JP3059352B2 - 吸水性多孔シート - Google Patents

吸水性多孔シート

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JP3059352B2 JP7008853A JP885395A JP3059352B2 JP 3059352 B2 JP3059352 B2 JP 3059352B2 JP 7008853 A JP7008853 A JP 7008853A JP 885395 A JP885395 A JP 885395A JP 3059352 B2 JP3059352 B2 JP 3059352B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性、力学的特性に
優れている上に、特に大気からの悪臭の吸着が少ないこ
とにより、臭気発生が少なく、調湿板、加湿器の保水
材、水蒸散板、結露防止板等として好適に利用できる吸
水性多孔シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、調湿板、加湿器の保水材、水蒸散
板、結露防止板等としては、ポリエステル繊維等の有機
合成繊維あるいはガラス繊維等の無機繊維よりなる基材
に、シリカゲル、アルミナゲル、あるいは珪酸系、アル
ミナ系等の活性土壌等の吸着剤を付着して一体化させ、
親水性を高めた多孔性シートが用いられている。例え
ば、特開平1−283129号公報には、繊維とバイン
ダー樹脂とから得られる複合シートに特定の微粒子を添
着することによって得られる親水性、力学的特性に優れ
た多孔性複合シート及びその製造法が開示されている。
【0003】しかしながら、上記のような広く普及して
いる多孔性シートは、基材により形体保持をさせ、吸着
剤により吸水性を保有させているものであり、付着する
臭気物質にまで着目して、吸着剤の付着量を考慮したも
のはなかった。さらには、最近では調湿板、加湿器の保
水材、水蒸散板、結露防止板等から発生する臭いが問題
とされ、その原因は吸着剤の付着量に起因するものと考
えられる。本発明者らは、調湿板、加湿器の保水材、水
蒸散板、結露防止板等における悪臭のメカニズムを以下
のごとく考察している。
【0004】すなわち、調湿板、加湿器の保水材、水蒸
散板、結露防止板等の吸水性多孔シートに用いられてい
る吸着剤としてはシリカゲル、アルミナゲル、あるいは
珪酸系またはアルミナ系等の活性土壌等であり、これら
は、いずれも比表面積の高い多孔質物質で、表面は水酸
基等の活性基で覆われている。これに水が水素結合によ
り強い親和力で吸着する。一方、例えば煙草臭、トイレ
タリー臭等の悪臭物質は比較的弱いファンデルワールス
力により吸着する。しかるに大気中の悪臭成分を取り込
んだ多孔性シートに水が供給されると水の方が悪臭物質
よりも親和性が強いため、悪臭物質が多孔性シートから
脱着してしまい、雰囲気下に悪臭が飛散して不快に感ず
るようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、吸水性、力学的特性に優れている上に、特に大気か
らの悪臭の吸着が少なく、臭気発生の問題を解決するこ
とができて、調湿板、加湿器の保水材、水蒸散板、結露
防止板等として好適に利用できる吸水性多孔シートの提
供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するめに鋭意研究の結果、吸水性多孔シー
トの吸水性を持たせている吸着剤の付着量を比表面積
(m2 /g)と付着量(g/m3 )の積が2.5×10
6 (m2 /m3 )以下となるように調節することによ
り、上記問題を解決することができるという事実を見出
し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、多孔性基材に
吸着剤が付着してなる吸水性多孔シートであって、この
吸水性多孔シートの一方の面から他の面に貫通する連続
気孔を有していて、さらに気孔率が40〜90%、吸水
率が40%以上、水滴吸収性が3秒以内、曲げ強度が3
0kg/cm2 以上であり、吸着剤の付着量は吸着剤の
比表面積(m2 /g)と付着量(g/m3 )との積が
2.5×106 (m2 /m3 )以下であることを特徴と
する吸水性多孔シートである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
吸水性多孔シートとは、調湿板、加湿器の保水材、水蒸
散板、結露防止板等に使用される吸水媒体のことであ
り、吸水性多孔シートは、外部からの水の供給や大気中
の水蒸気等の接触により水を保持し、自然放置や熱風の
供給により気化するという、乾湿が繰り返し行えるもの
である。
【0009】また、本発明の吸水性多孔シートは、一方
の面から他の面に貫通する多数の連続気孔を有してお
り、また、気孔率が40〜90%である。気孔率が40
%未満であると、十分な吸水量を得ることができない。
また、気孔率が90%以上であるとシートの腰がなくな
り、曲げ強度等の十分な力学的特性が得られない。本発
明における気孔率は全容積に対する非貫通性あるいは貫
通性の気孔の容積比率を百分率で表したものであり、か
かる気孔率は具体的には次のようにして測定される。す
なわち、まずシートの乾燥重量W(g)と体積V(cm
3 )を測定する。次にシートを粉末状にしてシートの真
密度ρ(g/cm3 )を測定し、気孔率を次式により算
出する。
【0010】
【数1】
【0011】また、本発明の吸水性多孔シートは、構成
素材の間隙に形成された通常の非貫通性の気孔を多数に
含有するが、それ以外にシートの一方の面から他方の面
に貫通する連続気孔も多数有する。かかる連続気孔はシ
ートを構成する繊維の空隙をぬって折れ曲がり、一方の
面から他方の面に貫通しているもの、一方の面から他方
の面に直線的に貫通しているもの等多様な形態のものが
挙げられる。本発明において連続気孔の存在の有無は便
宜上次のようにして判断する。まずシートから直径10
mmの円板を切り抜き、この円板に1Nl/minの割
合で空気を流した場合に圧力損失が1000mmH2
/mm以下の場合に連続気孔を有すると判断する。但
し、圧力損失の単位:mmH2 O/mmの分母のmmは
シートの厚さである。上記圧力損失はシートの貫通性の
程度を表すものである。本発明のシートにおいては、特
に上記圧力損失が500mmH2 O/mm以下であるこ
とが好ましい。
【0012】また、本発明の吸水性多孔シートは、その
用途が調湿板、加湿器の保水材、水蒸散板、結露防止板
等であるため、吸水率が40%以上であり、水滴吸収性
が3秒以内、曲げ強度が30kg/cm2 以上でなくて
はならない。吸水率が40%未満では水の保持量が少な
すぎて問題であり、水滴吸収性が3秒を超えるようでは
水の吸水力が劣り問題であり、曲げ強度が30kg/c
2 未満では吸水性多孔シートの形態維持性に問題が生
じる。さらに、吸水率の好ましい範囲は60〜90%で
あり、より好ましくは65〜80%である。曲げ強度は
30k/cm2以上必要であり、強度は高いほど良い。
【0013】本発明の吸水性多孔シートは多孔性基材に
吸着剤が付着してなるものであって、多孔性基材として
は、従来公知の有機繊維、無機繊維あるいは有機繊維と
無機繊維との複合繊維を主材として構成されている。有
機合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリオレフィン繊維等が挙げられ、中でもポリエス
テル繊維が好ましく用いられる。無機繊維としては、ガ
ラス繊維等が挙げられる。これらの形態は長繊維または
短繊維からなる不織布、織物、編み物等シート状であれ
ばいずれの形態でもよい。また、前記繊維体の繊維密
度、繊維径すなわち繊度は特に限定することなく、いず
れのものでもよい。
【0014】本発明における多孔性基材は、特にシート
の剛性、耐久性等を重視する用途の場合には、シートを
強化するための強化用の樹脂として、熱硬化性樹脂や熱
可塑性樹脂を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂と
しては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等
が挙げられ、特に、150℃以下の温度で熱流動性を示
すフェノール樹脂が挙げられ、かかる熱流動性のフェノ
ール樹脂とはJIS−K−6911〔成形材料(円板式
流れ)〕に基づく伸びが3〜15cmのものをいう。熱
流動性を有するフェノール樹脂の使用形態は粉粒体状で
あるものが好ましく、かかるフェノール樹脂としてはフ
ェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られる熱硬
化性のフェノール・アルデヒド樹脂、フェノール類とア
ルデヒド類と含窒素化合物とを反応させて得られる熱硬
化性の含窒素フェノール・アルデヒド樹脂等が挙げられ
る。また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹
脂等が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる吸着剤としてはシリカ
ゲル、アルミナゲル、あるいは珪酸系またはアルミナ系
等の活性土壌等が挙げられ、8〜20Åのミクロポア、
20〜500Åのメソポア、500Å以上であるマクロ
ポアを有する多孔性物質であり、かつ、吸着性に優れる
ものである。これらは天然品、人工品のどちらであって
もよい。シリカゲルとは珪酸のゲルでSiO2 ・nH2
O(nは水和物量を示す。)の構造式で示される。アル
ミナゲルとは酸化アルミニウムのゲルでAl2 3 ・n
2 O(nは水和物量を示す。)の構造式で示される。
珪酸系、アルミナ系等の活性土壌としては一般的に粘土
鉱物とされるものであり、珪素、アルミニウム、カリウ
ム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等で構成さ
れ、水和物を含み、主成分として酸化珪素を含む物質
で、例えばアロフェン、カオリナイト、モンモリロナイ
ト、ハロイサイト、セピオライト、パリゴルスカイト、
ベーマイト等が挙げられ、天然に産出される天然品の
他、合成ゼオライト等のように人工品であるものも含ま
れる。
【0016】また、これら吸着剤の形状は球状、多面体
状等で特に限定されない。形態も破砕品、成形品、球状
品等特に限定されない。さらに、粒径としては100μ
m以下のもの、好ましくは5μm以下のもの、さらに好
ましくは0.5μm以下のものを用いる。粒径が100
μmより大きいと、吸着剤が多孔性基材表面(孔内も含
む)に均一に付着することができない。すなわち、吸着
剤が基材表面に点在することとなり、しかる場合には、
多孔性基材に吸水しない部分が生じる。これを確認する
には例えば次のようにして確認できる。
【0017】すなわち、吸水性多孔シート上の10箇所
を適当に選び、100mm上方から水を0.5μl滴下
し、水が完全に吸水するまでの時間を測定し、これを水
滴吸収性とし、10箇所の水滴吸収性の最小値と最大値
の差が5秒以上をもってシートに吸水しない部分がある
と判断する方法、あるいは、吸水性多孔シート表面にカ
ーボンを厚さ10nm程度となるように真空蒸着させ、
日本電子社製JXA−8621形WD/EDコンバイン
マイクロアナライザ−にて珪素元素あるいはアルミニウ
ム元素の面分析(元素マッピング)を実施すれば、繊維
表面に珪素あるいはアルミニウムの付着状態、すなわち
吸着剤の付着状態が確認され、繊維表面で珪素あるいは
アルミニウムが検出されない部分があれば付着ムラがあ
り、シート全体に吸着剤が行き渡っていないと判断する
方法等である。
【0018】吸着剤の付着量としては、吸着剤の比表面
積(m2 /g)と付着量(g/m)の積が2.5×1
(m2 /m3 )以下となるように調節する。この
際1.1×106 (m2 /m3 )以下が好ましく、さら
に好ましくは0.35×106(m2 /m3 )以下、よ
りさらに好ましくは0.18×106 (m2 /m3 )以
下である。比表面積と付着量の積が2.5×106 (m
2 /m3 )より大きくなると臭気物質の取り込み量が多
くなり、目的とする吸水性多孔シートの臭気の抑制がな
されない。吸着剤の比表面積は特に制限されるものでな
く、上述の吸着剤の比表面積と付着量の積が2.5×1
6 (m2 /m3 )以下を満足する値であればよい。比
表面積と付着量の積があまり小さい場合には付着量が少
なくなって水の取り込み量が少なくなるので、付着量は
少なくとも0.1×103 (g/cm3 )であることが
好ましい。
【0019】本発明の吸水性多孔シートを製造する方法
としては、有機繊維及び/又は無機繊維と吸着剤を一括
して乾式あるいは湿式にて抄造する方法、あるいは、あ
らかじめ有機繊維及び/又は無機繊維と強化用の樹脂か
ら多孔性基材を作製しておいて、これに吸着剤を含浸あ
るいはコーティングする方法等があげられる。以上のよ
うにして、臭気発生が少なく、吸水性、力学的特性に優
れた吸水性多孔シートを得ることができる。
【0020】なお、本発明における特性値は次のように
して求めた。 (1)吸水率:吸水性多孔シートの乾燥重量W1 (g)
を測定し、次に、シートを水に十分に浸漬した後、水中
から引き上げて雫を切り、濡れた状態における重量W2
(g)を測定し、次式により求めた。
【0021】
【数2】
【0022】(2)水滴吸収性:シートの吸水所要時間
を表す値であり、具体的にはマイクロピペットで水50
μlを計り取り、100mm上方からシートに水を滴下
させて、水がシートに完全に吸収されるのに要する時間
を測定し、この操作をシートの10点について実施し、
この平均値をいう。この値が小さい程吸水性が良好であ
る。 (3)曲げ強度:JIS−K−7203〔硬質プラスチ
ックの曲げ試験方法〕に基づいて測定した。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、臭気の評価は次のようにして行った。 臭気の評価:300m3 の室内中で1日約100本の喫
煙を実施し、吸水性多孔シートの暴露放置を7日間行っ
た。その後、悪臭の全く感じられない空間に置いてシー
ト上に水約1mlを滴下し、水滴下部から発せられる臭
気を臭覚に障害のない10人をモニターに選び官能検査
を実施した。官能検査の判定基準は、1;臭いを感じな
い、2;やや臭う、3;臭う、4;臭いがきつい、5;
極めて臭いがきつい、として10人の平均値をとった。
この評価結果は評価2以下であると概ね使用するにさし
つかえない数値である。
【0024】実施例1 繊度10デニール、繊維長51mmのポリエチレンテレ
フタレート短繊維80重量部、繊度4デニール、繊維長
51mmのポリエチレンテレフタレート/イソフタレー
ト共重合体短繊維20重量部からなる混繊不織布(目付
700g/m2)を、加熱プレス成形機にて180℃、
1kg/cm2 で5分間加熱加圧し、厚さ2mmの部分
融着した短繊維不織布20×20cm2 (シートA)を
調製した。他方、粒径0.1μm、比表面積250m2
/gのシリカゲル微粒子200gを水1リットル中に分
散させて分散液Aを調製し、これをシートAに含浸し
て、絞りローラで分散液Aを絞った後、60℃乾燥機中
で12時間乾燥して、吸水性多孔シートAを得た。この
吸水性多孔シートAのシリカゲルの付着量は1.5×1
3 g/m3 であった。
【0025】実施例2 繊度10デニール、繊維長51mmのポリエチレンテレ
フタレート短繊維よりなる不織布(目付500g/
2 )20×20cm2 に、フェノール樹脂(ユニチカ
社製ユニベックス樹脂UA−30、平均粒径25μm、
熱流動性50mm)の水分散液(200g/l)を含浸
し、絞りローラでこの分散液を絞った後、100℃で2
0分間乾燥し、未硬化のフェノール樹脂が付着している
ポリエチレンテレフタレート不織布を得た。この際のフ
ェノール樹脂の付着量は40重量%であった。これを1
80℃に余熱したプレス成形機を用いて1kg/cm2
で5分間加熱加圧して、フェノール樹脂を硬化させて厚
さ2mmのシートBを得た。さらに、シートBに実施例
1で調製した分散液Aを含浸し、絞りローラで分散液A
を絞った後、60℃乾燥機中で12時間乾燥し吸水性多
孔シートBを得た。この吸水性多孔シートBのシリカゲ
ルの付着量は1.5×103 g/m3 であった。
【0026】実施例3 実施例2と同様にしてシリカゲルの付着量が5×103
g/m3 である吸水性多孔シートCを得た。
【0027】実施例4 実施例2と同様にしてシリカゲルの付着量が0.65×
103 g/m3 である吸水性多孔シートDを得た。
【0028】実施例5 実施例2で得たシートBに粒径0.2μm、比表面積2
40m2 /gのアルミナ微粒子を水中に分散させた分散
液B(200g/l)を含浸し、絞りローラで分散液B
を絞った後、60℃乾燥機中で12時間乾燥した。この
際のアルミナのシートBへの付着量は1.5×103
/m3 であった。こうして吸水性多孔シートEを得た。
【0029】実施例6 実施例2で得たシートBに粒径0.05μm、比表面積
250m2 /gのシリカゲル微粒子を水中に分散させた
分散液C(200g/l)を含浸し、絞りローラで分散
液Cを絞った後、60℃乾燥機中で12時間乾燥して、
吸水性多孔シートFを得た。この吸水性多孔シートFの
シリカゲルの付着量は0.25×103g/m3 であっ
た。
【0030】実施例7 実施例2で得たシートBに粒径10μm、比表面積25
2 /gのカオリナイト微粒子を水中に分散させた分散
液D(200g/l)を含浸し、絞りローラで分散液D
を絞った後、60℃乾燥機中で12時間乾燥して吸水性
多孔シートGを得た。この吸水性多孔シートGのカオリ
ナイトの付着量は15×103 g/m3であった。
【0031】実施例8 実施例7と同様にしてカオリナイトの付着量が50×1
3 g/m3 である吸水性多孔シートHを得た。
【0032】比較例1 実施例2と同様にしてシリカゲルの付着量が12.5×
103 g/m3 である吸水性多孔シートIを得た。
【0033】比較例2 実施例2で使用した未硬化のフェノール樹脂が付着した
ポリエチレンテレフタレート不織布を180℃に余熱し
たプレス成形機を用いて、10kg/cm2 で5分間加
熱加圧して、フェノール樹脂を硬化させて厚さ0.8m
m、気孔率35%のシートJを得た。さらにはシートJ
に分散液Aを含浸し、絞りローラで分散液Aを絞った
後、60℃乾燥機中で12時間乾燥した。この際のシリ
カゲルのシートJへの付着量は1.5×103 g/m3
であった。こうして吸水性多孔シートJを得た。
【0034】比較例3 実施例2で使用した未硬化のフェノール樹脂が付着した
ポリエチレンテレフタレート不織布を180℃に余熱し
たプレス成形機を用いて、0.2kg/cm2で5分間
加熱加圧して、フェノール樹脂を硬化させて厚さ5.0
mm、気孔率93%のシートKを得た。さらにはシート
Kに分散液Aを含浸し、絞りローラで分散液Aを絞った
後、60℃乾燥機中で12時間乾燥して吸水性多孔シー
トKを得た。この吸水性多孔シートKのシリカゲルの付
着量は1.5×103 g/m3 であった。
【0035】比較例4 実施例2で得たシートBに粒径120μm、比表面積2
40m2 /gのシリカゲル微粒子を水中に分散させた分
散液E(200g/l)を含浸し、絞りローラで分散液
Eを絞った後、60℃乾燥機中で12時間乾燥した。こ
の際のシリカゲルのシートBへの付着量は5×103
/m3 であった。こうして吸水性多孔シートLを得た。
【0036】比較例5 比較例5と同様にして粒径120μm、比表面積240
2 /gのシリカゲルの付着量が15×103 g/m3
である吸水性多孔シートMを得た。上記実施例1〜8及
び比較例1〜5にて得られた吸水性多孔シートA〜Mに
ついて吸水率、水滴吸収性、曲げ強度及び臭気を測定し
た。その結果を表1にまとめて示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、粒径0.1μ
m、比表面積250m2 /gのシリカゲルを吸着剤とし
た吸水性多孔シートB、Iに着目すると比表面積と付着
量の積が3.13×106 2 /m3 である吸水性多孔
シートIは水滴吸収性、曲げ強度においては優れるが、
臭気の点で問題がある。また、吸水性多孔シートBと同
一のシリカゲルを使用した吸水性多孔シートJにおいて
は気孔率が35%であり、曲げ強度と臭気においては優
れるものの、水滴吸収性すなわち吸水性に問題がある。
また、同様に吸水性多孔シートKにおいては気孔率が9
3%であり、水滴吸収性と臭気には優れるものの、曲げ
強度が低く、力学的特性に問題がある。さらには粒径1
20μm、比表面積250m2 /gのシリカゲルを吸着
剤とした吸水性多孔シートLはシリカゲルの付着量は5
×103 g/m3 であり、臭気の点では問題ないが、水
滴吸収性で問題がある。また、Lと同様のシリカゲルを
使用して付着量が15×103 g/m3 である吸水性多
孔シートMにおいては水滴吸収性では問題ないが、臭気
においては問題である。それに対して実施例の吸水性多
孔シートA、B、C、D、E、F、G、Hはいずれも上
記したような吸水性、力学的特性、及び臭気に関して問
題はなく、優れた吸水性多孔シートとしての特性を備え
ていることが明らかである。
【0039】
【発明の効果】以上のように構成されているので、本発
明の吸水性多孔シートは、臭気発生が少なく、吸水性、
力学的特性に優れているので、調湿板、加湿器の保水
材、水蒸散板、結露防止板等として好適に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/04 B29C 70/06 C08J 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性基材に吸着剤が付着してなる吸水
    性多孔シートであって、この吸水性多孔シートの一方の
    面から他の面に貫通する連続気孔を有していて、さらに
    気孔率が40〜90%、吸水率が40%以上、水滴吸収
    性が3秒以内、曲げ強度が30kg/cm2 以上であ
    り、吸着剤の付着量は吸着剤の比表面積(m2 /g)と
    付着量(g/m3 )との積が2.5×106 (m2 /m
    3 )以下であることを特徴とする吸水性多孔シート。
  2. 【請求項2】 多孔性基材が繊維から構成されている請
    求項1記載の吸水性多孔シート。
  3. 【請求項3】 多孔性基材が繊維と強化用樹脂とから構
    成されている請求項1記載の吸水性多孔シート。
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