JP4157263B2 - 光触媒機能を有する耐久シート体及びその製造方法 - Google Patents

光触媒機能を有する耐久シート体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒機能を有するシート体に関し、更に詳しくは、光触媒が細孔を有するセラミックスでコートされた光触媒粒子を有機材料である繊維基布にバインダーを介して固着した耐久性のある光触媒機能を有する耐久シート体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光触媒の特有の触媒機能を利用した材料が、種々、開発されている。
一般に、チタニアをはじめとする光触媒は、光の照射により強い還元作用を持つ電子と強い酸化作用を持つ正孔が生成され、光触媒に接触した有害有機化学物質を酸化還元反応により分解する作用を有する。
このような光触媒機能を利用することにより、悪臭、空気中の有害物質、汚染物の分解除去、廃水浄化、抗菌、抗カビなどの環境浄化を効率的に行うことができる。
そして、特に、光触媒を繊維等の有機質布帛に付与することにより、有機質布帛に、抗菌、消臭、防汚機能をもたせることが知られている。
【0003】
これは、光触媒をバインダー樹脂を用いて繊維シートなどの基材に固着させることにより防菌等の機能を付与するものである。
しかし、光触媒の強力な作用によって、汚染物質や細菌のみならず、繊維自体やバインダー樹脂をも分解してしまい、光触媒機能を有する繊維シートとしては耐久性が欠けるものであった。
このようなことから、光触媒機能を備えた繊維布帛に対する改良が行われてきた。
【0004】
例えば、特開平8−74171には、繊維布帛に酸化チタン光触媒を、バインダー樹脂、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッソ樹脂等の硬化型樹脂を架橋剤又は硬化触媒で硬化した樹脂により固定されてなる、消臭、抗菌及び防汚機能を有する繊維布帛が提示されている。
この繊維布帛においては、硬化型樹脂を用いることにより、酸化チタン光触媒により該樹脂が着色されたり、臭気を生じることがないとされている。
しかし、これらの樹脂の中には当然炭化水素基を含むものがあり、光触媒によって分解され易く、更に、硬化型樹脂を架橋させて硬化させているために、加工された布帛の柔軟性が損なわれてしまう欠点がある。
【0005】
また、特開平11−323726には、有機繊維質上にメラミン樹脂からなる中間層を設け、その上に酸化チタン光触媒を固定化した繊維布帛が開示されている。
しかし、このような中間層を設けることは工程数が増え、またコスト高の原因となる。
【0006】
更にまた、特開平9−276706には、チタニア粒子の表面に孔径が1nm〜10μmの細孔を有する、光触媒として不活性なセラミックス膜をコートした光触媒を、ポリエステルなどの有機繊維に練り込んだものが開示されている。
これによると、有機繊維と接触している部分が光触媒として不活性なセラミックスであるため、繊維自身の分解を生じにくく、長期間その効果を持続させることができるというものである。
しかし、これにも欠点がある。
【0007】
すなわち、細孔を有するセラミックスでコートされた光触媒は、周りを繊維材料で覆われているため、汚れ、細菌、悪臭成分などの被分解物と接触する機会に乏しく、光触媒の機能を十分に発揮させることができない。
その機能を十分に発揮させるためには、練り込む光触媒の量を増やさなければならずコスト高となり好ましくない。
更に、細孔部分に繊維材料が入り込んで、繊維材料が変色したり、分解され、光触媒機能を有するシートとしての耐久性に問題がある。
また、バインダー樹脂を使って、このような細孔が形成されたセラミックス膜を有する光触媒粒子を繊維基布に固着すると、バインダー樹脂が細孔に充填されるために、それが分解して製品となった後に悪影響を与える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を改善するもので、耐久性のある光触媒機能を有する耐久シート体、及びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来の問題点を背景に鋭意研究した結果、光触媒とのイオン結合力を有する分散剤を利用することにより、バインダー樹脂が直接光触媒と接触しない状態を形成することができる点を見出し、この知見により、本発明を完成させた。
【0011】
本発明は、(1)光触媒が細孔を有するセラミックス膜によりコートされた光触媒粒子が、バインダー樹脂を介して繊維基布に固着してなる光触媒機能を有する耐久シート体であって、バインダー樹脂が繊維基布上に層状に形成され、該バインダー樹脂から光触媒粒子が外部に露出している光触媒機能を有する耐久シート体に存する。
【0012】
そしてまた、()、光触媒がチタニアである上記(1)記載の光触媒機能を有する耐久シート体に存する。
【0013】
そしてまた、(3)、光触媒粒子をバインダー樹脂を介して繊維基布に固着することで光触媒機能を有する耐久シート体を製造する方法であって、光触媒が細孔を有するセラミックス膜によりコートされた光触媒粒子、バインダー樹脂、及びアニオン系界面活性剤からなる溶液を繊維基布に付与することで、細孔にアニオン系界面活性剤を侵入させ、その後、加熱処理を行うことにより、バインダー樹脂を光触媒と非接触状態のまま硬化させ、且つ光触媒粒子がバインダー樹脂層から外部に露出するようにする光触媒機能を有する耐久シート体の製造方法に存する。
【0014】
そしてまた、()、アニオン系界面活性剤が鎖状高分子から成る光触媒機能を有する上記(3)記載の耐久シート体の製造方法に存する。
【0015】
そしてまた、()、アニオン系界面活性剤がポリカルボン酸系界面活性剤である光触媒機能を有する上記(3)記載の耐久シート体の製造方法に存する。
【0016】
そしてまた、()、光触媒がチタニアである光触媒機能を有する上記(3)記載の耐久シート体の製造方法に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施の形態に基づき詳細に説明する。
本発明に用いられる繊維基布の材質としては、有機材、例えば、ポリエステル、ポリアミド、アクリルなどの合成樹脂、レーヨン、アセテートなどの再生繊維や半合成繊維、更には綿、絹、羊毛などの天然繊維などが採用される。
繊維基布の形態としては、シート状が好ましく、織物、編物、不織布などのシート体が採用され、通常、繊維基布は浸染や、捺染等の染色加工、その他の処理加工(例えば難燃加工)を施したものが主に使用される。
【0018】
本発明において使用される光触媒は、TiO2 (チタニア)、CdS、CdSe、CdO、WO3 、Fe2 3 、Sr2 3 、SrTiO3 、KNbO3 、ZnO、CaAs、CaP、InP、In2 3 、BaTiO3 、K2 NbO3 、Ta2 5 、SbO2 、Bi2 3 、NiO、Cu2 O、SiC、MoS2 、MoS3 、InPb、RuO2 、CeO2 等があり、これらの組み合わせも当然採用可能である。
【0019】
そして、これらの光触媒は、アナターゼ型及びルチル型の結晶型をしているもの用いることが好ましいが、光触媒の機能性の点からアナターゼ型のTiO2 (チタニア)を用いるのがより好ましい。
また、光触媒粒子の平均粒径は、0.1〜50μmが好ましく、更には、1〜30μmであることが好ましい。
0.1μmより小さいと加工性に問題があり、50μmより大きいと、繊維基布に付与する際の光触媒粒子の分散性が安定しない。
また、バインダー樹脂にて固着した場合、光触媒粒子自体が剥がれ落ちやすくなる。
【0020】
光触媒には、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、鉄、亜鉛等の金属の少なくとも一種を表面に担持したものを用いることが好ましい。
これらの金属を担持させることにより、その触媒作用を発揮させ有機化合物の分解除去効果や、抗菌、防かびなどの環境浄化効果が増大する。
本発明の光触媒にコートされたセラミックスは、アパタイト、ゼオライト、セピオライト、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、カルシアなど光触媒に対して不活性なもので有れば、従来公知のものを用いることができ、特に限定されない。
これらのセラミックスに細孔を形成させてコートした光触媒粒子は次の方法で得ることができる。
【0021】
例えば、超微粒子のセラミックスを水に懸濁させたり、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、チタニウムなどの金属のアルコキシド及びそれらの混合物のアルコキシドを加水分解したり、金属のアルコキシドに酢酸塩、蓚酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、ステアリン酸塩、乳酸塩、有機酸塩などの溶解した金属塩を加水分解したりして調整されたゾル液に、モノエタノールアミンや、ジエタノールアミンなどのアルコールアミン類や、ジエチレングリコールなどのグリコール類などを添加し、光触媒を加えるなどして、光触媒表面をコーティングした後、噴霧乾燥などで乾燥し、その後加熱焼成することにより得られる。
この焼成工程の温度は、セラミックスの種類により異なるが、通常、700℃以下が採用される。
【0022】
上記の方法によると、光触媒をコートしたセラミックス膜の細孔の径は、数nm〜数μmのものが形成され、この細孔径やその細孔分布密度は、ゾル液への有機高分子の添加量や分子量を変えることにより容易に変更可能である。
尚、このような光触媒粒子及びその製造方法については、例えば、チタンの光触媒については、特許第2945926号公報に詳述されている。
【0023】
以上のように、本発明で使用する光触媒粒子は、セラミックス膜(光触媒に対し不活性)によって光触媒粒子表面がコート(被覆)され、セラミックス膜には細孔が形成されて、該細孔の底に光触媒が顔を出した(露出した)状態となっている。
このような細孔を有するセラミックス膜によりコートされた光触媒粒子を、繊維基布に付与するための処理法としては、本発明では、細孔を有するセラミック膜によりコートされた光触媒と、バインダー樹脂と、界面活性剤(アニオン系の分散剤)と、からなる処理液(溶液)を用いる。
【0024】
そして、この処理液を、浸漬法、パッドドライ法、スプレー法、コーティング法、ラミネート法などの方法によって繊維基布に付与することで、繊維基布には光触媒粒子がバインダー樹脂を介して付与された状態となる。
【0025】
ここで、バインダーは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の接着性を有する樹脂を用いることができるが、加工性や、加工後の繊維基布の柔軟性を考慮するとポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂などを用いることが好ましい。
繊維基布の加工性の観点からは、水系の合成樹脂を用いるのが好ましく、また光触媒の繊維基布からの脱落を考慮すると、架橋型の樹脂を用いても当然良い。
【0026】
本発明の処理液に加える界面活性剤としては、セラミックス膜の細孔に入り込み易い物質を幾多の中から選んだ。
すなわち本発明の界面活性剤は、アニオン系の分散剤を用いるものである。
そして、後述する熱処理時等に分解しても変色や、異臭の発生の無いものが好ましく、例えば、鎖状高分子からなり、その組成中にベンゼン環を含まないものが好ましい。
具体的に用いられるアニオン系分散剤としては、ポリカルボン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、燐酸エステル系界面活性剤などを用いることができるが、その中でも、ポリカルボン酸系界面活性剤は、分解されたときにも異臭や変色が発生しにくいので好ましい。
このようなアニオン系分散剤を使用することにより、光触媒粒子とその分散剤とがイオン結合により結びつき、セラミックスの細孔の底に露出する光触媒粒子にアニオン系分散剤が吸着される。
その結果、細孔にアニオン系分散剤が侵入することになる。
【0027】
上記処理液を、塗布した繊維基布は、その後、加熱処理(通常、150〜200℃)される。
この加熱処理を終了したバインダーは硬化され、光触媒粒子はバインダー樹脂層により基布に固着された状態となる。
加熱処理によってバインダー樹脂は光触媒と非接触状態のままで硬化するため、バインダー樹脂がセラミックスの細孔部分に入り込むことがない。
つまり、この状態ではバインダー樹脂は光触媒と非接触状態となるのである。
更に、光触媒粒子を固着後、シート体を水洗することにより、界面活性剤を除去し、残留界面活性剤の分解、変色等による欠点を低減することができるので好ましい。
【0028】
図1は、繊維基布に前述の処理液を付与した後を示するもので、セラミックス膜の細孔に分散剤が侵入した状態(熱処理前)を現す概念図である。
先述したように、セラミックス膜3の細孔21の底には、光触媒1が露出しており、この部分にイオン結合により結びつき易い分散剤4が吸着する。
その結果、細孔21には分散剤が侵入してバインダー樹脂3は、細孔21の底に露出している光触媒と非接触状態となる。
【0029】
加熱処理を施した後は、これらのバインダー樹脂が硬化し、該樹脂は光触媒には直接接触しないものとなる。
このような構造をとることにより、バインダー樹脂が光触媒により分解されず、その結果、繊維基布Fの耐久性が増すことになる。
なお、加熱処理した後、分散剤の種類によっては、分散剤が分解消失することもあるが、この場合は、細孔が空所となり、光触媒との接触に起因する分散剤の分解も排除できることとなる。
【0030】
ここで、バインダー樹脂としては、セラミックスと繊維基布との間で接着機能を有する樹脂剤が採用され、その機能を有するものであれば材料として特に限定されることはない。
しかし、加工性、繊維基布の風合いなどを考慮すると、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、或いは、シリコン系樹脂が好ましい。
ところで本発明の耐久シート体は、加熱処理後において、光触媒粒子がバインダー樹脂層を介して繊維基布に固着された状態となっているが、バインダー樹脂層から露出していることが好ましい。
【0031】
図2は、加熱処理後、光触媒粒子が、バインダー樹脂層から露出した状態を示す概念図である。
そのため、繊維基布Fに付与するバインダー樹脂層3の平均厚みを、細孔21を有するセラミックス2がコートされている光触媒粒子Pの平均粒径より小さくしている。
このようにバインダー樹脂層3の厚さを薄くすることで、光触媒粒子Pが、バインダー樹脂層の内部に埋没せずに露出する。
光触媒粒子Pが、バインダー樹脂層3から露出しているため、光触媒の機能が十分発揮され、光触媒機能を有する耐久シート体として抗菌、消臭、及び防汚性が優れたものとなる。
【0032】
以上のように、本発明による、光触媒機能を有する耐久シートは、光触媒の機能である抗菌、消臭、防汚の機能を有し、且つ耐久性のあるものとなる。
また、バインダー樹脂においても、光触媒に接することがないため、光触媒に強い樹脂に限定されず、広範囲な種類の中から選択できる利点がある。
そのため、本発明の光触媒機能を有する耐久シート体の製造方法は、バインダー樹脂の異なった種々のものが利用でき、その結果、多様な耐久シート体ができる。
そのため、通常のファッション衣料、スポーツ衣料以外にも、手術着などの医療用衣料、寝具類、インテリア素材としても好適に利用される。
【0033】
次に、本発明を実施例を示して説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
以下の実施例で用いた測定方法は次の通りである。
〔評価方法〕
1.消臭性測定
アンモニア消臭性 … 500ml用ガラス瓶に、測定試料を入れ瓶内の初期濃度が400ppmになるようにアンモニアガス発生液を注入し、20wのブラックライトを8時間照射後、瓶内のアンモニアガス濃度を測定し、(初期濃度―照射後濃度)/初期濃度×100で算出した。
アセトアルデヒド消臭性… 500ml用ガラス瓶に、測定試料を入れ瓶内の初期濃度が60ppmになるようにアセトアルデヒドガス発生液を注入し、20wのブラックライトを8時間照射後、瓶内のアンモニアガス濃度を測定し、
(初期濃度―照射後濃度)/初期濃度×100
で算出した。
イソ吉草酸消臭性 … 500ml用ガラス瓶に、測定試料を入れ瓶内の初期濃度が60ppmになるようにイソ吉草酸ガス発生液を注入し、20wのブラックライトを8時間照射後、瓶内のイソ吉草酸ガス濃度を測定し、
(初期濃度―照射後濃度)/初期濃度×100
で算出した。
【0035】
2.抗菌性評価
菌液接種後、蛍光灯(2400ルクス)24時間照射後、SEKマーク統一 試験方法に準拠して行った。(静菌活性値2.2以上)
【0036】
3.光劣化性
フェードメーター試験機を用い、試験布を、83℃で200時間紫外線を照射した後、JIS L1096 A−1法(強伸度試験法)に準じ、引張強 度を測定し、処理前との引張強度低下率(%)で示した。
【0037】
4.耐光変色性
JIS 0842カーボンアーク灯に対する試験法に準じ、色差はLab色表表示式によるΔEにて、変色が有るか無いかを判断した。
【0038】
【実施例1】
テトラエトキシシラン0.02molを200mlの無水エタノールで希釈し、攪拌しながら水を2molと分子量10万のポリエチレングリコール0.4gを添加し、更に硝酸0.004molを添加して透明なゾル液を調整した。
これに粒径1μmのアナターゼ型チタニア粒子5gを加え、超音波により分散させ、噴霧乾燥した後、500℃で焼成した。
得られた粒子に表面には約100nmの大きさの細孔が存在した。
これを目付け200g/m2 のポリエステル加工糸100%の織物に、下記の処方1の溶液をパディング処理にて付与した。
溶液の塗布量は85g/m2 であった。
その後、110℃で2分間乾燥した後150℃で熱処理を行った。
チタニアの付与量は3.6g/m2 であった。
性能を表1に示す。
【0039】
Figure 0004157263
【0040】
【実施例2】
テトラエトキシシラン0.02molを200mlの無水エタノールで希釈し、攪拌しながら水を2molと分子量10万のポリエチレングリコール0.4gを添加し、更に硝酸0.004molを添加して透明なゾル液を調整した。
これに粒径1μmのアナターゼ型チタニア粒子5gを加え、超音波により分散させ、噴霧乾燥した後、500℃で焼成した。
得られた粒子に表面には約100nmの大きさの細孔が存在した。
これを目付け200g/m2 のポリエステル加工糸100%の織物に、下記の処方2の溶液をパディング処理にて付与した。
溶液の塗布量は84g/m2 であった。
その後、110℃で2分間乾燥した後150℃で熱処理を行った。
チタニアの付与量は3.5g/m2 であった。
性能を表1に示す。
【0041】
Figure 0004157263
【0042】
【比較例1】
実施例1と同様の織物を、下記の処方3の溶液にてパディング処理した。
溶液の塗布量は80g/m2 であった。
その後、110℃で2分間乾燥した後150℃で熱処理を行った。チタニアの付与量は3.4g/m2 であった。セラミックの細孔にバインダー樹脂が入り込んだものであった。
性能を表1に示す。
【0043】
Figure 0004157263
【0044】
【比較例2】
実施例1と同様の織物を、下記の処方4の溶液にてパディング処理した。
溶液の塗布量は80g/m2 であった。
その後、110℃で2分間乾燥した後150℃で熱処理を行った。
チタニアの付与量は3.8g/m2 であった。
チタニア粒子がバインダーの接触している構造であった。
性能を表1に示す。
【0045】
Figure 0004157263
【0046】
【比較例3】
実施例1と同様の布帛に何も加工しないものをブランクとした。
性能を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004157263
【0048】
【発明の効果】
上述した如き細孔を有するセラミックスによりコートされた光触媒粒子と、バインダー樹脂、及びアニオン系界面活性剤からなる溶液を繊維基布に付与することで、細孔にアニオン系界面活性剤を侵入させ、その後、加熱処理を行うことにより、バインダー樹脂は光触媒と非接触状態のまま硬化するので、光触媒とバインダー樹脂とは非接触状態となる。
そのため光触媒の機能である、抗菌、消臭、及び防汚の効果を確保できる上、どのようなバインダー樹脂を用いても、その劣化分解がほとんど無く耐久性が増す。
また、光触媒粒子が、バインダー樹脂層から露出している場合は、より光触媒の機能が効果的に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、セラミックス膜の細孔に分散剤が侵入した状態(熱処理前)を示す概念図である。
【図2】図2は、光触媒粒子が、バインダー樹脂層から露出した状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1…光触媒(チタニアなど)
2…セラミックス(セラミックス膜)
21…細孔
3…バインダー樹脂(バインダー樹脂層)
4…アニオン系分散剤(界面活性剤)
F…繊維基布
P…光触媒粒子

Claims (6)

  1. 光触媒が細孔を有するセラミックス膜によりコートされた光触媒粒子が、バインダー樹脂を介して繊維基布に固着してなる光触媒機能を有する耐久シート体であって、
    バインダー樹脂が繊維基布上に層状に形成され、該バインダー樹脂から光触媒粒子が外部に露出していることを特徴とする光触媒機能を有する耐久シート体。
  2. 光触媒がチタニアであることを特徴とする請求項1記載の光触媒機能を有する耐久シート体。
  3. 光触媒粒子をバインダー樹脂を介して繊維基布に固着することで光触媒機能を有する耐久シート体を製造する方法であって、
    光触媒が細孔を有するセラミックス膜によりコートされた光触媒粒子、バインダー樹脂、及びアニオン系界面活性剤からなる溶液を繊維基布に付与することで、細孔にアニオン系界面活性剤を侵入させ、その後、加熱処理を行うことにより、バインダー樹脂を光触媒と非接触の状態のまま硬化させ、且つ光触媒粒子がバインダー樹脂層から外部に露出するようにすることを特徴とする光触媒機能を有する耐久シート体の製造方法。
  4. アニオン系界面活性剤が鎖状高分子から成るものであることを特徴とする請求項3記載の光触媒機能を有する耐久シート体の製造方法。
  5. アニオン系界面活性剤がポリカルボン酸系界面活性剤であることを特徴とする請求項3記載の光触媒機能を有する耐久シート体の製造方法。
  6. 光触媒がチタニアであることを特徴とする請求項3記載の光触媒機能を有する耐久シート体の製造方法。
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