JPH0871352A - フィルタ、フィルタ製造方法およびフィルタ装置 - Google Patents

フィルタ、フィルタ製造方法およびフィルタ装置

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JPH0871352A
JPH0871352A JP6212767A JP21276794A JPH0871352A JP H0871352 A JPH0871352 A JP H0871352A JP 6212767 A JP6212767 A JP 6212767A JP 21276794 A JP21276794 A JP 21276794A JP H0871352 A JPH0871352 A JP H0871352A
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JP
Japan
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filter
honeycomb structure
calcium silicate
sheet
adsorbent
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Pending
Application number
JP6212767A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Morino
裕之 森野
Moichi Murata
茂一 村田
Michiaki Okuda
道明 奥田
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ORIBESUTO KK
ORIENTAL ASBEST
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
ORIBESUTO KK
ORIENTAL ASBEST
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 山皮の代わりに珪酸カルシウムを用い、無機
繊維とからなる多孔性ハニカム構造体に成形を行い、吸
着剤を固着させ構造体の保形性と多孔性を改善して不燃
性高性能フィルタを得る。 【構成】 無機繊維と、珪酸カルシウムと、有機材料と
を必須成分として含有する抄造シートをハニカム構造体
に成形し、熱処理を施して有機質を除去し、多孔性ハニ
カム構造体として、次いで吸着材を分散した懸濁液に含
浸して吸着材を前記多孔性ハニカム構造体に固着させて
フィルタを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、除湿、脱臭、あるいは
有機溶剤の分離、回収等に利用できる高性能フィルタに
関する。さらに詳しくは、山皮を含有しない無機繊維の
抄造シートをハニカム成形し、熱処理を施し、吸着材を
固着させたフィルタ、およびそのフィルタから加工され
るフィルタエレメントを有するフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】様々な技術分野で、高性能フィルタある
いはフィルタ装置が使われているが、このようなフィル
タを製造するのに従来、大別して2つの方法が知られて
いる。
【0003】第1の方法は次の2工程から成る:(a)
吸着材を高含有率で含むように、有機繊維(たとえばパ
ルプ)を必要に応じて高分子凝集剤とともに抄紙し、吸
着シートを製造する:そして(b)吸着シートをハニカ
ム成形し、フィルタを得る。
【0004】第2の方法は、次の3工程から成る:
(c)無機繊維、有機繊維および山皮を抄紙し、シート
状とする:(d)シート状物をハニカム成形する:
(e)ハニカム成形体に焼成または熱処理を施し、有機
質を除去し、多孔性ハニカム構造体を得る;そして
(f)該構造体を吸着材あるいは触媒を含むスラリーに
含浸し、吸着材等を該構造体に固着させ、フィルタを得
る。第2の製法は、たとえば、特開昭60−33250
および特開平5−64745に開示されている。
【0005】第1の方法は、製造工程が少なく生産性に
優れる。しかしながら、吸着材の含有量を増やすために
は、有機繊維の使用量を減らす必要があり、そのため抄
紙やハニカム成形が難しくなる。さらに、有機質が、ハ
ニカム成形後も成形体に相当量残留するので、フィルタ
を不燃性とすることが不可能であるという欠点もある。
【0006】第2の方法は、焼成工程(e)、含浸工程
(f)を必要とし、第1の方法に比べて、工程数におい
ては劣るが、(e)工程において有機質を除去できるの
でフィルタを不燃性とすることができる利点がある。第
2の方法で用いる山皮は焼結性に優れ、有機質を除去し
た後、無機繊維と結び付き、ハニカム構造体の形状と強
度を保持させるが、焼結には約600℃以上の加熱が要
求され、有機質除去に必要な最低温度では十分な焼結が
なされない。さらに、山皮は充分にハニカム構造体の強
度を補強し得ないので、吸着材を含浸する際、ハニカム
構造体の形状が崩れるおそれがある。さらに加えて、山
皮は耐薬品性に劣り、特に酸性条件下で、ハニカム構造
体が劣化し、形状保持、吸着性能に悪影響を及ぼす等問
題がある。これらの問題は、有機溶剤の分離や回収を行
うためのフィルタとしては致命的なものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
に鑑みてなされたものであり、山皮を含まないフィルタ
材料から作り、ハニカム成形性が高く、有機質を除去し
てあるので、不燃性でもあり、吸着材の含浸に耐える充
分な機械的強度を有し、かつ耐薬品性に優れた高性能フ
ィルタおよびそのようなフィルタを有するフィルタ装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、山皮を含有し
ないフィルタ材料、フィルタ材料をハニカム成形した多
孔性ハニカム構造体、多孔性ハニカム構造体に吸着材を
固着させたフィルタ、フィルタから作られるフィルタエ
レメントを備えるフィルタ装置等を要旨とする。フィル
タ材料中、必須成分である無機繊維と珪酸カルシウムが
相乗的に働き、フィルタに成形すると、前記のような望
まれる特性を数々発揮し、本発明の目的を達成すること
ができる。本発明によれば、無機繊維と珪酸カルシウム
とを必須成分として含有する多孔性ハニカム構造体に吸
着材を固着させたことを特徴とするフィルタが提供され
る。本発明は、前記多孔性ハニカム構造体が無機繊維
と、珪酸カルシウムと、有機材料とを必須成分として含
有する抄造シートに熱処理を施し、有機質を除去して得
られることを特徴とする。さらに発明によれば、無機繊
維と、珪酸カルシウムと、有機材料とを必須成分として
含有する抄造シートをハニカム構造体に成形し、熱処理
を施して有機質を除去し、多孔性ハニカム構造体とし
て、次いで吸着材を分散した懸濁液に含浸して、吸着材
を前記多孔性ハニカム構造体に固着させることを特徴と
するフィルタの製造方法を提供する。さらに加えて、本
発明によれば、無機繊維と、珪酸カルシウムとを必須成
分として含有する多孔性ハニカム構造体に、吸着材を固
着させたフィルタを円柱形状としたフィルタエレメント
と、フィルタエレメントの一端に設けられた再生用空気
取入ダクトと、フィルタエレメントの他端に設けられ再
生用空気取入ダクトと対向する排気ダクトと、フィルタ
エレメントの外円周上に装着された回転用駆動ベルト
と、駆動ベルトと接続され駆動ベルトを回転させる駆動
用モータとを有するフィルタ装置も提供される。本発明
は、無機繊維と珪酸カルシウムの重量比が8:2〜1:
1であることを特徴とする。本発明は、無機繊維がセラ
ミック繊維および/またはガラス繊維であることを特徴
とする。本発明は、吸着材がアルミノ珪酸塩、珪酸そし
て塩化リチウムから成る群より選ばれる1種または2種
以上であることを特徴とする。本発明者らは、無機繊維
と山皮にとって代わる物質との組合わせについて、機械
強度、焼結性、造膜性等の様々な性能を試験し、適当な
組合わせを求めた結果、本発明の無機繊維と珪酸カルシ
ウムとの組合わせを見い出し、この特定の組合わせによ
り抄造シートのハニカム成形が容易で、焼結を必要とせ
ず単に有機質を熱処理により除去することができ、かつ
従来にない優れた機械的強度が実現されることを見い出
した。
【0009】
【作用】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本明細
書中、用語「ハニカム構造体」とは特に図1に示すよう
なコルゲート加工した波状シート1aと平板シート2を
接着した片波状成形体3を指す。さらに、波状シート1
aに代わって、図2のように歯状シート1bを平板シー
ト2に接着し、得られた成形体4も「ハニカム構造体」
に含まれる。さらにまた、これらの成形体3,4をロー
タ状に加工したロータ5(図3参照)あるいは積層状に
加工した積層体6(図4参照)のような形態を有する最
終成形体をも総括して「ハニカム構造体」と呼ぶ。本明
細書中、用語「山皮」とは、表面に多数の水酸基を有す
る粘土鉱物の総称であって、珪酸マグネシウムを主成分
とするセピオライト、アタパルジャイト等を指す。
【0010】本発明において使用できる無機繊維として
は、セラミック繊維、ガラス繊維、鉱砕繊維、シリカ繊
維、アルミナ繊維、炭素繊維等が挙げられる。好ましく
は、セラミック繊維および/またはガラス繊維を用い
る。これらの繊維は、ハニカム構造体の熱処理後の強度
や耐薬品性の点で好ましい。使用する繊維の形状として
は、繊維径は0.5〜10μ、繊維長は0.1〜10m
mが好ましい。
【0011】本発明に使用する珪酸カルシウムは、珪石
と石灰とから水熱合成された繊維径0.1〜数μ、繊維
長1〜数μの繊維状結晶のものが好ましい。珪酸カルシ
ウムの化学組成は、5CaO−6SiO2 ・5H2Oあ
るいは6CaO−6SiO2・H2Oで表現される。具体
的には商品名「トベルモライト」、「ゾノトライト」等
が使用される。無機繊維と珪酸カルシウムの使用比は、
特に限定されないが、ハニカム構造体の有機質除去後の
強度や多孔性の点から重量比で約8:2〜約1:1の範
囲であることが好ましい。珪酸カルシウムがこの割合よ
り少なくなり過ぎると、有機質除去後の強度が低下し、
図1〜図4に示すようなハニカム構造体の形状保持が難
しくなる。ここで珪酸カルシウムは無機繊維を複雑な網
の目構造にする結合材の役割を果す。珪酸カルシウムを
過剰に使用すると、必然的に無機繊維の使用量を減少さ
せ、熱処理後の引裂性や耐折性等の機械的強度の低下を
もたらす。この結果、前述と同様にハニカム構造体の形
状保持が難しくなる。さらに、珪酸カルシウムは微細な
繊維状結晶であるため、過剰に用いると形成するシート
が緻密になりすぎて、結果として多孔性の低下をもたら
す。したがって、吸着材の固着量が減少し、フィルタと
しての性能が劣る。
【0012】本発明において使用できる有機材料として
は、パルプ、有機繊維(ナイロン、ビニロン、ポリエス
テル、ポリエチレン等)、高分子接着材(メラミン樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、SBR、NBR等
の合成あるいは天然ゴムのラテックス等)、ワックス等
のサイズ剤が例示される。有機材料は、シートにコルゲ
ート加工に必要な機械的強度を付与する。しかしなが
ら、有機材料の使用量を多くすると、強度は上がる一方
で、耐熱性等の機能が低下する。これらの有機材料は、
熱処理前に適宜1種または2種以上添加して使用する
が、加熱によって有機材に由来する有機質は通常ほとん
ど除去される。有機材料の配合比は、特に限定されるも
のではないが、無機繊維、珪酸カルシウムとともに、抄
造シートとしたとき、重量単位で約5〜50重量%の範
囲が好ましい。
【0013】本発明に係る抄造シートは、実質的には無
機繊維と、珪酸カルシウムと有機材料とを必須成分とし
て含有するが、必要に応じて、他の付加成分たとえば水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等を含んでもよい。
しかしながら、添加する付加成分は、それ自身造膜性、
焼結性等の機能を抄造シートに付与しない。
【0014】本発明のフィルタの製造には、まず抄造法
を用いる。この工程において、無機繊維、珪酸カルシウ
ムおよび有機材料を所定の配合比で水中に分散させ、得
られた分散スラリーを丸網や長網で抄紙し、脱水するこ
とにより湿紙を形成させ、さらに、プレス、乾燥により
薄葉あるいは長尺の抄造シートを作成する。こうして得
られた抄造シートは任意の成形手段を用いて2次成形す
ることができる。
【0015】本発明に係る抄造シートを図1(あるいは
図2)に示すように、コルゲート加工してハニカム構造
体を製造する。たとえば、図1におけるハニカム構造体
の高さhは1〜5mm、ピッチpは3.0〜100mm
で、波状シート1aと平板シート2の厚みは0.05〜
0.3mmである。同様に、抄造シートを図2に示すよ
うに加工してハニカム構造体とすることもできる。これ
らの成形シートを実際に、フィルタとして使用するに
は、単位容積当たりの接触面積を大きくすることが好ま
しく、成形シートを重複積層して図3および図4に示す
ような構造にさらに加工することが望ましい。
【0016】成形シートに含有される有機材料(有機
質)は、シートの機械的強度を高め、また成形性も改善
する。しかし、一旦成形した後、最終フィルタとして
は、むしろ耐熱性の方が重要であり、有機質の機能は望
まれないので、有機質が存在すると不都合である。した
がって、シートに含有される有機質を除去するのに、熱
や薬品による処理を用いる。本発明においては、特に熱
処理が有利である。この熱処理は従来のような焼結を目
的とするものではなく、単に有機質の迅速な除去が可能
であれば充分である。したがって、熱処理の温度も従来
のように600〜1000℃の高温に加熱する必要はな
く、焼成も不要である。本発明における熱処理は約25
0〜500℃の比較的低温で行われ、使用する炉の種類
やエネルギーコストの節減、生産性向上の点で非常に有
利である。
【0017】本発明において、低温熱処理が可能な理由
は、使用する珪酸カルシウムが高々400℃程度まで加
熱すれば、ハニカム構造体に充分の強度を与え、また成
形の保持ができるのに対し、山皮の主成分である珪酸マ
グネシウムは600℃以上で焼結させないと、強度的に
不充分であることからである。したがって、山皮の代わ
りに珪酸カルシウムを使用することが、本発明の重要な
特徴である。
【0018】本発明に係る多孔性ハニカム構造体とは前
記成形シート(すでにハニカム構造体である)を熱処理
して、有機質を除去したものを指す。多孔性ハニカム構
造体中、無機繊維と珪酸カルシウムの組成比は前述のと
おり重量比で約8:2〜約1:1であることが好まし
い。組成比がこの範囲内であると、前記の円筒型や箱型
のハニカム構造体の形状を充分に保持し、また吸着材の
含浸時に構造が崩れることもない。
【0019】本発明のフィルタは、多孔性ハニカム構造
体に適当な吸着材を固着させることにより製造される。
本発明に使用できる適当な吸着材としては、空気中の湿
気、アンモニア、アミン、硫化水素、メルカプタン等の
悪臭成分や芳香族類、ケトン類等の有機溶剤を吸着可能
な材料であれば特に限定されるものではないが、ゼオラ
イト等のアルミノ珪酸塩およびシリカゲル等の珪酸およ
び塩化リチウムなどが好ましく用いられる。
【0020】吸着材を多孔性ハニカム構造体に固着する
のに含浸法が適している。これは、吸着材を分散させた
水性懸濁液(水に混和可能な有機溶媒を含んでいてもよ
い)に多孔性ハニカム構造体を数分〜1時間浸漬し、乾
燥することから成る。好ましくは、吸着材が乾燥後重量
で、約5〜80重量%を占めるように調整し、固着させ
る。さらに、吸着材の多孔性ハニカム構造体への固着を
強固にするために、吸着補助剤を用いることもできる。
好ましい吸着補助剤としては、珪酸ソーダ、シリカゲ
ル、アルミナゾル等の無機系接着材が例示される。これ
らは乾燥後得られるフィルタの重量割合として約5〜3
0重量%の範囲内においてフィルタに含有される。
【0021】以上のようにして製造されたフィルタを利
用するガス浄化用フィルタ装置も本発明の一面を構成す
る。たとえば、図5は本発明の一態様であるフィルタ装
置の斜視図である。このフィルタ装置は前述のロータ5
(図3参照)を円柱形状としたフィルタエレメント8
と、再生用空気取入ダクト12、排気ダクト14、回転
用駆動ベルト16、駆動用モータ18とを含んで構成さ
れる。フィルタエレメント8の一部には、被処理用ガス
(空気を含む)がフィルタエレメント8と接触する接触
ゾーン10が定義される。ゾーン10は再生用空気ダク
ト12および排気ダクト14が設けられていないフィル
タエレメント8の部分にある。図6では便宜上、フィル
タエレメント8の下方半円部として接触ゾーン10を図
示してある。この接触ゾーン10はフィルタエレメント
8が回転用駆動ベルト16の回転により半回転すると、
フィルタエレメントの上方半円部11となる。これを再
生ゾーンと定義する。被処理ガス(空気)が本発明のフ
ィルタ装置に導かれると(図6中、矢印20の方向か
ら)、ガス中の悪臭成分あるいは空気中の湿気等が接触
ゾーン10に吸着される。接触ゾーン10は半回転され
再生ゾーン11となる。再生用空気取入ダクトから導か
れた再生用空気(図6中、矢印22の方向)は、一旦ダ
クトの入口前で加熱器(図示せず)により加熱され、再
生ゾーン11と接触する。再生用空気と接触ゾーン10
に吸着された成分との接触交換により、望ましくない悪
臭成分あるいは湿気等は再生用空気の圧力により排気ダ
クト14に導かれる。この排気ダクト14は再生用空気
取入ダクト12とフィルタエレメント11を挟んで反対
側に設けられている。したがって、再生用空気はフィル
タエレメント11を通過した後、排気用ダクト9から、
望ましくない吸着成分を伴って排気される(図6中、矢
印23の方向)。被処理ガスはフィルタエレメント11
を通過する間に、フィルタにより悪臭成分等が取除か
れ、浄化ガスとなり、処理ガス入口側とフィルタエレメ
ント8を隔てて反対側から排出される(図6中、矢印2
1の方向)。また処理ガスが水分を多量に含む空気の場
合はフィルタエレメント11を通過する際に除湿され、
圧送された空気が同様に排出される。排気用ダクト14
から排気されるガスが濃縮された悪臭成分を含む場合、
燃焼炉等に導かれ、燃焼されて無害化され大気に排出さ
れる。排気が単に湿度の高い空気の場合そのまま室外
に、あるいは大気中に排出してもよい。このように、フ
ィルタエレメント11を回転し、接触ゾーン10と再生
ゾーン11を逐次的に入換え、連続して脱臭あるいは除
湿等処理を行い得ることは本発明のフィルタ装置の特徴
である。
【0022】本発明のフィルタ装置は、加熱器、ファ
ン、他のフィルタ等とともにコンパクトに収納できる。
したがって、フィルタ装置は、家庭用、業務用の除湿装
置あるいは工業用排ガス処理装置として非常に有用であ
る。前述のとおり、本発明のフィルタは、このようなフ
ィルタ装置に用いられるのみならず、他の用途にも応用
できる高性能フィルタである。
【0023】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を説
明するが、これらは本発明の範囲を限定するものとみな
すべきではない。
【0024】実施例1〜5 セラミック繊維、有機材料(パルプ、溶融ビニロンの混
合物)、そして珪酸カルシウムを表1に示す割合で配合
し、湿式抄紙法により約0.20mmの厚みに抄造し
た。抄造シートをコルゲータによって、コルゲート加工
し、出来上がった片波シートを平面シートに接着剤で接
着して図1に示すようなハニカム構造体に成形した。ハ
ニカム構造体を、電気炉に入れて、400℃にて1時間
熱処理を行い、多孔性ハニカム構造体を得た。次いでゼ
オライト粒子と無機バインダー(シリカゾル、アルミナ
ゾル)を分散させた懸濁液に多孔性ハニカム構造体を数
分間浸した後、約300℃の熱風で約60分間乾燥し
て、本発明のフィルタを得た。
【0025】比較例1〜4 珪酸カルシウムの代わりに山皮(セピオライト)を含む
以外は実施例と同様の製造方法により比較例1〜3のフ
ィルタを得た。さらに、山皮も含まない(代わりに微細
ガラスを含む)試料をも作成して比較例4のフィルタを
得た。
【0026】
【表1】
【0027】各種評価試験 1、抄造シートの引張り強度と引裂強度 実施例、比較例の各試料について抄造シートの引張り強
度と引裂強度を測定した。測定結果を表2に示す。両強
度において、実施例のシートが比較例のシートより格段
優れていることが表2の結果から明らかである。
【0028】2、コルゲート加工性 コルゲート加工性について評価した結果を表2に示す。
表中、○は加工性が非常に良い、△は加工性が良い、×
は加工性が悪いことを示す。実施例のシートがコルゲー
ト加工性の点から比較例のシートより優れていた。
【0029】3、破壊テスト 熱処理で有機質を取除いた多孔性ハニカム構造体につい
て破壊テストを実施し、強度を評価した。破壊テストの
試料は、図4のような積層ハニカム構造体(30×30
×30cm)の厚み方向に荷重をかけたとき、上下の平
板シートが接触するに必要な強度を求めた。テスト結果
を表2に示す。ここでも、実施例の多孔性シートの強度
が比較例の多孔性シートの強度よりも向上していること
が判る。
【0030】4、吸着材の保持性 実施例と比較例の多孔性ハニカム構造体について、吸着
材(ゼオライト)をシート単位重量当たりできるだけ吸
着させ、その吸着(固着)量について相対的に評価し
た。評価結果を表2に示す。表中、○は吸着量が多い
(100g当たり200g以上程度)、△は吸着量が相
当量(100g当たり150〜200g程度)、×は吸
着量が少ない、−は吸着量が非常に少ないことを示す。
吸着材の保持量においても実施例の多孔性シートが比較
例の多孔性シートに比べて吸着材を多量吸着させること
が判る。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、有機溶剤
の分離回収、排気ガス中の悪臭成分の除去、空気の除湿
などに利用できるフィルタおよびフィルタ装置が提供さ
れる。本発明のフィルタは、強度が非常に改善されてい
るため、コルゲート加工しやすく、また有機質も完全に
除去されているので、不燃性であり吸着材保持量も多
く、高い吸着性が期待できる等、数々の利点を有する。
本発明のフィルタ、フィルタ装置は山皮を含有する従来
のフィルタあるいはそれを用いるフィルタ装置以上の性
能を発揮する。したがって、本発明のフィルタ、フィル
タ装置は、様々な業種で広い適用範囲があり、工業上極
めて利用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔性ハニカム構造体の拡大断面図で
ある。
【図2】本発明の別の多孔性ハニカム構造体の拡大断面
図である。
【図3】本発明のフィルタの一例であるロータの製造工
程を示す模式斜視図である。
【図4】本発明のフィルタの別の例である積層体の斜視
図である。
【図5】本発明のフィルタ装置の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
5 ロータ 8 フィルタエレメント 10 接触ゾーン 11 再生ゾーン 12 再生用外気取入ダクト 14 排気ダクト 16 回転用駆動ベルト 18 駆動用モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 20/18 ZAB E 20/28 ZAB A 32/00 ZAB D21H 17/67 13/36 D21H 5/18 E 9349−4F B32B 3/12 A (72)発明者 奥田 道明 滋賀県近江八幡市新栄町20−3

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維と珪酸カルシウムとを必須成分
    として含有する多孔性ハニカム構造体に吸着材を固着さ
    せたことを特徴とするフィルタ。
  2. 【請求項2】 多孔性ハニカム構造体が無機繊維と、珪
    酸カルシウムと、有機材料とを必須成分として含有する
    抄造シートをハニカム構造体に成形し、熱処理を施し、
    有機質を除去して得られる請求項1記載のフィルタ。
  3. 【請求項3】 無機繊維と珪酸カルシウムの重量比が
    8:2〜1:1である請求項1または2記載のフィル
    タ。
  4. 【請求項4】 無機繊維がセラミック繊維および/また
    はガラス繊維である請求項1または2記載のフィルタ。
  5. 【請求項5】 吸着材がアルミノ珪酸塩、珪酸そして塩
    化リチウムから成る群より選ばれる1種または2種以上
    である請求項1または2記載のフィルタ。
  6. 【請求項6】 無機繊維と、珪酸カルシウムと、有機材
    料とを必須成分として含有する抄造シートをハニカム構
    造体に成形し、熱処理を施して有機質を除去し、多孔性
    ハニカム構造体として、次いで吸着材を分散した懸濁液
    に含浸して吸着材を前記多孔性ハニカム構造体に固着さ
    せることを特徴とするフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 無機繊維と、珪酸カルシウムとを必須成
    分として含有する多孔性ハニカム構造体に吸着材を固着
    させたフィルタを円柱形状としたフィルタエレメント
    と、フィルタエレメントの一端に設けられた再生用空気
    取入ダクトと、フィルタエレメントの他端に設けられ、
    再生用空気取入ダクトと対向する排気ダクトと、フィル
    タエレメントの外円周上に装着された回転用駆動ベルト
    と、駆動ベルトと接続され駆動ベルトを回転させる駆動
    用モータとを有するガス浄化用フィルタ装置。
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