JP2789427B2 - 加湿器用素材 - Google Patents

加湿器用素材

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JP2789427B2 JP6177739A JP17773994A JP2789427B2 JP 2789427 B2 JP2789427 B2 JP 2789427B2 JP 6177739 A JP6177739 A JP 6177739A JP 17773994 A JP17773994 A JP 17773994A JP 2789427 B2 JP2789427 B2 JP 2789427B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は悪臭の生じない加湿器用
素材に係り,より詳しくは,実公平6-8420号公報に提案
された加湿器の多孔ブロック体を構成する素材の改善に
関する。
【0002】
【従来の技術】実公平6-8420号公報に記載された加湿器
は,無機多孔質材料からなる第一の短冊状波板と,無機
多孔質材料からなる第二の短冊状波板とを,波の稜線が
通気方向と所定の関係を有するように交互に重ね合わせ
ることによって,厚みが該板の幅, 高さが該板の長さ,
横方向の長さが該板の重ね合わせ数で定まる長さを有し
た多孔ブロック体に形成し,この多孔ブロック体をフレ
ーム枠で固定して多孔ブロック体ユニットに構成し,こ
のユニットの上面に水を供給してユニット内に落水させ
ながら該ユニットの厚み方向に空気を通過させるように
したものである。
【0003】この加湿器は,多孔ブロック体の上方から
供給された水がブロック体内で滞留することなく各波板
の全表面に一過性に流れ,また通流する空気と水が効率
よく接触し且つ水滴を発生することなく空気のもつ顕熱
に応じて空気側に湿分を移動できるので,またこの加湿
と同時に空気中の塵埃や菌,海塩粒子などの捕集機能も
備えるので,空調器例えば外調機に組み込むことによっ
て,空気の加湿と浄化が良好に行えるという優れた効果
を奏する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の加湿器の機能
は,適度な含水性があり且つ熱的にも化学的にも安定な
無機多孔質材料を用いることによって十分に発揮できる
ものである。この無機多孔質材料からなる短冊状波板
(本明細書ではこれを「加湿器用素材」と呼ぶ)は,該
公報に記載されているように各種の無機繊維を原料とし
たペーパー(紙)を波板にコルゲート加工することによ
って製作できる。
【0005】ところが,この加湿器用素材が適切でない
と,加湿器の運転開始時点に悪臭を発生する場合がある
ことがわかった。すなわち,加湿器の運転を開始しよう
として該素材に給水すると,この給水が始まった時点で
悪臭をもつ空気が発生するのである。とくに休日等で稼
動が停止したあと再稼動した場合に悪臭が発生する傾向
がある。したがって,該加湿器を外調機や空調器に設置
した建物では,空調の運転始期(業務開始時)に悪臭の
ある空気が建物内や部屋に供給され,空調環境を悪化さ
せる原因となる。
【0006】本発明は,この問題の解決を目的としたも
のであり,悪臭を発生させない該加湿器用素材を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は,実公平6-84
20号公報に記載した加湿器を開発以来も,前記目的のも
のとに種々の試験研究を続けたが,アルミナ質繊維から
なるペーパー品にアルミナゾルを含浸させたうえでコル
ゲート板に成形し,この形成品を焼結したものは,該加
湿器用素材として用いても悪臭を発生させないことを見
いだした。
【0008】したがって,本発明によれば,アルミナ質
繊維からなるペーパー品にアルミナゾルを含浸させたう
えでコルゲート板に成形し,この形成品を焼結してなる
悪臭の発生しない加湿器用素材を提供する。また,アル
ミナゾルに加えて無機抗菌剤の微粉を含浸させておくこ
ともできる。
【0009】
【作用】アルミナ質繊維からなるシート状のペーパー
(紙製品)を波型形状を保持した加湿器用素材とするに
は,波型成形品を焼結処理することが必要であるが,焼
結処理に供する波型成形品を製作する段階で,該ペーパ
ーにアルミナゾルを含浸させておくと,成形を良好に行
なうことができ,加えて,その焼結品を加湿器用素材と
して使用した場合に,前記のような悪臭の発生が生じな
い。
【0010】ところが,同じアルミナ質繊維からなるシ
ート状のペーパーにコロイダルシリカ(シリカゾル)を
含浸させたものは,該シートの波型への成形性と焼結性
は改善されるものの,この焼結品を加湿器用素材に使用
すると稼動初期に悪臭を発生させる。
【0011】本発明で使用できるアルミナ質繊維からな
るペーパーは,必ずしも純粋なアルミナ繊維だけからな
るものでなくてもよく,繊維製造の段階でアルミナの融
点を下げるために添加される各種の酸化物(シリカ等)
を含有するものであってもよく,またこの繊維パルプを
シート状に抄紙する段階で各種のバインダーが添加され
るが,そのバインダーの種類は特に問わない。
【0012】重要なことは,このようなアルミナ質繊維
からなるペーパーに,アルミナゾルを含浸させて,成形
および焼結することである。アルミナゾルは,5〜20
0mμ程度のコロイドの大きさをもつ羽毛状のアルミナ
水和物重合粒子が水中の陰イオンを安定剤として分散し
ている粘性液体であるが,かようなアルミナゾルをアル
ミナ質繊維ペーパーに付着含浸させると,ペーパーが可
撓性を示して波型に成形可能となり,これを乾燥させる
と波型を維持した成形品が得られる。そのさい微粉状の
無機抗菌剤も該ペーパーに付着含浸させておくこともで
きる。
【0013】アルミナゾルの付着含浸操作は,濃度調整
したアルミナゾルを収容した槽に該ペーパーを浸漬する
方法が便宜である。この浸漬によって湿潤状態となった
ペーパーを次に波型に成形する。この成形操作は,所定
径のロッドを一定の間隔をあけて同一平面状に平行配置
したロッド群を一方の面側の型に,同じロッド群を他方
の面側の型に使用し,両方の型の間に該ペーパーを挟ん
で押圧する方法が便宜であり,脱型後には波型を保持し
た成形品が得られる。
【0014】次いで,この成形品を好ましくは130〜
150℃で予備乾燥処理したうえ,500〜800℃の
温度で焼結処理する。この焼結処理によって,波型成形
品がその形状が固定されて十分な変形抵抗を有するよう
になると共に,加湿器用素材に使用されたさいに,悪臭
を発生しない素材となる。
【0015】このようにして得られた本発明の素材が加
湿器用素材として使用されたさいになぜ悪臭を発生させ
ないのかは必ずしも明確ではない。従来品の悪臭発生時
点が加湿器の運転開始時期だけに起きる現象であること
から見ると,運転中または休止中に素材中に侵入した悪
臭成分が運転開始時の水の補給によって素材内から外部
に押し出されるのではないかと推察される。この点から
見ると,本発明素材は悪臭成分を吸着はしても,その吸
着力が強くて水の補給によっては外部に放出されないよ
うな性質を有するか,或いは空気中に放置しておいて
も,また加湿操作を行っても,もともと悪臭成分(有機
物)を吸着しない性質を有するのではないかとも考えら
れる。また長期にわたって加湿器用素材に使用しても悪
臭を発生させないことから考えると,悪臭成分を水に洗
い流してしまう性質があるのかも知れない。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕厚み1.0mm,幅50mm,長さ650
mmのアルミナ質繊維からなる板紙(日本板ガラス株式
会社製の商品名ペーパLS)を,日産化学株式会社製の
アルミナゾル(商品アルミナゾル−100)を濃度調整
して(該アルミナゾルと水を1:1で混合して)収容し
た槽内に浸漬することにより,該ゾルを板紙に付着含浸
させた。このアルミナゾルは安定剤として塩酸を使用
し,平均粒子径100mμ×10mμの羽毛状粒子が水
中に懸濁した粘性液である。この羽毛状の粒子の板紙に
対する付着率は平均85.3重量%であった。この付着
率は,アルミナゾルの付着前のペーパー重量と付着後1
40℃×50分乾燥後の重量を多数のサンプルについて
計測して算出したものであるが,付着率のバラツキは極
めて小さく85.3±0.4内に再現性よく収まった。
【0017】このアルミナゾルを付着含浸させた板紙を
直径2mmのステンレス鋼製のロッドを段違いに平行に
並べた型で押圧し,ピッチが4mmのコルゲート板に成
形した。この成形品を140℃で50分間乾燥したあ
と,650℃に保持した焼結炉内に60分間装入して焼
結処理して,加湿器用素材を得た。これを後記の悪臭発
生試験に供した。
【0018】〔実施例2〕アルミナゾルを付着含浸させ
る工程で,無機抗菌剤の粉末(日本化学工業株式会社製
の商品名サイダップスZ)をアルミナゾルに添加するこ
とによって,アルミナゾルと該抗菌剤を板紙に付着させ
た以外は,実施例1と同じ処理を繰り返して加湿器用素
材を得た。但し,焼結温度は無機抗菌剤の性能劣化を防
止するために500℃とした。なお,使用した無機抗菌
剤は3重量%のAg2Oと13重量%のZnOを合成ゼオ
ライトに担持させた平均粒子径が2.5μmの微粒子で
あり,この無機抗菌剤の板紙に対する付着量は1〜2重
量%であった。またアルミナゾルの付着量は85.3重
量%であった。
【0019】〔比較例1〕実施例1と同じアルミナ質繊
維からなる板紙に,シリカゾルを付着含浸させ,実施例
1と同様にコルゲート成形し,乾燥し,280℃で焼結
することによって加湿器用素材を得た。シリカゾルとし
ては日産化学株式会社製のコロイダルシリカST−30
を用いた。このシリカゾルは粒子径が10〜20nmの
シリカ微粒子をNa2Oを安定剤とするアルカリ溶液に分
散させたものである。
【0020】〔比較例2〕板紙として,シリカ繊維から
なる板紙を用いた以外は,実施例1と同じアルミナゾル
を用いて,実施例1と同じ操作を繰り返して加湿器用素
材を得た。用いたシリカ繊維は日本板ガラス株式会社製
の商品であり,厚み1.0mm,幅50mm,長さ65
0mmのものであった。
【0021】〔悪臭発生試験〕実施例1〜2および比較
例1〜2の加湿器用素材をいずれも同一条件下で汚れた
空気の室内に48時間曝したあと,4名の試験員(男性
3人,女性1人)の目前でコップ内の水に該素材の一端
を浸漬し,水から引き上げた直後の臭いを,悪臭防止法
施行令に規定に準じて6段階に評価させた。この評価に
あたっては同一人に各試片について3回づつ行って妥当
値を決めた。その結果を表1に示した。また悪臭防止法
施行令の6段階法臭気強度表示法の基準を表2に示し
た。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表2の結果から,比較例1と2のものは,
強いかまたは強烈な臭いが感じられたのに対し,実施例
1と2のものはやっと感知できる程度の臭いしか発生し
ておらず,悪臭の発生がない素材であることがわかる。
【0025】〔実機試験〕実施例1と2で得られた加湿
器用素材を用いて実公平6-8420号公報に記載されたとお
りの多孔ブロックユニットを構成し,このユニットを用
いた加湿器を電子計算機室と一般オフイスに給気する空
調機に組み入れて加湿と空調を行った。業務が停止した
土曜と日曜日には加湿器の稼動を停止し,月曜日の早朝
に加湿器に給水して稼動を開始したが,室内には全く悪
臭は漂わなかった。
【0026】これに対して,比較例1で得られた加湿器
用素材で多孔ブロックユニットを構成したものを,同じ
空調機に組み入れたところ,給水を開始した月曜日の早
朝に室内に強い悪臭が漂った。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
実公平6-8420号公報に記載されたような無機多孔質素材
をエレメントする加湿器において,その運転開始時の悪
臭発生を防止することができる。しかも,本発明素材は
水に対する適度な濡れ性に加えて強度,耐熱性,化学的
安定性などの加湿器用素材に要求される諸性質を同時に
具備し,製作も容易である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ質繊維からなるペーパー品にア
    ルミナゾルを含浸させたうえでコルゲート板に成形し,
    この形成品を焼結してなる加湿器用素材。
  2. 【請求項2】 前記の成形品にはさらに無機系抗菌剤が
    含浸されている請求項1に記載の加湿器用素材。
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