JP2003013390A - 有害物除去シ−ト - Google Patents

有害物除去シ−ト

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JP2003013390A
JP2003013390A JP2001196609A JP2001196609A JP2003013390A JP 2003013390 A JP2003013390 A JP 2003013390A JP 2001196609 A JP2001196609 A JP 2001196609A JP 2001196609 A JP2001196609 A JP 2001196609A JP 2003013390 A JP2003013390 A JP 2003013390A
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Seiji Seshima
清治 瀬島
Keiichi Asami
圭一 浅見
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害物質、特にアンモニアガスやアセトアル
デヒドなどの低級アルデヒド類に対して除去性能の高い
有害物除去シ−トを提供する。 【解決手段】 主としてアセトアルデヒドの吸着能力が
20mg/g(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以
上である活性炭30〜80質量%と、アンモニアガスの
平衡濃度10ppm 時の平衡吸着量が5mg/g-(光反応性
半導体:光未照射時)以上の光反応性半導体10〜40
質量%及び熱融着性バインダー繊維1〜30質量%とを
湿式抄紙法により混抄し、熱融着性バインダーを融着さ
せて得られた密度が0.10g/cm3 以上である有害
物除去シ−ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として光触媒反
応により有害物質を効率よく分解する高性能光反応性半
導体と、有害物質の高い吸着能力、特にたばこ煙に含有
されるアセトアルデヒドやシックハウス症候群の原因物
質と考えられているホルムアルデヒドなどの低級アルデ
ヒド類の除去能力に優れた活性炭及び熱融着性バインダ
ー繊維からなる有害物除去シ−トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】環境問題に対する関心の高まりに伴い、
悪臭等の日常生活における有害物質の除去の要求が増加
しており、悪臭除去装置等を組み込んだ空気清浄器の開
発が盛んに行われている。
【0003】そして、近年、光触媒を用いた有害物質の
除去方法が注目を集めており、各種の提案がなされてい
る。例えば特公平2−62297号公報には、酸化チタ
ンと活性炭混合物により、低濃度窒素酸化物を除去する
方法が記載されている。酸化チタンや酸化亜鉛等の光反
応性半導体による悪臭物質の分解は、これらの活性線励
起による接触悪臭物質の光触媒的酸化作用によるため、
光反応性半導体は悪臭物質の分解で消費及び劣化を被ら
ず、その能力は光曝露されている限り基本的に低下しな
いため、吸着剤のみを使用する場合に比べて大きな利点
を有している。
【0004】これら光反応性半導体による分解能は、分
解しようとする有害物質との接触の機会が多い程向上す
るので、最も効果的な使用形態は、有害物質と接触する
反応面積が減ずることのない粉体の状態で使用すること
である。しかしながら、実際には粉体をそのまま扱うこ
とは困難で、これを取り扱うためには何らかの加工が必
要である。
【0005】そこで、活性炭と有害物質を分解する触媒
とを組み合わせた材料が開発されてきている。例えば、
特開平1−234729号公報では、ハニカム状活性炭
表面に光触媒能を有する二酸化チタンの層を形成した脱
臭剤を組み込んだ空気調和機が開示されている。この空
気調和機には紫外線ランプが装着されており、脱臭剤に
紫外線を照射することによって、二酸化チタンの光触媒
作用で活性炭に吸着した有害物質を分解除去するもので
ある。しかしながら、この脱臭剤では、活性炭表面に光
触媒層を設けているため、有害物質を活性炭で吸着し難
く、このため、有害物質を光触媒で効果的に分解できな
いなどの問題があった。
【0006】また、特開平3−233100号公報で
は、二酸化チタン、活性炭、鉄系金属化合物の混合物
と、300nm以上の波長の光を照射する光源とからな
る自動車道トンネル用換気設備が開示されている。この
自動車道トンネル用換気設備に装着される有害物質除去
材としては、ガラス管の外周壁面に塗布した接着剤上に
サブミクロンオーダーに粉砕した二酸化チタン、活性炭
及び酸化鉄の混合粉末を付着させた有害物質除去能を有
する反応管や、活性炭粉末を配合した樹脂からなる不織
布の表面に二酸化チタンや酸化鉄の混合粉末を付着させ
たフィルターが例示されている。
【0007】しかしながら、これらの有害物質除去材で
は、二酸化チタンなどの光触媒を接着剤で基材に固定し
ているため、光触媒表面の一部が接着剤で被覆され、光
触媒の有効表面積が低下し、光触媒反応を低下させると
いう問題があった。また、支持体がガラスでは成型が困
難であり、支持体自身の重量が重くてハンドリングが悪
いこと、さらには破損の危険性があるという問題もあっ
た。
【0008】この問題を解決するために特開平9−56
794号公報には、少なくとも活性炭繊維で形成した支
持体を、光反応半導体を凝集させて水分散液とした凝集
体水分散液に浸漬して、この支持体に光反応半導体を担
持させる製造方法及び、少なくとも光反応性半導体と活
性炭繊維を混合凝集させ凝集体水分散液とし、さらに支
持体形成成分と混合した後、シート化する製造方法が開
示されている。しかしながら、この方法で得られるシー
トも、たばこ煙に含有されるアセトアルデヒドなどの低
級アルデヒド類の除去能力が低いという欠点を有してい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、有害物質、特にアセトアルデヒドなどの低級
アルデヒド類のような有害物質に対しても除去性能の高
い有害物除去シ−トを提供することを技術的な課題とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の活性炭と
光反応性半導体及び熱融着性バインダー繊維を特定の割
合に配合し、湿式抄紙法により混抄してシ−ト状にすれ
ば、上記課題を解決できることを見出して本発明に到達
した。
【0011】すなわち、本発明は,次の構成を要旨とす
るものである。 (1) 主としてアセトアルデヒドの吸着能力が20mg/
g(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上である活
性炭30〜80質量%と、アンモニアガスの平衡濃度1
0ppm 時の平衡吸着量が5mg/g-(光反応性半導体:光
未照射時)以上の光反応性半導体10〜40質量%及び
熱融着性バインダー繊維1〜30質量%とを湿式抄紙法
により混抄し、熱融着性バインダーを融着させて得られ
た密度が0.10g/cm3 以上であることを特徴とす
る有害物除去シ−ト。 (2) 光反応性半導体が酸化チタンであることを特徴とす
る上記(1) 記載の有害物除去シ−ト。 (3) 活性炭が活性炭繊維であることを特徴とする上記
(1) 又は(2) 記載の有害物除去シート。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の有害物除去シ−トは、主として活性炭と光反応性
半導体及び熱融着性バインダー繊維で構成されている。
【0013】本発明で用いられる活性炭は、アセトアル
デヒドの吸着能力が20mg/g(平衡濃度10ppm
での平衡吸着量)以上である。アセトアルデヒドの吸着
能力が20mg/g未満になると、有害物除去シートの
アセトアルデヒド吸着能が不足する。活性炭としては、
粒状炭、粉末炭、活性炭繊維が使用できるが、活性炭繊
維が好ましい。平均繊維径としては30μm以下が好ま
しく、平均繊維径が30μmを超えると折損しやすくな
り、成形加工し難くなる。また、活性炭繊維の平均繊維
長は0.5〜50mm、特に3〜25mmが好ましい。
平均繊維長が0.5mmより短いと、シートに十分な強
度が付与され難く、50mmを超えると水中での分散が
悪くなり、シートの均一性が低下する。
【0014】アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/
g(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上である活
性炭はシートの30〜80質量%、特に35〜70質量
%を占めることが好ましい。30質量%未満になると、
吸着性能が充分発揮されず、80質量%を超えると、バ
インダー成分や光反応性半導体の量が少なくなり、有害
物除去シ−トの強度や光触媒活性が不足する。なお、ア
セトアルデヒドの吸着能力が20mg/g(平衡濃度1
0ppmでの平衡吸着量)以上の活性炭は、例えば活性
炭に、p-アミノ安息香酸燐酸塩と燐酸を浸漬法で担持さ
せることにより得ることができる。
【0015】次に、本発明で用いられる光反応性半導体
は、光非照射状況で、アンモニアガスの平衡濃度10pp
m 時の平衡吸着量が5mg/g- (光反応性半導体)以
上、好ましくは7mg/g- (光反応性半導体)以上のも
のである。
【0016】このような光反応性半導体としては、酸化
亜鉛、三酸化タングステン、酸化チタン、酸化セリウム
などの金属酸化物があるが、これらの中でも、酸化チタ
ンは、構造安定性、光反応性半導体としての能力、取り
扱い上の安全性等を考慮した場合、特に好ましい材料で
ある。酸化チタンとしては、二酸化チタンの他、含水酸
化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタ
ン酸、水酸化チタン等を使用することが可能であり、そ
の結晶型については特に制限はない。形状は、粒子状で
もゾル状の水系分散タイプでもよい。粒子状の場合は、
平均粒子径が1〜100nmであるものが好ましく、3〜
30nmがより好ましい。平均粒子径が1nm未満になると
2次凝集しやすくて水中に分散し難くなり、100nmを
超えると、活性が低下しやすい。
【0017】光反応性半導体は、シートの10〜40質
量%、特に15〜30質量%を占めることが好ましい。
光反応性半導体が10質量%未満になると、光触媒反応
による有害物質の分解作用が不足し、40質量%を超え
ると、活性炭やバインダー繊維の量が少なくなり、有害
物除去シ−トの強度や活性炭の吸着性能が低下する。
【0018】さらに、本発明で使用する熱融着性バイン
ダー繊維としては、例えば、芯部がポリプロピレンで鞘
部が変性ポリエチレンからなるポリオレフィン系、芯部
がポリエチレンテレフタレートで鞘部がポリオレフィン
からなる繊維、芯部がポリエチレンテレフタレートで鞘
部が低融点(低軟化点)ポリエステルからなるポリエス
テル系、芯部がナイロン6で鞘部が低融点共重合ナイロ
ンからなるポリアミド系等の、鞘部の融点(軟化点)が
芯部の融点より低い芯鞘構造複合繊維が挙げられる。ユ
ニチカファイバー株式会社からメルティーの商標で上市
されているポリエステル系複合繊維が好ましい。
【0019】本発明で使用されるバインダー繊維の平均
繊維長は1〜50mm、特に3〜25mmが好ましい。
平均繊維長が1mmより短いと、シートの強度が低下し
やすく、50mmを超えると水中での分散状態が悪くな
り、シートの均一性が低下しやすい。また、バインダー
繊維の平均繊維径は2〜100μm、特に5〜50μm
が好ましい。平均繊維径が100μmを超えると、加工
が困難になりやすい。
【0020】本発明のシートにおいて、バインダー繊維
は1〜30質量%、特に5〜20質量%を占めることが
好ましい。バインダー繊維が1質量%未満になると、シ
ートの強度が不足し、30質量%を超えると、活性炭や
光反応性半導体の含有量が少なくなり、悪臭成分の除去
能力が低下する。
【0021】また、本発明の有害物除去シートには、耐
光性を高めるためと、製造時に光反応性半導体のシート
への捕捉力を高めるためにフィブリル化アクリル繊維を
添加してもよい。フィブリル化アクリル繊維は、アクリ
ル短繊維を水中に分散させ、ホモジナイザー、ナイアガ
ラビーター、叩解機、サンドミル等を用いて、フィブリ
ル化(特開昭56−100801号公報、同59−92
011号公報、米国特許第4,761,203号明細書
等参照)することにより作製できる。フィブリル化アク
リル繊維は、繊維長が0.02〜1.5mm、特に0.0
5〜1.0mmのものが好ましい。繊維長が0.02mm未
満であったり、1.5mmを超えると、粒子状光反応性半
導体の捕捉力が低下しやすい。フィブリル化アクリル繊
維を添加する場合は、シートの1〜30質量%、特に3
〜20質量%を占めることが好ましい。
【0022】本発明のシートは、上記した3成分を主成
分としており、これらを湿式抄紙法により混抄し、熱融
着性バインダーを融着させて得られたものである。活性
炭微粒子や微粒子状の光反応性半導体を効率よく捕捉す
るには、フィブリル化アクリル繊維やバインダー繊維を
水中に均一に分散させたスラリーを凝集体水分散液とし
てシート化する必要があり、そのためには湿式抄紙法で
混抄するのが好ましい。そして、シートの密度は0.1
0g/cm3 以上が必要であり、0.15g/cm 3
上がより好ましい。密度が0.10g/cm3 未満にな
ると、シートの強度が弱くなる。
【0023】なお、本発明では、前記した3成分以外
に、シートの性能を妨げない程度に、通常の活性炭繊
維、シリカゲル、ゼオライト、セピオライト等の層状化
合物などの粉末状吸着物質や難燃剤、PVA繊維、アラ
ミド繊維、アラミドパルプなどの難燃繊維を含有させて
もよい。
【0024】次に、本発明の有害物除去シートの製法例
について説明する。まず、アンモニアガスの平衡濃度1
0ppm 時の平衡吸着量が5mg/g- (光反応性半導体:
光未照射時)以上の光反応性半導体と、必要に応じてフ
ィブリル化アクリル繊維とを水に添加して水分散スラリ
ーを作製する。次いで、フィブリル化アクリル繊維に光
反応性半導体、好ましくは酸化チタンを捕捉させるため
にナイアガラビーターやパルパー等で攪拌する。
【0025】上記水分散スラリーにアニオン系ポリマー
又はカチオン系ポリマーを添加して均一に分散させる。
そのスラリーを、アセトアルデヒドの吸着能力が20m
g/g(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以上であ
る活性炭と熱融着バインダー繊維をパルパ−で解繊して
水に分散させたスラリーに添加し、攪拌しながら水を添
加して所定の固形分濃度に調整する。その後、上記スラ
リーにカチオン系ポリマー又はアニオン系ポリマー(上
記で使用したポリマーとは逆の電荷を有するポリマー)
を添加し、得られた凝集体水分散液を抄紙機でシート化
し、乾燥処理を行うことにより本発明の有害物除去シー
トを得ることができる。
【0026】本発明で使用されるアニオン系ポリマー
は、ポリアクリル酸系、ポリスチレンスルホン酸系、ポ
リメタアクリル酸系、ポリアクリルアミド部分加水分解
物系、ジシアンアミド系、ランザンガム等の高分子多糖
類等の水溶性高分子が挙げられる。また、カチオン系ポ
リマーとしては、ポリアミンポリアミドエピクロルヒド
リン系、ポリジアリルメチルアミンエピクロルヒドリン
系、グリオキザール系及びポリアミン系及びポリアミノ
アルキルメタアクリレート系等の水溶性高分子が挙げら
れる。
【0027】また、アニオン系ポリマーとカチオン系ポ
リマーの合計添加量は、水分散液中の固形分100質量
部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、
0.2〜2質量部がより好ましい。合計添加量が0.1
質量部未満になると、凝集が不十分となりやすく、また
10質量部を超えると、活性炭や光反応性半導体の表面
が前記ポリマーで覆われ、悪臭成分の除去能力が低下す
るので好ましくない。
【0028】以上のようにして製造される本発明の有害
物除去シートは、コルゲートフィルターとしてや、プリ
ーツフィルターとして利用することができる。また、H
EPA、ULPAやエレクトリック不織布等の高性能除
塵フイルターや、熱可塑性樹脂、セラミックス及び金属
等のフィルム又はシート等と積層しても使用することが
できる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、その主旨を越えない限り、これらに限
定されるものではない。なお、活性炭のアセトアルデヒ
ド平衡濃度10ppm時の平衡吸着量は,次の方法で行
った。質量の異なる活性炭をそれぞれアセトアルデヒド
濃度100ppm、ガス容量3Lのテドラーバック中に
24時間静置し、24時間後のアセトアルデヒドの濃度
を測定した値から、単位質量当たりのアセトアルデヒド
平衡濃度10ppm時の平衡吸着量を求めた。
【0030】(活性炭の調製) 活性炭1 粒状活性炭(東洋カルゴン社製BPL:比表面積 90
0m2/g)にp-アミノ安息香酸燐酸塩と燐酸を、p-アミ
ノ安息香酸燐酸塩が11.4質量%、燐酸はp-アミノ安
息香酸燐酸塩とのモル数比で0.70となる量を浸漬法
で担持させた。得られた活性炭の平衡濃度10ppmで
のアセトアルデヒド平衡吸着量は、30mg/gであっ
た。
【0031】活性炭繊維1 活性炭繊維(アドールA10、繊維長6mm、繊維径16.5μ
m、ユニチカ株式会社製)に、p-アミノ安息香酸燐酸塩
と燐酸を、p-アミノ安息香酸燐酸塩が13.4質量%、
燐酸はp-アミノ安息香酸燐酸塩とのモル数比で0.74
となる量を浸漬法で担持させた。得られた活性炭繊維の
平衡濃度10ppmでのアセトアルデヒド平衡吸着量
は、40mg/gであった。
【0032】活性炭繊維2 活性炭繊維(アドールA10、繊維長6mm、繊維径16.5μ
m、ユニチカ株式会社製)に、p-アミノ安息香酸燐酸塩
と燐酸を、p-アミノ安息香酸燐酸塩が5.0質量%、燐
酸はp-アミノ安息香酸燐酸塩とのモル数比で0.72と
なる量を浸漬法で担持させた。得られた活性炭繊維の平
衡濃度10ppmでのアセトアルデヒド平衡吸着量は、
9mg/gであった。
【0033】(光反応性半導体の評価)光反応性半導体
のアンモニアガス平衡濃度10ppm 時の平衡吸着量(光
未照射時)は,次の方法で行った。質量の異なる4,5
点の光反応性半導体粉末を、それぞれ3リットルの容器
に入れて密封し、これらの容器に100ppmのアンモ
ニアガスを注入し、24時間後に容器内の平衡濃度を北
川式検知管で測定した。それらのデータをグラフにプロ
ットして求めた平衡濃度と平衡吸着量の関係式から、平
衡濃度10ppm 時の平衡吸着量を求めた。
【0034】光反応性半導体1 酸化チタン(石原産業社製:ST−01 平均粒径7n
m)粉末の、アンモニアガス平衡濃度10ppm 時の平衡
吸着量は7.12mg/g- (光反応性半導体)であっ
た。
【0035】光反応性半導体2 酸化チタン(テイカ社製:JA−1 平均粒径180n
m)粉末のアンモニアガス平衡濃度10ppm 時の平衡吸
着量は、0.40mg/g- (光反応性半導体)であっ
た。
【0036】実施例1 繊度が2.6dtexで繊維長3mmのアクリル短繊維(三
菱レイヨン製:MFP−A/M−C300)2質量%の
水性スラリーをナイアガラビーターで30分間処理し、
繊維長0.05〜1.0mmのフィブリル化アクリル繊維
を作製した。次に、前記光反応性半導体1である酸化チ
タン20質量部、上記で作製したフィブリル化アクリル
繊維20質量部を水に添加して固形分1質量%の水スラ
リーを作製した。次いで、フィブリル化アクリル繊維に
酸化チタンを捕捉させるためにナイアガラビーターで1
0分間攪拌した。その水スラリーをチェストに移送した
後、ランザンガム(三晶社製K7C233)を固形分に
対して0.8質量%を添加し、5分間攪拌した後、その
水スラリーを前記活性炭1を40質量部、熱融着性バイ
ンダー繊維(ユニチカ社製:メルティ#4080 2.
2dtex×5mm)20質量部をパルパ−で解繊して水に
分散させた液に添加し、攪拌しながら、水を添加して固
形分濃度を0.1質量%に調整した。そして、ポリアミ
ノアルキルメタアクリレート系ポリマー(エマルジョン
ブレーカー#200:マツケン社製)を全固形分に対し
て0.2質量%添加した。
【0037】このようにして得られた凝集体水分散液を
角形抄紙機(熊谷製作所製)を用いてシート化し、13
0℃で10分間乾燥処理を行い、有害物除去シート
(1)を作製した。
【0038】次いで、有害物除去シ−ト(1)を3cm
×3cmの大きさに裁断し、3リットルの密閉できる容
器に入れ、15Wのブラックランプを使用し、試料表面
に2mW/cm2 強度の光を照射した。この容器に10
0ppmのアンモニアガスをを注入し、ガス注入30分
後に容器内のガス濃度を検知管で測定した。
【0039】また、有害物除去シ−ト(1)を3cm×
3cmの大きさに裁断し、3リットルの密閉できる容器
に入れ、15Wのブラックランプを使用し、試料面に2
mW/cm2 強度の光を照射した。この容器に100p
pmのアセトアルデヒドガスを注入し、ガス注入30分
後に容器内のガス濃度をガスクロマトグラフィ−で測定
した。得られたシート(1)の物性と、アンモニア及び
アセトアルデヒドの除去能を表1に示す。
【0040】実施例2 活性炭を活性炭繊維1に代え、アクリル繊維10質量部
と熱融着性バインダー繊維30質量部を添加する以外
は、実施例1と同様に行って有害物除去シ−ト(2)を
作製した。得られたシート(2)の物性を実施例1と同
様にして測定した結果を表1に示す。
【0041】比較例1 活性炭1を活性炭繊維2に代えた以外は実施例1と同様
に行い、有害物除去シ−ト(3)を作製した。得られた
シート(3)の物性を実施例1と同様にして測定した結
果を表1に示す。
【0042】比較例2 酸化チタンを光反応性半導体2の酸化チタン(テイカ社
製:JA−1 平均粒径180nm)20質量部に代え
た以外は実施例2と同様に行い、有害物除去シ−ト
(4)を作製した。得られたシート(4)の物性を実施
例1と同様にして測定した結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、アンモニアの除
去能力の優れた酸化チタン及びアセトアルデヒド除去能
力の優れた活性炭を使用している実施例1及び2のシー
ト(1、2)は、光照射時にアンモニア、アセトアルデ
ヒドの除去能力が非常に優れるものだった。
【0045】一方、比較例1のシート(3)は、アセト
アルデヒドの平衡吸着量が低い活性炭繊維を使用してい
るため、光照射処理時のアセトアルデヒド除去能力が低
いものであった。また、アンモニアガスの平衡濃度10
ppm 時の平衡吸着量が5mg/g- (光反応性半導体:光未
照射時)未満の光反応性半導体を使用した比較例2のシ
ート(4)は、光未照射時、光照射時ともにアンモニア
濃度の低下が極端に少ない結果となった。
【0046】
【発明の効果】本発明の有害物除去シ−トは、主として
アセトアルデヒドの吸着能力が20mg/g(平衡濃度
10ppmでの平衡吸着量)以上である活性炭30〜8
0質量%と、アンモニアガスの平衡濃度10ppm 時の平
衡吸着量が5mg/g- (光反応性半導体:光未照射時)
以上の光反応性半導体10〜40質量%と、熱融着性バ
インダー繊維1〜30質量%を主成分とし、密度が0.
10g/cm3 以上であるため、アンモニアやアセトア
ルデヒド等の悪臭成分を効果的に除去することができ
る。本発明の有害物除去シ−トは、家庭用、業務用、車
載用空気清浄器用のプリーツフィルタ−やコルゲートフ
ィルター素材の他に、各種のシ−ト材やボ−ド材として
好適に利用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/20 B01J 35/02 J 35/02 D21H 13/10 D21H 13/10 17/67 17/67 B01D 53/36 J G Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 CC08 HH05 JJ06 KK08 LL03 LL10 MM02 MM05 NN26 NN27 NN28 4D048 AA19 AA21 BA05X BA07X BA41X BB08 CA06 EA01 EA04 4G066 AA05B AB03B AB07B AB09B AB19B AC17C AD10B AD15B BA02 BA16 BA20 BA26 BA36 BA38 CA29 CA52 DA03 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA08A BA08B BA48A CA01 CA11 DA06 EA10 EC27 FA03 FB32 FB68 FC08 4L055 AF03 AF27 AF33 AF47 AG02 AG19 AH01 BB03 BE11 BE20 EA04 EA08 EA19 FA20 GA50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてアセトアルデヒドの吸着能力が
    20mg/g(平衡濃度10ppmでの平衡吸着量)以
    上である活性炭30〜80質量%と、アンモニアガスの
    平衡濃度10ppm 時の平衡吸着量が5mg/g-(光反応性
    半導体:光未照射時)以上の光反応性半導体10〜40
    質量%及び熱融着性バインダー繊維1〜30質量%とを
    湿式抄紙法により混抄し、熱融着性バインダーを融着さ
    せて得られた密度が0.10g/cm3 以上であることを
    特徴とする有害物除去シ−ト。
  2. 【請求項2】 光反応性半導体が酸化チタンであること
    を特徴とする請求項1記載の有害物除去シ−ト。
  3. 【請求項3】 活性炭が活性炭繊維であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の有害物除去シート。
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