JP4635751B2 - 吸着エレメントの製造方法 - Google Patents

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本発明は、空気中に含まれる水分を、吸着材により吸着除去する吸着シート、吸着エレメント及びその製造方法に関するものである。
従来より、大気中の水分等を除去する手段として、吸着シートが用いられており、その構成としては、例えば、ゼオライトと有機繊維及び無機繊維が混合されたシートが開示されている(例えば特許文献1参照)。
このようにゼオライトを使った吸着シートは知られているが、比重の軽い柔軟な有機繊維を使用した場合には、シートに含まれるゼオライト含有重量比率が向上でき、またシートの柔軟性や強度等の取り扱い性に優れるが、耐熱性が劣り、ゼオライトの持つ不燃性という特徴を活かす事が出来ず、高温になるような場合には適応ができない問題があった。
また、無機繊維を使用した場合には、比重の重い無機物を使うことで、ゼオライト含有重量比率が低下し、また、完全に無機物だけは柔軟性が有り強度の強い取り扱い性の優れるシートを作成する事は難しく、有機物を少量含有するために、こちらもゼオライトの持つ不燃性という特徴を活かすことが出来ない問題があっ
た。
一方で、ゼオライトの不燃性という特徴を活かすために、ゼオライトと無機繊維と少量の有機物で構成されたシートに無機バインダーを添着して、有機物を焼成して除去して、耐熱性の高いシートを得る方法が知られている。
この場合には、焼成後の強度を保つために大量の無機バインダー必要になり、結局はシートに含まれるゼオライト含有重量比率が低下して吸着性能が悪化する問題が有った。また、焼成前のシートの有機物が多いと焼成後の強度が低下する等の問題があった。
特開昭55−62299号公報
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、ゼオライトを含有した吸着シート及び吸着エレメントにおいて、耐熱性、強度及び吸着性能の優れた物を提供する事を目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、(1)ゼオライトと、水分吸着性・自己固結性を有する粘土鉱物繊維、及びガラス繊維、並びに有機バインダーを含有することを特徴とする吸着シート、(2)前記ゼオライトがSi/Alモル比が3〜10がフォージャサイト郡のゼオライトであって、該ゼオライトを60〜85重量%含むことを特徴とする(1)記載の吸着シート、(3)水分吸着性・自己固結性を有する粘土鉱物繊維が、繊維径が0.1〜0.5μm、繊維長が1〜50μmの珪酸マグネシウム繊維及び/又は珪酸カルシウム繊維であり、該粘土鉱物繊維を5〜35重量%含むことを特徴とする(1)又は(2)記載の吸着シート、(4)ガラス繊維が、繊維径1〜10μm、繊維長2mm〜5mmであり、該ガラス繊維を5〜35重量%含むことを特徴とする(1)乃至(3)いずれかに記載の吸着シート、(5)有機バインダーが、PVA系バインダー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリエチレン系ポリマー、ポリエステル系ポリマーから選ばれた少なくとも一種のポリマーであり、該有機バインダーを5〜15重量%含むことを特徴とする(1)乃至(4)いずれかに記載の吸着シート、(6)
400〜800℃の温度で30分以上焼成してなることを特徴とする(1)乃至(5)いずれかに記載の吸着シート、(7)(1)〜(6)いずれかに記載の吸着シートがハニカム状構造に成形されたことを特徴とする吸着エレメント、(8)ゼオライトと、水分吸着性・自己固結性を有する粘土鉱物繊維、及びガラス繊維、並びに有機バインダーを含有するシートによりハニカム状構造を成形し、その後400〜800℃の温度で30分以上焼成してなることを特徴とする吸着エレメントの製造方法、(9)ゼオライトと、水分吸着性・自己固結性を有する粘土鉱物繊維、及びガラス繊維、並びに有機バインダーを含有するシートによりハニカム状構造を成形し、その後無機接着剤を添着し、400〜800℃の温度で30分以上焼成してなることを特徴とする吸着エレメントの製造方法、である。
本発明の吸着シート、吸着エレメントは、耐熱性、強度及び吸着性、全ての面において優れた性能を発揮するため、用途が拡大され、更にシート中のゼオライト含有量が多く、密度の高いシートであるため、少量で使用者の要請を満足することができることから省スペース化が可能となり、また、優れた吸着性能を発揮しながら、また加熱により被吸着物の脱着が可能であるため、吸着・脱着サイクル延長により経済的に有利となる利点がある。更に500〜800℃と極めて高い温度での使用が必要となった場合にも、吸着特性をほとんど失うことなく使用できる利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、上記課題を解決すべく、まず、吸着シート、吸着エレメントおよびその製造方法に適用する骨格材の種類および物性に着目して鋭意検討を行った。
その結果、ゼオライトと、水分吸着性・自己固結性を有する粘土鉱物繊維、及びガラス繊維、並びに有機バインダーを含有する吸着シートとすることにより、耐熱性、強度及び吸着性に優れる吸着シートを提供することができることを見出した。
すなわち、骨格材として水分吸着性と自己固結性を有する粘土鉱物繊維を使用することで、シートへのゼオライト担持性が優れ、骨格材自体も水分吸着特性を発現して吸着性能が向上し、更に自己固結性にて焼成後の強度が著しく優れることを知見したものである。
本発明の吸着シートに用いられる水分吸着性と自己固結性を有する粘土鉱物繊維は、水分吸着できる微細な細孔径を有しており、30℃、60RH%でも水分吸着率が5wt%以上であることが好ましい。より好ましくは7wt%以上、更に好ましくは10wt%以上である。更に高温で加熱した際に脱水し、セラミック化してバインダーとして効果を発現する自己固結性を有する粘土鉱物繊維であることが好ましい。その種類は特に限定される物ではないが、性能と焼成後の強度面から珪酸マグネシウム繊維もしくは珪酸カルシウム繊維が好ましい。
本発明者らは、更に、その粘土鉱物繊維の繊維径と繊維長を調整することで焼成後のシートの強度を向上できることを見いだした。すなわち、本発明に用いる粘土鉱物繊維の繊維径は0.1〜0.5μmで繊維長が1〜50μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは繊維径が0.1〜0.2μmで繊維長が1〜30μmである。繊維径が0.1μm以下で繊維長が1μm以下であれば微細すぎるため、シートへのゼオライトの担持性が低下し、更にはペーパーの強度が低下する傾向にあり、更にシート作成時等の微粉体の取り扱い性が低下するからである。
繊維径が0.5μmで繊維長が50μm以上になると焼成する際の高温で長時間の加熱が必要となる。また、粘土鉱物繊維のシートに含まれる量は、5〜35重量%の範囲が好ましく、吸着材のシートの含有重量比率を考慮すると5〜25重量%がより好ましい。5重量%未満では吸着材の担持能が不足し、35%以上では吸着材の使用量を少なくしなければならない不都合が生じる。
本発明の吸着シートはガラス繊維を含むことが好ましい。シートの強度や密度をより高いレベルまで向上させる必要がある場合にはガラス繊維を含有する事が有効であることを見出したことに基づくものである。すなわち、従来は、シートにゼオライトを多く充填するにはアラミド繊維やセラミック繊維等のフィブリルされたパルプ繊維の使用が必須であり、必要により強度を向上できるガラス単繊維を組み合わせでシートの強度を確保していた。しかし、嵩高なパルプ繊維を使用する事でシートの紙厚が厚くなってしまい、密度の低いシートになってしまう問題があった。そこで、本発明のように微細繊維である粘土鉱物繊維を用いれば、ガラス単繊維との組み合わせだけでシートにゼオライトを多く充填することができ、紙厚が薄く、密度の高い、そして強度の強いシートが得られるという、産業上極めて有利な効果を発揮するものである。
本発明者らは、特定の繊維長のガラス繊維を用いることで、更に強度や柔軟性が優れる結果を見いだした。すなわち、本発明の吸着シートに用いるガラス繊維の繊維径は1〜10μmであることが好ましく、また繊維長は2〜5mmのガラス繊維であることが好ましい。
本発明の吸着シートは、有機バインダーを含むことが好ましい。これにより、シートの柔軟性や強度を向上させることができるからである。
本願発明の吸着シートに用いる有機バインダーは、吸着剤と骨格繊維をバインダー効果にて接合できるものであれば特に限定されないが、PVA系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリエチレン系ポリマー、ポリエステル系ポリマーであれば、焼成前の柔軟性や強度を良好とし、更に焼成後の強度も良好にできることを本願発明者らは知見した。
本発明の吸着シートに用いられる有機バインダーの量は、5〜15重量%の範囲が好ましく、吸着材のシートの含有重量比率を考慮すると5〜10重量%がより好ましい。5重量%未満では吸着材の担持能が不足し、15%以上では吸着材の使用量を少なくしなければならない不都合が生じ、更に焼成後の強度が著しく低下する為である。
本発明者らは、次いで、ゼオライトについて検討を加えた。その結果、ゼオライトに関しては、Si/Alモル比とゼオライトの種類を特定することで、水分の吸・脱着特性が高く、更に高温で使用可能で、焼成する際に性能低下の無い耐熱性の優れる水分吸着シートを提供することができることを見出した。すなわち、本発明の吸着シートに用いるゼオライトは、Si/Alモル比が3〜10のフォージャサイト郡のゼオライトが好ましい。これは、Si/Alモル比が3以下であれば例えば500〜800℃程度の使用条件可でゼオライトが極めて短期間で水分吸着性能が低下する、あるいは吸着と脱着を連続的に繰り返して水分を除去する際の脱着性が悪くなり、連続処理時の水分吸着性能が低下することを知見したことに基づくものである。また、Si/Alモル比が10以上であれば耐熱性は向上できるがSiの撥水効果が強くなりゼオライトの持つ水分吸着性能自体が低下するからである。
次にシートの吸着材含有重量比率を上げるためには比重の高い吸着材が好ましく、ゼオライトの形態は粉末状が好ましく、粒径は平均粒径0.1〜10.0μmの範囲であり、望ましい範囲は2.0〜8.0μmである。
本発明の吸着シートに用いるゼオライトの、シートに含まれる量は、60〜85重量%の範囲が好ましく、吸着性能及び吸着材の脱落、シートの強度を考慮すると75〜80重量%がより好ましい。その理由は、60重量%未満では十分な吸着性能を得ることができず、85重量%を越えると吸着の脱落が多くなり、またシートの強度が著しく低下するためである。
本発明の吸着シートの厚みは、0.1〜0.5mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3mmの範囲である。厚みが0.1mm以下であればシートの強度が著しく低下しシートの成形性が低下し、また後加工においてハニカム状等の吸着エレメントに加工する事が出来なくなり、0.5mm以上であればシートをハニカム状等に加工した吸着エレメントの圧損が高くなる為である。
本発明の吸着シートの坪量は、25〜200g/m2の範囲であり、望ましくは40〜150g/m2の範囲である。坪量が25g/m2以下であれば紙厚みが薄くなりシートの強度が著しく低下しシートの成形性が低下し、また後加工においてハニカム状等の吸着エレメントに加工する事が出来なくなり、200g/m2以上であれば紙厚みが高くなりハニカム状等に加工した吸着エレメントの圧損が高くなる為である。
本発明の吸着シートを焼成する際の条件は400〜800℃の温度で30分以上焼成することが好ましいる。より好ましくは550〜700℃である。これは有機バインダーが焼成にて除去され、粘土鉱物繊維が自己固結性で硬化する温度だからである。400℃以上では充分な有機物の除去および粘土鉱物繊維の自己固結性が発現できない場合があり、800℃以上ではゼオライト自体の結晶構造の破壊が発生するからである。焼成時間の上限は特に存在しないが、100時間以上焼成しても、効果は殆ど変わらず、経済的に不利になる。
本発明の吸着エレメントの構造であるハニカム状構造体は、円柱状もしくは円筒状に形成されたハニカム構造体が好ましい。円柱状とは、心材にハニカムを巻き付けてローター状にした形状の事を指し(図1)、円筒状とは、平行にガスが通記するようにハニカムを複数積層し、処理ガスが中心から径方向に向かって通気するようにハニカム積層体を円周に配置する形状を指す(図2)。これら円筒状、円柱状に吸着ゾーン及び再生ゾーンを設け、中心軸を中心に回転させ、吸着と再生の処理を効率よく連続に行う事ができる。ハニカム状は、フェルト状や粒状と比較して、ミストやゴミによる目詰まりの防止、低圧損化、軽量化の点で優れている。
本発明の吸着エレメントの製造方法は、ゼオライトと水分吸着性と自己固結性を有する粘土鉱物繊維と有機バインダーを含有するシートを作成したのち、該シートをハニカム状構造に成形し、該ハニカム状吸着エレメントを400〜800℃の温度で30分以上焼成して製造する事が望ましい、必要により強度向上の為に焼成前の吸着エレメントに無機バインダーを添着する事もできる。無機バインダーは、シリカゾルやリン酸塩などが存在するが特に限定される物ではない。
次に実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
なお、本発明における吸着シートの諸特性の測定法は次の通りである。
(1)吸着シートに含まれる吸着材の含有重量比率Gの測定方法
G(重量%)=(a/A)×100
ここでaは吸着材シートの吸着率(重量%)
Aは吸着材単体の吸着率(重量%)
(2)吸着シートの吸着率の測定:(JIS−K−1474に準ずる)
吸着試験用U字管に吸着素子を入れ温度30℃±0.5℃に調節した水分蒸気吸着試験装置(図3)に相対湿度60RH%の空気を流し60分間吸着させ、吸着素子の重量増加を測定する。吸着率qは次式で求める。
q(重量%)=P/S×100
ここでPは吸着シートの増量(g)
Sは吸着シートの質量(g)
(3)引っ張り強度の測定方法
JISP−8113「紙および板紙−引っ張り特性の試験方法」に準じて測定した。シートの幅は20mmとした。
(4)耐熱性の評価方法
シートを空気中700℃の条件で24hr加熱した後に、(2)吸着シートの吸着率の測定を実施し、加熱前の吸着率の差を見て耐熱性を判断した。
[実施例1]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が5のY型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.1μmで繊維長が1μmの珪酸マグネシウム繊維を10重量%とガラス繊維として繊維径が6μm×3mmのガラスファイバーを10重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で18重量%である優れた結果を得た。またシートの引っ張り強度も2.8kgf/20mmと強く、柔軟性に優れたシートである結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して550℃で3時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果1.4kgf/20mmと強い結果を得た。また、700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下が無く良好であった。このシートは水分吸着率が高く、耐熱性は550℃以上と性能と耐熱性共に優れた特徴を有していた。
[実施例2]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が5のY型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.2μmで繊維長が30μmの珪酸マグネシウム繊維を10重量%とガラス繊維として繊維径が6μm×3mmのガラスファイバーを10重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で18重量%である優れた結果を得た。またシートの引っ張り強度も2.8kgf/20mmと強く、柔軟性に優れたシートである結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して550℃で3時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果1.3kgf/20mmと強い結果を得た。また、700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下が無く良好であった。このシートは水分吸着率が高く、耐熱性は550℃以上と性能と耐熱性共に優れた特徴を有している。
[実施例3]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が10のY型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.1μmで繊維長が1μmの珪酸マグネシウム繊維を10重量%とガラス繊維として繊維径が6μm×3mmのガラスファイバーを10重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で15重量%である優れた結果を得た。またシートの引っ張り強度も2.8kgf/20mmと強く、柔軟性に優れたシートである結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して550℃で3時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果1.4kgf/20mmと強い結果を得た。また、700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下が無く良好であった。このシートは水分吸着率が高く、耐熱性は550℃以上と性能と耐熱性共に優れた特徴を有している。
[実施例4]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が5のY型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.1μmで繊維長が1μmの珪酸マグネシウム繊維を5重量%とガラス繊維として繊維径が6μm×3mmのガラスファイバーを15重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で15重量%である優れた結果を得た。またシートの引っ張り強度も3.5kgf/20mmと強く、柔軟性に優れたシートである結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して550℃で3時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果1.6kgf/20mmと強い結果を得た。また、700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下が無く良好であった。このシートは水分吸着率が高く、耐熱性は550℃以上と性能と耐熱性共に優れた特徴を有している。
[実施例5]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が15のY型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.1μmで繊維長が1μmの珪酸マグネシウム繊維を10重量%とガラス繊維として繊維径が6μm×3mmのガラスファイバーを10重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で4重量%と実施例に比べて低い結果を得た。ただ、珪酸マグネシウム繊維とガラス繊維を使用していることでシートの引っ張り強度は2.8kgf/20mmと強く、柔軟性に優れたシートである結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して550℃で3時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果1.4kgf/20mmと強い結果を得た。ただ、700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下が無く良好であったが、4重量%と初期から低い。このシートはゼオライトのSi/Alモル比が高いことで水分吸着率は実施例1〜4に比べて低い結果となった。
[比較例1]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が1.5のA型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.1μmで繊維長が1μmの珪酸マグネシウム繊維を10重量%とガラス繊維として繊維径が6μm×3mmのガラスファイバーを10重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で12重量%と実施例に比べて低い結果を得た。ただ、珪酸マグネシウム繊維とガラス繊維を使用していることでシートの引っ張り強度は2.8kgf/20mmと強く、柔軟性に優れたシートである結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して550℃で3時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果1.4kgf/20mmと強い結果を得た。ただ、700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下が激しく水分吸着率は1.0wt%まで低下した。このシートはゼオライトのSi/Alモル比が低いA型ゼオライトを使用していることで水分吸着率が実施例に比べて低く、耐熱性の低い結果となった。
[比較例2]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が5のY型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.1μmで繊維長が1μmの硼酸アルミニウム繊維を10重量%とガラス繊維として繊維径が6μm×3mmのガラスファイバーを10重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で18重量%である優れた結果を得た。また、ガラス繊維を使用していることでシートの引っ張り強度は2.8kgf/20mmと強く、柔軟性に優れたシートである結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して550℃で3時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果、自己固結性を有する粘土鉱物繊維を使用していない事で0.5kgf/20mmと実施例に比べて強度が低い結果を得た。700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下は無く良好な結果を得た。このシートは性能は優れ得るが、自己固結性を有する粘土鉱物繊維を使用していない事で焼成後の強度が弱く、耐熱性を発現する事が出来ない。
[比較例3]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が5のY型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.1μmで繊維長が1μmの珪酸マグネシウム繊維を10重量%とセラミック繊維を10重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で18重量%である優れた結果を得た。ただ、ガラス繊維を使用していない事でシートの引っ張り強度は1.5kgf/20mmと実施例に比べて低い結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して550℃で3時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果、0.7kgf/20mmと実施例に比べて強度が低い結果を得た。700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下は無く良好な結果を得た。このシートは性能は優れ得るが、ガラス単繊維を使用していない事で焼成前後の強度が弱い。
[比較例4]
ゼオライトとしてSi/Alモル比が5のY型ゼオライトを70重量%と粘土鉱物繊維として繊維径が0.1μmで繊維長が1μmの珪酸マグネシウム繊維を10重量%とガラス繊維として繊維径が6μm×3mmのガラスファイバーを10重量%と有機バインダーとしてPVA((株)クラレ製VPB−1−5−2)を10重量%の比率で、坪量70g/m2となる重量にて湿式抄紙装置を使いシートを作成した。このシートの水分吸着率をJIS−K−1474に準じて測定した結果、吸着温度30℃、相対湿度60RH%の条件で18重量%である優れた結果を得た。また、ガラス繊維を使用していることでシートの引っ張り強度は2.8kgf/20mmと強く、柔軟性に優れたシートである結果を得た。次にこのシートにシリカゾルを10重量%添着して300℃で0.5時間焼成した後のシートの引っ張り強度を測定した結果、自己固結性を有する粘土鉱物繊維を使用していない事で0.7kgf/20mmと実施例に比べて強度が低い結果を得た。700℃で24時間加熱後の水分吸水率の低下は無く良好な結果を得た。このシートは性能は優れ得るが、焼成条件が十分でないため、焼成後の強度が弱く、耐熱性を発現する事が出来ない。
実施例および比較例の各種特性を表1に示す。
Figure 0004635751
本発明の吸着シート、吸着エレメントは、耐熱性、強度及び吸着性、全ての面において優れた性能を発揮するため、用途が拡大され、更にシート中のゼオライト含有量が多く、密度の高いシートであるため、少量で使用者の要請を満足することができることから省スペース化が可能となり、また、優れた吸着性能を発揮しながら、また加熱により被吸着物の脱着が可能であるため、吸着・脱着サイクル延長により経済的に有利となる利点がある。更に500〜800℃と極めて高い温度での使用が必要となった場合にも、吸着特性をほとんど失うことなく使用できる利点があり、産業界に寄与すること大である。
本発明の吸着エレメントの形状であるハニカム−円柱状を示す。 本発明の吸着エレメントの形状であるハニカム−円筒状を示す。 本発明の吸着シートの吸着性能を評価する装置を示す。
符号の説明
1:乾燥ガス入口
2:温度調節用蛇管
3:共通すり合わせろ過板付きガス洗浄
4:混合瓶
5:吸着試験用U字管
6:三方コック
7:蒸気発生用ガス流量計
8:希釈ガス用流量計
9:排気口
10:余剰ガス出口
11:恒温槽
12:水
13:ガス流量調整コック

Claims (2)

  1. ゼオライトと、水分吸着性・自己固結性を有する粘土鉱物繊維、及びガラス繊維、並びに有機バインダーを含有するシートによりハニカム状構造を成形し、その後400〜800℃の温度で30分以上焼成してなることを特徴とする吸着エレメントの製造方法。
  2. ゼオライトと、水分吸着性・自己固結性を有する粘土鉱物繊維、及びガラス繊維、並びに有機バインダーを含有するシートによりハニカム状構造を成形し、その後無機接着剤を添着し、400〜800℃の温度で30分以上焼成してなることを特徴とする吸着エレメントの製造方法。
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