JP3759004B2 - 防汚性メッシュシート - Google Patents

防汚性メッシュシート Download PDF

Info

Publication number
JP3759004B2
JP3759004B2 JP2001220250A JP2001220250A JP3759004B2 JP 3759004 B2 JP3759004 B2 JP 3759004B2 JP 2001220250 A JP2001220250 A JP 2001220250A JP 2001220250 A JP2001220250 A JP 2001220250A JP 3759004 B2 JP3759004 B2 JP 3759004B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mesh sheet
resin
weight
antifouling
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001220250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003027366A (ja
Inventor
博 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiraoka and Co Ltd
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Hiraoka and Co Ltd
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiraoka and Co Ltd, Nippon Soda Co Ltd filed Critical Hiraoka and Co Ltd
Priority to JP2001220250A priority Critical patent/JP3759004B2/ja
Publication of JP2003027366A publication Critical patent/JP2003027366A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3759004B2 publication Critical patent/JP3759004B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防汚性に優れたメッシュシートに関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、工事用メッシュシート、飛散防止用メッシュシート及びブラインド用メッシュシートなどの用途に極めて有用な防汚性メッシュシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建築工事現場等で使用される工事用メッシュシート及び飛散防止用メッシュシートがよく知られている。これらのメッシュシートには、合成モノフィラメントを粗目に編織したメッシュシート、糸条を合成樹脂材料で被覆し、この糸条を粗目に編織したメッシュシート、および糸条を粗目に編織し、これに合成樹脂被覆を施したメッシュシートなどが包含される。
メッシュシートが工事現場で多く用いられる理由としては、ターポリンと比較して通風性がよく、風圧事故を防止し、軽量で便利であり、作業現場に美観を与える機能を有しているためである。また、工事用メッシュシートとして必要な特性は、引張強力、引裂強力、タフネス、防炎性、耐摩耗性、及び耐水性が高いことの他に、作業現場の美観を保つために防汚性が高いことが強く要望されており、また最近では要望される色相の数も増えており、ファッション性も必要とされてきている。
【0003】
従来の合成モノフィラメントを粗目に編織したメッシュシートを用いると、合成モノフィラメントの隙間に汚れが溜まってしまい、汚れが目立ちやすく、このため、その美観を保つには定期的な洗浄が必要となり、また目づれを生じやすいなどの問題点が知られている。
また、糸条を合成樹脂材料で被覆し、この樹脂被覆糸条を粗目に編織したメッシュシート、および糸条を粗目に製編織し、この粗目編織物の構成糸条の露出表面にこれに合成樹脂被覆を施したメッシュシートでは、合成樹脂材料としては加工性、経済性、耐候性、防炎性等の面からポリ塩化ビニル系樹脂が使用される場合が多く、このメッシュシートは長期間屋外で使用される用途に用いられる。この場合、ポリ塩化ビニル系樹脂中に配合される安定剤等が十分な吟味がなされたものであっても、樹脂層中の可塑剤が経時的に内部から表面に移行して次第に表面が粘着性を示すようになり、その粘着性表面上に塵埃等が付着して汚れやすくなるという欠点を生じていた。また、最近は環境問題を考慮し、非塩化ビニル系合成樹脂として、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、及び/又はアクリル系樹脂を使用することが増えている。これらの非塩化ビニル系合成樹脂は、可塑剤を含まないけれども、メッシュシートの風合い、及び耐寒性を考えた場合、ある程度柔らかいグレードの樹脂を選定する必要があり、またこれらの非塩化ビニル系合成樹脂は樹脂自体が粘着性を示すことが多く、これが汚れ付着の原因となっている。
【0004】
従来の樹脂被覆メッシュシートの前記欠点を改善する防汚処理として、メッシュシートのポリ塩化ビニル系樹脂被覆層を、防汚層としてフッ素系エラストマーによりさらに被覆すること(特開平7−18581号)、または、防汚層としてフッ素系重合体と熱可塑性アクリル樹脂からなる組成物を被覆すること、(特開平10−58620号)などが提案されている。また、ハロゲン元素を含まないオレフィン系樹脂により糸条を被覆したメッシュシートに、防汚層としてシリコーン系共重合体樹脂を被覆したもの(特開2001−47563号)が提案されている。
【0005】
上記の防汚処理は、ターポリン等の非通風性平面シートには十分な効果が認められるが、メッシュシートの場合はそれ自体通風性があり、フィルター効果で汚れがメッシュ間隙の内側面部に選択的に付着するため、これらの防汚処理は、メッシュの糸条交差部の表面においては、ある程度の防汚効果があるけれども、メッシュ間隙部の内側面への防汚性は不十分であり、作業現場の美観を十分保持できるレベルまでは達していない。
【0006】
また、最近、新しい防汚処理方法としてテント膜材表面へ接着層を介して光触媒層を形成し、光触媒作用を利用して防汚、抗菌、防黴性を付与する方法が提案されている。(特開平10−237769)更に、メッシュ基材に光触媒組成物を担持させた光触媒担持体も提案されている。(特開平11−343426)このように光触媒層を防汚処理層として使用した場合、太陽光が照射されればその中の紫外線により、光触媒作用が活性化され優れた防汚性を示す。しかし、基材がメッシュである場合には、糸条の表面に光触媒組成物を担持させ、これに、太陽光を照射した場合でも、メッシュ間隙部の内側表面の一部に陰を生じやすく、また裏面への光の回り込みも不十分となり、このためメッシュ間隙部の内側面や太陽光の照射方向に対して裏面側の防汚性は十分に発揮されず、このためメッシュを使用している作業現場の美観を十分に保持できるというレベルまでは至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、メッシュ間隙部内側面や裏面においても十分な防汚性を発揮できるメッシュシートであって、それにより作業現場の美観を十分保ち得る防汚性メッシュシートを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の防汚性メッシュシートは、
合成繊維糸条から構成され、かつ糸条間に空隙が形成されている粗目織物からなる基布と、前記合成繊維糸条の露出周面の全面上に形成され、かつ可撓性高分子材料を含む樹脂被覆層と、この樹脂被覆層上の露出周面の全面上に形成され、かつ光触媒性無機材料を含む光触媒層と、さらに前記樹脂被覆層と前記光触媒層との間に形成され、かつ接着性樹脂材料を含む接着保護層とを含むメッシュシートであって、前記メッシュシートの糸条間隙が0.5〜10mmであり、前記メッシュシートの糸条径が0.5〜3mmであり、かつ前記メッシュシートの空隙率が0.1〜0.5であることを特徴とするものである。
本発明の防汚性メッシュシートにおいて、前記接着保護層が、アクリルシリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂等のシリコーン変性樹脂、コロイダルシリカを含有する樹脂、およびポリシロキサンを含有する樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる接着性樹脂材料を含有することが好ましい。
本発明の防汚性メッシュシートにおいて、前記光触媒層が、TiO2 ,TiO3 ・nH2 O,ZnO,SrTiO3 ,CdS,GaP,InP,GaAs,BaTiO3 ,K2 NbO3 ,Fe23 ,Ta25 ,WO3 ,SnO2 ,Bi23 ,NiO,Cu2 O,SiC,SiO2 ,MoS2 ,InPb,RuO2、及びCeO2 から選ばれた1種以上からなる光触媒性無機材料を含むことが好ましい。
本発明の防汚性メッシュシートにおいて、前記光触媒層が、さらにシリカゾル、モノアルキルトリアルコキシシラン、及び前記モノアルキルトリアルコキシシランの加水分解生成物から選ばれた少なくとも1種からなる結着剤を含むことが好ましい。
本発明の防汚性メッシュシートにおいて、前記光触媒層の光触媒性無機材料の含有量が25〜75重量%であることが好ましい。
本発明の防汚性メッシュシートにおいて、前記樹脂被覆層形成用可撓性高分子材料が、可塑剤を含むポリ塩化ビニル系樹脂からなり、前記樹脂被覆層上にさらに可塑剤移行防止層が形成されていることが好ましい。
本発明の防汚性メッシュシートにおいて、前記可塑剤移行防止層が、フッ素含有樹脂及びアクリル系樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂を主成分として含有することが好ましい。
本発明の防汚性メッシュシートにおいて、前記ポリ塩化ビニル系樹脂が、可塑剤として
(1)ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤及びピロメリット酸エステル系可塑剤から選ばれた少なくとも1種の液状可塑剤、及び
(2)エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−一酸化炭素三元共重合から選ばれた少なくとも1種の高分子量可塑剤、
から選ばれた少なくとも1種を含み、
但し、前記液状可塑剤が単独で用いられるときには、その配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し40〜100重量部であり、前記高分子量可塑剤が単独で用いられるときには、その配合量はポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し50〜120重量部であり、かつ、前記液状可塑剤及び高分子量可塑剤が併用されるときには、その合計配合量は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し40〜120重量部であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の防汚性メッシュシートの糸条間隙は0.5〜10mmであり、好ましくは1.0〜3.0mmである。この糸条間隙が0.5mm未満の場合には、メッシュシート裏面への太陽光の回り込み量が少なくなり、裏面の光触媒活性が発揮されず、裏面の防汚性が不十分となり、また、通風性が低下し風圧抵抗が高くなり、工事用メッシュシートとして十分な効用を示すことができない。糸条間隙が10mmを越える場合には、工事現場における物品や塗料の飛散防止効果が低下し工事用メッシュシートとして十分な効用を発揮できなくなる。またフィルター効果も少なくなるか、またはなくなり、空間が広くなるので汚れの視認性もなくなり汚れ防止の必要性もなくなる。
【0010】
本発明の防汚性メッシュシートの糸条径は0.5mm〜3mmあり、好ましくは1.0〜2.0mmである。この糸条径が0.5mm未満の場合には、工事用メッシュシートとして必要な強力、特に引裂強力が得られない。糸条径が3mmを越える場合には、糸条間隙の内側面に太陽光の陰ができやすく、また裏面への太陽光の回り込み量も少なくなり、糸条間隙内側面および裏面の光触媒活性が発揮されず、防汚性が不十分となる。糸条が扁平の場合は断面における長径をもって糸条径とする。
【0011】
本発明の防汚性メッシュシートの空隙率は0.1〜0.5であり、0.2〜0.4であることが好ましい。空隙率が0.1未満の場合には、その風圧抵抗が通風性のないターポリン養生シートと同レベルとなりメッシュシートとしては十分な効用を発揮できない。また、空隙率が0.5を越える場合には、工事現場における物品や塗料の飛散防止効果が低下し工事用メッシュシートとして十分な効用を発揮できない。またフィルター効果も少なくなるか、またはなくなり、空間が広くなるので汚れの視認性もなくなり、汚れ防止の必要性もなくなる。
【0012】
本発明の防汚性メッシュシートに用いられる基布用粗目織物は、合成繊維、例えば、ナイロン6、及びナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、及びポリオレフィン繊維などから選ばれた少なくとも1種からなる布帛である。前記基布中の合成繊維は、短繊維紡績糸条、長繊維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれの形状のものでもよい。前記合成繊維芯層/鞘層構造を有する複層繊維であってもよい。
【0013】
前記基布用粗目織物には、難燃性を付与する目的をもって、例えば、難燃性付与剤及び樹脂バインダーを含むエマルジョン及び溶液などを噴霧し、又は浸漬する方法により難燃前処理を予め施しておいてもよい。難燃性付与剤には格別な制限はなく、公知の薬剤、例えば臭素系化合物、塩素系化合物、有機リン系化合物、赤リンアンチモン化合物、水銀化アルミニウムなどの少なくとも1種を適宜に使用できる。また、合成繊維糸条が用いられる場合、糸を製造する段階にて糸原料に難燃性付与剤を予め添加して糸を製造してもかまわない。この場合でも難燃性付与剤には格別の制限はなく、前記公知の薬剤を適宜使用できる。
【0014】
また基布用粗目織物の組織には格別の制限はないが、例えば、それぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目布状の織物が好適に用いられる。前記基布用粗目織物の目付は30〜300g/m2 であることが好ましい。
【0015】
本発明の防汚性メッシュシートの糸条の樹脂被覆層に用いられる可撓性高分子材料としては、エチレンと不飽和単量体との共重合樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−バーサチック酸ビニル共重合体;アクリル系樹脂、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;並びにポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル重合体、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、及び塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体塩化ビニル共重合体)、及びポリ酢酸ビニル系樹脂などの汎用熱可塑性樹脂類;アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などの熱可塑性エラストマー類;並びに天然又は合成ゴムなどから選ばれた少なくとも1種を含むものである。また可撓性高分子材料には、その可撓性を過度に低下させない範囲内で熱硬化性樹脂、その他の高分子材料を併用することもできる。前記可撓性高分子材料の付着量は、メッシュシートの表面積に対して、30〜300g/m2 であることが好ましい。
【0016】
本発明の防汚性メッシュシートに光触媒層を形成するには、メッシュ基布を構成する合成繊維糸条の樹脂被覆層、接着保護層、及び/又は可塑剤移行防止層などにより被覆されている露出表面の上に、光触媒性無機材料と必要により結着剤とを含む塗布剤を塗布すればよい。このとき、メッシュ基布の糸条表面と光触媒層との間に、接着保護層を形成する。また、この光触媒層を有するメッシュシートに圧着又は加熱圧着操作を施してもよい。
【0017】
本発明の防汚性メッシュシートの糸条表面上の接着保護層を形成するために用いられる接着性樹脂材料としては、シリコーン含有量2〜60重量%のアクリルシリコーン樹脂、及びエポキシシリコーン樹脂等のシリコーン変性樹脂、コロイダルシリカを5〜40重量%含有する樹脂、およびポリシロキサンを3〜60重量%含有する樹脂の中から選ばれた少なくとも1種からなるものが用いられることが好ましい。
【0018】
シリコーン含有量が2重量%未満のアクリルシリコーン樹脂等のシリコーン変性樹脂、ポリシロキサン含有量が2重量%未満の樹脂、及びコロイダルシリカ含有量が5重量%未満の樹脂を接着保護層の形成に用いると、これらは光触媒層との接着が悪くなり、また、接着保護層が光触媒により劣化し、光触媒層が剥離し易くなるなどの不都合を生ずる。一方、シリコーン含有量が60重量%を越えると、アクリルシリコーン樹脂等のシリコーン変性樹脂では、接着保護層と基布との接着性が不十分になり、また、接着保護層の硬度が低くなるために耐摩耗性が不十分になる。
【0019】
また、ポリシロキサン含有量が60重量%を越える樹脂及びコロイダルシリカ含有量が40重量%を越える樹脂を用いると、得られる接着保護層が多孔質となったり、或は、基布が光触媒の作用により劣化して、基布と接着保護層との間の接着性が不十分になるなどの不都合を生ずる。
【0020】
本発明の防汚性メッシュシートに含まれる光触媒層は、例えば、シリカゾル1〜10重量%と、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物1〜10重量%と、及び、酸化チタンゾル1〜10重量%とを含む混合液を、前記糸条表面上の接着保護層上に塗布乾燥して形成することができる。モノアルキルトリメトキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、及び/又はメチルトリエトキシシランなどを用いることができる。シリカゾルとモノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物との混合比率は、重量比で100/0〜60/40であることが好ましく、90/10〜50/50であることがより好ましい。光触媒性無機材料ゾルと、有機珪素化合物成分の配合比率は、光触媒性無機材料/有機珪素化合物の重量比が5/95〜75/25になるように設定することが好ましく、10/90〜65/35であることがより好ましい。珪素有機化合物の含有比率が95%を越えると、得られる光触媒層の光触媒活性が不十分となることがあり、またそれが25%未満では接着保護層への接着性が不十分となることがある。
【0021】
光触媒層中の光触媒性無機材料としては、TiO2 ,TiO3 nH2 O,ZnO,SrTiO3 ,CdS,GaP,InP,GaAs,BaTiO3 ,K2 NbO3 ,Fe23 ,Ta25 ,WO3 ,SnO2 ,Bi23 ,NiO,Cu2 O,SiC,SiO2 ,MoS2 ,InPb,RuO2 、及びCeO2 などから選ばれた少なくとも1種からなるものを例示することができる。またこれらの光触媒性無機材料に、Pt,Rh,RuO2 ,Nb,Cu,Sn,NiOなどの金属及び金属酸化物から選ばれた少なくとも1種を、光触媒活性促進剤として添加してもよい。光触媒層中の光触媒性無機材料の含有量は、多くなるほど触媒無活性が高くなるが、接着性が低下するので、光触媒層の合計重量に対し、25〜75重量%であることが好ましく、40〜60重量%であることがより好ましい。
【0022】
接着保護層および光触媒層を形成する方法には、制限がないが、例えば、ディップコーティング法、グラビヤコーティング法、スプレー吹き付け法などが挙げられる。
【0023】
接着保護層を形成するとき、その塗布重量は基布表面積に対して、0.1〜5g/m2 であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3g/m2 である。また、光触媒層の塗布重量は基布表面積に対して0.1〜5g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3g/m2である。
【0024】
本発明の防汚性メッシュシートの繊維糸条の樹脂被覆層に用いられるポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば塩化ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、及び塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体などが用いられ、これらを単独で、あるいはその2種以上を混合したものに可塑剤、安定剤、充填剤、防炎剤、紫外線吸収剤、顔料などの添加剤の1種以上を混合して使用することができる。
【0025】
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂層に含有する可塑剤としては、汎用のフタル酸エステル系可塑剤を使用することができる。前記フタル酸エステル系可塑剤は、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジヘブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノリルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、及びブチルベンジルフタレートなどを包含する。
【0026】
前記樹脂被覆層が、可塑剤含有ポリ塩化ビニル系樹脂からなる場合、この可塑剤が経時的に光触媒層中に移行して、これが光触媒層表面の親水性化及び汚れ分解作用を妨げ、防汚効果が低下してしまうことがある。このような場合、樹脂被覆層上に可塑剤移行防止層をさらに形成し、それによって、ポリ塩化ビニル系樹脂層と光触媒層との間、またはポリ塩化ビニル系樹脂層と接着保護層との間に、可塑剤移行防止層が配置されるようにすることが好ましい。可塑剤移行防止層を形成することにより、光触媒層に対するポリ塩化ビニル系樹脂層の可塑剤の影響を抑制することができるため、光触媒層の防汚性効果が更に向上する。
【0027】
本発明の防汚性メッシュシートの可塑剤移行防止層に使用される樹脂としては、一般の、合成樹脂、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体など、あるいは天然ゴム又は合成ゴム、例えば、ネオプレン、ハイパロン、ポリニトリルゴム、SBR、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、ポリブタジエンゴム、EPT、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、フッ素含有ゴム、シリコーンゴムなどから選ばれた少なくとも1種類の樹脂を使用される。可塑剤移行防止層に使用される樹脂は、薄膜が可撓性であれば可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーの何れをも使用でき、これらの少なくとも1種を混用して使用することもできる。また、特にフッ素含有樹脂および/又はアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
【0028】
可塑剤移行防止層に使用されるフッ素含有樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロオレフィン共重合体(例えばテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、およびクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体などから選ばれた少なくとも1種類が用いられる。
【0029】
また、可塑剤移行防止層に用いられるポリビニリデンフルオライド系樹脂としては、ポリビニリデンフルオライド単一重合体の他、ビニリデンフルオライドを含有する重合体、例えば、ビニリデンフルオライドと共重合可能な単量体、例えばテトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フルオロエチレンなどから選ばれる1種類以上の単量体を共重合させて得られる共重合体が用いられる。これらの共重合体はランダム共重合体に限定されるものではなく、グラフト共重合体であってもよい。
また、これらの単量体又は共重合体と良好な相溶性を有する他の樹脂を加えた混合物とすることもできる。このようなポリビニリデンフルオライド樹脂との相溶性の良好な樹脂としては、例えば、メチルメタクリレートもしくはメチルアクリレートを主体とするアクリル重合体もしくは共重合体、又はシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重合体などがある。
【0030】
可塑剤移行防止層に使用されるアクリル系樹脂としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸の C1〜C4 アルコールのエステルを主構成モノマーとする重合体もしくは共重合体を主成分とする樹脂を用いることが好ましい。このようなアクリル酸エステル系樹脂の主構成モノマーとしては、具体的には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート及びブチルメタクリレートであり、特にメチルアクリレート及びメチルメタクリレートが好ましい。また、これらの主構成モノマーと共重合させるコモノマーとしては、例えば、アクリル酸もしくはメタクリル酸の C1〜C12アルコールのエステル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエンなどのモノマーがある。
これらの共重合体は、ランダム共重合体に限定されるものではなく、グラフト共重合体であってもよい。例えば、メチルメタクリレート重合体にフッ化ビニリデンを添加後、これをグラフト重合させた重合体などを使用することもできる。また、アミノ基、イミノ基、エチレンイミン残基、アルキレンジアミン残基を含むアクリレートを用いることもでき、これらをエポキシ樹脂と組み合わせて用いることもできる。
【0031】
可塑剤移行防止層を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、ディップコーティング法、グラビヤコーティング法、スプレー吹き付け法などが挙げられる。
可塑剤移行防止層を形成する場合は、その塗布重量は基布表面積に対して1〜10g/m2 であることが好ましく、より好ましくは2〜5g/m2 である。
【0032】
また、本発明の防汚性メッシュシートの糸条表面上に形成されたポリ塩化ビニル系樹脂層が可塑剤を含有する場合は、この可塑剤の光触媒層に対する影響を抑制し、更に防汚性を向上させるために、可塑剤として特定の液状可塑剤及び/又は高分子量可塑剤が用いられることが好ましい。
前記液状可塑剤は、ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤及びピロメリット酸エステル系可塑剤から選ばれた少なくとも1種類からなるものであることが好ましい。
また前記高分子量可塑剤としては、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、及びエチレン−アクリル酸エステル−一酸化炭素三元共重合から選ばれた少なくとも1種類からなるものであることが好ましい。
【0033】
前記ポリ塩化ビニル系樹脂層に使用されるポリエステル系可塑剤は、ジカルボン酸とジオールの縮合重合により重合され、末端基としてカルボキシル基あるいは水酸基を有するものであるが、一般には末端のカルボキシル基及び水酸基は、それぞれアルコール、及びカルボン酸と縮合重合しているものであり、アジピン酸と、2−メチル−1、8−オクタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−エチルヘキサノール、又はn−オクタノール類とをエステル化したものなどが用いられる。ポリエステル系可塑剤の分子量は、それが小さすぎると従来のフタル酸系可塑剤と同様に、その移行量及び抽出量が多くなるため、本発明では、分子量600以上のものを使用することが好ましく、より好ましくは1000以上のものが使用される。
【0034】
本発明の防汚性メッシュシートにおいて、ポリ塩化ビニル系樹脂層に使用されるトリメリット酸エステル系可塑剤及びピロメリット酸エステル系可塑剤は、トリメリット酸あるいはピロメリット酸とアルコールとの縮合反応によって得られるものである。トリメリット酸エステル系可塑剤としては、トリ2−エチルヘキシルトリメリレート、及びトリイソデシルトリメリレートなどであり、ピロメリット酸エステル系可塑剤としては、2−エチルヘキシルピロメリレートなどが用いられる。
【0035】
本発明の防汚性メッシュシートのポリ塩化ビニル系樹脂層に用いられる液状可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し40〜100重量部であることが好ましい。それが40重量部未満では、風合いが硬く耐寒性も劣りメッシュシートとしての取り扱い性が不良となることがあり、また、それが100重量部を越えると、樹脂強度が低下し摩耗や引っ掻きが弱くなり、工事用メッシュシートとしての実用性が低くなることがある。
本発明の防汚性メッシュシートのポリ塩化ビニル系樹脂層に用いられる高分子量可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し50〜120重量部であることが好ましい。それが50重量部未満では、風合いが硬く耐寒性も劣りメッシュシートとしての取り扱い性が不良になることがありまた、それが120重量部を越えると、樹脂強度が低下し摩耗や引っ掻きが弱くなり、工事用メッシュシートとしての実用性が低くなることがある。
本発明の防汚性メッシュシートのポリ塩化ビニル系樹脂層に、可塑剤として、液状可塑剤と高分子量可塑剤を併用する場合は、液状可塑剤と高分子量可塑剤との配合比は1:9〜9:1(重量比)で使用されることが好ましく、その合計含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し40〜120重量部であることが好ましい。それが50重量部未満では、風合いが硬く耐寒性も劣りメッシュシートとしての取り扱い性が不良になることがあり、また、それが120重量部を越えると、樹脂強度が低下し摩耗や引っ掻きが弱くなり、工事用メッシュシートとしての実用性が低くなることがある。
【0036】
また、本発明の防汚性メッシュシートのポリ塩化ビニル系樹脂層に、可塑剤として、液状可塑剤又は/及び高分子量可塑剤の他に、得られる製品の防汚性に影響しない範囲で汎用の可塑剤(ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルイソフタレート、ジ−2−エチルヘキシルテレフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート、ジイソヘプチルフタレート等)を併用し得ることは当然である。
【0037】
本発明の防汚性メッシュシートには無機系顔料により着色された着色部が形成されていてもよく、このようにすると、光劣化による変退色が防止され、或いは目立たなくなる。特に、光触媒性無機材料と接触する部分を無機系顔料で着色することが好ましい。
本発明の防汚性メッシュシートの着色部に用いられる無機系顔料としては、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、三酸化アンチモン、酸化鉄(鉄黒、べんがら)、黄色酸化鉄、フエロシアン化鉄(紺青)、紺青と黄鉛との混合物(ジンクグリーン)、酸化鉛(鉛丹)、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化コバルトと酸化アルミニウムの複合物(コバルトブルー)、酸化コバルトと酸化錫と酸化マグネシウムとの複合物(セルリアンブルー)、酸化コバルトと酸化リチウムと五酸化リンの複合物(コバルトバイオレット)、酸化コバルトと酸化亜鉛と酸化マグネシウムとの複合物(コバルトグリーン)、リン酸コバルト(コバルトバイオレット)、リン酸マンガン(マンガン紫)などの金属酸化物、硫化亜鉛と硫酸バリウムの複合物(リトポン)、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウム、硫化カドミウム(カドミウムイエロー)、硫化カドミウムと硫化水銀との複合物(カドミウムマーキュリーレッド)、硫化水銀(銀朱)、硫化カドミウムとセレニウム−カドミウムの複合物(カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロー)、硫化アンチモンと三酸化アンチモンの複合物(アンチモン朱)、などの金属硫化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛などの金属硫化物、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸鉛と水酸化鉛の複合物(鉛白)などの金属炭酸化物、水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、水酸化アルミニウムと硫酸カルシウムの複合物(サチン白)、水酸化アルミニウムと硫酸バリウムの複合物(グロスホワイト)、クロム酸水和物(ピリジアン)などの金属水酸化物、クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸亜鉛(亜鉛黄)、クロム酸バリウム、クロム酸鉛と酸化鉛の複合物(赤口黄鉛)、クロム酸鉛とモリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物(クロムバーミリオン)などのクロム酸金属塩、モリブデン酸鉛と硫酸鉛の複合物(モリブデンレッド)、紺青と黄鉛との混合物(クロムグリーン)、スピネル型(XY24)構造酸化物、その他カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、シリカ、ホワイトカーボン、ケイ藻土、タルク、クレー、アルミニウム粉顔料、ブロンズ粉、ニッケル粉、ステンレス粉、及びパール顔料などを目的に応じて、これらの無機系顔料の1種、または、2種以上を組み合わせを用いて着色部形成のために使用することができる。
【0038】
前記無機系顔料は、目的とする色相の形成に必要な量を用いることができ、その添加量に格別の制限はないが、一般に着色部分の合計重量に対して1〜30重量%であることが好ましい。この添加量が1重量%未満では、着色度が低く、また30重量%を超えると、着色部の樹脂強力が不十分になり、摩耗強さが不十分になることがある。
【0039】
本発明者らは、合成繊維糸条から構成された粗目織物からなる基布と、この基布の構成糸条の少くとも露出周面の全面上に形成された接着樹脂層、着色樹脂被覆層、及び光触媒性無機材料を含む光触媒層を有するメッシュシートにおいて、糸条間隙、糸条径および空隙率を前記特定範囲に規定することにより、メッシュシートを屋外で使用した際に、糸条間隙の内側面に太陽光の陰(かげ)ができにくく、また裏面への太陽光の回り込み量も多くなり、糸条間隙の内側面および裏面でも十分な光触媒活性が発揮され、メッシュシートの表裏全体として非常に優れた防汚性を示すことができ、作業現場の美観を十分に保つことができ、且つ工事用メッシュシートとして十分な強力、通気性、飛散防止性を有する画期的なメッシュシートの提供が可能となった。
【0040】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に説明する。
下記実施例において、製品の性能評価に用いられた試験方法は下記の通りである。
(1)屋外曝露防汚性試験
試料を南向きに垂直に設置して、連続屋外曝露試験に供し、試料の防汚性を評価した。
(イ)試料表面、裏面の防汚性
垂直に設置した試料について、初期の試料を基準とし、曝露6ヶ月後の試料表面の色差ΔEを測定した。
・ΔE測定方法
初期の試料および曝露後の試料を白色板上に置き、色差計(ミノルタ(株)製、カラーリーダーCR−10(測定径8mm))を使用し、ランダムに5箇所を測定し、平均値をΔEとした。試料表面、裏面の防汚性を下記のように4段階に評価した。
Figure 0003759004
(ロ)試料の糸条間隙部内側面の防汚性
垂直に設置した試料について、曝露6ヶ月後試料の糸条間隙部の内側面の防汚性を目視により下記のように4段階に評価した。
◎:汚れが認められない
○:わずかな汚れが認められる
△:汚れが認められる
×:顕著な汚れが認められる
【0041】
(2)引裂強さ試験
供試メッシュシートの引裂強さ、日本工業規格JIS L 1096A1(シングルタング法)に従って測定した。
6kgf 以上: ○ :工事用メッシュシートとして使用可
6kgf 未満: × :工事用メッシュシートとして使用不可
(3)風圧抵抗の評価
Figure 0003759004
(4)飛散防止性の評価
Figure 0003759004
(5)糸条間隙・糸条径は、光触媒層を有する糸条の間隙、及び径を測定したものであり空隙率は光触媒層を有する糸条から構成された防水性メッシュシートの空隙率を測定したものである。
【0042】
実施例1
(1)メッシュシート基体の作製
基布用粗目織物として、グレー色に顔料着色された原着複層ポリオレフィンモノフィラメントからなる粗目状織物を用いた。この原着復層ポリオレフィンフィラメント粗目状織物は下記の方法で作製された。
ポリプロピレン樹脂(MFR=3.4g/10分、密度=0.90g/cm3)に、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1重量%と、及びカーボンブラック顔料1.0重量%との配合物から芯層を形成し、鞘層を、エチレン−プロピレン共重合体樹脂(MFR=16.5g/分、密度=0.90g/cm3)と、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート0.1重量%と、及びカーボンブラック顔料1.0重量%との配合物から形成して、芯層及び鞘層をほぼ同色の配色とした。押出機に連結され、2層の吐出孔が同心円状に設けられたモノフィラメント成形ダイスから、芯層のポリプロピレン樹脂配合物及び鞘層のポリオレフィン樹脂配合物を押出し、延伸温度98℃、延伸倍率9.5倍で延伸し、処理温度140℃でアニーリングを施して複層ポリオレフィンモノフィラメントを形成した。この時の芯層の融点は150℃であり、鞘層の融点は125℃であった。得られた復層ポリオレフィンモノフィラメントの繊度は、芯層及び鞘層においてそれぞれ555dtex(500d)及び555dtex(500d)であり、総繊度が1110dtex(1000d)であった。
得られた原着複層ポリオレフィンモノフィラメントを用い、下記組織を有する原着複層ポリオレフィンフィラメント粗目状織物:
1110dtex(1000d)×1110dtex(1000d)
──────────────────
19×20(本/25.4mm) 目付:90g/m2
をメッシュシートとして作製した。
この粗目状織物をオレフィン系樹脂の水性エマルジョンを用いて、下記配合1の難燃樹脂エマルジョンに浸漬し、マングルを絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、45g/m 2 の樹脂被覆層を形成した。基布の糸条間に空隙が形成されている合計重量135g/m 2 のメッシュシート基体が得られた。
<配合1>難燃樹脂エマルジョン組成
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:50重量%)(住友化学工業(株)製ス ミカフレックス752、酢酸ビニル成分90重量%) 100重量部
メラミンイソシアヌレート 20重量部
トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド 5.0重量部
白色顔料(大日本インキ(株)製リュウダイ−W69) 3重量部
紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製チヌピン765) 0.5重量部
【0043】
(2)光触媒層の形成
前記メッシュシート基体を、下記配合に示された組成の接着保護層処理液に浸漬後、ゴムロールで絞り、基体の構成糸条の周面の全面上に10g/m2 の塗布量で塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却して、1.0g/m2 の接着保護層を形成した。更に接着保護層付基布を下記配合2に示された組成の光触媒層形成用塗布液に浸漬後、ゴムロールで絞り、基体の構成糸条の周面の全面上に15g/m2 塗布量で光触媒層用塗布液層を塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却して、1.5g/m2 の光触媒層を形成した。基布の糸条間に空隙が形成されている防汚性メッシュシートが得られた。
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は1.0mmであり、糸条径は0.5mmであり、空隙率は0.44であった。
<配合2>接着保護層処理液組成
シリコン含有量3mol %のアクリルシリコン樹脂8重量%(固形分)を含有するエタ ノール−酢酸エチル(50/50重量比)溶液 100重量部
ポリシロキサンとしてメチルシリケートMS51(コルコート(株))の20%エタ ノール溶液 8重量部
シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
1重量部
<配合3>光触媒層処理液組成
酸化チタン含有量10重量%に相当する硝酸酸性酸化チタンゾルを分散させた水−エ タノール(50/50重量比)溶液 50重量部
酸化珪素含有量10重量%に相当する硝酸酸性シリカゾルを分散させた水−エタノー ル(50/50重量比)溶液 50重量部
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0045】
実施例2
実施例1と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製を下記のように変更した。
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物:
1111dtex(1000d)/3×1111dtex(1000d)/3
─────────────────────
7×7(本/25.4mm) 目付:185g/m2
を使用した。前記粗目状織物をオレフィン系樹脂の水性エマルジョンを用いて、前記配合の難燃樹脂エマルジョンに、浸漬し、マングルを絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して、140g/m2 の樹脂被覆層を形成した。基布の糸条間に空隙が形成されている合計重量325g/m2 のメッシュシート基体が得られた。
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0046】
実施例3
実施例1と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製を下記のように変更した。
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物:
555dtex(500d)×555dtex(500d)
────────────────
19×20(本/25.4mm) 目付:90g/m2
を使用した。この基布を、ペースト塩化ビニル樹脂を含む下記配合4の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を70g/m2 付着させた。基布の糸条間に、空隙が形成されており合計重量が160g/m2 のメッシュシート基体が得られた。
<配合4>ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成
ペースト塩化ビニル樹脂 100重量部
DOP(可塑剤) 60重量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 15重量部
エポキシ化大豆油 4重量部
Ba−Zn系安定剤 2重量部
顔料(TiO2) 5重量部
トルエン(溶剤) 30重量部
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は1.0mmであり、糸条径は0.5mmであり、空隙率は0.44であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0047】
実施例4
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製を下記のように変更した。
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物:
1111dtex(1000d)/3×1111dtex(1000d)/3
─────────────────────
7×7(本/25.4mm) 目付:185g/m2
を使用した。この基布を、ペースト塩化ビニル樹脂を含む前記配合4の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を215g/m2 付着させた。基布の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が400g/m2 のメッシュシート基体が得られた。
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0048】
実施例5
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製を下記のように変更した。
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物:
833dtex(750d)/3×833dtex(750d)
──────────────────
11×11(本/25.4mm) 目付:225g/m2
を使用した。この基布を、ペースト塩化ビニル樹脂を含む前記配合4の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を205g/m2 付着させた。基布の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が430g/m2 のメッシュシート基体が得られた。
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は0.7mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.10であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003759004
【0050】
実施例1及び2で得られたメッシュシートは、表1に示されているように屋外曝露において、メッシュシートの表裏や、フィルター効果で汚れやすい糸条間隙内側面とも汚れの付着がないものであって、優れた防汚性を示し、工事用シートとしての強力、風圧抵抗および飛散防止性も良好であった。
また実施例で得られたメッシュシートは、表1に示されているように屋外曝露において、メッシュシートの表面には汚れの付着がないものであって、裏面およびフィルター効果で汚れやすい糸条間隙内側面には若干の汚れの付着はあるものの、従来品に比べた場合は格段に優れた防汚性を示し、工事用シートとしての強力、風圧抵抗および飛散防止性も良好であった。また、着色部が無機系顔料により着色されてるため、光劣化による変退色が少なく良好な実用性を有していた。
【0051】
実施例6
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製工程と光触媒層の形成工程の間に、下記のように可塑剤移行防止層の形成工程を追加した。
ポリ塩化ビニル系樹脂層が形成されたメッシュシート基体を、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂を含む、下記配合5の樹脂組成物の溶剤希釈液に浸漬後、ゴムロールで絞り、基体の構成糸条に形成されたポリ塩化ビニル系樹脂層の全面上に15g/m2 の塗布量で塗布し、120℃で1分間乾燥後冷却し、3g/m2 の可塑剤移行防止層を形成した。
<配合5>可塑剤移行防止層処理液組成
ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂(商標:カイナー7 201、エルフ・アトケム・ジャパン(株)製) 20重量部
MEK(溶剤) 80重量部
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0052】
実施例7
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、可塑剤移行防止層の形成工程を下記のように変更した。
ポリ塩化ビニル系樹脂層が形成されたメッシュシート基体を、アクリル樹脂を含む、下記配合6の樹脂組成物の溶剤希釈液に浸漬後、ゴムロールで絞り、基体の構成糸条に形成されたポリ塩化ビニル系樹脂層の全面上に15g/m2 の塗布量で塗布し、120℃で1分間乾燥後冷却し、3g/m2 の可塑剤移行防止層を形成した。
<配合6> アクリル樹脂(商標:アクリプレンペレットHBS001、三菱レイヨン(株)製)
20重量部
トルエン−MEK(50/50重量比)(溶剤) 80重量部
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0053】
実施例8
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製工程を下記のように変更した。
基布をポリ塩化ビニル系樹脂組成物中に可塑剤としてポリエステル系可塑剤を含む下記配合7の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を215g/m2 付着させて、樹脂被覆層を形成して、基材の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が400g/m2 のメッシュシート基体を作製した。
<配合7>ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成
ペースト塩化ビニル樹脂 100重量部
ポリエステル系可塑剤(HA−5(商標)花王(株)製) 70重量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 15重量部
エポキシ化大豆油 4重量部
Ba−Zn系安定剤 2重量部
顔料(TiO2) 5重量部
トルエン(溶剤) 30重量部
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0054】
実施例9
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製工程を下記のように変更した。
基布をポリ塩化ビニル系樹脂組成物中に可塑剤としてトリメリット酸エステル系可塑剤を含む下記配合8の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を215g/m2 付着させて樹脂被覆層を形成し、基材の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が400g/m2 のメッシュシート基体を作製した。
<配合8>ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成
ペースト塩化ビニル樹脂 100重量部
トリメリット酸エステル系可塑剤(トリメックスT−08(商標)、花王(株)製)
80重量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 15重量部
エポキシ化大豆油 4重量部
Ba−Zn系安定剤 2重量部
顔料(TiO2) 5重量部
トルエン(溶剤) 30重量部
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0055】
実施例10
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製工程を下記のように変更した。
基布をポリ塩化ビニル系樹脂組成物中に可塑剤としてエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体を含む下記配合9の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を215g/m2 付着させて、樹脂被覆層を形成して基材の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が400g/m2 のメッシュシート基体を作製した。
<配合9>ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成
ペースト塩化ビニル樹脂 100重量部
エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、(エルバロイ741(商標)、三 井デュポンポリケミカル(株)製) 100重量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 15重量部
エポキシ化大豆油 4重量部
Ba−Zn系安定剤 2重量部
顔料(TiO2) 5重量部
トルエン(溶剤) 40重量部
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0056】
実施例11
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製工程を下記のように変更した。
メッシュ基布をポリ塩化ビニル系樹脂組成物中に可塑剤としてトリメリット酸エステル系可塑剤とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体とを含む下記配合10の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を215g/m2 付着させて樹脂被覆層を形成して、基材の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が400g/m2 のメッシュシート基体を作製した。
<配合10>ポリ塩化ビニル樹脂ペースト組成
ペースト塩化ビニル樹脂 100重量部
トリメリット酸エステル系可塑剤(トリメックスT−08(商標)、花王(株)製)
40重量部
エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、(エルバロイ741(商標)、三 井デュポンポリケミカル(株)製) 50重量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 15重量部
エポキシ化大豆油 4重量部
Ba−Zn系安定剤 2重量部
顔料(TiO2) 5重量部
トルエン(溶剤) 40重量部
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
Figure 0003759004
【0058】
実施例6〜11で得られたメッシュシートは、表2に示されているように屋外曝露において、メッシュシートの表裏及び、フィルター効果で汚れやすい糸条間隙内側面はともに汚れの付着がなく優れた防汚性を示し、工事用シートとしての強力、風圧抵抗および飛散防止性も良好であった。また、着色部が無機系顔料により着色されてるため、光劣化による変退色が少なくその実用性は良好であった。
実施例では、可塑剤移行防止層を形成してるため、表1の実施例より糸条間隙内側面の防汚性が向上していた。また、実施例9〜12では被覆樹脂層のポリ塩化ビニル系樹脂に使用される可塑剤として、被覆樹脂層表面への移行が少ない特定の可塑剤を使用したため、防汚性試験におけるΔEが3以下であり、実施例に比べ防汚性が更に向上していた。
【0060】
比較例1
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、実施例の光触媒層を形成せずに防汚性メッシュシートを作製した。この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られたメッシュシートは、実施例で得られたメッシュシートに比べ、防汚性が明らかに不十分であり、実用に適さないメッシュシートであった。
【0061】
比較例2
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、実施例の光触媒層の代りに、防汚層としてシリコーン系共重合体を含む下記配合11に示された組成の防汚処理液に浸漬後、ゴムロールで絞り、基体の構成糸条の周面の全面上に10g/m2 の塗布量で塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却して、1.0g/m2 のシリコーン系共重合防汚層を形成し、防汚性メッシュシートを作製した。
<配合11>
シリコーン系共重合体、(ACT−10(商標)、固形分42重量%関西ペイント工 業(株)製) 100重量部
AC−S(硬化剤 関西ペイント工業(株)製) 15重量部
トルエン 250重量部
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られたメッシュシートは、実施例で得られたメッシュシートに比べ、防汚性が不十分であり、特にフィルター効果で汚れやすい糸条間隙内側面の汚れが目立ち、実用に適さないメッシュシートであった。
【0062】
比較例3
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、実施例の光触媒層を形成せずに防汚性メッシュシートを作製した。この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られたメッシュシートは、実施例で得られたメッシュシートに比べ、防汚性が明らかに不十分であった。
【0063】
比較例4
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、実施例の光触媒層の代りに、防汚層としてフッ素含有樹脂(ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体)を含む下記配合12の樹脂組成物の溶剤希釈液に浸漬後、ゴムロールで絞り、基体の構成糸条に形成されたポリ塩化ビニル系樹脂層の全面上に15g/m2 の塗布量で塗布し、120℃で1分間乾燥後冷却し、3g/m2 のフッ素含有樹脂防汚性層を形成した。基材の糸条間に空隙が形成されている防汚性メッシュシートを作製した。
<配合12>防汚性塗布液の組成
フッ素含有樹脂(カイナー7201(商標)、エルフ・アトケム・ジャパン(株)製 ) 20重量部
MEK(溶剤) 80重量部
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は2.0mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.32であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表3に示す。
得られたメッシュシートは、実施例で得られたメッシュシートに比べ、防汚性が不十分であり、特にフィルター効果で汚れやすい糸条間隙内側面の汚れが目立ち、実用に適さないメッシュシートであった。
【0064】
比較例5
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製を下記のように変更した。
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物
1111dtex(1000d)/3×1111dtex(1000d)/3
─────────────────────
20×20(本/25.4mm) 目付:540g/m2
を使用した。この基布にペースト塩化ビニル樹脂を含む前記配合4の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を360g/m2 付着させて、樹脂被覆層を形成し、基材の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が900g/m2 のメッシュシート基体を得た。
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は0.30mmであり、糸条径は1.5mmであり、空隙率は0.03であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表4に示す。
得られたメッシュシートは、実施例で得られたメッシュシートに比べ、糸条間隙は0.30mmと狭く、シート裏面への太陽光線の回り込みが少なく、シート裏面の光触媒活性が弱く、防汚性が不十分であった。また、空隙率が0.1未満のため風圧抵抗が大きく、工事用メッシュシートとしては実用に適さないシートであった。
【0065】
比較例6
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製を下記のように変更した。
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物:
3333dtex(3000d)/4×3333dtex(3000d)/4
─────────────────────
5×5(本/25.4mm) 目付:520g/m2
を使用した。基布をペースト塩化ビニル樹脂を含む前記配合4の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を360g/m2 付着させて、樹脂被覆層を形成して、基布の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が880g/m2 のメッシュシート基体を作製した。
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は1.0mmであり、糸条径は4.0mmであり、空隙率は0.03であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表4に示す。
得られたメッシュシートは、実施例で得られたメッシュシートに比べ、糸条間隙は4.5mmと太く、また空隙率が0.1未満のため、糸条間隙内側面において太陽光線の陰が生じやすく、シート裏面への太陽光線の回り込みも少なく、糸条間隙内側面およびシート裏面の光触媒活性が弱く、防汚性が不十分であった。また、空隙率が0.1未満のため風圧抵抗が大きく、工事用メッシュシートとしては実用に適さないシートであった。
【0066】
比較例7
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製を下記のように変更した。
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物:
222dtex(200d)×222dtex(200d)
────────────────
35×35(本/25.4mm) 目付:90g/m2
を使用した。この基布をペースト塩化ビニル樹脂を含む前記配合4の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を70g/m2 付着させて、樹脂被覆層を形成し、基布の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が160g/m2 のメッシュシート基体を作製した。
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は0.3mmであり、糸条径は0.3mmであり、空隙率は0.25であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表4に示す。
得られたメッシュシートは、実施例で得られたメッシュシートと同等の防汚性を示すが糸条径は0.3mmと細く、引裂強力が4kgf と低値であり、工事用メッシュシートとしては実用に適さないシートであった。
【0067】
比較例8
実施例と同様にして防汚性メッシュシートを作製した。但し、メッシュシート基体の作製を下記のように変更した。
基布用粗目織物として、下記組織のポリエステルフィラメント粗目状織物:
3333dtex(3000d)/4×3333dtex(3000d)/4
─────────────────────
1.5×1.5(本/25.4mm) 目付:170g/m2
を使用した。この基布をペースト塩化ビニル樹脂を含む前記配合4の樹脂組成物の溶剤希釈液中に浸漬して、基布に樹脂液を含浸し、マングルで絞り、150℃で1分間乾燥後、185℃で1分間熱処理し、基布に対し樹脂を180g/m2 付着させて、樹脂被覆層を形成し、基布の糸条間に空隙が形成されている、合計重量が350g/m2 のメッシュシート基体を作製した。
得られた防汚性メッシュシートの糸条間隙は15.0mmであり、糸条径は4.0mmであり、空隙率は0.62であった。
この防汚性メッシュシートを前記試験に供した。試験結果を表4に示す。
得られたメッシュシートは、実施例で得られたメッシュシートと同等の防汚性を示すが空隙率は0.62と高く、飛散防止効果は不十分であり、工事用メッシュシートとしては実用に適さないシートであった。
【0068】
【表3】
Figure 0003759004
【0069】
【表4】
Figure 0003759004
【0070】
【発明の効果】
本発明により得られる防汚性メッシュシートは、工事用メッシュシートとして十分な強力、通風性、飛散防止性を有しており、それとともに、屋外で使用した際に、糸条間隙の内側面に太陽光の陰ができにくく、また裏面への太陽光の回り込み量も多くなり、糸条間隙内側面および裏面でも十分な光触媒活性が発揮され、メッシュシートの表裏全体として非常に優れた防汚性を示し、作業現場の美観を十分に保つことができる画期的な防汚性メッシュシートの提供が可能となった。

Claims (9)

  1. 合成繊維糸条から構成され、かつ糸条間に空隙が形成されている粗目織物からなる基布と、前記合成繊維糸条の露出周面の全面上に形成され、かつ可撓性高分子材料を含む樹脂被覆層と、この樹脂被覆層上の露出周面の全面上に形成され、かつ光触媒性無機材料を含む光触媒層と、さらに前記樹脂被覆層と前記光触媒層との間に形成され、かつ接着性樹脂材料を含む接着保護層とを含むメッシュシートであって、前記メッシュシートの糸条間隙が0.5〜10mmであり、前記メッシュシートの糸条径が0.5〜3mmであり、かつ前記メッシュシートの空隙率が0.1〜0.5であることを特徴とする防汚性メッシュシート。
  2. 前記接着保護層が、アクリルシリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂等のシリコーン変性樹脂、コロイダルシリカを含有する樹脂、およびポリシロキサンを含有する樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる接着性樹脂材料を含有する、請求項1に記載の防汚性メッシュシート。
  3. 前記光触媒層が、TiO2 ,TiO3 ・nH2 O,ZnO,SrTiO3 ,CdS,GaP,InP,GaAs,BaTiO3 ,K2 NbO3 ,Fe23 ,Ta25 ,WO3 ,SnO2 ,Bi23 ,NiO,Cu2 O,SiC,SiO2 ,MoS2 ,InPb,RuO2 、及びCeO2 から選ばれた1種以上からなる光触媒性無機材料を含む、請求項1又は2に記載の防汚性メッシュシート。
  4. 前記光触媒層が、さらにシリカゾル、モノアルキルトリアルコキシシラン、及び前記モノアルキルトリアルコキシシランの加水分解生成物から選ばれた少なくとも1種からなる結着剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防汚性メッシュシート。
  5. 前記光触媒層において、光触媒性無機材料の含有量が25〜75重量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の防汚性メッシュシート。
  6. 前記樹脂被覆層形成用可撓性高分子材料が、可塑剤を含むポリ塩化ビニル系樹脂からなり、前記樹脂被覆層上にさらに可塑剤移行防止層が形成されている、請求項1に記載の防汚性メッシュシート。
  7. 前記可塑剤移行防止層が、フッ素含有樹脂及びアクリル系樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂を主成分として含有する、請求項6に記載の防汚性メッシュシート。
  8. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂が、可塑剤として
    (1)ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤及びピロメリット酸エステル系可塑剤から選ばれた少なくとも1種の液状可塑剤、及び
    (2)エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−一酸化炭素三元共重合から選ばれた少なくとも1種の高分子量可塑剤、
    から選ばれた少なくとも1種を含み、
    但し、前記液状可塑剤が単独で用いられるときには、その配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し40〜100重量部であり、前記高分子量可塑剤が単独で用いられるときには、その配合量はポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し50〜120重量部であり、かつ、前記液状可塑剤及び高分子量可塑剤が併用されるときには、その合計配合量は、前記ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し40〜120重量部である、請求項6に記載の防汚性メッシュシート。
  9. 少なくとも1部分に無機系顔料によって着色された着色部を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の防汚性メッシュシート。
JP2001220250A 2001-07-19 2001-07-19 防汚性メッシュシート Expired - Fee Related JP3759004B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001220250A JP3759004B2 (ja) 2001-07-19 2001-07-19 防汚性メッシュシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001220250A JP3759004B2 (ja) 2001-07-19 2001-07-19 防汚性メッシュシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003027366A JP2003027366A (ja) 2003-01-29
JP3759004B2 true JP3759004B2 (ja) 2006-03-22

Family

ID=19054102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001220250A Expired - Fee Related JP3759004B2 (ja) 2001-07-19 2001-07-19 防汚性メッシュシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3759004B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4932230B2 (ja) * 2005-11-21 2012-05-16 株式会社Nbcメッシュテック 掃除機用除塵フィルター
JP5688631B2 (ja) * 2010-04-23 2015-03-25 株式会社 カタライズ 触媒体担持方法、触媒体担持基材及び触媒体担持液調製用キット
ITBA20110066A1 (it) * 2011-11-23 2013-05-24 Antonio Ture Pittura altamente resistente e ad elevata durata con caratteristiche antivegetative, antimuffa e repellenti per gli insetti
CN104532550B (zh) * 2013-09-03 2016-04-06 南通大学 具有抗渗防护功能的手术服面料
JP6383962B2 (ja) * 2014-04-18 2018-09-05 平岡織染株式会社 軟質塩化ビニル樹脂製産業資材シート
JP6383926B2 (ja) * 2014-07-24 2018-09-05 平岡織染株式会社 産業用ターポリン
BE1023665B1 (nl) * 2016-04-12 2017-06-09 Sioen Industries Nv Een flexibel substraat bedekt met een barrièredeklaag voor weekmakers en een methode voor het maken van een dergelijk flexibel substraat
MX2018014591A (es) * 2016-06-13 2019-03-14 Nissan Motor Estructura antiincrustante y componente automotriz que utiliza estructura antiincrustante.
JP7417210B2 (ja) * 2019-03-19 2024-01-18 栗田煙草苗育布製造株式会社 網目状シートの製造方法及び該製造方法を使用して製造される網目状シート

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0446922Y2 (ja) * 1988-01-21 1992-11-05
JPH03106420A (ja) * 1989-09-20 1991-05-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光触媒による脱臭方法
JPH09216498A (ja) * 1996-02-14 1997-08-19 Nippon Dekoole Kk 真空成形用転写シート及びその製造方法
JP3867382B2 (ja) * 1996-12-17 2007-01-10 日本曹達株式会社 光触媒担持テント地キャンバスおよび光触媒担持テント地キャンバスを使用した構造体
JPH11343426A (ja) * 1998-06-02 1999-12-14 Toray Ind Inc 光触媒塗料
JP2000093808A (ja) * 1998-09-26 2000-04-04 Nitto Denko Corp 光触媒シ−ト及び光触媒シ−ト構造体
KR100360817B1 (ko) * 1999-12-01 2002-11-18 최만수 화장용 브러시기구
JP4806785B2 (ja) * 2001-03-01 2011-11-02 日東グラステックス株式会社 光触媒機能性シ−ト材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003027366A (ja) 2003-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI277514B (en) Stainproof, waterproof sheet
JP3759004B2 (ja) 防汚性メッシュシート
JP5062615B2 (ja) 遮熱性に優れた天然繊維調メッシュシート
JP4143925B2 (ja) 経緯方向のクリープバランスに優れたテント構造物用防水性積層膜材
JP3709929B2 (ja) 防汚性膜体及びその製造方法
JP2001199014A (ja) 防汚性シート
JP2003053905A (ja) 美観持続性積層膜材
JP3705428B2 (ja) 防汚性プリントシート及びその製造方法
KR100490462B1 (ko) 광촉매 담지 텐트지 캔버스 및 이의 제조 방법
JP3868405B2 (ja) 雨筋汚れ防止性に優れたテント用防汚性シート
JP6212822B2 (ja) 採光性に優れた遮熱膜材
JP2005271490A (ja) 防汚性膜材料
JP2002086641A (ja) 耐久性膜材
JP3880256B2 (ja) テント用防汚性シート
JP5828246B2 (ja) 構造物用膜材張替時期予測方法
JP4491535B2 (ja) 光触媒担持テント地キャンバス及びその製造方法
JP2005042257A (ja) 光触媒シート及びその製造方法
JP3871662B2 (ja) 雨筋汚れ防止性に優れたテント用防汚性シート
JP3840552B2 (ja) 変退色防止性に優れた着色シート
JP3868394B2 (ja) 雨筋汚れ防止性に優れたテント用防汚性シート
JP2003191386A (ja) 防汚性シート
JP3346474B2 (ja) 防汚性シート
JP5544485B2 (ja) 自浄防汚シート
JP2007016338A (ja) 防汚性屋外用防水シート及びその製造方法
JP2012086401A (ja) 自浄防汚シート

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3759004

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313118

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130113

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130113

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140113

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees