JP2002129490A - 原紙の風合いを維持した印刷用紙の製造方法 - Google Patents

原紙の風合いを維持した印刷用紙の製造方法

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JP2002129490A
JP2002129490A JP2000318982A JP2000318982A JP2002129490A JP 2002129490 A JP2002129490 A JP 2002129490A JP 2000318982 A JP2000318982 A JP 2000318982A JP 2000318982 A JP2000318982 A JP 2000318982A JP 2002129490 A JP2002129490 A JP 2002129490A
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Toshio Hoda
俊夫 穂田
Tetsuro Ochi
哲朗 大知
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原紙の風合いを持ち、かつ不透明度や印刷適性
および連続操業性に優れた印刷用紙を生産する方法を提
供する。 【解決手段】原紙の両面に顔料と接着剤を主成分とする
表面塗工剤を塗工し、乾燥する印刷用紙の製造方法にお
いて、顔料としてガラス転移温度が110℃以上の有機
顔料を含有した表面塗工剤を、該有機顔料の塗工量が片
面当り0.1〜1g/m2となるように塗工し、且つ該有
機顔料のガラス転移温度以下の温度で乾燥および/又は
平滑化処理することを特徴とする原紙の風合いを維持し
た印刷用紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不透明度やカラー印刷
品質に優れており、かつ抄紙機で安定して生産すること
のできる原紙の風合いを維持した特長を持つ印刷用紙の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護施策や省資源(節約)あ
るいは経済上の理由から、軽量紙の開発が望まれてい
る。特に、多量に使用されるパンフレット、カタログ、
チラシあるいは新聞用紙などの分野においてその傾向が
顕著である。しかしながら、軽量化に付随して多くの問
題が発生している。なかでも、軽量紙が抱える品質上の
大きな問題点の一つに不透明度の低下がある。因みに、
紙の不透明度を上げるには、主原料である繊維パルプと
して不透明度を高める効果のある機械パルプや古紙再生
脱墨パルプ(DIP)を用いる方法や、内添填料として不
透明度に優れる填料を使用するなどの方法などが考えら
れる。
【0003】機械パルプやDIPを用いる方法は、上質
印刷用紙には適用することができず、また、中質紙や再
生紙においても不透明度を満たすまで高配合とすると白
色度の低下や夾雑物の増加、あるいは、印刷品質が低下
するなどの課題がある。また、環境面からDIPをGP
やRGP、TMP等の機械パルプよりも高率配合する要
望が高まっているが、DIPは機械パルプに比較し、不
透明度が出難く、不透明度の改良とDIPの高率配合化
を両立させることが極めて困難である。一般に、填料
は、紙、シート等において不透明度および、白色度、平
滑性、地合改良等の目的で、パルプ繊維を主体とする紙
料中に添加されて抄紙が行われ、紙に仕上げられる。そ
の場合の填料としては、例えばタルク、カオリン、焼成
クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二
酸化チタン、尿素樹脂系合成填料、石膏、ホワイトカー
ボン(非晶質合成シリカ)等があり、用途や目的に応じ
て単独または混合して使用される。不透明度を改良する
には軽質炭酸カルシウムや二酸化チタン、ホワイトカー
ボンなどの不透明度改良効果の大きい填料を高配合する
方法がもっとも効果があるが、特に軽量紙の場合には、
填料を多く添加すると、紙の強度を著しく低下するその
結果、原紙抄造時の作業性が低下したり、また、印刷に
おいてブランケットへ紙粉や填料成分が堆積するなどの
印刷作業性や、断紙などの印刷走行性が低下するといっ
た難点があり、あまり多く添加することができない。
【0004】さらに、近年、カラー化など印刷品質の高
級化が要望され、ソフトカレンダー処理による平滑化な
どの対策が行われているが、網点再現性が劣るなどの課
題がある。 この網点再現性を高めるために原紙表面に
顔料と接着剤からなる表面塗工剤を少量塗工するなどの
対策が取られている。具体例として、特許番号第264
3351号では、平均粒径が0.2〜0.7μmの有機
顔料を少なくとも20重量%含有する顔料成分100重
量部とガラス転移温度が−40℃〜35℃の共重合体ラ
テックスおよび/または水溶性バインダーのバインダー
成分50〜300重量部(固形分換算)とからなる塗被
組成物を秤量50g/m2以下の原紙の片面または両面
に0.3〜3g/m2の塗被量で塗被する方法や、特開
平6−73696号公報では、微塗工紙用塗被組成物と
して、中空エマルジョン粒子を全顔料中10重量%以上
含有する顔料および接着剤とを含有する方法が例示され
ている。確かに、これらの方法で不透明度と印刷品質な
どについての解決がなされているものの、原紙としての
風合いが失われやすく、顧客要望を十分満足できていな
いのが現状である。さらに、本発明の原紙の風合いを維
持した印刷用紙は、一般にオンマシンでサイズプレス装
置を設置した抄紙機で生産されるが、上記の方法では抄
紙機のシリンダードライヤーやカレンダーなどに汚れが
付着しやすく、連続的な操業には不適切であるなどの問
題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上述のよ
うな問題点を解決し印刷用紙として、原紙の風合いを持
ち、かつ不透明度や印刷適性および連続操業性に優れた
印刷用紙を生産する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原紙の風合
いを維持した印刷用紙の製造方法は、原紙の両面に顔料
と接着剤を主成分とする表面塗工剤を塗工し、乾燥する
印刷用紙の製造方法において、顔料としてガラス転移温
度が110℃以上の有機顔料を含有した表面塗工剤を、
該有機顔料の塗工量が片面当り0.1〜1g/m2となる
ように塗工し、且つ該有機顔料のガラス転移温度以下の
温度で乾燥および/又は平滑化処理することを特徴とす
る。また、バインダーとして水溶性バインダーを主成分
とする表面塗工剤をサイズプレス装置で塗工し、前記有
機顔料のガラス転移温度以下の表面温度を有するシリン
ダードライヤーよって乾燥処理しても良い。また、バイ
ンダーとして水溶性バインダーを主成分とする表面塗工
剤を塗工し、前記有機顔料のガラス転移温度以下の表面
温度に調節した金属ロールを有するカレンダーによって
平滑化処理しても良い。更に、有機顔料と水溶性バイン
ダーの固形分比率が、有機顔料100重量部に対し、5
0〜900重量部であると好ましい。また、古紙再生脱
墨パルプを配合した原紙を用いることも良い。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、不透明度向上、網
点再現性などの印刷品質向上、原紙の風合い維持、安定
生産といった品質および操業面での課題を満足させるべ
く、表面塗工剤として顔料や接着剤、助剤について検討
を重ねた。不透明性に優れた顔料としては、構造化カオ
リンや焼成カオリン等のカオリン類、無定形シリカ、ホ
ワイトカーボン等のシリカ系顔料、有機顔料やバインダ
ーピグメント等の有機顔料、二酸化チタン等が知られて
いるが、そのうち特に特定の有機顔料が他の顔料に比べ
て、不透明度が高く、且つ印刷品質に優れることを見出
し、かつ特定の乾燥条件および/またはカレンダー条件
と組み合わせることで安定して生産できることを見出し
本発明を完成するに至った。
【0008】先ず、本発明に使われる有機顔料は、一般
にスチレン・アクリル系共重合体、スチレン・ブタジエ
ン系共重合体などの水分散体として提供されており、不
透明度や白色度を向上させる効果や、塗工紙の軽量化に
効果がある。このため、従来からアート紙、コート紙や
微塗工紙等の一般印刷用塗工紙の分野で一部使用されて
いる。しかしながら、印刷強度が劣り、且つ、コストが
高くなるため、通常使用されているカオリンや炭酸カル
シウムなどの顔料に少量混ぜて使用するのが一般的であ
る。本発明においては、有機顔料を顔料として単独で使
用し、かつバインダーに水溶性バインダーを用いた場合
は不透明度や網点再現性などの改良効果と原紙の風合い
を保つことが両立させやすくなるのでより好ましい。
【0009】本発明においては、この有機顔料と水溶性
バインダーの組み合わせが、これらの品質を改良できる
理由については、必ずしも明らかではないが、次のよう
に推察している。即ち、本発明に使われる有機顔料は、
球状で、粒子径が小さくて均一であり、無機顔料に比べ
て著しく比重が低い。微細で均一な粒子は、光を拡散さ
せる効果が大きく、不透明度や白色度を向上させる効果
がある。また有機顔料の低い比重は紙の軽量化に効果が
ある。これらの特徴をもった有機顔料は、無機顔料に比
べて同一塗工量当りの粒子個数が多く含まれ、軽量塗工
でも被覆性が高くなるものと推定される。このため、原
紙表面のパルプ繊維とパルプ繊維の重なりによってでき
た凹部に蓄積して、これを被覆する効果に優れており、
その結果、網点レベルの平滑性が向上し、網点再現性な
どの印刷品質が向上するものと考えている。 また、有
機顔料の塗布量が0.1〜1g/m2程度であれば、原紙
表面を完全に被覆するほどの量でなく、さらに該有機顔
料のガラス転移温度以下で乾燥させることにより、乾燥
装置を構成する紙パスのロールなどに汚れが付着するこ
とがなくなる。特に乾燥装置やカレンダー装置にシリン
ダードライヤーおよび/または金属ロールを使用する場
合は、それらの表面温度を有機顔料のガラス転移点温度
以下に制御して乾燥・カレンダー処理することにより、
光沢化が抑えられ、これらの効果があいまって原紙の風
合いを損なうこともないものと思われる。因みに有機顔
料の塗布量を1g/m2より増やすことで、不透明度や網
点再現性をさらに向上させることができるが、原紙表面
の被覆率が高まり、原紙の風合いが損なわれる。 ま
た、有機顔料の塗布量が0.1g/m2未満になると本
発明の所望の効果が得られ難くなると予想され、好まし
くない。有機顔料のガラス転移温度は、110℃以上、
より好ましくは115℃以上が望ましく、110℃未満
であれば、光沢化により原紙の風合いが損なわれること
があり、また、乾燥やカレンダー工程などの紙に接触す
るシリンダードライヤーやカレンダーロールなどの各種
ロールに汚れが付着し易くなるため、連続して操業する
ことが難しいという操業上の問題点が発生するおそれが
ある。
【0010】本発明の有機顔料の粒子径は、特に限定さ
れるものでないが、0.2μm以上1.0μm以下が望
ましく、粒子径が0.2μm未満の場合には不透明度改
良効果が得られ難く、また、有機顔料を接着する強度が
弱くなるため、ドライヤー汚れが発生し易くなるおそれ
がある。 1.0μmを超える場合には、原紙の被覆性
が低下し、網点再現性などの改良効果が得られ難くな
る。本発明で使用する有機顔料の構造は、中空、非中空
のいずれのタイプでも良い。因みに、不透明度を向上さ
せるには、有機顔料は中空構造で、粒径が大きいものが
良いが、中空有機顔料はその殻の部分の厚みが薄いた
め、乾燥工程やカレンダー処理により粒子がつぶれやす
いという欠点があり、粒子がつぶれた状態では、不透明
度向上の効果が得られ難くなる。
【0011】また、上記の有機顔料と水溶性バインダー
からなる組成物を塗工後の乾燥温度、特に乾燥に使用す
るシリンダードライヤーおよび/またはカレンダー処理
に使用する金属ロールの表面温度を、有機顔料のガラス
転移温度以下に、好ましくは、有機顔料のガラス転移温
度より10℃以上低く、より好ましくは20℃以上低く
調節することが本発明においてさらに好ましい。しか
し、この表面温度を絶対的に低くするとオンマシン塗工
の場合はドライヤーの乾燥能力が低下し、マシンの抄速
低下などの生産性が低下する。従って、使用する有機顔
料のガラス転移温度が高い場合は以上のように表面温度
がより低いほうが好ましいといえる。しかし、使用する
有機顔料のガラス転移温度が例えば、110℃〜120
℃と比較的低い場合は、この表面温度を低くすることが
困難になる。いずれにしても、塗工面に接触するシリン
ダードライヤー、各種ロール、カレンダーの表面温度を
有機顔料のガラス転移温度以下に調節しなければならな
い。因みに、乾燥温度やドライヤー温度がガラス転移温
度より高くなる場合には、有機顔料が成膜化するため、
塗工面の光沢が向上しやすくなることから、原紙の風合
いが損なわれる恐れがある。また、軟化した有機顔料が
シリンダードライヤーやカレンダーに付着しやすく、汚
れが発生しやすくなるなどの操業上の問題が発生するお
それがある。
【0012】本発明においては、上記の有機顔料の他に
顔料として、カオリンや軽質炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、タルク、二酸化チタン、焼成クレー、水酸
化アルミニウム、サチンホワイトなどの塗工紙分野で公
知の無機顔料を併用することも可能である。 有機顔料
とこれらの無機顔料の混合比率は、使用する顔料の種類
等によって異なり、特に限定されるものではないが、全
顔料100重量部に対して、有機顔料50〜100重量
部の範囲で調節される。 有機顔料の混合比率が50重
量部未満になるまで、無機顔料の使用比率を増やすと、
有機顔料の有する特性が得られ難く、また、無機顔料を
配合することで、被覆性が高まり、原紙の風合いが失わ
れるおそれもある。 従って、本発明が所望とする原紙
の風合いを維持した印刷用紙を得るという点から好まし
くは有機顔料を単独で使用することが望ましい。
【0013】本発明で上記の顔料と併用されるバインダ
ーとしては、例えば、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオ
ン化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなど
の水溶性セルロース化合物、ポリビニルアルコール化合
物やポリアクリルアミド類などの水溶性バインダー、ま
た、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテ
ックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステ
ルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテッ
クス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合
体ラテックスなどの重合体ラテックスバインダーが挙げ
られ、これらのバインダーを単独もしくは併用すること
が可能である。本発明においては、これらの中でも特に
水溶性バインダーが、操業性などの点から好ましく用い
られる。
【0014】顔料とバインダーとの固形分比率は、表面
塗工剤中の顔料100重量部に対して、全バインダーの
固形分が50重量部以上900重量部以下の割合が好ま
しい。因みに、全水バインダーが50重量部未満の場合
は、有機顔料や顔料が脱離するおそれがあり、900重
量部を超える場合には本発明の所望する不透明度や網点
再現性などの効果が得られ難くなることがある。
【0015】また、表面塗工剤としては、上記顔料、接
着剤の他に抄紙分野で通常使用される表面サイズ剤や、
消泡剤、防腐剤、増粘剤、導電剤として炭酸ナトリウム
や炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナト
リウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウ
ム、燐酸三ナトリウム、塩化ナトリウム等の塩類等が適
宜併用される。
【0016】かくして得られた表面塗工剤は固形分濃度
2〜60重量%に調節され、原紙上に塗工されるが、そ
の場合の塗工装置としては特に限定されるものではな
く、例えば、ブレードコーター、ロッドコーター、エア
ーナイフコーター、カーテンコーター、グラビアコータ
ー、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリン
グサイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレード
コーター、2本ロールサイズプレス等の従来公知の塗工
装置が適宜使用される。これらのなかでも、本発明の印
刷用紙を製造する場合の生産性を考慮すると抄紙機にオ
ンマシンで設置されたサイズプレス装置、特に2ロール
サイズプレスやゲートロールコーター、ブレードメタリ
ングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレスが好
ましく用いられる。
【0017】上記の方法で塗工した後、表面塗工剤を乾
燥するが、乾燥に用いる設備としては、例えば、シリン
ダードライヤー、エアードライヤー、赤外線ドライヤー
などの従来公知の設備が使用される。 先に述べたよう
に本発明の印刷用紙は生産性の点からオンマシン設備で
生産されることが望ましく、その場合の乾燥設備として
はシリンダードライヤーが主に用いられる。 乾燥後、
必要に応じて平滑化処理を行うが、平滑化処理は、スー
パーカレンダーやソフトカレンダー、マシンカレンダー
などの設備が用いられるが、これらの中でも生産性の点
からソフトカレンダーやマシンカレンダーが好ましく用
いられる。 本発明では、先に述べたように乾燥および
/又は平滑化処理等に用いるロールの表面温度が表面塗
工剤に含まれる有機顔料のガラス転移温度以下にするこ
とが重要である。
【0018】本発明における原紙としては、原料パルプ
として化学パルプ(NBKP、LBKP、NBSP、L
BSP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PG
W、TMP、CTMP、BCTMP等)、各種古紙パル
プ(DIP等)等やケナフ等の非木材繊維が、用途や目
的に応じて単独あるいは混合して使用される。 機械パ
ルプや古紙パルプを化学パルプと混合して使用した場合
には、さらに不透明度を高くできるようになる。また、
漂白工程において塩素化合物を使用しないECFパルプ
やTCFパルプを用いることも可能である。
【0019】これらのパルプを原料とし、炭酸カルシウ
ム、タルク、カオリン、クレー、ホワイトカーボン、無
定形シリカ、二酸化チタン等の填料を紙料に添加して抄
紙される。 また、紙力増強剤や歩留向上剤、強化ロジ
ンサイズ剤やエマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダ
イマー等の各種サイズ剤、耐水化剤、前述の導電剤等の
一般に公知公用の抄紙用薬品が添加され、公知公用の抄
紙機にて抄紙される。そして原紙の坪量としては、特に
限定されるものでないが、30〜250g/m2、好まし
くは50〜100g/m2の範囲が望ましい。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、勿論それらに限定されるものではない。ま
た、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ重
量部および重量%を示す。
【0021】実施例1 (原紙の抄造)針葉樹クラフトパルプ20部、広葉樹ク
ラフトパルプ80部の割合で混合して離解し、レファイ
ナーでフリーネス400mlC.S.F.(カナダ標準
フリーネス)に調節したパルプに平均粒子径6μmの紡
錘形軽質炭酸カルシウムを填料として対絶乾パルプ当た
り18%添加し、さらにアルキルケテンダイマー を
0.05%(対絶乾パルプ当たり)、硫酸バンド 0.
5%、カチオン澱粉 0.5%(それぞれ対絶乾パルプ
当たり)を添加して、ツインワイヤー型抄紙機にて米坪
60g/m2の原紙を抄造した。
【0022】(表面塗工剤の塗工)接着剤として酸化変
性デンプン(商品名エースA:王子コーンスターチ社
製)165部、顔料として平均粒子径0.6μmの有機
顔料(商品名グロスデール201−S:三井化学社)1
00部よりなる固形分7%の表面塗工剤を得た。なお、
この有機顔料のガラス転移温度を示差走査熱量計(DS
C)で測定したところ125℃であった。この表面塗工
剤を上記の原紙(米坪50g/m2)の両面にゲートロー
ルコーターを使用して、片面当たり1.2g/m2(有機
顔料の塗工量:0.45g/m2)塗工し、乾燥した後、
マシンカレンダーで平滑化処理を行い、印刷用紙を得
た。 そのときのシリンダードライヤー、マシンカレン
ダーの最高表面温度は、それぞれ110℃、70℃であ
った。
【0023】実施例2 実施例1において、有機顔料を平均粒子径0.6μm、
ガラス転移温度150℃以上の有機顔料(商品名グロス
デール200−S:三井化学社)とした他は実施例1と
同じ方法で印刷用紙を得た。
【0024】実施例3 実施例1において、酸化変性デンプンの配合量を650
部とし、有機顔料の塗工量を片面当たり0.16g/m2
とした他は実施例1と同じ方法で印刷用紙を得た。
【0025】実施例4 実施例1の原紙の抄造において、パルプ配合を針葉樹ク
ラフトパルプ20部、広葉樹クラフトパルプ30部、古
紙再生脱墨パルプ50部の割合へ変更した他は実施例1
と同じ方法で印刷用紙を得た。
【0026】実施例5 実施例1において、表面塗工剤の固形分濃度を5%と
し、塗工機を2ロールサイズプレスへ変更した他は、実
施例1と同様の方法で印刷用紙を得た。
【0027】実施例6 実施例1において、表面塗工剤の配合を酸化変性デンプ
ン(商品名エースA:王子コーンスターチ社製)50
部、ポリビニルアルコール(商品名 ゴーセナールT33
0H:日本合成化学工業)50部、有機顔料として平均
粒子径0.6μm、ガラス転移温度125℃の有機顔料
(商品名グロスデール201−S:三井化学社)100
部とし、表面塗工剤の塗工量を片面当たり1.5g/m2
(有機顔料の塗工量: 0.75g/m2)へ変更した以
外は実施例1と同じ方法で印刷用紙を得た。
【0028】実施例7 実施例1において、表面塗工剤の配合をポリアクリルア
ミド(商品名ポリマセットHP−710:荒川化学工業
社製)60部、有機顔料として平均粒子径0.6μm、
ガラス転移温度125℃の有機顔料(商品名グロスデー
ル201−S:三井化学社)100部へ変更し、片面当
たり1.4g/m2(有機顔料の塗工量:0.8g/m2
塗工した以外は実施例1と同じ方法で印刷用紙を得た。
【0029】実施例8 実施例1において、有機顔料を平均粒子径0.3μm、
ガラス転移温度150℃以上の中空有機顔料(商品名A
E866:JSR社)100部とした他は実施例1と同
じ方法で印刷用紙を得た。
【0030】実施例9 実施例1において、表面塗工剤の顔料を平均粒子径0.
6μmの有機顔料(商品名グロスデール201−S:前
述)75部、平均粒子径 1.1μmの重質炭酸カルシ
ウム(市販品:FMT−90/ファイマテック社)25
部とし、片面当り1.4g/m2(有機顔料の塗工量:
0.40g/m2)塗工した他は実施例1と同じ方法で
印刷用紙を得た。
【0031】比較例1 実施例1において、有機顔料を添加しなかった他は実施
例1と同じ方法で印刷用紙を得た。
【0032】比較例2 実施例1において、酸化変性デンプン を40部とし、
表面塗工剤の塗工量を片面当たり2.0g/m2(有機顔
料の塗工量: 1.4g/m2)とした他は実施例1と同
じ方法で印刷用紙を得た。
【0033】比較例3 実施例1において、酸化変性デンプンを1000部と
し、表面塗工剤の塗工量を片面当たり0.9g/m2(有
機顔料の塗工量:0.08g/m2)とした他は実施例1
と同じ方法で印刷用紙を得た。
【0034】比較例4 比較例1の原紙の抄造において、パルプ配合を針葉樹ク
ラフトパルプ20部、広葉樹クラフトパルプ30部、古
紙再生脱墨パルプ50部の割合へ変更した他は比較例1
と同じ方法で印刷用紙を得た。
【0035】比較例5 実施例1において、有機顔料を平均粒子径0.2μm、
ガラス転移温度100℃の有機顔料(商品名L889
9:旭化成社)100部とした他は実施例1と同じ方法
で印刷用紙を得た。
【0036】比較例6 実施例1において、有機顔料を平均粒子径1μm、ガラ
ス転移温度 95℃中空有機顔料(商品名HP91:ロ
ーム&ハース社)100部とした他は実施例1と同じ方
法で印刷用紙を得た。
【0037】比較例7 実施例1において、有機顔料を平均粒子径 1.1μm
の重質炭酸カルシウム(市販品:FMT−90/ファイ
マテック社)100部とした他は実施例1と同じ方法で
印刷用紙を得た。これら実施例、比較例で得られた印刷
用紙の品質を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】「不透明度」ISO2471に準拠して測
定を行った。
【0040】「網点再現性」オフセット印刷機(小森
SYSTEM C−20)を使用し、カラー4色刷りを
行い、下記の基準で画像の鮮明度を目視にて判定した。 ◎:網点の再現性が優れており、ひじょうに鮮明な画像
である。 ○:網点の再現性が良く、やや鮮明度の足りない画像で
ある。 △:網点の再現性が劣っており、鮮明度が劣る画像であ
る。
【0041】「印刷用紙の外観」印刷用紙の外観を下記
の基準で評価した。 ○: 上質紙ライクの外観をしている。 △: やや上質紙と異なる外観をしている。 ×: 光沢があり、上質紙と外観が異なる。 「抄紙機操業性」表面塗工剤塗工後、乾燥機およびカレ
ンダーにおける粕付着の程度を下記の基準で判定した。 ○:シリンダードライヤーおよびカレンダーに粕付着が
全くない。 △:粕付着がやや見られるが、操業は可能である。 ×:粕付着が著しく、連続して操業できない。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、不透明度に優れ、優れ
たカラー印刷品質を有する印刷用紙を安定して生産する
ことができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙の両面に顔料と接着剤を主成分とする
    表面塗工剤を塗工し、乾燥する印刷用紙の製造方法にお
    いて、顔料としてガラス転移温度が110℃以上の有機
    顔料を含有した表面塗工剤を、該有機顔料の塗工量が片
    面当り0.1〜1g/m2となるように塗工し、且つ該有
    機顔料のガラス転移温度以下の温度で乾燥および/又は
    平滑化処理することを特徴とする原紙の風合いを維持し
    た印刷用紙の製造方法。
  2. 【請求項2】バインダーとして水溶性バインダーを主成
    分とする表面塗工剤をサイズプレス装置で塗工し、前記
    有機顔料のガラス転移温度以下の表面温度を有するシリ
    ンダードライヤーよって乾燥処理することを特徴とする
    請求項1記載の原紙の風合いを維持した印刷用紙の製造
    方法。
  3. 【請求項3】バインダーとして水溶性バインダーを主成
    分とする表面塗工剤を塗工し、前記有機顔料のガラス転
    移温度以下の表面温度に調節した金属ロールを有するカ
    レンダーによって平滑化処理することを特徴とする請求
    項1記載の原紙の風合いを維持した印刷用紙の製造方
    法。
  4. 【請求項4】該有機顔料と該水溶性バインダーの固形分
    比率が、有機顔料100重量部に対し、50〜900重
    量部である請求項1または2記載の原紙の風合いを維持
    した印刷用紙の製造方法。
  5. 【請求項5】古紙再生脱墨パルプを配合した原紙を用い
    たことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記
    載の原紙の風合いを維持した印刷用紙の製造方法。
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