JPH06264396A - グラビア印刷用塗被紙の製造方法 - Google Patents

グラビア印刷用塗被紙の製造方法

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JPH06264396A
JPH06264396A JP4922193A JP4922193A JPH06264396A JP H06264396 A JPH06264396 A JP H06264396A JP 4922193 A JP4922193 A JP 4922193A JP 4922193 A JP4922193 A JP 4922193A JP H06264396 A JPH06264396 A JP H06264396A
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pulp
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JP4922193A
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Hitoshi Naito
均 内藤
Toshio Hoda
俊夫 穂田
Hiroyasu Yamamoto
博保 山本
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ミッシングドットが少なく、網点再現性に優
れ、かつ紙腰の強いグラビア印刷用塗被紙の製造方法を
提供する。 【構成】基紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗被組
成物を設けてなるグラビア印刷用塗被紙の製造方法に関
し、特に基紙の表面が下記式を満足するグラビア印刷
用塗被紙の製造方法。 : ΔS ≧ 5.92 ここに、ΔSは正反射型平滑度計を用いて、押しつけ圧
20kg/cm2 における接触率(%)から、押しつけ
圧10kg/cm2 における接触率(%)を差し引いた
接触率%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラビア印刷用塗被紙
の製造方法に関し、特にミッシングドットが少なく、網
点再現性に優れ、かつ紙腰の強いグラビア印刷用塗被紙
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙の印刷方式としては、活版印刷、オフ
セット印刷、グラビア印刷等が知られている。近年、本
および雑誌の構成が文字主体から写真主体のものに移行
することにより、原稿の再現性が良く、インキ濃度が高
く、迫力のある印刷が可能なグラビア印刷方式が増加し
ている。グラビア印刷は、インキを印刷版の凹孔からグ
ラビア印刷用塗被紙へ転移させる方式であるため、所謂
ミッシングドットや網点再現性に代表されるグラビア特
有の網点欠損不良が起こり易い。
【0003】このミッシングドットを解消する方法とし
て、従来種々の方法が提案されている。例えば基紙に対
する対策としては、基紙中の灰分を上げる、基紙の平滑
性を良くする、基紙に含浸させる澱粉を少なくするか、
あるいは水塗りを行う等がある。また、塗被組成物にお
いては、接着剤である澱粉配合率を少なくするか、また
は配合しない。塗被紙の表面平滑性を改善する方法とし
て、高温および高圧でスーパーキャレンダー処理を施す
等である。しかし、上記の如き改善技術はミッシングド
ットの解消や網点再現性の改善効果は認められるもの
の、紙腰が弱くなるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、グラビア印
刷において、ミッシングドットが少なく、網点再現性に
優れ、かつ紙腰の強いグラビア印刷用塗被紙の製造方法
を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基紙上に、顔
料と接着剤を主成分とする塗被組成物を設けてなるグラ
ビア印刷用塗被紙の製造方法において、該基紙の表面が
下記式を満足することを特徴とするグラビア印刷用塗
被紙の製造方法である。 : ΔS ≧ 5.92 ここに、ΔSは正反射型平滑度計を用いて、押しつけ圧
20kg/cm2 における接触率(%)から、押しつけ
圧10kg/cm2 における接触率(%)を差し引いた
接触率%である。
【0006】
【作用】基紙となる紙の平滑性は、原料であるパルプの
種類、その製造方法、叩解機の種類および処理条件、添
加薬品、抄造条件(例えばプレス圧、スムーザー圧、サ
イズプレス圧、キャレンダー圧)により左右されるもの
である。また、塗被紙においても塗被組成物、塗被後の
スーパーキャレンダー処理によっても影響を受けるもの
である。
【0007】前述の如く、従来技術ではミッシングドッ
トを解消する方向の対策を採ると、紙腰が弱くなる。一
方、紙腰の強化のために基紙中の灰分を少なくして、基
紙へ含浸させる澱粉量等を増加すると、ミッシングドッ
トが悪化する方向の対策となり、問題であった。而し
て、本発明者等は、紙腰を高めるために、基紙へ含浸さ
せる澱粉量を多くし、しかもミッシングドットについて
も解消されるグラビア印刷用塗被紙の製造方法につい
て、鋭意研究を重ねた。その結果、本発明が所望とする
効果を得るためには、基紙のクッション性を考慮した平
滑性が極めて重要な要件であることを見出し、特に正反
射型平滑度計を用いて測定した平滑度値との間に密接な
相関性があることを突き止めた。
【0008】即ち、本発明は、下記式の条件を満たし
てなる基紙を支持体として用いることにより、本発明が
所望するグラビア印刷用塗被紙が効率良く得られること
を見出し、本発明を完成させるに至ったのである。 : ΔS ≧ 5.92 ΔSとは正反射型平滑度計を用いて、押しつけ圧20k
g/cm2 における接触率(%)から、押しつけ圧10
kg/cm2 における接触率(%)を差し引いた接触率
%を示すものである。
【0009】ここに、正反射型平滑度を採用する理由
は、通常の空気漏洩式の平滑度測定器である、所謂ベッ
ク平滑度計やパーカープリントサーフ計等では紙の通気
性の影響を受けやすい。一方、これに対し、光反射を利
用した正反射型平滑度計で測定した値は、仕上げられた
面の平滑性およびクッション性との間に極めて高い相関
関係を示すことが明らかとなった。正反射型平滑度計に
よる具体的な測定方法は、被測定物(試料)を20×2
0mmのプリズムに所要の圧(5〜40kg/cm2
間で可変)で圧着したときに、試料がプリズムと接触す
る面積を光学的に検知し、そのときの接触率(%)を測
定するものであり、値が大きい程平滑である。
【0010】本発明において、正反射型平滑度計による
測定に際し、試料(基紙)の圧着圧の条件を変えて測定
したときの接触率の関係が上記式で示したように、Δ
Sが5.92以上の場合には、その理由については定か
でないが、押しつけ圧10kg/cm2 の接触率がいく
ら低くても、その基紙はクッション性に優れ、塗被後ス
ーパーキャレンダー等の加圧処理により、グラビア印刷
におけるミッシングドットの極めて少ない塗被紙として
仕上げることができる。因みに、正反射型平滑度計によ
るΔSが5.92未満の場合には、たとえ基紙の平滑性
が良くても、クッション性がなく、塗被後スーパーキャ
レンダー処理を施しても満足な結果を得ることができな
い。
【0011】なお、基紙中に下記および式の条件を
満たすパルプ繊維を全パルプ繊維の50重量%以上配合
することにより、本発明が所望とする効果がより一層改
善されることが分かった。従って、本発明において、特
に下記および式の条件を満たす仕様は好ましい実施
態様となるものである。 : 0.3 ≦ L ≦ 1.0 : 0.3 ≦ d/D ≦ 0.8 ここに、L=J.TAPPI No.52に定める方法で測
定した長さ加重平均繊維長(mm)、D=顕微鏡写真法
にて測定した平均繊維径(μm)、d=顕微鏡写真法に
て測定した平均ルーメン径(μm)である。
【0012】因みに、Lが1mmを越えると、パルプの
調成、あるいは抄紙工程における紙料の分散性が悪るく
なり、平滑性が低下する恐れがある。一方、0.3mm
未満の場合には、紙層強度の大幅な低下が懸念されるの
で、好ましくない。以上より、L値として、0.3≦L
≦1.0、より好ましくは0.35≦L≦0.85mm
に特定したパルプを用いると、より好ましい結果を得る
ことができる。また、式より、分かるように、d/D
が0.3未満の場合には、繊維が固くなり過ぎて紙層が
潰れ難くなり、所望とする紙面平滑性が期待できない恐
れがあり、一方0.8を越えると、紙が潰れ易くなり、
基紙の平滑性は向上するものの、基紙のクッション性が
失われ、ミッシングドットの改善が期待できない。上記
の如き事情より、d/D(比)を0.3≦d/D≦0.
8、好ましくは0.35≦d/D≦0.75、より好ま
しくは0.40≦d/D≦0.72に特定されるもので
ある。このようにおよびの条件を満たすパルプを基
紙を構成する全パルプ繊維の50重量%以上、好ましく
は60重量%以上含有せしめることにより、本発明が所
望とする効果がより一層発揮されるものである。
【0013】なお、パルプ繊維長の測定方法には、篩別
法によるパルプ繊維長測定法(TAPPI−STD T23
2hm −85)等があるが、本発明でいうJ.TAPPI N
o.52に定める方法で長さ加重平均繊維長を測定する方
法は、これらの方法とは異なり、高い検出力を持ち、繊
維の幅、繊維壁の厚み、繊維の柔軟性等の影響を受ける
ことがなく繊維長分布を自動的に測ることができるとい
う特徴を有している。なお、本発明の各実施例等におけ
る測定はフィンランドのKAJAANI社製のFS−1
00型機を用い、測定したものである。
【0014】また、平均繊維径と平均ルーメン径につい
ては顕微鏡写真から測定した。顕微鏡写真の撮影に際し
ては、パルプ繊維をアクリル樹脂で包埋し、ミクロトー
ムで作った薄い切片を用いて行い、各々について25本
の繊維を測り、平均値を求めた。
【0015】本発明で使用するパルプ繊維としては、そ
の製法や種類等について、特に限定されるものではな
く、例えばKP、SP、AP法等によって得られる針葉
樹や広葉樹等の化学パルプ、その他BCTMP、CTM
P、CGP、RGP、SGP、TMP等の各種機械パル
プ、DIP等の古紙パルプ、麻パルプのような非木材パ
ルプ、合成パルプ、各種の合成繊維乃至ガラス繊維が適
宜組合わされて使用される。
【0016】上記およびの条件を得る上で、特に好
ましいパルプ繊維としては、例えば楓、樺、樫、楢、ブ
ナ、アスペン、ユーカリ等の広葉樹を原料とするKP、
SP、AP法等によって得られる化学パルプが挙げられ
る。なお、必要に応じて、他の木材パルプ、ケナフ、
竹、麻等のような非木材パルプやポリエステルやポリオ
レフィン等の合成パルプ、あるいは合成繊維、さらには
ガラス繊維、セラミック繊維等からなる無機質繊維も適
宜使用できる。
【0017】また、上記、およびの条件を満たす
パルプ繊維を得る方法としては、上記の如き特定パルプ
繊維の原料の選択、パルプ化の選択、叩解条件の選定、
抄紙過程での湿紙に対するウェットパートでのプレス圧
やオンマシンキャレンダによる加圧条件の加減操作、あ
るいはサイズプレスコータで塗布する澱粉等の種類や量
の加減操作を適宜組合わせる方法等が採られる。実際
に、所望の基紙を得るに際しては、操業性や生産性、あ
るいは最終製品の品質設計を考慮して、上記の各要件を
適宜組合わせることによって行われるものである。
【0018】本発明においては、一般の塗被紙の場合と
同様に基紙中に填料が配合される。この場合の填料とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばタルク、カ
オリン、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質
炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸マグネシ
ウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシ
ウム、ホワイトカーボン、アルミノ珪酸塩、シリカ、セ
リサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物質填料
やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒
子、微小中空粒子等の有機合成填料等が挙げられる。さ
らに、古紙やブローク等に含まれる填料も再生使用でき
る。なお、これらの各種填料の中でも平均粒子径が0.
1〜9μm、より好ましくは0.3〜6μmのものが、
平滑性に優れた紙が得られるため、特に好ましく使用さ
れる。
【0019】なお、パルプ繊維を主成分とする紙料中に
は填料に他に、本発明の所望の効果を損なわない範囲
で、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオ
ン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向
上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤が
適宜使用される。例えばAl、Fe 、Sn 、Zn 等の多
価金属化合物(硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミ
ン酸ソーダ、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸
化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や水に易
分散性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、
あるいは硫酸第一鉄、塩化第二鉄等)や各種サイズ剤
(アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸
系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系
サイズ剤やロジン系のサイズ剤等)及び各種澱粉類、ポ
リアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、
ポリエチレンイミン、ポリアミン、植物ガム、ポリビニ
ルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、
親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体或い
は変性物等、更にはコロイダルシリカ、ベントナイト等
の各種化合物が例示できる。なお、染料、蛍光増白剤、
pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライム
コントロール剤等の抄紙用内添助剤を紙の用途に応じて
適宜添加することもできる。
【0020】また、抄紙方法については特に限定され
ず、例えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙法、炭
酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、
抄紙pHを約6から約9の弱アルカリ性とする、所謂中
性抄紙法等全ての抄紙方法に亘って適用が可能であり、
抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙
機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用できる。
【0021】さらに、ツーロールあるいはメータリング
ブレード式のサイズプレス、ゲートロール、ビルブレー
ドやショートドウェルコーター、スプレー等の装置で基
紙に澱粉、ポリビニルアルコール、ラテックス、カルボ
キシメチルセルロース等の水溶性高分子化合物やアルキ
ルケテンダイマー系、ロジン系、スチレン−アクリル
系、オレフィン−無水マレイン酸系、高級脂肪酸系等の
各種表面サイズ剤、蛍光増白剤、耐水化剤、消泡剤、帯
電防止剤、顔料、染料等を適宜含浸させることも可能で
ある。
【0022】次ぎに、本発明において使用される塗被組
成物について以下に述べる。即ち、グラビア印刷用塗被
組成物として、一般に公知公用の顔料と接着剤を主成分
とする塗被組成物が使用でき、限定されるものではない
が、特に、顔料としてアスペクト比が10以上のカオリ
ンを全顔料に対し、50〜100重量%配合されてなる
塗被組成物が好ましいものである。因みに、アスペクト
比が10以上のカオリンとしてはデラミカオリンが例示
される。また、上記の如き特定の顔料の他に、例えばカ
オリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二
酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ム、酸化亜鉛、タルク等の無機顔料、更にはプラスチッ
クピグメント等の有機顔料が適宜使用される。
【0023】接着剤としては、例えばスチレン−ブタジ
エン系、スチレン−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル
系、ブタジエン−メチルメタアクリル系、酢酸ビニル−
ブチルアクリレート系等の各種共重合体ラテックス及び
ポリ酢酸ビニル等のアルカリ感応性又は非感応性接着
剤、さらにはポリビニルアルコール、スチレン共重合
体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−メチルメタ
クリレート系共重合体等の合成接着剤、酸化澱粉、エス
テル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉等の澱粉
類、それらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性
澱粉、カゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤等が適宜使
用される。なお、接着剤の配合割合は、顔料に対し、固
形分対比で5〜20重量%の範囲で調節される。なお、
塗被組成物中には、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水
剤、消泡剤、滑剤、染料、pH調整剤等の各種助剤が適
宜配合される。
【0024】かくして調製された塗被組成物は、塗工紙
分野で一般に使用されている塗工機、例えばエアーナイ
フコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ショ
ートドウェルコーター等を用いて基紙の両面、または片
面に乾燥後のコート量が片面当り3〜30g/m2 程度
になるように一層乃至多層に分けて塗被、乾燥後、スー
パーキャレンダー等により加圧処理されて塗被紙として
仕上げられる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらの範囲に限定されるものでは
ない。なお、例中の部および%は、特に断わらない限
り、それぞれ重量部および重量%を示す。
【0026】グラビア印刷用塗被紙の作成に際し、以下
の如き基紙および塗被液を調製し、各実施例、および比
較例で得られた基紙の両面にブレードコーターを用い
て、乾燥後の全塗被量が30g/m2 となるように塗
被、乾燥を行った後、同一条件でスーパーキャレンダー
による加圧処理を行い、グラビア印刷用塗被紙を得た。
このときの基紙および塗被紙の条件、評価結果を表1お
よび表2に示した。
【0027】(基紙の調製) 実施例1 基紙を以下の条件で調製した。即ち、LBKPとしてユ
ーカリの幼木を主体とするパルプ〔L値=0.67m
m、d/D=0.51、カナディアン・スタンダード・
フリーネス(以下、C.S.Fと呼称する)が500m
l〕90部、NBKPとして、ヘムロック・ファーを主
体とするパルプ(L値=1.90mm、d/D=0.
74、C.S.F=500ml)10部を配合してなる
パルプスラリーに、タルクを紙灰分が8%となるように
添加し、さらに絶乾パルプに対して、ロジンサイズ剤
0.5%、硫酸バンド3.0%をそれぞれ添加した。か
くして得たパルプスラリー(紙料)を用いて長網抄紙機
で抄紙し、オンマシンサイズプレス装置を用いて、乾燥
後の重量が2g/m2 となるように酸化澱粉をサイズプ
レスコーティングして、緊度0.77、米坪75g/m
2 の基紙を得た。
【0028】実施例2 LBKPとしてブナを主体とするパルプ(L値=0.
79mm、d/D=0.40、C.S.F=480m
l)90部、NBKPとして実施例1で用いたパルプ
10部を配合してなるパルプスラリーに、タルクを紙灰
分が8%となるように添加し、さらに絶乾パルプに対し
て、ロジンサイズ剤0.5%、硫酸バンド3.0%をそ
れぞれ添加した。かくして得たパルプスラリー(紙料)
を用いて長網抄紙機で抄紙し、オンマシンサイズプレス
装置を用いて、乾燥後の重量が2g/m2 となるように
酸化澱粉をサイズプレスコーティングして、緊度0.7
8、米坪75g/m2 の基紙を得た。
【0029】実施例3 LBKPとしてカエデを主体とするパルプ(L値=
0.61mm、d/D=0.55、C.S.F=480
ml)90部、NBKPとして実施例1で用いたパルプ
10部を配合してなるパルプスラリーに、タルクを紙
灰分が8%となるように添加し、さらに絶乾パルプに対
して、ロジンサイズ剤0.5%、硫酸バンド3.0%を
それぞれ添加した。かくして得たパルプスラリーを用い
て長網抄紙機で抄紙し、オンマシンサイズプレス装置を
用いて、乾燥後の重量が2g/m2となるように酸化澱
粉をサイズプレスコーティングして、緊度0.75、米
坪75g/m2 の基紙を得た。
【0030】実施例4 実施例1において、タルクの代わりに平均粒子径が1.
0μmの軽質炭酸カルシウムを使用し、サイズ剤として
ロジンサイズ剤の代わりにアルキルケテンダイマー0.
5%/カチオン澱粉1.2%として中性抄紙をした以外
は、実施例1と同様にして基紙を得た。
【0031】実施例5 基紙として、実施例1と同様の基紙を調製し、実施例1
と異なる塗被液を用いて塗被紙を得た。
【0032】比較例1および比較例4 パルプスラリーの調製に際し、LBKPとしてマングロ
ーブを主体とするパルプ(L値=1.20mm、d/
D=0.25、C.S.F=500ml)90部とした
以外は、実施例1と同様にして緊度0.77、米坪75
g/m2 の基紙を得た。
【0033】比較例2 実施例2において、緊度を0.84にした以外は実施例
2と同様にして基紙を得た。
【0034】比較例3 実施例2において、LBKPパルプとNBKPパルプ
の配合比率を、それぞれ40部および60部に変更し
た以外は実施例2と同様にして基紙を得た。
【0035】上記の各条件で得られたそれぞれの基紙に
対し、下記に示す塗被液をそれぞれ組合わせて、塗被紙
を調製した。
【0036】(塗被液の調製) 実施例1〜4、比較例1〜3 デラミカオリン(商品名:NU−CLAY)80部、軽
質炭酸カルシウム(商品名:アルバグロスM)20部か
らなる顔料スラリー100部を混合調製し、得られたス
ラリーに、接着剤として、アルカリ感応型ラテックス6
部、酸化澱粉3部(いずれも固形分換算)を添加し、さ
らにステアリン酸カルシウム0.5部をそれぞれ添加、
混合攪拌して固形分濃度が63%のグラビア印刷紙用塗
被液を得た。
【0037】実施例5 カオリン(商品名:HT−CLAY)80部、軽質炭酸
カルシウム(商品名:アルバグロスM)20部からなる
顔料スラリー100部を混合調製し、得られたスラリー
に、接着剤として、アルカリ感応型ラテックス6部、酸
化澱粉3部、およびステアリン酸カルシウム0.5部を
それぞれ添加、混合攪拌して固形分濃度が63%のグラ
ビア印刷紙用塗被液を得た。
【0038】比較例4 デラミカオリン(商品名:NU−CLAY)80部、軽
質炭酸カルシウム(商品名:アルバグロスM)20部か
らなる顔料スラリー100部を混合調製し、得られたス
ラリーに、接着剤として、アルカリ感応型ラテックス8
部、およびステアリン酸カルシウム0.5部をそれぞれ
添加、混合攪拌して固形分濃度が63%のグラビア印刷
紙用塗被液を得た。
【0039】なお、各評価項目、および評価方法は下記
に準じて実施した。
【0040】(L値/長さ加重平均繊維長)J.TAP
PI No.52 に定める方法でパルプ繊維の加重平均繊維
長を測定した(μm)。
【0041】(d/D比)ミクロトームで作られたパル
プ繊維の薄い切片を顕微鏡写真で撮影し、その平均繊維
径(D)および平均ルーメン径(d)を測定し、算出し
た。
【0042】(平滑度)正反射型平滑度計/(東洋精機
製作所製)を用いて測定した。
【0043】(塗被紙のミッシングドットの評価)印刷
局研究所式グラビア印刷適性試験機/(熊谷理機工業
製)を用いて、グラビア印刷を行い、印刷物のハーフト
ーン部におけるミッシングドットを目視評価した。 ◎ : ミッシングドットが殆ど認められない。 ○ : ミッシングドットが僅か散見されるが実用上は
全く問題ない。 × : ミッシングドットが多量に発生して、商品価値
がない。
【0044】(網点再現性)印刷物をルーペを用いて評
価した。 ◎ : 網点再現性が極めて優れる。 ○ : 網点再現性が優れる。 × : 網点再現性が劣る。
【0045】(紙腰の測定)クラーク剛度計により測定
した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】表2の結果から明らかなように、本発明
の実施例で得られたグラビア印刷用塗被紙はミッシング
ドットが極めて少なく、かつ網点再現性に優れ、紙腰の
強いグラビア印刷用塗被紙であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗
    被組成物を設けてなるグラビア印刷用塗被紙の製造方法
    において、該基紙の表面が下記式を満足することを特
    徴とするグラビア印刷用塗被紙の製造方法。 : ΔS ≧ 5.92 ここに、ΔSは正反射型平滑度計を用いて、押しつけ圧
    20kg/cm2 における接触率(%)から、押しつけ
    圧10kg/cm2 における接触率(%)を差し引いた
    接触率%である。
  2. 【請求項2】基紙を構成するパルプ繊維として、下記
    、式を同時に満たすパルプ繊維を全パルプ繊維の5
    0重量%以上含有してなる請求項1記載のグラビア印刷
    用塗被紙の製造方法。 : 0.3 ≦ L ≦ 1.0 : 0.3 ≦ d/D ≦ 0.8 ここに、L=J.TAPPI No.52に定める方法で測
    定した長さ加重平均繊維長(mm)、D=顕微鏡写真法
    にて測定した平均繊維径(μm)、d=顕微鏡写真法に
    て測定した平均ルーメン径(μm)である。
  3. 【請求項3】顔料として、アスペクト比が10以上のカ
    オリンが全顔料中に50〜100重量%含まれる請求項
    1または請求項2記載のグラビア印刷用塗被紙の製造方
    法。
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