JP3346474B2 - 防汚性シート - Google Patents

防汚性シート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性シートに関
するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、
長期間にわたる防汚性及び耐久性に優れ、中大型テン
ト、テント倉庫などの建築物部材、トラック用幌、看板
用サインシートなどの産業用資材として好適に用いられ
る防汚性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維性基布に熱可塑性樹脂組成物
を、カレンダー法やT−ダイ押し出し法、コーティング
法などの種々の方法により被覆加工された積層シート
が、日除けテント、中大型テント、テント倉庫、及び建
築養生シートなどの建築部材、並びにトラック用幌、看
板用サインシート、及びフレキシブルコンテナーなどの
産業資材シートとして、それぞれの分野、用途において
使用されている。このような用途に用いられる熱可塑性
樹脂としては、特に軟質塩化ビニル系樹脂組成物が、そ
の樹脂特性、耐久性、配合の自在性、加工性、高周波ウ
エルダー性、コスト性など多くのメリットを有するため
に、これらの分野、用途に於ける汎用樹脂として広く実
用されている。しかし、この様な屋外で長期間に渡って
使用される用途では、軟質塩化ビニル樹脂組成物に多量
の可塑剤が配合され、この可塑剤が経時的にシート表面
にブリードして滲みだし、これに大気中の煤煙及び塵埃
などの汚染物質が付着し蓄積しやすく、従って汚れ易い
という欠点がある。しかもこれらの汚れの中でも特に雨
筋汚れと呼ばれる筋状の汚れは、拭き取りによって容易
に除去できず、この雨筋汚れが日除けテント及び中大型
テントなどの美感、色彩感、意匠性などを著しく損ねる
という重大な問題点を生じている。
【0003】そこで、この様な可塑剤のブリードに起因
するトラブルを回避する手段として、例えば、軟質塩化
ビニル樹脂組成物成形シートの表面に、アクリル系樹脂
または、ウレタン系樹脂を有機溶剤に溶解させて調製し
た塗料をトップコートする事によって可塑剤ブリード防
止性防汚層を形成する方法、前記樹脂のエマルジョン溶
液によりトップコート防汚層を形成する方法、あるい
は、アクリル系樹脂フィルムを熱ラミネート法もしくは
接着剤によるラミネート法によって軟質塩化ビニル樹脂
組成物成形シートの可塑剤ブリードによる汚れを防止す
る方法が提案されている。また、軟質塩化ビニル樹脂組
成物中に(メタ)アクリロイル基含有アクリル系オリゴ
エステル化合物を配合し、加熱硬化法、紫外線硬化法、
あるいは電子線硬化法などによって樹脂組成物内に架橋
構造を形成し、それによって可塑剤のブリードを防止す
る方法なども提案されている。しかし、これらの可塑剤
のブリード防止による軟質塩化ビニル樹脂組成物成形シ
ートの汚れ防止効果は、屋外使用の初期においては、確
かに汚れの付着が目立たず、テント、シートの美観を維
持させることを可能にするものであるが、時間の経過と
ともに、可塑剤がこれらの可塑剤ブリード防止層を通過
してシートの表面に滲みだし、長期的にはやはり汚れの
蓄積や、雨筋汚れの発生を防ぐことはできなかった。
【0004】これに対して、光触媒を軟質塩化ビニル樹
脂組成物成形シートの表面にコーティングすることによ
って、経時的にシートの表面に付着する汚れの原因物質
である煤塵や汚染性有機物質を光触媒の光触媒作用によ
って分解、除去する事によりシートの美観を長期に渡っ
て維持する技術が提案されている。しかしこの光触媒
は、基材である軟質塩化ビニル樹脂組成物自体を同時に
劣化、分解させるために、屋外で使用開始後の早い段階
で光触媒が、軟質塩化ビニル樹脂組成物の劣化生成物と
ともに脱落し、かえって汚れを助長し、かつシートの屋
外耐久性を著しく短くするという欠点がある。
【0005】そこで、この光触媒を広く合成樹脂組成物
に応用したときでも、合成樹脂組成物を劣化、分解させ
ない方法の1つとして、例えば、合成樹脂組成物基材の
表面に光触媒作用に安定な樹脂の保護層を形成し、この
保護層を光触媒の接着、担持体として利用することが提
案され、この提案方法が最も効果的かつ実用的であると
言われている。しかし、光触媒作用に安定な樹脂とは、
シリコーン樹脂及びフッソ樹脂のいずれかに限られるた
めに、得られる接着・保護層が必ずしも基材の合成樹脂
組成物との密着性、接着性において優れているわけでは
なく、むしろ実際には合成樹脂組成物との接着性に乏し
いという欠点がある。そこで、上記の問題点を解決する
ために、合成樹脂組成物基材表面に設ける接着・保護層
として、アクリル−シリコーン系共重合樹脂、アクリル
−フッソ系共重合樹脂、及びウレタン−シリコーン−フ
ッソ系共重合樹脂などの共重合系樹脂、並びに、シリコ
ーン系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンド、フッソ
系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンドなどを用い、
光触媒に対してある程度の耐分解性(安定性)を有しか
つ、合成樹脂組成物基材との接着性を多少改善する方法
が、徐々に実用化されるに至っている。これらのアクリ
ル−シリコーン系あるいはアクリル−フッソ系の共重合
系樹脂、または、ブレンド樹脂による保護層を合成樹脂
組成物基材表面に形成することによって、確かに光触媒
作用による防汚効果を比較的長期間に渡って維持する事
が可能になる。しかし、これらの共重合体樹脂又はブレ
ンド樹脂中のアクリル成分が、光触媒作用によって経時
的に分解、劣化を受けるために、下地基材層の合成樹脂
組成物が徐々に分解、劣化され、やがては光触媒コーテ
ィング層の劣化、脱落を伴う結果となる。
【0006】また、これらのシリコーン系、あるいはフ
ッソ系の共重合系樹脂、または、ブレンド樹脂の保護層
と下地基材層との接着性は、ある程度改善されている
が、しかし、屋外で長期間にわたって使用される中大型
テント、日除けテント、テント倉庫など建築物部材とし
て用いられた場合、風雨による過酷なはためきや、衝
撃、摩耗などに十分に耐えうるものではない。従って、
光触媒を合成樹脂組成物基材に応用する場合、上記共重
合体樹脂及びブレンド樹脂は、上記テント用途に対して
実用的に満足できるものではなかった。また、これらの
合成樹脂基材の着色剤としては、広く有機系顔料、無機
系顔料の中ら、所望の色相、意匠及び、コストなどに応
じて選択して使用しているが、特に着色剤として有機系
顔料を用いた場合には、光触媒作用によって合成樹脂の
分解、劣化のみならず、これらの有機系顔料までも分解
されてしまうために、中大型テント、日除けテント、テ
ント倉庫などの屋外用途では、合成樹脂の分解、劣化と
同時に有機系顔料の分解、劣化も進行し、このためテン
トが徐々に変色または、退色するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、屋外で長期
間に渡って優れた防汚性を維持し、着色されている場合
は、その色彩を維持することができ、かつ光触媒作用に
対して長期間安定で耐久性に優れた防汚性シートを提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、防汚性シ
ートについて上記の現状に鑑みて研究、検討を重ねた結
果、光触媒含有表面層を担持する基材層の熱可塑性樹脂
組成物層に対して酸化防止剤を特定量配合、含有させか
つ、基材層と光触媒含有表面層との間に光触媒接着・保
護層を形成することによって上記課題を解決し得ること
を見い出して本発明を完成するに至った。
【0009】本発明の防汚性シートは、少なくとも1層
の熱可塑性樹脂組成物層を含む基材層と、その少なくと
も1面上に形成され、かつ光触媒を含有する表面層とを
有し、前記基材層の少なくとも光触媒を含有する表面層
に最も近い熱可塑性樹脂組成物層が、0.01〜5.0
重量%の酸化防止剤を含有しており、かつ、前記基材層
と前記光触媒を含有する表面層との間に、アクリル−シ
リコーン系共重合体樹脂、アクリル−フッソ系共重合体
樹脂、ウレタン−シリコーン−フッソ系共重合体樹脂、
シリコーン樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンド、及
びフッソ系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンドから
選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂と、酸化
防止剤とを含む光触媒接着・保護層が形成されているこ
とを特徴とするものである。本発明の防汚性シートにお
いて、前記光触媒接着・保護層に含まれる酸化防止剤の
含有量が、0.01〜5.0重量%であることが好まし
い。本発明の防汚性シートにおいて、前記酸化防止剤
が、フェノール系、ホスファイト系、イオウ系、ビタミ
ンE系の酸化防止性化合物から選ばれた少なくとも1種
類からなることが好ましい。本発明の防汚性シートにお
いて、前記基材層が、繊維布帛からなる基布と、その少
なくとも片面上に積層された前記熱可塑性樹脂組成物層
とを有しているものであってもよい。本発明の防汚性シ
ートにおいて、前記光触媒を含有する表面層が、0.0
1〜5.0重量%の酸化防止剤を含有しているものであ
ってもよい。本発明の防汚性シートにおいて、前記熱可
塑性樹脂組成物層、光触媒を含有する表面層、及び光触
媒接着・保護層の少なくとも一層が無機系顔料を含有す
る着色剤によって着色されているものであることが好ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の防汚性シートは、基材層
と、その少なくとも1面上に形成され、かつ光触媒を含
有する表面層とそれらの間に形成された光触媒接着・保
護層とを有するものであって、基材層には、少なくとも
1層の熱可塑性樹脂組成物層が含まれ、この熱可塑性
(エラストマー)樹脂組成物層中には、0.01〜5.
0重量%の酸化防止剤が含有されている。光触媒含有表
面層は、基材層の熱可塑性樹脂組成物層の上に形成され
た光触媒接着・保護層の上に形成される。
【0011】本発明に使用される基材層用熱可塑性樹脂
(熱可塑性エラストマーを包含する)として、塩化ビニ
ル樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、オレフィン樹脂、オ
レフィン系共重合樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン系共重
合樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン樹脂、ス
チレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエス
テル系共重合樹脂、フッソ系共重合樹脂などの熱可塑性
樹脂(熱可塑性エラストマーを包含する)の単独、もし
くは、2種以上のブレンドからなるものが好ましく用い
られる。特にこれらの熱可塑性樹脂のなかでは、塩化ビ
ニル樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂が、樹脂物性、樹脂
特性、成形加工性、コスト性などに優れているので好ま
しく使用される。しかし、環境上の理由からハロゲン非
含有の樹脂が要望される場合には、特にオレフィン樹
脂、及びオレフィン系共重合樹脂が、最も好適に用いら
れる。
【0012】本発明の防汚性シートの熱可塑性樹脂組成
物層用の樹脂(エラストマーを包含する)として塩化ビ
ニル系樹脂が用いられる場合、その、可塑剤としては、
ポリエステル系可塑剤を使用することが好ましい。上記
の塩化ビニル樹脂及び、塩化ビニル系共重合樹脂として
は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−
ビニルエーテル共重合樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合樹脂、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合
樹脂、塩化ビニル−アクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル
−メタクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル−メタクリル酸
エステル共重合樹脂、及び塩化ビニル−ウレタン共重合
樹脂などを用いることができる。また上記のオレフィン
樹脂、オレフィン系共重合樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、エチレ
ン−メチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−メチル
メタクリレート共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共
重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、及びエチ
レン−プロピレン共重合樹脂などを使用できる。また、
上記の熱可塑性樹脂に代えて、例えば、天然ゴム、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、ブチルゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル
ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレ
ン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、ア
クリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッソゴ
ムなどの合成ゴム、並びに、これらの合成ゴムと上記熱
可塑性樹脂との架橋・加硫アロイ体である熱可塑性エラ
ストマー(TPE)なども使用する事ができる。
【0013】本発明において、基材層中の熱可塑性樹脂
組成物層に含有される酸化防止剤としては、フェノール
系、ホスファイト系、イオウ系、ビタミンE系の酸化防
止剤から選ばれた少なくとも1種以上を含むものを使用
することができる。
【0014】上記フェノール系酸化防止剤としては、例
えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6
−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステ
アリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、
チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘ
キサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメ
チレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4′−チオビス
(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2′−メチ
レンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチル
フェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−
3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコ
ールエステル、4,4′−ブチリデンビス(6−第三ブ
チル−m−クレゾール)、2,2′−エチリデンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2′−エチ
リデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三
ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三
ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレー
ト、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒド
ロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリ
ス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリ
ス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、ペ
ンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイル
オキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノ
ール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−
第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレング
リコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオネート〕等があげられる。
【0015】また上記ホスファイト系酸化防止剤として
は、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェ
ニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイトオクチル
ジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホ
スファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−ト
リ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソ
プロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(ト
リデシル)−4,4′−n−ブチリデンビス(2−第三
ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキ
サ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリ
ホスファイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ第
三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイ
ト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)オクタデシルホスファイト、2,2′−エチリ
デンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホ
スファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニ
ル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−
オキサイド、トリス(2−〔(2,4,8,10−テト
ラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジ
オキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミ
ン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと
2,4,6−トリ第三ブチルフェノールの亜リン酸エス
テルなどが挙げられる。
【0016】また、上記イオウ系酸化防止剤としては、
例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチ
ル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート
類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメル
カプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキル
メルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。ま
た、上記ビタミンE系酸化防止剤としては、例えば、
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベ
ンゾピラン−6−オールがその代表例として挙げられ
る。
【0017】本発明の防汚性シートの熱可塑性樹脂組成
物層において、用いられる熱可塑性樹脂(熱可塑性エラ
ストマーを包含する)の種類、特性、及び成形条件に応
じて前記酸化防止剤の1種または、2種以上の混合物を
熱可塑性樹脂組成物に対し0.01〜5.0重量%の配
合量で含有する。この酸化防止剤配合量は、好ましくは
0.1〜3.0重量%である。熱可塑性樹脂組成物層に
含有される酸化防止剤の添加量が、0.01重量%未満
であると、得られる防汚性シートは、屋外使用において
長期間にわたっての防汚性を持続する効果が不十分にな
り、短期間内に汚れの付着を招くという不都合を生ず
る。また、酸化防止剤の添加量が5.0重量%を超える
と、熱可塑性樹脂組成物の成形加工時に、熱ロールに酸
化防止剤がプレートアウトしてその加工性を悪化させ、
更に成形後の熱可塑性樹脂組成物層から酸化防止剤がブ
ルームアウトを生起して防汚性シートの表面が白化し、
及び/又はベタついたりするなどの不都合を生ずる。本
発明の防汚性シートの熱可塑性樹脂組成物層には、必要
に応じて、可塑剤、二次可塑剤、安定剤、滑剤、防炎
剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、界面活性剤、撥水
剤、撥油剤、架橋剤、硬化剤、有機系顔料着色剤、導電
性フィラー、各種フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸
収剤、軟化剤、増粘剤、粘度降下剤、などの、通常に使
用される添加剤が、本発明の目的効果を逸脱しない範囲
で添加されていてもよい。酸化防止剤を光触媒を含有す
る表面層に含有させるとより好ましい結果を与える。
【0018】本発明の防汚性シートの熱可塑性樹脂組成
物層は着色されていてもよく、この場合には無機系顔料
を使用することが好ましく、この無機系顔料としては、
酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(ルチル型、アナター
ゼ型)、三酸化アンチモン、酸化鉄(鉄黒、べんが
ら)、酸化鉛(鉛丹)、酸化クロム、酸化ジルコニウ
ム、酸化コバルトと酸化アルミニウムの複合物(コバル
トブルー)、酸化コバルトと酸化リチウムと五酸化リン
の複合物(コバルトバイオレット)、酸化コバルトと酸
化亜鉛の複合物(コバルトグリーン)などの金属酸化
物、硫化亜鉛と硫酸バリウムの複合物(リトポン)、硫
化亜鉛、硫化カドミウム(カドミウムイエロー)、硫化
水銀(銀朱)、硫化カドミウムとセレニウム−カドミウ
ムの複合物(カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、
カドミウムイエロー)、硫化アンチモンと三酸化アンチ
モンの複合物(アンチモン朱)などの金属硫化物、硫酸
バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛などの金属硫化物、
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭
酸鉛と水酸化鉛の複合物(鉛白)などの金属炭酸化物、
水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、水酸化アル
ミニウムと硫酸カルシウムの複合物(サチン白)などの
金属水酸化物、クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸亜鉛(亜
鉛黄)、クロム酸バリウムなどのクロム酸金属塩、モリ
ブデン酸鉛と硫酸鉛の複合物(モリブデンレッド)、ス
ピネル型(XY2 4 )構造酸化物:※XY=Co−A
l,Co−Al−Cr,Co−Mg−Sn,Co−Ni
−Ti,Co−Zn−Ni−Ti,Co−Zn−Cr−
Ti,Zn−Cr−Ti,Zn−Cr−Fe,Co−Z
n−Cr−Fe,Co−Ni−Cr−FE−Si,Co
−Mn−Cr−Fe,Cu−Mn−Cr,Mn−Feな
ど、ルチル型〔Ti(XY)O2〕構造酸化物:XY=
Pb−Sb,Ni−Sb,Ni−W,Fe−Mo,Cr
−Sbなど、その他カーボンブラック、チタンブラッ
ク、アルミニウム顔料、及びパール顔料などがあり、こ
れらの1種又は2種以上の混合物を、本発明の防汚性シ
ートの用途及び目的に応じて適宜に使用することができ
る。本発明においては熱可塑性(エラストマー)樹脂組
成物層光触媒を含有する表面層及び光触媒接着・保護層
の少なくとも一層が、好ましくは70重量%以上の無機
顔料を含有する着色剤で着色されていてもよい。このよ
うにすると変退色防止性に優れた着色防止性シートが得
られる。
【0019】本発明の防汚性シートの熱可塑性樹脂組成
物層を形成するには、上記の熱可塑性樹脂に酸化防止剤
を添加し、あるいは、上記熱可塑性樹脂に酸化防止剤
と、更に必要に応じて各種添加剤を配合して、得られた
熱可塑性樹脂組成物のコンパウンドを、公知の混練方
法、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸混練
機などを用いて溶融混練後造粒する方法、あるいはバン
バリーミキサーなどで酸化防止剤の高濃度のマスターバ
ッチを作製しておき、タンブラーブレンダー、タンブル
ミキサー、ヘンシェルミキサーのような混合機を用いて
ドライブレンドする方法、並びに前記成分を混合後、単
に単軸押出機、二軸押出機などで溶融混練造粒する方法
などを採用する事ができる。本発明の防汚性シートの熱
可塑性樹脂組成物層を形成するために当該熱可塑性樹脂
組成物から成形されたフィルムまたは、シートを、T−
ダイ法、インフレーション法、又はカレンダー法など公
知のフィルム、シート加工技術によって製造することが
できる。前記フィルム又はシートの製造方法としては、
カレンダーを用いて、100〜250℃の温度範囲にお
いて、成形する方法が製造効率に優れ、好ましい方法で
ある。
【0020】本発明の防汚性シートの熱可塑性樹脂組成
物層の形成に用いられるフィルム又はシートの厚さは、
80〜1000μmであることが好ましく、特に130
〜500μmであることが好ましい。厚さが80μm未
満であると成型加工が困難となり、またそれを繊維布帛
からなる基布に熱圧着によりラミネートする時に、繊維
布帛表面の凹凸部によりフィルムの頭切れを生じ、防水
性を損なうことがあり、この場合、この防汚性シート
を、屋外用の日除けテント、中大型テント、テント倉庫
用途に使用できなくなることがある。また、厚さが10
00μmよりも厚いと、カレンダー加工が困難となるだ
けでなく、重くて柔軟性を欠き、取り扱い性が不良にな
ることがある。
【0021】前記熱可塑性樹脂組成物フィルムの形成に
は、塩化ビニル系樹脂エマルジョン、ポリオレフィン系
樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレ
タン系樹脂エマルジョンなどの前記熱可塑性樹脂のエマ
ルジョン、及び水分散体に酸化防止剤を配合し、得られ
た熱可塑性樹脂組成物を公知の塗布方法、例えば、ドク
ターナイフコート法、グラビアコート法、ロータリース
クリーンコート法、又はディップコート法などによりコ
ーティングし、乾燥する方法、を用いることが出来る。
この熱可塑性樹脂樹脂エマルジョン組成物を用いる場
合、直接、繊維布帛に本発明の熱可塑性樹脂エマルジョ
ン組成物を塗布−乾燥してもよいし、または、離型紙、
離型フィルム上に上記熱可塑性樹脂組成物エマルジョン
を塗布−乾燥し、この樹脂層を、繊維布帛に転写ラミネ
ートしてもよい。また、前記熱可塑性樹脂組成物として
軟質塩化ビニル樹脂が用いられる場合において、軟質塩
化ビニル樹脂が、ペースト塩化ビニル樹脂組成物であっ
てもよく、この場合には、その塗布により軟質塩化ビニ
ル層を形成し、これを120〜200℃で加熱ゲル化す
る工程が必要である。
【0022】本発明の防汚性シートに使用できる基布用
繊維布帛としては、織布、編布、不織布のいずれの布帛
であってもよく、織布としては特に織組織に限定はしな
いが、平織織物を用いると、得られる防汚性シートの縦
緯物性のバランスが優れたものとなるため、特に好まし
く用いられる。編布としてはラッセル編の緯糸挿入トリ
コットが好ましく、不織布としては長繊維を用いた不織
布が好ましく、特にスパンボンド不織布などを使用でき
る。また、繊維布帛を構成する繊維は合成繊維、天然繊
維、半合成繊維、無機繊維またはこれらの2種以上から
成る混合繊維のいずれであってもよく、加工性、汎用性
を考慮するとポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、
ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリア
ミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、または、
これらの混合繊維を用いることが好ましく、これらの繊
維は、長繊維糸条、短繊維紡績糸条、スプリットヤー
ン、テープヤーンなどのいずれの形状であってもよい。
これらのうちでも、引張強力、引裂強力、耐熱クリープ
特性などに優れているポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、又はこれらの混合繊維或は複合繊維などから形成さ
れるマルチフィラメント平織繊維物、または、スパン平
織繊維物を用いることが好ましい。
【0023】熱可塑性樹脂組成物層は、繊維布帛からな
る基布の片面に形成されてもよいし、或は両面に形成さ
れてもよいが一般に、屋外用途の耐久性を考慮すると、
基布の両面に熱可塑性樹脂組成物層を形成することが好
ましい。その積層の方法として、熱可塑性樹脂組成物と
基布との間に接着剤層を設けてもよいし、接着剤なしに
積層熱接着させてもよい。本発明の防汚性シートの製造
に用いる基布と熱可塑性樹脂組成物フィルム又はシート
との積層方法は、フィルム又はシートの成型加工のとき
に、それと同時に基布と熱ラミネート積層するカレンダ
ートッピング法、T−ダイラミネート法、あるいは、カ
レンダー法、T−ダイ法、インフレーション法などによ
りフィルム又はシートを成型加工により作製した後に、
これをラミネーターを用いる熱圧着により基布に貼着さ
せてもよい。本発明による防汚性シートの製造には、カ
レンダー法によって成型加工された前記フィルム又はシ
ートと、ポリエステル繊維平織物からなる基布とを熱圧
着する方法が、効率的かつ経済的に優れ実用上好ましい
ものである。このとき、前記平織物基布の織組織が目抜
け平織であるため、接着剤を必要とせずに積層シートを
製造することができる。また、この方法は、縦方向、横
方向の物性のバランスのよい防汚性シートを得るために
より好ましく用いられる。また、前記熱可塑性樹脂組成
物フィルム又はシートの酸化防止剤配合前記熱可塑性樹
脂エマルジョン、または、水分散体、あるいは、軟質塩
化ビニルペーストを使用して形成される場合には、平織
物基布の織組織は、高糸密度の非目抜け平織りであるこ
とが好ましく、より好ましくは、スパン繊維平織物基布
などが使用される。
【0024】本発明の防汚性シートの熱可塑性(エラス
トマー)樹脂組成物層の表面には、光触媒と、光触媒作
用に対して安定な熱可塑性樹脂組成物を主成分とするバ
インダーとを含む表面層が形成されている。これらの光
触媒を含有する表面層は、その用途に応じて、本発明の
防汚性シートの片面又は両面に形成することができる。
本発明の防汚性シートの光触媒含有表面層は、熱可塑性
樹脂組成物層の表面に、酸化防止剤と好ましくはポリシ
ロキサンとを配合した熱可塑性樹脂、例えばアクリル−
シリコーン樹脂を含む接着・保護層を介して形成されて
いる。光触媒含有表面層は、金属酸化物ゾルを含む光触
媒粒子複合体を含むものである。光触媒含有表面層は、
例えばシリカゾル1〜10重量%と、モノアルキルトリ
メトキシシランまたはその加水分解生成物1〜10重量
%と、及び、酸化チタンゾル1〜10重量%とを含有す
る配合液からなる光触媒コーティング剤を、上記酸化防
止剤含有の接着・保護層の表面に、又は熱可塑性樹脂組
成物層の表面に直接に塗布し乾燥して形成することがで
きる。上記モノアルキルトリメトキシシランとしては、
例えば、メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエト
キシシランなどが特に好ましく使用できる。
【0025】シリカゾルとモノアルキルトリメトキシシ
ランまたはその加水分解生成物との混合重量比率は、1
00%/0%〜60%/40%であることが好ましく、
酸化チタンゾルと上記シラン化合物との重量混合比率
は、5%/95%〜75%/25%であることが好まし
い。シラン化合物の比率が95%をこえると、光触媒作
用が不十分になることがあり、またそれが25%未満で
は、熱可塑性樹脂組成物層又は接着・保護層との接着性
が不十分になることがある。
【0026】光触媒としては、TiO2 ,ZnO,Sr
TiO3 ,CdS,GaP,InP,GaAs,BaT
iO3 ,K2 NbO3 ,Fe2 3 ,Ta2 5 ,WO
3 ,SnO2 ,Bi2 3 ,NiO,Cu2 O,Si
C,SiO2 ,MoS2 ,InPb,RuO2 ,CeO
2 などを例示することができ、またこれらの光触媒にP
t,Rh,RuO2 ,Nb,Cu,Sn,NiOなどの
金属及び金属酸化物を添加したものが使用できる。光触
媒含有表面層中の光触媒の含有量は、それが多くなるほ
ど光触媒作用が高くなるが、熱可塑性樹脂組成物層又は
接着・保護層との接着性の観点から、75重量%以下で
あることが好ましい。
【0027】本発明の防汚性シートにおいて前記光触媒
接着・保護層の形成に用いられる熱可塑性樹脂として
は、アクリル−シリコーン系共重合体樹脂、アクリル−
フッソ系共重合体樹脂、及びウレタン−シリコーン−フ
ッソ系共重合体樹脂などの共重合系樹脂並びに、シリコ
ーン系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンド及び、フ
ッソ系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンドから選ば
れた少なくとも1種が用いられ、これらは光触媒に対し
て高い安定性を有し、かつ、熱可塑性樹脂組成物層との
接着性にすぐれたものである。これらのシリコーン系又
はフッソ系の共重合系熱可塑性樹脂、或は、これらのブ
レンドを用いて光触媒接着・保護層を熱可塑性樹脂組成
物層の表面に形成する。屋外使用における光触媒作用に
よる防汚効果を長期間にわたって維持するためには、ア
クリル系樹脂成分の光触媒作用による分解、劣化を防止
することが好ましく、このために、この光触媒接着・保
護層にも酸化防止剤を添加する。光触媒接着・保護層に
使用できる酸化防止剤としては、前述の酸化防止剤の中
から適宜組み合わせて使用でき、酸化防止剤の添加量
は、光触媒接着、保護層の固体重量に対して0.01〜
5.0重量%であることが好ましく、より好ましくは
0.1〜3.0重量%である。また、本発明の防汚性シ
ートの光触媒接着・保護層の形成用熱可塑性樹脂として
は、アクリル−シリコーン系共重合樹脂を用いることが
好ましい。この光触媒接着、保護層の厚さは、上記コー
ティング法の何れかによって、1.0μm以上の厚さに
形成することが好ましい。
【0028】光触媒含有表面層コーティング液の塗布、
及び光触媒接着・保護層の塗布の方法には、特別の限定
はないが、これらの光触媒含有コーティング液、及び光
触媒接着・保護層の塗布液を熱可塑性樹脂組成物層の表
面に、均一、かつ均質に塗布できる様な塗布方式又はコ
ーティング方式が望ましく、例えば、グラビアコート
法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ロー
ルコート法、リバースロールコート法、バーコート法、
キスコート法、フローコート法などが好適に用いられ
る。
【0029】本発明の防汚性シートの厚さには、特に限
定はなく、その用途及び構成によって適宜設定される。
例えば、基布を含まない場合の防汚性シートの厚さは8
0〜1000μmであることが好ましく、基布の片面上
に熱可塑性樹脂組成物層及び光触媒含有表面層を配置し
たシートの場合には120〜1600μmであることが
好ましく、基布の両面上に、それぞれ熱可塑性樹脂組成
物層と、光触媒含有表面層を設けたシートの場合には1
60〜2000μm程度であることが好ましい。
【0030】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに説明する
が、本発明の範囲はこれらの例により限定されるもので
はない。
【0031】下記実施例及び比較例において、シートの
防汚性能の評価に用いた試験方法は、下記の通りであ
る。試験 (I)屋外曝露試験 幅20cm×長さ2mの供試シートを光触媒を含有する表
面層形成面を表側にして、南向きに設置された傾斜角3
0°方向の曝露台及び垂直方向の曝露台上にそれぞれ1
mずつ連続して展張して屋外曝露試験に供し、曝露6ヶ
月後、12ヶ月後、及び18ヶ月後の供試シートの汚
れ、雨筋汚れの発生状態を観察した。 (イ)防汚性 傾斜角30°方向の設置試料について、曝露開始時の試
料の色を基準として、曝露6ヶ月後、12ヶ月後、18
ヶ月後の試料の表面との色差ΔE(JIS−Z−872
9)を測定し、下記の判定基準により防汚性を評価し
た。 ΔE= 0〜 2.9: ◎=汚れがなく良好。初期の状態を維持している。 ΔE= 3〜 5.9: ○=多少汚れがあるが、実用上問題ない。 ΔE= 6〜11.9: △=汚れが、目立ち気になる。実用は困難である。 ΔE=12〜 : ×=汚れが酷く、実用することはできない。
【0032】(ロ)雨筋汚れ 垂直方向の設置試料について、曝露開始時の試料の表面
状態を基準として、曝露6ヶ月後、12ヶ月後、18ヶ
月後の試料の降雨によってタテ筋状の雨筋汚れの発生状
態を目視で観察し、下記の判定基準により雨筋汚れ防止
性を評価した。 ◎=雨筋汚れの発生がなく良好。初期の状態を維持して
いる。 ○=多少雨筋汚れの発生があるが、実用上問題ない。 △=雨筋汚れが、目立ち気になる。実用は困難である。 ×=雨筋汚れが酷く、実用できない。
【0033】(II)耐光促進試験 (イ)変退色 供試試料の光触媒を含有する表面層形成面に、サンシャ
インカーボンウエザーメーターによる1000時間、2
000時間、及び3000時間の耐光促進試験(JIS
−L−0842)を施し、原試料の色を基準とし、供試
試料の表面の変退色度合いを、色差ΔE(JIS−Z−
8729)を測定して数値化し、下記の判定基準により
変色性を評価した。 ΔE= 0〜 2.9: ◎=変色がなく良好。初期の状態を維持している。 ΔE= 3〜 5.9: ○=多少変色があるが、実用上問題ない。 ΔE= 6〜11.9: △=変色が、目立ち気になる。実用は困難である。 ΔE=12〜 : ×=変色が酷く、実用できない。
【0034】下記実施例及び比較例において下記の配合
資材が用いられた。配合資材 特に説明のない資材については、汎用の資材を常法通り
に使用した。 (1)塩化ビニル樹脂:商標:S−1003(鐘ヶ淵化
学工業(株)) (2)DOP:商標:サンソサイザーDOP(新日本理
化(株)) (3)アジピン酸ポリエステル:商標:アデカサイザー
PN−446(旭電化工業(株)) (4)エポキシ化大豆油:商標:アデカサイザーO−1
30P(旭電化工業(株)) (5)炭酸カルシウム:商標:ライトンBS(備北粉化
工業(株)) (6)Ba−Zn系安定剤:商標:KV−400B(共
同薬品(株)) (7)酸化防止剤(I):商標:イルガノックス101
0(フェノール系)、ペンタエリスリトールテトラキス
〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕 (8)酸化防止剤(II):商標:イルガノックス103
5(フェノール−イオウ系)、チオジエチレンビス〔3
−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕 (9)酸化防止剤(III):商標:イルガフォス168
(フォスファイト系)、トリス(2,4−ジ第三ブチル
フェニル)フォスファイト 〔註:上記(7)〜(9):チバ.スペシャルティ.ケ
ミカルズ(株)製 (10)紫外線吸収剤:商標:バイオソーブ510(共
同薬品(株)) (11)無機系顔料(I):商標:酸化チタンCR(石
原産業(株)) (12)無機系顔料(II):商標:イエローNo.55
50(旭産業(株)) (13)有機系顔料(I):商標:HSM9361イエ
ロー(日弘ビックス(株)) ※縮合アゾイエロー25wt%concマスターバッチ (14)有機系顔料(II):商標:HSM9142レッ
ド(日弘ビックス(株)) ※キナクリドンレッド25wt%concマスターバッチ (15)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂:商標:エバ
テートK−2010(住友化学工業(株)) (16)エチレン−メタアクリル酸共重合樹脂:商標:
アクリフトWH−202(住友化学工業(株)) (17)低密度ポリエチレン:商標:ジェイレクスLL
BF1350(日本ポリオレフィン(株)) (18)滑剤:商標:LE−5(川研ファインケミカル
(株)) (19)有機系顔料(III):商標:HCM1429イエ
ロー(大日精化工業(株)) ※イソインドリノンイエロー20wt%concカラードペレ
ット (20)有機系顔料(IV):商標:HCM1170レッ
ド(大日精化工業(株)) ※縮合アゾレッド20wt%concカラードペレット
【0035】実施例1 (1)繊維布帛からなる基布の熱可塑性樹脂による処理
工程 タテ糸1000デニール×ヨコ糸1000デニールのポ
リエステルフィラメント平織物(糸密度:タテ22本/
2.54cm、ヨコ25本/2.54cm:目付け重量21
5g/m2 )を基布として用い、この基布を下記ペース
ト塩化ビニル樹脂組成物を溶剤で希釈したオルガノゾル
中に浸漬し、ペースト塩化ビニル樹脂組成物を基布に含
浸させた後、ローラーで絞り、基布に対して、145g
/m2 のペースト塩化ビニル樹脂組成物を基布全面に均
等に付着させ、これを150℃の熱処理炉で1分間乾燥
させた後、185℃の熱処理炉で1分間熱処理を施し、
ペースト塩化ビニル樹脂組成物をゲル化させた。塩化ビ
ニル樹脂組成物含浸ポリエステルフィラメント平織物か
らなる下地基材が得られた。 〈ペースト塩化ビニル樹脂配合組成〉 ペースト塩化ビニル樹脂 100重量部 DOP(可塑剤) 70重量部 エポキシ化大豆油(ESBO) 4重量部 炭酸カルシウム 10重量部 Ba−Zn系安定剤 2重量部 フェノール系酸化防止剤(7) 1重量部 顔料(TiO2 ) 5重量部 溶剤(トルエン) 20重量部 〔註〕(7)…フェノール系酸化防止剤(配合資材
(7))=ペンタエリスリトールテトラキス〔3−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、商標:イルガノックス1010(チ
バ.スペシャルティ.ケミカルズ(株)) 表1に記載された組成を有するストレート塩化ビニル樹
脂組成物(実施例1)からなる厚さ0.16mmの軟質塩
化ビニル樹脂組成物フィルムを、170℃のゲル化混練
条件下にカレンダー成形法によって作成し、このフィル
ムを、先述のペースト塩化ビニル樹脂組成物含浸基布の
両面に、熱ラミネート法により165℃に設定のラミネ
ーターを用いて貼着し、厚さ0.5mm、重量550g/
2 の淡黄色に着色された軟質塩化ビニル樹脂よりなる
熱可塑性樹脂組成物層を含む基材層を作成した。
【0036】(2)光触媒層の形成工程 上記軟質塩化ビニル樹脂よりなる熱可塑性樹脂組成物層
を含む基材層の一方の面上に、下記配合組成を有する光
触媒接着・保護層形成用塗布液を、80メッシュのグラ
ビアロールコーターを用いて、15g/m2 の塗布量で
塗布し、これを100℃の熱処理炉中において1分間乾
燥した。 〈光触媒接着・保護層形成塗布液配合〉 シリコーン含有量3mol %のアクリル−シリコーン樹脂 を8重量%(固形分)含有するエタノール−酢酸エチル(5 0/50重量比)溶液 100重量部 ポリシロキサンとしてメチルシリケートMS51(コル コート(株))の20重量%エタノール溶液 8重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シラン カップリング剤) 1重量部 オクタデシル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド ロキシフェニル)プロピオネート(フェノール系酸化防止剤 ) 0.02重量部 :商標:イルガノックス1076(チバ.スペシャルティ.ケミカルズ(株))
【0037】前記光触媒接着・保護層の表面に、下記組
成の光触媒層形成用塗布液を、100メッシュのグラビ
アロールコーターを用いて12g/m2 の塗布量で塗布
し、これを100℃の熱処理炉中で1分間乾燥して光触
媒含有表面層を形成して、防汚性シートを作製した。 〈光触媒形成塗布液配合〉 酸化チタン含有量10重量%に相当する硝酸酸性酸化チタ ンゾルを分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液 100重量部 酸化ケイ素含有量10重量%に相当する硝酸酸性シリカゾ ルを分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液 100重量部
【0038】得られた防汚性シートを前記、屋外曝露試
験、および耐光促進試験に供して、防汚性、雨筋汚れ防
止、変色防止効果を具体的に評価した。試験結果を表1
(実施例1)に示す。得られた防汚性シートの防汚性
は、極めて良好であって、屋外曝露18ヶ月後も、曝露
開始時と同様の色相と外観を維持しており、また、雨筋
汚れの発生も認められなかった。
【0039】実施例2〜8 実施例2〜8の各々において、実施例1と同様にして、
タテ糸1000デニール×ヨコ糸1000デニールのポ
リエステルフィラメント平織物(糸密度:タテ22本/
2.54cm、ヨコ25本/2.54cm:目付け重量:2
15g/m2 )を基布として用い、この基布を実施例1
と同じペースト塩化ビニル樹脂組成物を溶剤で希釈した
オルガノゾル中に浸漬してペースト塩化ビニル樹脂組成
物を基布に含浸させた後、これをローラーで絞り、基布
に対して、145g/m2 のペースト塩化ビニル樹脂組
成物を基布全面に均等に付着させ、これを150℃の熱
処理炉で1分間乾燥し、さらに185℃の熱処理炉中で
1分間の熱処理を施し、ペースト塩化ビニル樹脂組成物
をゲル化させた。この塩化ビニル樹脂組成物含浸ポリエ
ステルフィラメント平織物を、軟質塩化ビニル樹脂組成
物フィルムをラミネートするための下地基材として用い
た。この下地基材を用い、下記事項を除き他は実施例1
と同様にして塩化ビニル樹脂組成物フィルムのラミネー
ト、光触媒接着・保護層の形成及び光触媒含有表面層の
形成を行った。
【0040】実施例2においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にして防汚性シ
ートを作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)
(配合資材(7)、イルガノックス1010)3重量部
の代りに、他の酸化防止剤(II)(配合資材(8)、イ
ルガノックス1035)3重量部を用いた。前記屋外曝
露試験、及び耐光促進試験の結果を表1(実施例2)に
示す。得られた防汚性シートの防汚性は、極めて良好で
あって、屋外曝露18ヶ月後も、曝露開始時と同様の色
相と外観を維持しており、また、雨筋汚れの発生も認め
られなかった。
【0041】実施例3においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にして防汚性シ
ートを作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)
(配合資材(7)、イルガノックス1010)3重量部
の代りに他の酸化防止剤(III)(配合資材(8)、イル
ガフォス168)3重量部を用いた。前記屋外曝露試
験、及び耐光促進試験の結果を表1(実施例3)に示
す。得られた防汚性シートの防汚性は、極めて良好であ
って、屋外曝露18ヶ月後も、曝露開始時と同様の色相
と外観を維持しており、また、雨筋汚れの発生も認めら
れなかった。
【0042】実施例4においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にして防汚性シ
ートを作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)
(配合資材(7)、イルガノックス1010)の配合量
3重量部を5重量部に変えた。前記屋外曝露試験、及び
耐光促進試験の結果を表1(実施例4)に示す。得られ
た防汚性シートの防汚性は、極めて良好であって、屋外
曝露18ヶ月後も、曝露開始時と同様の色相と外観を維
持しており、また、雨筋汚れの発生も認められなかっ
た。
【0043】実施例5においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にして防汚性シ
ートを作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)
(配合資材(7)、イルガノックス1010)3重量部
の代りに他の酸化防止剤(II)(配合資材(8)、イル
ガノックス1035)5重量部を用いた。前記屋外曝露
試験、及び耐光促進試験の結果を表1(実施例5)に示
す。得られた防汚性シートの防汚性は極めて良好であっ
て、屋外曝露18ヶ月後も、曝露開始時と同様の色相と
外観を維持しており、また、雨筋汚れの発生も認められ
なかった。
【0044】実施例6においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にして防汚性シ
ートを作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)
(配合資材(7)、イルガノックス1010)3重量部
の代りに他の酸化防止剤(III)(配合資材(9)、イル
ガフォス168)5重量部を用いた。前記屋外曝露試
験、及び耐光促進試験の結果を表1(実施例6)に示
す。得られた防汚性シートの防汚性は極めて良好であっ
て、屋外曝露18ヶ月後も、曝露開始時と同様の色相と
外観を維持しており、また、雨筋汚れの発生も認められ
なかった。
【0045】実施例7においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にして防汚性シ
ートを作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)
(配合資材(7)、イルガノックス1010)3重量部
のうち、その2重量部の代りに、他の酸化防止剤(II)
(配合資材(8)、イルガノックス1035)1重量部
及び酸化防止剤(III)(配合資材(9)、イルガフォス
168)1重量部を用いた。前記屋外曝露試験、及び耐
光促進試験の結果を表1(実施例7)に示す。得られた
防汚性シートの防汚性は、極めて良好であって、屋外曝
露18ヶ月後も、曝露開始時と同様の色相と外観を維持
しており、また、雨筋汚れの発生も認められなかった。
【0046】実施例8においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にして防汚性シ
ートを作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)
(配合資材(7)、イルガノックス1010)3重量部
のうち、その2重量部の代りに他の酸化防止剤(II)
(配合資材(8)、イルガノックス1035)1重量部
と酸化防止剤(III)(配合資材(9)、イルガフォス1
68)1重量部とを用い、更に無機系顔料(I)(配合
資材(11)、酸化チタンCR)を添加せず、かつ無機
系顔料(II)(配合資材(12)、イエローNo.55
50)の配合量2重量部を7重量部に変更し、黄色に着
色した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結果を
表1(実施例8)に示す。得られた防汚性シートの防汚
性は極めて良好であって、屋外曝露18ヶ月後も、曝露
開始時と同様の色相と外観を維持しており、また、雨筋
汚れの発生も認められなかった。
【0047】比較例1〜8 実施例1と同様に、タテ糸1000デニール×ヨコ糸1
000デニールのポリエステルフィラメント平織物(糸
密度:タテ22本/2.54cm、ヨコ25本/2.54
cm:目付け重量215g/m2 )を基布として用いて下
地基布を作製し、この下地基布を用いて、実施例1と同
様にして防汚性シートを作製した。但し、ペースト塩化
ビニル組成物として、実施例1のペースト塩化ビニル樹
脂組成物から、酸化防止剤(配合資材(7)、(イルガ
ノックス1010)1重量部を除去したものを用いた。
この組成物を溶剤で希釈したオルガノゾル中に前記平織
物を浸漬し、ペースト塩化ビニル樹脂組成物を基布に含
浸させた後、ローラーで絞り、基布に対して、145g
/m2 のペースト塩化ビニル樹脂組成物を基布全面に均
等に付着させ、これを150℃の熱処理炉中で1分間乾
燥した後、185℃の熱処理炉中で1分間の熱処理を施
し、ペースト塩化ビニル樹脂配合組成物をゲル化させ
た。このペースト塩化ビニル樹脂組成物含浸ポリエステ
ルフィラメント平織物を、軟質塩化ビニル樹脂組成物フ
ィルムをラミネートするための下地基材として用いた。
この下地基材を用い、下記事項を除き、他は実施例1と
同様にして、軟質塩化ビニル樹脂組成物フィルムのラミ
ネート、光触媒接着・保護層の形成及び光触媒含有表面
層を形成した。 〈ペースト塩化ビニル樹脂組成物〉 ペースト塩化ビニル樹脂 100重量部 DOP(可塑剤) 70重量部 エポキシ化大豆油(ESBO) 4重量部 炭酸カルシウム 10重量部 Ba−Zn系安定剤 2重量部 顔料(TiO2 ) 5重量部 溶剤(トルエン) 20重量部
【0048】比較例1〜6においては、 光触媒層の形成工程は、実施例1と同様に行った。但
し、光触媒接着・保護層形成塗布液として、実施例1で
用いられたものから酸化防止剤オクタデシル−3−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート(イルガノックス1076)を除き、下記
組成を有するものを用いた。この光触媒接着・保護層形
成塗布液を基材層の表面に、80メッシュのグラビアロ
ールコーターを用いて15g/m2 の塗布量で塗布し、
100℃の熱処理炉中において1分間乾燥した。 〈光触媒接着・保護層形成塗布液〉 シリコーン含有量3mol %のアクリル−シリコーン樹脂 を8重量%(固形分)含有するエタノール−酢酸エチル(5 0/50重量比)溶液 100重量部 ポリシロキサンとしてメチルシリケートMS51(コル コート(株))の20重量%エタノール溶液 8重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シラン カップリング剤) 1重量部
【0049】比較例1においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にしてシートを
作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビニル樹
脂組成物フィルムから酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部を省いたも
のを用いた。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結
果を表2(比較例1)に示す。得られたシート曝露試験
において、屋外曝露12ヶ月後から汚れが目立ち始め、
また、雨筋汚れの発生も認められた。更に屋外曝露18
ヶ月後には、基材層中の軟質塩化ビニル樹脂組成物層
が、光触媒による樹脂劣化を起こし、光触媒表面層が脱
落した事によって、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、急激
に進行した。このため、比較例のシートは屋外で長期間
使用するには不適当なものであった。
【0050】比較例2においては、 前記下地基材を用いて、実施例2と同様にしてシートを
作製した。但し、実施例2で使用した軟質塩化ビニル樹
脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(II)(配合資
材(8)、イルガノックス1035)3重量部を省き、
更に無機系顔料(II)(配合資材(12)、イエローN
o.5550)2重量部の代りに有機系顔料(I)(配
合資材(13)、縮合アゾイエロー2重量部(HSM9
361イエロー(25wt%conc)マスターバッチとして
8重量部))を用いた。前記屋外曝露試験、及び耐光促
進試験の結果を表2(比較例2)に示す。得られた淡黄
色に着色したシートの屋外曝露試験において、屋外曝露
12ヶ月後から汚れが目立ち始めると同時に有機系顔料
の変退色も目立ち始めた。また、雨筋汚れの発生も認め
られる様になった。更に屋外曝露18ヶ月後には、基材
層の熱可塑性樹脂が、光触媒による樹脂劣化を起こし、
光触媒表面層が脱落した事によって、汚れの付着と雨筋
汚れ発生が、急激に進行した。このため比較例のシート
は屋外で長期間使用する用途に不適当なものであった。
【0051】比較例3においては、 前記下地基材を用いて、実施例3と同様にしてシートを
作製した。但し、実施例3で使用した軟質塩化ビニル樹
脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(III)(配合資
材(7)、イルガフォス168)3重量部を省き、更に
無機系顔料(I)(配合資材(11)、酸化チタンC
R)5重量部の代りに有機系顔料(II)(配合資材(1
4)、キナクリドンレッド1重量部(HSM9142
(25wt%conc)マスターバッチとして4重量部))を
用い、無機系顔料(II)(配合資材(12)、イエロー
No.5550)2重量部の代りに有機系顔料(I)
(配合資材(13)、縮合アゾイエロー2重量部(HS
M9361イエロー(25wt%conc)マスターバッチと
して8重量部))を用いた。前記屋外曝露試験、及び耐
光促進試験の結果を表2(比較例3)に示す。得られた
オレンジ色に着色したシートの前記曝露試験において、
屋外曝露12ヶ月後から汚れが目立ち始めると同時に有
機系顔料の変退色がかなり目立ち始めた。また、雨筋汚
れの発生も認められる様になった。更に屋外曝露18ヶ
月後には、基材層の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる
熱可塑性樹脂組成物層が、光触媒による樹脂劣化を起こ
し、光触媒表面層が脱落した事によって、汚れの付着と
雨筋汚れ発生が、急激に進行した。従って、比較例3の
シートは、屋外で長期間使用する用途に不適当なもので
あった。
【0052】比較例4においては、 前記下地基材を用いて、実施例1と同様にしてシートを
作製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビニル樹
脂組成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資
材(7)、イルガノックス1010)の配合量3重量部
を0.01重量部に変更した。前記屋外曝露試験、及び
耐光促進試験の結果を表2(比較例4)に示す。得られ
たシートの曝露試験において、屋外曝露18ヶ月後から
汚れが目立ち始め、また、雨筋汚れの発生も認められ
た。更に、基材層の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる
熱可塑性樹脂組成物層が、光触媒による樹脂劣化を徐々
に引き起こし、光触媒表面層が脱落した事によって、汚
れの付着と雨筋汚れ発生が、進行した。従って、比較例
4のシートは、屋外で長期間使用するに不適当なもので
あった。
【0053】比較例5においては、 前記下地基材を用いて、実施例2と同様にしてシートを
作製した。但し、実施例2で使用した軟質塩化ビニル樹
脂組成物フィルムにおいて、その酸化防止剤(II)(配
合資材(8)、イルガノックス1035)の配合量3重
量部を0.01重量部に変更し、更に無機系顔料(II)
(配合資材(12))2重量部の代りに、有機系顔料
(I)(配合資材(13))縮合アゾイエロー2重量部
(HSM9361イエロー(25wt%conc)マスターバ
ッチとして8重量部)を用いた。前記屋外曝露試験、及
び耐光促進試験の結果を表2(比較例5)に示す。得ら
れた淡黄色に着色されたシートの曝露試験において、屋
外曝露18ヶ月後から汚れが目立ち始め、また、雨筋汚
れの発生も認められた。更に、基材層の軟質塩化ビニル
樹脂組成物からなる熱可塑性樹脂組成物層が、光触媒に
よる樹脂劣化を徐々に引き起こし、光触媒表面層が脱落
した事によって、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、進行し
た。従って比較例5のシートは、屋外で長期間使用する
のに不適当なものであった。
【0054】比較例6においては、 前記下地基材を用いて、実施例3と同様にしてシートを
作製した。但し、実施例3で使用した軟質塩化ビニル樹
脂組成物フィルムにおいて、その酸化防止剤(III)(配
合資材(9)、イルガフォス168)の配合量3重量部
を0.01重量部に変更し、更に無機系顔料(I)(配
合資材(11)、酸化チタンCR)5重量部の代りに有
機系顔料(II)(配合資材(14)、キナクリドンレッ
ド1重量部(HSM9142(25wt%conc)マスター
バッチとして4重量部))に変更し、無機系顔料(II)
(配合資材(12)、イエローNo.5550)2重量
部の代りに有機系顔料(I)(配合資材(13)、縮合
アゾイエロー2重量部(HSM9361イエロー(25
wt%conc)マスターバッチとして8重量部))を用い
た。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結果を表2
(比較例6)に示す。得られたオレンジ色に着色された
シートの曝露試験において、屋外曝露18ヶ月後から汚
れが目立ち始めると同時に有機系顔料の変退色がかなり
目立ち始めた。また、雨筋汚れの発生も認められる様に
なった。更に、基材層の軟質塩化ビニル樹脂組成物から
なる熱可塑性樹脂組成物層が、光触媒による樹脂劣化を
起こし、光触媒表面層が脱落した事によって、汚れの付
着と雨筋汚れ発生が、進行した。従って比較例6のシー
トは、屋外で長期間使用する用途には不適当なものであ
った。
【0055】比較例7及び比較例8においては、前記下
地基材を用い実施例1と同様にして防汚性シートを作製
した。但し、光触媒接着・保護層形成塗布液として、実
施例1と同様に酸化防止剤(イルガノックス1076)
を0.02重量部配合したものを使用した。 〈光触媒接着・保護層形成塗布液〉 シリコーン含有量3mol %のアクリル−シリコーン樹脂 を8重量%(固形分)含有するエタノール−酢酸エチル(5 0/50重量比)溶液 100重量部 ポリシロキサンとしてメチルシリケートMS51(コル コート(株))の20重量%エタノール溶液 8重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シラン カップリング剤) 1重量部 ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロ キシフェニル)プロピオネート(フェノール系酸化防止剤) 0.02重量部 :商品名:イルガノックス1076(チバ.スペシャル
ティ.ケミカルズ(株))
【0056】比較例7においては、 前記下地基材を用い、実施例1と同様にしてシートを作
製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビニル樹脂
組成物フィルムにおいて、その酸化防止剤(I)(配合
資材(7)、イルガノックス1010)3重量部を省
き、更に無機系顔料(I)(配合資材(11)、酸化チ
タンCR)5重量部の代りに、有機系顔料(II)(配合
資材(14)、キナクリドンレッド1重量部(HSM9
142(25wt%conc)マスターバッチとして4重量
部))を用い、無機系顔料(II)(配合資材(12)、
イエローNo.5550)2重量部の代りに有機系顔料
(I)(配合資材(13)、縮合アゾイエロー2重量部
(HSM9361イエロー(25wt%conc)マスターバ
ッチとして8重量部))を用いた。前記屋外曝露試験、
及び耐光促進試験の結果を表2(比較例7)に示す。得
られたオレンジ色に着色したシート曝露試験において、
屋外曝露18ヶ月後から汚れが目立ち始めると同時に有
機系顔料の変退色がかなり目立ち始めた。また、雨筋汚
れの発生も認められる様になった。更に、基材層の軟質
塩化ビニル樹脂組成物からなる熱可塑性樹脂組成物層
が、光触媒による樹脂劣化を起こし、光触媒表面層が脱
落した事によって、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、進行
した。従って比較例7のシートは屋外で長期間使用する
用途には不適当なものであった。
【0057】比較例8においては、 前記下地基材を用い、実施例1と同様にしてシートを作
製した。但し、実施例1で使用した軟質塩化ビニル樹脂
組成物フィルムにおいて、その酸化防止剤(I)(配合
資材(7)、イルガノックス1010)の配合量3重量
部を0.01重量%に変更し、更に無機系顔料(I)
(配合資材(11)、酸化チタンCR)5重量部の代り
に有機系顔料(II)(配合資材(14)、キナクリドン
レッド1重量部(HSM9142(25wt%conc)マス
ターバッチとして4重量部))を用い、無機系顔料(I
I)(配合資材(12)、イエローNo.5550)2
重量部の代りに有機系顔料(I)(配合資材(13)、
縮合アゾイエロー2重量部(HSM9361イエロー
(25wt%conc)マスターバッチとして8重量部))を
用いた。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結果を
表2(比較例8)に示す。得られたオレンジ色に着色し
たシート曝露試験において、屋外曝露18ヶ月後から汚
れが目立ち始めると同時に有機系顔料の変退色がかなり
目立ち始めた。また、雨筋汚れの発生も認められる様に
なった。更に、基材層の軟質塩化ビニル樹脂組成物から
なる熱可塑性樹脂組成物層が、光触媒による樹脂劣化を
起こし、光触媒表面層が脱落した事によって、汚れの付
着と雨筋汚れ発生が、進行した。従って、比較例8のシ
ートは、屋外で長期間使用する用途には不適当なもので
あった。
【0058】実施例9 下記工程により防汚シートを作製した。 (1)繊維布帛からなる基布の熱可塑性樹脂による処理
工程 タテ糸1000デニール×ヨコ糸1000デニールのポ
リエステルフィラメント平織物(糸密度:タテ22本/
2.54cm、ヨコ25本/2.54cm:目付け重量21
5g/m2 )を基布として用い、この基布を下記組成の
エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂ベースのオレフィン
系樹脂エマルジョン組成物中に浸漬し、オレフィン系樹
脂エマルジョン組成物を基布に含浸させた後、ローラー
で絞り、基布に対して、95g/m2 のオレフィン系樹
脂エマルジョン組成物を基布全面に均等に付着させ、こ
れを100℃の熱処理炉で1分間乾燥させた後、130
℃の熱処理炉中で1分間の熱処理を施し、オレフィン系
樹脂組成物を基布に含浸固着させた。 〈オレフィン系樹脂エマルジョン組成物〉 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン 100重量部 炭酸カルシウム 10重量部 フェノール系酸化防止剤 1重量部 顔料(TiO2 ) 5重量部 〔註〕エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン=
商標:アクアテックスEC−1700(樹脂固形分50
重量%:中央理化工業(株))、フェノール系酸化防止
剤=2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシ
ル)フェノール(商標:イルガノックス1076)とオ
クタデシル−3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート(商標:イルガノック
ス1141(チバ.スペシャルティ.ケミカルズ
(株))との50/50重量比のブレンド製品。
【0059】表3(実施例9)に記載のエチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂組成物からなる厚さ0.16mmのフィ
ルムを、140℃の溶融混練条件下のカレンダー成形法
によって形成し、このフィルムを先述のエチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂エマルジョン組成物含浸基布の両面
に、150℃に設定のラミネーターを用いて熱ラミネー
ト法により貼着し、厚さ0.5mm、重量480g/m2
の淡黄色に着色されたエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
よりなる熱可塑性樹脂組成物、表裏両面層を有する基材
層を作製した。
【0060】(2)光触媒層の形成工程 この基材層の一方の表面に、下記組成を有する光触媒接
着・保護層形成処理液を80メッシュのグラビアロール
コーターを用いて塗布量15g/m2 で塗布し、100
℃の熱処理炉にて、1分間乾燥した。 〈光触媒接着・保護層形成処理液配合〉 シリコーン含有量3mol %のアクリル−シリコーン樹脂 を8重量%(固形分)含有するエタノール−酢酸エチル(5 0/50重量比)溶液 100重量部 ポリシロキサンとしてメチルシリケートMS51(コル コート(株))の20重量%エタノール溶液 8重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シラン カップリング剤) 1重量部 オクタデシル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド ロキシフェニル)プロピオネート(フェノール系酸化防止剤 ) 0.02重量部 :商標:イルガノックス1076(チバ.スペシャルティ.ケミカルズ(株))
【0061】前記基材層の一面上に形成された上記光触
媒接着・保護層の表面に下記組成の光触媒層形成処理液
を100メッシュのグラビアロールコーターを用い12
g/m2 の塗布量で塗布し、100℃の熱処理炉中で、
1分間乾燥して光触媒表面層を形成して、防汚性シート
を作製した。 〈光触媒形成塗布液〉 酸化チタン含有量10重量%に相当する硝酸酸性酸化チタ ンゾルを分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液 100重量部 酸化ケイ素含有量10重量%に相当する硝酸酸性シリカゾ ルを分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液 100重量部
【0062】得られた防汚性シートを前記、屋外曝露試
験、および耐光促進試験に供して、その防汚性、雨筋汚
れ防止、変色防止効果を具体的に評価した。試験結果を
表3(実施例9)に示す。得られた防汚性シートの防汚
性は極めて良好であって、屋外曝露18ヶ月後も、曝露
開始時と同様の色相と外観を維持しており、また、雨筋
汚れの発生も認められなかった。
【0063】実施例10〜16 実施例10〜16の各々において、下記の工程により防
汚性シートを作製した。実施例9と同様に、タテ糸10
00デニール×ヨコ糸1000デニールのポリエステル
フィラメント平織物(糸密度:タテ22本/2.54c
m、ヨコ25本/2.54cm:目付け重量215g/m
2 )を基布として用い、この基布を実施例9と同じエチ
レン−酢酸ビニル系共重合樹脂ベースのオレフィン系樹
脂エマルジョン組成物中に浸漬し、オレフィン系樹脂エ
マルジョン配合組成物を基布に含浸させた後、ローラー
で絞り、基布に対して、95g/m2 のオレフィン系樹
脂エマルジョン組成物を基布全面に均等に付着させ、次
いで100℃の熱処理炉で1分間乾燥した後、130℃
の熱処理炉中で1分間の熱処理を施し、基布にオレフィ
ン系樹脂配合組成物を含浸固着させて下地基基材を作製
した。
【0064】この下地基材に、下記事項を除き、その他
は実施例9と同様にして熱可塑性樹脂組成物の貼着、光
触媒接着・保護層の形成及び光触媒表面層の形成を行っ
た。
【0065】実施例10においては、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部の代りに酸
化防止剤(II)(配合資材(8)、イルガノックス10
35)3重量部を用い、実施例9と同様の手順で防汚性
シートを作製した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試
験の結果を表3(実施例10)に示す。得られた防汚性
シートの防汚性は極めて良好であって、屋外曝露18ヶ
月後も、曝露開始時と同様の色相と外観を維持してお
り、また、雨筋汚れの発生も認められなかった。
【0066】実施例11においては、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部の代りに酸
化防止剤(III)(配合資材(9)、イルガフォス16
8)3重量部を用い、実施例9と同様の手順で防汚性シ
ートを作製した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験
の結果を表3(実施例11)に示す。得られた防汚性シ
ートの防汚性は極めて良好であって、屋外曝露18ヶ月
後も、曝露開始時と同様の色相と外観を維持しており、
また、雨筋汚れの発生も認められなかった。
【0067】実施例12においては、 実施例9で使用したオレフィン系熱可塑性樹脂組成物フ
ィルムにおいて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂10
0重量部の代りに、エチレン−メタアクリル酸共重合樹
脂100重量部を用い、実施例9と同様の手順で防汚性
シートを作製した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試
験の結果を表3(実施例12)に示す。得られた防汚性
シートの防汚性は極めて良好であって、屋外曝露18ヶ
月後も、曝露開始時と同様の色相と外観を維持してお
り、また、雨筋汚れの発生も認められなかった。
【0068】実施例13においては、 実施例9で使用したオレフィン系熱可塑性樹脂組成物フ
ィルムにおいて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂10
0重量部の代りに、エチレン−メタアクリル酸共重合樹
脂100重量部を用い、更に酸化防止剤(I)(配合資
材(7)、イルガノックス1010)3重量部の代り
に、酸化防止剤(II)(配合資材(8)、イルガノック
ス1035)1.5重量部と酸化防止剤(III)(配合資
材(9)、イルガフォス168)1.5重量部との2種
ブレンドを用い、実施例9と同様の手順で防汚性シート
を作製した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結
果を表3(実施例13)に示す。得られた防汚性シート
の防汚性は極めて良好であって、屋外曝露18ヶ月後
も、曝露開始時と同様の色相と外観を維持しており、ま
た、雨筋汚れの発生も認められなかった。
【0069】実施例14においては、 実施例9で使用したオレフィン系熱可塑性樹脂組成物フ
ィルムにおいて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂10
0重量部の代りに、低密度ポリエチレン樹脂100重量
部を用い、実施例9と同様の手順で防汚性シートを作製
した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結果を表
3(実施例14)に示す。得られた防汚性シートの防汚
性は極めて良好であって、屋外曝露18ヶ月後も、曝露
開始時と同様の色相と外観を維持しており、また、雨筋
汚れの発生も認められなかった。
【0070】実施例15においては、 実施例9で使用したオレフィン系熱可塑性樹脂組成物フ
ィルムにおいて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂10
0重量部の代りに、低密度ポリエチレン樹脂100重量
部を用い、更に酸化防止剤(I)(配合資材(7)、イ
ルガノックス1010)3重量部の代りに酸化防止剤
(II)(配合資材(8)、イルガノックス1035)
1.5重量部と酸化防止剤(III)(配合資材(9)、イ
ルガフォス168)1.5重量部との2種ブレンドを用
い、実施例9と同様の手順で防汚性シートを作製した。
前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結果を表3(実
施例15)に示す。得られた防汚性シートの防汚性は極
めて良好であって、屋外曝露18ヶ月後も、曝露開始時
と同様の色相と外観を維持しており、また、雨筋汚れの
発生も認められなかった。
【0071】実施例16においては、 実施例9で使用したオレフィン系熱可塑性樹脂組成物フ
ィルムにおいて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂10
0重量部のうちの50重量部を、低密度ポリエチレン樹
脂50重量部により置き換え、更に酸化防止剤(I)
(配合資材(7)、イルガノックス1010)3重量部
のうちの2重量部を、酸化防止剤(II)(配合資材
(8)、イルガノックス1035)1重量部と酸化防止
剤(III)(配合資材(9)、イルガフォス168)1重
量部との2種ブレンドにより置き換えて酸化防止剤3種
ブレンドを用いた。実施例9と同様の手順で防汚性シー
トを作製した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の
結果を表3(実施例16)に示す。得られた防汚性シー
トの防汚性は極めて良好であって、屋外曝露18ヶ月後
も、曝露開始時と同様の色相と外観を維持しており、ま
た、雨筋汚れの発生も認められなかった。
【0072】比較例9〜16 比較例9〜16の各々において、下記工程により防汚性
シートを作製した。 繊維布帛からなる基布の熱可塑性樹脂による処理工程 タテ糸1000デニール×ヨコ糸1000デニールのポ
リエステルフィラメント平織物(糸密度:タテ22本/
2.54cm、ヨコ25本/2.54cm:目付け重量21
5g/m2 )を基布として用い、この基布を、実施例9
のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂ベースのオレフィン
系樹脂エマルジョン組成物から酸化防止剤(2,4−ジ
メチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール
と、オクタデシル−3−(3,5−ジ−第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商標:イルガ
ノックス1076)との50/50重量比ブレンド化合
物(イルガノックス1141))の全量を除去したオレ
フィン系樹脂エマルジョン組成物中に浸漬し、オレフィ
ン系樹脂エマルジョン組成物を基布に含浸させた後、ロ
ーラーで絞り、基布に対して、95g/m2 のオレフィ
ン系樹脂エマルジョン配合組成物を基布全面に均等に付
着させ、次いで100℃の熱処理炉で1分間乾燥した
後、130℃の熱処理炉中で1分間の熱処理を施して、
オレフィン系樹脂配合組成物を固着させた。オレフィン
系樹脂組成物含浸基布からなる下地基材が得られた。 〈オレフィン系樹脂エマルジョン配合組成〉 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン 100重量部 炭酸カルシウム 10重量部 顔料(TiO2 ) 5重量部 〔註〕エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン=商標:アクアテックスE C−1700(樹脂固形分50重量%:中央理化工業(株))
【0073】前記下地基材に、下記事項を除き、その他
は実施例9と同様にして熱可塑性樹脂フィルムの貼着、
光触媒接着・保護層の形成及び光触媒表面層の形成を施
して、防汚性シートを作製した。
【0074】比較例9〜11及び比較例13,14にお
いては、 光触媒接着・保護層の形成工程において、実施例9で使
用した光触媒接着・保護層形成処理液から、オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート(イルガノックス1076)の全
量を除去した下記配合の組成物を、光触媒接着・保護層
形成処理液として用い、これを基材層の熱可塑性樹脂組
成物フィルム層の表面に、80メッシュのグラビアロー
ルコーターを用いて15g/m2 の塗布量で塗布し、1
00℃の熱処理炉中で、1分間乾燥させて光触媒接着・
保護層を形成した。 〈光触媒接着・保護層形成処理液配合〉 シリコーン含有量3mol %のアクリル−シリコーン樹脂 を8重量%(固形分)含有するエタノール−酢酸エチル(5 0/50重量比)溶液 100重量部 ポリシロキサンとしてメチルシリケートMS51(コル コート(株))の20重量%エタノール溶液 8重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シラン カップリング剤) 1重量部
【0075】比較例9においては、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部を用いず、
実施例9と同様の手順でシートを作製した。前記屋外曝
露試験、及び耐光促進試験の結果を表4(比較例9)に
示す。得られたシートにおいて、屋外曝露12ヶ月後か
ら汚れが目立ち始め、また、雨筋汚れの発生も認められ
た。更に屋外曝露18ヶ月後には、基材層中のエチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂組成物層が、光触媒による樹脂
劣化を起こし、光触媒層が脱落してしまい、このため、
汚れの付着と雨筋汚れ発生が、急激に進行した。従っ
て、比較例9のシートは屋外で長期間使用するに不適当
なものであった。
【0076】比較例10において、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部を用いず、
更に無機系顔料(II)(配合資材(12)、イエローN
o.5550)2重量部の代りに有機系顔料(III)(配
合資材(19)、イソインドリノンイエロー1重量部
(HCM1429イエロー(20wt%conc)カラードペ
レットとして5重量部))を用い、実施例9と同様の手
順でオレンジ色に着色されたシートを作製した。前記屋
外曝露試験、及び耐光促進試験の結果を表4(比較例
9)に示す。得られたシートにおいて、屋外曝露12ヶ
月後から汚れが目立ち始め、また、雨筋汚れの発生も認
められた。更に屋外曝露18ヶ月後には、基材層のエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂組成物層が、光触媒による
樹脂劣化を起こし、光触媒表面層が脱落し、それによっ
て、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、急激に進行した。従
って比較例10のシートは、屋外で長期間使用するに不
適当なものであった。
【0077】比較例11において、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部を添加せ
ず、更に無機系顔料(I)(配合資材(11)、酸化チ
タンCR)5重量部の代りに、有機系顔料(IV)(配合
資材(20)、縮合アゾレッド1重量部(HCM117
0レッド(20wt%conc)カラードペレットとして5重
量部))を用い、また無機系顔料(II)(配合資材(1
2)、イエローNo.5550)2重量部の代りに、有
機系顔料(III)(配合資材(19)、イソインドリノン
イエロー1重量部(HCM1429イエロー(20wt%
conc)カラードペレットとして5重量部)を用いた。実
施例9と同様の手順でオレンジ色に着色したシートを作
製した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結果を
表4(比較例11)に示す。得られたシートにおいて、
屋外曝露12ヶ月後から汚れが目立ち始め、また、雨筋
汚れの発生も認められた。更に屋外曝露18ヶ月後に
は、基材層中のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組成物
層が、光触媒による樹脂劣化を起こし、光触媒表面層が
脱落した事によって、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、急
激に進行した。従って比較例11のシートは屋外で長期
間使用するのに不適当なものであった。
【0078】比較例13において、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部から0.0
1重量部に変更し、更に無機系顔料(I)(配合資材
(11)、酸化チタンCR)5重量部の代りに、有機系
顔料(IV)(配合資材(20)、縮合アゾレッド1重量
部(HCM1170レッド(20wt%conc)カラードペ
レットとして5重量部))を用い、無機系顔料(II)
(配合資材(12)、イエローNo.5550)2重量
部の代りに、有機系顔料(III)(配合資材(19)、イ
ソインドリノンイエロー1重量部(HCM1429イエ
ロー(20wt%conc)カラードペレットとして5重量
部))を用いた。実施例9と同様の手順でオレンジ色に
着色されたシートを作製した。前記屋外曝露試験、及び
耐光促進試験の結果を表4(比較例13)に示す。得ら
れたシートにおいて、屋外曝露12ヶ月後から汚れが目
立ち始め、また、雨筋汚れの発生も認められた。更に屋
外曝露18ヶ月後には、基材層中のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂組成物層が、光触媒による樹脂劣化を起こ
し、光触媒表面層が脱落した事によって、汚れの付着と
雨筋汚れ発生が、急激に進行した。従って、比較例13
のシートは、屋外で長期間使用するのに不適当なもので
あった。
【0079】比較例14においては、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部の代りに酸
化防止剤(II)(配合資材(8)、イルガノックス10
35)0.01重量部を用い、更に無機系顔料(I)
(配合資材(11)、酸化チタンCR)5重量部の代り
に有機系顔料(IV)(配合資材(20)、縮合アゾレッ
ド1重量部(HCM1170レッド(20wt%conc)カ
ラードペレットとして5重量部))を用い、無機系顔料
(II)(配合資材(12)、イエローNo.5550)
2重量部の代りに有機系顔料(III)(配合資材(1
9)、イソインドリノンイエロー1重量部(HCM14
29イエロー(20wt%conc)カラードペレットとして
5重量部))を用いた。実施例9と同様の手順でオレン
ジ色に着色されたシートを作製した。前記屋外曝露試
験、及び耐光促進試験の結果を表4(比較例14)に示
す。得られたシートにおいて、屋外曝露12ヶ月後から
汚れが目立ち始め、また、雨筋汚れの発生も認められ
た。更に屋外曝露18ヶ月後には、基材層中のエチレン
−メタアクリル酸共重合樹脂組成物層が、光触媒による
樹脂劣化を起こし、光触媒表面層が脱落した事によっ
て、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、急激に進行した。従
って比較例14のシートは屋外で長期間使用するのに不
適当なものであった。
【0080】比較例12及び比較例15,16において
は、 光触媒接着・保護層形成処理液は、下記実施例9と同じ
酸化防止剤(イルガノックス1076)を0.02重量
部配合したものを使用した。 〈光触媒接着・保護層形成処理液配合〉 シリコーン含有量3mol %のアクリル−シリコーン樹脂 を8重量%(固形分)含有するエタノール−酢酸エチル(5 0/50重量比)溶液 100重量部 ポリシロキサンとしてメチルシリケートMS51(コル コート(株))の20重量%エタノール溶液 8重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シラン カップリング剤) 1重量部 オクタデシル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド ロキシフェニル)プロピオネート(フェノール系酸化防止剤 ) 0.02重量部 :商標:イルガノックス1076(チバ.スペシャルティ.ケミカルズ(株))
【0081】比較例12においては、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部を添加せ
ず、更に、無機系顔料(I)(配合資材(11)、酸化
チタンCR)5重量部の代りに有機系顔料(IV)(配合
資材(20)、縮合アゾレッド1重量部(HCM117
0レッド(20wt%conc)カラードペレットとして5重
量部))を用い、無機系顔料(II)(配合資材(1
2)、イエローNo.5550)2重量部の代りに有機
系顔料(III)(配合資材(19)、イソインドリノンイ
エロー1重量部(HCM1429イエロー(20wt%co
nc)カラードペレットとして5重量部))を用いた。実
施例9と同様の手順でオレンジ色に着色されたシートを
作製した。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結果
を表4(比較例12)に示す。得られたシートにおい
て、屋外曝露12ヶ月後から汚れが目立ち始め、また、
雨筋汚れの発生も認められた。更に屋外曝露18ヶ月後
には、基材層のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組成物
層が、光触媒による樹脂劣化を起こし、光触媒表面層が
脱落した事によって、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、急
激に進行した。従って、比較例12のシートは、屋外で
長期間使用するのに不適当なものであった。
【0082】比較例15においては、 実施例9で使用したエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂組
成物フィルムにおいて、酸化防止剤(I)(配合資材
(7)、イルガノックス1010)3重量部の代りに酸
化防止剤(III)(配合資材(9)、イルガフォス16
8)0.01重量部を用い、更に、無機系顔料(I)
(配合資材(11)、酸化チタンCR)5重量部の代り
に、有機系顔料(IV)(配合資材(20)、縮合アゾレ
ッド1重量部(HCM1170レッド(20wt%conc)
カラードペレットとして5重量部))を用い、無機系顔
料(II)(配合資材(12)、イエローNo.555
0)2重量部の代りに有機系顔料(III)(配合資材(1
9)、イソインドリノンイエロー1重量部(HCM14
29イエロー(20wt%conc)カラードペレットとして
5重量部))を用いた。実施例9と同様の手順でオレン
ジ色に着色されたシートを作製した。前記屋外曝露試
験、及び耐光促進試験の結果を表4(比較例15)に示
す。得られたシートにおいて、屋外曝露12ヶ月後から
汚れが目立ち始め、また、雨筋汚れの発生も認められ
た。更に屋外曝露18ヶ月後には、基材層中のエチレン
−メタアクリル酸共重合樹脂組成物層が、光触媒による
樹脂劣化を起こし、光触媒表面層が脱落した事によっ
て、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、急激に進行した。従
って、比較例15のシートは、屋外で長期間使用するの
に不適当なものであった。
【0083】比較例16においては、 実施例9で使用したオレフィン系熱可塑性樹脂組成物フ
ィルムにおいて、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂10
0重量部のうちの50重量部を、低密度ポリエチレン樹
脂50重量部により置き換え、酸化防止剤(I)(配合
資材(7)、イルガノックス1010)3重量部を添加
せず、更に、無機系顔料(I)(配合資材(11)、酸
化チタンCR)5重量部の代りに有機系顔料(IV)(配
合資材(20)、縮合アゾレッド1重量部(HCM11
70(20wt%conc)カラードペレットとして5重量
部))を用い、無機系顔料(II)(配合資材(12)、
イエローNo.5550)2重量部の代りに有機系顔料
(III)(配合資材(19)、イソインドリノンイエロー
1重量部(HCM1429イエロー(20wt%conc)カ
ラードペレットとして5重量部))を用いた。実施例9
と同様の手順でオレンジ色に着色したシートを作製し
た。前記屋外曝露試験、及び耐光促進試験の結果を表4
(比較例16)に示す。得られたシートにおいて、屋外
曝露12ヶ月後から汚れが目立ち始め、また、雨筋汚れ
の発生も認められた。更に屋外曝露18ヶ月後には、基
材層中のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂と低密度ポリ
エチレン樹脂組成物からなる熱可塑性樹脂組成物層が、
光触媒による樹脂劣化を起こし、光触媒表面層が脱落し
た事によって、汚れの付着と雨筋汚れ発生が、急激に進
行した。従って、比較例16のシートは屋外で長期間使
用するのに不適当なものであった。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
【発明の効果】上記、実施例、及び比較例から明らかな
様に、本発明に係る防汚性シートは、基材層中の熱可塑
性樹脂組成物層中に酸化防止剤を添加する事によって、
酸化防止剤が、光触媒作用によって発生する活性酸素の
うち熱可塑性樹脂組成物層に影響する活性酸素を補足
し、光触媒の熱可塑性樹脂組成物に対する分解、劣化作
用を、防止する効果が得られるため、屋外での長期使用
時に熱可塑性樹脂の分解、劣化による、光触媒表面層の
脱落がなく、長期間に渡って安定した光触媒作用による
防汚効果を持続させる事が可能となるため、産業資材シ
ートとして極めて有用性が高いものである。また、本発
明の防汚性シートは、熱可塑性樹脂基材層の着色顔料と
して、特に無機系の顔料を選んで使用することにより、
さらにシートの外観、意匠性を長期に渡って持続させる
事を可能とするため、テント用シートとして極めて有用
性が高いものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−10803(JP,A) 特開 平11−207871(JP,A) 特開 平10−315374(JP,A) 特開 平7−171408(JP,A) 特開 平9−171707(JP,A) 特開 平10−225658(JP,A) 特開 平10−219520(JP,A) 国際公開96/14932(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層の熱可塑性樹脂組成物層
    を含む基材層と、その少なくとも1面上に形成され、か
    つ光触媒を含有する表面層とを有し、前記基材層の少な
    くとも光触媒を含有する表面層に最も近い熱可塑性樹脂
    組成物層が、0.01〜5.0重量%の酸化防止剤を含
    有しており、かつ、 前記基材層と前記光触媒を含有する表面層との間に、ア
    クリル−シリコーン系共重合体樹脂、アクリル−フッソ
    系共重合体樹脂、ウレタン−シリコーン−フッソ系共重
    合体樹脂、シリコーン樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブ
    レンド、及びフッソ系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブ
    レンドから選ばれた少なくとも1種からなる熱可塑性樹
    脂と、酸化防止剤とを含む光触媒接着・保護層が形成さ
    れていることを特徴とする防汚性シート。
  2. 【請求項2】 前記光触媒接着・保護層に含まれる酸化
    防止剤の含有量が、0.01〜5.0重量%である、請
    求項1に記載の防汚性シート。
  3. 【請求項3】 前記酸化防止剤が、フェノール系、ホス
    ファイト系、イオウ系、ビタミンE系の酸化防止性化合
    物から選ばれた少なくとも1種類からなる請求項1又は
    2に記載の防汚性シート。
  4. 【請求項4】 前記基材層が、繊維布帛からなる基布
    と、少なくともその片面上に積層された前記熱可塑性樹
    脂組成物層とを有している請求項1又は2に記載の防汚
    性シート。
  5. 【請求項5】 前記光触媒を含有する表面層が0.01
    〜5.0重量%の酸化防止剤を含有している請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の防汚性シート。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂組成物層、光触媒を含
    有する表面層、光触媒接着・保護層の少なくとも一層が
    無機系顔料を含有する着色剤によって着色されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の防汚性シート。
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