JPH08325990A - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

塗工紙の製造方法

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JPH08325990A
JPH08325990A JP13200595A JP13200595A JPH08325990A JP H08325990 A JPH08325990 A JP H08325990A JP 13200595 A JP13200595 A JP 13200595A JP 13200595 A JP13200595 A JP 13200595A JP H08325990 A JPH08325990 A JP H08325990A
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coated paper
copolymer latex
paint
mottle
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JP13200595A
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English (en)
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Shigehiro Fukuda
繁宏 福田
Yukihiro Aisaka
幸広 逢坂
Terunobu Fukui
照信 福井
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】剛度(紙腰)と白紙表面および印刷仕上りの良
好な塗工紙の製造方法を提供する。 【構成】シートフォーメーションテスターで測定した地
合指数が70以下である原紙上に、顔料と最低造膜温度
が20〜35℃の範囲にある共重合体ラテックスが含有
せしめられてなる水性組成物で、かつAbo Acde
mi法に準拠した保水度が40〜60g/m2 である水
性組成物を塗工、乾燥した後、少なくとも1つの金属ロ
ールが100℃以上に加熱されてなるキャレンダーに通
紙して仕上げる塗工紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗工紙の製造方法に関
し、特に、剛度(紙腰)と白紙表面および印刷仕上りの
良好な塗工紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物のビジュアル化、カラー
化、高級化、軽量化傾向にしたがって、印刷用塗工紙の
白紙光沢度、白色度、および平滑性に優れること、さら
には、表面の白紙モトルやインキ吸収ムラに基づく印刷
モトルが発現しないことは勿論のこと、高級感を醸成す
るものとして、剛度の改善要望が高まっている。一方、
印刷技術の改良や進歩とあいまって、生産性向上の面よ
り高速印刷が希求され、そのために印刷作業性や印刷適
性に優れた紙腰の強い塗工紙が要望されている。
【0003】従来より、印刷用塗工紙の剛度改良技術に
ついては各種の提案がなされてはいるものの、未だに満
足すべきものが得られていない。例えば、原紙面の工夫
としては、繊維パルプとして機械パルプを使用すると剛
度の高い塗工紙を得ることができるが、白色度が低いた
めに高級感のある製品を得難い。他方、針葉樹をベース
としたパルプ(例えば、NBKP)を高率配合すると、
剛度は強くなるが、一方で紙面の平滑性が低下し易い。
【0004】また、原紙に塗工する顔料と接着剤を主成
分とする水性組成物に関しては、アスペクト比の高い顔
料や澱粉を高率配合することによって、塗工紙の剛度は
高められるが、一方で紙面光沢の低下があり塗工紙の品
質が低下する。なお、特開昭56−148994号公報
には、ガラス転移温度の高いラテックスを高率配合し、
高温キャレンダーにより光沢、強度を付与し、結果的に
塗工紙の剛度を高める方法が提案されているが、この場
合剛度が高くなる反面、塗工紙表面に白紙モトルや印刷
モトルが発生し易い。さらに、特開昭54−15680
6号公報には、仕上げ工程でキャレンダー条件を軽減
し、紙厚を高く保持させることにより剛度を高めること
が例示されているが、この場合十分な紙面平滑性が得ら
れないといった難点が付随する。
【0005】ところで、最近、省資源、輸送コストある
いは保管容積の縮小化といった点より、より一層の軽量
化が望まれている。例えば、製品米坪として37〜56
g/m2 というような超軽量の塗工紙が要望されるよう
になってきた。しかし、一般に軽量塗工紙で紙の剛度を
高くするような方策は塗工紙(製品)の白紙モトルや印
刷モトル等を誘発する傾向が強く、難点となっているの
が現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状より、
本発明は塗工紙の製造方法に関し、特に、軽量の塗工紙
に関し、その剛度を高めると同時に、紙面の平滑性に優
れ、かつ白紙モトルや印刷モトル等がなく、印刷適性に
優れる塗工紙の製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、特に優れた白
紙品質と印刷適性を備えた軽量塗工紙の製造方法であ
り、その特徴とするところは原紙の地合を特定し、さら
にその上に設ける塗工層の成分の1つである接着剤に特
定の共重合体ラテックスを使用し、かつ塗工層を形成す
る水性組成物の保水度を規定して塗工し、その後に高温
加圧処理して仕上げることにより剛度の強い塗工紙を得
るところにある。
【0008】即ち、本発明はシートフォーメーションテ
スターで測定した地合指数が70以下である原紙上に、
顔料と最低造膜温度が20〜35℃の範囲にある共重合
体ラテックスが含有せしめられてなる水性組成物で、か
つAbo Acdemi法に準拠した保水度が40〜6
0g/m2 である水性組成物を塗工、乾燥した後、少な
くとも1つの金属ロールが100℃以上に加熱されてな
るキャレンダーに通紙して仕上げることを特徴とする塗
工紙の製造方法である。
【0009】
【作用】本発明は、前述のように印刷用塗工紙、特に軽
量塗工紙が従来より抱えている難点、所謂剛度が低く、
白紙モトルや印刷モトル等が発生し易いといった難点を
効率良く解消でき、かつ優れた白紙品質と印刷適性を備
えた印刷用塗工紙の製造方法である。
【0010】而して、剛度を高める方法としては、種々
の方法が考えられるが、反面それらの方法を取ることに
よって、一方で品質上に難点が誘発され、剛度と他の紙
品質とのバランスがうまくかみ合わないことについては
前述した通りである。そこで、本発明者等は高い剛度が
得られ、同時に優れた紙面平滑性や白紙モトルあるいは
印刷モトルが極めて効果的に解消され得る軽量塗工紙の
製法方法について、鋭意検討、研究を重ねた。
【0011】その結果、原紙の地合を特定し、塗被層を
形成する顔料と接着剤を主成分とする水性組成物(以
後、塗料と称す)の接着剤として、特定の最低造膜温度
(以後、MFTと称す)を有する共重合体ラテックスを
含有せしめ、かつ保水性を特定した塗料を該原紙上に塗
工、乾燥した後、高温キャレンダー処理を施すことによ
り、それぞれの効果が相乗的に機能し、高い剛度を維持
したまま、優れた紙面平滑性が得られると同時に白紙モ
トルや印刷モトルが解消され、極めて優れた品質を有す
る印刷用塗工紙が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0012】本発明においては塗工紙の仕上げを100
℃以上の高温キャレンダーを用いて行うものである。こ
の際、接着剤として用いられる共重合体ラテックス等の
熱可塑性物質を、金属ロールと弾性ロールからなるニッ
プに通過する際に付加される熱量と圧力により可塑化さ
せて塗被層中の顔料を効果的に配向せしめ、さらに金属
ロール表面を写し取ることで極めて光沢に優れた塗工紙
を得るものである。
【0013】本発明の場合、特にMFTが20℃〜35
℃の共重合体ラテックスを接着剤として使用するもので
ある。このようなMFTを有するラテックスを配合した
塗料を塗工、乾燥して塗工層を設けた場合は、重合体の
成膜化が十分に行われていないために塗被層構造に空隙
が多く、そのような状態の塗被層を高温キャレンダー処
理に供することにより塗工層表面が可塑化され易くな
り、かつ顔料の配向が促進される結果、極めて優れた平
滑性と光沢を有する塗工紙が得られる。
【0014】ところで、キャレンダーロールの表面温度
が100℃未満のときには、MFTが20〜35℃の共
重合体ラテックスを使用した場合、キャレンダー処理に
よる塗工層表面の可塑化が不十分であり、満足すべき塗
工層表面の平滑性が得られない。一方、ロール表面温度
が100℃を越えても、MFTが35℃を越えるような
共重合体ラテックスを使用した場合には、共重合体ラテ
ックス自体の接着力が乏しく、高温キャレンダーロール
によっても顔料と共重合体ラテックスの接着が促進され
ず、塗被層表面での接着強度が弱くなり、さらには塗被
層表面の可塑化も不十分となり、塗被層表面の平滑性が
不足する。他方、MFTが20℃未満の場合には、キャ
レンダーロールの表面温度の如何にかかわらず剛度の高
い塗工紙が得られない。
【0015】なお、MFTが20〜35℃の範囲にある
共重合体ラテックスの塗料中への配合部数は、塗工紙の
剛度および印刷モトルに影響するインキの吸収性や着肉
性を考慮して、固形分対比で顔料100重量部に対し、
5〜25重量部程度の範囲で調節される。また、本発明
で特定される共重合体ラテックスは、通常、塗工紙の製
造分野で一般に使用されている合成接着剤が使用され、
上記の如き特定のMFTを有するものである限り、特に
限定されるものではない。
【0016】具体例としては、例えばスチレン−ブタジ
エン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アク
リル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル重
合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、あるいはこ
れらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官
能基で変性したもの等が適宜使用できる。なお、共重合
体ラテックスの製造方法としては特に限定されるもので
はなく、公知公用の方法によって製造されたものが適宜
使用される。MFTが20〜35℃の範囲にある共重合
体ラテックスの具体例としては、例えばポリコ2311
(MFT:20℃/ローム・アンド・ハース社)、P−
4891(MFT:30℃/住友ダウ社)、P−324
8(MFT:35℃/住友ダウ社)、プライマルC−7
2(MFT:35℃/ローム・アンド・ハース社)等が
挙げられる。
【0017】また、キャレンダー仕上げ前の塗工紙は、
原紙が本来有する地合ムラ等から派生する不均一な厚み
を呈している。近年、抄紙機の高速化に伴い、特にその
傾向が増大している。紙の地合は、繊維の分散状態およ
び紙の微小な部分の質量変動であり、地合ムラが大きい
と紙中において不均一なフロックの形成や、不均一な質
量分布をなす。一般に、原紙の地合に影響を及ぼす要因
としては、例えば抄紙機の種類、ヘッドボックスの構
造、ワイヤーパートでの紙料の脱水条件、紙料濃度、パ
ルプの種類および叩解度、あるいは紙料に添加する歩留
り向上剤や紙力増強剤等の種類や添加量などがある。し
たがって、上記の如き各要件を適宜組合わせて、原紙の
地合を調整することができる。
【0018】なお、本発明では塗工紙の仕上げに金属ロ
ールと弾性ロールとから構成される高温キャレンダーが
使用される。この場合、キャレンダー操業性の安定化
(例えば、弾性ロールの損傷を防ぐこと)と塗工紙の光
沢と平滑性がより良くなるために、弾性ロールの硬度を
高くするが、原紙地合ムラに付随して発生した塗工層の
不均一性、特に塗工層の凸部分が凹部分より大きな力を
受けて、その部分が緻密化されるために、緻密化された
部分の光沢が周辺と対比し異常に高くなり、光沢ムラが
発生すると考えられる。さらに、その部分の毛細管空隙
も著しく減少するために、印刷を施した場合、高光沢部
分でのインキ吸収が遅くなり、周辺部分とのインキ吸収
速度に相違が生じ、結果的に印刷モトルになるものと推
定される。
【0019】上記の如き知見をもとに、本発明者等は原
紙の地合ムラを改善することにより、白紙モトルや印刷
モトルが大幅に解消されるだろうとの予測に基づいて、
原紙の地合改善策について鋭意検討を重ねた。その結
果、地合指数が70以下、好ましくは50以下である原
紙を使用することにより、原紙への塗料の浸透が不均一
にならず、比較的均一な塗工層が形成されるために、キ
ャレンダー通紙による加圧平滑化処理において塗工紙の
白紙モトルや印刷モトルの発生が効果的に抑えられるこ
とが分かった。因みに、地合指数が70を越える原紙を
使用すると、キャレンダー処理後に著しい白紙モトルや
印刷モトルが発生する。
【0020】ここに、原紙の地合指数とは、光透過型の
地合計であるシートフォーメーションテスター(商品
名:EMT−1000A型/野村商事)を使用して得た
値である。この測定器の測定原理は原紙を透過した光を
CCDカメラで各画素に分解し、各画素の吸光度のバラ
ツキである標準偏差を平均吸光度で割ったもので、「単
位坪量当たりのムラの大きさを表わしたものであり」、
地合指数が大きいものほど、地合が悪いことを意味す
る。
【0021】なお、原紙の地合測定方法としては、上記
の如き光透過型の他に軟X線等を使用する方法もある
が、本発明の場合、実際の目視評価(白紙モトルや印刷
モトル)と高い相関性のある光透過型の地合計による測
定法を採用した。
【0022】因みに、原紙の地合指数を調整する方法と
しては、パルプスラリー(紙料)の分散を良くするよう
に抄紙ワイヤーのシェーキングを強くする、できるだけ
低濃度の紙料を使用する、パルプ材に広葉樹を主体とし
た短繊維のものを使用する、あるいは凝集作用を示すよ
うな内添助剤をできるだけ使用しない等の配慮がなされ
る。勿論、実際の調整は他の紙質や紙品質とのバランス
があるので、上記のような各要件を適宜組合わせて調整
が行われる。
【0023】さらに、本発明では塗料の保水度を40〜
60g/m2 に調整することが重要である。即ち、上記
の保水度範囲にすることにより、塗料の不動化を促進さ
せ、原紙への塗料の過度の浸透を抑制することで原紙地
合から派生する塗被層の塗工ムラを抑制し、結果的に白
紙モトルや印刷モトルが効果的に解消される。因みに、
保水度が60g/m2 を越えると、原紙への塗料の浸透
が過大になり、白紙モトルや印刷モトルが誘発され、ま
た操業的には紙切れ等の頻度が増大し生産性が低下す
る。他方、40g/m2 未満の場合には、塗被層中の接
着剤の不均一分布が発生し易く、結果的に印刷モトルが
発生するようになる。さらにブレード塗工を行う場合に
は、ストリーク等の条跡トラブルが発生し製品品質に悪
影響を及ぼす。上記より、塗料の保水度を40〜60g
/m2 に特定するものである。
【0024】ここに、塗料の保水度とは、Abo Ac
demi法に準拠して、以下の如き処方に基づいて行っ
た値である。即ち、5μmのメンブランフィルターに、
濃度を55%に調整した塗料10ccを100kPa・
sの圧力で30秒間押しつけ、該フィルターを透過して
出てきた水分をNo.2濾紙に吸い取り、その吸水量を
濾紙m2 に換算して算出した値を保水度とするものであ
る。値が小さい程、その塗料の保水度は高い。
【0025】塗料の保水度測定方法には、上記のAbo
Acdemi法以外に、SDワーレン法、Thomi
n法、KNP法等があるが、特に本発明ではストリー
ク、ブリーリングおよび紙切れ等のブレードコーター操
業性と塗料の保水性との相関性の点でAbo Acde
mi法が特に最適と判断されたので、採用したものであ
る。因みに、塗料の保水度の調整は、塗料濃度、接着剤
の種類と量、カルボキシセルロースやアクリル酸エステ
ル等の増粘剤の利用、その種類と添加量等により適宜調
整が可能であり、製品品質とのバランスを考慮して上記
の条件を適宜組合わせて調整される。
【0026】本発明で使用される塗料は通常の塗工紙製
造分野で使用される、顔料と接着剤を主成分とする塗料
であって、特に限定されるものではない。先ず、顔料と
しては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バ
リウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、ホ
ワイトカーボン、デラミカオリン、珪藻土、炭酸マグネ
シウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の
無機顔料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹
脂微粒子、微小中空粒子等の有機顔料等が例示され、必
要に応じてこれらの1種以上が適宜組合わされて使用さ
れる。
【0027】接着剤としては、前記した特定のMFT
(20〜35℃)を有する共重合体ラテックスを必須と
するものであるが、勿論それ以外に、一般の塗工紙製造
分野で使用される接着剤を適宜併用して使用することが
できる。そのような接着剤としては、例えば酸化澱粉、
カチオン化澱粉、酵素変性澱粉などの各種の澱粉、およ
び澱粉誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、合成蛋
白等の蛋白質類、上記で特定される以外のスチレン−ブ
タジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテック
ス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エ
ステル重合体、あるいは共重合体などのアクリル系重合
体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテック
ス、さらにはこれらの各種共重合体ラテックスをカルボ
キシル基等の官能基で変性したもの、各種ポリビニルア
ルコール、各種ポリアクリルアミド、メラミン樹脂等の
合成樹脂系接着剤、さらには各種セルロース誘導体等が
挙げられる。これらの接着剤は総量で、一般に顔料10
0重量部に対し5〜30重量部、好ましくは7〜20重
量部程度の範囲で調節される。
【0028】なお、塗料組成としては、前記した如く顔
料と接着剤を主成分として配合されるものであるが、さ
らに本発明の所期の効果を損なわない範囲で、塗料中に
は必要に応じて、顕色剤、粘着剤、磁性粉体、感光剤、
導電処理剤、マイクロカプセル、消泡剤、着色染料、蛍
光増白剤、紫外線防止剤、分散剤、可塑剤、pH調整
剤、離型剤、流動変性剤、固化促進剤、耐水化剤、撥水
剤、流動変性剤、防腐剤、着色剤等の助剤を適宜配合す
ることができる。そして、最終的にはその保水度が、前
記したような原材料の種類や配合率、濃度、さらには保
水剤等の添加条件を適宜組合わせて40〜60g/m2
となるように調整される。
【0029】かくして得られた塗料は、例えばブレード
コーター、エアナイフコーター、ロールコーター、リバ
ースロールコーター、バーコーター、カーテンコータ
ー、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャン
プレックスコーター、サイズプレスコーターなどの塗工
装置を設けたオンマシン、あるいはオフマシンコーター
によって塗工される。この場合の塗料の固形分濃度は保
水度との関係もあるが、一般に50〜60重量%の範囲
で調整される。
【0030】本発明においては、その製品米坪を特に限
定するものではないが、製品米坪として56g/m2
下、かつ塗料の塗工量が乾燥重量で片面当たり3〜8g
/m 2 となるように塗工層を設けた場合に、とりわけ顕
著な効果が得られる。特に、低米坪の塗工紙の場合に剛
度と塗被層面の平滑、あるいは光沢に優れた製品が極め
て効果的に得られる。
【0031】因みに、製品米坪が56g/m2 以下の場
合で、塗被層が3g/m2 未満のときは原紙の地合ムラ
の影響を受け易く、塗被層面の平滑性が劣る傾向にあ
る。また、製品米坪が56g/m2 以下で、塗被層が8
g/m2 を超えるような仕様では、その分原紙の坪量が
小さくなるので、紙切れが頻発し易くなり、操業性が不
安定となり、かつ品質的にも高い剛度を有する製品を得
にくい。なお、湿潤塗工層を乾燥する方法としては蒸気
乾燥、熱風乾燥、ガスヒーター加熱、電気ヒーター加
熱、赤外線ヒーター加熱等、各種の方式が採用される。
【0032】前記したように、本発明の方法では得られ
た塗工紙を100℃以上の高温キャレンダーに通紙し
て、高温加圧仕上げをするものであるが、そのようなキ
ャレンダーとしては、例えばスーパーキャレンダー、グ
ロスキャレンダー、ソフトキャレンダー等の金属ロール
またはドラムと弾性ロールからなる各種のキャレンダー
装置がオンマシンやオフマシン仕様で適宜使用される。
【0033】なお、金属ロール表面は硬質クロムメッキ
等で鏡面処理を施しておくこともでき、その表面温度と
して100〜300℃の高温にした金属ロールを有する
装置が使用される。使用する弾性ロールはウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、
ポリアクリレート樹脂等の樹脂ロール、コットン、アス
ベスト、ナイロン、アラミド繊維等を成形したロールが
適宜使用される。弾性ロールの硬度については高温、高
圧下での弾性ロールの耐久性、耐熱性、さらに得られる
製品の光沢や平滑性付与のために、ショアーD硬度が8
5度以上のものが好ましいが、反面、塗工紙の白紙モト
ルや印刷モトルが発生する傾向にあるものの、本発明に
よる塗工紙は白紙モトルや印刷モトルが発生しにくいの
で、弾性ロール硬度はショアーD硬度で90°以上のも
のを使用するとより良好な光沢、平滑性を得ることがで
き、好ましい方法である。
【0034】キャレンダーロールの加圧条件は線圧で5
0〜500KN/m程度の範囲で調節され、加圧ニップの
数はソフトキャレンダーの場合には1ドラム当たり2〜
6ニップであるが、スーパーキャレンダーの場合には通
常3〜11ニップ程度が一般的である。本発明において
は、紙を嵩高く処理することが可能なソフトキャレンダ
ーでの処理が好ましい。
【0035】なお、キャレンダー処理に掛かる前の塗工
紙の水分としては3〜10%程度が好ましく、塗工紙の
紙面温度としてはオンマシンキャレンダーの場合で30
〜70℃程度、オフマシンキャレンダーの場合で10〜
70℃程度が一般的である。また、キャレンダーの仕上
(通紙)速度は紙の米坪、紙品種等によって異なるが、
生産性を考慮すると100〜1500m/分程度の範囲
で運転されるが、本発明の場合、特に500m/分以上
の高速運転時に、その作用効果が顕著に現われる。さら
に、仕上げ後の塗工紙の調湿、加湿のためにロールによ
る水塗り、静電加湿、蒸気加湿などのための各種装置が
設置されたり、従来から塗工紙製造分野で知られている
各種技術を適宜組合わせて使用することも勿論可能であ
る。
【0036】次に、原紙としては、前記したように特定
の地合指数を有する原紙を用いる限り、特に限定されな
い。即ち、一般の塗工紙製造分野で使用されるような原
紙、例えば繊維パルプ、填料、サイズ剤、紙力増強剤等
を適宜配合してなる紙料を通常の長網抄紙機、円網抄紙
機、ツインワイヤー抄紙機等を用いて公知の方法で抄紙
される。パルプとしては、木材、および麻等の植物を原
料とする化学パルプ、古紙再生パルプ、合成パルプ、無
機繊維等を適宜利用できる。
【0037】また、填料には、例えば重質炭酸カルシウ
ム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タ
ルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、非晶質シリ
カ、デラミカオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸
化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機顔料やポリスチ
レン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空
粒子等の有機顔料等が例示され、これらの一種以上を適
宜組合わせて使用できるし、さらに古紙やブローク等に
含まれる顔料も再生使用できる。
【0038】また、内添剤としては従来から使用されて
いる各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるい
は両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力向上剤や内
添サイズ剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択
して使用される。例えばアルミニウム、鉄等の多価金属
化合物(硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソ
ーダ、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アル
ミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や水に易分散性
のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物或いは硫
酸第一鉄、塩化第二鉄等)や各種澱粉類、ポリアクリル
アミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレ
ンイミン、ポリアミン、親水性架橋ポリマー粒子分散物
およびこれらの誘導体あるいは変性物等の各種化合物が
ある。
【0039】特に、パルプの種類や歩留り向上剤、濾水
性向上剤、紙力向上剤等の抄紙用内添助剤は、原紙地合
に対する影響が大きいので、本発明で特定される原紙の
地合指数が維持されるように添加、調整されることが重
要である。さらに、内添サイズ剤としては各種のサイズ
剤、例えばアルキルケテンダイマー系、アルケニル無水
コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石
油樹脂系サイズ剤やロジン系のサイズ剤等が使用でき
る。
【0040】その他に、染料、蛍光増白剤、pH調整
剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロ
ール剤等の抄紙用内添助剤を用途に応じて適宜添加する
こともできる。抄紙方法については特に限定されず、例
えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙によるもの
か、あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成
分として含み、抄紙pHが約6の弱酸性〜約9の弱アル
カリ性で行う、所謂中性抄紙によるものか等については
特に限定するものではない。
【0041】抄紙された原紙には、必要に応じてサイズ
プレス処理を行ってもよい。その場合のサイズプレス液
としては、澱粉、各種化工澱粉、各種水溶性セルロー
ス、各種ポリビニールアルコール、各種ポリアクリルア
ミド、ラテックス、アルキルケテンダイマー、スチレン
−アクリル系、オレフィン−無水マレイン酸系、高級脂
肪酸系の各種表面サイズ剤、エポキシ化合物等の耐水化
剤、蛍光増白剤、消泡剤、湿潤剤、帯電防止剤、各種無
機顔料、各種有機顔料、染料、澱粉粒子、および各種添
加剤も目的に応じて添加することができる
【0042】サイズプレス液の塗布方法については特に
限定されず、例えば、ツーロールあるいはメタリングブ
レード式のサイズプレス、ビルブレードサイズプレス、
ゲートロールサイズプレス、キャレンダー等の一般に使
用されているサイズプレス装置およびエアーナイフコー
ター、ロールコーター、ピュアーブレードコーター、ロ
ッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、グ
ラビアコーター、メタリングバーコーター、カーテンコ
ーター、ダイコーター、スプレーコーター等の一般に使
用されている塗布装置が適宜使用され、紙の両面または
片面に塗布される。さらに、原紙に各種キャレンダーを
使用して、予め平滑化処理を施しておくことも可能であ
る。
【0043】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、勿論、本発明はそれらに限定されるものでは
ない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそ
れぞれ重量部、重量%を示す。
【0044】実施例1 (原紙の調製)LBKPをCSF500mlまで叩解し
たもの70部とNBKPをCSF500mlまで叩解し
たもの30部からなるパルプスラリー100部に、填料
として軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121
/奥多摩工業社製)10部を添加し、次いで硫酸アルミ
ニウム0.5部、カチオン澱粉(アミロファックス22
00/松谷化学工業社製)0.5部、アルキルケテンダ
イマーサイズ剤(サイズパインK−287/荒川化学工
業社製)0.1部、アニオン性ポリアクリルアミド(ア
ラフィックス504/荒川化学工業社製)0.02部を
添加(各固形分)して紙料を調成した。このようにして
得られた紙料を長網抄紙機で抄紙し、得られた成紙にサ
イズプレス装置で酸化澱粉(エースA/王子コーンスタ
ーチ社製)1.8g/m2(固形分)を塗布し、地合指数
が50である、米坪36g/m2 の原紙を得た。
【0045】(塗工紙の製造)カオリン(UW−90/
エンゲルハード社製)85部、微粒子重質炭酸カルシウ
ム(カービタル90/ECC社製)15部、さらに分散
剤としてポリアクリル酸ナトリウム0.2部を添加して
コーレス分散機で分散し、固形分74%の顔料スラリー
を調製した。この顔料スラリーに酸化澱粉(エースC/
王子コーンスターチ社製)5部(固形分)、MFTが3
0℃の共重合体ラテックス(P−4891/住友ダウ社
製)12部(固形分)を加え、さらに水を加えて固形分
濃度55%、保水度48g/m2 の塗料を得た。この塗
料を上記で得た36g/m2 の原紙に乾燥重量が片面当
たり5g/m2となるように、ブレードコーターを用い
て両面塗工した後、乾燥して両面塗工紙を得た。
【0046】かくして得られた塗工紙をチルドロールの
表面温度が140℃、ニップ数4(塗工紙の表裏各面に
2回ずつチルドロールが接触するようにニップを形成す
る)、弾性ロールのショアーD硬度が90°のソフトキ
ャレンダーを使用して印刷用塗工紙を得た。かくして得
られた塗工紙について、下記に示す評価方法により品質
測定を行ない、その結果を表1および2に示した。
【0047】実施例2 実施例1において、原紙に添加するアニオン性ポリアク
リルアミド(アラフィックス504/荒川化学工業社
製)0.02部を0.06部に変更し、さらに、塗料に
添加する酸化澱粉(エースC/王子コーンスターチ社
製)5部を1部に変更した以外は、実施例1と同様にし
て塗工紙を得た。なお、この場合の原紙の地合指数は6
8、塗料の保水度は59g/m2 であった。かくして得
られた両面塗工紙について、実施例1と同様に品質測定
を行ない、その結果を表1および表2に示した。
【0048】実施例3 実施例1において、塗料に添加する酸化澱粉(エースC
/王子コーンスターチ社製)5部を9部に変更した以外
は、実施例1同様にして塗工紙を得た。なお、この塗料
の保水度は40g/m2 であった。かくして得られた両
面塗工紙について、実施例1と同様に品質測定を行な
い、その結果を表1および表2に示した。
【0049】実施例4 実施例1において、塗料に使用したMFTが30℃であ
る共重合体ラテックス(P−4891/住友ダウ社製)
を、MFTが20℃である共重合体ラテックス(ポリコ
2311/ローム・アンド・ハース社製)に変更し、さ
らにソフトキャレンダーをチルドロールの表面温度が1
00℃で、ニップ数が12のスーパーキャレンダーに変
更した以外は、実施例1と同様にして両面塗工紙を得
た。なお、このときの塗料の保水度は47g/m2 であ
った。かくして得られた両面塗工紙について、実施例1
と同様に品質測定を行ない、その結果を表1および表2
に示した。
【0050】実施例5 実施例1において、塗料に使用した共重合体ラテックス
を最低造膜温度が35℃である共重合体ラテックス(P
−3248/住友ダウ社製)に変更し、さらにソフトキ
ャレンダーのチルドロールの表面温度を140℃から1
80℃に変更した以外は、実施例1と同様にして両面塗
工紙を得た。なお、このときの塗料の保水度は49g/
2 であった。かくして得られた両面塗工紙について、
実施例1と同様に品質測定を行ない、その結果を表1お
よび表2に示した。
【0051】実施例6 実施例1において、原紙の実量を36g/m2 から46
g/m2 に変更した以外は、実施例1と同様にして両面
塗工紙を得た。なお、この原紙の地合指数は47であっ
た。かくして得られた両面塗工紙について、実施例1と
同様に品質測定を行ない、その結果を表1および表2に
示した。
【0052】実施例7 実施例1において、片面当たりの塗工量を5g/m2
ら10g/m2 に変更した以外は、実施例1と同様にし
て両面塗工紙を得た。かくして得られた両面塗工紙につ
いて、実施例1と同様に品質測定を行ない、その結果を
表1および表2に示した。
【0053】実施例8 実施例1において、原紙の実量を36g/m2 から40
g/m2 に変更し、片面当たりの塗工量を5g/m2
ら2.5g/m2 に変更した以外は、実施例1と同様に
して両面塗工紙を得た。なお、この原紙の地合指数は4
7であった。かくして得られた両面塗工紙について、実
施例1と同様に品質測定を行ない、その結果を表1およ
び表2に示した。
【0054】実施例9 実施例1において、塗料に添加する酸化澱粉を冷水可溶
性澱粉(ハイコースター PC−11/三和澱粉工業社
製)に変更し、新たに増粘剤(アルコガムL−28/カ
ネボウNSC社製)0.25部を添加した以外は、実施
例1と同様にして両面塗工紙を得た。なお、この塗料の
保水度は46g/m2 であった。かくして得られた両面
塗工紙について、実施例1と同様に品質測定を行ない、
その結果を表1および表2に示した。
【0055】比較例1 実施例1において、塗料に添加した共重合体ラテックス
(MFT30℃)をMFTが12℃の共重合体ラテック
ス(プライマルAC−3444/ローム・アンド・ハー
ス社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして両面
塗工紙を得た。なお、この塗料の保水度は45g/m2
であった。かくして得られた両面塗工紙について、実施
例1と同様に品質測定を行ない、その結果を表1および
表2に示した。
【0056】比較例2 実施例1において、塗料に添加した共重合体ラテックス
(MFT30℃)をMFTが60℃の共重合体ラテック
ス(CXG−322/住友化学社製)に変更した以外
は、実施例1と同様にして両面塗工紙を得た。なお、こ
の塗料の保水度は45g/m2 であった。かくして得ら
れた両面塗工紙について、実施例1と同様に品質測定を
行ない、その結果を表1および表2に示した。
【0057】比較例3 実施例1において、ソフトキャレンダーのチルドロール
の表面温度140℃を80℃に変更した以外は、実施例
1と同様にして両面塗工紙を得た。得られた両面塗工紙
について、実施例1と同様に品質測定を行ない、その結
果を表1および表2に示した。
【0058】比較例4 実施例1において、原紙に添加するカチオン澱粉(アミ
ロファックス2200/松谷化学工業社製)0.5部を
1.0部に、さらにアニオン性ポリアクリルアミド(ア
ラフィックス504/荒川化学工業社製)0.02部を
0.1部に変更した以外は、実施例1と同様にして両面
塗工紙を得た。なお、この原紙の地合指数は80であっ
た。かくして得られた両面塗工紙について、実施例1と
同様に品質測定を行ない、その結果を表1および表2に
示した。
【0059】比較例5 実施例1において、塗料に添加する酸化澱粉(エースC
/王子コーンスターチ社製)5部を、酸化澱粉(エース
A/王子コーンスターチ社製)9部に変更した以外は、
実施例1と同様にして両面塗工紙を得た。なお、この塗
料の保水度は35g/m2 であった。かくして得られた
両面塗工紙について、実施例1と同様に品質測定を行な
い、その結果を表1および表2に示した。
【0060】比較例6 実施例1において、塗料に添加する酸化澱粉(エースC
/王子コーンスターチ社製)5部の添加を0とした以外
は、実施例1同様にして両面塗工紙を得た。なお、この
塗料の保水度は70g/m2 であった。かくして得られ
た両面塗工紙について、実施例1と同様に品質測定を行
ない、その結果を表1および表2に示した。
【0061】比較例7 実施例6において、塗料に添加する共重合体ラテックス
(P−4891/住友ダウ社製,MFT30℃)をMF
Tが12℃である共重合体ラテックス(プライマルAC
−3444/ローム・アンド・ハース社製)に変更した
以外は、実施例6と同様にして両面塗工紙を得た。な
お、この塗料の保水度は47g/m2 であった。かくし
て得られた両面塗工紙について、実施例1と同様に品質
測定を行ない、その結果を表1および表2に示した。
【0062】〔評価方法〕原紙の地合指数の測定、塗料
(塗工)液の保水度の測定、共重合体ラテックスのMF
Tの測定、および塗工紙の剛度、平滑度および印刷強度
の測定を下記の方法により、測定、評価した。
【0063】(1)原紙の地合指数 野村商事社より購入したシートフォーメーションテスタ
ー(EMT−1000A型)を使用し、原紙の地合指数
を測定した。
【0064】(2)塗料の保水度 エス・エム・テー社製のAA−GWR Water R
etention Meterを使用し、Abo Ac
demi法により塗料の保水度を測定した。具体的に
は、5μmのメンブランフィルターに55%濃度の塗料
10ccを100kPa・sの圧力で30秒間押しつ
け、フィルターを通過して出てきた水分をNo.2濾紙
に吸い取り、その吸水量を濾紙m2 に換算して算出した
値を保水度とした。
【0065】(3)共重合体ラテックスの最低造膜温度 共重合体ラテックスの最低造膜温度は、温度勾配を持つ
熱板の上に共重合体ラテックスの湿潤塗被層を設け、そ
の塗被層が乾燥する過程において、ひび割れのない共重
合体ラテックスフイルムを形成する最低温度を最低造膜
温度とした。
【0066】(4)塗工紙の平滑度 JAPAN TAPPI No.5に準拠し、スムース
ター平滑度計を使用して測定した。
【0067】(5)剛度 JIS P−8143に準拠し、クラーク剛度計により
測定した。試験幅30mmにおける紙のMD、CD方向
の臨界長を求め、それらの平均値Lより、クラークこわ
さ:L3 /100(cm3 /100)で表現した。
【0068】(6)白紙モトル 目視により判定した。 ○ :良好 △ :やや劣る × :劣る
【0069】(7)表面強度、印刷モトル(インキ吸収
ムラ) RI印刷機(明製作所製)にてオフセットインキを使用
して印刷した後それぞれを目視判定した。 ○ :良好 △ :やや劣る × :劣る
【0070】(8)コーター操業性 ブレードコーターにおける操業状態を下記により評価し
た。 ○ :ブレードコーターにおいて、ストリークやブリー
リングおよび紙切れの発生が殆どなく、操業上の問題が
ない。 △ :ブレードコーターにおいて、ストリークやブリー
リングおよび紙切れがとき折発生するが、操業は可能で
ある。 × :ブレードコーターにおいて、ストリークやブリー
リングおよび紙切れが頻繁に発生し、操業を著しく乱
す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】表1および表2の結果から明らかなよう
に、本発明の実施例で得られた塗工紙は、紙の剛度や白
紙面の表面性や印刷仕上がり等の品質に優れたものであ
った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートフォーメーションテスターで測定し
    た地合指数が70以下である原紙上に、顔料と最低造膜
    温度が20〜35℃の範囲にある共重合体ラテックスが
    含有せしめられてなる水性組成物で、かつAbo Ac
    demi法に準拠した保水度が40〜60g/m2 であ
    る水性組成物を塗工、乾燥した後、少なくとも1つの金
    属ロールが100℃以上に加熱されてなるキャレンダー
    に通紙して仕上げることを特徴とする塗工紙の製造方
    法。
  2. 【請求項2】水性組成物の塗工量が原紙の片面当たり3
    〜8g/m2 であり、かつ塗工紙の仕上り米坪が56g
    /m2 以下である請求項1記載の塗工紙の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277772A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Hokuetsu Paper Mills Ltd 印刷用塗工紙
JP2009097099A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Kao Corp 塗工紙の製造方法
JP2009097097A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Kao Corp 塗工紙の製造方法

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JP2009097099A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Kao Corp 塗工紙の製造方法
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