JP2002038393A - 低密度塗工板紙の製造方法 - Google Patents

低密度塗工板紙の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷適性と塗工面白紙外観に優れ、かつリ
サイクル原料を多配合した低密度塗工板紙の製造方法を
提供する。 【解決手段】 塗工板紙用原紙の塗工予定面側に微細水
滴付着処理を施し、該微細水滴付着処理面をメタルロー
ルに当ててプレカレンダー処理し、次いで顔料塗工して
乾燥した後、該顔料塗工面をメタルロールに当ててカレ
ンダー処理することを特徴とする、低密度塗工板紙の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗工板紙の製造方
法に関するものであり、さらに詳しくは印刷適性と塗工
面白紙外観に優れ、かつリサイクル原料を多配合した低
密度塗工板紙を製造することが可能な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗工板紙は厚い塗工紙の総称である。こ
の板紙は美粧印刷を施し、包装材料として使用されるこ
とが多い。そのため、印刷適性が優れていることが求め
られるばかりでなく、塗工面白紙外観も良好なことが要
求される。更に、箱の構成素材としても使用される場合
には、同一米坪でかつ原材料が同じであれば、低密度で
ある方が、剛度が上がり箱強度も強くなるため好まし
い。
【0003】本発明において印刷適性とは、主にグラビ
ア印刷における網点欠落数やオフセット印刷における印
刷面光沢を意味する。この印刷適性の良化と低密度化と
は相反することが多く、印刷適性の向上を図ると、一般
に密度は高くなることから、この両者を高水準でバラン
スを取ることが難しかった。
【0004】また、近年循環型社会を構築する一環とし
て、可能な限りリサイクルされた原材料の使用を進める
ことが、社会的に要請されている。この趣旨に照らし塗
工板紙を考えると、古紙パルプの配合を可能な限り多く
することや、鉱物資源としての顔料や石油資源から製造
する合成接着剤等を使用する顔料塗料の塗工量を可能な
限り減らすこと等が望ましい製造方法となる。
【0005】従来、印刷適性向上策としては(1) 顔料塗
料の塗工量増、(2) 原紙表層にLBKPとかGP等の平
滑性の良好なパルプの配合、(3) 仕上り塗工板紙紙水分
の増等が行われ、塗工面外観の良化策としては、(1) 顔
料塗料に高白色度顔料の配合量増、(2) 顔料塗料の塗工
量増、(3) 表層への高白色度パルプの配合量増、(4)カ
レンダー条件の緩和、(5) ソフトニップカレンダーの使
用等がなされ、低密度化対策としては、(1) TMP等の
嵩高パルプの配合、(2) パルプ特に古紙パルプ中の無機
分除去、(3) カレンダー処理条件の緩和、(4) ソフトニ
ップカレンダーの使用等が実施されて来た。
【0006】しかしながら、これらの対策には課題があ
り、顔料塗料の塗工量増は鉱物資源や石油資源の多消費
になり、LBKP、GP、TMPの配合は古紙パルプの
減配に繋がるという問題がある。仕上り塗工板紙水分の
増加は白色度の低下、ひどい場合は艶汚れ(ブラックニ
ング)が顕著になり、塗工面外観が悪化してしまう。高
白色度顔料としては炭酸カルシウム、二酸化チタン等が
あるが、これらの顔料は光沢の発現性が悪く、配合を増
やすと、光沢が低下してくるという問題がある。白色度
の高いパルプは化学パルプを晒したものになるため、こ
の配合を増やすことは、古紙パルプの減配になる。ま
た、パルプ中の無機分を除去することは、除去した無機
分だけ原材料を余分に使用するため、原材料の多消費に
繋がる。カレンダー条件緩和は平滑性が低下し、印刷適
性が悪くなるという問題が起こる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、未だ印
刷適性と塗工面白紙外観に優れ、かつリサイクル原料を
多配合しても低密度塗工板紙が可能となる製造方法は確
立されていないのが現状である。本発明は、印刷適性と
塗工面白紙外観に優れ、かつリサイクル原料を多配合し
ても低密度塗工板紙が可能となる製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、塗工用原紙の塗工予定面側に微細水滴を付着せ
しめ、該処理面をメタルロールに当ててプレカレンダー
処理を行い、次いで顔料塗工し乾燥後、再度カレンダー
処理を行うという塗工板紙の製造方法により、前記課題
を達成することができることを見出し、以下の本発明を
完成した。
【0009】(1) 塗工板紙用原紙の塗工予定面側に微細
水滴付着処理を施し、該微細水滴付着処理面をメタルロ
ールに当ててプレカレンダー処理し、次いで顔料塗工し
て乾燥した後、該顔料塗工面をメタルロールに当ててカ
レンダー処理することを特徴とする低密度塗工板紙の製
造方法。
【0010】(2) 前記微細水滴付着処理は、水スプレー
処理及び/又は蒸気噴霧処理であることを特徴とする
(1) 記載の低密度塗工板紙の製造方法。 (3) 前記微細水滴付着処理は、塗工板紙用原紙の塗工予
定面側の温度を80℃以下に設定して行うことを特徴と
する(1) 又は(2) に記載の低密度塗工板紙の製造方法。 (4) 前記微細水滴付着処理は、塗工板紙用原紙の塗工予
定面側に0.5〜50g/m2 、好ましくは1〜25g
/m2 の微細水滴付着量となる処理であることを特徴と
する(1) 〜(3) のいずれか1項に記載の低密度塗工板紙
の製造方法。
【0011】(5) 前記プレカレンダー処理は、メタルロ
ール温度120℃以上、好ましくは120〜300℃、
より好ましくは160〜250℃で行うことを特徴とす
る、(1) 〜(4) のいずれか1項に記載の低密度塗工板紙
の製造方法。 (6) 前記微細水滴付着処理は、抄紙された湿紙シートを
ドライヤーで乾燥した乾紙シートをクーリングシリンダ
ーで80℃以下、好ましくは70℃以下に冷却した乾紙
シート面に水スプレー又は蒸気噴霧することによって行
うことを特徴とする、(1) 〜(5) のいずれか1項に記載
の低密度塗工板紙の製造方法。
【0012】(7) 塗工板紙用原紙は、古紙パルプを配合
したパルプ原料を使用して抄造されていることを特徴と
する、(1) 〜(6) のいずれか1項に記載の低密度塗工板
紙の製造方法。 (8) 塗工板紙用原紙は、単層抄き法又は多層抄き合わせ
法によって抄造されていことを特徴とする、(1) 〜(7)
のいずれか1項に記載の低密度塗工板紙の製造方法。 (9) 塗工板紙用原紙は、NBKPパルプ主体のパルプ配
合の表層と、古紙パルプ主体の表下層、中層及び裏層と
を抄き合わせて製造されていることを特徴とする、(1)
〜(8) のいずれか1項に記載の低密度塗工板紙の製造方
法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の低密度塗工板紙の製造方
法において、80℃以下、好ましくは70℃以下の温度
に制御されている乾紙シートの塗工面に微細水滴を付着
させてメタルロールによりプレカレンダー処理して製造
される塗工板紙用原紙を使用した塗工板紙が低密度であ
ると同時に、印刷適性と塗工面白紙外観にも優れてい
る、という相反する特性を備えることの明確な理由の解
明は今後の研究を待たなければならないが、現段階で
は、一応、次のように推測される。即ち、顔料塗料を塗
工する前に、塗工用原紙の塗工予定面側に水スプレーな
いし蒸気噴霧により、僅かの水分を与えることで、塗工
予定面側表面のパルプのみ可塑化し柔らかくなる。次い
で、この可塑化した面をメタルロールに当て、プレカレ
ンダー処理をするため、表面のみ平滑化され、それ以外
の部分は余り潰されていない低密度状態が維持されて非
常に表面平滑な低密度の塗工用原紙が得られる。この原
紙に顔料塗料を塗工するため、塗工量分布が非常に均一
で、しかも平滑性の良好な塗工層が形成される。
【0014】このような塗工層はカレンダー処理する
と、光沢、平滑性の発現性が非常に良くなる。従って、
所定の光沢、平滑性を得るためのカレンダー処理条件を
緩和できることとなって塗工板紙を潰さないで済むこと
と、前述した低密度な原紙であることも寄与して、印刷
適性、塗工面白紙外観の優れた低密度塗工板紙が製造で
きるものと考えられる。更に、塗工層が均一なことは、
塗工面の白色度ムラ減少に繋がっており、このことも塗
工面白紙外観の向上の一助になっていると推測される。
【0015】本発明の方法において、水スプレーの方法
としては、霧状の微細水滴を噴霧付着できれる限り、特
に制限はない。また、蒸気噴霧によって微細水滴を付着
せしめるためには、紙温度を80℃以下に冷却すること
が必要である。紙温度を80℃以下に制御するための方
法に特に制限はなく、湿紙シートを加熱乾燥した乾紙シ
ートの場合、蒸気噴霧に先立って、例えばクーリングシ
リンダーや冷風処理等によって冷却することができる。
なお、紙温度が80℃を越えると、次の処理である蒸気
を噴霧した時、蒸気が紙面上で結露せず、塗工予定面に
微細水滴を必要量付着させることができないため不可で
ある。
【0016】紙温度が低くなるにつれて、プレカレンダ
ー処理をした時の紙の密度上昇が小さくなるが、通常は
問題点として平滑発現効果の低下を伴うため、所定の平
滑度を得るにはプレカレンダー条件を強くする必要が生
じ、結果として低密度には結びつかなくなってしまう。
そのため、従来紙温度を下げても、密度低下にほとんど
繋げられなかった。然るに、本発明では塗工予定面のパ
ルプを可塑化するため、紙温度を下げてもプレカレンダ
ー処理時の平滑発現効果を高く維持できる。これらによ
り、低密度でしかも高平滑度の塗工用原紙を得ることが
可能となった。従って、紙温度を下げることは、蒸気噴
霧処理の場合は、先に述べた理由で必須処理であるが、
水スプレーの場合も望ましい処理である。
【0017】なお、蒸気噴霧方法はどのような方法でも
良い。さらに、水スプレー及び蒸気噴霧には通常媒体と
して水を使用するが、必要に応じて薬品を混合併用して
もよい。紙面に対する水スプレー量又は水蒸気噴霧量
は、0.5〜50g/m2 であり、好ましくは1〜25
g/m2 である。0.5g/m2 未満であると本発明の
目的が達成できないし、50g/m2 を紙表面が黒ずむ
ブラックニング現象の発生や、スチールロールへの紙粉
の付着量が多くなって不適当である。
【0018】次いで、プレカレンダー処理を行うが、水
スプレーや蒸気噴霧によって微細水滴付着処理した面を
メタルロールに当てる以外は、特に制限はない。メタル
面は樹脂面等と違い、表面を非常に平滑な鏡面に研磨仕
上げをするこもできるし、更にクロム等でメッキ処理を
すれば、キズが付きにくい鏡面が得られる。従って、こ
れにより可塑化した塗工予定面を処理すると、非常に平
滑な面が得られるため、本発明では最適である。メタル
ロールの温度は、好ましくは120℃以上である。メタ
ルロール温度を上げることにより、塗工用原紙の平滑性
発現効果がなお一層大となるためである。
【0019】カレンダーとしては、例えばマシンカレン
ダー、ソフトニップカレンダー、グロスカレンダー、ス
ーパーカレンダー等がある。カレンダーのロール温度、
ニップ間の線圧、ニップ数等の処理条件は、塗工板紙に
要求される品質等によって変ってくる。
【0020】メタルロールの温度は120℃以上、好ま
しくは120℃〜300℃で行うことが好ましい。12
0℃未満では、プレカレンダー処理による塗工板紙原紙
を平滑化する効果発現性が不十分であり、300℃を越
えると、原紙焼けとかツヤ汚れが起き、塗工面白紙外観
が悪化する可能性がある。さらに好ましくは160〜2
50℃で、この範囲であれば、カレンダーの種類により
その処理時カレンダー圧は異なるが、もっとも低圧で平
滑化の効果をもたらすことが可能でその結果、密度を低
くすることができる。微細水滴処理後にプレカレンダー
処理したときの王研式平滑度は13秒以上である。
【0021】顔料塗料を塗工するコーターに特に制限は
ない。例えば、ブレードコーター、ロッドブレードコー
ター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロ
ールコーター、メタリングサイズプレス、サイズプレ
ス、グラビアコーター、ビルブレードコーター、ベルバ
パコーター等がある。顔料塗料の塗工回数はシングル塗
工でも、2回以上の多段塗工でも良い。
【0022】再度のカレンダー処理は、顔料塗料塗工面
を始めにメタルロールに当てる以外、特に制限はない。
カレンダーの種類やカレンダー処理条件も前述したと同
様に、塗工板紙に要求される品質等によって適宜選択さ
れる。
【0023】塗工用原紙を抄造する時のパルプは何を使
用しても良く、例えばNUKP、LUKP、NBKP、
LBKP等の化学パルプ、TMP、CTMP、CGP、
RGP、GP、SCP等の機械パルプ、新聞、雑誌、オ
フィス用紙、情報用紙、段ボール、紙器箱等の古紙パル
プ等が使用される。これらのパルプの配合割合にも特に
制限はない。本発明の方法によれば、リサイクル原料を
多配合しても印刷適性、塗工面外観の優れた低密度の塗
工用原紙の製造が可能となるが、これに限定されるもの
ではなく、バージンパルプ多配合系に適用した場合、古
紙多配合系に比較し、一般に印刷適性や塗工面白紙外観
性、更には低密度性に優れた塗工用原紙ができるため、
なお一層良好な塗工板紙が得られることが多い。
【0024】板紙の抄造に当っては、通常は多層の抄合
わせであるが、勿論単層抄きでも良い。内添薬品も必要
に応じて使用することができ、例えば、硫酸バンド、ロ
ジン等のサイズ剤、ポリアクリルアミドや澱粉等の紙力
増強剤、ポリアミド等の濾水歩留り向上剤、ポリアミド
ポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、消泡剤、
タルク等の填料、染料、スライムコントロール剤、抗菌
剤等を使用することができる。
【0025】顔料塗料は、顔料、接着剤及びその他助剤
から構成されるが、これに使用される原材料に特に制限
はない。顔料としては、例えば無機顔料として、クレー
〔焼成クレー、化学変性(構造化)クレー等の各種変性
クレーを含む〕、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、サ
チンホワイト、タルク等があり、有機顔料としては、ポ
リスチレンやポリアクリル樹脂系の中実ないし中空のピ
グメント、尿素樹脂系ピグメント等があり、これらを使
うに当っては単独でも二種以上混合してもよい。
【0026】接着剤としては、例えば澱粉(リン酸エス
テル化澱粉、カチオン化澱粉等の各種変性澱粉を含
む)、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリスチレン
−ブタジエン系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテック
ス、ポリアクリル系ラテックス、ポリウレタン系ラテッ
クスがあり、単独ないし二種以上混合使用してもよい。
【0027】助剤としては、例えば分散剤、水酸化ナト
リウムとかアンモニア水等のPH調整剤、消泡剤、蛍光
染料、離型剤、耐水化剤、流動性改良剤、防腐剤、染
料、着色顔料等があり、これらは必要に応じて顔料、接
着剤と併用される。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、配
合、濃度等を示す数値は、固型分又は有効成分の質量基
準の数値である。
【0029】実施例1 表層として、パルプ配合を脱墨上質紙古紙/NBKP=
95/5、付け量50g、表下層として、パルプ配合を
脱墨新聞古紙=100、付け量50g、中層として、パ
ルプ配合を離解雑誌古紙=100、付け量140g、裏
層として、パルプ配合を離解雑誌古紙/離解段ボール古
紙=50/50、付け量50gで抄紙、抄合せ、プレス
処理を行った。次いで、この湿紙シートをドライヤーで
乾燥処理行った。この乾紙シートをクーリングシリンダ
ーで冷却した。クーリングシリンダー出口で乾紙シート
紙温度を測定したところ67℃であった。この冷却した
面に50g/m2 の量で水蒸気噴霧処理を行い、次いで
全てがメタルロールで構成されたマシンカレンダーでプ
レカレンダー処理を行った。プレカレンダー条件はニッ
プ線圧が135N/mm、ロール温度が175℃、処理
ニップ回数が1回であった。
【0030】このプレカレンダー処理を行った塗工用原
紙に、ロッドコーターで下塗り顔料塗料を10g/m2
塗工乾燥し、ブレードコーターで上塗り顔料塗料を10
g/m2 塗工乾燥し、グロスカレンダーでスムースター
測定値が7cmになるようにカレンダー処理を行い塗工
板紙(1)を得た。得られた塗工板紙(1)はJISP
8111に準じて調湿を行い、この調湿済サンプルの密
度をJIS P8118に準じて測定した。結果を表2
に記す。また、大蔵省式グラビア印刷試験機を用いて塗
工板紙(1)の墨1色印刷を行い、セル深さ5μmの網
点で、70%以上網点が欠落した単位面積当たりの数を
測定し、単位面積当たりの全網点数に対する網点欠落率
を求めた。結果を表2に記す。
【0031】また、オフセット枚葉印刷機を用いて塗工
板紙(1)のプロセス印刷を行い、印刷面の光沢をJI
S P8142に準じて測定した。結果を表2に記す。
塗工板紙(1)の塗工面白紙外観は目視で5段階評価を
行った。 5(良):艶汚れは全くなく、白色ムラがほとんどない
もの。 4 :艶汚れ、白色ムラがややあるもの。 3 :艶汚れ、白色ムラがあるもの。 2 :艶汚れ、白色ムラがやや目立つもの。 1( 劣) :艶汚れが非常に目立つもの。
【0032】実施例2、3 表1に記載した条件に変更する以外は、実施例1と同様
に行ってサンプルを得た。そのサンプルを実施例1と同
様に評価を行った。結果を表2に記す。
【0033】比較例1ないし5 表1に記載した条件に変更する以外は、実施例1と同様
に行ってサンプルを得た。それらのサンプルについて実
施例1と同様に評価を行った。結果を表2に記す。
【0034】
【表1】
【0035】(補注) ・NBKP:晒針葉樹パルプ ・LBKP:晒広葉樹パルプ ・BCTMP:晒化学処理サーモメカニカルパルプ ・比較例4は表下層の付け量を50gから80gに増や
し、中層の付け量を140gから110gに減らした。 ・下塗り顔料塗料配合 顔料配合:HT PREDISPERS(クレー、エン
ゲルハード社製)/タマパールTP−121( 軽質炭酸
カルシウム、奥多摩工業社製) =45部/55部 バインダー配合:ニールガムA−85(尿素リン酸エス
テル化澱粉、アベベ社製) /L−1612( カルボキシ
ル化スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、旭化成
社製) =7部/12部 ・上塗り顔料塗料配合 顔料配合:ウルトラホワイト90(クレー、エンゲルハ
ード社製)/ブリリアント15(軽質炭酸カルシウム、
白石工業社製) /クロノスKA−15(二酸化チタン、
チタン工業社製) =65部/25部/10部 バインダー配合:ニールガムA−85/L−1612=
2部/16部
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】表1及び表2から明らかなように、本発
明の方法によれば、印刷適性と塗工面白紙外観に優れ、
かつ低密度の塗工板紙の製造が可能である。また、古紙
パルプ等のリサイクル原料の多配合をも可能とするもの
である。なお、実施例には板紙原紙について微細水滴付
着処理し、プレカレンダー処理した場合の作用効果につ
いて説明したが、本発明の方法が特徴とする、原紙に微
細水滴付着処理を行い、ついでメタルロールによってカ
レンダー処理して表面平滑性に優れ、かつ低密度の紙を
得る方法は、板紙原紙に限らず、同様に表面平滑性と低
密度とを合わせ備えることが要求される種々の紙の製造
方法としても適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 幸志 東京都中央区銀座5丁目12番8号 王子製 紙株式会社1号館内 Fターム(参考) 4L055 AA02 AC03 AC06 AC09 AG12 AG19 AG27 AG48 AG63 AG76 AG89 AH02 AH37 AJ01 AJ04 BE09 EA20 FA15 FA16 GA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗工板紙用原紙の塗工予定面側に微細水
    滴付着処理を施し、該微細水滴付着処理面をメタルロー
    ルに当ててプレカレンダー処理し、次いで顔料塗工して
    乾燥した後、該顔料塗工面をメタルロールに当ててカレ
    ンダー処理することを特徴とする低密度塗工板紙の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記微細水滴付着処理は、水スプレー処
    理及び/又は蒸気噴霧処理であることを特徴とする請求
    項1記載の低密度塗工板紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記微細水滴付着処理は、塗工板紙用原
    紙の塗工予定面側の温度を80℃以下に設定して行うこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の低密度塗工板紙
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記プレカレンダー処理は、メタルロー
    ル温度120℃以上で行うことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の低密度塗工板紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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