JP2003053905A - 美観持続性積層膜材 - Google Patents

美観持続性積層膜材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煤塵汚れ、カビによる変着色などの環境汚れ
を長期間にわたり防止でき、美観持続性積層膜材の提
供。 【解決手段】 基体シートの少なくとも片面上に樹脂被
覆層が形成されているシート基材と、この基材の樹脂被
覆層上に形成された光触媒含有最外面層とを有し、この
最外面層と基材との間に、基材を光触媒の作用から保護
する中間保護層を形成し、中間保護層及び樹脂被覆層の
少なくとも1層中に、無機防カビ性物質を主成分として
含む防カビ剤を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、美観持続性にすぐ
れた積層膜材に関するものであり、更に詳しく述べるな
らば、本発明は、中大型テント、日除けテント、内照式
テントとして好適に用いられる、防水性積層膜材におい
て、特に屋外使用時に、テント膜体の美観を損なう原因
となる煤塵付着汚れ、及びカビの発生による変色などの
環境汚れを防止することのできる、美観持続性積層膜材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日除けテントや、中大型テントなどに使
用されるシート状膜材は、繊維織物を基布として用い、
その表面に、着色した軟質配合のポリ塩化ビニル樹脂を
被覆加工して得られる複合膜材であり、これらのテント
膜材は、通常5〜10年の間使用されるものである。し
かし、これらの軟質ポリ塩化ビニル樹脂には、多量の可
塑剤が配合されているため、時間の経過と共に可塑剤が
シートの表面に移行して滲み出し、この滲み出た可塑剤
が、屋外の大気中を浮遊する油性の煤塵を吸着し、それ
によって、テント膜体が汚れるという問題がある。前記
可塑剤の表面移行は、軟質配合組成要因、加工要因、季
節要因、環境要因などが複雑に絡んで発現する現象であ
るが、特に夏場において顕著となる。また、この時、シ
ート表面に滲み出した可塑剤は、そのままシート表面に
残留するのではなく、夜間、気温の低下と共に、滲み出
た可塑剤の一部が、再び軟質ポリ塩化ビニル樹脂被覆層
内に戻るという、滲出し移行と戻り移行との拡散循環を
常時繰り返しているのである。この時、煤塵汚れを吸着
した可塑剤が軟質ポリ塩化ビニル樹脂被覆層内に戻るこ
とによって、煤塵汚れが、軟質ポリ塩化ビニル樹脂被覆
層内に浸透するのを助長し、それと同時に、この浸透汚
れを一層除去し難いものとしている。このため、従来、
軟質ポリ塩化ビニル樹脂製シートの表面には、可塑剤移
行を防止する樹脂層を形成することによって、可塑剤に
起因する煤塵汚れを防ぐ方法が一般的に行われている
が、これでも尚、可塑剤の滲み出しを完全に防止するこ
とは困難であった。
【0003】最近、これらの軟質ポリ塩化ビニル樹脂製
シートの表面に光触媒物質を塗布して、シートの表面に
付着した排気ガス、排煙などによる煤塵汚れを、光触媒
物質の酸化還元作用によって分解、除去する防汚技術が
開発されている。また、この光触媒物質の酸化還元作用
は、汚れや悪臭の分解のみならず、菌類、カビ類、バク
テリア類などの増繁殖を抑制する技術としても注目が寄
せられている。このような光触媒物質が軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂などの合成樹脂材料の表面に塗布されている製
品では、光触媒含有最外面層の下地基層を形成している
軟質ポリ塩化ビニル樹脂の分解作用も同時に進行してし
まい、光触媒物質が、下地基層樹脂の分解物とともに脱
落してしまうため、光触媒効果による防汚機能を長期に
わたり持続できないという問題がある。また、光触媒物
質の強い酸化還元作用は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂基層
の分解だけではなく、可塑剤や、有機系着色剤などの配
合剤成分も同時に分解し、それによって基層の劣化が一
層進行するという問題が発生している。そこで、下地基
層の表面に中間保護層を塗布し、形成することによって
光触媒物質の酸化作用による劣化を防止するという対応
策が施されている。しかし中間保護層は単純に下地基層
であるポリ塩化ビニル樹脂層を保護するだけで、緩やか
に進行する可塑剤の表面移行を完全に防止することは困
難であった。従って、僅かにでもシートの表面に滲み出
た可塑剤は、光触媒物質により分解され、煤塵汚れの分
解物と共に、降雨で洗い流されて除去され、結果的には
シートの美観を維持することが可能であるが、この効果
を持続する期間は3〜5年程度であり、また軟質ポリ塩
化ビニル樹脂製シート中に配合された可塑剤の量が、次
第に減少するため、結果的に軟質ポリ塩化ビニル樹脂製
シートの風合いが硬くなり、しかも物性の低下を伴うか
ら、テント用膜材として長期間使用することは不可能で
ある。
【0004】光触媒物質を最外表面に塗布した軟質ポリ
塩化ビニル樹脂製シートにおいて、光触媒物質を含有す
る最外表面層は、光触媒物質と併用される成分の作用に
より親水性を有するため、シート表面が水に濡れ易く、
従って光触媒物質によって分解された可塑剤の分解物
は、煤塵汚れと共に雨水などにより洗い流される状態に
あるが、降雨がないと、これらの付着物の一斉除去は困
難となる。すなわち、雨が降るまではシート表面が可塑
剤の分解物と煤塵で汚れた状態にあるということであ
る。このため、季節と環境によっては、分解された可塑
剤を栄養源としてカビが発生(繁殖)することがある。
通常、光触媒物質の作用によって、その表面上では、カ
ビ(胞子、菌糸)の繁殖が抑制されることが知られてい
るが、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製シートの表面上に可塑
剤や、これらの分解物で覆われている状態では、これら
が、光触媒物質に対抗する保護物質となり、かつ兼栄養
源(特に可塑剤の分解物はカビにとっての好栄養源)と
なり、カビにとって極めて繁殖し易い環境を構成する。
また、日中では、光触媒物質によって、シートの表面に
付着したカビの繁殖が抑制されても、夜間、曇天、日陰
など、光触媒物質の効果が満足に得られない環境では、
短期間でカビの菌糸が軟質ポリ塩化ビニル樹脂製シート
表面に定着してしまうため、カビの繁殖を完全に防ぐこ
とは困難である。また、結果的に繁殖したカビを滅菌し
ても、軟質ポリ塩化ビニル樹脂層内部にまで菌糸を伸ば
した状態で死骸化し、しかもカビのコロニーの死骸によ
り光が遮蔽された部分では、光触媒効果が得られずに、
いつまでもカビの死骸痕としてシートの外観に残るとい
う問題がある。また、カビのコロニーの死骸を鎧とし
て、その内部にカビの菌糸が生き残っている事例もあ
る。このようなカビの発生問題は、特に軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂製シートのみに限られるものではない。
【0005】従来、テント膜材の分野においてのカビ対
策としては、繊維織物を被覆する軟質ポリ塩化ビニル樹
脂中に有機系化合物からなる防カビ剤を配合することが
最も効果的であり、この時、防カビ剤が経時的にテント
膜材の表面に析出することが、防カビ効果の即効性の観
点からは効果的である。しかし、光触媒物質を表面に塗
布した軟質ポリ塩化ビニル樹脂製シートでは、光触媒物
質が表面に析出する防カビ剤を逐次分解してしまうた
め、その効果を維持することができないという問題があ
る。このように、光触媒物質を表面に塗布した軟質ポリ
塩化ビニル樹脂製シートでは、可塑剤の分解物に繁殖す
るカビを防ぐことが、事実上、困難であり、しかも、上
記カビの問題に関しては、カビなどの有機物も光触媒物
質により分解され、全くカビの発生の心配がないものと
誤解されており、このため、長期的なカビ対策は殆んど
配慮されていなかった。従って、中大型テント、日除け
テントなどにおいて、屋外で長期間カビを発生させるこ
とない防カビ性に優れたテント用膜材であって、しか
も、下地基材を痛めることなく、汚れ分解機能を有する
テント用膜材は、今だ考案されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、屋外使用時
に積層膜材の美観を損なう原因となる煤塵付着汚れ、カ
ビの発生による変色など、これら環境汚れのトラブルを
長期間にわたり、効果的に防止することが可能な、優れ
た防汚機能と防カビ機能とを有する、光触媒物質応用の
積層膜体を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の現状に
鑑み、研究及び検討を重ねた結果、特定の防カビ剤を含
有する熱可塑性樹脂組成物層で被覆した積層膜体用基材
の、少なくとも片面に、無機系化合物を主体とする防カ
ビ剤を含有する中間保護層を設け、この中間保護層の表
面上にさらに、光触媒含有最外面層を形成させることに
よって、従来技術で困難であった美観持続に関する上記
課題を解決可能であることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】本発明の美観持続性積層膜材は基体シート
と、その少なくとも1面上に形成され、かつ熱可塑性樹
脂を含む少なくとも1層の樹脂被覆層とからなるシート
状基材、及び前記シート状基材の少なくとも1層の樹脂
被覆層上に形成され、かつ光触媒性物質を含む光触媒最
外面層とを有し、前記シート状基材と前記光触媒最外面
層との間に、前記シート状基材を前記光触媒性物質の作
用から保護するための中間保護層が形成されており、前
記中間保護層と、前記シート状基材の樹脂被覆層との少
なくとも1層中に、無機防カビ性物質を主成分として含
む防カビ剤が含まれている、ことを特徴とするものであ
る。本発明の美観持続性積層膜材において、前記防カビ
剤を含む樹脂被覆層が、前記中間保護層に接しているこ
とが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材において、
前記中間保護層中に、無機防カビ性物質を主成分として
含む防カビ剤が含有され、前記シート状基材の少なくと
も1層の樹脂被覆層中に、有機防カビ性物質を主成分と
して含む有機防カビ剤が含有されていることが好まし
い。本発明の美観持続性積層膜材において、前記光触媒
最外面層中に、無機防カビ性物質を主成分として含む防
カビ剤がさらに含まれていてもよい。本発明の美観持続
性積層膜材において、前記シート状基材の樹脂被覆層の
少なくとも1層が軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物からな
る単層構造を有していてもよい。本発明の美観持続性積
層膜材において、前記シート状基材の樹脂被覆層の少な
くとも1層が軟質ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる
2層以上の多層構造を有していてもよい。本発明の美観
持続性積層膜材において、前記シート状基材の樹脂被覆
層が、ポリ塩化ビニル系樹脂ポリウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、スチレン系共重合体樹脂、エチレン系
共重合体樹脂、及びプロピレン系樹脂から選ばれた少な
くとも1種からなる単層構造を有するものであってもよ
い。本発明の美観持続性積層膜材において、前記シート
状基材の樹脂被覆層が、ポリ塩化ビニル系樹脂ポリウレ
タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系共重合体
樹脂、エチレン系共重合体樹脂、及びプロピレン系樹脂
から選ばれた少なくとも1種からなる2層以上の多層構
造を有するものであってもよい。本発明の美観持続性積
層膜体において、前記エチレン系共重合体樹脂が、エチ
レン−α−オレフィン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、及びエチレン−(メタ)アクリル酸
(エステル)共重合体樹脂から選ばれることが好まし
い。本発明の美観持続性積層膜体において、前記シート
状基材の基体シートが、繊維布帛、プラスチックフィル
ム及び合成紙から選ばれることが好ましい。本発明の美
観持続性積層膜体において、前記中間保護層が、ケイ素
化合物成分と、バインダー樹脂成分とを含み、前記ケイ
素化合物成分が、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、
シリカから選ばれた少なくとも1種を含むことが好まし
い。本発明の美観持続性積層膜体において、前記中間保
護層のバインダー樹脂成分が、シリコーン系樹脂、フッ
ソ系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フォスフ
ァーゼン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含むこと
が好ましい。本発明の美観持続性積層膜体において、前
記防カビ剤に含まれる無機防カビ性物質が、銀、銅、及
び亜鉛の金属及びこれらの金属のイオン、並びに光触媒
性酸化チタンから選ばれた少なくとも1種を含むことが
好ましい。本発明の美観持続性積層膜材において、前記
防カビ剤が、多数の微細空孔を有する無機系多孔質微粒
子をさらに含み、前記無機防カビ性物質が前記無機系多
孔質微粒子の微細空孔に担持されていることが好まし
い。本発明の美観持続性積層膜材において、前記防カビ
剤の無機系多孔質微粒子が、その多数の微細空孔に、前
記無機防カビ性物質とともに、イミダゾール系化合物、
チアゾール系化合物、N−ハロアルキルチオ系化合物、
ピリチオン系化合物、ピリジン系化合物、イソチアゾロ
ン系化合物、トリアジン系化合物及び有機金属系化合物
から選ばれた少なくとも1種をさらに担持していてもよ
い。本発明の美観持続性積層膜材において、前記無機防
カビ性物質を主成分として含む防カビ剤が、前記中間保
護層及び前記樹脂被覆層の少なくとも1層中に、その1
00重量部に対し、0.05〜10重量部の重量比で含
まれていることが好ましい。本発明の美観持続性積層膜
材において、前記有機防カビ剤の有機防カビ性物質が、
イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、N−ハロ
アルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、ピリジン
系化合物、イソチアゾロン系化合物、トリアゾン系化合
物及び有機金属系化合物から選ばれた少なくとも1種を
含むことが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材にお
いて、前記有機防カビ剤が、多数の微細空孔を有する無
機系多孔質微粒子をさらに含み、前記有機防カビ性物質
が、前記無機系多孔質微粒子の微細空孔に担持されてい
ることが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材におい
て、前記有機系防カビ剤が、前記シート状基材の少なく
とも1層の樹脂被覆層中に、その100重量部に対し
て、0.01〜5重量部の重量比で含まれていることが
好ましい。本発明の美観持続性積層膜材において、前記
光触媒含有最外面層が、光触媒物質10〜70重量%
と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25〜
89重量%と、ケイ素化合物1〜20重量%とからなる
ことが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材におい
て、前記光触媒物質が、酸化チタン(TiO2 )、過酸
化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化錫(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム
(SrTi3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化ビ
スマス(Bi23 )、酸化鉄(Fe23 )、及び前
記光触媒物質の1種以上が無機担体上に担持されている
無機系多孔質微粒子から選ばれた少なくとも1種を含有
することが好ましい。本発明のテント用シート材料は前
記本発明の美観持続性積層膜材を含むものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の美観持続性積層膜体は、
熱可塑性樹脂組成物により被覆されたシート状基材の、
少なくとも片面上に、無機防カビ性物質を主体として含
む無機防カビ剤を含有する中間保護層を設け、この中間
保護層の表面上にさらに、光触媒含有最外面層を形成す
ることによって得られるものである。中間保護層は、シ
ート状基材を、光触媒性物質の作用から保護するもので
ある。本発明の美観持続性積層膜材は、例えば図1に示
されている積層構造を有するものである。図1に示され
た積層膜材において、基体シート(例えば繊維布帛又は
フィルムなど)1の両面に、熱可塑性樹脂を含む表裏両
面樹脂被覆層2及び3が形成されていて、これらにより
シート状基材4が形成されている。裏面樹脂被覆層は省
略されてもよい。シート状基材4の表面樹脂被覆層上
に、中間保護層5が形成され、中間保護層5の上に、光
触媒性物質を含有する光触媒最外面層6が形成されてい
る。中間保護層5及び樹脂被覆層2,3(特に中間保護
層5)に接している表面樹脂被覆層2)の少なくとも1
層中に、無機防カビ性物質を主成分として含む防カビ剤
が含まれている。光触媒最外面層6及び中間保護層5が
透明である場合、中間保護層5に接する表面樹脂被覆層
上にインク画像7がプリントされていてもよい。また、
中間保護層5中に無機防カビ性物質を主成分とする防カ
ビ剤が含まれているときは、樹脂被覆層2及び/又は3
中に有機防カビ剤が含有されていてもよい。中間保護層
に接する樹脂被覆層も透明な場合には、この樹脂被覆層
に接する基体シート表面にインク画像がプリントされて
いてもよい。ここで画像とは、文字、記号、図柄、模
様、写真、絵画、べた刷りなどの可視像のすべてを包含
する。また、このインク画像は、シート状基材と、中間
保護層との間に形成された透明な熱可塑性樹脂からなる
透明樹脂層(図示されていない)のシート状基材に接す
る面上にプリントされていてもよい。
【0010】本発明に使用されるシート状基材として
は、基体シート、例えばフィルム、シート又は繊維布帛
の少なくとも1面上に熱可塑性樹脂を含む少なくとも1
層の樹脂被覆層からなるものが用いられる。フィルムと
しては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチ
ルペンテン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリビニルアルコ
ール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、
ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂、非結晶ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコ
ーン樹脂、フッ素系共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂か
ら成型されたフィルム、及びシートが挙げられ、これら
のフィルム及びシートは上記2種以上の熱可塑性樹脂層
から構成された多層構造のフィルムまたはシートであっ
ても良い。これらのフィルム・シートは、公知のフィル
ム・シート製造方法、例えばT−ダイ押出法、T−ダイ
共押出法、カレンダー法、インフレーション法、キャス
ティング法などによって製造することができる。また、
合成紙としては、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂などに発泡剤
を添加して微細気泡を含ませたフィルム、あるいは白色
顔料フィラーを30〜40重量%添加したフィルム、さ
らに白色顔料フィラーを30〜40重量%添加したフィ
ルムを延伸してミクロボイドを生成させるなどの内部紙
化法によって製造されたシート、または上記フィルムの
表面に接着剤を用いて白色顔料を塗布した、あるいはフ
ィルム表面をサンドブラストにより粗面化するなどの表
面紙化法により製造されたシートなどが使用できる。こ
れらの合成紙の目付量に制限はないが、50〜450g
/m2 のものが本発明に適している。本発明に使用され
るシート状基材において、その基体シートとして繊維布
帛を用いたものが好ましい。この繊維布帛としては、織
布、編布、不織布などの何れの形態のものであってもよ
い。織布としては、平織物、綾織物(3枚斜文、4枚斜
文、5枚斜文、6枚斜文、8枚斜文など)、朱子織物
(2飛び、3飛び、4飛び、5飛びなどの正則朱子)な
どが好適に使用される。その他、拡大法、交換法、配列
法、配置法、添糸法、削糸法などによって得られるこれ
らの変化平織物、変化綾織物、変化朱子織物など、さら
に蜂巣織物、梨子地織物、破れ斜文織物、昼夜朱子織
物、もじり織物(紗織物、絽織物)、縫取織物、二重織
物などが挙げられるが、特に平織物は縦緯物性のバラン
スに優れ、本発明において、基体シートとして好まし
い。編布としてはラッセル編が好ましく、不織布として
は長繊維を用いた、特にスパンボンド不織布などが使用
される。
【0011】また、繊維布帛の縦糸・緯糸は、合成繊
維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維またはこれらの2
種以上から成る混合繊維の何れによって製糸されたもの
でもよい。特に、熱可塑性樹脂を含む組成物により表面
被覆される繊維布帛には、これらの繊維種として、ポリ
プロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコ
ール繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリアミ
ド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、または、こ
れらの混合繊維などが使用でき、これらの繊維糸条とし
ては、モノフィラメント糸条、マルチフィラメント糸
条、短繊維紡績(スパン)糸条、スプリットヤーン、テ
ープヤーンなどの糸状である。また、無機繊維として
は、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維
などのマルチフィラメント糸条が使用できる。本発明に
おいては、これらの繊維糸条のうち、汎用性が高く、引
張強力、引裂強力、耐熱クリープ特性などの物性バラン
スに優れているポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリ
アミド繊維、ガラス繊維、及びこれらの混合繊維や、混
用繊維などから製織されたマルチフィラメント平織繊維
織布または、スパン平織繊維布帛を用いることが好まし
い。これらの織布の製織は、シャットル織機、シャット
ルレス織機(レピア方式、グリッパ方式、ウオータージ
ェット方式、エアジェット方式)などの従来公知の織機
を用いて製織することができる。上記の繊維布帛には公
知の繊維処理加工、例えば、精練処理、漂白処理、染色
処理、柔軟化処理、撥水処理、防水処理、防カビ処理、
防炎処理、手焼き処理、カレンダー処理、及びバインダ
ー樹脂処理などの処理加工を施して使用することが好ま
しい。
【0012】本発明において基体シートとして使用され
る繊維布帛としては、短繊維紡績布(スパン)、または
マルチフィラメント糸条からなる織布であることが好ま
しく、短繊維紡績糸条の番手としては591dtex(10
英式番手)〜97dtex(60番手)の範囲のもの、特に
591dtex(10番手)、422dtex(14番手)、3
70dtex(16番手)、295dtex(20番手)、24
6dtex(24番手)、197dtex(30番手)などの短
繊維紡績糸条が好ましく使用できる。短繊維紡績糸条の
番手が97dtex(60番手)よりも小さいと、得られる
シートの引裂強力が不十分になることがあり、また59
1dtex(10番手)よりも大きいと、得られる膜材の破
断強力及び引裂強力は向上するが、糸径が太くなると同
時に、織交点の凹凸を増し、膜材が過度に厚くなること
がある。これらの短繊維紡績糸条は、単糸及び、双糸、
さらには単糸3本以上の撚糸、またはこれらの2本合
糸、あるいは2本合撚糸などの糸条を経糸及び緯糸とし
て25.4mm(1インチ)間30〜160本打込んで得
られる短繊維紡績布が好ましく、特に591〜2195
dtex(10〜20番手)の単糸、または双糸を用いて2
5.4mm(1インチ)間に経糸50〜70本、緯糸40
〜60本の織密度で糸を打込んで得られる短繊維紡績布
が最も適して用いることができる。
【0013】また、糸の撚りは、単糸または2本以上の
単糸を引き揃えてS撚り(右)、もしくはZ撚り(左)
によって加撚された片撚糸、単糸または2本以上の単糸
を引き揃えて下撚りされた加撚糸を2本以上引き揃えて
上撚りを掛けた諸撚糸、その他強撚糸など、何れの撚糸
であっても良い。これらの撚糸の撚り回数は片撚糸、諸
撚糸の普通撚糸で500〜2000回/m、強撚糸で2
000回以上/mであることが好ましい。また、糸の太
さと撚数との関係を表す比例定数としての撚係数の範囲
として、撚係数1.3〜3.0程度の甘撚り、撚係数
3.0〜4.5程度の普通撚り、撚係数4.5〜5.5
程度の強撚糸のいずれでもよいが、撚り係数3.0〜
4.5の範囲の普通撚り糸であることが好ましい。ま
た、短繊維紡績布の空隙率(目抜け率)は、0〜8%の
ものが好ましく用いられる。空隙率が8%を越えると、
経緯方向の繊維糸条の含有量が少なくなりすぎて得られ
る膜材の寸法安定性が不十分になることがあり、かつ膜
材の引裂き強度と突起物に対する耐貫通性が低下するた
め実用的に問題となることがある。空隙率は繊維布帛の
単位面積中に占める繊維糸条の面積を百分率として求
め、100から差し引いた値として求めることができ
る。空隙率の測定には経方向10cm×緯方向10cmを単
位面積として測定することが好ましい。これらの短繊維
紡績布の目付量は、100〜600g/m2 の範囲内に
あることが好ましい。
【0014】また、本発明に使用される繊維布帛として
は、マルチフィラメント糸条からなる織布も好ましく用
いることができる。マルチフィラメント糸条としては、
111〜2222dtex(100〜2000デニール)の
範囲のもの、特に138〜1111dtex(125〜10
00デニール)のマルチフィラメント糸条が好ましい。
フィラメント糸条が111dtex(100デニール)より
も小さいと、得られるシートの引裂強力に劣り、また2
222dtex(2000デニール)よりも大きいと、得ら
れるシートの破断強力及び引裂強力は向上するが、糸径
が太くなり、織交点の凹凸を増すためプリントに好まし
い平滑性が得られない。これらマルチフィラメント糸条
からなる織布の経糸及び緯糸の打込み密度に特に限定は
ないが、111〜2222dtex(100〜2000デニ
ール)の糸状を経糸及び緯糸として25.4mm(1イン
チ)間10〜80本打込んで得られる織布が使用でき
る。例えば278dtex(250デニール)のマルチフィ
ラメント糸状で25.4mm(1インチ)間18〜44
本、556〜1111dtex(500〜1000デニー
ル)のマルチフィラメント糸状で25.4mm(1イン
チ)間14〜38本、1667dtex(1500デニー
ル)のマルチフィラメント糸状で25.4mm(1イン
チ)間10〜28本程度の打込み組織で得られる目抜け
平織織布、または非目抜け平織織布が適している。これ
らのマルチフィラメント糸状は無撚であっても、撚りが
掛けられたものであっても良い。これらの織布の目付量
は、50〜400g/m2 のものが適している。また、
マルチフィラメント織布の空隙率(目抜け)は、0〜3
0%のものが好ましく適している。空隙率が30%を越
えると、経緯方向の繊維糸条の含有量が少なくなりすぎ
て得られるシートの寸法安定性が不十分になることがあ
り、また膜材の引裂き強度と突起物に対する耐貫通性が
低下するため実用的に問題となることがある。空隙率は
繊維布帛の単位面積中に占める繊維糸条の面積を百分率
として求め、100から差し引いた値として求めること
ができる。空隙率は経方向10cm×緯方向10cmを単位
面積として測定することが好ましい。
【0015】本発明に使用する短繊維紡績糸条、または
マルチフィラメント糸条には、汎用性から特にポリエス
テル繊維であることが好ましく、ポリエステル繊維とし
ては、具体的に、テレフタル酸とエチレングリコールと
の重縮合によって得られるポリエチレンテレフタレート
(PET)、テレフタル酸とブチレングリコールとの重
縮合によって得られるポリブチレンテレフタレート(P
BT)などが挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレ
ート樹脂から紡糸されるポリエステル繊維が、繊維強力
及び、溶融紡糸性の観点から好ましく使用できる。本発
明に使用する繊維布帛のうち、空隙率(目抜け率)0〜
8%の短繊維紡績布、特に空隙率5%以下の短繊維紡績
布及び、空隙率(目抜け率)0〜30%のマルチフィラ
メント織布で、特に空隙率5%以下のマルチフィラメン
ト織布などは、後述の熱可塑性樹脂組成物被覆法の1種
として、軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペーストゾル、有機溶
剤に可溶化した熱可塑性樹脂、または水中で乳化重合さ
れた熱可塑性樹脂エマルジョン(ラテックス)、あるい
は熱可塑性樹脂を水中に強制分散させ安定化したディス
パージョン樹脂などを用いて施されるデッピィング加工
(繊維布帛への両面加工)、及びコーティング加工(繊
維布帛への片面加工、または両面加工)に適している。
また一方、空隙率5〜30%のマルチフィラメント織布
は、後述の熱可塑性樹脂組成物から得られたフィルム状
成型物を、織布の片面または両面に、接着剤を用いて、
あるいは熱圧着だけによって積層して用いるのに適して
いる。
【0016】上記繊維布帛からなる基体シートは、熱可
塑性樹脂組成物によってその少なくとも1面が被覆され
ている。本発明においては特に繊維布帛の両面が熱可塑
性樹脂組成物によって被覆されていることが防水性と熱
融着接合の観点で好ましい。熱可塑性樹脂としては、汎
用的には、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂が最も好ましく、
また、特に環境問題に配慮して、焼却廃棄時にハロゲン
化水素ガスを排出しない、ハロゲン非含有産業資材用膜
材が所望される場合においては、ポリウレタン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、エチレン系共重合体樹脂〔エチレ
ン−α−オレフィン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸(エス
テル)共重合体樹脂〕、プロピレン系樹脂から選ばれた
少なくとも1種以上を用いることが好ましい。樹脂被覆
層は、単層構造を有していてもよく、或は2層以上の多
層構造を有しているものでもよい。
【0017】上記ポリ塩化ビニル系樹脂としては、種別
的に塩化ビニル系共重合体樹脂も包含し、具体的に、ポ
リ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−エチレン共重合体樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル
−ビニルエーテル共重合体樹脂、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体樹脂、塩化ビニル−マレイン酸エステル
共重合体樹脂、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸共重合
体樹脂、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体樹脂、塩化ビニル−ウレタン共重合体樹脂などであ
り、これらの樹脂は2種以上を併用することもできる。
本発明において、熱可塑性樹脂組成物による樹脂被覆層
の厚さに特に制限はないが、樹脂被覆層(固形分付着
量)は、50〜500g/m2 、であることが好まし
く、100〜350g/m2 であることがより好まし
い。樹脂被覆層の重量が50g/m2 よりも少ないと、
得られる樹脂被覆層の摩耗耐久性が不十分になることが
あり、また、それが500g/m2 を超えると得られる
膜材の質量が過度に重くなり、取り扱いが困難となるこ
とがある。
【0018】本発明において樹脂被覆層に用いられるポ
リ塩化ビニル樹脂は、乳化重合によって得られ、数平均
分子量、P=700〜3800、好ましくは1000〜
2000のペースト塩化ビニル樹脂、または懸濁重合に
よって得られ、数平均分子量、P=700〜3800、
好ましくは1000〜2000のストレート塩化ビニル
樹脂であり、また、上記塩化ビニル系共重合体樹脂(数
平均分子量、P=700〜3800)中に塩化ビニルと
ともに含まれる共重合成分の含有量は2〜30重量%で
ある。本発明において、繊維布帛からなる基体シートを
被覆する熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂を用い
る場合、その配合には公知の軟質配合を用いることがで
きるが、特に軟質配合に使用する可塑剤としては、平均
分子量が380〜560のフタル酸エステル系可塑剤を
用い、さらに、防カビ性の観点から、塩素化パラフィン
系可塑剤を使用すること、及び可塑剤揮散防止効果の観
点から平均分子量が好ましくは900〜6000、特に
より好ましくは1000〜3200のポリエステル系可
塑剤を使用すること、さらに可塑剤揮散防止効果の観点
から平均分子量が10000以上、特に20000以上
のエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素3元共重合体樹
脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−一酸化炭
素3元共重合体樹脂などの高分子可塑剤を含んで使用す
ることが好ましい。ポリエステル系可塑剤は、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸などのジカル
ボン酸と、エチレングリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールなどから適宜に合成され
たものが使用できる。
【0019】これらの可塑剤の好ましい使用例として
は、1).ペースト塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、可塑剤の合計量として40〜100重量部を配合
し、可塑剤の10〜50重量%にポリエステル系可塑
剤、または塩素化パラフィン系可塑剤を用いたペースト
組成物がある。この組成物は有機溶剤の添加によってコ
ーティング加工、及びデッピング加工に適した液粘度に
調整を行なうことができる。また、2).ストレート塩
化ビニル樹脂100重量部に対し、可塑剤の合計量とし
て50〜100重量部を配合し、可塑剤の30〜100
重量%にポリエステル系可塑剤、または塩素化パラフィ
ン系可塑剤を含むコンパウンド組成物がある。このコン
パウンド組成物をカレンダー成型、T−ダイ押出成型な
ど、公知の成型法に供してフィルムを成型することがで
きる。また、3).ストレート塩化ビニル樹脂100重
量部に対し、可塑剤の合計量として60〜140重量部
を配合し、可塑剤の30〜100重量%に高分子可塑剤
を含むコンパウンド組成物が用いられる。この組成物を
カレンダー成型、T−ダイ押出成型など、公知の成型法
に供してフィルムに成型される。(前記2)と3).に
おいて、ストレート塩化ビニル樹脂の代わりにペースト
塩化ビニル樹脂を使用することもできる)これらの軟質
ポリ塩化ビニル樹脂組成物において、安定剤は公知のも
のから適宜選定して使用すればよく、必要に応じて、着
色剤、滑剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、界面活性
剤、撥水剤、撥油剤、架橋剤、硬化剤、フィラー、紫外
線吸収剤、酸化防止剤など公知の添加剤を使用できる。
【0020】上記シート状基体の樹脂被覆層を形成する
エチレン系共重合体樹脂としては、エチレン−α−オレ
フィン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合
体樹脂などの共重合体樹脂を用いることができる。これ
らの具体例として、チーグラー・ナッタ系触媒、あるい
はメタロセン系触媒の存在下、気相法、スラリー液相
法、または高圧法によってエチレンと炭素数3〜18の
α−オレフィンとを共重合して得られる、密度0.88
0〜0.920g/cm3 、MFR(メルトフローレー
ト:190℃、2.16kg荷重)が、0.3〜10g/
10min のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂が挙
げられる。前記α−オレフィンモノマーとしては、例え
ばプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、
ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−
1、デセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−
1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1などが用いら
れる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂として
は、エチレンモノマーと酢酸ビニルモノマーとをラジカ
ル共重合して製造され、酢酸ビニル成分量を6〜35重
量%、好ましくは15〜30重量%含有するエチレン系
共重合体樹脂が用いられる、また、エチレン−(メタ)
アクリル酸(エステル)共重合体樹脂としては、エチレ
ンモノマーと(メタ)アクリル酸モノマーとのラジカル
共重合によって製造された、(メタ)アクリル酸成分量
を6〜35重量%、好ましくは15〜30重量%含有す
るエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、エチレ
ンモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの
ラジカル共重合によって製造された、(メタ)アクリル
酸エステル成分を6〜35重量%、好ましくは15〜3
0重量%含有するエチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体樹脂などがあげられ、これらの2種類以上の
混合物からなるエチレン系共重合体樹脂を用いてもよ
い。(メタ)アクリル酸エステルとは、具体的に(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシ
ジルなどを意味する。これらのエチレン系共重合体樹脂
の密度は0.925〜0.960g/cm3 であり、MF
R(メルトフローレート:190℃、2.16kg荷重)
が、0.3〜10g/10min であるものが特に好まし
い。これらの樹脂は、カレンダー成型、T−ダイ押出成
型など、公知の成型法によってフィルム成型することが
できる。
【0021】前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン
モノマーの単独重合によって得られるホモポリマー、及
びプロピレンモノマーとエチレンモノマーとを共重合し
て得られるエチレン−プロピレン共重合体、及び、プロ
ピレンモノマーとα−オレフィンモノマーとを共重合し
て得られるプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂、
及び、予備重合で得られたエチレン−プロピレン共重合
体に連続してプロピレンモノマーを共重合させる多段階
重合によって得られるプロピレン・エチレン−プロピレ
ン系共重合エラストマー、及び予備重合で得られたエチ
レン−プロピレン−非共役ジエン共重合体に連続してプ
ロピレンモノマーを共重合させる多段階重合によって得
られるプロピレン−エチレン・プロピレン・非共役ジエ
ン系共重合エラストマーなどを包含する。プロピレン−
α−オレフィン共重合体樹脂の重合に使用するに好まし
いα−オレフィンとしては、炭素数4〜10のα−オレ
フィン、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、ヘプテン−1、3−メチル−ブテ
ン−1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキ
セン−1、及び4,4−ジメチル−ペンテン−1などが
挙げられ、得られるプロピレン系共重合体は、ランダム
共重合体であっても、あるいはブロック共重合体の何れ
の共重合体であってもよい。このうちポリプロピレン系
樹脂としては、特にメタロセン系触媒の存在下で気相
法、スラリー液相法、または高圧法の何れかの方法によ
って重合されたシンジオタクティック立体規則性を有す
るポリプロピレン系樹脂、またはアイソタクティック立
体規則性を有するポリプロピレン系樹脂が用いられるこ
とが好ましい。また、プロピレン−エチレン・プロピレ
ン系共重合エラストマー及び、プロピレン−エチレン・
プロピレン・非共役ジエン系エラストマーは、具体的
に、例えば下記の様な連続多段階重合法により製造され
たものが使用できる。まず、第1段階として、チタン化
合物触媒及び、アルミニウム化合物触媒、またはメタロ
セン系触媒の存在下において、プロピレンモノマー及
び、必要に応じてプロピレンモノマー以外のα−オレフ
ィンモノマーを用いて重合を行い、第1のプロピレン系
ポリオレフィンを得る。このポリオレフィンはプロピレ
ン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピ
レン−α−オレフィン共重合体などであり得る。第2段
階として、前記触媒を含有したままで、次のオレフィン
モノマー(例えば、エチレン、プロピレン、非共役ジエ
ンなど)とを共重合させることによって得ることがで
き、この多段階重合によって得られるプロピレン系共重
合エラストマーは、通常のポリプロピレン樹脂とプロピ
レン−エチレン共重合体樹脂とのポリマーブレンドによ
って得られるエラストマーとは、分子構造において種類
を異にするものである。これらのポリプロピレン系樹脂
のMFR(メルトフローレート:230℃、2.16kg
荷重)は、0.5〜50g/10min であることが好ま
しく、特に1〜20g/10min のものがさらに好まし
い。これらの樹脂組成物は、カレンダー成型、T−ダイ
押出成型など、公知の成型法によってフィルム成型され
る。
【0022】前記エチレン系共重合体樹脂、及びポリプ
ロピレン系樹脂には、柔軟性、及び加工性を改良する目
的で、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレ
ン−共役ジエン系ゴムなどのソフト成分と、上記ポリオ
レフィン系樹脂との架橋、加硫アロイ体であるオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(TPO)などをブレンド使
用することもできる。特に、テント用膜材の柔軟化の目
的で、上記エチレン系共重合体樹脂、及びポリプロピレ
ン系樹脂に、スチレン系共重合体樹脂をブレンドするこ
とが好ましく、スチレン系共重合体樹脂としては、A−
B−A型スチレンブロック共重合樹脂(Aはスチレン重
合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプ
レン重合体ブロック、もしくはビニルイソプレン重合体
ブロックである。)、A−B型スチレンブロック共重合
樹脂(AとBは、上記と同様である。)、スチレンラン
ダム共重合樹脂及び、これらのスチレン系共重合樹脂の
水素添加樹脂(二重結合を水素置換したもの)などであ
る。これらの市販品としては、例えば、シェル、ケミカ
ル社のスチレン系ブロック共重合体樹脂(商標:クレイ
トンG)、旭化成工業(株)のスチレン系ブロック共重
合体樹脂(商標:タフテック)、(株)クラレのスチレ
ン系ブロック共重合体樹脂(商標:ハイブラー、商標:
セプトン)、日本合成ゴム(株)のスチレン系ランダム
共重合体樹脂(商標:ダイナロン)などが挙げられる。
これらのスチレン系共重合体樹脂は、ポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して、10〜50重量部をブレン
ドして使用することが好ましい。
【0023】前記ポリウレタン系樹脂としては、ジイソ
シアネート化合物と、ヒドロキシル基を分子構造内に2
個以上有するポリオール化合物の中から選ばれた1種以
上と、イソシアネート基と反応する官能基を含有する化
合物との付加重合反応によって得られる熱可塑性ポリウ
レタン樹脂が使用できる。ジイソシアネート化合物とし
ては、芳香族、脂肪族、脂環式(水素添加物を包含す
る)のジイソシアネート化合物が用いられ、これらは例
えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシ
アネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、3,3−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン
ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられ
る。ヒドロキシル基を2個以上有するポリオール化合物
としては、分子量300〜10000、好ましくは、5
00〜5000のジヒドロキシ化合物を、前記ジイソシ
アネート化合物全量と反応し得る量で用いる。例えば、
ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ジヒドロキシ
ポリエチレンアジペート、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールなどが用いられる。ポリウレタ
ン系樹脂は、用いるポリオールの種類に応じてポリエス
テル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン
樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、ポリカプ
ロラクトン系ポリウレタン樹脂が使用できる。
【0024】前記ポリエステル系樹脂としては、(A)
高融点結晶性ポリエステルセグメントと、(B)脂肪族
ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位か
らなる低融点重合体セグメントとからなるブロック共重
合体樹脂が挙げられる。(A)セグメントはジカルボン
酸と、ジオールとの重合によって得られるポリエステル
であり、ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタ
ンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン
酸などが挙げられる。ジオール成分としては、炭素数2
〜12の脂肪族、または脂環族ジオール、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオールなどが挙げられる。また、(B)セグメン
トを構成する脂肪族ポリエーテル単位としては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
(テトラメチレンオキサイド)グリコール、及びこれら
の共重合体のグリコールなどが挙げられる。また、
(B)セグメントを構成する脂肪族ポリエステル単位と
しては、ポリε−カプロラクトン、ポリエナントラクト
ン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、
ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。上記これら
の熱可塑性樹脂被覆層の厚さは、被覆層(固形分付着
量)が、50〜500g/m2 であることが好ましく、
特に100〜350g/m2 に形成されるのがより好ま
しい。被覆層が50g/m2 よりも少ないと、得られる
本発明の膜材の摩耗耐久性が不十分になることがあり、
また、それが500g/m2 を超えると得られる膜材の
質量が過度に重くなることがある。また、上記熱可塑性
樹脂には、必要に応じて、着色剤、滑剤、難燃剤、発泡
剤、帯電防止剤、界面活性剤、撥水剤、撥油剤、架橋
剤、硬化剤、フィラー、紫外線吸収剤、酸化防止剤など
公知の添加剤を使用できる。
【0025】また、基体シート、例えば繊維布帛の熱可
塑性樹脂組成物による表面被覆の形成には、例えば上記
ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン系
共重合体樹脂〔エチレン−α−オレフィン共重合体樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−
(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂〕、プロ
ピレン系樹脂などの水性樹脂(エマルジョン、ディスパ
ージョン)、または有機溶剤に溶解させた溶液として使
用することもできる。特にエチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂エマルジョンは、エチレンと酢酸ビニルとの乳化
重合によって得られる60〜90重量%の酢酸ビニル成
分を含有するもの、またエチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂ディスパージョンとしては、酢酸ビニル成分含有量
が10〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂を水中に強制分散させたものを用いることが好まし
い。特に水性樹脂の場合、これらの水性樹脂は水酸基、
カルボン酸基、4級アンモニウム塩基などを導入した親
水性の変性体であってもよい。また、水性樹脂はコア−
シェル型異相構造のハイブリッドエマルジョンなども使
用でき、また必要に応じて、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合樹脂、酢酸ビニル−マレイン酸ジブチル共
重合体樹脂、酢酸ビニル−エチレン−バーサチック酸ビ
ニル共重合体樹脂、アクリル酸エステル−スチレン共重
合樹脂、アイオノマー樹脂などのエマルジョンも併用で
きる。これらの水性樹脂の樹脂固形分含有量に限定はな
いが、樹脂固形分含有率20〜70重量%であることが
好ましく、特に30〜50重量%であるものがより好ま
しい。
【0026】また、特に有機溶剤に溶解または分散させ
て使用できるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、及び
エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹
脂としては、酢酸ビニル成分、または(メタ)アクリル
酸(エステル)の含有率が18〜45重量%、MFR
(メルトフローレート:190℃、2.16kg荷重)が
1.0〜20g/10min の共重合体樹脂が好ましく使
用される。これらの水性樹脂、または有機溶剤に上記熱
可塑性樹脂を固形分濃度で5〜40重量%溶解させた樹
脂溶液による基体シート例えば繊維布帛の表面被覆に
は、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コ
ンマコート法、ロールコート法、リバースロールコート
法、バーコート法、ナイフコート法、キスコート法、フ
ローコート法など公知のコーティング法、またはデッピ
ング法などによって基体シートの表面に樹脂含有液を均
一に塗布し、これを乾燥して樹脂被覆層を形成すること
ができる。本発明において、熱可塑性樹脂組成物による
樹脂被覆層の厚さに特に制限はないが、上記コーティン
グ方法のいずれ、もしくは、組み合わせなどによって、
樹脂被覆層(固形分付着量)を、好ましくは50〜50
0g/m2 、特により好ましくは100〜350g/m
2 に形成する。表面被覆層の量が50g/m2 よりも少
ないと、得られる膜材の摩耗耐久性が不十分になること
があり、また、それが500g/m2 を超えると、コー
ティング処理の工程数が増えるだけでなく、得られる膜
材が過度に重くなることがあり、取り扱い性が困難とな
ることがある。これらの熱可塑性樹脂組成物には、着色
剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、界面活性剤、撥水
剤、撥油剤、架橋剤、硬化剤、フィラー、紫外線吸収
剤、酸化防止剤など公知の添加剤を使用できる。
【0027】本発明の美観持続性積層膜材のシート状基
材の樹脂被覆層中に配合される有機防カビ剤としては、
カビ、細菌(グラム陽性、グラム陰性)、真菌などの細
胞壁、細胞膜、細胞質、及び細胞核などに対して、酸化
的リン酸化阻害、電子伝達系阻害、−SH基阻害、DN
A合成阻害、細胞表皮機能阻害、脂質代謝阻害、キレー
ト形成などの作用を及ぼす、官能基、例えば−Cl、−
Br、−F、−I、−S−、−(S)n−、−NO2
−CF3 、−SCN、−NCS、−SCF3 、−CHI
2 、−CH2 Cl、−CCl3 、−SCCl3 、−OC
Cl3 、=CHCCl3 、−CI=CI2 、−CI=C
IBr、−CH2 C≡CI、−OCH2C≡Cl、=N
C(S)S−、−NHCOC≡Cl、−CO−N(OC
3 )−、−CO−NR−CO−、−NSCCl3 、−
NSCCl2 F、−SO2 −CH 3 、−SO2 −S−C
3 、−SO264 CH3 、−NC64 (p−C
3 )SO264 (p−CH3 )、及び−NC6
4 (p−CH3 )SO2 N(CH32 基を有する化合
物である。これらの有機、防カビ剤はイミダゾール系化
合物、チアゾール系化合物、N−ハロアルキルチオ系化
合物、ピリジン系化合物、ピリチオン系化合物、イソチ
アゾリン系化合物、トリアジン系化合物、有機金属系化
合物などが挙げられ、これらの化合物から選ばれた少な
くとも1種以上を、上記熱可塑性樹脂100重量部に対
し、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは
0.1〜2.0重量部を含んでいる。
【0028】具体的にイミダゾール系化合物としては、
2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール(略称T
BZ)、2−(カルボメトキシアミノ)ベンズイミダゾ
ール(略称BCM)、1−(ブチルカルバモイル)−2
−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルなどが用いら
れ、チアゾール系化合物としては、2−n−オクチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、2−メルカプトベンゾ
チアゾール、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチア
ゾール、2−(チオシアノメチルスルホニル)ベンゾチ
アゾールなどが用いられ、N−ハロアルキルチオ系化合
物としては、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタ
ルイミド、N−トリクロロメチルチオテトラヒドロフタ
ルイミド、N−(トリクロロメチルチオ)−4−シクロ
ヘキサン1,2−ジカルボキシイミド、及びN,N−ジ
メチル−N′−(フルオロジメチルチオ)−N′−フェ
ニルスルファミドなどが用いられ、ピリジン系化合物と
しては、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチル
スルホニル)ピリジンが用いられ、ピリチオン系化合物
としては、ビス(ピリジン−2−チオール−1−オキシ
ド)亜鉛塩(略称ZPT)、(2−ピリジンチオール−
1−オキサイド)ナトリウム塩、2,2′−ジチオ−ビ
スピリジン−1−オキサイドなどが用いられる。
【0029】またイソチアゾリン系化合物としては、
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−n−オ
クチル−4−イソチアゾリル−3−オン、2−トリクロ
ロメチルチオ−4−イソチアゾリン−3−オンなどが用
いられ、トリアジン系化合物としては、ヘキサヒドロ−
N,N′,N″−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S
−トリアジン、ヘキサヒドロ−N,N′,N″−トリエ
チル−S−トリアジンなどが用いられ、有機金属系化合
物としては、10,10′−オキシビスフェノキシアル
シン(略称OBPA)、8−オキシキノリン銅、2−エ
チルヘキサン酸ニッケルなどが挙げられる。但し、本発
明に用い得る有機防カビ剤は、上記化合物のみに限定さ
れるものではなく、その他、ハロアリルスルホン系、ヨ
ードプロパギル系、ニトリル系、8−オキシキノリン
系、有機スズ系、フェノール系、4級アンモニウム塩
系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジ
チオカルバメート系の化合物、及び天然物抽出成分(ヒ
ノキチオール、茶カテキン、キトサンなど)などと併用
することもできる。これらの有機系防カビ剤の添加量が
樹脂被覆層の重量100重量部に対し、0.01部未満
であると、得られる膜材の屋外使用時の防カビ性と長期
防カビ効果が不十分となることがあり、また、それが5
重量部を越えると、樹脂被覆層の表面に防カビ剤が粉ふ
き状態(ブルーム)に滲み出し(ブリード)を起こすこ
とがある。有機防カビ剤は、後記無機系多孔質微粒子の
微細空孔及び表面に担持されていてもよい。
【0030】また、本発明において、基体シート、例え
ば繊維布帛を被覆する上記熱可塑性樹脂組成物には、ハ
ロゲン非含有化合物を配合することによって防炎性を付
与してもよく、このようにすることは産業資材としての
用途上好ましく、さらに、本発明の美観持続性積層膜材
は、消防法に定められる防炎試験に適合することが好ま
しい。ハロゲン非含有化合物としては、リン含有化合
物、窒素含有化合物、無機系化合物のいずれか1種以上
であることが好ましく、樹脂被覆層の重量100重量部
に対し、ハロゲン非含有化合物を好ましくは10〜10
0重量部、より好ましくは30〜80重量部の割合で配
合する。具体的にリン含有化合物としては、赤リン、
(金属)リン酸塩、(金属)有機リン酸塩、ポリリン酸
アンモニウムなどが用いられ、また、窒素含有化合物と
しては、(イソ)シアヌレート系化合物、(イソ)シア
ヌル酸系化合物、グアニジン系化合物、尿素系化合物及
びこれらの誘導体化合物が用いられ、無機系化合物とし
ては、金属酸化物、金属水酸化物、金属複合酸化物、金
属複合水酸化物などが用いられる。これらのハロゲン非
含有化合物は2種以上を併用して配合することが好まし
い。ハロゲン非含有化合物の配合量が樹脂被覆層の重量
100重量部に対し、10重量部未満では、防炎性が不
十分となることがあり、また、それか100重量部を超
えると、加工性と樹脂被膜の摩耗耐久性とが不十分にな
ることがある。
【0031】本発明の美観持続性積層膜材の、基体シー
ト、例えば繊維布帛を表面被覆する熱可塑性樹脂は、無
色であっても良いが、顔料着色されていることが好まし
く、特にプリントを施す場合には白、パステル色などに
着色されていることにより、配色が鮮明となり好まし
い。この着色に使用する顔料としては、無機系顔料から
のみ選ばれて着色がなされていることが特に好ましい
が、有機系顔料を併用してもよい。無機系顔料と有機系
顔料との併用の場合、使用する顔料の合計量に対し、無
機系顔料合計の含有率が70重量%以上であることが好
ましい。樹脂被覆層の着色に使用する顔料の合計量に対
し、有機系顔料合計の含有率が30重量%を超えると、
有機系顔料の化学構造が光触媒物質の酸化還元作用によ
って変質し、熱可塑性樹脂被覆層の変退色が際だって目
立ち、シートの見栄えを悪くすることがある。本発明の
樹脂被覆層を着色するに好ましい無機系顔料の具体例
は、金属酸化物、金属りん酸塩、金属硫化物、金属硫酸
塩、金属炭酸塩、金属水酸化物、クロム酸金属塩、カー
ボンブラック、スピネル型構造酸化物、ルチル型構造酸
化物などである。
【0032】金属酸化物としては、酸化亜鉛(亜鉛
華)、酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、三酸化
アンチモン、酸化鉄(鉄黒、べんがら)、黄色酸化鉄、
フエロシアン化鉄(紺青)、酸化鉛(鉛丹)、酸化クロ
ム、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、酸化コバルトと
酸化アルミニウムの複合物(コバルトブルー)などがあ
り、リン酸塩としてはリン酸コバルト、リン酸マンガン
(マンガン紫)などがあり、金属硫化物としては、硫化
亜鉛と硫酸バリウムの複合物(リトポン)、硫化カルシ
ウム、硫化ストロンチウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミ
ウム、硫化カドミウム、硫化水銀(銀朱)、硫化カドミ
ウムとセレニウム−カドミウムの複合物(カドミウムレ
ッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロー)、硫
化アンチモンと三酸化アンチモンの複合物(アンチモン
朱)などがあり、金属硫酸塩としては、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛などがあり、金
属炭酸塩としては、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸鉛と水酸化鉛の複合物(鉛白)な
どがあり、金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム
(アルミナホワイト)、水酸化アルミニウムと硫酸カル
シウムの複合物(サチン白)、水酸化アルミニウムと硫
酸バリウムの複合物(グロスホワイト)、クロム酸水和
物(ビリジアン)などがあり、クロム酸金属塩として
は、クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸亜鉛(亜鉛黄)、ク
ロム酸バリウム、クロム酸鉛と酸化鉛の複合物(赤口黄
鉛)、クロム酸鉛とモリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物
(クロムバーミリオン)などが挙げられる。
【0033】また、スピネル型構造酸化物として、「X
24 」の構造式で表される酸化物において、XY成
分が、Co−Al、Co−Al−Cr、Co−Mg−S
n、Co−Ni−Ti、Co−Zn−Ni−Ti、Co
−Zn−Cr−Ti、Zn−Cr−Ti、Zn−Cr−
Fe、Co−Zn−Cr−Fe、Co−Ni−Cr−F
E−Si、Co−Mn−Cr−Fe、Cu−Mn−C
r、Mn−Feなどの金属複合酸化物が用いられ、ま
た、ルチル型構造酸化物としては、「〔Ti(XY)O
2 〕」の構造式で表される酸化物において、XY成分
が、Pb−Sb、Ni−Sb(チタンイエロー)、Ni
−W、Fe−Mo、Cr−Sbなどの金属複合酸化物が
挙げられる。その他カーボンブラック、チタンブラッ
ク、アセチレンブラック、黒鉛、シリカ、ホワイトカー
ボン、けい藻土、タルク、クレー、アルミニウム粉顔
料、ブロンズ粉、ニッケル粉、ステンレス粉、パール顔
料などを目的に応じて、これらの無機系顔料の1種また
は、2種以上を組み合わせて着色使用する事ができる。
【0034】本発明においては、樹脂被覆層に隠蔽性を
与えることが好ましく、特に無機系顔料として、その一
部に酸化チタン(TiO2 )を使用して着色することが
好ましい。酸化チタンとしては、チタン鉱石を硫酸と反
応させて硫酸チタニルとし、これを加水分解して得た含
水酸化チタンを焼成して得られるルチル型酸化チタン、
及びアナタース型酸化チタン、またはチタン鉱石を還元
剤と共に塩素を反応させ、得られた四塩化チタンを酸素
と反応させて得られるルチル型酸化チタンなどが挙げら
れる。本発明に使用する酸化チタンとしては、ルチル型
酸化チタンを使用することが耐候性の観点で好ましく、
粒子径としては0.05〜0.5μm、好ましくは平均
粒子径が0.2〜0.35μmの酸化チタンが隠蔽性に
優れ適している。また、本発明においては、これらの無
機系顔料は、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユ
リア樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化
性樹脂によって表面被覆処理された熱硬化性樹脂被覆顔
料を使用しても良い。
【0035】本発明において、基体シート、例えば繊維
布帛を被覆する樹脂被覆層の着色は上記無機系顔料以外
に、有機系顔料を含んで着色されていてもよく、その含
量量は顔料の合計量に対し、有機系顔料合計の含有率が
30重量%未満であることが好ましい。具体的に、有機
系顔料としては、アゾ系顔料、(不溶性モノアゾ顔料、
不溶性ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、
金属錯塩アゾ顔料)、フタロシアニン顔料(フタロシア
ニンブルー、フタロシアニングリーン)、染付けレーキ
顔料(酸性染料レーキ顔料、塩基性染料レーキ顔料)、
縮合多環系顔料(アントラキノン系顔料、チオインジゴ
系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリド
ン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔
料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料)、そ
の他ニトロソ顔料、アリザリンレーキ顔料、金属錯塩ア
ゾメチン顔料、アニリン系顔料などの有機系顔料が挙げ
られ、これらの有機系顔料の1種または、2種以上を前
記無機系顔料と組み合わせて使用する事ができる。ま
た、これらの有機系顔料をメラミン樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、ユリア樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂
などの熱硬化性樹脂中に配合充填したものを微粉化、粉
砕した熱硬化性樹脂被覆顔料を使用してもよい。
【0036】これらの無機系顔料による着色剤、または
無機系顔料と有機系顔料との併用着色剤の添加量は、目
的とする色相に応じて適宜に設定すればよく、それに制
限はないが、樹脂被覆層100重量部に対し、好ましく
は0.1〜50重量部、より好ましくは、1〜30重量
部である。着色剤の添加量が、0.1重量部以下では、
樹脂被覆層の着色度が不十分になることがあり、また隠
蔽性が不十分になることがある。また、それが50重量
部を超えると、樹脂被覆層の成形性を悪化させるだけで
なく、樹脂被覆層の被膜強度と被膜摩耗強力を大きく低
下させることがある。これらの着色剤の製品としては、
着色時の発色安定性を得るために、分散剤で粒子表面処
理された加工顔料を使用することが好ましい。これらの
分散剤処理された着色顔料は、取り扱い性を向上させる
ために、ビヒクル、プレスケーキ、樹脂、ワックス、可
塑剤、水などを添加して、それぞれ、フラッシュドカラ
ー、水性液状カラー、油性液状カラー、ペーストカラー
(ビニルトーナーカラー)、ドライカラー、潤性カラ
ー、マスターバッチ、カラードペレットなどの形態に調
製された加工顔料を使用することが好ましい。本発明に
おいて基体シート(繊維布帛)を被覆する熱可塑性樹脂
の着色剤として、熱可塑性樹脂が、特にポリ塩化ビニル
樹脂である場合、種別がペースト塩化ビニルゾルの場合
には、潤性カラーまたはペーストカラー(ビニルトーナ
ーカラー)の形態のものが好適であり、また種別がスト
レート塩化ビニルコンパウンドの場合には、ドライカラ
ーまたは、マスターバッチの形態のものが好適に用いら
れる。また、カレンダー加工、T−ダイ押出し加工、イ
ンフレーション加工などのポリ塩化ビニル樹脂を含む熱
可塑性樹脂の溶融混練加工に対しては、ドライカラー、
マスターバッチ、カラードペレットなどの形態のものが
適している。特にポリオレフィン系樹脂の成形加工など
に対しては、無機系顔料を分散剤、ワックスと共にポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂
中に高濃度で充填したカラードペレットの形態のものが
適している。また、熱可塑性樹脂組成物が、水性樹脂の
場合には水性液状カラーの形態が適し、また、有機溶剤
に可溶化させた樹脂溶液、表面処理剤の場合には、フラ
ッシュドカラー、ペーストカラー、ドライカラー、油性
液状カラーなどの形態が適して使用できる。
【0037】本発明の美観持続性積層膜材は、基体シー
ト(繊維布帛、フィルム)の表面に直接インクによる画
像プリントされていてもよく、また、あるいは上記基体
シートの表面上に形成された熱可塑性樹脂被覆層面にプ
リントが施されていてもよい。また、さらに、このプリ
ントを施した基材面上に、光触媒含有最外面層が形成さ
れ、プリントを施した基材面と光触媒含有最外面層との
間には、基材及び画像を光触媒性物質の作用から保護す
るための、好ましくはケイ素化合物を含有する中間保護
層が形成されている。本発明の美観持続性積層膜材は、
基体シート(繊維布帛、フィルム)の表面に直接インク
画像のプリントが施されてもよく、また、あるいは上記
基体シート(繊維布帛)の表面に形成された熱可塑性樹
脂を含む樹脂被覆層面にインク画像のプリントが施され
ていてもよい。また、さらに、このプリントを施した基
材面と中間保護層との間に透明な熱可塑性樹脂層が形成
されていてもよい。また、この熱可塑性透明樹脂層の基
材と接する面にインク画像がプリントされていてもよ
い。
【0038】基材の(基体シート、又は樹脂被覆層)上
のプリント及び透明樹脂層面に対するプリントは、グラ
ビア(彫刻凹版)印刷、スクリーン(画線孔版)印刷、
オフセット印刷、及び転写印刷など何れかの公知の方法
によって施すことができる。インク画像をプリントする
ためのインキとしては、それぞれ市販のグラビア印刷用
インキ、スクリーン印刷用インキ、オフセット印刷用イ
ンキ、及び転写印刷用インキなどを使用できる。また、
本発明において、プリントは特にインクジェット印刷に
よって施すことが好ましい。インクジェット印刷は、デ
ジカルカメラやコンピューターに取り込んだデジタル画
像を、出力媒体に直接フルカラー印刷が可能であるた
め、写真画質のプリントを容易に得ることができる。イ
ンクジェット印刷は、溶剤インキ、油性インキなどでプ
リントする方法と、水性インキでプリントする方法があ
るが、特に油性インキでプリントを施すことが、耐候性
の観点で好ましい。また、本発明の積層膜材は、インク
ジェット印刷によるプリント性をより向上させるため
に、基材体シートの表面にインク受容性の熱可塑性樹脂
を含む樹脂被覆層を形成することが特に好ましく、この
インク受容性の熱可塑性樹脂被覆層には、インキの定着
性と発色性とを向上させる目的で、カチオン性化合物及
び/又は、白色微粒子を含有することが好ましい。白色
微粒子としては、シリカ、ゼオライト、ハイドロタルサ
イト、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、酸化アルミニ
ウム、酸化チタンなどの無機系化合物微粒子及び、セル
ロース微粒子、ケラチン微粒子、キトサン微粒子、アル
ギン酸重合物微粒子、アミノ酸重合物微粒子(プロテイ
ン)などの有機系化合物微粒子が挙げられ、特にシリカ
としては、合成非晶質シリカ(二酸化珪素)を使用する
ことが好ましい。このインク受容性の熱可塑性樹脂被覆
層の形成量は、固形分付着量で好ましくは5〜60g/
2 であり特により好ましくは10〜35g/m2 であ
る。本発明の積層膜材に対するインクジェット印刷は、
市販のインクジェットプリンターを用いて容易に行うこ
とができる。
【0039】本発明の積層膜材において、基材と光触媒
含有最外面層との間には、中間保護層が形成されてお
り、この中間保護層に用いる樹脂としては、シリコーン
系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹
脂、フォスファーゼン系樹脂が挙げられる。これらの樹
脂は粘性を有する塗布剤の硬化物であり、熱または光に
よって塗膜形成能を有するものであることが好ましい。
このうちシリコーン系樹脂としては、クロロシランまた
はアルキル基、アルケニル基、又はアリル基を有するア
ルコキシシランを単独ないし、複数種を無溶剤または有
機系溶剤中で加水分解して重合した直鎖シリコーン樹
脂、共重合シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどが用い
られ、特に共重合シリコーン樹脂としてSi−OH基、
Si−OMe基を有する2官能以上の変性シリコーン
(例えば、シラノール基あるいはアルコキシ基を有する
メチルフェニルシリコーン樹脂)とアルコール性水酸基
含有樹脂とをアルキルチタネート触媒の存在下で反応さ
せて得られるシリコーン変性体類、例えばアクリル変性
シリコーン樹脂、アクリル−ウレタン変性シリコーン樹
脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコ
ーン−フッ素共重合体樹脂、エポキシ変性シリコーン樹
脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、アルキッド変性
シリコーン樹脂、フェノール変性シリコーン樹脂などが
用いられる。また、シロキサン架橋可能なシリコーン変
性共重合体、シロキサン架橋可能なシリコーン変性オリ
ゴマー、イソシアネート架橋可能なシリコーン変性共重
合体、イソシアネート架橋可能なシリコーン変性オリゴ
マーなどを使用することもできる。これらのシリコーン
変性成分の含有率は、中間保護層に占める固形分で20
〜75重量%であることが好ましい。
【0040】中間保護層用フッ素系樹脂としては、ビニ
ルエーテル−フルオロオレフィン共重合体樹脂、ビニル
エステル−フルオロオレフィン共重合体樹脂及び、これ
らのフッ素系樹脂とイソシアネート化合物の併用組成物
などが挙げられる。また、前記メラミン系樹脂として
は、シアヌルアミド、シアヌル酸トリアミド、シアヌル
酸アミド、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリ
アジン及びこれらの誘導体から選ばれた1種以上のメラ
ミン化合物とホルマリンを反応させ、メチロール化メラ
ミンの初期縮合物をブタノールで変性しブチル化メチロ
ールメラミンとして有機系溶剤に可溶化させたもの、さ
らにブチル化メチロールメラミンをアルキッド樹脂とと
もに有機系溶剤に可溶化させたものなどが挙げられる。
前記エポキシ系樹脂としては、エピクロルヒドリンと多
価フェノール類との開環付加反応によって得られるも
の、汎用的にはエピクロルヒドリンとビスフェノール
A、またはレゾールとの反応によって得られる重縮合物
が使用でき、有機系溶剤中にアミン類、有機酸、酸無水
物及びポリイソシアネート化合物などの硬化剤と共に溶
融して使用でき、さらにアルキッド樹脂、メラミン樹
脂、ブチル化メラミン樹脂などと併用してもよい。前記
フォスファーゼン系樹脂としては、(PNCl2
n(n=1,2,3,4)などの塩化ホスファーゼン及
び、直鎖状塩化ホスファーゼンオリゴマー、または(P
NCl2n (n=2,3,4)の4員環、6員環、8
員環の環状塩化ホスファーゼンを原料として塩素をアク
リル酸化合物に置換した反応性ホスファーゼン化合物の
紫外線硬化物が挙げられる。ホスファーゼン化合物に付
加して置換されるアクリレート化合物としては、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グ
リシジルなどが挙げられる。
【0041】上記中間保護層の形成に用いる塗工剤に
は、有機系溶剤を含んで濃度調整し、これによって中間
保護層の塗膜厚を任意に設定することができ、これらの
有機系溶剤としては、例えば、イソプロパノール、n−
ブタノールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンな
どの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ンなどのアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルな
どのエステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの
1種以上から選ばれて適宜使用することができる。
【0042】本発明において、中間保護層に含有される
ケイ素化合物としては、ポリシロキサン、コロイダルシ
リカ、シリカが挙げられる。ポリシロキサンとしては、
ゾル−ゲル法によりアルコキシシラン化合物を加水分
解、重縮合して得られるものが好ましく、例えばアルコ
キシシランとして、一般式:YSiX4-n (n=1〜
3)で表されるケイ素化合物の1種または2種以上の加
水分解縮合物、共加水分解化合物が適している。前記一
般式においてYは例えば、アルキル基、フルオロアルキ
ル基、ビニル基、メルカプト基、アミノ基またはエポキ
シ基であることができ、Xは例えば、ハロゲン、メトキ
シル基、エトキシル基、またはアセチル基であることが
できる。具体的には、アルキル基置換トリクロルシラ
ン、アルキル基置換トリブロムシラン、アルキル基置換
トリメトキシシラン、アルキル基置換トリエトキシシラ
ン、アルキル基置換トリイソプロポキシシラン、アルキ
ル基置換トリ−t−ブトキシシランなどが挙げられ、ア
ルキル基としては、それぞれメチル基、エチル基、n−
プロピル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、n−オク
タデシル基、フェニル基である。また、具体的には、上
記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をトリフルオ
ロプロピル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化
合物のアルキル基をビニル基に変えたもの、上記アルキ
ル置換シラン化合物のアルキル基をγ−メタアクリロキ
シプロピル基に変えたもの、上記アルキル置換シラン化
合物のアルキル基をγ−アミノプロピル基に変えたも
の、上記アルキル置換シラン化合物のアルキル基をγ−
メルカプトプロピル基に変えたものなどが挙げられる。
【0043】中間保護層のシリカ化合物として用いられ
るコロイダルシリカとしてはケイ酸ナトリウム溶液を陽
イオン交換することによって得られる水分散媒のシリカ
ゾル(SiO2 )が挙げられる。中間保護層に使用され
るコロイダルシリカとしては、有機系溶剤、例えばメタ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアル
コール系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系
溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂
環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶
剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶
剤、その他テトラヒドロフランなどの1種以上から選ば
れた有機系溶剤の何れか1種以上を分散媒とし、BET
平均粒子径10〜20nmのものが適している。また、シ
リカ(SiO2 )としては、ケイ酸ナトリウムと鉱酸
(硫酸)及び塩類を水溶液中で反応させる湿式法によっ
て得られる合成非晶質シリカが挙げられる。合成非晶質
シリカは、表面のシラノール基(Si−OH基)に水素
結合で結合する水分と、シラノール基自体が含有する水
酸基として存在する水分を結合水分として有する含水シ
リカである。非晶質含水シリカの平均凝集粒径として
は、平均凝集粒径(コールカウンター法)が1〜20μ
m、特に2〜10μmの非晶質含水シリカを用いること
が好ましく、含水率としては3〜15重量%、特に5〜
10重量%の含水シリカを用いることが好ましい。これ
らのシリカはシランカップリング剤で表面処理して用い
ることもできる。
【0044】上記中間保護層を形成する塗工剤に含まれ
るケイ素化合物の配合量としては、上記ポリシロキサ
ン、上記コロイダルシリカ及び、上記シリカから選ばれ
た1種以上を前記中間保護層を構成する樹脂の固形分率
100重量部に対して5〜35重量部であることが好ま
しい。中間保護層のケイ素化合物含有量が5重量部未満
であると中間保護層と光触媒含有最外面層との密着性が
不十分になることがあり、またそれが35重量部を越え
ると、中間保護層と光触媒含有最外面層との密着性は向
上するが、中間保護層の摩耗強度が不十分になることが
ある。
【0045】本発明の美観持続性積層膜材の中間保護層
と、シート状基材の樹脂被覆層との少なくとも1層中に
配合される、無機防カビ性物質を主体とする防カビ剤と
しては、銀、銅、亜鉛などの金属、これらの金属のイオ
ン、及び光触媒酸化チタンから選ばれた1種以上であ
り、さらに、これらを担持する無機系多孔質微粒子を含
んでいてもよい。これらの防カビ剤は、上記中間保護層
100重量部に対して、0.05〜10重量部、特に
0.1〜5.0重量部を含むことが好ましい。上記銀、
銅、亜鉛、の金属及びイオン並びに光触媒酸化チタンの
1種以上を担持するための無機系多孔質微粒子として
は、シリカ、(合成)ゼオライト、チタンゼオライト、
リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛カ
ルシウム、ハイドロタルサイト、ヒドロキシアパタイ
ト、シリカアルミナ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ン酸マグネシウム、ケイソウ土などを用いることができ
る。無機系多孔質微粒子は、その微細空孔及び表面に、
前記無機防カビ性物質を担持していてもよく、さらに、
前記無機防カビ性物質とともに、有機防カビ性化合物、
例えば、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、
N−ハロアルキルチオ系化合物、ピリジン系化合物、ピ
リチオン系化合物、イソチアゾリン系化合物、トリアジ
ン系化合物、有機金属系化合物などの有機防カビ剤の1
種以上を担持していてもよい。この無機系多孔質微粒子
の平均一次粒子径は0.01〜10μm、であることが
好ましく、特に0.05〜5μmであることがさらに好
ましい。無機系防カビ剤の担持の方法としては、吸着
法、イオン交換法、表面処理法などがある。このうち、
吸着法としては、例えば、硝酸銀水溶液をシリカ、(合
成)ゼオライト、ハイドロタルサイト、ケイソウ土など
と処理する方法が挙げられ、イオン交換法としては、例
えば、硝酸銀水溶液を(合成)ゼオライト、ハイドロタ
ルサイトなどと処理する方法が挙げられる。また、光触
媒酸化チタンを無機系多孔質微粒子に担持させるには、
光触媒酸化チタンを含有する金属アルコラートによるゾ
ル−ゲル薄膜製造工程を応用した表面処理が好ましい。
上記銀、銅、亜鉛などの金属又はイオン、或は酸化チタ
ン担持量としては、上記無機系多孔質微粒子100重量
部に対し、0.1〜20重量部、特に1〜10重量部で
あることが好ましい。また、光触媒酸化チタンの担持量
としては、上記無機系多孔質微粒子100重量部に対
し、0.1〜10重量%、特に1〜5重量%であること
が好ましい。これら無機系化合物を主体とする防カビ剤
の配合量が、上記中間保護層100重量部に対して、
0.05重量部未満であると、防カビ効果が不十分とな
ることがあり、またそれが10重量部を越えると、前記
中間保護層の耐摩耗性が不十分になることがあり、ま
た、下地基材に施された色彩、またはプリントの色彩を
ぼやけさせることがある。
【0046】また、本発明の美観持続性積層膜材の中間
保護層に配合される無機系化合物を主体とする防カビ剤
として、前記イミダゾール系化合物、チアゾール系化合
物、N−ハロアルキルチオ系化合物、ピリジン系化合
物、ピリチオン系化合物、イソチアゾリン系化合物、ト
リアジン系化合物、有機金属系化合物から選ばれた少な
くとも1種以上の有機防カビ剤と、前記無機防カビ剤と
を無機系多孔質微粒子中に担持したものを包含し、この
ときの無機系多孔質微粒子の微細空孔に有機防カビ剤を
担持させるためには、前記有機防カビ剤を昇華、または
熱融解させた状態での、吸着、または表面処理など、あ
るいは有機系溶剤に溶解させた状態での、吸着、または
表面処理など、何れの方法でもよく、このうち特に吸着
法に対しては、無機系多孔質微粒子としてシリカ、(合
成)ゼオライト、ハイドロタルサイト、ケイソウ土など
が好ましく使用でき、また、表面処理の際には、前記シ
ランカップリング剤と併用して行うことが好ましい。ま
た、前記有機系防カビ剤と、硝酸銀水溶液とを反応させ
た複合化合物を、上記無機系多孔質微粒子に担持させた
ものであってもよい。上記有機防カビ剤の担持量として
は、上記無機系多孔質微粒子100重量部に対し、0.
1〜20重量部、特に1〜10重量部であることが好ま
しい。シート状基材の樹脂被覆層中に有機防カビ剤が含
まれる場合、有機防カビ剤が、前記有機防カビ性化合物
を、前述のような担持方法により無機系多孔質微粒子の
微細空孔及び表面に担持されていてもよい。このときの
有機系防カビ性化合物の担持量は、無機系多孔質微粒子
100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが
好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。
【0047】上記無機系防カビ性物質を主体とする防カ
ビ剤を含有する中間保護層を形成する塗工剤の塗布の方
法としては、特別に限定はないが、これらの塗工剤を熱
可塑性樹脂組成物により表面被覆されたシート状基材表
面上、シート状基材表面に形成されたプリント画像面
上、シート状基材表面に形成されたプリント画像形成面
上にさらに形成された透明樹脂層上、あるいは透明樹脂
層を形成する透明樹脂フィルム表面又は裏面にプリント
画像が形成された透明樹脂フィルムの反対表面上に均
一、かつ均質に塗布できる様なコーティング方式が望ま
しく、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコ
ート法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロ
ールコート法、バーコート法、キスコート法、フローコ
ート法などが好適である。上記塗工剤による中間保護層
の厚さにも特に制限はないが、上記コーティング方法の
いずれか、もしくは、組み合わせによって、固形分付着
量で2〜20g/m2 、特に3〜10g/m2 に形成さ
れることが好ましい。固形分付着量が2g/m2 よりも
少ないと、本発明の積層膜材の防汚性、及び耐久性が十
分に得られないことがあり、また、それが20g/m2
を超えると中間保護層の屈曲強さが不十分になり、さら
にプリント絵柄と色彩を隠蔽するため好ましくない。2
〜5g/m2 の塗布、付着量の設定には、上記塗工剤の
有機系溶剤量をコントロールすることによってコントロ
ールできる。中間保護層(ケイ素化合物含有樹脂層)の
形成厚さは、上記コーティング法の何れかによって、
0.3μm以上の厚さに形成させることが耐久性の観点
から好ましい。
【0048】本発明の積層膜材において、中間保護層と
熱可塑性透明樹脂層とを、光触媒含有層と、シート状基
材との中間に含むことができる。すなわち中間保護層
を、基材の面上に設けられた熱可塑性透明樹脂層の上に
設けることもできる。また、本発明において、光触媒含
有最外面層と基材との中間に、中間保護層と熱可塑性透
明樹脂層とを配置することができ、この熱可塑性透明樹
脂層面にはプリントを施すこともできる。このプリント
形成面は基材面側に接して設けられるものである。この
熱可塑性透明樹脂層は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化
ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリメチルペンテン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリ
ビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共
重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタアクリ
レート樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、非結晶ポリエチレンテレフ
タレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、フッ素系共重合体樹脂などの熱可
塑性樹脂から成型された透明フィルムを用いることがで
き、これらの透明フィルムは上記2種以上の熱可塑性樹
脂層から構成された多層構造のフィルムであってもよ
い。これらの透明フィルムに用いる熱可塑性樹脂は、繊
維布帛の表面を被覆するのに用いた熱可塑性樹脂と同一
であることが、基材との密着性の観点で好ましく、例え
ば、着色軟質ポリ塩化ビニル樹脂で繊維布帛を表面被覆
し、その表面にプリントを施した基材上に、軟質透明ポ
リ塩化ビニル樹脂層を形成し、その上に中間保護層と、
光触媒含有最外面層とを形成する組み合わせ、あるい
は、着色エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂で繊維布帛
からなる基体シートを表面被覆し、その表面にプリント
を施した基材に、透明エチレン−酢酸ビニル共重合体層
を形成し、その上に中間保護層と、光触媒含有最外面層
とを形成する組み合わせ、またあるいは、着色ポリウレ
タン樹脂で繊維布帛からなる基体シートを表面被覆し、
その表面にプリントを施し、この基材に透明ポリウレタ
ン樹脂層を形成し、その上に中間保護層と、光触媒含有
最外面層とを形成する組み合わせなどである。これらに
おいて、プリントは基材面側でなく、透明軟質ポリ塩化
ビニル樹脂層、透明エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
層、又は透明ポリウレタン樹脂層側に施されていてもよ
い。これらの透明フィルムは、公知のフィルム製造方
法、例えばT−ダイ押出法、T−ダイ共押出法、カレン
ダー法、インフレーション法によって成型され、基材の
プリント面に熱ラミネートによって、あるいは接着剤の
塗布によって積層することができ、またキャスティング
法によって、基材のプリント面に直接熱可塑性樹脂透明
層を形成させることもできる。また、熱可塑性透明樹脂
層は、着色されていない透明性を有するもの、あるいは
少量の有機系顔料によって微着色されて得られたもので
あってもよい。中間保護層が設けられた熱可塑性透明樹
脂層は、ヘイズ値(ASTM D1003)は10以
下、または光線透過率が80%以上の透明性を有するも
のであることが好ましい。これら熱可塑性透明樹脂層形
成用フィルムの厚さは、好ましくは20〜300μmで
あり、特により好ましくは50〜200μmである。前
記透明フィルムの厚さが300μmを越えると、得られ
る膜材の厚さが過度に厚くなり、取り扱い性が不良にな
ることがある。
【0049】光触媒含有最外面層は、光触媒物質を10
〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化
物ゲルを25〜89重量%、またケイ素化合物を1〜2
0重量%含有することが好ましい。光触媒含有最外面層
はこれらの光触媒物質、金属酸化物ゲル及び/又は金属
水酸化物ゲル、ケイ素化合物を含有する塗工剤を上記中
間保護層の表面に塗布、乾燥して形成される。光触媒含
有最外面層中に含まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属
水酸化物ゲルは、光触媒物質を固着し、またケイ素化合
物含有樹脂層面と強固に密着させ、さらにこれらの金属
酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルは多孔質であっ
て大きな表面積を有し、このため光触媒性物質の光触媒
活性を有効に発揮させることができる。光触媒含有最外
面層中に含まれる金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化
物ゲルの含有量は25〜89重量%であることが好まし
い。含有量が25重量%未満ではケイ素化合物含有樹脂
層との密着性が不十分となることがあり、またそれが8
9重量%を越えると光触媒物質の含有量が少なくなり光
触媒活性が十分に発揮させることはできないことがあ
る。さらに金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル
の乾燥物の比表面積は100m2 /g以上であることが
好ましく、このようにすることにより中間保護層との密
着性と、光触媒活性発揮効率とを向上させることができ
る。
【0050】前記金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化
物ゲルとしては、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、
ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラ
ム、タングステン、錫の金属から選ばれた1種または2
種以上の金属の酸化物ゲル、もしくは水酸化物ゲルであ
ることが好ましく、具体的にはシリカゾル、アルミナゾ
ル、ジルコニアゾル、酸化ニオブゾルなどが例示でき
る。また、これらの混合ゲルとして、共沈法で得られる
複合酸化物ゲルも使用できる。これらの金属酸化物ゲル
及び/又は金属水酸化物ゲルと光触媒性物質との混合に
は、これらのゲルとなる前のゾルの状態で混合するか、
もしくはゾルを調製する前の原料の段階で混合すること
が好ましい。金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲ
ルを調製する方法には、金属塩を加水分解する方法、中
和分解する方法、イオン交換する方法などがあるが、ゲ
ルの中に光触媒性物質が均一に分散可能であれば何れの
方法でも使用できる。本発明の美観持続性積層膜材の光
触媒含有最外面層に用いられる酸化物ゾルとしては、特
にジルコニウム及び、アルミニウムの酸化物ゾルが耐久
性の面で好ましく使用できる。
【0051】本発明の光触媒含有最外面層に用いる光触
媒性物質としては、TiO2 、ZnO、SrTiO3
CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO3 、K
2 NbO3 、Fe23 、Ta25 、WO3 、SnO
2 、Bi23 、NiO、Cu2 O、SiC、SiO
2 、MoS2 、InPb、RuO2 、CeO2 などを例
示することができ、またこれらの光触媒物質にPt、R
h、RuO2 、Nb、Cu、Sn、NiOなどの金属及
び金属酸化物を添加した公知のものが全て使用できる。
これらの光触媒物質のうち、酸化チタン(TiO2 )、
過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、(酸化亜鉛(Z
nO)、酸化錫(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム
(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化
ビスマス(Bi23 )、酸化鉄(Fe23 )及び、
これら光触媒物質を担持する無機系多孔質微粒子から選
ばれた金属酸化物を使用することが好ましい。光触媒物
質を担持する無機系多孔質微粒子としては、シリカ、
(合成)ゼオライト、チタンゼオライト、リン酸ジルコ
ニウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛カルシウム、ハ
イドロタルサイト、ヒドロキシアパタイト、シリカアル
ミナ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、ケイソウ土などであり、これらの無機系多孔質微粒
子の平均一次粒子径は0.01〜10μm、特に0.0
5〜5μmであることが好ましい。光触媒性物質を無機
系多孔質微粒子に担持させるには、光触媒性物質を含有
する金属アルコラートによるゾル−ゲル薄膜製造工程を
応用した表面処理が好ましい。
【0052】本発明の光触媒含有層に用いる光触媒性物
質としては、これらの中でバンドギャップエネルギーが
高く、化学的に安定で、しかも汎用性の金属酸化物であ
る酸化チタンを使用することが好ましい。光触媒性物質
としての酸化チタンは、硫酸チタニル、塩化チタン、チ
タンアルコキシドなどのチタン化合物を熱加水分解して
得られる酸化チタンゾル、及び酸化チタンゾルのアルカ
リ中和物として得られる酸化チタンなど、また水酸化チ
タン及び、チタン酸化物の超微粒子を過酸化水素などの
過酸化物でペルオキソ化して水中に分散したアナターゼ
型ペルオキソチタン酸分散液などから選ばれることが好
ましい。酸化チタンはアナターゼ型とルチル型の何れも
使用できるが、アナターゼ型の酸化チタンが光触媒活性
の大きさの観点で好ましい。具体的には、平均結晶子径
5〜20nmの塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル、
硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾルなどが好ましく
使用できる。光触媒性物質の粒径は小さい方が光触媒活
性に優れているため、平均粒子径50nm以下、より好ま
しくは20nm以下の光触媒性物質が適している。また、
酸化チタンとしては含水酸化チタン、水和酸化チタン、
メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンなども含
まれる。光触媒含有層中の光触媒の含有量は、多くなる
ほど光触媒活性が高くなるが、ケイ素化合物含有樹脂層
との接着性の観点から70重量%以下、10〜70重量
%が好ましい。光触媒性物質の配合量が10重量%未満
だと光触媒活性が不十分となることがあり、また光触媒
性物質の配合量が70重量%を越えると光触媒活性は高
くなるが中間保護層との密着性に劣るだけでなく、光触
媒含有層の表面摩耗強さを悪くするため、屋外耐久性が
十分に得られないことがある。
【0053】光触媒含有最外面層に使用するケイ素化合
物としてはポリシロキサンが好ましく使用され、この場
合、ゾルゲル法によりアルコキシシラン化合物を加水分
解、重縮合して得られるものが好ましく使用できる。こ
れらのアルコキシシラン化合物としては、本発明の美観
持続性積層膜材のケイ素化合物含有樹脂層に使用できる
アルコキシシラン化合物として例示したものが使用でき
る。これらのケイ素化合物は光触媒含有最外面層の重量
に対して1〜20重量%の量で使用することが好まし
い。光触媒性物質を含有する塗工剤の塗布の方法として
は、特別に限定される物ではないが、これらの光触媒性
物質を含有する塗工剤を中間保護層の表面上に均一、か
つ均質に塗布できる様なコーティング方式が望ましく、
例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート
法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロール
コート法、バーコート法、キスコート法、フローコート
法などが好適である。上記コーティング剤による光触媒
含有層の厚みは上記コーティング方法のいずれか、もし
くは、組み合わせによって0.1〜10μmの厚さに形
成させる事が望ましい。光触媒含有層の厚みが0.1μ
mよりも少ないと、本発明の美観持続性積層膜材の防汚
性、及び耐久性が十分に得られなく、また、10μmを
超えるとプリント絵柄や色彩を隠蔽し、見栄えを悪くす
るため好ましくない。
【0054】本発明の美観持続性積層膜材の接合(重ね
合わせ接着)には、膜材の光触媒含有最外面層及び、中
間保護層が形成されていない部分において、高周波ウエ
ルダー機を用いて高周波融着によって容易に接合を行う
ことができる。高周波融着法としては、2ヶ所の電極
(一方の電極は、ウエルドバーである)間にシート置
き、ウエルドバーで加圧しながら高周波(1〜200MH
z )で発振する電位差を印加することでシートの樹脂層
を分子摩擦熱で溶融させて接着するものである。また、
別の接合方法として、シートの光触媒含有層が形成され
ていない部分において、超音波振動子から発生する超音
波エネルギー(16〜30KHz )の振幅を増幅させ、膜
材の境界面に発生する摩擦熱を利用して融着を行う超音
波ウエルダー融着法、またはヒーターの電気制御によっ
て、20〜700℃に無段階設定された熱風を、ノズル
を通じて膜材間に吹き込み、膜材の表面を瞬時に溶融さ
せ、直後膜材を圧着して接着を行う熱風融着法、あるい
は熱可塑性樹脂の溶融温度以上にヒーター内臓加熱され
た金型(こて)を用いて被着体を圧着し接着する熱板融
着法などによっても接合が可能である。
【0055】
【実施例】本発明を、下記実施例、比較例を挙げてさら
に具体的に説明するが、本発明はこれらの例に範囲を限
定されるものではない。下記実施例及び比較例におい
て、積層膜材の防カビ性、防汚性などの性能の評価に下
記の試験方法が用いられた。
【0056】(I)屋外展張試験による防汚性の評価 幅20cm×長さ2mのテント用膜材を、光触媒含有最外
面層面を表側にして、陽当たりの良い南向きに設置した
曝露台の傾斜角30°の方向、及び垂直方向に、それぞ
れ1mずつ連続して展張し、屋外汚れ試験を18ヶ月間
行った。展張6ヶ月後、12ヵ月後、18ヵ月後にサン
プル小片を採取し、サンプル表面を脱脂綿でメタノール
清拭し、清拭前後の色差ΔE(JIS−Z−8729)
で数値化し、汚れ度合い下記の判定基準に従って防汚性
の評価を行った。※屋外展張は、埼玉県草加市内におい
て4月より開始した。 ΔE=0〜2.9:◎=汚れがなく良好。初期の状態を
維持している。 ΔE=3〜4.9:○=多少汚れているが、問題ない。 ΔE=5〜9.9:△=汚れと、雨筋が、目立つ。 ΔE=10〜 :×=汚れと、雨筋が酷く、実用的に
問題がある。
【0057】(II)屋外展張試験による防カビ性の評価 幅20cm×長さ2mのテント用膜材を、光触媒含有最外
面層面を表側にして、陽当たりの良い南向きに設置した
曝露台の傾斜角30°の方向、及び垂直方向に、それぞ
れ1mずつ連続して展張し、カビの観察を18ヶ月間行
った。また、同じテント膜材を、陽当たりの悪い北向き
に設置した曝露台の傾斜30°方向と垂直方向にそれぞ
れ1mずつ連続して展張し、それぞれ展張6ヶ月後、1
2ヵ月後、18ヵ月後にサンプル小片を採取し、カビの
発生の観察を行い、下記の判定基準に従って防カビ性の
評価を行った。※屋外展張は、埼玉県草加市内において
4月より開始した。 ○=外観観察ではカビの発生が認められない。初期の状
態を維持している。ルーペで20倍に拡大観察しても、
カビの発生が認められない。 △=外観観察ではカビの発生が認めないが、ルーペで2
0倍に拡大観察して、カビの発生を認める。問題ないレ
ベル。 ×=目視観察で、全面にカビの発生(φ1mm未満のコロ
ニー)を認める。 ××=目視観察で、全面にカビの発生(φ1〜3mmのコ
ロニー)を認める。
【0058】(III)促進試験による防カビ性の評価 テント膜材片(7×15cm)の光触媒含有最外面層面を
照射面として、サンシャインカーボンウエザーメーター
による耐光促進試験(JIS−L−0842)に240
時間、480時間、720時間供し、この試料の光触媒
含有最外面層の表面に、下記カビの胞子混合物を含む寒
天培地を滴下し、シャーレの中で28℃×7日間カビの
発生状況を観察し、下記の判定基準で評価を行った。 ○=外観観察ではカビの発生が認められない。初期の状
態を維持している。ルーペで20倍に拡大観察しても、
カビの発生が認められない。 △=外観観察ではカビの発生を認めないが、ルーペで2
0倍に拡大観察して、カビの発生を認める。問題ないレ
ベル。 ×=目視観察で、全面にカビの発生(φ3mm未満のコロ
ニー)を認める。 ××=目視観察で、全面にカビの発生(φ3〜8mmのコ
ロニー)を認める。 〈試験用カビ〉(1)+(2)+(3) の混合カビ (1).Aspergillus niger FERM S-1(黒カビ) (2).Penicillium citrinum FERM S-5(青カビ) (3).Cladosporium cladosporioides FERM S-8(クロカ
ワカビ)
【0059】(IV)繰り返し促進試験による防カビ性の
評価 (III)で240時間耐光促進試験し、カビの培養試験を
行ったテント用膜材片を、さらに240時間耐光促進試
験を追加し、2回目のカビの培養試験を試験(III)と同
様にして行い、シャーレの中で28℃×7日間カビの発
生状況を観察し、試験(III)と同じ判定基準で評価を行
った。2回目のカビの培養試験を終えたテント用膜材片
を、さらに240時間耐光促進試験を追加し、3回目の
カビの培養試験を試験(III)と同様にして行い、シャー
レの中で28℃×7日間カビの発生状況を観察し、試験
(III)と同じ判定基準で評価を行った。
【0060】〔実施例1〕 −(i)繊維布帛(A)の塩化ビニル樹脂組成物による
被覆処理− 繊維布帛(A):5号ポリエステル繊維スパン糸平織布
(ポリエステル短繊維紡績糸条:糸密度、経糸295dt
ex(20番手)・双糸51本/2.54cm×緯糸295
dtex(20番手)・双糸48本/2・54cm:質量25
0g/m2 )を基材として用い、これを下記ペースト塩
化ビニル樹脂組成物:PVC(1)を溶剤で希釈したオ
ルガノゾル浴中にディップ(浸漬)し、PVC(1)を
含浸させた繊維布帛(A)の引き上げと同時にマングル
ローラーでニップ(圧搾)し、繊維布帛(A)に対し
て、145g/m2 のPVC(1)を繊維布帛(A)両
面全面に均等に含浸付着させた。次に、140℃の熱風
炉中で1分間、半ゲル化させて乾燥させた後、175℃
の熱風炉中で1分間熱処理を行い、樹脂をゲル化させ、
その直後に180℃の熱ロール(押圧0.2Mpa)を通過
させ、前記樹脂被覆された基材に熱プレスを施した。次
に、この樹脂被覆基材を再びPVC(1)浴中にディッ
プし、さらに樹脂を付着させた後、今度はドクターナイ
フで樹脂コーティングを行った。この基材を140℃の
熱風炉中で1分間、半ゲル化させて乾燥させた後、17
5℃の熱風炉中で1分間熱処理を行い、樹脂をゲル化さ
せ、直後180℃の熱ロール(押圧0.2Mpa)を通過さ
せ、樹脂被覆基材に熱プレスを施し、PVC(1)によ
り表面被覆された、厚さ0.46mm、質量490g/m
2のシート状基材を得た。 〈塩化ビニル樹脂組成物:PVC(1)〉 ペースト塩化ビニル樹脂(P=1600) 100重量部 DOP(可塑剤) 25重量部 塩素化n−パラフィン 15重量部 アジピン酸ポリエステル 30重量部 エポキシ化大豆油(ESBO) 4重量部 炭酸カルシウム 10重量部 Ba−Zn系安定剤 2重量部 ルチル型酸化チタン 5重量部 有機防カビ剤(OBPA) 0.2重量部 紫外線吸収剤 0.3重量部 酸化防止剤 0.2重量部 溶剤(トルエン) 20重量部 〔註〕 ※塩化ビニル樹脂:商標:ZEST−P21(新第一塩ビ(株)) ※DOP:商標:サンソサイザーDOP(新日本理化(株)) ※塩素化n−パラフィン:商標:アデカサイザーE−500 (旭電化工業(株)) ※アジピン酸ポリエステル:商標:アデカサイザーPN−446 (旭電化工業(株)) ※エポキシ化大豆油:商標:アデカサイザーO−130P (旭電化工業(株)) ※炭酸カルシウム:商標:ライトンBS(備北粉化工業(株)) ※Ba−Zn系安定剤:商標:KV−400B(共同薬品(株)) ※ルチル型酸化チタン:商標:酸化チタンCR:(石原産業(株)) ※有機防カビ剤:商標:バイナジンBP−5−2 (10,10′−オキシビスフェノキシアルシン: モートン・チオコール社) ※紫外線吸収剤:商標:バイオソーブ510(ベンゾトリアゾール系: 共同薬品(株)) ※酸化防止剤:商標:イルガノックスE201(ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))
【0061】−(ii)PVC(1)被覆基材に対するプ
リント(グラビア印刷)− (i)で得たPVC(1)被覆基材の片面に、100メ
ッシュのストライプ絵柄が彫刻されたグラビアロールを
有する印刷機と、下記グラビアインキを用いて、10cm
幅のエメラルドグリーン色のストライプを等間隔でプリ
ントし、80℃の熱風炉で乾燥した。インキのプリント
量は10g/m2 (wet)である。 〈グラビアインキ〉 ストライプ(エメラルドグリーン色:無機系顔料含有率71重量%) 商標:VCFL79(草):東洋インキ製造(株): 固形分含有量37重量% C.I.Pigment:Green-36含有量8重量% 38重量部 商標:VCFL61(白):東洋インキ製造(株): 固形分含有量44重量% C.I.Pigment:White-4 含有量12重量% 62重量部 商標:マットメジュウム(シリカ15重量%含有クリア): 東洋インキ製造(株) 10重量部 商標:ULS−933LP:ベンゾトリアゾール系高分子紫外線吸収剤: 一方社油脂工業(株) 3重量部 商標:バイナジンBP−5−2: (10,10′−オキシビスフェノキシアルシン) :モートン・チオコール社 0.1重量部 商標:イルガノックスE201(ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン/メチルエチルケトン(50/50重量比) 30重量部 無機系顔料:有機系顔料比=93:38
【0062】−(iii)中間保護層の形成− 次にPVC(1)被覆基材のプリント形成面全面上に、
中間保護層を形成する下記ケイ素化合物含有樹脂の塗工
液を80メッシュのグラビアロールを有するコーターで
15g/m2 塗布(wet)し、100℃の熱風炉で1
分間乾燥させた。(固形分付着量3g/m2 ) 〈中間保護層塗工液〉 (1)シリコン含有量3mol%のアクリル−シリコン樹脂を8重量% (固形分)含有するエタノール−酢酸エチル溶液(50/50重量比) 100重量部 (2)ポリシロキサンとして、コルコート(株)製のメチルシリケート (商標:コルコートMS−51)の20重量%エタノール溶液 8重量部 (3)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (シランカップリング剤) 1重量部 (4)TBZを担持した銀−ゼオライト(下記参照) 1重量部前記TBZ(4)を担持した銀−ゼオライトの調製 TBZ(2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾー
ル:商標:サンアイゾール100:三愛石油(株))を
1重量%濃度でメタノール中に溶解して得られたメタノ
ール溶液100mlに、銀を2.5重量%担持した合成ゼ
オライト(Ag・0.05Ag2 O・0.85ZnO・
0.1Na2 O・Al23 ・2SiO2・nH2 O:
平均粒子径1.0μm:商標:ゼオミック:品川燃料
(株))10gと、シランカップリング剤(γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン:SH6040:東
レ・ダウコーニングシリコーン(株))1gとを加え、
1時間撹拌し、この混合液からメタノール溶媒を減圧除
去後、100℃で乾燥し、約11.5gの白色粉末を得
た。この白色粉末が担持するTBZの理論量は、ゼオラ
イト100重量部に対し10重量部であった。
【0063】−(iv)光触媒含有最外面層の形成− 次に、中間保護層の表面全面上に、光触媒含有最外面層
を形成するための下記処理液を100メッシュのグラビ
アロールを有するコーターを用い、12g/m 2 塗布
(wet)し、100℃の熱風炉中で1分間乾燥させ、
質量493g/m 2 の、塩化ビニル樹脂被覆されたテン
ト用膜材を得た。 〈光触媒含有層形成処理液〉 (1)酸化チタン含有量10重量%に相当する硝酸酸性酸化チタンゾル を分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液 100重量部 (2)酸化ケイ素含有量10重量%に相当する硝酸酸性シリカゾルを 分散させた水−エタノール(50/50重量比)溶液 100重量部
【0064】−(i)繊維布帛(A)の塩化ビニル樹脂
組成物による被覆処理− 実施例1と同一の繊維布帛(A)を基材として用い、こ
れを実施例1と同一のペースト塩化ビニル樹脂組成物:
PVC(1)を溶剤で希釈したオルガノゾル浴中にディ
ップ(浸漬)し、PVC(1)を含浸させた繊維布帛
(A)の引き上げと同時にマングルローラーでニップ
(圧搾)し、繊維布帛(A)に対して、145g/m2
のPVC(1)を繊維布帛(A)両面全面に均等に含浸
付着させた。次に、140℃の熱風炉中で1分間、半ゲ
ル化させて乾燥させた後、175℃の熱風炉中で1分間
熱処理を行い、樹脂をゲル化させ、直後180℃の熱ロ
ール(押圧0.2Mpa)を通過させ、樹脂被覆基材に熱プ
レスを施した。次に、この樹脂被覆基材の片面に、下記
ストレート塩化ビニル樹脂組成物:PVC(2)のコン
パウンドを165℃の熱条件で混練し、カレンダー圧延
成型して得られた厚さ0.1mmのPVC(2)フィルム
を、160℃に設定した熱ロールと赤外線ヒーターとを
備えたラミネーターを用いて、熱圧着法で積層し、厚さ
0.50mm、質量544g/m2 の基材を得た。 〈塩化ビニル樹脂組成物:PVC(2)〉 ストレート塩化ビニル樹脂(P=1050) 100重量部 DOP(可塑剤) 30重量部 塩素化n−パラフィン 10重量部 アジピン酸ポリエステル 30重量部 エポキシ化大豆油(ESBO) 4重量部 Ba−Zn系安定剤 2重量部 ルチル型酸化チタン 5重量部 有機防カビ剤(OBPA) 0.2重量部 紫外線吸収剤 0.3重量部 酸化防止剤 0.2重量部 〔註〕 ※塩化ビニル樹脂:商標:ZEST1000S(新第一塩ビ(株)) ※DOP:商標:サンソサイザーDOP(新日本理化(株)) ※塩素化n−パラフィン:商標:アデカサイザーE−500 (旭電化工業(株)) ※アジピン酸ポリエステル:商標:アデカサイザーPN−446 (旭電化工業(株)) ※エポキシ化大豆油:商標:アデカサイザーO−130P (旭電化工業(株)) ※Ba−Zn系安定剤:商標:KV−400B(共同薬品(株)) ※ルチル型酸化チタン:商標:酸化チタンCR:(石原産業(株)) ※有機防カビ剤:商標:バイナジンBP−5−2 (10,10′−オキシビスフェノキシアルシン: モートン・チオコール社) ※紫外線吸収剤:商標:バイオソープ510(共同薬品(株)) ※酸化防止剤:商標:イルガノックスE201(ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))
【0065】−(ii)インクジェット印刷用透明樹脂層
の形成− PVC(1)とPVC(2)によって表面被覆した、繊
維布帛(A)基材のPVC(2)フィルム形成面に、下
記組成のアクリル系樹脂からなる表面処理剤を80メッ
シュのグラビアロールを有するコーターを用いて8g/
2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風炉を2分間
通過させ溶剤の乾燥を行い、インクジェット用透明樹脂
層を形成した。厚さ0.51mm、質量552g/m2
基材を得た。 〈アクリル系表面処理剤〉 商標:ソニーボンドSC−474:ソニーケミカル(株): アクリル系共重合樹脂(固形分30重量%:溶剤キシレン、 メチルセロソルブ、MEK) 100重量部 商標:E−170:日本シリカ工業(株): 含水シリカ(含水率6wt%) 15重量部 商標:ULS−933LP:ベンゾトリアゾール系高分子紫外線吸収剤 (固形分50重量%):一方社油脂工業(株) 2重量部 商標:バイナジンBP−5−2:(OBPA) (10,10′−オキシビスフェノキシアルシン: モートン・チオコール社) 0.1重量部 希釈剤:MEK(メチルエチルケトン) 50重量部
【0066】−(iii)PVC(1)/(2)被覆基材
上の透明樹脂層表面に対するプリント(インクジェット
印刷)− (i)で得た塩化ビニル樹脂被覆基材のインクジェット
用透明樹脂層表面に、武藤工業(株)製の溶剤インク描
画型インクジェットプリンター(ラミレスPJ−130
4NX(オンデマンド方式)を用いて、音楽CDのジャ
ケット絵柄(アーティスト名:RENAISSANCE /タイト
ル:四季「A SONG FOR ALL SEASONS/規格番号:WPC
R−1447/(株)ワーナーミュージック・ジャパ
ン)を1200mm×1200mm大にフルカラー拡大出力
(インクジェット印刷)した。印刷は、シアン、マゼン
タ、イエロー、ブラックの4色のインクを用いて出力3
84dpiで行った。
【0067】−(iv)中間保護層の形成− (iii)でプリントを施した透明樹脂層の全面上に、実施
例1と同一組成の中間保護層用塗工液を用い、同様の方
法で中間保護層を形成した。(固形分付着量3g/m
2 )但し、実施例1の中間保護層塗工液に配合されたT
BZ担持ゼオライト1重量部を、下記TBZ担持シリカ
1重量部に変更した。TBZを担持したシリカの調製 TBZ(2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾー
ル:商標:サンアイゾール100:三愛石油(株))を
1重量%濃度でメタノールに溶解し、得られたメタノー
ル溶液100mlに、シリカ(商標:ニップシールE−2
20A:平均粒子径1.0μm:日本シリカ工業
(株))10gと、シランカップリング剤(γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン:SH6040:東
レ・ダウコーニングシリコーン(株))1gとを加え、
1時間撹拌し、この混合液からメタノール溶媒を減圧除
去後、100℃で乾燥し、約11.8gの白色粉末を得
た。この白色粉末が担持するTBZの理論量は、シリカ
100重量部に対し10重量部であった。
【0068】−(v)光触媒含有層の形成− (iv)の中間保護層の全面上に、光触媒含有最外面層を
形成するための実施例1と同一組成の処理液を用いて光
触媒含有最外面層を形成した。厚さ0.52mm、質量5
60g/m2 の塩化ビニル樹脂被覆テント用膜材を得
た。
【0069】〔実施例3〕 −(i)繊維布帛(A)のポリウレタン樹脂による被覆
処理− 実施例1と同一の繊維布帛(A):5号ポリエステル繊
維平織スパン基布を基材として、下記ポリウレタン樹脂
エマルジョン組成物:PU(1)浴中にディップ(浸
漬)し、樹脂含浸した繊維布帛(A)の引き上げと同時
にマングルローラーでニップ(圧搾)し、繊維布帛
(A)に対して、78g/m2 のPU(1)を繊維布帛
(A)両面全面に均等に含浸付着させ、次いで100℃
の熱風炉で2分間乾燥させ、直後180℃の熱ロール
(押圧0.2Mpa)を通過させ、樹脂被覆基材に熱プレス
を施した。次に、この樹脂被覆基材を再びPU(1)浴
中にディップし、さらに樹脂を付着させた後、今度はド
クターナイフで樹脂コーティングを行った。この基材を
100℃の熱風炉で2分間乾燥させ、直後180℃の熱
ロール(押圧0.2Mpa)を通過させ、樹脂被覆基材に熱
プレスを施した。PU(1)により表面被覆され、厚さ
0.40mm、質量394g/m2 の基材を得た。 〈ポリウレタン樹脂配合組成:PU(1)〉 商標:パーミュセンRU−40−350:アビシア(株) ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン: (固形分40重量%) 100重量部 商標:MC−640:メラミン・シアヌレート:日産化学(株) 25重量部 商標:カルボジライトV−02:日清紡(株):カルボジイミド化合物 (固形分40重量%) 3重量部 商標:リュウダイ−W69ホワイト:大日本インキ化学工業(株): 水性顔料(白:酸化チタン:固形分50重量%) 6重量部 商標:サンアイゾールTBZ FL25:2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾールの25重量%濃度水分散液:三愛石油(株) 1重量部 商標:ULS−383MG:一方社油脂工業(株): ベンゾフェノン系高分子エマルジョン(固形分30重量%) 4重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部
【0070】−(ii)中間保護層の形成− 実施例1のケイ素化合物含有樹脂層を形成する塗工液を
下記組成に変更し、(i)のPU(1)樹脂被覆層の片
面全面上に中間保護層を形成した。(固形分付着量3g
/m2 ) 〈ケイ素化合物含有樹脂層:フッ素系樹脂ベース塗工剤〉 商標:ルミフロンLF200C:旭硝子(株): フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体 (固形分60wt%:溶剤=キシレン) 100重量部 商標:タケネートD−170N:武田薬品工業(株): ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 (固形分100wt%) 10重量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30wt%) 30重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 OBPAを担持した多孔質ケイ酸塩(下記参照) 1重量部 希釈剤:トルエン 200重量部 OBPAを担持した多孔質ケイ酸塩の調製 OBPA(商標:バイナジンBP−5−2:10,1
0′−オキシビスフェノキシアルシン:モートン・チオ
コール社)を1重量%濃度で溶解して含むメチルエチル
ケトン溶液100mlと、多孔質ケイ酸塩に酸化チタンを
1重量%担持させた無機系粒子「PC−301」:平均
粒子径5〜7μm、比表面積300m2 /g:ライオン
(株))10gと、シランカップリング剤(γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン:SH6040:東
レ・ダウコーニングシリコーン(株))1gとを加え、
1時間撹拌し、メチルエチルケトン溶媒を減圧除去後、
100℃で乾燥し、約11.6gの白色粉末を得た。こ
の白色粉末が担持するOBPAの理論量は、酸化チタン
担持多孔質ケイ酸塩100重量%に対し10重量%であ
った。
【0071】−(iii)光触媒含有最外面層の形成− (ii)の中間保護層の全面上に、光触媒含有層を形成す
る実施例1と同一組成の処理液を用いて光触媒含有層を
形成した。厚さ0.41mm、質量398g/m 2 のポリ
ウレタン樹脂被覆テント用膜材を得た。
【0072】〔実施例4〕 −(i)繊維布帛(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂による被服処理− 実施例1と同一の繊維布帛(A):5号ポリエステル繊
維平織スパン基布を基材として、下記エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂エマルジョン組成物:EVA(1)浴
中にディップ(浸漬)し、樹脂含浸した繊維布帛(A)
の引き上げと同時にマングルローラーでニップ(圧搾)
し、繊維布帛(A)に対して、72g/m2 のEVA
(1)を繊維布帛(A)両面全面に均等に含浸付着さ
せ、次いで100℃の熱風炉で2分間乾燥させ、直後1
80℃の熱ロール(押圧0.2Mpa)を通過させ、樹脂被
覆基材に熱プレスを施した。次に、この樹脂被覆基材を
再びEVA(1)浴中にディップし、さらに樹脂を付着
させた後、今度はドクターナイフで樹脂コーティングを
行った。この基材を100℃の熱風炉で2分間乾燥さ
せ、直後180℃の熱ロール(押圧0.2Mpa)を通過さ
せ、樹脂被覆基材に熱プレスを施した。EVA(1)に
より表面被覆され、厚さ0.40mm、質量380g/m
2 の基材を得た。 〈エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂配合組成:EVA(1)〉 商標:スミカフレックスS−951:住友化学工業(株): エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン (固形分55重量%) 70重量部 商標:リカボンドBE−1502:中央理化工業(株): エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン (固形分50重量%) 30重量部 商標:MC−640:メラミン・シアヌレート:日産化学(株) 25重量部 商標:カルボジライトV−02:日清紡(株): カルボジイミド化合物(固形分40重量%) 3重量部 商標:リュウダイ−W69ホワイト:大日本インキ化学工業(株): 水性顔料(白:酸化チタン:固形分50重量%) 6重量部 商標:サンアイゾールTBZ FL25:2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾールの25重量%濃度水分散液: 三愛石油(株) 1重量部 商標:ULS−383MG:一方社油脂工業(株): ベンゾフェノン系高分子エマルジョン(固形分30重量%) 4重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部
【0073】−(ii)EVA(1)被覆基材に対するプ
リント(スクリーン印刷)− (i)で得たEVA(1)被覆基材の片面に、225メ
ッシュ線で「HIRAOKA」のアルファベット・ゴシ
ック体文字を製版したスクリーン孔版と、下記スクリー
ンインキを用いて印刷した。 〈スクリーンインキ組成〉 70B−レッド:固形分56重量%:ポリアゾレッド(C.I.Pigment:Red144) 含有量12重量%:無機系体質顔料14重量%: セイコーアドバンス(株) 40重量部 70B−ホワイト:固形分64重量%:ルチル型酸化チタン (C.I.Pigment:White-4) 含有量26重量%: 無機系体質顔料10重量%:セイコーアドバンス(株) 60重量部 商標:サンアイゾール100:2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール(TBZ):三愛石油(株) 0.1重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部 希釈剤:シクロヘキサノン/キシレン(30/70) 10重量部 ※無機系顔料:有機系顔料混合重量比=12:39(無機系顔料含有率76重 量%)
【0074】−(iii)中間保護層の形成− 実施例1の中間保護層を形成する塗工液を下記組成に変
更し、(i)のEVA(1)樹脂被覆層の片面全面上に
中間保護層を形成した。(固形分付着量3g/m2 ) 〈中間保護層:エポキシ−シリコン系樹脂ベース塗工剤〉 商標:セルトップ#056:ダイセル化学工業(株): エポキシ−シリコン系共重合体(固形分50wt%: 溶剤=キシレン/酢酸イソブチル/MEK) 100重量部 商標:SZ6079:東レ・ダウコーニングシリコーン(株): ヘキサメチルジシラザン 5重量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30wt%) 15重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 OBPAを担持した亜鉛−リン酸ジルコニウム(下記参照) 1重量部 希釈剤:トルエン/MEK(重量比:50/50) 200重量部OBPAを担持した亜鉛−リン酸ジルコニウムの調製 OBPA(商標:バイナジンBP−5−2:10,1
0′−オキシビスフェノキシアルシン:モートン・チオ
コール社)を1重量%濃度で溶解して含むメチルエチル
ケトン溶液100mlと、リン酸ジルコニウムに亜鉛を3
重量%担持させた無機系粒子(商標:ノバロンVZ10
0:平均粒子径8μm:東亜合成化学(株))10g
と、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン:SH6040:東レ・ダウコーニ
ングシリコーン(株))1gとを加え、1時間撹拌し、
メチルエチルケトン溶媒を減圧除去後、100℃で乾燥
し、約11.7gの白色粉末を得た。この白色粉末が担
持するOBPAの理論量は、亜鉛担持リン酸ジルコニウ
ム100重量%に対し10重量%であった。
【0075】−(iv)光触媒含有層の形成− 実施例1と同一とし、上記(iii)の中間保護層の全面上
に光触媒含有最外面層を形成した。厚さ0.41mm、質
量385g/m2 のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
被覆テント用膜材を得た。
【0076】〔実施例5〕 −(i)繊維布帛(B)の塩化ビニル樹脂による被覆処
理− 繊維布帛(B):ポリエステル繊維平織基布(555dt
exポリエステルマルチフィラメント糸条:糸密度経糸2
3本/2.54cm×緯糸23本/2.54cm:質量10
0g/m2 )を基材として、実施例2と同一の塩化ビニ
ル樹脂配合組成物:PVC(2)を165℃の熱条件で
混練し、カレンダー圧延成型により、厚さ0.18mmの
フィルムを得た。次に160℃に設定した熱ロールと赤
外線ヒーターとを備えたラミネーターを用いて、繊維布
帛(B)の両面にPVC(2)フィルムを熱圧着法で積
層した。厚さ0.44mm、質量528g/m2 の基材を
得た。
【0077】−(ii)PVC(2)被覆基材に対するプ
リント(グラビア印刷)− 次に、(i)で得たPVC(2)被覆基材の片面に、1
00メッシュのストライプ絵柄が彫刻されたグラビアロ
ールを有する印刷機を用い、10cm幅のオレンジ色のス
トライプを等間隔でプリントし、80℃で乾燥した。イ
ンキのプリント量は10g/m2 (wet)であった。 〈グラビアインキ〉 ストライプ(オレンジ色:無機系顔料含有率70重量%) 商標:VCFL182(赤):東洋インキ製造(株): 固形分含有量36重量% C.I.Pigment:Red-57含有量7重量% 20重量部 商標:VCFL262(黄):東洋インキ製造(株): 固形分含有量38重量% C.I.Pigment:Yellow-12 含有量8重量% 20重量部 商標:VCFL61(白):東洋インキ製造(株): 固形分含有量44重量% C.I.Pigment:White-4 含有量12重量% 60重量部 商標:マットメジュウム(シリカ15重量%含有クリア): 東洋インキ製造(株) 10重量部 商標:サンアイゾール100:2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール(TBZ): 三愛石油(株)) 0.1重量部 商標:ULS−933LP:ベンゾトリアゾール系高分子紫外線吸収剤: 一方社油脂工業(株) 3重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.1重量部 希釈剤:トルエン/メチルエチルケトン(50/50重量比) 30重量部 ※無機系顔料:有機系顔料比=12:5
【0078】−(iii)中間保護層の形成− 実施例1の中間保護層を形成する塗工液を下記組成に変
更し、(i)のEVA(1)樹脂被覆層の片面全面上に
中間保護層を形成した。(固形分付着量3g/m2 ) 〈ケイ素化合物含有樹脂層:アクリル−シリコン系樹脂ベース塗工剤〉 商標:ネオシリカ#4000クリアー:イサム塗料(株): アクリル−シリコーン共重合体(固形分50wt%: 溶剤=MEK/トルエン) 100重量部 商標:SZ6079:東レ・ダウコーニングシリコーン(株): ヘキサメチルジシラザン 5重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 商標:ノバロンVZ100:リン酸ジルコニウムに亜鉛を 3重量%担持させた平均粒子径8μmの無機系粒子: 東亜合成化学(株)) 1重量部 希釈剤:MEK/トルエン(重量比:50/50) 200重量部
【0079】−(iv)光触媒含有最外面層の形成− 上記(iii)の中間保護層の全面上に、実施例1と同一の
光触媒含有最外面層を形成した。厚さ0.45mm、質量
534g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂被覆テント用膜材
を得た。
【0080】〔実施例6〕 −(i)繊維布帛(B)の塩化ビニル樹脂による被覆処
理− 実施例5の塩化ビニル樹脂配合組成物:PVC(2)
を、下記塩化ビニル樹脂配合組成物:PVC(3)に変
更したこと以外は実施例5と同一とし、厚さ0.44m
m、質量513g/m2 の基材を得た。 〈塩化ビニル樹脂配合組成物:PVC(3)〉 ストレート塩化ビニル樹脂(P=1050) 100重量部 高分子可塑剤 70重量部 アジピン酸ポリエステル 30重量部 エポキシ化大豆油(ESBO) 4重量部 炭酸カルシウム 10重量部 Ba−Zn系安定剤 2重量部 ルチル型酸化チタン 5重量部 有機防カビ剤(OBPA) 0.2重量部 紫外線吸収剤 0.3重量部 酸化防止剤 0.2重量部 〔註〕 ※塩化ビニル樹脂:商標:ZEST1000S(新第一塩ビ(株)) ※高分子可塑剤:商標:エルバロイ742:エチレン−酢酸ビニル−一酸化 炭素三元共重合体:MW25000(三井デュポン・ポリケミカル(株)) ※アジピン酸ポリエステル:商標:アデカサイザーPN−446 (旭電化工業(株)) ※エポキシ化大豆油:商標:アデカサイザーO−130P (旭電化工業(株)) ※炭酸カルシウム:商標:ライトンBS(備北粉化工業(株)) ※Ba−Zn系安定剤:商標:KV−400B(共同薬品(株)) ※ルチル型酸化チタン:商標:酸化チタンCR:(石原産業(株)) ※有機防カビ剤:商標:バイナジンBP−5−2: (10,10′−オキシビスフェノキシアルシン): モートン・チオコール社 ※紫外線吸収剤:商標:バイオソープ510(ベンゾトリアゾール系: 共同薬品(株)) ※酸化防止剤:商標:イルガノックスE201(ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))
【0081】−(ii)インクジェット印刷用透明樹脂層
の形成− 繊維布帛(B)をPVC(3)で表面被覆した基材の片
面に、実施例2と同一組成のアクリル系樹脂からなる表
面処理剤を実施例2と同法により、80メッシュのグラ
ビアロールを有するコーターを用いて8g/m2 の固形
分付着量で塗布した。インクジェット用受容層が形成さ
れ、厚さ0.45mm、質量521g/m 2 の基材を得
た。
【0082】−(iii)PVC(3)被覆基材上の透明
樹脂層に対するプリント(インクジェット印刷)− (ii)で得た、PVC(3)被覆基材上のインクジェッ
ト印刷用透明樹脂層の表面に、武藤工業(株)製の溶剤
インク描画型インクジェットプリンター(ラミレスPJ
−1304NX(オンデマンド方式)を用いて、音楽C
Dのジャケット絵柄(アーティスト名:JUDAS PRIEST/
タイトル:PAINKILLER/規格番号:ESCA−5159
/(株)エピック・ソニー)を1200mm×1200mm
大にフルカラー拡大出力(インクジェット印刷)した。
印刷は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色
のインクを用いて出力384dpi で行った。
【0083】−(iv)中間保護層の形成− 実施例1の無機系化合物を主体とする防カビ剤中のTB
Zを担持したゼオライト1重量部を、TBZ−銀を担持
したシリカ1重量部に変更したこと以外は、実施例1の
中間保護層用塗工液と同一とし、(iii)のPVC(3)
被覆層のプリント形成面の全面上に中間保護層を形成し
た。(固形分付着量3g/m2TBZ−銀を担持したシリカの調製 TBZを1重量%濃度で溶解して含むメタノールに溶液
に、10重量%濃度の硝酸銀水溶液を加えて撹拌し、T
BZと銀のコンプレックス(TBZ−銀)を得た。次に
ケイ酸ナトリウム(JIS1号水ガラス)水溶液とTB
Z−銀とをカルボキシメチルセルロースの存在下で撹拌
し、得られた生成物を硫酸アンモニウムで中和し多孔質
を形成した。得られた沈殿物を乾燥して、TBZ−銀を
担持する多孔質シリカを得た。この化合物のTBA−銀
含有量は3.8重量%で、銀の含有量は1.0重量%で
あった。
【0084】−(v)光触媒含有最外面層の形成− 上記(iv)の中間保護層の全面上に、実施例1と同一の
光触媒含有最外面層を形成した。厚さ0.46mm、質量
526g/m2 のポリ塩化ビニル樹脂被覆テント用膜材
を得た。
【0085】〔実施例7〕 −(i)繊維布帛(B)のポリエステル樹脂による被覆
処理− 実施例5と同一の繊維布帛(B):ポリエステル繊維平
織基布を基材として、下記ポリエステルエラストマー配
合組成物:PEE(1)を210℃の熱条件で混練し、
T−ダイ押出成型により、厚さ0.18mmのフィルムを
得た。次に180℃に設定した熱ロールと赤外線ヒータ
ーとを備えたラミネーターを用いて、繊維布帛(B)の
両面に、PEE(1)フィルムを熱圧着法で積層した。
厚さ0.44mm、質量530g/m2 の基材を得た。 〈ポリエステルエラストマー配合組成:PEE(1)〉 商標:ハイトレル3548W:ポリエーテル・エステル: 硬度85A:東レ・デュポン(株)) 100重量部 商標:MC−640:メラミン・シアヌレート:日産化学(株) 25重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部 商標:LicowaxE:モンタン酸エステルワックス: クラリアントジャパン 0.2重量部 商標:酸化チタンCR:ルチル型:石原産業(株) 5重量部 商標:サンアイゾール100(TBZ):2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール:三愛石油(株) 0.2重量部
【0086】−(ii)PEE(1)被覆層に対するプリ
ント(スクリーン印刷)− (i)で得られたPEE(1)被覆基材の片面に、22
5メッシュのステンドグラス絵柄が製版されたスクリー
ン孔版5枚を用い、5色(青、赤、黄、緑、黒)のステ
ンドグラス絵柄を印刷し、80℃で乾燥した。ステンド
グラス絵柄は1色に1枚のスクリーン孔版を使用し、
青、赤、黄、緑のベタ印刷部面積が各々18%、この4
色の縁取り線の黒のベタ印刷面積が28%に設定した。
※このステンドグラス絵柄は幾何学模様であった。 〈スクリーンインキ:青〉 70B−ブルー:固形分56重量%:シアニンブルー(C.I.Pigment:Red-15) 含有量12重量%:無機系体質顔料14重量%: セイコーアドバンス(株) 80重量部 70B−ホワイト:固形分64重量%:ルチル型酸化チタン (C.I.Pigment:White-4) 含有量26重量%: 無機系体質顔料10重量%:セイコーアドバンス(株) 20重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部 商標:サンアイゾール100(TBZ):2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール:三愛石油(株) 0.1重量部 希釈剤:シクロヘキサノン/キシレン(30/70) 10重量部 〈スクリーンインキ:赤〉 70B−レッド:固形分56重量%:ポリアゾレッド(C.I.Pigment:Red-144) 含有量12重量%:無機系体質顔料14重量%: セイコーアドバンス(株) 80重量部 70B−ホワイト:固形分64重量%:ルチル型酸化チタン (C.I.Pigment:White-4) 含有量26重量%: 無機系体質顔料10重量%:セイコーアドバンス(株) 20重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部 商標:サンアイゾール100(TBZ):2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール:三愛石油(株) 0.1重量部 希釈剤:シクロヘキサノン/キシレン(30/70) 10重量部 〈スクリーンインキ:黄〉 70B−イエロー:固形分56重量%:ジスアゾイエロー (C.I.Pigment:Yellow-12) 含有量12重量%: 無機系体質顔料14重量%:セイコーアドバンス(株) 80重量部 70B−ホワイト:固形分64重量%:ルチル型酸化チタン (C.I.Pigment:White-4) 含有量26重量%: 無機系体質顔料10重量%:セイコーアドバンス(株) 20重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部 商標:サンアイゾール100(TBZ):2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール:三愛石油(株) 0.1重量部 希釈剤:シクロヘキサノン/キシレン(30/70) 10重量部 〈スクリーンインキ:緑〉 70B−グリーン:固形分56重量%:フタロシアニングリーン (C.I.Pigment:Green-7) 含有量12重量%: 無機系体質顔料14重量%:セイコーアドバンス(株) 80重量部 70B−ホワイト:固形分64重量%:ルチル型酸化チタン (C.I.Pigment:White-4) 含有量26重量%: 無機系体質顔料10重量%:セイコーアドバンス(株) 20重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部 商標:サンアイゾール100(TBZ):2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール:三愛石油(株) 0.1重量部 希釈剤:シクロヘキサノン/キシレン(30/70) 10重量部 〈スクリーンインキ:黒〉 70B−ブラック:固形分56重量%:カーボンブラック (C.I.Pigment:Bluck-7) 含有量10重量%: 無機系体質顔料14重量%:セイコーアドバンス(株) 80重量部 70B−ホワイト:固形分64重量%:ルチル型酸化チタン (C.I.Pigment:White-4) 含有量26重量%: 無機系体質顔料10重量%:セイコーアドバンス(株) 20重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部 商標:サンアイゾール100(TBZ):2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール:三愛石油(株) 0.1重量部 希釈剤:シクロヘキサノン/キシレン(30/70) 10重量部
【0087】−(iii)中間保護層の形成− 実施例1の中間保護層を形成する塗工液を下記組成に変
更し、(ii)のPEE(1)樹脂被覆層のプリント面全
面上に中間保護層を形成した。(固形分付着量3g/m
2 ) 〈ケイ素化合物含有樹脂層:フッ素系樹脂ベース塗工剤〉 商標:ベルフロン5300:日本油脂(株): 4フッ化エチレン−ビニルエーテル共重合体 (固形分45wt%:溶剤=酢酸ブチル) 100重量部 商標:タケネートD−170N:武田薬品工業(株): ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 (固形分100wt%) 8重量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30wt%) 30重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 10重量部 商標:ノバロンVZ100:リン酸ジルコニウムに亜鉛を3重量%担持させ た平均粒子径8μmの無機系粒子:東亜合成化学(株)) 1重量部 商標:PC−301:多孔質ケイ酸塩に酸化チタンを1重量%担持 させた平均粒子径5〜7μmの無機系粒子: 比表面積300m2 /g:ライオン(株) 1重量部 希釈剤:シクロヘキサノン/MEK(30/70:重量比) 200重量部
【0088】−(iv)光触媒含有最外面層の形成− 上記(iii)の中間保護層の全面上に、実施例1と同一の
光触媒含有最外面層を形成した。厚さ0.46mm、質量
542g/m2 のポリエステルエラストマー被覆テント
用膜材を得た。
【0089】〔実施例8〕 −(i)繊維布帛(B)のエチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂による被覆処理− 実施例5と同一の繊維布帛(B):ポリエステル繊維平
織基布を基材として、下記エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂配合組成物:EVA(2)を136℃の熱条件で
混練し、カレンダー圧延成型により、厚さ0.18mmの
フィルムを得た。次に180℃に設定した熱ロールと赤
外線ヒーターとを備えたラミネーターを用いて、繊維布
帛(B)の両面に、EVA(2)フィルムを熱圧着法で
積層した。厚さ0.44mm、質量428g/m2 の基材
を得た。 〈エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂配合組成:EVA(2)〉 商標:エバフレックスEV2805:酢酸ビニル成分含有量28重量%: MFR6g/10min :三井デュポン・ポリケミカル(株) 100重量部 商標:ハイブラー7125(HV−3):(株)クラレ: MFR0.7g/10min :スチレン含有量20wt%の水素添加 スチレン−ビニルイソプレン−スチレン共重合樹脂) 10重量部 商標:イルガノックスE201:ビタミンE系: チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 0.2重量部 商標:サンアイゾール100(TBZ):2−(4−チアゾリル)− ベンズイミダゾール:三愛石油(株) 0.2重量部 商標:LTP−2:リン酸エステル系滑剤: 川研ファインケミカル(株) 0.5重量部
【0090】−(ii)中間保護層の形成− 実施例1の中間保護層を形成する塗工液を下記フォスフ
ァーゼン系樹脂組成に変更し、(i)のEVA(2)樹
脂被覆層の片面上に120メッシュのグラビアロールを
有するコーターを用いて3g/m2 の固形分付着量で塗
布し、高圧紫外線ランプにより紫外線光量500〜10
00mj/cm2 で3秒間照射し、フォスファーゼン系樹脂
を光硬化させて中間保護層を形成した。 〈ケイ素化合物含有樹脂層:フォスファーゼン系樹脂ベース塗工剤〉 商標:ACE−40:出光石油化学(株):メタアクリル酸2− ヒドロキシエチル置換P−N6員環フォスファーゼン (3PC−6HEMA) 100重量部 商標:スノーテックスXBA−ST:日産化学工業(株): コロイダルシリカ(固形分30wt%) 30重量部 商標:メチルシリケートMS51:コルコート(株): ポリメトキシシロキサン(固形分50wt%) 20重量部 商標:アパサイダーAK:銀担持ハイドロキシアパタイト (リン酸カルシウム)平均粒子径0.3〜0.6μm: 銀2.5重量%含有:(株)サンギ 1重量部
【0091】−(iii)光触媒含有最外面層の形成− 上記(ii)の中間保護層の全面上に、実施例1と同一の
光触媒含有最外面層を形成した。厚さ0.45mm、質量
432g/m2 のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂被
覆テント用膜材を得た。
【0092】〔実施例9〕実施例4の(i)の、繊維布
帛(A)を表面被覆するEVA(1)に配合した有機防
カビ剤(商標:サンアイゾールTBZ FL25:2−
(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールの25重量%
濃度水分散液:三愛石油(株))1重量部を、無機防カ
ビ剤(商標:ノバロンVZ100:リン酸ジルコニウム
に亜鉛を3重量%担持させた平均粒子径8μmの無機系
粒子:東亜合成化学(株))1重量部に変更したこと以
外は、実施例4と同様にして、厚さ0.41mm、質量3
85g/m2 のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂被覆
テント用膜材を得た。
【0093】〔実施例10〕実施例5の(i)の、繊維
布帛(B)を表面被覆するPVC(2)に配合した有機
防カビ剤(商標:バイナジンBP−5−2(10,1
0′−オキシビスフェノキシアルシン:モートン・チオ
コール社)0.2重量部を、無機防カビ剤(商標:ノバ
ロンVZ100:リン酸ジルコニウムに亜鉛を3重量%
担持させた平均粒子径8μmの無機系粒子:東亜合成化
学(株))1重量部に変更したこと以外は、実施例5と
同様にして、厚さ0.45mm、質量534g/m2 のポ
リ塩化ビニル樹脂被覆テント用膜材を得た。
【0094】
【表1】
【0095】〔実施例1〜10の効果〕表1に実施例1
〜10の膜材の構成及び試験結果を示す。下地熱可塑性
樹脂層中に有機系防カビ剤を含有し、その表面に形成し
た中間保護層中には無機系化合物を主体とする防カビ剤
を含有し、その表面に光触媒物質を含有する最外層を設
けて得られた、実施例1〜10のテント用膜材を屋外で
展張(試験I)し、その汚れ度合いを、6ヶ月ごとに1
年半観察した結果、すべてのテント膜材表面は煤塵汚れ
(環境汚れ)が、極めて少なく、従って、特にプリント
を施した膜材に関しては絵柄が鮮明であり、膜材の美観
が初期状態のままで保持されていた。また、1ヶ月ごと
の詳細な観察によると、テント膜材の表面に付着した煤
塵汚れは、特に降雨によって、付着汚れの大半が洗い流
されるなど、これらの膜材においては蓄積した煤塵汚れ
が、光触媒物質によって逐次分解され、常時、膜材の表
面から脱離し易い状態に置かれていることが明らかとな
った。この自己洗浄機能は、屋外展張膜材から採取した
小片サンプルを、水道水に10分間浸し、これを水道水
の流水に晒しながら指の腹で表面を軽く擦るだけで、付
着した煤塵汚れが容易に除去できたことからも明らかで
あった。また、同時にカビの発生有無をルーペで拡大し
て観察(試験II)したが、日当たりの良い南向きに展張
した膜材表面にはカビの発生、または痕跡などは認めら
れず、また意図的に日陰の北向きに展張した、実施例
1,2,5,6及び10の軟質ポリ塩化ビニル樹脂によ
る被覆膜材においても、特にカビの発生、または痕跡な
どは認められなかった。さらに、防カビ性能に関して、
未展張の膜材試料を耐光促進試験機にかけて(240時
間、480時間、720時間)、試料表面に膜材組成物
の劣化物の析出を促し、これに黒カビ、青カビ、クロカ
ワカビの3種の胞子を付着させて28℃で7日間カビの
培養試験(試験III)を行った。実施例3,4,7,8及
び9で得られた非塩ビ系樹脂被覆膜材は720時間の光
照射によっても、その表面にはカビの発生、または痕跡
を認めなかったが、可塑剤を含有する軟質塩化ビニル樹
脂被覆膜材である実施例1,2,5及び10に関して
は、照射720時間後に、僅かにカビの痕跡を認めた。
しかし、水道水で洗浄したところ、このカビは簡単に膜
体から除去され、膜材にカビ痕は残らなかった。このカ
ビを採取し、さらに28℃で7日間カビの培養試験を行
ったが、カビの増殖はなく、発生したカビ痕は既に死ん
でいることが明らかとなった。また、同じ軟質塩化ビニ
ル樹脂被覆膜体でも、その可塑剤に、高分子可塑剤を主
体に配合した実施例6では、特にカビの発生は認められ
なかった。また、別のカビ試験として、240時間の光
照射試験ごとに、カビの植え付け培養試験を行い、これ
を3回繰り返す試験(試験IV)においては、試験III の
結果と同様に、可塑剤を含有する軟質塩化ビニル樹脂被
覆膜材である実施例1,2,5及び10に関しては、2
回目(480時間)に僅かにカビの痕跡を認めたが、す
ぐにカビが死滅することによって、それ以上のカビの増
繁殖は認められなかった。実施例3,4,7,8及び9
の非塩ビ系樹脂被覆膜体、及び高分子可塑剤を主体に配
合した実施例6では、特にカビの発生は認められなかっ
た。また、実施例3,4,7,8及び9の非塩ビ系樹脂
被覆膜材において、特に窒素含有化合物(メラミン・シ
アヌレート化合物)を配合したことによって、テント膜
材用途に必要な防炎性(JIS L−1091:A−2
法区分3)を付与することができた。また、樹脂被覆
層、及び印刷インキ組成物中に、ビタミンE化合物を添
加することによって、特に樹脂系の酸化防止性に優れ、
得られる膜材の耐久性を向上させると共に、印刷の色彩
性を美麗に保つことが可能となった。従って本発明の膜
材は上記(I)〜(IV)の試験結果より、テント膜材に
ダメージを与えずに、光触媒効果によるセルフクリーニ
ング機能を発揮すると同時に、特に可塑剤を多量に配合
して含む、従来の軟質塩化ビニル樹脂製膜材において
も、長期間に渡り、カビの発生を抑制する効果を有する
ため、屋外装飾用シート、特にテント膜材に適するもの
であることが明らかとなった。
【0096】〔比較例1〕実施例1の膜材において、繊
維布帛(A)を被覆する軟質塩化ビニル樹脂:PVC
(1)の配合組成から、有機系防カビ剤(商標:バイナ
ジンBP−5−2(OBPA))0.2重量部を省い
た。また、実施例1の中間保護層を形成するケイ素化合
物含有樹脂層の組成から、銀−ゼオライトとTBZとか
ら得られる複合体化合物1重量部の配合を省いた。これ
以外は実施例1と同一とした。
【0097】〔比較例2〕実施例2の膜材において、中
間保護層を形成するケイ素化合物含有樹脂層の組成か
ら、シリカとTBZとから得られる複合体化合物1重量
部の配合を省いた。これ以外は実施例2と同一とした。
【0098】〔比較例3〕実施例5の膜材において、繊
維布帛(B)を被覆する軟質塩化ビニル樹脂:PVC
(2)の配合組成から、有機防カビ剤(商標:バイナジ
ンBP−5−2(OBPA))0.2重量部を省いた。
また、実施例5の中間保護層を形成するケイ素化合物含
有樹脂層の組成に配合した、亜鉛−ゼオライト1重量部
を、TBZ0.2重量部に変更した。これ以外は実施例
5と同一とした。
【0099】〔比較例4〕実施例5の膜材において、中
間保護層を形成するケイ素化合物含有樹脂層の組成に配
合した、亜鉛−ゼオライト1重量部を、TBZ0.2重
量部に変更した。これ以外は実施例5と同一とした。
【0100】
【表2】
【0101】〔比較例1〜4の性能〕表2に比較例1〜
4の膜材の構成及び試験結果を示す。下地軟質塩化ビニ
ル樹脂層中に有機防カビ剤を含有せず、その表面に形成
する中間保護層中には無機系化合物を主体とする防カビ
剤も含有せずに、その表面に光触媒物質を含有する最外
層を設けて得られた比較例1のテント膜材、また、下地
軟質塩化ビニル樹脂層中には有機防カビ剤を含有する
が、その表面に形成する中間保護層中には無機系化合物
を主体とする防カビ剤を含有せずに、その表面に光触媒
物質を含有する最外層を設けて得られた比較例2のテン
ト膜材、また、下地軟質塩化ビニル樹脂層中に有機防カ
ビ剤を含有せず、その表面に形成する中間保護層中には
有機防カビ剤を含有して、その表面に光触媒物質を含有
する最外層を設けて得られた比較例3のテント膜材、ま
た。下地軟質塩化ビニル樹脂層中に有機防カビ剤を含有
し、その表面に形成する中間保護層中にも有機系防カビ
剤を含有して、その表面に光触媒物質を含有する最外層
を設けて得られた比較例4のテント膜材を屋外で展張
(試験I)し、その汚れ度合いを、6ヶ月ごとに1年半
観察した結果、すべてのテント膜材表面は煤塵汚れ(環
境汚れ)が、極めて少なく、従って、膜材の美観が初期
状態のままで保持されていた。また、1ヶ月ごとの詳細
な観察によると、テント膜材の表面に付着した煤塵汚れ
は、特に降雨によって、付着汚れの大半が洗い流される
など、これらの膜材においては蓄積した煤塵汚れが、光
触媒物質によって逐次分解され、常時、膜材の表面から
脱離し易い状態に置かれていることが明らかとなった。
しかし、同時にカビの発生有無をルーペで拡大して観察
(試験II)したところ、陽当たりの良い南向き、及び陽
当たりの悪い北向きに関係なく12ヶ月後には、展張し
た膜材表面にはカビの発生とその痕跡を認めた。カビの
発生状態は、防カビ剤を全く含まない比較例1の膜材で
最も悪く、下地軟質塩化ビニル樹脂層中または、中間保
護層中の少なくとも一方に有機防カビ剤を含有する比較
例2〜4の膜材では、カビの発生度合いはそれぞれ同レ
ベルで、18ヶ月後には比較例1の膜体と同じ程度のカ
ビの発生レベルとなった。この結果より有機防カビ剤
が、軟質塩化ビニル樹脂中に配合された可塑剤の表面移
行と共に、膜体の表面にブルーム(表面吹き出し)し、
初期的には防カビ性を示すものの、経時的に有機防カビ
剤が光触媒物質によって分解され、カビの抑制効果を長
期間維持できないことが判明した。さらに、この結果を
確認する目的で、比較例の未展張膜材試料を耐光促進試
験機にかけて(240時間、480時間、720時
間)、試料表面に膜材組成物の劣化物の析出を促し、こ
れに黒カビ、青カビ、クロカワカビの3種の胞子を付着
させて28℃で7日間カビの培養試験(試験III)を行っ
た。この結果、防カビ剤を一切含まない比較例1の膜材
では、照射240時間後からカビの発生が認められた。
耐光促進試験の結果でも有機防カビ剤の効果は初期的に
確認されたが、その効果を720時間の照射まで維持す
ることはできなかった。また、別のカビ試験として、2
40時間の光照射試験ごとに、カビの植え付け培養試験
を行い、これを3回繰り返す試験(試験IV)において
は、試験III の結果と同様に、有機防カビ剤を一切含ま
ない比較例1の膜材が最も防カビ性の成績が悪いものと
なったが、下地軟質塩化ビニル樹脂層中または、中間保
護層中の少なくとも一方に有機防カビ剤を含有する比較
例2〜4の膜材とそれほど変わるものではなかった。す
なわち、光触媒物質に作用によって、軟質塩化ビニル樹
脂中に含まれる可塑剤が逐一分解され、これがカビの栄
養源となることで、カビの増繁殖をさらに促すことが試
験I〜IVの結果から明らかとなった。また、この可塑剤
の分解物がカビの鎧となって、光触媒物質による分解作
用から保護されることも同時に判明した。比較例では特
に示さなかったが、軟質塩化ビニル樹脂組成物の可塑剤
の一部に用いた塩素化n−パラフィンを、汎用の可塑剤
であるDOP(ジオクチルフタレート)に置き換えた場
合には、これらの膜材の防カビ性は、程度の悪いものと
なった。これは塩素化n−パラフィンの分解生成物がカ
ビの栄養源とならず、寧ろカビの増殖を抑制する効果と
推察される。また、比較例では特に示さなかったが、可
塑剤を含有しない他の非塩ビ系樹脂系、例えば、ポリウ
レタン樹脂系、ポリエステル・エラストマー系、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂系においても、時間の経過
と共に同様となることを確認した。これは可塑剤を含ま
ない樹脂系では、軟質塩化ビニル樹脂組成よりも有機防
カビ剤がブルームし易く、これが光触媒物質の分解作用
と相まって、カビ発生の誘導期間を短くするためと推測
される。従って(I)〜(IV)の試験結果より、上記比
較例の膜材では、防汚性は有するものの、カビの発生を
長期間抑制することが困難であるため、屋外装飾用シー
ト、特にテント膜材には適して使用することができない
ものであった。
【0102】
【発明の効果】上記、実施例、及び比較例から明らかな
様に、本発明の美観持続性積層膜材は、光触媒の酸化作
用を利用して、煤塵付着汚れ(環境汚れ)を防ぐことが
できる自己洗浄効果を有すると同時に、長期に渡り膜材
表面のカビの増繁殖を防ぐことができる、極めて美観持
続性の高い膜体である。また、本発明の技術が応用可能
な基材には、フィルム、繊維布帛、熱可塑性樹脂で被覆
した繊維布帛などと適用範囲が広く、また、繊維布帛を
被覆する熱可塑性樹脂としても、軟質ポリ塩化ビニル樹
脂のみならず、他の熱可塑性樹脂においても適用が可能
であるため、その利用範囲が広く、有用性の高いもので
ある。従って本発明の美観持続性積層膜材は、産業資材
用シートとして、とりわけ、色相のカラフルさと、絵柄
の印刷が要求される、日除けテント、中大型テントなど
の用途に適して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の美観持続性積層膜材の一例を示す断面
説明図。
【符号の説明】
1…基体シート 2,3…樹脂被覆層 4…シート状基材 5…中間保護層 6…光触媒最外面層 7…インク画像(プリント)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月27日(2001.8.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】最近、これらの軟質ポリ塩化ビニル樹脂製
シートの表面に光触媒物質を塗布して、シートの表面に
付着した排気ガス、排煙などによる煤塵汚れを、光触媒
物質の酸化還元作用によって分解、除去する防汚技術が
開発されている。また、この光触媒物質の酸化還元作用
は、汚れや悪臭の分解のみならず、菌類、カビ類、バク
テリア類などの増繁殖を抑制する技術としても注目が寄
せられている。このような光触媒物質が軟質ポリ塩化ビ
ニル樹脂などの合成樹脂材料の表面に塗布されている製
品では、光触媒含有最外面層の下地基層を形成している
軟質ポリ塩化ビニル樹脂の分解作用も同時に進行してし
まい、光触媒物質が、下地基層樹脂の分解物とともに脱
落してしまうため、光触媒効果による防汚機能を長期に
わたり持続できないという問題がある。また、光触媒物
質の強い酸化還元作用は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂基層
の分解だけではなく、可塑剤や、有機系着色剤などの配
合剤成分も同時に分解し、それによって基層の劣化が一
層進行するという問題が発生している。そこで、下地基
層の表面に中間保護層を塗布し、形成することによって
光触媒物質の酸化作用による劣化を防止するという対応
策が施されている。しかし中間保護層は単純に下地基層
であるポリ塩化ビニル樹脂層を保護するだけで、緩やか
に進行する可塑剤の表面移行を完全に防止することは困
難であった。従って、僅かにでもシートの表面に滲み出
た可塑剤は、光触媒物質により分解され、煤塵汚れの分
解物と共に、降雨で洗い流されて除去され、結果的には
シートの美観を維持することが可能である。しかし、こ
の現象が3〜5年連続すると、また軟質ポリ塩化ビニル
樹脂製シート中に配合された可塑剤の量が、次第に減少
するため、結果的に軟質ポリ塩化ビニル樹脂製シートの
風合いが硬くなり、しかも物性の低下を伴うから、テン
ト用膜材として長期間使用することは不可能である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明の美観持続性積層膜材は基体シート
と、その少なくとも1面上に形成され、かつ熱可塑性樹
脂を含む少なくとも1層の樹脂被覆層とからなるシート
状基材、及び前記シート状基材の少なくとも1層の樹脂
被覆層上に形成され、かつ光触媒性物質を含む光触媒最
外面層とを有し、前記シート状基材と前記光触媒最外面
層との間に、前記シート状基材を前記光触媒性物質の作
用から保護するための中間保護層が形成されており、前
記中間保護層と、前記シート状基材の樹脂被覆層との少
なくとも1層中に、無機防カビ性物質を主成分として含
む防カビ剤が含まれている、ことを特徴とするものであ
る。本発明の美観持続性積層膜材において、前記防カビ
剤を含む樹脂被覆層が、前記中間保護層に接しているこ
とが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材において、
前記中間保護層中に、無機防カビ性物質を主成分として
含む防カビ剤が含有され、前記シート状基材の少なくと
も1層の樹脂被覆層中に、有機防カビ性物質を主成分と
して含む有機防カビ剤が含有されていることが好まし
い。本発明の美観持続性積層膜材において、前記光触媒
最外面層中に、無機防カビ性物質を主成分として含む防
カビ剤がさらに含まれていてもよい。本発明の美観持続
性積層膜材において、前記シート状基材の樹脂被覆層の
少なくとも1層が軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物からな
る単層構造を有していてもよい。本発明の美観持続性積
層膜材において、前記シート状基材の樹脂被覆層の少な
くとも1層が軟質ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる
2層以上の多層構造を有していてもよい。本発明の美観
持続性積層膜材において、前記シート状基材の樹脂被覆
層が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、スチレン系共重合体樹脂、エチレン
系共重合体樹脂、及びプロピレン系樹脂から選ばれた少
なくとも1種からなる単層構造を有するものであっても
よい。本発明の美観持続性積層膜材において、前記シー
ト状基材の樹脂被覆層が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系共重
合体樹脂、エチレン系共重合体樹脂、及びプロピレン系
樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる2層以上の多
層構造を有するものであってもよい。本発明の美観持続
性積層膜体において、前記エチレン系共重合体樹脂が、
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂、及びエチレン−(メタ)アクリ
ル酸(エステル)共重合体樹脂から選ばれることが好ま
しい。本発明の美観持続性積層膜体において、前記シー
ト状基材の基体シートが、繊維布帛、プラスチックフィ
ルム及び合成紙から選ばれることが好ましい。本発明の
美観持続性積層膜体において、前記中間保護層が、ケイ
素化合物成分と、バインダー樹脂成分とを含み、前記ケ
イ素化合物成分が、ポリシロキサン、コロイダルシリ
カ、シリカから選ばれた少なくとも1種を含むことが好
ましい。本発明の美観持続性積層膜体において、前記中
間保護層のバインダー樹脂成分が、シリコーン系樹脂、
フッソ系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フォ
スファーゼン系樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む
ことが好ましい。本発明の美観持続性積層膜体におい
て、前記防カビ剤に含まれる無機防カビ性物質が、銀、
銅、及び亜鉛の金属及びこれらの金属のイオン、並びに
光触媒性酸化チタンから選ばれた少なくとも1種を含む
ことが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材におい
て、前記防カビ剤が、多数の微細空孔を有する無機系多
孔質微粒子をさらに含み、前記無機防カビ性物質が前記
無機系多孔質微粒子の微細空孔に担持されていることが
好ましい。本発明の美観持続性積層膜材において、前記
防カビ剤の無機系多孔質微粒子が、その多数の微細空孔
に、前記無機防カビ性物質とともに、イミダゾール系化
合物、チアゾール系化合物、N−ハロアルキルチオ系化
合物、ピリチオン系化合物、ピリジン系化合物、イソチ
アゾリン系化合物、トリアジン系化合物及び有機金属系
化合物から選ばれた少なくとも1種をさらに担持してい
てもよい。本発明の美観持続性積層膜材において、前記
無機防カビ性物質を主成分として含む防カビ剤が、前記
中間保護層及び前記樹脂被覆層の少なくとも1層中に、
その100重量部に対し、0.05〜10重量部の重量
比で含まれていることが好ましい。本発明の美観持続性
積層膜材において、前記有機防カビ剤の有機防カビ性物
質が、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、N
−ハロアルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、ピ
リジン系化合物、イソチアゾリン系化合物、トリアジン
系化合物及び有機金属系化合物から選ばれた少なくとも
1種を含むことが好ましい。本発明の美観持続性積層膜
材において、前記有機防カビ剤が、多数の微細空孔を有
する無機系多孔質微粒子をさらに含み、前記有機防カビ
性物質が、前記無機系多孔質微粒子の微細空孔に担持さ
れていることが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材
において、前記有機系防カビ剤が、前記シート状基材の
少なくとも1層の樹脂被覆層中に、その100重量部に
対して、0.01〜5重量部の重量比で含まれているこ
とが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材において、
前記光触媒含有最外面層が、光触媒物質10〜70重量
%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲル25
〜89重量%と、ケイ素化合物1〜20重量%とからな
ることが好ましい。本発明の美観持続性積層膜材におい
て、前記光触媒物質が、酸化チタン(TiO2 )、過酸
化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化錫(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム
(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化
ビスマス(Bi23 )、酸化鉄(Fe23 )、及び
前記光触媒物質の1種以上が無機担体上に担持されてい
る無機系多孔質微粒子から選ばれた少なくとも1種を含
有することが好ましい。本発明のテント用シート材料は
前記本発明の美観持続性積層膜材を含むものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 29/068 B01J 29/068 M 35/02 35/02 J E04H 15/54 E04H 15/54 Fターム(参考) 2E141 EE03 EE04 EE05 4F100 AA17E AA20D AA21E AA25E AA28E AA33E AH06D AK01A AK01C AK04A AK04C AK04J AK12A AK12C AK12J AK15A AK15B AK15C AK41A AK41C AK51A AK51C AK52D AL01A AL01C AR00D AR00E AT00B BA05 BA07 BA10A BA10E CA30A CA30B CA30C CA30D CA30E CA30K EJ91D GB07 JB16A JB16C JC00 JL00 JL06 JL08E JL09 4G069 AA03 BA02A BA02B BA03A BA04A BA04B BA07A BA07B BA09A BA15A BA15B BA22A BA22B BA48A BB04A BB06A BB14A BB14B BC09A BC09B BC12A BC22A BC25A BC32A BC32B BC35A BC35B BC50A BC51A BC60A BC66A BE02A BE09A BE09B BE33A CA01 CA11 EA07 EA09 EA13 EC28 EE06 FC08 ZA01A ZA01B ZF05A ZF05B

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シートと、その少なくとも1面上に
    形成され、かつ熱可塑性樹脂を含む少なくとも1層の樹
    脂被覆層とからなるシート状基材、及び前記シート状基
    材の少なくとも1層の樹脂被覆層上に形成され、かつ光
    触媒性物質を含む光触媒最外面層とを有し、 前記シート状基材と前記光触媒最外面層との間に、前記
    シート状基材を前記光触媒性物質の作用から保護するた
    めの中間保護層が形成されており、 前記中間保護層及び前記シート状基材の樹脂被覆層の少
    なくとも1層中に、無機防カビ性物質を主成分として含
    む防カビ剤が含まれている、ことを特徴とする美観持続
    性積層膜材。
  2. 【請求項2】 前記防カビ剤を含む樹脂被覆層が、前記
    中間保護層に接している、請求項1に記載の美観持続性
    積層膜材。
  3. 【請求項3】 前記中間保護層中に、無機防カビ性物質
    を主成分として含む防カビ剤が含有され、前記シート状
    基材の少なくとも1層の樹脂被覆層中に、有機防カビ性
    物質を主成分として含む有機防カビ剤が含有されてい
    る、請求項1に記載の美観持続性積層膜材。
  4. 【請求項4】 前記光触媒最外面層中に、無機防カビ性
    物質を主成分として含む防カビ剤がさらに含まれてい
    る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の美観持続性積
    層膜材。
  5. 【請求項5】 前記シート状基材の樹脂被覆層の少なく
    とも1層が軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物からなる単層
    構造を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の美
    観持続性積層膜材。
  6. 【請求項6】 前記シート状基材の樹脂被覆層の少なく
    とも1層が軟質ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる2
    層以上の多層構造を有する、請求項1又は4に記載の美
    観持続性積層膜材。
  7. 【請求項7】 前記シート状基材の樹脂被覆層が、ポリ
    塩化ビニル系樹脂ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系
    樹脂、スチレン系共重合体樹脂、エチレン系共重合体樹
    脂、及びプロピレン系樹脂から選ばれた少なくとも1種
    からなる単層構造を有する、請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の美観持続性積層膜材。
  8. 【請求項8】 前記シート状基材の樹脂被覆層が、ポリ
    塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル
    系樹脂、スチレン系共重合体樹脂、エチレン系共重合体
    樹脂、及びプロピレン系樹脂から選ばれた少なくとも1
    種からなる2層以上の多層構造を有する、請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の美観持続性積層膜材。
  9. 【請求項9】 前記エチレン系共重合体樹脂がエチレン
    −α−オレフィン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル
    共重合体樹脂、及びエチレン−(メタ)アクリル酸(エ
    ステル)共重合体樹脂から選ばれる、請求項7又は8に
    記載の美観持続性積層膜体。
  10. 【請求項10】 前記シート状基材の基体シートが、繊
    維布帛、プラスチックフィルム及び合成紙から選ばれ
    る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の美観持続性積
    層膜材。
  11. 【請求項11】 前記中間保護層が、ケイ素化合物成分
    と、バインダー樹脂成分とを含み、前記ケイ素化合物成
    分が、ポリシロキサン、コロイダルシリカ、シリカから
    選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜10のいず
    れか1項に記載の美観持続性積層膜材。
  12. 【請求項12】 前記中間保護層のバインダー樹脂成分
    が、シリコーン系樹脂、フッソ系樹脂、メラミン系樹
    脂、エポキシ系樹脂、フォスファーゼン系樹脂から選ば
    れた少なくとも1種を含む、請求項11に記載の美観持
    続性積層膜材。
  13. 【請求項13】 前記防カビ剤に含まれる無機防カビ性
    物質が、銀、銅、及び亜鉛の金属及びこれらの金属のイ
    オン、並びに光触媒性酸化チタンから選ばれた少なくと
    も1種を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の
    美観持続性積層膜材。
  14. 【請求項14】 前記防カビ剤が、多数の微細空孔を有
    する無機系多孔質微粒子をさらに含み、前記無機防カビ
    性物質が前記無機系多孔質微粒子の微細空孔に担持され
    ている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の美観持
    続性積層膜材。
  15. 【請求項15】 前記防カビ剤の無機系多孔質微粒子
    が、その多数の微細空孔に、前記無機防カビ性物質とと
    もに、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、N
    −ハロアルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、ピ
    リジン系化合物、イソチアゾロン系化合物、トリアジン
    系化合物及び有機金属系化合物から選ばれた少なくとも
    1種をさらに担持している、請求項14に記載の美観持
    続性積層膜材。
  16. 【請求項16】 前記無機防カビ性物質を主成分として
    含む防カビ剤が、前記中間保護層及び前記樹脂被覆層の
    少なくとも1層中に、その100重量部に対し、0.0
    5〜10重量部の重量比で含まれている、請求項1〜1
    5のいずれか1項に記載の美観持続性積層膜材。
  17. 【請求項17】 前記有機防カビ剤の有機防カビ性物質
    が、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、N−
    ハロアルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、ピリ
    ジン系化合物、イソチアゾロン系化合物、トリアゾン系
    化合物及び有機金属系化合物から選ばれた少なくとも1
    種を含む、請求項3に記載の美観持続性積層膜材。
  18. 【請求項18】 前記有機防カビ剤が、多数の微細空孔
    を有する無機系多孔質微粒子をさらに含み、前記有機防
    カビ性物質が、前記無機系多孔質微粒子の微細空孔に担
    持されている、請求項17に記載の美観持続性積層膜
    材。
  19. 【請求項19】 前記有機系防カビ剤が、前記シート状
    基材の少なくとも1層の樹脂被覆層中に、その100重
    量部に対して、0.01〜5重量部の重量比で含まれて
    いる、請求項3,17又は18に記載の美観持続性積層
    膜材。
  20. 【請求項20】 前記光触媒含有最外面層が、光触媒物
    質10〜70重量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属
    水酸化物ゲル25〜89重量%と、ケイ素化合物1〜2
    0重量%とからなる、請求項1〜19のいずれか1項に
    記載の美観持続性積層膜材。
  21. 【請求項21】 前記光触媒物質が、酸化チタン(Ti
    2 )、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化亜
    鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2 )、チタン酸ストロン
    チウム(SrTi3 )、酸化タングステン(WO3 )、
    酸化ビスマス(Bi23 )、酸化鉄(Fe23 )、
    及び前記光触媒物質の1種以上が無機担体上に担持され
    ている無機系多孔質微粒子から選ばれた少なくとも1種
    を含有する、請求項1〜20に記載の美観持続性積層膜
    材。
  22. 【請求項22】 請求項1〜21のいずれか1項に記載
    の美観持続性積層膜材を含むテント用シート材料。
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