JP4003558B2 - 嵩高塗工紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料塗工層を設けた印刷用塗工紙に関し、更に詳しくは、低密度であるにも関わらず、手触り感がよく、印刷適性に優れた嵩高塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高品質の印刷物を得るために、顔料塗工を施した顔料塗工印刷用紙が従来から広く利用されている。この顔料塗工印刷用紙は、原紙の表面にある凹凸を顔料の微細構造で被覆したもので、さらにカレンダー処理により平滑性を高められたものは印刷したときにインキ発色性や網点の再現性には優れている。しかし、一方で、密度が高く、凹凸感が乏しく、柔らかさなどの手触り感などが非塗工紙とは大きく異なっている。
【0003】
このようななかで、非塗工紙の手触り感、凹凸感、嵩などを保ちながら、印刷したときにはインキ発色性、網点の再現性が優れた印刷用紙が求められるようになっている。
そのために、原紙の凹凸感を損なわない範囲で原紙上に顔料塗工層を設けることが行われるが、凹凸感を重視すると印刷適性が不十分となり、印刷適正を重視すると原紙の凹凸感がなくなるということで非塗工紙の風合いと印刷適正を両立することは困難なことであった。さらに、最近はチラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメールなどの商業印刷での印刷物のビジュアル化、カラー化が、また電子機器の普及により本体及びソフトの取り扱い説明書のカラー印刷が進み、紙には高い印刷適性が要求される反面、コスト削減により、用紙にはさらに軽量化が求められるようになった。
【0004】
紙の軽量化手段としては、原紙の減斤、塗工量の減量が考えられるが、原紙を単に減斤したのでは紙の不透明度が下がるため、それを補うために塗工層量が増え、結果的に有効な軽量化にはつながらない。不透明度低下を防ぐためには、シリカ、ホワイトカーボン等の比表面積の大きな填料や二酸化チタンのような屈折率の高い填料を使用することも考えられるが、軽量化にはつながらない。また、使用するパルプの濾水度を高くすることも考えられるが、紙層構造がポーラスになって透気度、平滑度が低下する結果、顔料塗工液が染み込みすぎて原紙の被覆性が悪くなり、印刷適性が低下するし、主に密度も高くなるため有効とはいえない。他には、高温でのカレンダー処理も手法の一つとして考えられるが、効果が不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、顔料塗工層を設けた後も非塗工紙の風合いを有し、低密度であるにもかかわらず印刷適性に優れた嵩高塗工紙を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のパルプを配合した原紙を使用し、特定の顔料を配合した顔料塗工層を設けることにより、非塗工紙の風合いを有し、印刷適性に優れた嵩高塗工紙を完成させた。本発明は、以下の各発明を包含する。
【0007】
(1)原紙に広葉樹から製造されるBCTMPと針葉樹から製造されるBCTMPを質量比で70:30〜95:5の割合で混合されたBCMTPを全パルプに対して10〜40質量%の割合で含有し、さらに界面活性剤を含有し、該原紙の少なくとも片面にレーザー回折式測定法による平均粒径が1.5〜6.0でかつ沈降式測定法による平均粒径が0.7〜2.0μmであり、アスペクト比20以上で、白色度88以上であるデラミネーテッドカオリンを含有する塗工層を有し、密度0.9g/m3未満、圧縮率1.5以上であることを特徴とする嵩高塗工紙。
【0009】
(2)前記広葉樹から製造されるBCTMPと針葉樹から製造されるBCTMPの叩解度がカナダ標準ろ水度(CSF)で130〜180mlであることを特徴とする(1)項記載の嵩高塗工紙。
【0010】
(3)前記広葉樹はアスペン(Populus tremla)でることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の嵩高塗工紙。
【0011】
(4)前記界面活性剤は平滑化及び柔軟化の効果のある界面活性剤であり、原紙中に0.2〜1.0質量%含まれていることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の嵩高塗工紙。
【0012】
(5)白色度が80%以上で、不透明度が80%以上であることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の嵩高塗工紙。
【0013】
針葉樹BCTMPの原料としては、ラジアータパイン、バルサムファー、スプルース、ウエスタンヘムロック等があり、なかでもスプルースから製造されるBCTMPは繊維が長く、白色度が高く、嵩高性には効果がある。嵩高性と紙にしたときの表面性の両者のバランスをとるためには、広葉樹から製造されるBCTMPと針葉樹から製造されるBCTMPを上記の範囲で混合したものを配合することが好ましい。上記範囲で混合されたBCTMPを原紙を構成するパルプの10〜40質量%の範囲で含有させることにより、嵩、強度、風合い、印刷適性を満足させることが可能になる。10質量%未満では嵩高性に対して効果が見られず、40質量%を超えて配合すると強度、褪色性に影響を与えるため好ましくない。また、この混合されたBCTMPはカナダ標準ろ水度(CSF)で130〜180mlまで叩解したものが表面平滑性が高くなるため好ましい。中でもチップの状態から広葉樹と針葉樹を混合してNaOH、Na2SO3、H2O2、DTPA(C14H23N3O10)、MgSO4等で処理され、H2O2で漂白されたものが白色度、、強度が高く、柔軟であるため好ましい。
【0014】
本発明の嵩高塗工紙は、柔軟化、平滑化効果のある界面活性剤を原紙中に0.2〜1.0質量%含有する。原紙のパルプに柔軟化、平滑化の効果のある界面活性剤としては、例えば、鉱油、高級アルコール、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの界面活性剤を含有させることにより、手ざわり感がよく、さらに嵩高な原紙を製造することが可能になる。このような界面活性剤はパルプ同士の水素結合を阻害するため紙の密度が高くなることを押さえる働きとともに平滑性にも効果がある。中でも、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、高級アルコール、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物であってオキシアルキレン基を有するものが特に好ましい。これらは原紙中の含有量が0.2質量%未満では嵩を出す効果がなく、1.0質量%を超えて含有させても効果が頭打ちであるだけでなく、抄紙系内を汚し、強度を低下させるので好ましくない。
【0015】
本発明の嵩高塗工紙は、前記広葉樹及び針葉樹から製造されたBCTMPの他、高白DIPを配合されていることが好ましい。この場合のDIPは白色度70%以上に漂白されたものが好ましい。
強度の低下を招かないFAS(Formamidine sulfinic acid)で漂白されたDIP(Deinked pulp)が好ましく、全パルプ中に5〜50質量%の範囲が好ましい。50質量%を超えて配合することは印刷適性、強度の面で好ましくない。その他のパルプとしてはGP(Ground pulp)、KP(Kraft pulp)を目的により適宜配合する。GPは嵩高性、不透明度では効果があるが強度が弱く、リグニンの含有量が多いために褪色性や耐候性が悪いので多量に配合することは好ましくない。
【0016】
本発明の嵩高塗工紙における原紙は一般的な抄紙方法で抄紙される、たとえば、トップワイヤーを含む長網抄紙機、丸網抄紙機、また両者の併用抄紙機等により酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙される。必要に応じて、内添填料が添加されるが、填料としては特に制限はなく、一般的な填料が使用される。たとえば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、カオリン、シリカなどの無機填料、プラスチックピグメントのような有機填料などのうち不透明度、嵩高性を妨げないものであればよい。
【0017】
さらに、嵩高性、印刷適性、風合いを損なわないものであれば各種内添サイズ剤、紙力増強剤、濾水性向上剤、歩留り向上剤などを適宜選択して添加してもよい。
また、抄紙後、さらにサイズプレス、ゲートロールコータ、プレメタリングサイズプレス等を使用してデンプン、PVAなどを予備塗工してもよい。
【0018】
本発明の嵩高塗工紙は、塗工層にレーザー回折式測定法による平均粒径が1.5〜6.0μm、好ましくは2.0〜5.0μmでかつ沈降式測定法による平均粒子径が0.7〜2.0μm、好ましくは0.9〜1.5μmで、白色度88以上であり、好ましくは粒径がそろっている薄六角板状のデラミネーテッドカオリン(以下、デラミカオリンと略す。)を含有する。
デラミカオリンは薄六角板状であり、塗工層表面に並んで平滑性を高める。また、保水性もよいため塗工量を少なくすることが可能になる。デラミカオリンは、レーザー回折式測定法による平均粒径が1.5μm未満で、沈降式測定法による平均粒子径が0.7μm未満である場合、印刷適性は向上するが密度がでないし、またレーザー回折式測定法による平均粒径が6.0μmを超え、かつ沈降式測定法による平均粒子径が2.0μmを超えて大きくなると印刷適性(たとえば、印刷光沢度)が悪くなるため好ましくない。
また、デラミカオリンの粒径がそろっていないと嵩高性と平滑性に好ましくない影響がでる。
【0019】
本発明の嵩高塗工紙の塗工層に使用されるデラミカオリンは、全顔料中に30質量%以上配合されていることが好ましい。30質量%未満では塗工層の保水度が低下し、不透明度も低下するため好ましくない。
本発明の嵩高塗工紙の塗工層には、デラミカオリン以外に、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、酸化チタン、サチンホワイト、硫酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の無機顔料やプラスチックピグメントをはじめとする有機顔料を使用することも可能である。
【0020】
塗工層の接着剤としては特に制限はなく、たとえばスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体やポリビニルアルコール(PVA)・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等を単体で、あるいは混合して用いられる。これらの接着剤は顔料100質量部当たり5〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部の範囲で使用する。また必要に応じて、pH調整剤として苛性ソーダ、アンモニア等が使用可能で、その他分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料等を添加することができる。
【0021】
本発明の嵩高塗工紙の塗工層の形成に使用される塗料は、一般的に使用される塗工装置により本発明の原紙の片面或いは両面に塗工される。一般的な塗工装置としてはバーコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ、ロッドコータ、ビルブレードコータ、ゲートロールコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、サイズプレスコータ等が挙げられる。塗工量は所望の特性に応じて適宜選択されるが、塗工紙全体の密度と印刷適性を考えると6〜15g/m2が適当な範囲であり、6g/m2未満では十分な被覆性と印刷光沢度が得られないだけでなく、白色度、不透明度も不十分である。
【0022】
塗工後の仕上げ工程(平滑化)においては、不透明度と嵩高性を維持するためにカレンダー処理は行わないか極力軽減することが好ましい。本発明の嵩高塗工紙を構成する原紙と塗工層を採用することにより、平滑化処理工程を軽減するか又は行わなくても優れた印刷適性をもった嵩高で手触り感のよい嵩高塗工紙を得ることが可能となった。
【0023】
本発明の嵩高塗工紙は、塗工紙としての密度が0.9g/m3未満で圧縮率が1.5以上である。圧縮率が1.5以上であるということは弾力性があるということで、印刷したときのインキの転移、発色性等の印刷適性に影響を及ぼす。
インキの転移には紙表面の平滑性も大きな要因ではあるが、インキを転写するときに圧がかかるため、加圧状態での平滑性が重要である。
グラビア印刷は、金属版と紙を直接接触させて転写する方式のため、紙に弾力性があると版に密接してインキの転移性がよい。
非塗工紙の手触り感のある本発明の嵩高塗工紙は、嵩高塗工紙の塗工層が平滑であって微細な凹凸面で光の散乱反射が起き、白紙部はしっとりとした光沢で、印刷した部分は平滑なインキ皮膜が形成されて高い発色性を示す。
【0024】
以上のように、本発明は、白色度の高いBCTMPとデラミカオリン、平滑化、柔軟化効果のある界面活性剤により、低密度であるにも関わらず高い印刷適性を有し、手触り感のよい嵩高塗工紙を提供するものである。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、例中の部及び%は、特に断りのない限りそれぞれ質量部、質量%を示す。
【0026】
(デラミカオリンの平均粒子径):
▲1▼ レーザー回折式SALD−200V(島津製作所製)
▲2▼ 沈降式ゼディグラフ (マイクロメトリック社製)
(平滑度):J.TAPPI No5(B)に準拠
(光沢度):JIS P 8142
(白色度):JIS P 8148
(圧縮率):TOYOSEIKI社製マイクロトポグラフを用いて加圧147.1Pa(15Kgf/m2)と294.2Pa(30Kgf/m2)の粗さの比を測定した。
【0027】
実施例1
原紙:原料パルプとして、NBKP(材種:マツ/ラジアータパイン=30/70、470mlCSF)20部とLBKP(材種:ユーカリ/ブナ=70/30、550mlCSF)20部、BCTMP30部(材種:アスペン/スプルース=85/15、130mlCSF)、DIP(白色度70%、200mlCSF)30部を配合し、填料として軽質炭酸カルシウム(自社製、レーザー法平均粒径6μm)8.0%、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤(日本エヌエスシー社製、ファイブラン81)0.08%、界面活性剤(花王製、KB−115)0.5%、硫酸アルミニュウム0.5%、カチオン化変性澱粉(王子コーンスターチ社製、エースK−100)0.7%、アクリルアマイド系歩留まり向上剤(ハイモ社製、ハイモロックNR−12MLS)0.01%を添加して紙料スラリーを調成し、長網多筒式抄紙機で55g/m2の原紙を抄造した。
【0028】
塗工層:顔料として、デラミカオリン(リオカピム社製、カピムNP、レーザー法平均粒径2.0μm;沈降法平均粒径0.95μm)60部、1級カオリン(エンゲルハード社製、Uフロー90、レーザー法平均粒径1.8μm)10部、二酸化チタン(古河機械金属製、FA55−W、レーザー法平均粒径0.59μm)10部、軽質炭酸カルシウム(白石工業製、ブリリアントS−15、レーザー法平均粒径0.5μm)20部、酸化澱粉(王子コーンスターチ社製、エースA)2.0部、SBRラテックス(JSR社製、2535D)11.0部、蛍光染料(バイエル社製、ブランコファーZKCN)0.25部を配合し、分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.05%を添加して63%の塗工液を得た。
この塗工液をブレードコーターで両面16.0g/m2塗工し、密度0.67g/cm3、坪量76.0g/m2の塗工紙を得た。
【0029】
実施例2
原紙:原料パルプとして、LBKP(550mlCSF)90部とBCTMP10部(アスペン/スプルース=85/15、130mlCSF)配合し、填料として軽質炭酸カルシウム(自社製、レーザー法平均粒径6.0μm)8.0%、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤(日本エヌエスシー社製、ファイブラン81)0.08%、界面活性剤(花王製、KB−115)0.5%、硫酸アルミニュウム0.5%、カチオン化変性澱粉(王子コーンスターチ社製、エースK−100)0.7%、アクリルアマイド系歩留まり向上剤(ハイモ社製、ハイモロックNR−12MLS)0.01%を添加して紙料スラリーを調成し、長網多筒式抄紙機で70g/m2の原紙をカレンダー1ニップで抄造した。
【0030】
塗工層:顔料として、デラミカオリン(リオカピム社製、カピムNP、レーザー法平均粒径2.0μm;沈降法平均粒径0.95μm)85部、重質炭酸カルシウム(自社製、レーザー法平均粒径1.0μm)15部、SBRラテックス(JSR社製、2535D)11部、PVA(ユニチカ社製、UFO50G)1.0部、蛍光染料(バイエル社製、ブランコファーZKCN)0.8部を配合し、分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.05%を添加して63%の塗工液を得た。
この塗工液をブレードコーターで両面23.0g/m2塗工し、密度0.80g/cm3、坪量94.0g/m2の塗工紙を得た。
【0031】
実施例3
実施例2において、原料パルプとして、LBKP(550mlCSF)60部とBCTMP40部(アスペン/スプルース=85/15、130mlCSF)を使用し、界面活性剤の含有量を0.2%とし、カレンダーを使用せずに原紙を抄造し、塗工液を両面19.0g/m2塗工した以外は実施例2と同様の方法で塗工紙を得た。
【0032】
実施例4
原紙:原料パルプとして、NBKP(470ml CSF)20部とLBKP(550ml CSF)60部、BCTMP10部(アスペン/スプルース=85/15、130mlCSF)、DIP(白色度70%)10部を配合し、填料として軽質炭酸カルシウム(自社製、レーザー法平均粒径6μm)15.0%、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤(日本エヌエスシー社製、ファイブラン81)0.08%、界面活性剤(花王製、KB−115)0.5%、硫酸アルミニウム0.5%、カチオン化変性澱粉(王子コーンスターチ社製、エースK−100)0.7%、アクリルアマイド系歩留まり向上剤(ハイモ社製、ハイモロックNR−12MLS)0.01%を添加して紙料スラリーを調成し、長網多筒式抄紙機で60g/m2の原紙をカレンダー1ニップで抄造した。
【0033】
塗工層:顔料として、デラミカオリン(リオカピム社製、カピムNP、レーザー法平均粒径2.0μm;沈降法平均粒径0.95μm)60部、1級カオリン(エンゲルハード社製、Uフロー90、レーザー法平均粒径1.8μm、沈降法平均粒径0.32μm)10部、二酸化チタン(古河機械金属製、FA55−W、レーザー法平均粒径0.59μm)10部、軽質炭酸カルシュウム(白石工業製、ブリリアントS−15、レーザー法平均粒径0.5μm)20部、酸化澱粉(王子コーンスターチ社製、エースA)2.0部、SBRラテックス(JSR社製、2540A)11.0部、蛍光染料(バイエル社製、ブランコファーZKCN)0.25部を配合し、分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.05%を添加して63%の塗工液を得た。
この塗工液をブレードコーターで両面16.0g/m2塗工し、密度0.87g/cm3、坪量72.3g/m2の塗工紙を得た。
【0034】
比較例1
原料パルプとして、NBKP(470mlCSF)20部とLBKP(550ml CSF)50部、DIP(白色度70%、200mlCSF)30部とし界面活性剤を含有せず、塗工液に含まれる顔料として1級カオリン(エンゲルハード社製、Uフロー90、レーザー法平均粒径1.8μm;沈降法平均粒径0.32μm)70部、二酸化チタン(古河機械金属製、FA55−W、レーザー法平均粒径0.59μm)10部、軽質炭酸カルシウム(白石工業製、ブリリアントS−15、レーザー法平均粒径0.5μm)20部とした以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
【0035】
比較例2
塗工液に含まれる顔料として、1級カオリン(エンゲルハード社製、Uフロー90、レーザー法平均粒径1.8μm;沈降法平均粒径0.32μm)70部、二酸化チタン(古河機械金属製、FA55−W、レーザー法平均粒径0.59μm)10部、軽質炭酸カルシュウム(白石工業製、ブリリアントS−15、レーザー法平均0.50μm)20部とした以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
【0036】
比較例3
原紙に界面活性剤を含有しなかった以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
【0037】
比較例4
原料パルプとして、NBKP(470mlCSF)20部とLBKP(550mlCSF)50部、DIP(白色度70%、200mlCSF)30部とした以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
以上の結果を表1に示した。
【0038】
比較例5
塗工液に含まれる顔料として、デラミオリオン(エンゲルハード社製、Nuclay、レーザー法平均粒径1.4μm;沈降法平均粒径0.6μm)60部にした以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
【0039】
比較例6
塗工液に含まれる顔料として、デラミカオリン(リオカピム社製、カピムCC、レーザー法平均粒径7.3μm;沈降法平均粒径3.2μm)60部にした以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
【0040】
比較例7
塗工液に含まれる顔料として、デラミカオリン(エンゲルハード社製、Nusurf、レーザー法平均粒径6.3μm;沈降法平均粒径2.5μm)60部にした以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
【0041】
比較例8
原料パルプとして、広葉樹から製造されるBCTMP(アスペン100%、250mlCSF)100部とした以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
上記の結果から分るように、本発明は、低密度であるにもかかわらず高い印刷適性を持ち、手触り感に優れた嵩高塗工紙を提供し得るものである。
Claims (5)
- 原紙に広葉樹から製造されるBCTMPと針葉樹から製造されるBCTMPを質量比で70:30〜95:5の割合で混合されたBCMTPを全パルプに対して10〜40質量%の割合で含有し、さらに界面活性剤を含有し、該原紙の少なくとも片面にレーザー回折式測定法による平均粒径が1.5〜6.0でかつ沈降式測定法による平均粒径が0.7〜2.0μmであり、アスペクト比20以上で、白色度88以上であるデラミネーテッドカオリンを含有する塗工層を有し、密度0.9g/m3未満、圧縮率1.5以上であることを特徴とする嵩高塗工紙。
- 前記広葉樹から製造されるBCTMPと針葉樹から製造されるBCTMPの叩解度がカナダ標準ろ水度(CSF)で130〜180mlであることを特徴とする請求項1記載の嵩高塗工紙。
- 前記広葉樹はアスペン(Populus tremla)でることを特徴とする請求項1又は2に記載の嵩高塗工紙。
- 前記界面活性剤は平滑化及び柔軟化の効果のある界面活性剤であり、原紙中に0.2〜1.0質量%含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の嵩高塗工紙。
- 白色度が80%以上で、不透明度が80%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の嵩高塗工紙。
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