JP2002166167A - 低級アルデヒド類吸着用活性炭シートとその製造方法 - Google Patents

低級アルデヒド類吸着用活性炭シートとその製造方法

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JP2002166167A
JP2002166167A JP2000365209A JP2000365209A JP2002166167A JP 2002166167 A JP2002166167 A JP 2002166167A JP 2000365209 A JP2000365209 A JP 2000365209A JP 2000365209 A JP2000365209 A JP 2000365209A JP 2002166167 A JP2002166167 A JP 2002166167A
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sheet
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acetaldehyde
fiber
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Keiichi Asami
圭一 浅見
Takashi Nogi
崇志 野木
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 たばこ臭等に含有されるアセトアルデヒド
や、シックハウス症候群の原因物質と考えられているホ
ルムアルデヒド等の低級アルデヒド類の吸着性能が優れ
た低級アルデヒド類吸着用活性炭シートとその製造方法
を提供する。 【解決手段】 アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g
(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上の活性炭と
熱融着性繊維とを主成分とするシートであって、前記活
性炭の含有量が20〜80質量%、坪量が20〜300
g/m2 、見かけ密度が0.10g/cm3 以上である
低級アルデヒド類吸着用活性炭シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たばこ臭等に含有
されるアセトアルデヒドや、シックハウス症候群の原因
物質と考えられているホルムアルデヒド等の低級アルデ
ヒド類の吸着に有用な低級アルデヒド類吸着用活性炭シ
ートとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気中に含まれる臭気を除去
し、浄化するために、活性炭の有する物理吸着作用が広
く利用されており、例えば活性炭を含有するシート材を
作製し、これを加工して空気清浄器の脱臭フィルタに利
用することが行なわれている。しかしながら、活性炭
は、アセトアルデヒド、アンモニア、硫化水素など、低
分子量で極性を持つ臭気物質に対する吸着性能が低く、
また、周囲の雰囲気によっては一旦吸着した臭気物質を
容易に再放出するという欠点を有している。
【0003】活性炭のこのような選択吸着性のため、例
えば、喫煙時に空気清浄器を作動させた場合、タバコの
刺激臭は除去されるが、甘い不快な臭いが残るという問
題があった。この甘い不快な臭いは、タバコ煙中のアセ
トアルデヒドが主原因と考えられており、活性炭単独で
は十分な脱臭効果が得られない。また、経年使用したフ
ィルタよりこのアセトアルデヒドに起因する不快臭が再
放出されるという問題もあり、これら臭気物質に対し優
れた吸着・除去性能を有する吸着フィルタの開発が望ま
れている。
【0004】この要望に答えるために、例えば特公平6
−104200号公報では、活性炭、混抄材及びバイン
ダを水に均一分散した紙料原液を調製し、抄紙して活性
炭シートを製作する工程と、芳香族アミノ酸又は芳香族
アミノ酸の塩類を溶媒に溶解して、この溶液を芳香族ア
ミノ酸又は芳香族アミノ酸の塩類の添着量が0.1 〜30質
量%の範囲となるように活性炭シートに含浸、添着する
工程と、溶液を含浸した活性炭シートを乾燥する工程と
により得られる吸着シートが提案されている。しかしな
がら、活性炭シートに含浸する工程は短時間であるた
め、活性炭の細孔内に芳香族アミノ酸などが十分に吸着
されないという欠点があり、そのため、この吸着シート
のアセトアルデヒド吸着能力は低いものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、アセトアルデヒドやホルムアルデヒド等の低
級アルデヒド類の吸着性能が優れた低級アルデヒド類吸
着用活性炭シートとその製造方法を提供することを技術
的な課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、低級アルデヒド
類吸着性能を有する活性炭と熱融着性繊維を主成分とし
たシートを湿式抄紙法で製造することにより、上記の課
題を解決できることを見出して本発明に到達した。すな
わち、本発明は、次の構成をその要旨とするものであ
る。 (1) アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g(平衡濃度
10ppmでの平衡吸着量)以上の活性炭と熱融着性繊
維とを主成分とするシートであって、前記活性炭の含有
量が20〜80質量%、坪量が20〜300g/m2
見かけ密度が0.10g/cm3 以上であることを特徴
とする低級アルデヒド類吸着用活性炭シート。 (2) 少なくともアセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g
(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上の活性炭2
0〜80質量%と熱融着性繊維とを含有する混合物の水
性スラリーを湿式抄紙法により抄紙し、次いで、前記熱
融着性繊維の融点又は軟化点以上の温度で熱処理するこ
とを特徴とする上記(1) 記載の低級アルデヒド類吸着用
活性炭シートの製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の低級アルデヒド類吸着用活性炭シート
(活性炭シート)は、活性炭と熱融着性繊維とを主成分
とするシートであるが、活性炭の形状としては、粉末
状、粒状又は繊維状のいずれでもよく、これらの1種又
は2種以上を混合して使用することができる。
【0008】粉末状又は粒状の活性炭としては、汎用さ
れているヤシガラ活性炭、石炭系、石油系及びフェノー
ル樹脂系活性炭が、繊維状の活性炭としては、セルロー
ス系、フェノール樹脂系、アクリロニトリル系、芳香族
ポリアミド系、石油ピッチ系、石炭ピッチ系など種々の
原料から得られたものを使用することができる。
【0009】また、活性炭として繊維状の活性炭(活性
炭繊維)を用いる場合、活性炭繊維の平均繊維径として
は30μm以下、特に5〜20μmが好ましい。平均繊
維径が30μmを超えると折損しやすくなり、成形加工
が難しくなりやすい。また、活性炭繊維の平均繊維長は
0.5〜50mmが望ましく、特に3〜25mmが好ま
しい。平均繊維長が0.5mmより短いとシートに十分
な強度が付与され難く、50mmを超えると水中での分
散が悪くなり、活性炭繊維と熱融着性繊維の均一性が低
下しやすい。
【0010】本発明の活性炭シートに使用される活性炭
は、アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g(平衡濃度
10ppmでの平衡吸着量)以上であることが必要であ
る。アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g(平衡濃度
10ppmでの平衡吸着量)未満になると、シートの低
級アルデヒド類吸着能力が不足する。
【0011】アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g
(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上の活性炭
は、アミノアセトアニリド、アミノ安息香酸、アミノサ
リチル酸等のアミン化合物又はアミン化合物の塩酸、硫
酸、リン酸などの酸性塩の少なくとも1種以上を浸漬法
で活性炭に担持させて得ることができる。これらの薬剤
は活性炭に物理吸着されるため、均一に添着される。
【0012】本発明の活性炭シートは、アセトアルデヒ
ドの吸着能力が20mg/g(平衡濃度10ppmでの平衡
吸着量)以上の活性炭を20〜80質量%、好ましくは
30〜70質量%含有していることが必要である。前記
活性炭の含有率が上記範囲より少ないと、活性炭シート
の低級アルデヒド類吸着性能が不足し、上記範囲より多
いと充分な強度の活性炭シートが得られない。
【0013】さらに、本発明の活性炭シートは、坪量が
20〜300g/m2 、好ましくは30〜200g/m
2 、見かけ密度が0.10g/cm3 以上、好ましくは
0.12g/cm3 以上であることが必要である。坪量
が20g/m2 未満になるとシート中の活性炭の量が少
なくなり、低級アルデヒド類吸着性能が不足する。ま
た、300g/m2 を超えると、後加工が困難になる。
さらに、見かけ密度が0.10g/cm3 未満になる
と、シート強度が非常に弱くなる。
【0014】前記したように本発明の活性炭シートは、
活性炭と熱融着性繊維とを主成分とするものであるが、
熱融着性繊維の素材としては、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等のポ
リオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスル
フィド、ポリスチレン、フッ素樹脂等のホモポリマー又
はコポリマーが挙げられ、これらを単独又は2種類以上
の混合物として使用することができる。
【0015】また、熱融着性繊維として各種の複合繊維
を使用することもできるが、中でも、低融点成分と高融
点成分とからなる熱融着性複合繊維が好ましく、特に芯
鞘構造を有し、鞘の部分が芯の部分より融点又は軟化点
が低く、加熱することにより繊維同士が融着又は軟化し
て接着するような繊維が望ましい。このような複合繊維
としては、例えば、芯部がポリプロピレンで鞘部が変性
ポリエチレンからなるポリオレフィン系、芯部がポリエ
チレンテレフタレートで鞘部が低融点ポリエステルから
なるポリエステル系等の、鞘部が芯部より融点又は軟化
点が低い芯鞘構造複合繊維が挙げられる。
【0016】熱融着性繊維の平均繊維長としては1〜5
0mmが望ましく、特に3〜25mmが好ましい。平均
繊維長が1mmより短いと、シートの強度が低下しやす
く、50mmを超えると、活性炭繊維と熱融着性繊維と
の均一混合性が低下しやすい。また、熱融着性繊維や第
3成分として用いる強化用繊維の平均繊維径は2〜10
0μm、特に5〜50μmが好ましい。平均繊維径が1
00μmを超えると、融着させても活性炭繊維を十分に
捕捉し難くなる。
【0017】また、活性炭シートを湿式抄紙法で製造す
る際に、繊維の捕捉力を向上させるための合成パルプを
含有させてもよい。合成パルプとしては、例えばポリオ
レフィン系、ポリイミド系、芳香族ポリアミド系、全芳
香族ポリエステル系等の熱可塑性合成樹脂からなるパル
プ状多分岐繊維がある。これらの合成パルプは、水中に
分散させた場合に他材料の捕捉力が非常に強力なため、
合成パルプの少量の添加で、湿式抄紙法により活性炭繊
維の含有率の高いシートを作製することができる。
【0018】合成パルプは、熱融着性繊維の融点(軟化
点)と同等又は低い融点(軟化点)のものを使用するの
が好ましい。この場合、熱融着性繊維の融点(軟化点)
以上の温度に加熱する際に、合成パルプは熱融着性繊維
よりもより溶融(軟化)状態となり、これにより活性炭
繊維と熱融着性繊維及び合成パルプが極めて強固に接着
される。なお、本発明では、示差熱分析分析計を用い、
試料を所定の昇温速度で加熱してDTA曲線を作成し、
ポリマーの融解に基づく吸熱曲線のピーク温度を求め、
この温度を融点とする。
【0019】本発明の活性炭シートは、エレクトレット
化された不織布シートを貼り合わせることで除塵効果を
付与することもでき、低級アルデヒド類の吸着と除塵性
能を兼ね合わせたフィルターとすることができる。ま
た、そのままの形状でも使用できるが、後加工性と可撓
性に優れているので、例えば波板状に成形したり、コル
ゲート加工法によってハニカムを作製するのにも好適に
使用できる。
【0020】次に、本発明の活性炭シートの製造方法に
ついて説明する。まず、アセトアルデヒドの吸着能力が
20mg/g(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上の
活性炭20〜80質量%及び熱融着性繊維と、必要に応
じて合成パルプ0.5〜15質量%とを水中で分散、混
合させて水性スラリとする。これにより、アセトアルデ
ヒドの吸着能力が20mg/g(平衡濃度10ppmでの平
衡吸着量)以上の活性炭と熱融着性繊維及び合成パルプ
とが充分に分散混合されて、各繊維と活性炭とが均一に
分散して複合化された状態となる。
【0021】アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g
(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上の活性炭と
熱融着性繊維、必要に応じて合成パルプとを水中で分
散、混合する際には、例えば結合剤を用いることができ
る。結合剤を固体成分で3質量%以下、特に1質量%以
下の量を添加させることが好ましい。結合剤としては、
例えば、結合したスルホニウム基、イソチオウロニウム
基、ピリジニウム基、第四アンモニウム基、サルフェー
ト基、スルホネート基又はカルボキシレート基を含有す
るアクリルポリマー又はスチレン・ブタジエンポリマー
のような結合した陰イオンもしくは陽イオン電荷を有す
る実質的に水に不溶な有機ポリマーからなるポリマーラ
テックスが挙げられる。
【0022】また、アセトアルデヒドの吸着能力が20
mg/g(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上の活性
炭と熱融着性繊維、必要に応じて合成パルプとを水中に
分散させて複合化する際には、澱粉、特に天然澱粉又は
コーンスターチのような線状澱粉及び陽イオン澱粉を含
む酵素的又は化学的に変性した澱粉を含めた澱粉を結合
剤として使用することもできる。
【0023】さらに、この結合剤を使用する方法では、
有機凝集剤を併用することが好ましい。適当な有機凝集
剤としては、アルミニウム・ポリクロリド(アルミニウ
ム・ヒドロオキシクロリド)、一部加水分解したポリア
クリルアミド、変性陽イオンポリアクリルアミド、ジア
リルジエチルアンモニウムクロリド等の種々の有機凝集
剤が挙げられる。この凝集剤の添加量は、活性炭シート
の約3質量%以下、好ましくは1質量%以下である。ま
た、分散性を向上させるために、例えばキサンタンガ
ム、ポリビニルアルコール等のスラリー粘度調整剤を用
いることもできる。このような増粘剤の添加量は、活性
炭シートの2質量%以下であることが好ましい。
【0024】このようにして、水中でアセトアルデヒド
の吸着能力が20mg/g(平衡濃度10ppmでの平衡吸
着量)以上の活性炭と熱融着性繊維、必要に応じて合成
パルプとを複合化した水性スラリーとした後、湿式抄紙
法により抄紙してシートを得る。すなわち、湿式抄紙機
を用いて水中の固形分をシート状となすように固液分離
してシートを形成する。これにより、活性炭と熱融着性
繊維及び合成パルプとが十分に分散混合されて、各繊維
とパルプとが均一に分散して複合化されたシートが得ら
れる。なお、固液分離した後、シートに他の薬剤をシャ
ワーリングなどの方法により添着することもできる。
【0025】次いで、得られた湿ったシートを熱融着性
繊維の融点(又は軟化点)以上の温度、複合繊維の場合
は、鞘成分の融点(又は軟化点)以上の温度で、かつ、
芯成分の(融点又は軟化点−20)℃以下の温度で熱処
理を施し、熱融着性繊維の融着又は軟化で繊維同士を接
着させ、本発明の活性炭シートを得る。
【0026】本発明では、必要に応じて熱処理して得ら
れた活性炭シートの密度を上げるために面圧0.1kgf
/cm2 以上のプレス圧力下に加熱し、次いでプレス圧
力を保持した状態で冷却することもできる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるもので
はない。なお、単位質量当たりのアセトアルデヒド平衡
吸着量は、次の方法で測定した。質量の異なる試料を、
それぞれアセトアルデヒド濃度100ppm、ガス容量
3Lのテドラーバック中に24時間静置し、24時間後
のアセトアルデヒド濃度を測定し、測定した値から単位
質量当たりのアセトアルデヒド平衡濃度10ppm時の
平衡吸吸着量を求めた。
【0028】参考例1 比表面積1200m2/gの活性炭繊維(アドールA−1
0、繊維長6mm、繊維径16.5μm、ユニチカ社製)にp
−アミノ安息香酸リン酸塩とリン酸を、p−アミノ安息
香酸リン酸塩が13.4質量%、リン酸はp−アミノ安
息香酸リン酸塩とのモル数比で0.74となる量を浸漬
法で担持させ、担持後の活性炭繊維の比表面積を800
2/gとした活性炭繊維Aを作製した。
【0029】参考例2 比表面積1200m2/gの活性炭繊維(アドールA−1
0、繊維長6mm、繊維径16.5μm、ユニチカ社製)にp
−アミノ安息香酸をp−アミノ安息香酸が21質量%と
なるように浸漬法で担持させ、担持後の活性炭繊維の比
表面積を800m 2/gとした活性炭繊維Bを作製した。
【0030】参考例3 比表面積900m2/gの粒状活性炭(東洋カルゴン製BP
L)にp−アミノアセトアニリドをp−アミノアセトアニ
リドが13質量%となるように浸漬法で担持させ、担持
後の粒状活性炭の比表面積を620m2/gとした粒状活
性炭Cを作製した。
【0031】参考例4 比表面積1200m2/gの活性炭繊維(アドールA−1
0、繊維長6mm、ユニチカ社製)にp−アミノ安息香酸
をp−アミノ安息香酸が5質量%となるように浸漬法で
担持させ、担持後の活性炭繊維の比表面積を1050m
2/gとした活性炭繊維Dを作製した。
【0032】参考例1〜4で得られた活性炭A〜Dを使
用して、単位質量当たりのアセトアルデヒド平衡吸着量
を測定し、その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1 水12リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調整剤
としてキサンタンガム0.32gを加えた後、鞘部の軟
化温度80℃、芯部の融点250℃の芯鞘タイプのポリ
エステル系芯鞘熱融着性繊維〔ユニチカフアイバー
(株)製、商品名メルティー4080、2d×5mm〕3.0
gを加え、5分間攪拌してよく分散させた。次いで、参
考例1で作製した活性炭繊維A7.0gを加えて水性ス
ラリーを得た。このスラリーを水12リットルを含有す
るシートマシン〔熊谷理機工業(株)製〕に投入し、
0.18mmのスクリーン上で脱水して湿ったシートと
し、次いで、得られたシートを軽く圧縮し、160℃の
温風乾燥乾燥機で20分間熱処理して坪量100g/m
2 、見かけ密度0.13g/cm3 の活性炭シートを得
た。
【0035】実施例2 水12リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調整剤
としてキサンタンガム0.32gを加えた後、60質量
%の水分を含む融点90℃のポリエチレンパルプ〔三井
石油化学工業(株)製、商品名SWP・E400〕0.
5g、融点160℃のポリプロピレン繊維〔大和紡績
(株)製、商品名マーキュリー〕2.5gを加え、5分
間攪拌してよく分散させた。次いで、参考例2で作製し
た活性炭繊維B7.0gと、固体アクリルポリマーラテ
ックス0.5gを加えた後、0.5質量%の陽イオン凝
集剤〔BetzLaboratories社製、商品名Betz 1260 〕4.
3gを徐々に加えることによって凝集させ、水性スラリ
ーを得た。この水性スラリーの一部を水12リットルを
含有するシートマシン〔熊谷理機工業(株)製〕に加
え、0.18mmのスクリーン上で脱水して湿ったシー
トを得、次いで、得られたシートを軽く圧縮し、180
℃の温風乾燥機で10分間熱処理して坪量30g/
2 、見かけ密度0.12g/cm3 の活性炭シートを
得た。
【0036】実施例3 水12リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調整剤
としてキサンタンガム0.32gを加えた後、60質量
%の水分を含む融点90℃ポリエチレンパルプ〔三井石
油化学工業(株)製、商品名SWP・E400〕1.0
g、鞘部の軟化温度80℃、芯部の融点250℃の芯鞘
タイプのポリエステル系芯鞘熱融着性繊維〔ユニチカフ
アイバー(株)製、商品名メルティー4080〕2.0gを
加え、5分間攪拌してよく分散させた。次いで、参考例
3で作製した粒状活性炭C7.0gと、固体アクリルポ
リマーラテックス0.5gを加えた後、0.5質量%の
陽イオン凝集剤〔BetzLaboratories社製、商品名Betz 1
260 〕4.3gを徐々に加えることによって凝集させ、
水性スラリーを得た。この水性スラリーを水12リット
ルを含有するシートマシン〔熊谷理機工業(株)製〕に
加え、0.18mmのスクリーン上で脱水して湿ったシ
ートを得、次いで、得られたシートを軽く圧縮し、16
0℃の温風乾燥機で20分間熱処理して坪量100g/
2 、見かけ密度0.16g/cm3 の活性炭シートを
得た。
【0037】実施例4 水12リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調整剤
としてキサンタンガム0.32gを加えた後、鞘部の軟
化温度80℃、芯部の融点250℃の芯鞘タイプのポリ
エステル系芯鞘熱融着性繊維〔ユチチカフアイバー
(株)製、商品名メルティー4080、2d×5mm〕6.0
gを加え、5分間攪拌してよく分散させた。次いで、参
考例1で作製した活性炭繊維A4.0gを加えて水性ス
ラリーを得た。この水性スラリーを水12リットルを含
有するシートマシン〔熊谷理機工業(株)製〕に加え、
0.18mmのスクリーン上で脱水して湿ったシートを
得、次いで、得られたシートを軽く圧縮し、160℃の
温風乾燥乾燥機で20分間熱処理して坪量220g/m
2 、見かけ密度0.14g/cm3 の活性炭シートを得
た。
【0038】比較例1 水12リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調整剤
としてキサンタンガム0.32gを加えた後、60質量
%の水分を含むポリエチレンパルプ〔三井石油化学工業
(株)製、商品名SWP・E400〕0.5g、鞘部の
軟化温度80℃、芯部の融点250℃の芯鞘タイプのポ
リエステル系芯鞘熱融着性繊維〔ユニチカフアイバー
(株)製、商品名メルティー4080〕2.5gを加え、5
分間攪拌してよく分散させた。次いで、参考例4で作製
した活性炭繊維D7.0gと、固体アクリルポリマーラ
テックス0.5gを加えた後、0.5質量%の陽イオン
凝集剤〔BetzLaboratories社製、商品名Betz 1260 〕
4.3gを徐々に加えることによって凝集させて水性ス
ラリーを得た。このスラリーを水12リットルを含有す
るシートマシン〔熊谷理機工業(株)製〕に加え、0.
18mmのスクリーン上で脱水して湿ったシートを得、
次いで、得られたシートを軽く圧縮し、160℃の温風
乾燥機で20分間熱処理して坪量100g/m2 、見か
け密度0.12g/cm3 の活性炭シートを得た。
【0039】実施例1〜4と比較例1の活性炭シートを
使用して、単位質量当たりのアセトアルデヒド平衡吸着
量を測定し、その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、実施例1〜4の
活性炭シートは、アセトアルデヒドの吸着性能が高く、
優れたものであった。また、実施例2のように坪量が3
0g/m2 と大きくても、シートのアセトアルデヒド除
去能力が1000mg/m2 以上あるという優れたものであ
る。一方、比較例1では、アセトアルデヒド吸着量の少
ない活性炭を使用しているため、シートの坪量と活性炭
混合率が同等の実施例3と比較しても、シート単位面積
当たりのアセトアルデヒドの吸着量は非常に少ないもの
であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の活性炭シートは、たばこ臭等に
含有されるアセトアルデヒドや、シックハウス症候群の
原因物質と考えられているホルムアルデヒド等の低級ア
ルデヒド類の吸着性能が優れたものである。また、本発
明の活性炭シートの製造法によれば、上記の利点を有す
る活性炭シートを安定して製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/28 B01J 20/28 A 20/30 20/30 C01B 31/08 C01B 31/08 Z D21H 13/10 D21H 13/10 17/67 17/67 21/14 21/14 B 25/04 25/04 Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 CC02 HH09 JJ06 KK08 LL02 LL10 MM05 NN22 NN26 NN27 QQ03 4G046 HB00 HB03 HC14 4G066 AA05B AA50D AB07B AB12B AC01D AC10C AC11C AC13C AC17C AC23C BA03 BA09 BA26 BA36 CA52 FA03 FA11 FA12 FA14 FA20 FA21 FA34 FA37 FA38 4L055 AF03 AF16 AF17 AF33 AF47 AG02 AH01 AH50 BE11 EA08 EA19 EA32 FA11 FA20 FA23 GA31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g
    (平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上の活性炭と
    熱融着性繊維とを主成分とするシートであって、前記活
    性炭の含有量が20〜80質量%、坪量が20〜300
    g/m2 、見かけ密度が0.10g/cm3 以上である
    ことを特徴とする低級アルデヒド類吸着用活性炭シー
    ト。
  2. 【請求項2】 少なくともアセトアルデヒドの吸着能力
    が20mg/g(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上
    の活性炭20〜80質量%と熱融着性繊維とを含有する
    混合物の水性スラリーを湿式抄紙法により抄紙し、次い
    で、前記熱融着性繊維の融点又は軟化点以上の温度で熱
    処理することを特徴とする請求項1記載の低級アルデヒ
    ド類吸着用活性炭シートの製造方法。
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