JP7239108B2 - 微生物燃料電池電極基材、その電極基材の製造方法、及びその電極基材を用いた微生物燃料電池 - Google Patents

微生物燃料電池電極基材、その電極基材の製造方法、及びその電極基材を用いた微生物燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、微生物燃料電池に用いる電極基材、その電極基材を製造する方法及びその基材を用いた微生物燃料電池に関する。
近年、新しい発電方法として、微生物燃料電池の開発が行われている。
微生物燃料電池は、微生物の生物代謝事象を電気エネルギーに変換する発電方法である。
微生物燃料電池が、各方面で注目を集めている理由の一つは、各種の有機廃棄物、汚泥、廃棄食物等の不要な有機物質を利用できる発電方法であって、かつ発電工程自体が有機廃棄物を分解処理する点である。
また、微生物が有機物から電子を取り出す一種の触媒として機能するため、これまで一般に普及してきた化学燃料電池のようなガス交換プロセス等を必須としない点が有利な点である。即ち、化学燃料を得るためのエネルギーを省略して、廃物を利用して低コストで、エネルギーを得ることができるのである。
一方、微生物燃料電池は、出力電流が低いという大きな問題点を有しており、実用的な発電力を得るにはいろいろ解決すべき課題も多い。出力電流密度を高めるには、微生物から電極への電荷移動の効率を高くすることが重要であり、この電荷移動効率は、電極表面積及び電極特性に影響される。特に、微生物と電極の電子授受の向上の方法が望まれている。
また、微生物燃料電池の発電効率を高めるために発電に適した微生物を遺伝子組み換えによってデザインすることも試みられている。
特許文献1では、微生物燃料電池に用いられ、フィルム状、シート状、メッシュ状又はウール状である基材と、その基材の表面を覆う被膜とを備えた電極が開示されている。そして、前記被膜が、樹脂100重量部に対して導電性カーボン材料10重量部以上を混合して形成されており、基材が被膜で被覆されることで微生物燃料電池用電極が構成されている。
特開2015-109288
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、電極基材に粉体状の炭素を含む樹脂を塗布する形態であるから、必然的に炭素の周りには樹脂が存在することになる。したがって、微生物が電子の授受に関して活動できる領域を増やすという観点においては、十分でないという課題があった。
本発明者らは、微生物燃料電池の電荷移動効率を向上させるために、微生物の触媒としての効率を高める電極の構成は、どのようなものであるかを誠意、研究してきた。本発明は、主に上記課題に着目して完成したものである。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決するとともに、微生物燃料電池の電荷移動効率を向上させることができる微生物燃料電池電極基材、その電極基材の製造方法、及びその電極基材を用いた微生物燃料電池をそれぞれ提供することにある。
上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
本発明に係る微生物燃料電池電極基材は、繊維長2mm~20mm、太さが5μm~30μmの範囲の導電性繊維材料を含む湿式抄造シートに平均粒子径が2μm~100μmであって所定賦活処理を施されたヤシ殻系又は木質系活性炭粒子を保持させており、
前記導電性繊維材料の前記湿式抄造シートに対する重量%の範囲を10重量%~50重量%に設定し、前記ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の前記湿式抄造シートに対する重量%の範囲を10重量%~80重量%に設定したことを特徴とする。
更に好ましくは、導電性繊維材料の湿式抄造シートに対して12.5重量%~30重量%、ヤシ殻活性炭又は木質系活性炭粒子の湿式抄造シートに対して40重量%~75重量%であることを特徴とする。
導電性繊維材料には炭素繊維や金属繊維などが例示できる。前記湿式抄造シートには、導電性繊維材料の他にもバインダー繊維材料や各種機能を有した機能性繊維材料を混抄されて含ませることができる。
本明細書において「電極基材」は電極を作る前の「シート材」や「電極自体」を含む概念として使用している。
この構成であれば、繊維長2mm~20mm、太さが5μm~30μmの範囲の導電性繊維材料を含む湿式抄造シートに平均粒子径が2μm~100μmであって所定賦活処理を施されたヤシ殻系又は木質系活性炭粒子を保持させてあるので、炭素表面での微生物の電子授受活動を活発化させることができる。また、導電性繊維材料の前記湿式抄造シートに対する重量%の範囲と、ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の前記湿式抄造シートに対する重量%の範囲のそれぞれを上記範囲に設定することによって、電子が流れる通路として導電性繊維材料の量と、微生物が増殖する住居空間としてのヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の量とをバランスを取ることができ、配合割合が上記範囲を外れた構成に比べて、同じシート材の重量で高い発電効率を得ることができる。
本発明に係る微生物燃料電池電極基材において、好ましい各種条件の設定事項を以下に記載する。
本発明に係る他の形態は、前記所定賦活処理として水蒸気賦活を採用したことを特徴とする。
実験によれば、水蒸気賦活を施したヤシ殻系又は木質炭系活性炭を使用することで、高性能で安定したバイオシートを生成できることを確認しており、微生物の生体維持活動を活発化でき、結果的に発電性能を向上できる。
本発明に係る他の形態は、湿式抄造シートの坪量を20g/m~500g/mの範囲に設定したことを特徴とする。
この構成であれば、上記範囲に設定することにより、活性炭量の少ない構成から非常に多い構成まで多種多様な条件を作り出すことができ、微生物周囲環境を多様化できる。
本発明に係る他の形態は、前記湿式抄造シートの体積抵抗率を100mΩ・cm~450mΩ・cmに設定したことを特徴とする。
更に好ましくは体積抵抗率を150mΩ・cm~430mΩ・cmに設定したことを特徴とする。
本発明に係る他の形態は、前記湿式抄造シートの空隙率が80%~95%であることを特徴とする。
上記空隙率K(%)は下記の式で算出されるものである。
K=(繊維層の容積-繊維材料の容積-ヤシ殻系又は木質系活性炭)/繊維層の容積
つまり、湿式抄造シートの繊維層全体の容積から、繊維材料の容積とヤシ殻系又は木質系活性炭の容積を引いたものを繊維層全体の容積で除算したものである。
この構成であれば、微生物の住処になる各繊維材料の隙間を良好に設定でき、微生物コロニーをシート内に広げることができるので、電池性能を高めることができる。
本発明に係る他の形態は、前記ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の表面積を300m/g~1,000m/gに設定したことを特徴とする。
本発明に係る他の形態は、前記ヤシ殻系又は木質炭系活性炭に形成されている平均細孔径の大きさが1.5nm~5nmであることを特徴とする。
本発明に係る微生物燃料電池は、上記のいずれか一つに記載の前記微生物燃料電池電極基材を用いて燃料電池を構成したことを特徴とする。
本発明に係る微生物燃料電池用電極基材の製造方法は、平均粒子径が10μm~60μmであり、所定賦活処理されたヤシ殻系又は木質系活性炭粒子を使用し、繊維長2mm~20mm、太さが5μm~30μmの範囲の導電性繊維材料とバインダー繊維材料と、前記ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子とを含んで、前記導電性繊維材料の湿式抄造シートに対する重量%の範囲を10重量%~50重量%に設定し、前記ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の前記湿式抄造シートに対する重量%の範囲を10重量%~80重量%になるように湿式抄造法によって湿式抄造シートを製造する抄造工程と、
前記湿式抄造シートを乾燥する乾燥工程と、を含むことを特徴とする。



以上説明したように、本発明であれば、電子が流れる通路として導電性繊維材料の量と、微生物が増殖する住居空間としてのヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の量とをバランスを取ることができ、配合割合が上記範囲を外れた構成に比べて、同じシート材の重量で高い発電効率を得ることができる微生物燃料電池電極基材、その電極基材の製造方法、及び微生物燃料電池をそれぞれ提供することができた。
実施形態に係る微生物燃料電池の一例を示す構成図である。 本実施例のバイオシートを作る電極基材において、各組成のシートを構成する素材の名称、記号、それらの分類、それらの材質及び材料仕様、性状などを記載した図表である。 本実施例において、各シートの品番と、炭素繊維、木材パルプ、活性炭(1)、活性炭(2)、活性炭(3)の坪量、厚みなどのデータを記載した図表である。 本実施例において、保持された活性炭の重量%を横軸に取り、左縦軸に開回路電圧(OCV)、右縦軸に電力密度(μW/cm)を取ったグラフである。 15種類のシートにおいて活性炭の重量%と表面抵抗率Ω/cmの関係を取ったグラフである。 15種類のシートにおいて活性炭の重量%と表面抵抗率Ω/cmの関係を取ったグラフである。 C3P1AC1-10の10μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-10の100μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-10の500μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-40の10μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-40の10μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-40の100μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-40の100μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-40の500μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-60の10μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-60の100μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-60の100μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-60の500μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-75の10μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-75の10μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-75の20μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-75の100μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC1-75の500μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC2-40の10μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC2-40の100μmを基準にする電子顕微鏡写真である。 C3P1AC2-40の500μmを基準にする電子顕微鏡写真である。
[実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る微生物燃料電池電極基材(以下、電極基材と略称する)を用いた微生物燃料電池を説明するための図である。
1.<微生物燃料電池10の構成>
第1実施形態に係る微生物燃料電池10の一例について図1に基づいて説明する。なお、この微生物燃料電池10の構成は本発明に採用できる燃料電池の一例にすぎず、原理的に本発明を使用できる全ての微生物燃料電池に適用することができる。
この微生物燃料電池10は、電解槽1の中に、負極電極2と正極電極3と隔膜4と負極槽内電解質溶液5、正極槽内電解質溶液6とを収容した構成になっている。そして、負極電極2と正極電極3間に生成された電力を消費する外部装置7が電気的に接続される。
電解槽1は、隔膜によって負極槽と正極槽に分離された二槽型、又はエア・カソードと隔膜が一体化し、アノード槽のみからなる等の構成を有する単槽型等の各種の電解槽が知られている。本発明の微生物燃料電池は、いずれの型も使用することができる。したがって、隔膜4は、本発明の微生物燃料電池において必須の構成要件ではない。
電解質溶液5は電解質を含む溶液である。本実施形態において、微生物燃料電池で使用する電解質は、水中で電離可能な物質であれば特に限定はしない。また、公知のように単一又は複数の電解質の混合物を用いることが可能である。
また、電解質溶液に加えて、電子を与える微生物とその微生物が活動する有機物、及び各種の導電性微粒子等の電子伝達性介在物質を含める。
負極槽の微生物は、単一又は複数種のいずれであってもよい。有機排水や汚泥等を燃料として使用する場合、外部から微生物を加えなくとも、それらに元来生息する電子供与微生物をそのまま利用することができ、コストをかけずに実施できる点において優れている。一般に有機排水や汚泥に生息する微生物は、それらの有機物を好み、最も分解するのに適した微生物が自然に収集して生息するからである。例えば、シュードモナス属やジオバクターなどの微生物は、土壌、淡水、海水等の自然環境の至るところに生息しているため、通常、汚泥等を燃料とすれば、外部から添加することなく利用できる。
正極槽は、酸素を含むガス(通常は空気)を供給できる構成が採用される。
微生物に与える燃料、即ち栄養は、その微生物が代謝可能な物質であれば、どのような物質でもよい。例えば、メタノールやエタノールのようなアルコール類、又は、グルコース等の単糖類、デンプン、アミロース等の多糖類等の有用資源、並びに有機排液、し尿、汚泥、食物残渣等の未利用資源、すなわち有機性廃棄物を用いることができる。また、電子伝達性介在物質は必要に応じて電解槽に添加すればよい。
2.<電極基材の製造方法>
本実施形態に係る電極基材の製造方法について説明する。
図2及び図3に示すように、シートを形成する素材として、導電性繊維としての炭素繊維、バインダ剤として木材パルプ、導電補助剤及び微生物の吸着剤としての活性炭を使用して、湿式抄造工程によって下記品番の3系統シートを14種類製造した。
また、比較例として、活性体が一切入らないC3P-2を製造した。
実施例としての3系統のシートは、即ち、
(C3P1AC1系)
炭素繊維(C3)、木材パルプ(P1)、ヤシ殻系炭で水蒸気賦活した活性炭(1)(AC1)を重量%で10,20,40,60,75%加えたC3P1AC1-10,C3P1AC1-20,C3P1AC1-40,C3P1AC1-60,C3P1AC1-75のシート、
(C3P1AC2系)
炭素繊維(C3)、木材パルプ(P1)、木質系炭で水蒸気賦活した活性炭(2)(AC2)を重量%で10,20,40,60,75%加えたC3P1AC2-10,C3P1AC2-20,C3P1AC2-40,C3P1AC2-60,C3P1AC2-75のシート、
(C3P1AC3系)
炭素繊維(C3)、木材パルプ(P1)、木質系炭で塩化亜鉛賦活した活性炭(3)(AC3)を重量%で10,20,40,60%加えたC3P1AC3-10,C3P1AC3-20,C3P1AC3-40,C3P1AC3-60のシート、
の合計14種類である。
3.<湿式抄造シートの製造>
炭素繊維と、木材パルプを含んで、導電性繊維である炭素繊維を分散させて作成した繊維スラリーと、上記ヤシ殻系又は木質系活性炭を水に十分に分散させた粒子分散水とを分散させることによって抄き網上で抄き、湿式抄造法によって活性炭混抄シートを製造する。この活性炭混抄シートを乾燥したシートが電極基材となる。
本実施形態に使用することができる導電性繊維は、活性炭繊維が好適である。また、湿式抄造法で製造できる導電性繊維としては、炭素繊維、金属繊維、導電性ポリマーから作製された繊維含む導電性ポリマー繊維または導電性材料を含むポリマー繊維、金属コーティング繊維、及びそれらの混合物がある。使用可能性がある金属繊維としては、例えば、銅繊維やアルミニウム繊維等がある。導電性材料を含むポリマー繊維としては、導電性材料で被覆された熱可塑性繊維や、導電性材料が含浸または混合された熱可塑性繊維に適用の可能性がある。
バインダー繊維材料としては、基本的に抄紙できる任意の天然繊維があり、合成セルロース繊維を含めることができる。天然のバインダー繊維としては、これらに限定しないが、例えば、綿、アバカ、ケナフ、サバイグラス、亜麻、アフリカハネガヤ、わら、ジュート麻、バガス、トウワタフロス繊維、藻類繊維、パイナップルの葉の繊維や、針葉樹及び落葉樹から得られる木質繊維またはパルプ繊維(例えば、北方針葉樹クラフトまたは南方針葉樹クラフトから得られる針葉樹繊維や、ユーカリ、カエデ、カバノキ、ポプラ等から得られる広葉樹繊維)等が採用できる。
また、化学合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維などが挙げられる。また、無機繊維としては、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維などが挙げられる。
4.<バイオフィルム付きアノード電極の作成>
シートを用いてのバイオフィルムを作成する。具体的には、10mLの容器に、LB培地を入れて大腸菌の培養を行う。
その場合、恒温振とう培養機を用い、温度33℃で24時間培養する。その後、3mLの容器に小分けし、3mLの各容器にバイオフィルムを形成させるために、容器の底に配置した電極シートを入れる。
インキュベータ内に33℃で48時間、放置する。以上の作業により、バイオフィルム付きアノード電極を完成することができる。
なお、活性炭表面に形成したバイオフィルムの微生物が、周辺のグルコースなどの餌を分解し、その時に得た電子を、炭素繊維を介して外部回路へと取り出すことで発電する。
5.<前記アノード電極の性能試験装置と試験方法>
(5-1)<使用機器>
図1に示したような2槽式微生物燃料電池と、可変抵抗、データ収集システム(DAQ)、及びデータを解析するパソコンを用いて性能試験装置を構成した。
(5-2)<測定方法>
前記微生物燃料電池のアノード電極とカソード電極間に挿入した可変抵抗の両端電圧をデータ収集システム(DAQ)により測定し、パソコンに取り込む。取り込んだ電圧値と可変抵抗の値から電流密度などを算出した。
シート抵抗は、汎用の抵抗率測定器を使用し、測定精度±0.2%の直流4探針法で測定した。
6.実験結果
(6-1)図4に示す実験結果
図4は、C3P1AC1-10,C3P1AC1-20,……,C3P1AC2-10,C3P1AC2-20,……,C3P1AC2-75の合計10種類のシートにおいて、保持された活性炭の重量%を横軸に取り、左縦軸に開回路電圧(OCV)、右縦軸に電力密度(μW/cm)を取った図である。
白丸のマークで示される開回路電圧(OCV)と白四角のマークで示される電力密度(μW/cm)は共に、活性炭の重量%が約60%を超えて、活性炭の量が増えすぎると、開回路電圧(OCV)と電力密度(μW/cm)が低下することが分かる。
微生物が増殖する住居空間としてのヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の量が増えると、バイオフィルムが形成しやすくなり、約10%から約60%までの右肩上がりの傾きで示されるように起電力が大きくなる傾向がある。しかし、ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の量が、電子が流れる通路として働く炭素繊維の量に比べて増えすぎると、電気の流れる通路が狭くなり、シートの抵抗が大きくなり、大きな起電力を得ることが難しくなるのではないかと予想される。つまり、炭素繊維のシートに対する重量%の範囲と、ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子のシートに対する重量%の範囲のそれぞれを前記した本発明の範囲に設定することによって、最適な起電力を得ることができる範囲に設定できると予想できる。
(6-2)図5,図6に示す実験結果
活性炭が一切入らないC3P-2と、(C3P1AC1系)、(C3P1AC2系)、(C3P1AC3系)の15種類のシートにおいて、活性炭の重量%と表面抵抗率(Ω/cm)の関係を取ってみると、塩化亜鉛賦活を行った(C3P1AC3系)の抵抗が大きく、水蒸気賦活の方が優れていることが分かった。
また、活性炭の重量%が約60%を超えてくるころから、表面抵抗値(Ω/cm)が大きくなるので、電子が流れる通路として炭素繊維の量が減りすぎると、起電力を高める点において好ましくないことが分かる。
(6-3)電子顕微鏡写真
図7~図26はそれぞれ、本実施例に係るシートに形成されたバイオフィルムの状態を示す電子顕微鏡写真である。
(C3P1AC1系)の写真が多いのは、どちらかと言えばヤシ殻系の特性が良いからである。但し、図4~図6に示すようにヤシ殻系又は木質系活性炭も共に良好な特性を有していることが判明した。また、写真を見れば分かるようにいずれの実施例も良好なバイオフィルムが形成されていることが分かる。
また、木質系炭で塩化亜鉛賦活した活性炭であっても、良好に使用できる範囲はある。
この電子顕微鏡写真から、以下のことが推察される。
(1)微生物は活性炭表面だけでなく、導電性繊維表面にも広がり、コロニーを形成している。
(2)導電性繊維はバイオフィルム中を不特定に多数の方向に延びており、縦横無尽に走る幹線のように、活性炭とバイオフィルムとを繋げている。
(3)所定長さの導電性繊維は上記多数方向に延びる幹線の働きを増進するように思われる。
(4)多数方向に延びる幹線を屋根骨として、バイオフィルムは屋根骨に支持されるテントのように膜状に広がっている。
(5)活性炭と導電性繊維とバイオフィルムの関係は複雑である。
10 微生物燃料電池

Claims (9)

  1. 繊維長2mm~20mm、太さが5μm~30μmの範囲の導電性繊維材料を含む湿式抄造シートに平均粒子径が2μm~100μmであって所定賦活処理を施されたヤシ殻系又は木質系活性炭粒子を保持させており、
    前記導電性繊維材料の前記湿式抄造シートに対する重量%の範囲を10重量%~50重量%に設定し、前記ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の前記湿式抄造シートに対する重量%の範囲を10重量%~80重量%に設定したことを特徴とする微生物燃料電池電極基材。
  2. 前記所定賦活処理として水蒸気賦活を採用したことを特徴とする請求項1に記載の微生物燃料電池電極基材。
  3. 湿式抄造シートの坪量を20g/m~500g/mの範囲に設定したことを特徴とする請求項1~請求項2のいずれか一つに記載の微生物燃料電池電極基材。
  4. 前記湿式抄造シートの体積抵抗率を100mΩ・cm~450mΩ・cmに設定したことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一つに記載の微生物燃料電池電極基材。
  5. 前記湿式抄造シートの空隙率が80%~95%であることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一つに記載の微生物燃料電池電極基材。
  6. 前記ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の表面積を300m/g~1,000m/gに設定したことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一つに記載の微生物燃料電池電極基材。
  7. 前記ヤシ殻系又は木質炭系活性炭に形成されている平均細孔径の大きさが1.5nm~5nmであることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一つに記載の微生物燃料電池電極基材。
  8. 前記請求項1~請求項7のいずれか一つに記載の微生物燃料電池電極基材を用いて構成したことを特徴とする微生物燃料電池。
  9. 平均粒子径が10μm~60μmであり、所定賦活処理されたヤシ殻系又は木質系活性炭粒子を使用し、繊維長2mm~20mm、太さが5μm~30μmの範囲の導電性繊維材料とバインダー繊維材料と、前記ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子とを含んで、前記導電性繊維材料の湿式抄造シートに対する重量%の範囲を10重量%~50重量%に設定し、前記ヤシ殻系又は木質系活性炭粒子の前記湿式抄造シートに対する重量%の範囲を10重量%~80重量%になるように湿式抄造法によって湿式抄造シートを製造する抄造工程と、
    前記湿式抄造シートを乾燥する乾燥工程と、を含むことを特徴とする微生物燃料電池電極基材の製造方法。
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