JPWO2009123237A1 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Abstract

本発明は軽量でありながら白紙品質が良好で、印刷作業性などの印刷適性に優れた印刷用塗工紙に関し、原紙に顔料と接着剤を有する塗工層を設けた印刷用塗工紙に、塗工紙坪量に対する総塗工量の比率が25%以下で、塗工層に中空のプラスチックピグメントを顔料100重量部当たり1〜15重量部、黒色染料を顔料に対して50〜500ppm配合することを特徴とする。

Description

本発明は、印刷用塗工紙に関して、軽量にも関わらず、特に優れた白紙品質と印刷作業性等を備えたオフセット印刷用塗工紙に関する。
近年オフセット印刷用紙は、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメール等広告、宣伝を目的とした商業印刷分野での需要が年々高まっており、その生産量は着実に伸びている。中でも近年薄物コート紙及び徴塗工紙の生産量の伸び率が大きいことが特徴である。印刷物に対し、写真や図案を多用し、更にカラー化するなどにより、視覚的に内容を強力に伝達できる高品質印刷用塗工紙への強い要望がある。一方で、省資源、輸送及び郵送コストなどの点からコストダウンを図りたいというユーザーの軽量化への強い要望もある。特にユーザーからの要望として、より低坪量品への強い要望がある。この高品質及び軽量化の二つの要望は相反するものであり、高品質印刷塗工紙は原紙及び塗工量が多く、高価であって、軽量・低価格の要望にそぐわない。そこで、低坪量、低塗工量のいわゆる低級グレードの塗工紙で、より上のグレードの品質を実現する技術が求められていた。
塗工紙の品質のうち、重要なものは、白色度、不透明度、白紙光沢度、印刷光沢度、剛度及び表面強度である。さらに、低塗工量の薄物塗工紙では特に白紙面感や印刷面感といった品質が求められる。白色度はコントラストに、不透明度は裏抜けに、光沢度や面感は印刷物の高級感に関係し、かつこれらが全て良いバランスで満足されることが重要である。剛度は主として印刷作業性に関係し、印刷物のページめくり性等の手肉感にも重要な要素である。
オフセット印刷時に、印刷用塗工紙の剛度が低いと印刷後の排紙部において用紙の角が折れ曲がる耳折れ(ドッグイヤー)といった問題が発生して印刷速度を落とす必要が生じ、作業効率が著しく低下するため好ましくない。この点からも剛度は非常に重要な品質である。
剛度の他にも印刷作業性に関係する品質項目として、印刷用紙の表面強度が求められる。特にオフセット印刷では、比較的タックの強いインキが使用されるので、この傾向が顕著である。印刷時に用紙表面には湿し水が付加されるため、表面強度の弱い表面を持つ用紙を使用すると、紙粉がブランケットに堆積、あるいはインキに混入し、結果として印刷面にいわゆるカスレが生じるといったパイリングのトラブルが発生する。
塗工紙を軽量化する場合、原紙を低坪量化する、もしくは(且つ)、低塗工量とする方法がある。原紙を低坪量とすれば、軽量化に比例して紙厚が薄くなり、剛度が低下し、更にはオフセット輪転印刷において耳折れトラブルが発生しやすい。一方、低塗工量とすれば、塗工層の原紙被覆性が悪化するためと考えられるが、白紙面感や印刷面感が悪化しやすくなり、パイリング問題も発生しやすくなる。
なお、操業性の面からも薄物塗工紙を近年の操業速度1000m/分以上で製造する場合、原紙坪量を低くすると断紙発生が懸念される問題がある。そのため、例えば坪量50g/m2以下の薄物塗工紙では、塗工量を低くする必要が生じて、原紙の片面あたり3〜7g/m2の薄い塗工層を設ける場合が多い。塗工量を少なくすると、塗工量ムラが大きくなり、白紙面感や印刷面感が低下しやすいといった課題がある。
上記の課題を解決するため、粒度分布のシャープな顔料を使用して、中空プラスチックピグメントを塗工層に配合して、二酸化チタンを配合する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、この手法は、製品坪量に対する塗工層の重量比率が高い場合、原紙坪量が低いため剛度が低下して印刷でのドッグイヤーが発生する。逆に、製品坪量に対する塗工層の重量比率が低い場合、原紙坪量が高くなるため、剛度が高くなり印刷作業性に優れるが、白紙面感及び印刷面感といった品質が低下するという課題が発生する。
一方で、白紙面感や印刷面感を改善する手法として、塗工顔料に黒色染料を配合して、原紙の白色度と塗工層の白色度を6%以内にする手法が開示されている(特許文献2参照)。しかし、単純に黒色染料を添加して塗工層の白色度を原紙の白色度に近づけるだけでは、白紙面感や印刷面感は、不十分であり、製品白色度が低下するという問題が発生する。
このように従来技術では、軽量でありながら、白紙品質・印刷品質が良好で、印刷作業性に優れるオフセット印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
特開2004−3083号公報 特開平01−97295号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は軽量でありながら剛度、白色面感、白色度などの白紙品質が良好で、印刷作業性(パイリング)などの印刷適性に優れた印刷用塗工紙を提供することにある。
本発明者等は上記の諸目的を達成するために鋭意検討した結果、塗工量の比率(総塗工量/坪量)を25%以下として、塗工層に中空プラスチックピグメントと黒色染料を併用することにより、低坪量、低塗工量であるにもかかわらず、剛度、白紙面感、ブランケットパイリング抑制効果に優れ、白色度等も良好であることを見出して、本発明に到達した。
上記課題を達成するために、請求項1に係る発明の印刷用塗工紙は、原紙に顔料と接着剤を有する塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工紙坪量に対する総塗工量の比率が25%以下で、塗工層に中空のプラスチックピグメントを顔料100重量部当たり1〜15重量部、黒色染料を100〜500ppm配合することを特徴とする。
同様に、請求項2に係る発明の印刷用塗工紙は、前記印刷用塗工紙の製品坪量が35〜43g/m2であることを特徴とする。
請求項3に係る発明の印刷用塗工紙は、高温ホットソフトニツプカレンダーで処理を行い、処理を行う全ニツプの金属ロール表面温度の平均が150℃以上であることを特徴とする。
請求項4に係る発明の印刷用塗工紙は、前記塗工層に更にルチル型の二酸化チタンを5〜20重量部配合することを特徴とする。
請求項5に係る発明の印刷用塗工紙は、前記原紙に広葉樹機械パルプを含有することを特徴とする。
本発明の印刷用塗工紙は、低坪量、低塗工量であるにもかかわらず、総塗工量の比率が25%以下で、塗工層に中空プラスチックピグメントと黒色染料を配合することで、剛度、白紙面感、ブランケットパイリング抑制効果に優れており、また、白紙光沢度、白色度等も良好であり、特にオフセット印刷用に適している。
本発明は、原紙の少なくとも片面に顔料及び接着剤からなる塗工層が設けられた塗工紙において、塗工量の比率を25%以下にして、塗工層に中空プラスチックピグメントを顔料100重量部当たり1〜15重量部と黒色染料を顔料に対して50〜500ppm配合しており、中空プラスチックピグメントと黒色染料を併用することを特徴としている。中空プラスチックピグメントは1〜15部配合する必要がある。1部よりも少ない場合は、白紙面感が悪化し、15部よりも多い場合は高速マシンでのブレードで、ストラグマイトやストリークなどの問題や、カレンダーでロール汚れが発生する。また、黒色染料は、白紙面感、白色度の点から顔料に対して50〜500ppm配合することが必要であり、好ましくは50〜300、より好ましくは50〜150ppmである。黒色染料が、50ppm未満の時は、もやもや感があり、白紙面感に劣る傾向にある。500ppmを超えるときは、白色度が低くなり劣る。
本発明に使用されるプラスチックピグメントは、中空型を使用する。プラスチックピグメントの構成重合体成分としては、好ましくは、スチレン及び/または、メチルメタアクリレート等のモノマーを主成分として、必要に応じてこれらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。この共重合可能なモノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルスチレン等のオレフイン系芳香族系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルニトリル等のモノオレフイン系モノマー及び酢酸ビニル等のモノマーがある。また、必要に応じて、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のオレフイン系不飽和カルボン酸モノマー類、ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル等のオレフイン系不飽和ヒドロキシモノマー類、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド等のオレフイン系不飽和アミドモノマー類、ジビニルベンゼン等の二量体ビニルモノマー等を一種または二種以上の組み合わせで用いることができる。これらのモノマーは例であり、このほかにも共重合可能なモノマーがあれば使用してもよい。白紙面感、印刷品質、操業性の点から中空プラスチックピグメントは1〜8部が好ましく、より好ましくは2〜8部、更に好ましくは2〜4部配合することであり、その平均粒子径は0.8〜1.5μmであることが好ましい。
本発明における塗工層に用いる顔料としては、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料を、プラスチックピグメントと併用することもできる。本発明においては、白紙面感や印刷面感が向上するため、ルチル型の二酸化チタンを含有することが好ましく、配合量は5〜20重量部が望ましい。また、顔料100重量部のうち、50重量部以上、好ましくは50重量部以上をエンジニアードカオリンとすることにより、インキ着肉性、白紙面感や印刷面感が更に向上する。エンジニアードカオリンの平均粒子径は、1〜5μmが好ましく、さらに好ましくは2〜4μmである。
なお、本発明で規定する粒径とは、レーザー回折法を用いたものであり、MALVER Nlnstruments社製のLaser Diffraction粒度分布測定器(マスターサイザー2000)を用いて、体積基準で粒径を測定した値である。
本発明に使用する黒色染料は、白色度が低下すれば、特に指定されるものではなく、一般的に、黒色染料、黒色顔料、ブルーインク剤などの名称で使用されるものである。
本発明において、塗工層に用いる接着剤としては、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などから、1種以上を適宜選択して使用することができる。これらの接着剤は、顔料100重量部に対して、12〜30重量部の範囲で使用される事が好ましく、より好ましくは12〜20重量部である。30重量部を超える場合は、塗料の粘度が高くなり、配管やスクリーンを通過しづらくなるといった操業性の問題が生じるので好ましくない。また、12重量部未満の場合は、十分な表面強度が得られにくく、好ましくない。更に、接着剤中の合成接着剤の比率は60〜100重量%配合することが好ましい。60重量%以下では、白紙面感や印刷面感が低下しやすく、パイリングが発生しやすく、好ましくない。
本発明においては、オフセット印刷における印刷時に必要な用紙表面強度、インキの着肉状態を示すインキ着肉性、湿し水に対する耐水性(パイリング)、及びオフセット輪転印刷におけるインキ乾燥の際に要求される耐ブリスター性を向上するために、助剤として印刷適性向上剤を塗工層に用いることもできる。配合量としては顔料100重量部に対して、0.1〜1.0重量部配合することが好ましい。
印刷適性向上剤としては、ポリアミドポリ尿素系樹脂、変性ポリアミドポリ尿素系樹脂、特殊ポリアミドポリ尿素系樹脂、特殊カチオン性樹脂、変性ポリアミン系樹脂などのカチオン性印刷適性向上剤等の通常使用されるものが挙げられる。これらのうち、水溶性変性ポリアミン系樹脂を使用することが好ましく、高カチオン型の水溶性変性ポリアミン系樹脂を使用することがより好ましい。
本発明においては、更に、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、着色剤、印刷適性向上剤等、通常の塗工紙用塗工液に配合する各種助剤を適宜使用することができる。
本発明においては、塗工液の固形分濃度を、印刷適性及び塗工適性の観点から、30〜70重量%に調整することが好ましい。
本発明に使用する原紙としては、酸性及び中性の上質紙や中質紙、再生紙等の一般的な用紙を使用することができ、25〜50g/m2であることが好ましく、より好ましくは25〜35g/m2である。原紙に使用するパルプはLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)等の化学パルプ、あるいはGP(グランドパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、及び古紙パルプ等を、単独であるいは混合して使用することができる。
本発明においては、全パルプ中の機械パルプ含有量を10重量%以上とすることが好ましい。機械パルプは化学パルプに比べて繊維が剛直なので、機械パルプを配合した原紙は、抄紙工程でかかる各種の圧力によって紙屑が潰れるということが少ない。従って、機械パルプを使用することによって全体として嵩高になるので、原紙内部の空隙量が増して不透明度が向上すると同時に剛度も高くなる。機械パルプの中でもグランドパルプは、低密度化への寄与が高いので、本発明においては好ましく用いることができる。なお、機械パルプの比率は、白色度や塗工適性等の観点から、全パルプの70重量%以下であることが好ましく、特に50重量%以下であることが好ましい。
特に薄物塗工紙については、操業性の確保と高不透明度の両方が要求されるため、強度の強いNBKPと光学適性の良好な機械パルプ(GP、TMP)を同時に使用することが特に好ましく、NBKPの配合量は、全パルプ中30〜50重量%が好ましく、GP+TMPの機械パルプの配合量は、全パルプ中10〜70重量%が好ましく、更に好ましくは30〜50重量%である。また、広葉樹機械パルプの配合量は全パルプ中10〜70重量%が好ましく、更に好ましくは30〜50重量%である。
また、本発明においては、嵩高で、白紙面感、高白色度を確保するためには、広葉樹の機械パルプを使用することが好ましい。広葉樹の機械パルプとは、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)等が挙げられ、嵩高、高不透明度、高白色度が得られる点から、CTMP、APMP、APTMPを使用することが好ましい。
上記の広葉樹機械パルプは、木材チップを亜硫酸ナトリウム水溶液やアルカリ過酸化水素溶液等に含浸させてから、常圧または加圧リファイニング処理を行った後、薬液とともに常温または加温下において一定時間保持して製造することが好ましい。また、より嵩高で高白色度を得るために、容積重が450kg/m以上である広葉樹の木材チップから製造する機械パルプを使用することが好ましい。また、本発明で用いる広葉樹から製造する機械パルプは、濾水度100mlの時の手漉きでのシート密度が0.45g/cm以下が好ましく、より好ましくは0.35g/cm以下である。
CTMPは、例えば以下の製造方法で得ることができる。広葉樹の木材チップの予備処理工程、一次リファイニングによる解繊工程、二次リファイニングによる叩解工程を含む製造工程を経てパルプ化される。
亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸処理は、チップを圧縮し、圧縮した状態、あるいは圧縮した後に亜硫酸ナトリウム水溶液に浸漬させ、圧を解放しチップを膨張させながら亜硫酸ナトリウムを含浸させることで達成できる。この亜硫酸ナトリウム水溶液含浸段階では、薬液をチップ中に十分含浸させることが重要である。圧縮比は4:1〜16:1にすることが重要であり、圧縮比が4:1より低い場合にはチップの復元力が弱く、チップ中への亜硫酸ナトリウム水溶液の浸透が不充分となるので好ましくない。16:1を超える圧縮比は装置的に非現実的である。なお、圧縮比とは圧縮前容積:圧縮後容積と定義する。亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸を完全にするため、プレックススクリューまたはインプレッサーの後にサージビンを設けることもできる。
亜硫酸ナトリウムの添加率は、絶乾チップに対して0.5〜2.0重量% である。亜硫酸ナトリウム水溶液のpHによって、一次リファイニング後の平均繊維長が若干異なる。含浸させる亜硫酸ナトリウム水溶液の初期pHは4.5〜9.5であり、好ましくは7.0〜9.5である。このpH調整には硫酸または水酸化ナトリウムが使用される。この範囲ではpHが高いほど長繊維含量が多くなり、平均繊維長が大きくなる。pH=9.5を超えるとレベルオフするので、薬品効率が悪くなる。pH=4.5未満では機器の金属腐食の恐れがあるので好ましくない。
亜硫酸ナトリウム水溶液を含浸させたチップは、解繊を良好とする目的で一次リファイニングに先立って予熱処理することが好ましい。この場合の温度は100〜135℃が好ましい。プレヒーティングされたチップは1次加圧リファイナーで解繊される。用いる装置は加圧リファイニング装置であり、リファイナープレート(リファイナセグメント)を除き、他の条件は公知の方法でパルプ繊維に解繊される。リファイニング装置は、シングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等を用いることができるが、解繊時の濃度が高いほどパルプ繊維のフィブリル化が進行し高品質のパルプを得られることから、好適にはシングルディスクリファイナーが用いられる。リファイニング工程中のチップの濃度は約20〜60固形分重量%で実施するのが好ましく、処理温度は100〜180℃が好ましい。更に好ましくは120〜135℃である。
次いで、解繊パルプは常圧下で二次リファイナーに送られ、目標濾水度まで叩解される。装置としては、公知のリファイニング装置を用い、公知の条件で精砕し、所望のパルプ濾水度まで低下させる。この工程は常圧下で行い、リファイニング装置は一般の常圧型装置を用いるのが好ましく、濃度は約4〜60%で実施することができる。二次リファイナーは1段でも良いし、複数段であっても良い。
APMPは、木材チップに例えれば水酸化ナトリウム、過酸化水素、珪酸ナトリウムを含むアルカリ過酸化水素水溶液を含浸させ、大気圧でリファイニング処理を行って製造され、APTMPは高温・加圧下でリファイニング処理を行って製造されるものであり、より高白色度を得るためにリファイニング処理した後、更にアルカリ過酸化水素水溶液とともに常温又は加温下において5分以上保持される。
また、以下のa)〜i)の工程を経て、APMP、APTMPを製造することができる。
a)広葉樹の木材チップを少なくとも4:1の圧縮比以上で圧縮し、圧解放時にキレート剤を含浸させる工程。
b)前記含浸チップを5分以上、温度10℃〜80℃で保持する工程。
c)前記含浸チップを更に少なくとも4:1の圧縮比以上で圧縮し、解放時にアルカリ性薬液を含浸させる工程。
d)前記含浸チップを約10分〜1時間、温度10℃〜80℃で保持する工程。
e)前記処理チップを更にアルカリ過酸化物を含浸させて、加圧もしくは大気圧リファイニング装置に通してチップを解繊し、木材パルプを製造する工程。
f)前記製造パルプを温度50℃以上で5分間以上保持する工程。
g)前記製造パルプを濃度5%以下に希釈し、洗浄してから再度15%以上に濃縮する工程。
h)前記製造パルプを加圧もしくは大気圧下でリファイニングを行い、所望の濾水度を有するパルプを得る工程。
i)必要に応じて得られたパルプが、酸化剤あるいは還元剤を用いて一段以上で漂白される工程を経て製造される。
前記a)の工程においては、約0.05〜0.4%のキレート剤を使用するのが好ましく、またc)工程において使用するアルカリ性薬剤は、絶乾チップ重量に対して約0.2〜2.0%の水酸化ナトリウム、約0.2〜2.0%の珪酸ナトリウム、約0.01〜0.2%の硫酸マグネシウム、約0.05〜0.4%のキレート剤および約0.2〜5.0%の過酸化水素を含有する水溶液であることが好ましい。
前記e)の工程において、漂白および柔軟化がなされた木材チップには、一次リファイニング直前にキレート剤を含むアルカリ過酸化物が添加され、加圧もしくは大気圧リファイニング装置にてパルプ繊維に解繊される。リファイニングは一般の解繊装置で充分であり、好ましくはシングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等で解繊される。パルプの濾水度はCSFで100〜200mLであることが好ましく、より好ましくは100〜150mLであり、更に好ましくは110〜150mLである。200mL以上だと原紙の表面が粗くなり、所望される表面平滑性が得られず、100mL以下だと原紙の表面平滑性にとっては好ましいが、原紙密度が高くなり、原紙の柔軟性も乏しくなる。
得られた嵩高機械パルプにより高い白色度が求められる場合には、ひとつ以上の公知の漂白工程によりパルプを更に漂白することができる。この場合には、過酸化水素、オゾン、過酢酸等の酸化剤あるいはハイドロサルファイト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。
上記製造工程を経て製造された機械パルプは、高白色度、高不透明度で強度が強いものである。特に、容積重450kg/m以上の高容積重材から製造した機械パルプは、繊維内腔(ルーメン)がつぶれにくく剛直であるため、このパルプ繊維が配合されたシートは、嵩高構造を維持し、密度を低くすることができる。使用する樹種としては、ユーカリ属が好ましく、より好ましくはユーカリグロビュラス、ユーカリグランディス等である。また、使用する広葉樹機械パルプのシート密度が0.45g/cm以下が好ましく、より好ましくは0.35g/cm以下である。なお、本発明においては機械パルプの効果をより発揮させるために、上記嵩高な広葉樹機械パルプは、10〜70重量%が好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。
本発明においては、原紙の製造に使用する填料として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウム、カオリン、クレー、焼成クレー、無定型シリケート、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、パイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類及び二酸化チタン等の無機填料を、単独であるいは混合して使用することができる。これらの填料は、印面品質及び印刷作業性を向上させるために、無定型シリケートあるいは軽質炭酸カルシウム表面をシリカで覆った、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を使用することが好ましい。無定型シリケートは不溶性のケイ酸塩であればよく、例えば、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウムソーダ、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。填料の配合量としては、原紙重量あたり、5〜25重量%含有することが好ましく、より好ましくは10〜15重量%である。
本発明においては、原紙の製造に使用する内添サイズ剤として、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などのサイズ剤を使用することができる。また、硫酸バンド、カチオン化デンプン等の繊維への定着剤を適当なサイズ剤と組み合せて使用することが好ましい。
更に、紙力増強剤、染料、PH制御剤、消泡剤、ピッチコントロール剤等の抄紙用内添助剤を、目的に応じて適宜添加することもできる。
このようにして得られた原紙上に、前述した塗工液を塗工して塗工層を設ける。本発明においては、2ロールサイズプレスコータやゲートロールコータ及びブレードメタリングサイズプレスコータ、ロッドメタリングサイズプレスコータ、及びシムサイザー等のフィルム転写型ロールコータ、フラデットニツプ/ブレードコータ、ジェットファウンテン/ブレードコータ、及びショートドウェルタイムアプリケート式コータの他、ブレードの替わりにグループドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングサイズプレスコータ、カーテンコータ、及びダイコータ等の公知のコータを用いて塗工することができる。特に、本発明においては、1000m/分以上の高速操業で低塗工量とすること、表面の平滑性を高くすることが求められていることから、ショートデュエルタイプのブレードコータで塗工することが特に好ましい。
本発明においては、塗工層を原紙の片面又は両面に、単層で若しくは2層以上設けることが可能である。塗工層の塗工量は、固形分で片面あたり3〜7g/m2であることが好ましい。また、塗工紙の坪量の中で塗工層の比率は15〜25重量%であることが好ましい。塗工層の比率が15重量%以下であると、白紙品質や印刷品質が低下するため好ましくなく、25重量%以上であると、原紙層が少なくなり、剛度が低下する。また、本発明においては、塗工量は、片面当たり3〜7g/m2であっても、白紙面感や印刷面感の良好なものが得られる利点を有する。
塗工層の乾燥は、加熱熱風エアドライヤ、加熱シリンダ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等、各種の方式のドライヤを、単独であるいは組み合せて用いることができる。乾燥状態が用紙のカールに影響を及ぼすため、本発明においては表裏の乾燥バランスをコントロールすることのできる装置を用いることが好ましい。
本発明においては、このようにして得られた塗工紙を、平滑度を高めるために、カレンダー処理に付すことも可能である。カレンダー処理は、コート紙の平滑化処理に通常使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等を用いて行なえばよく、また、これらを併用してもよい。印面品質及び印刷作業性のバランスを良好にする観点から、特に高温ホットソフトカレンダー処理することが好ましい。また、カレンダー処理時の金属ロールの処理温度を100℃以上とすることが好ましく、特に150〜250℃とすることが好ましい。このようにすることにより、オフセット印刷用塗工紙のクラークこわさが損なわれにくくなり、印刷作業性が向上するだけでなく白紙面感や印刷面感も優れたものとなる。カレンダー処理時の線圧は50〜300kN/mであることが好ましく、50〜250kN/mがより好ましく、100〜200kN/mが更に好ましい。
本発明のオフセット印刷用塗工紙の白紙面感は、デュボン社製のアピアランスアナライザーのDAV2値で評価しており、115以下が好ましい範囲である。
また、低坪量であってもオフセット印刷機における印刷作業性(通紙性や耳おれ適性)に優れるよう、MD方向のISO曲げこわさは37cm/100以上であることを特徴とする。本発明のオフセット印刷用塗工紙は、坪量が50g/m2以下の低坪量品で、白紙面感や印刷作業性が十分であり、特に43g/m2以下の低坪量品でも効果があるものである。また、坪量が35g/m2より低い場合、剛度が劣り、印刷用作業性等に劣る場合がある。故に、本発明は坪量が35g/m2〜43g/m2の範囲で印面品質及び印刷作業性が良好であるが、特に38〜43g/m2において、白紙面感や印刷作業性が十分であるという本発明特別の効果がある。
以下に実施例をあげて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、重量部、重量%は、固形分重量部、固形分重量%を示すものである。また、塗料用材料の物性及び得られた塗工紙の性能については、以下に示すような評価法に基づいて試験を実施した。
(1)坪量
JIS P 8124に準じて測定した。
(2)ISO曲げこわさ
L&W社製の剛度測定計で測定を行なった。角度15度のXa値を単位換算のため、3.352倍した値を表記した。
(3)白紙光沢度
白紙部の75度光沢度を、村上色彩(株)製の光沢度計GM26Dを用いて計測した。
(4)ISO白色度 拡散照明方式によるISO白色度(JIS P8148)を測定した。
(5)ISO不透明度、ISO不透明度(JIS P8149)を測定した。
(6)ブランケットパイリング評価
オフセット輪転機(東芝オフセット輪転機:OA−4B2T−600)を用い、カラー4色印刷(黒、藍、紅、黄の色順)を印刷速度700rpmで1万部行った後、黒のブランケットの紙粉の堆積度合いを目視で評価した。
◎:紙粉の発生が認められなかった
○:紙粉の発生がほとんど認められなかった
△:紙粉の発生がやや認められた
×:紙粉が多く堆積していた
(7)白紙面感
デュボン社製アピアランスアナライザーを用い、塗工紙の表面のもやもや感を、DAV値(細かいもやもや)、DMM値(大きめのもやもや)として評価した。値が大きいほど、表面にもやもや感があり、白紙面感が劣る。
なお、DAV値が、
100以下:非常に良好(◎)
100〜110:良好(○)
110〜120:やや劣る(△)
120以上:劣る(×)
とした。
〔実施例1〕
〈原紙の製造〉
原紙を構成するパルプ組成を、NBKP40重量%、GP18重量%、針葉樹TMP26重量%及びDIP16重量%とし、内添の軽質炭酸カルシウムを11重量%含有させて、サイズ剤0.03重量%、及び定着剤として硫酸バンド0.8重量%を添加してツインワイヤー抄紙機にて1200m/分の高速抄造し、坪量32.5g/m2の原紙を得た。
〈塗工液の調製〉
2級カオリン(イメリス社製 KCS、レーザー法 平均粒子径3.6μm)21.6重量部、エンジニアードカオリン(イメリス社製 Contour1500、レーザー法 平均粒子径3.4μm)60重量部及びルチル型の二酸化チタン10重量部、中空プラスチックピグメント8.4重量部(平均粒子径1.0μm)からなる顔料を、分散剤0.2重量部を配合した水に加えてセリエミキサーで分散して、固形分濃度が70重量%の顔料スラリーを調整した。この顔料スラリーに、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス13.5重量部、ヒドロキシエチルエーテル化デンプン(PG295:ペンフォード社製)7.5重量部、印刷適性向上剤(PA6650:星光PMC社製)を0.5重量部、黒色染料(SAブラックAO35、御国色素社製)を100ppm加えて、更に水を加えて固形分濃度が50重量%の塗工液を得た。
〈塗工紙の調製〉
前記した原紙の両面に、片面あたりの塗工量が4.5g/m2になるように、1200m/分の塗工速度でショートデュエル型のブレードコーターを用いて上記の塗工液を塗工し、スキヤッフドライヤーを通過させた後、シリンダードライヤーにて紙中水分が5.5%になるように乾燥した。
〈カレンダー処理〉
次いで、金属ロール温度180℃、弾性ロールのショアー硬度85、通紙速度1200m/分、線圧200kN/mで、且つカレンダーニツプ数が4ニツプの条件でオンラインソフトニツプカレンダー処理を行い、本発明の塗工タイプのオフセット印刷用塗工紙を得た。
〔実施例2〕
実施例1において、2級カオリン11重量部、エンジニアードクレーを60重量部、中空プラスチックピグメントを14重量部、二酸化チタンを15重量部配合して、原紙坪量を33.5g/m2、片面あたりの塗工量を4.0g/m2とした以外は実施例1と同様の方法にて塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、顔料として、微粒カオリン(イメリス社製 HG、レーザー法、0.22μm)を18部、エンジニアードカオリン(Contour1500)を70部、中空プラスチックピグメントを2部、ルチル型の二酸化チタン10部を用いて、片面当たりの塗工量を5.2g/m2とした以外は、実施例1と同様の方法にて、塗工紙を得た。
[実施例4]
CTMP配合例
CTMP(ケミサーモメカニカル法)
薬液として亜硫酸ソーダを、広葉樹であるユーカリグロビュラス(容積重557kg/m)の木材チップに絶乾重量あたり2.0%添加し、室温、減圧下で30分間含浸させた。薬液浸透後チップを取り出し、原料濃度40%となるように調整した。次にラボ用加圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BRP45−300SS)を用いて、一次リファイニングを行った。その後、パルプ濃度20%でラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BRP45−300CB)によって二次リファイニングを行った。また、二次リファイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CSF)で120mlに調整し、製造パルプAとした。この製造パルプAの濾水度が100mlの時のシート密度は、0.37g/cmであった。
実施例3において、針葉樹TMPの代わりとして、上記の広葉樹の製造パルプA(CTMP法)を26重量%配合したこと以外は、実施例3と同様の方法にて、塗工紙を得た。
[実施例5]
APTMP配合例
広葉樹であるユーカリグロビュラス(容積重557kg/m)の木材チップを薬液(木材チップ絶乾重量当たり水酸化ナトリウムを1.5%、ジエチレントリアミンペンタ酢酸:DTPA0.3%、ケイ酸ナトリウム2.0%、硫酸マグネシウム0.05%となるように添加)中に室温、減圧(−760mmHg)下で30分含浸した。一度常圧まで戻した後、薬液に過酸化水素溶液を2.5%添加して再度室温、減圧下で1時間含浸させた。そのチップを温度60℃で30分間保持した後、ラボ用加圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BRP45−300SS)を用いて一次リファイニングを行った。その後、パルプ濃度20%でラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BRP45−300CB)によって二次リファイニングを行った。また、二次リファイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CSF)で120mlに調整し、製造パルプBとした。この製造パルプBの濾水度が100mlの時のシート密度は、0.36g/cmであった。
実施例3において、針葉樹TMPの代わりとして、上記の広葉樹の製造パルプB(APTMP法)を26重量%配合したこと以外は、実施例3と同様の方法にて、塗工紙を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、原紙坪量を30.5g/m2として、片面塗工量を5.5g/m2とした以外は実施例1と同様の方法にてオフセット印刷用塗工紙を得た。
〔比較例2〕
実施例1において黒色染料を無配合とした以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
〔比較例3〕
実施例1において中空プラスチックピグメントを無配合として、白紙光沢度が実施例1と同等になるように紙圧をアップした以外は(線圧300kN/m)、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
〔比較例4〕
実施例1において黒色染料と中空プラスチックピグメントを無配合として、カレンダー線圧を300kN/mとした以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
〔比較例5〕
実施例1において、黒色染料を無配合、原紙坪量を30g/m2、片面塗工量を7/m2とした以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
〔比較例6〕
実施例1において、黒色染料を700ppmとした以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
Figure 2009123237
表1の結果から以下のことが示されている。
実施例1、2の塗工紙は、軽量にも関わらず、剛度(曲げこわさ)、白紙面感に優れており、ブランケットパイリング抑制効果も良好であり、オフセット印刷に適することが確認された。また、印刷面感も優れていた。
実施例1、2と中空プラスチックピグメント及び黒色染料を配合してない比較例4とを対比すると、比較例4は剛度、ブランケットパイリング抑制効果に劣っているのに対して、実施例1、2はその両者が共に優れていることがわかる。
実施例1と中空プラスチックピグメント及び黒色染料を同量配合している比較例1とを対比すると、比較例1は剛度が非常に劣っているのに対して、実施例1のそれは優れていることがわかる。このことは、実施例1の塗工量比率が25%以下の値とすることで、剛度が優れたものとなることが確認された。
実施例3、4は針葉樹のTMPの代わりとして、広葉樹のTMP(実施例3はCTMP、実施例4はAPTMP)を使用しており、こわさ、白色度、白紙面感に優れており、ブランケットパイリング抑制効果も高く、オフセット印刷に適することが確認された。
一方、比較例1は塗工量比率が高く用紙のこわさが不足するために印刷作業性が劣り、比較例2、比較例3、比較例4は、白紙面感が低く劣ることが確認された。比較例5は坪量が高く、輸送コストがかかることや、塗工量比率が高く用紙のこわさが不足するために印刷作業性が若干劣ることが確認された。
以上のことから、低坪量、低塗工量であるにもかかわらず、塗工量比率が22g/m2以下の値で、塗工層に中空プラスチックピグメントと黒色染料を配合することで、剛度、白紙面感、ブランケットパイリング抑制効果に優れたものとなり、上記の条件を満たした印刷用塗工紙はオフセット印刷に適しているといえる。
実施例1と黒色染料を多く配合している比較例6とを対比すると、比較例6は白色度が劣っているのに対して、実施例1は白色度が高いことが分かる。

Claims (5)

  1. 原紙に顔料と接着剤を有する塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工紙坪量に対する総塗工量の比率が25%以下で、塗工層に中空のプラスチックピグメントを顔料100重量部当たり1〜15重量部、黒色染料を顔料に対して50〜500ppm配合することを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 前記印刷用塗工紙の製品坪量が35〜43g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 高温ホットソフトニツプカレンダーで処理を行い、処理を行う全ニツプの金属ロール表面温度の平均が150℃以上であることを特徴とする請求項2に記載の印刷用塗工紙。
  4. 前記塗工層に更にルチル型の二酸化チタンを5〜20重量部配合することを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  5. 前記原紙に広葉樹機械パルプを含有することを特徴とする請求項4に記載の印刷用塗工紙。
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