JP2010209502A - グラビア印刷用塗工紙およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れた白色度とグラビア印刷適性を有するグラビア印刷塗工用紙、および、それを高い生産性で製造する方法を提供することにある。
【解決手段】本発明によって、原紙を抄造する抄紙工程と、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工して顔料塗工層を設ける塗工工程と、顔料塗工層を表面処理する工程と、を含んでなり、これらの工程がオンマシンコータを用いて連続して行われる塗工紙の白色度が80%以上であるグラビア印刷用塗工紙の製造方法が提供される。本発明の方法は、顔料100重量部中、レーザー回折法で測定した体積分布平均粒径が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を10〜30重量部、体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを70〜90重量部を含有する塗工液を塗工して顔料塗工層を設ける。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた白紙外観と印刷適性を兼ね備えたグラビア印刷塗工紙およびその製造方法に関する。
グラビア印刷は、版の凹部分のインキを加圧下で転移するという凹版印刷方式であり、階調再現性に優れているため、写真などの図版がある雑誌、カタログ、パンフレットなどの商業印刷分野などで広く用いられている。特に商業印刷分野で使用されるグラビア印刷用紙は、用紙自体にかける費用を削減するため、低価格で印刷適性に優れた用紙が求められている。
グラビア印刷は凹版印刷であるため、オフセット印刷と比較して硬質の版を使用する。そのため、グラビア印刷時に版面が用紙に完全に密着しにくく、網点が正常に転移しないスペックル現象が発生する場合がある。このスペックルが多い場合は印刷品質の低下となる。スペックルの発生を抑制するには、グラビア印刷の版面と用紙との密着性を高めることが重要であり、用紙の面からは、一般に塗工紙の平滑性と弾力性を高めることが効果的である。
そして、塗料配合の観点から塗工紙表面の平滑性を向上させる方法として、塗工層形成物中にアスペクト比の高い層状ケイ酸塩鉱物顔料(デラミネーデットクレー、タルク等)を配合することが提案されている(特許文献1)。しかしながら、塗工層組成物中にアスペクト比の高い顔料を多く配合すると塗工液の粘度が上昇するため、調液時のハンドリングが難しく、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすい。このため、塗工層を設けるための塗料の固形分濃度をあまり高くできないのが現状であり、水分の高い塗料を塗工する結果、用紙の乾燥時間を長く確保する必要があり、高速での操業に適さない。また、アスペクト比の高いデラミネーデットクレーやタルクといった顔料は、艶消し塗被紙のような白紙光沢度の低い用途に適したものであり(特許文献2)、配合量を多くした場合に光沢発現性が悪化するため、白紙光沢度が必要なグロス調塗工紙への使用は困難であった。さらに、これらの顔料は白色度が低く、配合量を多くした場合に用紙の白色度が低下するため、高白色度を有する紙への使用は困難であった。
また、スペックルの発生防止、不透明度の向上を目的として、焼成クレーを他の顔料と併用する方法も知られている。しかし、焼成クレーは流動性に劣るため、塗工液の粘度が上昇し、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすく、塗工工程での作業性が悪化する。このため、焼成クレーを使用した場合も、塗料の固形分粘度をあまり高くすることができず、その結果、塗工後の乾燥時間を長く保つ必要があり、高速での操業には限界がある。
さらに、プラスチックピグメントなどの有機顔料を使用し、高白紙光沢度、スペックルの防止効果、不透明性などを付与する方法が知られている(特許文献3)。しかし、有機顔料は、無機顔料と比較して高価であるためにコスト高となり、また、有機顔料を添加した塗工液は、高せん断力下における粘度が上昇しやすく、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすい。このため、塗料の固形分濃度をあまり高くできないことが現状であり、その結果、塗工後の乾燥時間を長く保つ必要があり、高速での操業に適さないという問題があった。
さらにまた、スペックルを防止するために、単純に塗工量を増やして平滑性を上げる方法がある。しかし、この方法では、コストが増大することになり、また、塗料の持ち込み水分が増加するため塗工後の乾燥時間を長く保つ必要があり、やはり高速での操業に適さない。
一方、製造設備の観点から塗工紙表面の平滑性を向上させ、白紙光沢度を付与する方法として、スーパーカレンダーを使用した高線圧の加圧処理が一般に行われている。しかし、スーパーカレンダーによる表面処理は、平滑度や白紙光沢度を高めるものの、同時に塗工紙の密度が高まり、塗工紙の不透明性や剛度が失われる。特に不透明度が不足すると、印刷絵柄が透過して裏面の印刷絵柄に影響を及ぼしたり、裏面の白紙品質が損なわれるため、グラビア印刷用紙として品質低下が避けられない。また、不透明性や剛度を低下させないよう加圧処理の線圧を低く方法が考えられるが、線圧の低下により用紙の平滑性が低下しグラビア印刷時のスペックルが増加するため、スーパーカレンダーの加圧処理を単純に軽減することもできないのが現状であった。さらに、従来のスーパーカレンダーに使用するコットンロールは、内部発熱の問題で耐熱性が劣り、耐圧・耐久性も劣るため、塗工紙製造の高速化への対応という点で限界があり、現状で操業可能な最高速度は約800m/min程度であった。
また、製造設備の観点から塗工紙表面の平滑性を向上させる他の方法として、耐熱性の高い樹脂ロールを用いて高温処理を行う高温ソフトニップカレンダーによる表面処理が挙げられる。高温ソフトニップカレンダーによる表面処理は、スーパーカレンダー処理と比較して、低線圧で高い白紙光沢度が得られることから塗工紙の密度を低く維持することができ、高い不透明度と剛度が得られる。またロールの耐熱性が高いことにより耐久性が高く高速での操業が可能であった。しかし、高温ソフトニップカレンダーによる表面処理では平滑度を向上させることが難しく、スペックルが増加することによりグラビア印刷品質が低下する問題があった。
特開2002−88679号公報 特開2000−199198号公報 特開平1−20396号公報
以上のような背景から、低密度で白色度が高く、グラビア印刷適性に優れたグラビア印刷用塗工紙、および、それを高速で製造する方法の開発が望まれていた。
このような状況に鑑みて、本発明の課題は、高い白色度を有し、グラビア印刷適性に優れたグラビア印刷塗工用紙、および、それを効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題について鋭意研究した結果、顔料として、レーザー回折法で測定した体積分布平均粒径(体積頻度50%粒径)が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を顔料100重量部中10〜30重量部、体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを顔料100重量中70〜90重量部を含有する顔料塗工液を用いて顔料塗工層を設けることによって、白色度、白紙光沢度、不透明度が高く、スペックルが抑制され優れたグラビア印刷適性を有するグラビア印刷用塗工紙が得られることを見出した。また本発明は、高速操業に対応可能であり、抄紙、塗工、表面処理をオンラインで連続して行うことができるため、優れたグラビア印刷用塗工紙を高い操業性で製造することが可能である。
以下に限定されるわけではないが、本発明は以下の発明を包含する。
(1) 原紙を抄造する抄紙工程と、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工して片面あたり5〜15g/mの最も外側の顔料塗工層を設ける塗工工程と、顔料塗工層を表面処理する工程と、を含んでなり、これらの工程がオンマシンコータを用いて連続して行われる、塗工紙の白色度が80%以上であるグラビア印刷用塗工紙の製造方法であって、顔料100重量部中、レーザー回折法で測定した体積分布平均粒径が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を10〜30重量部、体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを70〜90重量部を含有する塗工液を塗工して顔料塗工層を設ける、上記方法。
(2) 操業速度が1300m/分以上であり、前記塗工工程がブレード式のオンマシンコータを用いて行われ、前記表面処理工程が、金属ロールと弾性ロールで構成される熱ソフトカレンダーを用いて6ニップ以上で行われる、(1)に記載のグラビア印刷用塗工紙の製造方法。
(3) 前記塗工工程の前に、処理線圧が30kN/m〜100kN/mの条件にて原紙をプレカレンダー処理する、(1)または(2)に記載のグラビア印刷用塗工紙の製造方法。
(4) 原紙上に顔料塗工層を有する、白色度が80%以上であるグラビア印刷用塗工紙であって、塗工層を構成する顔料100重量部中、レーザー解析・散乱法で測定した体積分布平均粒径が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を10〜30重量部、レーザー解析・散乱法で測定した体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを70〜90重量部含有し、最も外側の顔料塗工層の塗工量が片面当たり5〜15g/mである、上記グラビア印刷用塗工紙。
本発明によれば、優れた印刷適性と高い白紙外観を有するグラビア印刷用塗工紙を得ることができる。また、本発明によれば、抄紙、塗工、表面処理を連続してオンラインで行うことができるため、優れた印刷適性と高い白紙外観を有するグラビア印刷用塗工紙を極めて高い生産性で製造することが可能である。
本発明は、グラビア印刷用塗工紙およびその製造方法に関する。本発明のグラビア印刷用塗工紙は、特にグラビア印刷適性に優れ、スペックルなどの発生が少ない。また、本発明のグラビア印刷用塗工紙は、白色度が高いため白紙外観に優れており、具体的には塗工紙の白色度が80%以上である。さらに、本発明においては、特定の顔料を用いて塗工層を設けた上でソフトカレンダーを用いて特定条件で表面処理することによって、白紙光沢度の高いグラビア印刷用塗工紙を得ることができ、好ましい態様において白紙光沢度は50%以上であり、より好ましい態様において白紙光沢度は60%以上である。
本発明のグラビア印刷用塗工紙の平滑度は、グラビア印刷適性の観点から、パーカープリントサーフラフネス値(ハードパッキン:1000kPa)が1.6μm以下であることが好ましく、1.3μm以下であることがより好ましい。また、本発明によれば、低坪量の塗工紙にも対応することができ、本発明の印刷用塗工紙の坪量は、好ましくは70g/m以下、より好ましくは35〜60g/mである。
本発明のグラビア印刷用塗工紙は、特定の顔料を使用したり、ソフトカレンダーを用いた特定条件での表面処理によって、塗工紙を低密度に維持し、高い不透明度や剛度を達成している。本発明の印刷用塗工紙の密度は、好ましい態様において1.20g/m以下であり、より好ましい態様において1.15g/m以下である。また、本発明の印刷用塗工紙の剛度(ISO曲げこわさ)は、好ましい態様において400μNm以上であり、より好ましい態様において450μNm以上である。これらの不透明度や剛度を有するグラビア印刷用塗工紙の製造において、本発明の優位性が特に高い。
本発明においては、抄紙工程と塗工工程だけでなく、表面処理工程までもオンラインで連続的に行うことができるため、グラビア印刷用塗工紙を高速で製造できるため、生産性を向上させることができる。本発明において高速操業とは1300m/分以上での操業条件を意味し、本発明によれば、好ましくは1500m/分以上、より好ましくは1600m/分以上1800m/分〜2500m/分程度での操業も可能である。
抄紙
本発明に用いる塗工原紙としては、化学パルプ、古紙パルプ、機械パルプなど製紙用パルプを叩解したパルプスラリーに、必要に応じ通常抄紙工程で使用される填料、例えばタルク、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタンなどを添加し、さらに薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤などを添加し、抄紙する。
抄紙方法は特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用した板紙マシン、ヤンキードライヤーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってよい。また、サイズプレス、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレスを使用して、澱粉、ポリビニルアルコールなどの接着剤をクリア塗工した原紙を使用することができる。ただし、本発明においては、クリア塗工を行なっていない原紙が好ましい。澱粉などの水溶性高分子を主成分とする表面処理剤を塗工原紙へ塗工(サイズプレス)することによって、原紙表面が硬くなるため、後続の表面処理工程で微小な凹凸が潰れにくくなり、平滑の発現性が低くなる。
本発明の塗工原紙のパルプ原料としては、機械パルプを使用することができる。機械パルプ以外にも、用途に応じて各種パルプを使用することができ、例えば、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)など印刷用紙の抄紙原料として一般的に使用されているパルプを単独または組み合わせて適宜使用することができる。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプなどを使用することができる。
本発明の塗工原紙の填料としては、必要に応じて公知のものを任意に使用でき、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム・シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、タルク等を単用又は併用できる。紙中填料率は1〜40固形分重量%が好ましく、10〜35固形分重量%がより好ましい。
本発明の塗工原紙の抄造に用いる内添薬品としては、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、染料、中性サイズ剤などの薬品を必要に応じて使用してもよい。乾燥紙力向上剤としてはポリアクリルアミド、カチオン化澱粉が挙げられ、湿潤紙力向上剤としてはポリアミドアミンエピクロロヒドリンなどが挙げられる。これらの薬品は地合や操業性などの影響の無い範囲で添加される。中性サイズ剤としてはアルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸、中性ロジンサイズ剤などが挙げられる。
本発明の塗工原紙の抄造に用いられる抄紙機は、特に制限はないが、オントップフォーマー、ギャップフォーマなどの通常の抄紙機が用いられる。特に本発明においては、ヘッドボックスから噴射された紙料が2枚のワイヤーに挟まれて走行し、湿紙の両側からほぼ均等に脱水するギャップフォーマ型抄紙機を用いることが、表裏差のない表面性が良好な原紙が得られ、1300m/分以上の高速の抄紙速度において安定的に抄紙できるため、好適である。
本発明の抄紙工程においては、抄紙機プレドライヤー、アフタードライヤーも公用の装置を用いることができ、乾燥条件も特に限定はなく、通常の操業範囲で適宜設定できる。
本発明において塗工原紙の坪量は、次の工程である塗工工程とのバランスを取りながら設定することができ、例えば、原紙坪量を30〜60g/m程度にすることができる。
本発明においては、オンラインソフトキャレンダ、オンラインチルドカレンダなどにより塗工前の原紙にプレカレンダー処理を行い、原紙を予め平滑化しておくことが、塗工後の塗工層を均一化する上で好ましい。この場合、処理線圧は、好ましくは30〜100kN/m、より好ましくは50〜100kN/mである。また、プレカレンダー処理する際の原紙の水分率も重要であり、水分率は3〜5%が好ましい。水分率が3.0%未満であると用紙水分が低いことからプレカレンダー処理を施しても、十分な平滑性が得られにくい。また、5.0%を超えると紙中水分が高いことから、カレンダー処理により原紙がつぶれやすくなり、十分な平滑性が得られるものの、用紙を潰しすぎるため不透明度や剛度が低下しやすい。
塗工
本発明においては、顔料塗工層を構成する顔料100重量部中、レーザー回折法で測定した体積分布平均粒径が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を10〜30重量部、体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを70〜90重量部使用する。このような顔料を使用することによって、高白色度を維持しつつ、優れた白紙光沢度とグラビア印刷特性を得ることができる。ここで、本発明における体積分布平均粒径とは、レーザー回折法で測定した体積頻度50%粒径を意味する。
本発明においては、塗工用顔料として、レーザー回折法で測定した体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを70〜90重量部使用する。上記炭酸カルシウムが70重量部未満の場合、白紙光沢度が向上するものの白色度は低下してしまう。炭酸カルシウムを70重量部以上配合することで白色度を高くすることができ、良好な印刷適性と高白紙光沢が得られる。特に本発明では、使用する炭酸カルシウムのレーザー回析法で測定した体積分布平均粒径を0.2〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.7μmとすることで、炭酸カルシウム高配合に伴う光沢発現性と平滑性の低下を補うことができる。
また本発明においては、塗工用顔料として、レーザー回析法で測定した体積分布平均粒径が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を顔料100重量部中10〜30重量部の範囲で配合する。このような層状ケイ酸塩鉱物を使用することで、白色度低下を最小限に抑えた上で、平滑性を向上させることができる。なお、炭酸カルシウムを70重量%以上配合することで塗工液の粘度が低くなることから、塗工液の高固形分化が可能となり、高速下での操業が可能となる。本発明で用いられる層状ケイ酸塩鉱物としては、例えば、カオリン、クレー、タルクなどの顔料を挙げることができる。また、平滑性の観点からは、層状ケイ酸塩鉱物の体積分布平均粒径が6.0〜10μmであることがより好ましい。
本発明においてその他の塗工用顔料の種類に制限はなく、塗工紙用に従来から用いられているカオリン、クレー、デラミネーデットクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料を1種類以上混合して使用することができる。
本発明においては、塗工用顔料の炭酸カルシウムとして、特定の炭酸カルシウムを用いることができる。すなわち、本発明においては、紡錘状カルサイト結晶の軽質炭酸カルシウムを湿式粉砕することにより得られる炭酸カルシウムであって、X線透過式粒度分布測定器で測定される平均粒子径(d50:積算50重量%の粒子径)が0.2〜0.5μmであり、BET比表面積が10〜30m/gの範囲であり、X線透過式粒度分布測定器で測定される下式:
シャープ度=(d30/d70)×100
[式中、d30は積算30重量%の粒子径であり、d70は積算70重量%の粒子径である]
で表される粒度分布のシャープ度が50以上である炭酸カルシウムを使用することが好ましい。このような炭酸カルシウムを顔料塗工すると、裏抜けに優れた印刷用塗工紙が得られる。
また、本発明において上記の炭酸カルシウムを使用する場合、粉砕前の軽質炭酸カルシウムとして、紡錘状の一次粒子が凝集してロゼッタ形状の二次粒子を形成したカルサイト結晶を用いることが好ましく、粉砕前の軽質炭酸カルシウムのX線透過式粒度分布測定器で測定される平均粒子径(d50)が1.4〜3.0μmであり、BET比表面積が4〜12m/gであることがより好ましい。
本発明において顔料塗工に用いられる接着剤としては、共重合体ラテックスを、単独でまたは数種混合して使用するが、本発明の目的を損なわない範囲で澱粉等の他の接着剤を併用することができる。共重合体ラテックスとしては、ゴム系ラテックスに限らず合成樹脂エマルジョンを使用することができ、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび、またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基などで変性したアルカリ溶解性、アルカリ膨潤性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックスおよびバインダービグメントと呼ばれる各種の合成樹脂重合体などの1種類以上が適宜選択して使用される。共重合体ラテックスの配合部数は固形分として顔料100重量部に対し3〜10重量部で使用することが好ましい。共重合体ラテックスが3重量部未満で製造した塗工紙は、塗工層の表面強度が弱くなり易くグラビア印刷には好ましくない。また、共重合ラテックスが10重量部以上超える量で製造した塗工紙は、塗工層が硬くなり、クッション性が不十分になりグラビア印刷時のスペックルが増加する傾向にあり、グラビア印刷に好ましくない。
また、ラテックス以外の接着剤としては、たとえばカゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類;ポリビニルアルコール、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドリキシメチルセルロース等、セルロース誘導体などの通常の塗工用接着剤1種類以上を適宜選択して使用しても良い。
本発明の顔料塗工層に必要に応じて配合する添加剤としては、分散剤、増粘剤、保水剤、泡消剤、耐水化剤、着色剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を適宜使用さできる。
本発明において顔料塗工液の調製方法は、特に限定されないが、好ましい態様において、塗工液の固形分濃度は30〜68重量%程度である。
本発明において、調整された塗工液は、ブレードコータ、バーコータ、ロールコータ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、カーテンコータ、サイズプレスコータ、ゲートロールコータを用いて塗工原紙に塗工する方式、或いはオプティスプレーのような塗料をスプレーノズルにより塗工原紙に直接吹き付ける方式の塗工機等によって一層もしくは二層以上を原紙上に片面或いは両面に塗工することができる。その中でも、印刷後の画像再現性を考慮した場合、フラデッドニップ式ブレードコータ、ジェットファウンテン式ブレードコータ、ショートドウェルタイムアプリケート式ブレードコータ等によるブレード方式が好ましく、特に塗工後の平滑性などの品質の観点からジェットファウンテン式ブレードコータを採用することが好ましい。この理由は、レベリング塗工であるブレード方式は、輪郭塗工であるフィルムトランスファー方式やカーテン方式と比較して、塗工後の平滑性を高くすることができるためと考えられる。
特にブレード式コータで塗工した後に、金属ロールと弾性ロールで構成される熱ソフトカレンダーを用いて6ニップ以上で表面処理を行うことで、特に操業速度が1300m/分以上の高速操業条件下において安定してグラビア印刷用塗工紙を製造可能となる。
本発明のグラビア印刷用塗工紙は、最も外側の顔料塗工層の重量が片面あたり5〜15g/m程度である。塗工量をこの範囲に設定することにより、高品質なグラビア印刷用塗工紙を効率よく製造することが可能になる一方、塗工量が5g/m未満だと、原紙を被覆することが不十分になり、塗工量が15g/mより多くなると、原紙坪量が軽くなるために、抄紙工程の断紙頻度が上昇するとともに、塗工工程ではストリークやスクラッチなどの塗工不良や、乾燥負荷が高くなることにより高速操業性が損なわれる。好ましい態様において、最も外側の顔料塗工層の塗工量は片面あたり5〜13g/mであり、より好ましくは5〜10g/m、さらに好ましくは7〜9g/mである。なお、顔料塗工層は1つであっても複数であってもよい。
本発明において湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば、蒸気加熱シリンダー、電気ヒータドライヤー、赤外線ヒータドライヤー、高周波ヒータドライヤー等各種の方法が単独または併用して用いられる。
表面処理
本発明のグラビア印刷用塗工紙は、抄紙工程と塗工工程の後、顔料塗工層を表面処理する工程を含んでなる。特に本発明においては、金属ロールと弾性ロールで構成されるオンラインソフトカレンダーを用いて特定条件下で表面処理を行うことによって、塗工紙を過度に高密度化することなく、平滑度を向上させることができ、スペックルが発生しにくいグラビア印刷用塗工紙を高い生産性で製造することができる。本発明の好ましい態様において、塗工紙の表面処理は、金属ロールと弾性ロールで構成されるホットニップ(熱)ソフトカレンダーを用いて6ニップ以上の条件で行われる。
本発明の表面処理においては、6ニップ以上の条件で表面処理することが好ましい。一般に、グラビア印刷用塗工紙においては、平滑性の改善のためにカレンダー負荷を強くすることは、塗工紙を高密度化し、不透明性および剛度の低下を招くとともに、断紙などが発生しやすくなり生産性を低下させる。本発明においては、ソフトニップカレンダーを用いて6ニップ以上の条件で表面処理することによりカレンダー負荷を分散させ、目標の平滑性を得ながら不透明性に影響を及ぼす密度上昇を抑えることができる。特に、少なくとも6ニップ以上の熱ソフトカレンダーで表面処理することによって、低坪量の塗工紙の場合も、高速の操業条件で、品質を損なうことなくグラビア印刷用塗工紙をオンマシンで製造することが可能となる。一方、5ニップ以下の場合、高温処理により高白紙光沢度が得られるものの、処理回数が少ないことにより、グラビア印刷品質に必要な高平滑性度を得るためにはロール線圧を高くすることが必要であり、不透明度と剛度が低下しやすい。6ニップ以上という処理を行うことで、低線圧でもカレンダー処理による密度の増加を抑えながら高平滑度が得られることができ、従来のグラビア塗工紙よりも不透明度と剛度を高くすることができる。また、ニップ数の上限は特になく、10ニップ以上の処理回数でも高い白紙光沢度、平滑性、不透明度は得られるが、品質上大きな差は見られないことから、好ましくは6〜8ニップである。
一般に、塗工層を設けた後、金属ロールと弾性ロールで構成されるオンライン熱ソフトカレンダーを用いて表面処理を行う場合、金属ロールの表面温度とカレンダーのニップ圧は、密度に与える影響が大きく、密度は光沢度と不透明性に大きく寄与するため、重要な要素である。
本発明の表面処理において、金属ロールの表面温度は、好ましくは100℃以上300℃以下であり、より好ましくは、130℃以上250℃以下である。塗工紙の含有水分が適当であれば、100℃以上に加熱された金属ロールを用いることにより、低いニップ圧あるいは短いニップ滞留時間で塗工層を平滑化することができるため、塗工紙の密度を低く維持しつつ不透明度を向上させることができる。さらに、金属ロール表面を100℃以上に加熱することにより、良好な平滑性を有する塗工紙を、従来のスーパーカレンダーよりも高速で処理することができ、また、巻取りの枠替えなどが省略できるため、効率よく生産でき操業性に優れる。
また、高温ソフトニップカレンダーを用いる場合の好ましい条件としては、例えば、弾性ロールのショアーD硬度が、80〜100であることが好ましく、85〜97であることがより好ましい。ソフトカレンダーの線圧は30〜500kg/cm程度であることが好ましい。また、カレンダー前塗工水分は、3〜12%であることが好ましいが、平滑性と操業性を両立させるため、4〜8%がより好ましい。
ソフトカレンダーの金属ロールと対をなして使用される弾性ロールの材質については特に限定されないが、一般に変性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアクリレート樹脂等の高温高圧で耐久性を示す樹脂ロールが好ましく利用される。
本発明で使用するソフトカレンダーの型式は、通紙の容易さ、省スペースを考慮してタンデムタイプの2ロールで6スタック以上が好ましい。タンデムタイプとは、一対の金属ロールと弾性ロールを重ねた2ロールを並列に並べたタイプのソフトカレンダーである。
以上説明したように、本発明のグラビア用塗工紙は、特定の顔料を顔料塗工層に配合することにより、高白色度を実現した上で、高い印刷適性と白紙光沢度を得ている。本発明のグラビア印刷用塗工紙は、特に、密度1.20g/m以下、白紙光沢度50%以上の範囲において効果が顕著になるものである。また、本発明においては、抄紙、塗工、表面処理をオンラインで連続的に行うため、生産性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。なお、特に断らない限り、本明細書において、部および%はそれぞれ重量部および重量%を示し、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
<印刷用塗工紙の製造>
[実施例1]
広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を15部、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を30部、古紙パルプ(DIP)を55部含有するパルプスラリーを調成し、填料として軽質炭酸カルシウムを9部、内添紙力剤としてカチオン性紙力増強剤を対パルプ0.5%添加して紙料を調成した。
この紙料を用いて、抄紙速度が1600m/分にて、ギャップ形式のフォーマーを有する抄紙機で抄紙して、坪量37g/mの原紙を得た。
次に、重質炭酸カルシウム72部、デラミネーテッドクレー27部及び有機顔料1部を含有する顔料100部に対して、接着剤としてカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックス6.5部と非会合型アクリル系合成保水剤0.15部を配合して固形分濃度63%の塗工液を調製した。この塗工液を、塗工速度が1600m/分にて、ジェットファウンテンアプリケート式ブレードコーターで、塗工量が片面当たり8.5g/mとなるように両面に顔料塗工して乾燥した。
引き続き、表面処理工程にて、2ロール・6スタックの熱ソフトカレンダーを用いて、1ニップ目の金属ロールの表面温度が90℃、2〜6ニップの金属ロール表面温度が130℃、1〜6ニップ目の線圧を250kN/mとしてカレンダー処理してグラビア印刷用塗工紙を得た。
本実施例においては、抄紙、塗工、表面処理を連続してオンラインで行ったため、塗工速度、カレンダー速度も1600m/分であった。
[実施例2]
実施例1の塗工液の顔料配合について、重質炭酸カルシウム82部、タルク18部へ変更した以外は、実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1の原紙について、塗工前に38kN/mの条件にてプレカレンダー処理を実施した以外は、実施例1と同様の方法でグラビア用印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1の塗工液の顔料配合について、重質炭酸カルシウムの代わりに、以下の粉砕軽質炭酸カルシウムを使用した以外は、実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
本実施例においては、炭酸カルシウムとして、紡錘状の一次粒子が凝集してロゼッタ形状の二次粒子を形成したカルサイト結晶の炭酸カルシウム(奥多摩工業社製:TP221BM)を固形分濃度20%にし、ポリアクリル酸塩系分散剤を1.5重量部加えて、スラリーとした後、マルチパス型粉砕機であるSCミルロング(三井鉱山社製:SCミル100型)を使用して湿式粉砕を行うことにより得られる炭酸カルシウムを顔料として使用した。粉砕した炭酸カルシウムは、X線透過法の粒度分布測定器で測定した平均粒子径(d50:積算50重量%の粒子径)が0.38μm、体積分布平均粒径(体積頻度50%粒径)が0.23μm、BET比表面積が22.5m/gであり、シャープ度が62だった。
ここで、シャープ度とは、X線透過式粒度分布測定器(セディグラフ5100、マイクロメリティクス社製)で測定される下式:
シャープ度=(d30/d70)×100
[式中、d30は積算30重量%の粒子径であり、d70は積算70重量%の粒子径であ
る]
で表される、粒度分布のシャープ度を示す指標である。
なお、粉砕前の軽質炭酸カルシウム(紡錘状の一次粒子が凝集してロゼッタ形状の二次粒子を形成したカルサイト結晶)は、粉砕前の軽質炭酸カルシウムのX線透過式粒度分布測定器で測定される平均粒子径(d50)が2.2μmであり、BET比表面積が5.9m/gであった。
[実施例5]
実施例1の塗工紙について、表面処理工程にて、2ロール・4スタックの熱ソフトカレンダーを用いて、1ニップ目の金属ロールの表面温度が90℃、2〜4ニップの金属ロール表面温度が150℃、1〜4ニップ目の線圧を250kN/mとしてカレンダー処理を実施した以外は、実施例1と同様の方法でグラビア用印刷用塗工紙を得た。
[実施例6]
実施例1の原紙について、酸化澱粉(日本コーンスターチ社SK20)を両面合計で0.8g/mとなるようにクリアー塗工を実施した以外は、実施例1と同様の方法でグラビア用印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1の塗工液の顔料配合について、重質炭酸カルシウム100部へ変更した以外は、実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1の塗工液の顔料配合について、重質炭酸カルシウム72部、微粒クレー27部及び有機顔料1部へ変更した以外は、実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1の原紙について、坪量を27g/mとし、実施例1の塗工量について、片面当たり15.5g/mとなるように両面に顔料塗工した以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例6の塗工液の顔料配合について、重質炭酸カルシウム54部、デラミネーテッドクレー36部、焼成クレー9部及び有機顔料1部へ変更した以外は、実施例6と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
<評価方法>
以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
(1)白色度
JIS P 8123に基づいて測定した。
(2)スペックル
大蔵省式グラビア印刷機を用いて、印刷速度40m/分、印圧10kgf/cmで印刷し、得られた印刷物の表面の網点欠落状態を目視により評価した。
○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(3)白紙光沢度
JIS P 8142に基づいて測定した。
(4)不透明度
JIS P 8138に基づいて測定した。
(5)密度
JIS P 8118に基づいて測定した。
(6)高速操業性
高速操業性を目視により評価した。高速操業性は各工程での断紙の起こり難さ、塗工工程においては、乾燥性やミスト及びストリークなどの発生などの観点から評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎=非常に良好、○=良好、△=やや不良、×=不良
(7)顔料の体積分布平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(Malvern社、マスターサイザー2000)で測定した体積頻度50%の粒径の数値である。
Figure 2010209502
Figure 2010209502
表1に評価結果を示す。表1から明らかなように、顔料として体積分布平均粒径が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を顔料100重量部中10〜30重量部、体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを顔料100重量中70〜90重量部を含有する塗工液を用いて、最も外側の塗工量が片面当たり5〜15g/mの塗工層を設けることで、高い白色度を有しながら、グラビア印刷適性が良好な塗工紙を、高速操業性を損なうことなしに製造できることが確認できた。

Claims (4)

  1. 原紙を抄造する抄紙工程と、
    顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工して、最外層に片面あたり5〜15g/mの顔料塗工層を設ける塗工工程と、
    顔料塗工層を表面処理する工程と、
    を含んでなり、これらの工程がオンマシンコータを用いて連続して行われる、塗工紙の白色度が80%以上であるグラビア印刷用塗工紙の製造方法であって、
    顔料100重量部中、レーザー回折法で測定した体積分布平均粒径が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を10〜30重量部、体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを70〜90重量部を含有する塗工液を塗工して顔料塗工層を設ける、上記方法。
  2. 操業速度が1300m/分以上であり、前記塗工工程がブレード式のオンマシンコータを用いて行われ、前記表面処理工程が、金属ロールと弾性ロールで構成される熱ソフトカレンダーを用いて6ニップ以上で行われる、請求項1に記載のグラビア印刷用塗工紙の製造方法。
  3. 前記塗工工程の前に、処理線圧が30kN/m〜100kN/mの条件にて原紙をプレカレンダー処理する、請求項1または2に記載のグラビア印刷用塗工紙の製造方法。
  4. 原紙上に顔料塗工層を有する、白色度が80%以上であるグラビア印刷用塗工紙であって、
    塗工層を構成する顔料100重量部中、レーザー解析・散乱法で測定した体積分布平均粒径が4.0〜20μmである層状ケイ酸塩鉱物を10〜30重量部、レーザー解析・散乱法で測定した体積分布平均粒径が0.2〜1.0μmである炭酸カルシウムを70〜90重量部含有し、
    最も外側の顔料塗工層の塗工量が片面当たり5〜15g/mである、上記グラビア印刷用塗工紙。
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