記メソポアカーボンの製造法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭素材または炭素材前駆物質に、遷移金属中でも元素記号で表されるTi、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Wのいずれかから選ばれる遷移金属のいずれか一種、あるいは該遷移金属のいずれか一種の化合物を添加した後、650℃以上の温度で熱処理を行うことにより、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の特定の範囲に細孔径分布の極大値を有するメソポアカーボンを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明のメソポアカーボンの細孔形成メカニズムは、明らかではないが、遷移金属周囲の炭素が、共存する遷移金属の触媒作用により、熱処理時、あたかも遷移金属に浸食を受けるかのように、その骨格が一旦崩される。その際に遷移金属原子サイズと関連した細孔が形成されるものと推測される。また、冷却時、等方性をもって再結合するため、一部黒鉛化結晶が認められるものと考えられる。
【0016】
即ち、本発明は、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有し、該範囲の細孔容積が0.010〜0.50cm3/gで、かつ、該細孔容積が細孔直径2.0〜50nmの範囲の全メソポア容積の15%以上を占めることを特徴とするメソポアカーボン提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のメソポアカーボンは、特定の範囲に細孔径分布を有することにより、2〜10nm程度の特定のサイズの分子について効率的な吸着能を示すことができる。また、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲の細孔容積は、好ましくは0.010〜0.50cm3 /gであり、より好ましくは0.050〜0.50cm3 /g、最も好ましくは0.10〜0.50cm3 /gである。この範囲の細孔容積が0.010cm3 /gより小さいと、吸着容量が小さくなり好ましくない。また、この範囲の細孔容積は、細孔直径2.0〜50nmの範囲の全メソポア容積の15%以上を占め、好ましくは20〜95%を占め、より好ましくは30〜95%を占める。この範囲の細孔容積が、細孔直径2.0〜50nmの範囲の全メソポア容積の15%より小さい場合は、吸着容量が小さくなり好ましくない。
【0018】
本発明のメソポアカーボンは、上記の特徴の他に、好ましくは、Cu−Kα線によるX線回折パターンで2θ=26゜近傍に黒鉛結晶(002) 面に由来する回折ピークを有するものである。また、本発明のメソポアカーボンは、好ましくは、炭素材が難黒鉛化性炭素の一部が黒鉛化したものであることを特徴とする。前述のように、黒鉛結晶に由来する回折ピークが出現するということは、少なくとも部分的に黒鉛化が進んでいるということであり、結晶性の向上により細孔分布がより一層シャープになっているものと推定される。
【0019】
また、電気、熱の伝導性も改善され、耐熱衝撃性も向上していると考えられる。また、難黒鉛化性炭素は、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂等を熱処理して得られる非晶質の炭素に見られる様に、通常2000℃以上の熱処理を施しても黒鉛化困難であるが、本発明によれば、前述の如く遷移金属を共存させることにより、比較的低温の熱処理により、容易に黒鉛化することができ、細孔分布の均一性、電気伝導性、熱伝導性等の特性が改良される。
【0020】
さらに、本発明のメソポアカーボンは、好ましくは、炭素含有率が80wt%以上、より好ましくは90wt%、最も好ましくは95wt%以上であり、窒素含有率が1wt%未満である。炭素含有率が80wt%を下回るものは炭化による細孔形成が不十分で、吸着容量が小さくなり、また、優れた導電性、耐蝕性、熱伝導性等という炭素材の特性が損なわれるので好ましくない。また、窒素含有率1wt%以上となると、吸着特性や導電性が影響を受け好ましくない。
【0021】
本発明のメソポアカーボンを吸着材、触媒もしくは触媒担体、電極材等として使用する場合、それぞれの用途、使用箇所、使用状況等により、粉末状、顆粒状、円柱状、球状、破砕状、あるいは多孔質ブロック状等、種々の形状で使用することができ、粉末状の場合は、平均粒子径が、通常0.10〜150μm、好ましくは1.0〜100μm、より好ましくは5〜50μmで、粒子嵩密度が0.7〜2.3g/cm3 、好ましくは0.8〜1.8g/cm3 であり、顆粒状の場合は、平均粒子径が、通常150〜2000μm、好ましくは200〜1000μm、より好ましくは250〜600μmであり、粒子嵩密度が0.7〜2.3g/cm3 、好ましくは0.8〜1.8g/cm3 である。
【0022】
また、形状が破砕状の場合は、炭素材としてヤシ殻、石炭等の炭化物を破砕した不定形状をしており、平均粒子径が、通常100〜2000μm、好ましくは500〜2000μmであり、粒子嵩密度が0.7〜2.3g/cm3 、好ましくは0.8〜1.8g/cm3 である。
【0023】
また、形状が、円柱状または球状成形品の場合は、平均粒子径が0.1〜150μm程度の多数の炭素一次粒子が三次元的に不規則に合体され、その粒子間隙に細孔直径0.05〜20μm程度の多数のマクロ孔を有する内部構造を有し、粒子嵩密度が0.5〜1.8g/cm3 であることを特徴とする。また、多孔質ブロック状の場合は、嵩密度0.1〜1.4g/cm3 、気孔率30〜80%で、直径1〜500μmの網目状構造の連続したマクロ孔を有するものである。
【0024】
本発明のメソポアカーボンは、遷移金属中でも元素記号で表されるTi、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Wのいずれかから選ばれる遷移金属のいずれか一種、あるいは該遷移金属いずれかの化合物の一種を含有すると、n−ブタンの水素化分解やベンゼンのフェノールへの酸素酸化反応に触媒として有効に機能する。その含有量は遷移金属換算で通常1.0〜10mmol/g、好ましくは3.0〜7.0mmol/gである。
【0025】
本発明のメソポアカーボンは、好ましくは、比表面積が600〜2500m2 /g、より好ましくは800〜2500m2 /g、最も好ましくは900〜2500m2 /gである。また、特定の用途においては比表面積が400m2 /g以下、好ましくは200m2 /g以下、最も好ましくは50m2 /g以下である。
【0026】
また、本発明は、前述のメソポアカーボンの製造方法を提供するものである。即ち、炭素材または炭素材前駆物質に、遷移金属中でも元素記号で表されるTi、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Wのいずれかから選ばれる遷移金属のいずれか一種、あるいは該遷移金属いずれかの化合物の一種を添加した後、650℃以上の温度で非酸化性雰囲気下で炭化または弱酸化性雰囲気下で賦活することにより上述のメソポアカーボンを製造することができる。本発明のメソポアカーボンの製造に用いられる炭素材は、好ましくは、ヤシ殻炭、コークス、木炭、樹脂炭化物である。また、樹脂炭化物ではフェノール樹脂炭化物が好適に使用できる。これらの炭素材の比表面積値は、限定されるものではないが30m2 /gより小さくてもよい。
【0027】
また、本発明のメソポアカーボンの製造に用いられる炭素材前駆物質は、好ましくは、ヤシ殻、石炭、木材、樹脂である。樹脂炭化物の前駆物質となる樹脂は、特に限定するものではないがフェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。
【0028】
フェノール樹脂は大別するとレゾール樹脂とノボラック樹脂及びその他の特殊フェノール樹脂や変性品等に分類できる。メラミン樹脂は、メラミンとアルデヒド、通常はホルムアルデヒドを塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる無色透明の水溶性樹脂である。尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドを酸触媒または塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる無色透明の水溶性樹脂である。フラン樹脂は、フルフリルアルコールの初期縮合物、フルフラール樹脂、あるいはそれらの変性樹脂等である。
【0029】
本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、製造時の取扱いが容易で炭化収率が高く細孔制御がし易い等の点でフェノール樹脂が好ましく、特に下記の粒状フェノール樹脂が最も好ましい。
【0030】
即ち、該粒状フェノール樹脂は、特公昭62−30210号公報あるいは特公昭62−30212号公報等に開示されており、フェノール類とアルデヒドとの縮合物を主成分とする粒状樹脂であって、(A)粒径0.1〜150μmの球状一次粒子及びその二次凝集物を含有し、そして(B)少なくとも全体の50重量%が目開き150μmの篩を通過しうる大きさであり、(C)明細書本文に定義した、メタノール溶解度が50重量%以下のものであって、しかも(D)液体クロマトグラフィーによる測定値として、遊離フェノール含有量が100ppm以下である。
ことを特徴とする粒状フェノール樹脂が特に好ましい。
【0031】
本発明で用いる炭素材前駆物質としてのイオン交換樹脂としては、特に限定されるものではないがスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を基体としたゲル型あるいはポーラス型あるいはハイポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂、あるいは、スチレン系の、アクリル系、フェノール系の高分子基体にイミノ二酢酸基、ポリアミン基、ジチオカルバミド基、オキシム基等の官能基を付与させたポーラス型あるいはハイポーラス型のキレート樹脂を用いることができる。
【0032】
本発明においては、上記の炭素材または炭素材前駆物質100重量部に対して遷移金属中でも元素記号で表されるTi、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Wのいずれかから選ばれる遷移金属のいずれか一種、あるいは該遷移金属いずれかの化合物の一種を、遷移金属換算で、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜40重量部、最も好ましくは2〜30重量部添加し、650℃以上の温度で炭化または賦活することによりメソポアカーボンを製造することができる。ここで添加される遷移金属は、例えば、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Wのいずれかから選ばれる遷移金属のいずれか一種、あるいは該遷移金属いずれかの化合物の一種は、金属粉末あるいは金属の硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、りん酸塩、臭化物、塩化物、りん化物、酸化物、水酸化物のいずれかのうち一種あるいは二種以上の物質であることが好ましい。金属が粉末の形態であれば、好ましくは少なくとも全体の95重量%が目開き150μmの篩を通過しうる大きさであり、より好ましくは平均粒子径が0.3μmの大きさの粉末である。また、金属の硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、りん酸塩、臭化物、塩化物、りん化物、酸化物、水酸化物のいずれかの場合は、適宜、製造時の取扱いの容易な濃度となるよう、水溶液あるいは、メタノール等の極性溶媒で溶液として用いればよい。
【0033】
本発明において、炭素材または炭素材前駆物質に、上述の遷移金属あるいは該遷移金属の化合物を添加する方法としては、例えば、金属粉末の場合は、そのまま所定量炭素材または炭素材前駆物質と攪拌混合すればよい。また、上述の遷移金属の化合物の場合には、所定量の金属化合物を、水溶液あるいは、メタノール等の極性溶媒で溶液とした上で、炭素材または炭素材前駆物質に混合添加するとよい。添加の際、溶液を低濃度にし、炭素材または炭素材前駆物質に対して200〜500重量部として添加し、スラリー状態で混合後、乾燥して溶媒を除去した後、炭化または賦活処理を行なってもよいし、添加の際、溶液を炭素材または炭素材前駆物質に対し5〜100重量部とし、粘土状にて混練混合後、乾燥して溶媒除去後、炭化または賦活処理を行なってもよい。
【0034】
炭素材前駆物質が、水、メタノール等の極性の高い溶媒に溶ける場合、炭素材前駆物質を溶液とした上で、各々の金属粉末を添加する場合は、そのまま所定量混合させて用いる。また、各々の金属化合物を添加する場合については、炭素材前駆物質に対して添加量が、遷移金属換算で所定量となるように、水溶液あるいは、メタノール等の極性溶媒で溶液とした上で、炭素材前駆物質溶液に混合添加する。得られた混合物は、乾燥後、炭化または賦活処理を行なう。
【0035】
本発明において用いるイオン交換樹脂に各々の遷移金属化合物を添加させる方法としては、カラムに充填したイオン交換樹脂に、各々の金属イオンを含む溶液を通水するカラム法によるイオン交換や、各々の金属イオンを含む水溶液中にイオン交換樹脂を浸漬させる浸漬法によるイオン交換により行なうことができる。
【0036】
上述の遷移金属のいずれか一種、あるいは該遷移金属いずれか一種の化合物を添加した炭素材または炭素材前駆物質は、非酸化性雰囲気下、650℃以上、好ましくは700〜2000℃、より好ましくは800〜1500℃で炭化することにより、あるいは炭化した後、弱酸化性雰囲気下で650℃以上、好ましくは700〜1500℃、より好ましくは800〜1200℃で賦活することにより、本発明のメソポアカーボンを製造することができる。炭化温度が650℃より低い場合には、遷移金属による細孔形成が進まず、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に極大値を有するメソポアカーボンは得られない。また、炭化が不十分で細孔形成が進んでいないため、吸着容量が小さく、耐熱性、耐薬品性等も低いので好ましくない。
【0037】
また、この場合の非酸化性雰囲気とは、窒素、ヘリウム、アルゴン、水素または一酸化炭素を気体として含有してなるものであり、実質的に酸化性ガスを含まないものである。また、弱酸化性雰囲気とは、水蒸気、二酸化炭素を主たる気体として含有してなるもので、窒素、ヘリウム、アルゴン、水素または一酸化炭素を一部含む場合も本発明の範囲に含まれる。
【0038】
炭化及び賦活工程での最高処理温度に到達するまでの昇温速度は特に制限するものではないが、好ましくは5〜500℃/H、最も好ましくは10〜300℃/Hである。炭化時の雰囲気、昇温速度、最高温度、最高温度での保持時間等は、炭素材の種類や細孔構造、炭素材前駆物質の種類や特性、目的とするメソポアカーボンの細孔構造等を考慮して最適条件を選定する。通常、細孔を形成させるには、比較的高温まで昇温することが好ましいが、最高温度が高すぎると、細孔が細かくなり過ぎ、また、細孔容積も減少するので、吸着性能や電極特性、触媒活性等が低下して好ましくない。
【0039】
本発明により得られるメソポアカーボンは、通常、粉末状、顆粒状、破砕状、円柱状、球状、あるいは多孔質ブロック状の形状であり、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有し、該範囲の細孔容積が0.010〜0.50cm3 /gで、かつ、該細孔容積が細孔直径2.0〜50nmの範囲の全メソポア容積の15%以上を占める多数の細孔を有する。
【0040】
【発明の効果】
本発明のメソポアカーボンは、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有し、該範囲の細孔容積が0.010〜0.50cm3 /gで、かつ、該細孔容積が細孔直径2.0〜50nmの範囲の全メソポア容積の15%以上を占める多数のメソポアが存在することから、トリハロメタンの前駆物質となるフミン質や、染料等の有機化合物等の比較的大きな分子サイズの化合物の吸着除去に適しており、上水用、排水処理用、食品精製用の吸着材に用いることが出来る。
【0041】
また、メソポア領域に細孔を有することから、非吸着物質の吸脱着速度が速くなり、電解質の迅速な吸脱着が可能となることから、電気二重層コンデンサの電極材として有用である。さらに、メソポアに触媒を担持した触媒担体としても使用出来る。また、本発明のように、製造時に使用した金属元素をそのまま保持しておけば、炭化水素の酸化反応等に触媒効果を発揮する。
【0042】
また、イオン交換樹脂にそのまま金属イオンが吸着されていれば、それを熱処理することにより有用な炭素系触媒となり、廃イオン交換樹脂の有効な利用方法ともなる。このように本発明のメソポアカーボンは、広範な分野において、実用上極めて有用である。
【0043】
(測定法)
炭素、セラミックス等の多孔質材料の細孔の測定法には、通常、種々のガス吸着法や、水銀圧入法があり、細孔の大きさにより最適な測定法が使われている。測定法及び解析法の詳細は後述するが、0.7〜50nm程度の範囲の細孔容積については、液体窒素温度における窒素吸着法を用いて解析するのが通例である。本発明のメソポアカーボンは、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有し、液体窒素温度における窒素吸着法を用いて解析した。
【0044】
本発明のメソポアカーボンの細孔径分布、細孔容積、比表面積の測定は、全自動ガス吸着測定装置BELSORP28(日本ベル株式会社製)を用いて液体窒素温度における窒素吸着法により行なった。細孔直径2.0〜50nmの細孔容積は、Dollimore−Healの方法により求めた。この方法は、細孔の形状がシリンダー状であると仮定して、細孔径分布を脱着等温線を利用して算出する方法である。
以下、概略を説明する。
【0045】
(1)細孔径分布および細孔容積の測定
シリンダー状の細孔半径は、(1)式で表される。
P =t+rk (1)
ここで、rP :細孔半径
k :メニスカス部分のコア半径
t :圧力pにおける吸着層の厚み
である。
吸着層の厚みは標準試料のt−プロットより、コア半径は、Kelvin式(2)より求められる。
ln(p/p0 )=−(2γVL /rm RT)cosθ (2)
ここで、p :平衡圧
0 :飽和蒸気圧
γ :液体の表面張力
L :液体のモル体積
m :メニスカス半径
R :気体定数
T :測定温度
θ :液体と細孔との接触角
脱着時のメニスカス半径がコア半径に等しいと仮定し、液体窒素温度における窒素の場合、
k (nm)=0.4078/log(p0 /p) (3)
となる。
【0046】
(2)比表面積の測定
液体窒素温度における窒素吸着等温線の測定結果を(4)式により整理して、単分子層吸着量を求め、窒素の分子占有面積(0.162nm2 )から比表面積を求めるBET多点法により行なった。
p/v(p0−p )=(1 /vm C )+{(C−1)/vm C }(p/p0) (4)
S =vm ・ σN (5)
ここで、p :平衡圧
p0 :飽和蒸気圧
v :平衡圧p における吸着量
m :単分子層吸着量
C :定数
S :比表面積
σN :窒素単分子占有面積
である。
【0047】
(3)Cu−Kα線によるX線回折測定
試作したメソポアカーボンのX線回折測定は、X線回折装置RINT−1400(理学電機株式会社製)を用い、管球にCu−Kα、グラファイトモノクロメーターを使用し、反射粉末法により行なった。
【0048】
(4)CHN元素分析
CHNコーダーMT−5(柳本製作所株式会社製)を用い、微量有機元素分析法により行なった。
【0049】
以下、実施例をもとに本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
【0050】
【実施例】
(本発明のメソポアカーボンの製造)
実施例1
平均粒子径20μmの粒状フェノール樹脂(鐘紡株式会社製:ベルパールR800)100重量部に対し、Co換算で所定の添加量となる様に濃度を調整した塩化コバルト水溶液を加え、ミキサーでよく混合し、大気中、110℃で24時間乾燥させた。乾燥させた試料を、電気炉にて窒素ガス雰囲気中で50℃/時間の昇温速度で1000℃まで昇温し、該温度で5時間保持した後、冷却してCo添加量が0.2重量部(炭化試料1)、1重量部(炭化試料2)、5重量部(炭化試料3)、10重量部(炭化試料4)、50重量部(炭化試料5)、70重量部(炭化試料6)である炭化試料を試作した。また、窒素ガス雰囲気中で炭化後、さらに、窒素/水蒸気(=1/1)混合ガス雰囲気下で1時間賦活することによりCo添加量が0.2重量部(賦活試料7)、1重量部(賦活試料8)、5重量部(賦活試料9)、10重量部(賦活試料10)、50重量部(賦活試料11)、70重量部(賦活試料12)である賦活試料を試作した。
【0051】
また、原料に比表面積1500m2 /gの炭素微粒子を用い、同様の操作を行って、Co添加量が0.2重量部(炭化試料13)、1重量部(炭化試料14)、5重量部(炭化試料15)、10重量部(炭化試料16)、50重量部(炭化試料17)、70重量部(炭化試料18)および0.2重量部(賦活試料19)、1重量部(賦活試料20)、5重量部(賦活試料21)、10重量部(炭化試料22)、50重量部(賦活試料23)、70重量部(賦活試料24)を得た。各試料の一部は、希硝酸にて洗浄後、よく水洗して残留Coを除去し、CHN元素分析に供した。
【0052】
上記の如くして作製した各試料の、細孔径分布、細孔容積、CHN元素分析、Cu−Kα線によるX線回折を測定した。図1に一例として炭化試料1、炭化試料2、炭化試料3、炭化試料6の細孔径分布を示す。横軸は細孔直径を、縦軸は該当する細孔直径の点での細孔容積を表す。この図より、炭化試料2、炭化試料3において、明らかに細孔直径3.0〜10nmに特異的な細孔径分布の極大値を有することが分かる。この時、細孔直径のXは4nm、細孔直径の分布範囲であるαは1nmである。一方、Co添加量の少ない炭化試料1あるいは多い炭化試料6では細孔直径3〜10nmの範囲に細孔径分布の極大値は無いことが分かる。この様にして求めた各試料の細孔直径と、該物性を測定した結果を表1に示す。CHN元素分析については希硝酸で洗浄した各試料の分析値であり、細孔径の解析、X線回折には未洗浄の試料を供した。ここで、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の細孔容積をV1 とし、細孔直径2.0〜50nmの全メソポア細孔容積をV0 とする。また、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の細孔容積(V1 )の細孔直径2.0〜50nmの細孔容積(V0 )に対する比を、以下V1 /V0 (%)で表す。
【0053】
表1より、粒状フェノール樹脂を原料として炭化試作した炭化試料2、炭化試料3、炭化試料4、炭化試料5、賦活試作した賦活試料8、賦活試料9、賦活試料10、賦活試料11、また、炭素微粒子を原料として炭化試作した炭化試料14、炭化試料15、炭化試料16、炭化試料17、賦活試作した賦活試料20、賦活試料21、賦活試料22、賦活試料23において細孔直径3.0〜5.0nm付近に特徴的な細孔径分布の極大値を示す。また、Co添加量が少ない炭化試料1、賦活試料7、炭化試料13、賦活試料19については細孔直径2.0nmより小さい範囲に細孔径分布の極大値を有するが、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)には、細孔径分布の極大値を有しなかった。また、Co添加量が多すぎる炭化試料6、賦活試料12、炭化試料18、賦活試料24については20〜40nm付近に細孔径分布の極大値を有するが、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)には、細孔径分布の極大値を有しなかった。
【0054】
【表1】
Figure 0003709267
【0055】
実施例2
実施例1と同様の粒状フェノール樹脂100重量部に対し、Co換算で5重量部の添加量となる様に濃度を調整した塩化コバルト水溶液を加え、ミキサーでよく混合した後、大気中、110℃で24時間乾燥させた後、電気炉にて窒素ガス雰囲気中で50℃/時間の昇温速度で所定の温度まで昇温し、続いて該温度で、窒素/水蒸気(=1/1)混合ガス雰囲気下1時間賦活し、その後冷却して、400℃賦活試料(賦活試料25)、600℃賦活試料(賦活試料26)、700℃賦活試料(賦活試料27)、1000℃賦活試料(賦活試料28)を試作した。また、窒素ガス雰囲気中、50℃/時間の昇温速度で所定の温度まで昇温し、該温度で5時間保持して炭化した後、冷却して600℃炭化試料(炭化試料29)、800℃炭化試料(炭化試料30)、1500℃炭化試料(炭化試料31)を試作した。各試料の一部は、希硝酸にて洗浄後、よく水洗し、残留Coを除去した。
【0056】
上記の如くして作製した試料の、諸物性を実施例1と同様に測定し、表2に示す。表2より700℃賦活の賦活試料27、800℃賦活の賦活試料9、1000℃賦活の賦活試料28、および800℃炭化の炭化試料30、1000℃炭化の炭化試料3、1500℃炭化の炭化試料31において細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)に特異的な細孔径分布の極大値を有し、また、V1 /V0 も20〜56%を示すことが分かる。賦活温度が400℃、600℃である賦活試料25、賦活試料26および炭化温度が600℃である炭化試料29では、熱処理温度が低く細孔形成が不十分でありメソポア領域に細孔が発達しなかった。
【0057】
【表2】
Figure 0003709267
【0058】
実施例3
実施例1と同様の粒状フェノール樹脂100重量部に対し、金属換算で5重量部の添加量となる様に濃度を調整した塩化第二鉄水溶液を加え、ミキサーでよく混合し、大気中、110℃で24時間乾燥させた。乾燥させた試料を、電気炉にて窒素ガス雰囲気中で50℃/時間の昇温速度で900℃まで昇温し、該温度で5時間保持した後、冷却して炭化試料32を試作した。また、窒素ガス雰囲気中で炭化後、さらに、窒素/水蒸気(=1/1)混合ガス雰囲気下で1時間賦活することにより賦活試料33を試作した。
【0059】
また、同様に粒状フェノール樹脂100重量部に対し、金属換算で5重量部の添加量となる様に濃度を調整した硝酸マンガン水溶液を加え、ミキサーでよく混合し、大気中、110℃で24時間乾燥させた。乾燥させた試料を、電気炉にて窒素ガス雰囲気中で50℃/時間の昇温速度で900℃まで昇温し、該温度で5時間保持した後、冷却して炭化試料34を試作した。また、窒素ガス雰囲気中で炭化後、さらに、窒素/水蒸気(=1/1)混合ガス雰囲気下で1時間賦活することにより賦活試料35を試作した。
【0060】
また、同様に粒状フェノール樹脂100重量部に対し、金属換算で5重量部の添加量となる様に濃度を調整した硫酸クロム水溶液を加え、ミキサーでよく混合し、大気中、110℃で24時間乾燥させた。乾燥させた試料を、電気炉にて窒素ガス雰囲気中で50℃/時間の昇温速度で900℃まで昇温し、該温度で5時間保持した後、冷却して炭化試料36を試作した。また、窒素ガス雰囲気中で炭化後、さらに、窒素/水蒸気(=1/1)混合ガス雰囲気下で1時間賦活することにより賦活試料37を試作した。
【0061】
上記の如くして作製した炭化試料32、賦活試料33、炭化試料34、賦活試料35、炭化試料36、賦活試料37の、細孔径分布、細孔容積、CHN元素分析、Cu−Kα線によるX線回折を測定した。それらの結果を表3に示す。CHN元素分析については希硝酸で洗浄した各試料の分析値であり、細孔径の解析、X線回折には未洗浄の試料を供した。
【0062】
【表3】
Figure 0003709267
【0063】
表3より、粒状フェノール樹脂を原料として塩化第二鉄を混合して炭化試作した炭化試料32、賦活試作した賦活試料33において細孔直径3.0nm付近に特異的な細孔径分布の極大値を示した。また、硝酸マンガンを混合して炭化試作した炭化試料34、賦活試作した賦活試料35において細孔直径3.5nm付近に特異的な細孔径分布の極大値を示した。また、硫酸クロムを混合して炭化試作した炭化試料36、賦活試作した賦活試料37において細孔直径4.8nm付近に特異的な細孔径分布の極大値を示した。この結果より、各試料において、明らかに細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)に特異的な細孔径分布の極大値を有することが分かる。
【0064】
比較例1
平均粒子径20μmの粒状フェノール樹脂(鐘紡株式会社製:ベルパールR800)を電気炉にいれ、窒素ガス雰囲気中で30℃/Hの昇温速度で所定の温度まで昇温し、該温度で5時間保持した後冷却して、700℃炭化試料(炭化比較試料38)、1000℃炭化試料(炭化比較試料39)を試作した。また、窒素/水蒸気(=1/1)混合ガス雰囲気中で所定の温度で1時間賦活することにより、800℃賦活(賦活比較試料40)、1000℃賦活(賦活比較試料41)を試作した。実施例1と同様にこれら比較試料の物性測定を行なった。その結果を表4に示す。表4より、炭化比較試料38、炭化比較試料39は、細孔直径2.0〜50nmの細孔容積値がそれぞれ0.028cm3 /g、0.010cm3 /gと小さくメソポアは殆ど形成されていない。また、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)に細孔径分布の極大値は認められなかった。また、賦活比較試料40、賦活比較試料41は、比表面積値はそれぞれ965m2 /g、1825m2 /gと大きく、ミクロポアは発達しており、細孔直径0.8nm付近に細孔径分布の極大値を有するが、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)に細孔径分布の極大値は無かった。即ち、遷移金属化合物を添加していないこれらの比較試料では細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)に細孔径分布の極大値を有するメソポアカーボンは得られないことが分かった。
【0065】
【表4】
Figure 0003709267
【0066】
実施例4
市販の破砕状または円柱状のヤシ殻炭、コークス、フェノール樹脂炭、各100重量部を、塩化銅水溶液中に浸積し、Cu換算で2重量部となる様に添着量を調整した。その後、大気中、110℃で24時間乾燥させた試料を電気炉にて、窒素ガス雰囲気中で30℃/時間の昇温速度で900℃まで昇温し、2時間保持することにより出発原料がヤシ殻炭、コークス、フェノール樹脂炭である各炭化試料42、炭化試料43、炭化試料44を試作した。炭化試料42〜44の原料物性、試作試料の諸物性を表5に示す。表5より、出発原料の異なる各炭化試料42、炭化試料43、炭化試料44においても細孔直径がX±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)付近に細孔径分布の極大値を有するメソポアカーボンを製造することができた。
【0067】
【表5】
Figure 0003709267
【0068】
実施例5
カラムに充填したキレート樹脂(三菱化学製:CR−11)に1.0mol/lの塩化ニッケル水溶液を通液し、ニッケルイオンをイオン交換した後、110℃で12時間乾燥させた後、窒素雰囲気下、室温から所定の温度まで5℃/分で昇温し、該温度で3時間保持することにより炭化温度400℃試料(炭化試料45)、炭化温度600℃試料(炭化試料46)、炭化温度700℃試料(炭化試料47)、炭化温度800℃試料(炭化試料48)、炭化温度900℃試料(炭化試料49)を試作した。また、窒素雰囲気下、室温から5℃/分で昇温し、二酸化炭素/窒素(=1/1)混合ガスの雰囲気下、所定の温度で1時間保持することにより、賦活温度700℃(賦活試料50)、賦活温度800℃(賦活試料51)を試作した。
【0069】
また、カラムに充填した強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学製:PA312L)に0.5mol/lのタングステン酸ナトリウム水溶液を通液し、交換容量までタングステン酸イオンを吸着させ、イオン交換し、110℃で12時間乾燥させた後、窒素雰囲気下、室温から所定の温度まで5℃/分で昇温し、該温度で3時間保持することにより炭化温度600℃試料(炭化試料52)、炭化温度800℃試料(炭化試料53)、炭化温度900℃試料(炭化試料54)を試作した。
【0070】
また、カラムに充填したアミノリン酸基型キレート樹脂(住友化学工業製:C−467)に1.0mol/lの硝酸銅水溶液を通液し、交換容量まで銅イオンを吸着させ、イオン交換し、110℃で12時間乾燥させた後、窒素雰囲気下、室温から所定の温度まで5℃/分で昇温し、該温度で3時間保持することにより炭化温度600℃試料(炭化試料55)、炭化温度800℃試料(炭化試料56)、炭化温度900℃試料(炭化試料57)を試作した。
【0071】
同様に、カラムに充填したアミノリン酸基型キレート樹脂(住友化学工業製:C−467)に1.0mol/lの塩化チタン水溶液を通液し、交換容量までチタンイオンを吸着させ、イオン交換し、110℃で12時間乾燥させた後、窒素雰囲気下、室温から所定の温度まで5℃/分で昇温し、該温度で3時間保持することにより炭化温度600℃試料(炭化試料58)、炭化温度800℃試料(炭化試料59)、炭化温度900℃試料(炭化試料60)を試作した。
【0072】
試作した試料の製造条件と、X線回折の同定物、比表面積、細孔径分布、細孔容積等の諸性質を表6に、また、細孔径分布の一例を図2〜5に示す。また、X線回折パターンの一例を図6に示す。
【0073】
【表6】
Figure 0003709267
【0074】
表6より、添加する金属種が異なる場合でも、炭化温度が650℃より低い炭化試料45、炭化試料46、炭化試料52、炭化試料55、炭化試料58では、細孔径分布の極大値がそれぞれ0.8nm以下のミクロポア側にあり、メソポア側に細孔径分布の極大値はなかった。これは、炭化温度が低いため、メソポア領域の細孔形成が進まなかったのが原因と推測される。また、炭化試料47、炭化試料48、炭化試料49、炭化試料53、炭化試料54、炭化試料56、炭化試料57、炭化試料59、炭化試料60、賦活試料50、賦活試料51のように、700℃以上の炭化温度および賦活温度で、細孔径分布の極大値が直径4nm付近に形成され、また、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の細孔容積が大きくなり、特異的な細孔径分布が形成されていることが分かる。また、図6より、X線回折の同定物の解析結果で、700℃以上の炭化処理を行った炭化試料47、炭化試料49において、ニッケルのピークの他に、2θ=26°付近にグラファイトの結晶ピークが観察された。これは、これらの試料が部分的に黒鉛化したメソポアカーボンであることを示す。一般に、炭化物が黒鉛化するには1500℃〜2000℃の高温が必要とされるが、本発明では、700℃程度の低温炭化でも一部黒鉛化することが判明し、新規な炭素材料となり得ることが示唆される。また、炭化試料56、炭化試料57では、キレート樹脂のリン成分と銅が結合したリン化銅の生成が認められた。
【0075】
比較例2
セルロース系繊維に、リン酸アンモニウムを10重量%含浸させ乾燥した後、窒素ガス雰囲気下、室温から900℃まで30℃/時間で昇温し、30分保持した後冷却して炭素質繊維を得た。ついでこの炭素質繊維を水蒸気/窒素(=1/1)混合ガス雰囲気下800℃で30分保持し活性炭素繊維を得た。この活性炭素繊維の比表面積は864m2 /gであった。この活性炭素繊維を塩化ニッケル水溶液に浸し、ニッケル換算で4.4重量%および29.6重量%添着させ、乾燥後、窒素ガス雰囲気下、室温より600℃/時間の昇温速度で200℃から水蒸気を導入して850℃で60分保持し、冷却後取り出し、1規定塩酸で洗浄し水洗、乾燥して活性炭素繊維を原料とする比較試料61、比較試料62を得た。これらの比較試料の細孔径分布を図7に、細孔容積、比表面積、X線回折による同定物を表7に示す。
【0076】
【表7】
Figure 0003709267
【0077】
表7より、活性炭素繊維を原料とする比較試料61、比較試料62では、Ni共存化で熱処理を行っても、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有せず、また、図7より、シャープな細孔径分布は認められず、ブロードな細孔径分布となった。
【0078】
(フミン酸の吸着特性)
試験例1
フミン酸(和光純薬、試験化学用)0.8gに0.1規定NaOH50mlを加え、還流冷却しながら、沸騰水浴中で3時間加熱後、冷却する。その後希塩酸でpH=7.0まで中和し、蒸留水を加え100mlにし、遠心分離した上澄液を分取し、目開き0.22μmのメンブランフィルターで吸引濾過する。濾液を蒸留水で100倍に希釈し、フミン酸試験液としλ=270nmの紫外部吸光度E270 を測定したところ、吸光度はE270 =1.7であった。50mlのフミン酸試験液に、微粉砕して目開き45μmの篩を通過した0.05〜0.2gの一定量の試料を加え、室温で3時間振とうし吸着処理した後、目開き0.45μmのメンブランフィルターで吸引濾過する。濾液のλ=270nmの紫外部吸光度を測定する。紫外部吸光度の吸着前後の差に液量を乗じ、加えた活性炭量で除した値をフミン酸吸着量とする。
【0079】
実施例5の炭化試料49、賦活試料51および比較試料62をそれぞれ1N塩酸で洗浄後、水洗し、乾燥した試料について、上記の方法によって求めたフミン酸吸着等温線を図8に示す。図8より、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有する炭化試料49、賦活試料51は、フミン酸に対し、ともに高い吸着性能を示したのに対し、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を持たない比較試料62は、低い吸着性能であった。この結果より、細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有する本発明のメソポアカーボンは、フミン酸の分子サイズに適応した細孔分布を有するため、フミン酸を効率的に吸着除去できることが分かる。
【0080】
(ベンゼンの液相酸化反応)
試験例2
イオン交換樹脂を原料として試作した炭化試料48、炭化試料56、炭化試料59を粒径が180〜355μmとなるように粒径調整し、試料0.5gを反応触媒として、100mlの四つ口フラスコに、ベンゼン10ml、酢酸40mlとともに加え、マグネティックスターラーで攪拌しながら、40℃で酸素をバブリングすることによって反応させた。また、反応生成物を、水素をバブリングすることによって還元し、生成するフェノール量をガスクロマトグラフィーで分析することによって求め、ベンゼンの液相酸化反応を行なった。また、同様の操作を粉砕した比較試料62を用いて行った。その結果を表8に示す。
【0081】
【表8】
Figure 0003709267
【0082】
表8より、炭化試料48、炭化試料56、炭化試料59では、ベンゼンの液相酸化によりフェノールの生成が認められた。また、比較試料62では、本実験でのベンゼンの液相酸化反応への活性が認められなかったことから、本発明のメソポアカーボンは、効果的な触媒活性を有することが分かる。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における炭化試料1、炭化試料2、炭化試料3、炭化試料6の細孔径分布を示すグラフである。
【図2】本発明における炭化試料45の細孔径分布を示すグラフである。
【図3】本発明における炭化試料46の細孔径分布を示すグラフである。
【図4】本発明における炭化試料47の細孔径分布を示すグラフである。
【図5】本発明における炭化試料49の細孔径分布を示すグラフである。
【図6】本発明における炭化試料45、炭化試料46、炭化試料47、炭化試料49のX線回折パターンを示すグラフである。
【図7】本発明における比較試料61、比較試料62の細孔径分布を示すグラフである。
【図8】本発明のメソポアカーボン炭化試料49、賦活試料51のフミン酸溶液吸着等温線を比較試料62とともに示すグラフである。

Claims (10)

  1. 細孔直径X±αnm(3.0≦X<10、α=1.0:該細孔直径の分布範囲とする。)の範囲に細孔径分布の極大値を有し、該範囲の細孔容積が0.010〜0.50cm3/gで、かつ、該細孔容積が細孔直径2.0〜50nmの範囲の全メソポア容積の15%以上を占めることを特徴とするメソポアカーボン。
  2. Cu−Kα線によるX線回折パターンで2θ=26°近傍に黒鉛結晶(002)面に由来する回折ピークを有することを特徴とする請求項1記載のメソポアカーボン。
  3. 難黒鉛化性炭素の一部が黒鉛化したものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のメソポアカーボン。
  4. 炭素含有率が80wt%以上、窒素含有率が1wt%未満である請求項1〜3のいずれかに記載のメソポアカーボン。
  5. 遷移金属のいずれか一種、または遷移金属いずれか一種の化合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のメソポアカーボン。
  6. 炭素材または炭素材前駆物質に、遷移金属のいずれか一種、または該遷移金属のいずれか一種の化合物を、遷移金属換算で0.5〜50重量部添加した後、650℃以上の温度で、非酸化性雰囲気下で炭化または弱酸化性雰囲気下で賦活することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のメソポアカーボンの製造方法。
  7. 炭素材がヤシ殻、コークス、木炭、樹脂炭化物、または炭素材前駆物質がヤシ殻、石炭、木材、樹脂、または炭素材がフェノール樹脂炭化物、または炭素材前駆物質がフェノール樹脂、または炭素材前駆物質がイオン交換樹脂である請求項6記載のメソポアカーボンの製造方法。
  8. 炭素材または炭素材前駆物質100重量部に対して遷移金属のいずれか一種、または遷移金属のいずれか一種の化合物を遷移金属のいずれか一種換算で0.5〜50重量部添加することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のメソポアカーボンの製造方法。
  9. 遷移金属のいずれか一種、または遷移金属のいずれか一種の化合物が、金属粉末あるいは硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、りん酸塩、臭化物、塩化物、りん化物、酸化物、水酸化物のいずれかのうち一種あるいは二種以上の物質である請求項6〜8のいずれかに記載のメソポアカーボンの製造方法。
  10. 非酸化性雰囲気が窒素、ヘリウム、アルゴン、水素または一酸化炭素を気体として含有してなるものである請求項6〜9のいずれかに記載メソポアカーボンの製造方法。
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