JP5320749B2 - 液体微粒化装置とそれを用いたサウナ装置 - Google Patents

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本発明は、液体微粒化装置とそれを用いたサウナ装置に関するものである。
例えば、サウナ装置に用いられる液体微粒化装置の構成は、次のような構成となっていた。
すなわち、給気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内の風路に設けた送風手段と、この送風手段と排気口間に設けた微粒化手段とを備え、前記微粒化手段は、ノズルから液体を噴射させる構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−63103号公報
上記従来例において問題となるのは、エネルギー損失が大きくなっているということであった。
すなわち、従来の液体微粒化装置は、上述のごとく、ノズルから液体を噴射させることにより液体を微粒化しているが、このように、ノズルから液体を噴射させるものでは、微粒化できなかった多くの排液が発生し、しかも例えば、サウナ装置においては、この排液は、加熱手段による加熱を行ったものでもあるので、加熱された液体をみすみす排出してしまうことになり、結論として、エネルギー損失が大きくなってしまうものであった。
そこで、本発明は、エネルギー損失を抑制することを目的とするものである。
そして、この目的を達成するために本発明は、給気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内の風路に設けた送風手段と、この送風手段と排気口間に設けた液体の微粒化手段とを備え、前記液体の微粒化手段は、保水性と通風性のある回転体と、この回転体の下方に近接して設けた貯水皿と、この貯水皿への給水手段とからなり、これにより初期の目的を達成するものである。
以上のごとく本発明は、給気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内の風路に設けた送風手段と、この送風手段と排気口間に設けた液体の微粒化手段とを備え、前記液体の微粒化手段は、保水性と通風性のある回転体と、この回転体の下方に近接して設けた貯水皿と、この貯水皿への給水手段とからなるものであり、エネルギー損失を抑制することができる。
すなわち、本発明においては、回転体が微粒化手段となり液体を微粒化するが、同時に微粒化できなかった大粒の液滴を捕捉するエリミネータとしての機能も有し、捕捉した大粒の液滴を回転により下方の貯水皿に回収するので、結論として少量の貯留水を循環して使用するため、排液となってしまう液体量が極めて少なくなり、その結果として、エネルギー損失を抑制することができるものとなる。
また、微粒化終了時には、回転体および貯水皿で保持している液体は自然に乾燥させることもできるので、排液手段を別途設ける必要のないものとなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1において、1はサウナ室を示し、このサウナ室1の前面壁2には、ドア3が開閉自在に設けられ、また、内部には浴槽4が設けられている。
また、このサウナ室1の天井面5の開口部6には、液体微粒化装置7が取り付けられている。液体微粒化装置7は、図2に示すごとく、給気口8と排気口9を有する本体ケース10と、この本体ケース10内の風路に設けた加熱手段11および送風手段12と、この送風手段12と排気口9間に設けた微粒化手段13とを備えた構成となっている。
この微粒化手段13は、保水性と通風性のある回転体14と、この下方に近接して設けた貯水皿15と、給水手段16から構成されている。
上記微粒化手段13の構造について、図3を用いてさらに具体的に説明するが、以下、上流側、下流側という記載は、送風手段12によって形成される風の流れに沿ったものとする。
図3に示すように、給水手段16から給水された水は、貯水皿15の最低部に貯留され、回転体14の最下端部が浸水している。回転体14は、その中心を貫通するシャフト17を回転軸として、図示していないモータにより、この回転が90°以下の時に前記貯水皿で保水した箇所が前記送風手段からの風が当たるように回転し(図3矢印A)、上流側が微粒化手段となり液体を微粒化すると同時に、下流側が微粒化できなかった大粒の液滴を捕捉するエリミネータとしての機能も有し、大粒の液滴を回転により下方の貯水皿に回収するのである。
さらに、回転体14は、保水性と通風性を合わせ持つ素材と構造が必要であり、帯状の金網や合成樹脂製の網をロール状に巻いて形成されたものであって、耐熱性の観点から、合成樹脂の中では、ポリプロピレン(PP)が好ましい。
以上の構成において、サウナ室1内において、サウナを使用する場合、まずは、図示していないガス湯沸かし器や電気温水器から図1に示すパイプ18を介して、図2における加熱手段11と給水手段16に温水を供給し、給水手段16により供給された温水は貯水皿15の底部に貯留される。
次に、送風手段12が駆動され、その状態で回転体14を回転させることにより回転体14内で温水の微粒化と微粒化できなかった大粒の液滴の除去が行われる。
この時、上述のごとく送風手段12が駆動されているので、給気口8から本体ケース10内にはサウナ室1内の空気が吸引されており、この空気が加熱手段11により加熱され、次に微粒化手段13により微粒化された温水を排気口9側へと搬送することとなる。
図4は、回転体14による液体の微粒化機能と、微粒化できなかった大粒の液滴を捕捉するエリミネータとしての機能を示している。
(a)、(b)、(c)と回転による時間経過の状態を示し、(d)は定常状態を示している。図中、回転体14内の網目部は微粒化部19、斜線部は液滴除去部20である。
図4(a)において、回転初期は、回転体14の最下部が、貯水皿15の底部に貯留された温水に浸り、回転体14の最下部は浸った温水を保水する。
図4(b)は、図4(a)から約90°回転した状態で、回転体14の外周で保水された温水が送風手段12による風圧により回転体14の内部へ広がると共に微粒化しつつ一部は蒸発し、微粒化部19の下流側は、微粒化できなかった大粒の液滴を幾重の細かい網目により捕捉する液滴除去部20を構成するようになる。
図4(c)は、図4(b)からさらに約90°回転した状態で、図4(b)で内部へ広がった微粒化部19が送風手段12による風圧により、回転体14の外周から内部へ移動すると共に広がり、微粒化部19の下流側の液滴除去部20が、回転体14の中央から下流側へと広がるようになる。
この時、液滴除去部20内の下流側最下端部では、除去された液滴が回転体14から、排出され始めている。
最後に図4(d)は定常状態を示しており、図4(c)より微粒化部19、液滴除去部20の各々占める面積が増え、ほぼ回転体14の上流側が微粒化部19、下流側が液滴除去部20となり、液滴除去部20内の最下端部では、除去された液滴が回転体14から、排出され続けている。
このように回転体14は、貯水皿15の底部に貯留された温水を回転により風路内に持上げ微粒化する微粒化機能と、微粒化できなかった大粒の液滴を捕捉するエリミネータとしての機能を果たしており、よって回転体14を通過した温風には微粒化されたものだけが含まれ、その微粒化した温水は蒸発しながら排気口9を介してサウナ室1内に供給され、サウナ環境が整えられる。
また回転体14の回転については、その回転スピードは出来るだけ遅くすることが好ましい。すなわち、回転体14の外周に保持された温水が、送風手段12から供給された加熱空気と長い時間接触し、回転体14の内部に移動しつつ微粒化及び蒸発しやすくなるからである。
また回転体14がエリミネータ機能も有するため、通常必要なエリミネータも不要となり、装置の小型化も可能となる。
ここで、貯水皿15の構造を詳細に説明する。
貯水皿15は、底面が回転体14の中心軸の鉛直下方部で上向きに屈曲しており、排気口9側の一端が回転体14よりも排気口9側まで延長していることが好ましい。
これにより、図4(d)における回転体14から排出された液滴を漏れなく貯水皿15に回収するので、少量の貯留水を循環して使用することができるからである。
また、底面が回転体14の中心軸の鉛直下方部で上向きに屈曲しているため、平面に比べ貯水皿15の貯水量が少ない状態(図中の黒塗り部)でも、回転体14の最下部を貯留した温水に浸し、保水することができる。
また、貯水皿15は、回転体14の中心の鉛直下方部から給気口8側の一端までの距離が回転体14の中心の鉛直下方部から排気口9側の一端までの距離よりも短い方が好ましい。すなわち、回転体14の中心の鉛直下方部から給気口8側の一端までの距離を長くすると、風路を妨げてしまうからである。
また、貯水皿15は、屈曲部を中心とした傾きが、給気口8側の傾きより排気口9側の傾きの方が緩やかな方が好ましい。すなわち、給気口8側の傾きを大きくすると、風路を妨げてしまい、排気口9側の傾きを大きくすると、回転体14から排出された液滴が底部へ流れ易くなるからである。
また、貯水皿15は、図4のように給気口8側の一端と排気口9側の一端に立上がりを設けた方が好ましい。すなわち、風圧により貯水面が揺れて高くなっても、溢れ出ることが防止でき、特に下流側の立上がり21は、状態4のように回転体14から排出された液滴が風圧により飛ばされて溢れ出ることを防止できることができる。
また、貯水皿15の内表面は、鏡面仕上げが好ましい。すなわち、少ない貯水量で回転体14を浸すため、貯水皿15と回転体14は近接しており、接触した場合に摩擦を小さくし、回転体14の磨耗や擦れ合い音を小さくすることができるからである。
このように貯水皿15は、少ない貯水量で回転体14を保水させるとともに、回転体14から排出された液滴を漏れなく回収するので、少量の貯留水を循環して使用することができ、給水手段16による給水量も少なくできる。
なお、給水手段16は、図2、図3に示したような配管での給水ではなく、貯水皿15を脱着可能な構造として、装置外で水道等から直接給水することも可能である。
以上のように本発明により、回転体が微粒化手段となり液体を微粒化するが、同時に微粒化できなかった大粒の液滴を捕捉するエリミネータとしての機能も有し、大粒の液滴を回転により下方の貯水皿に回収するので、結論として少量の貯留水を循環して使用するため、排液となってしまう液体量が極めて少なくなり、その結果として、エネルギー損失を抑制することができるものとなる。
また本実施形態の特徴として、多孔質体15を設けた結果、排気口9を介してサウナ室1内に非蒸気液体が滴下することが無いので、この非蒸気液体滴下抑制のための排水設備を、わざわざ本体ケース10内からサウナ室1に別途設ける必要はない。
以上のごとく本発明は、給気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内の風路に設けた送風手段と、この送風手段と排気口間に設けた液体の微粒化手段とを備え、前記液体の微粒化手段は、保水性と通風性のある回転体と、この回転体の下方に近接して設けた貯水皿と、この貯水皿への給水手段とからなるものであり、エネルギー損失を抑制することができる。
すなわち、本発明においては、回転体が微粒化手段となり液体を微粒化するが、同時に微粒化できなかった大粒の液滴を捕捉するエリミネータとしての機能も有し、大粒の液滴を回転により下方の貯水皿に回収するので、結論として少量の貯留水を循環して使用するため、排液となってしまう液体量が極めて少なくなり、その結果として、エネルギー損失を抑制することができるものとなる。
また、微粒化終了時には、回転体および貯水皿で保持している液体は自然に乾燥させることもできるので、排液手段を別途設ける必要のないものとなる。
したがって、例えば、サウナ装置やその他植物育成設備への活用が期待される。
本発明の実施の形態1における液体微粒化装置を用いたサウナ装置の斜視図 同液体微粒化装置の断面図 同液体微粒化装置の微粒化手段の斜視図 (a)〜(d)は、同液体微粒化装置の微粒化手段のそれぞれの動作を説明する断面図
符号の説明
1 サウナ室
2 前面壁
3 ドア
4 浴槽
5 天井面
6 開口部
7 液体微粒化装置
8 給気口
9 排気口
10 本体ケース
11 加熱手段
12 送風手段
13 微粒化手段
14 回転体
15 貯水皿
16 給水手段
17 シャフト
18 パイプ
19 微粒化部
20 液滴除去部
21 立上がり

Claims (1)

  1. 給気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内の風路に設けた送風手段と、この送風手段と排気口間に設けた液体の微粒化手段とを備え、前記液体の微粒化手段は、保水性と通風性のある回転体と、この回転体の下方に近接して設けた貯水皿と、この貯水皿への給水手段とからな、前記回転体は、前記液体の微粒化機能と微粒化できなかった大粒の液滴を捕捉するエリミネータとしての機能をもつ網をロール状に巻いて形成され、前記給水手段から給水された水が前記貯水皿の最低部に貯留され、前記回転体の最下端部が浸水している状態からこの回転が90°以下の時に前記貯水皿で保水した箇所が前記送風手段からの風が当たるように回転するものであって、前記貯水皿は、底面が前記回転体の中心軸の鉛直下方部で上向きに屈曲し、前記排気口側の一端が前記回転体よりも前記排気口側まで延長している液体微粒化装置。
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