JPH11279996A - 遮光性を有する易離解性防湿紙 - Google Patents

遮光性を有する易離解性防湿紙

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JPH11279996A
JPH11279996A JP8398598A JP8398598A JPH11279996A JP H11279996 A JPH11279996 A JP H11279996A JP 8398598 A JP8398598 A JP 8398598A JP 8398598 A JP8398598 A JP 8398598A JP H11279996 A JPH11279996 A JP H11279996A
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JP8398598A
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Takashi Kawako
隆 河向
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮光性及び防湿性に優れ、水中において
再離解が容易な遮光性を有する易離解性防湿紙を提供す
る。 【解決手段】 紙支持体、フィロケイ酸塩化合物と合成
樹脂からなる防湿層、有機中空粒子を含む遮光層から構
成される遮光性を有する易離解性防湿紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性と遮光性に
優れ、水中において離解容易な防湿紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、遮光性を有する防湿紙は、感光材
料、感熱記録紙、写真印画紙、インクジェット用紙など
光や水分により酸化、分解、変質しやすい物品の包装に
用いられている。このような遮光性を有する防湿紙に
は、紙支持体にアルミニウム箔とポリオレフィン系樹脂
をラミネートしたもの、ポリオレフィン系樹脂とカーボ
ンブラックを練り込んだものを紙支持体紙に溶融ラミネ
ートしたもの、カーボンブラックを含む紙支持体にポリ
オレフィン系樹脂をラミネートしたものが挙げられる。
しかし、これら遮光性を有する防湿紙は水中での離解性
が悪いため古紙として再利用が困難であり、ほとんどの
場合焼却処分又は産業廃棄物として埋め立て処分するし
かなかった。
【0003】一方、遮光性を有する易離解性防湿紙とし
て、カーボンブラックまたはアルミニウムペーストを含
んだ遮光層を設けた原紙にアクリル系エマルジョンとワ
ックス系エマルジョンからなる防湿層を設けたもの(特
開平7−82691)、紙支持体状に黒鉛/有色顔料/
白色顔料を含む遮光層を設け、その遮光層上にアクリル
系エマルジョンとワックス系エマルジョンからなる防湿
層を設けたものが挙げられる(特開平9−111697
号公報)。しかしこれら遮光性を有する易離解性防湿紙
は、ワックスが防湿層表面に析出(ブリード)し、防湿
紙の反対裏面に転写して滑りやすくなったり、内容物に
裏面に転移したワックスが転移し内容物を汚染するとい
った問題がある。また、このようなワックスを含む防湿
紙を原料として製造した紙がワックスのために滑りやす
くなったり抄紙機の乾燥ロールを汚染するといった問題
もあり実用的なものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、遮光性に優
れ、かつ離解容易な防湿紙を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、紙支持
体の少なくとも片面にフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂
からなる防湿層を有する防湿紙において、該防湿層上ま
たは防湿層と支持体の間、または防湿層の反対面の支持
体上の少なくともいずれかの面に有機中空粒子を含む遮
光層を有することを特徴とする防湿紙である。
【0006】また本発明の第二は、前記有機中空粒子の
平均粒子径が0.2μm〜2μmかつ平均空隙率が20
%〜70%であることを特徴とする防湿紙である。また
本発明の第三は、前記遮光層中に顔料を含むことを特徴
とする防湿紙である。本発明の第四は、前記フィロケイ
酸塩化合物がカップリング剤で処理されていることを特
徴とする防湿紙である。本発明の第五は、前記合成樹脂
がスチレン−ブタジエン系共重合体であることを特徴と
する防湿紙である。また本発明の第六は、前記防湿層中
に活性水素反応性化合物、エーテル化合物、ポリエーテ
ル化合物から選ばれた少なくともいずれか一つを含むこ
とを特徴とする防湿紙である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明で使用するフィロケイ酸塩化合物は平板状顔料で
ある。フィロケイ酸塩化合物に属するものは板状または
薄片状であって明瞭な劈開を有し、雲母族、パイロフィ
ライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑石、蛇紋
石、スチルプノメレーン、粘土鉱物がある。これらの中
でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母
(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フ
ロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母
(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイ
カ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲
母などが挙げられる。
【0008】これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白
雲母または絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比など
の点から好適である。本発明では平板性が保持されてい
る顔料であればよいが、より好ましい平均粒子径(レー
ザー回折法による測定値)範囲としては1μm〜100
μm、さらに好ましい平均粒子径範囲としては5μm〜
50μm ある。平均粒子径が5μm 以下のものは塗工
層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になり
にくく、50μm 以上になると平板状顔料の一部が塗
工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度と
なるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層
数が少なくなってしまうために防湿性能向上効果が減少
する。また、好ましいアスペクト比(前記平均粒子径を
厚さで除した値。厚さは電子顕微鏡の観察により測定し
た。)は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が
10以上の平板状顔料である。アスペクト比が5以下の
ものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため防湿
性能が劣る。アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗
工層中における層数が大きくなるため高い防湿性能を発
揮する。
【0009】本発明に用いられる合成樹脂はスチレン−
ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合
体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリル
ニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合
体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体
が挙げられる。これらの中でも、スチレン−ブタジエン
系共重合体が好適である。スチレン−ブタジエン系共重
合体(SBR)はスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン
などの芳香族ビニル化合物とブタジエン、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物及
びこれらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体
を乳化重合することによって得られる共重合体ラテック
スである。芳香族ビニル化合物としてはスチレン、ま
た、共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエンが好
適である。
【0010】共重合可能なその他の化合物としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和カル
ボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテント
リカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸;マレイン酸
モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不
飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、
(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n
−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エス
テル;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有エ
チレン性不飽和化合物;(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、などのエチレン性不飽和酸のグリシジルエーテル;
アリルグリシジルエーテルなどの不飽和アルコールのグ
リシジルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド
系化合物などが用いられる。上記化合物は一種類以上用
いることができる。これらの中でも活性水素を有する不
飽和カルボン酸、不飽和多価カルボン酸、(メタ)アク
リルアミド系化合物が好適である。
【0011】単量体の各構成成分の組成比は適宜選択さ
れるが、通常、芳香族ビニル化合物25〜75重量部、
好ましくは30〜70重量部、共役ジエン化合物20〜
60重量部、好ましくは25〜50重量部、共重合可能
なその他の化合物0〜50重量部である。合成樹脂のゲ
ル分率(溶媒としてテトラヒドロフランを用いたときの
不溶部分の重量%)は70%以上が好ましい。ゲル分率
が70%より小さいと、得られる防湿紙の離解性が悪く
なる。ゲル量を上げるために、アルキルメルカプタンや
四塩化炭素のような連鎖移動剤(分子量調整剤)の使用
量を減らしたり、ジビニルベンゼンのような架橋性モノ
マーを共重合させたりする。合成樹脂のガラス転移温度
(Tg)は−10℃〜40℃、より好ましくは−5℃〜
35℃である。Tgが−10℃より低いと離解性が悪く
なったりブロッキングが起きやすくなる。また、Tgが
40℃を越えて大きいと、防湿性が悪くなる。また、本
発明に使用するフィロケイ酸塩化合物とスチレン−ブタ
ジエン系ラテックスとの配合(固形分重量)比率は3
0:70〜70:30、好ましくは35:65〜60:
40である。
【0012】また本発明においては、エマルジョン粒子
が乾燥/被膜する際に形成される粒子間空隙を選択的に
穴埋させて防湿層に可塑性を付与し、折りに対する抵抗
力を高める目的で、エーテル化合物またはポリエーテル
化合物を使用することができる。この時使用するエーテ
ル化合物またはポリエーテル化合物は、主鎖にエーテル
結合(R−O−R)、及びヒドロキシル基を一つ以上有
する線状の化合物である。例えばエーテル化合物として
は、2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)、2
−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、2−イソ
ブトキシブタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、
1,2−ジエトキシエタン、1−アセトキシ2−メトキ
シエタン、1,2−ジアセトキシエタン、2−フェノキ
シエタノール(エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル)などが挙げられる。これらの中でも2−ブトキシエ
タノール、2−フォノキシエタノールが好適である。
【0013】ポリエーテル化合物としてはポリエチレン
オキシド(ポリエチレングリコール)、ポリプロピレン
オキシド(ポリプロピレングリコール)、ポリオキシエ
チレンポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールエステル、ポリエチレングリコールエーテル、ポリ
プロピレングリコールエステル、ポリプロピレングリコ
ールエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリ
コールエステル、ポリオキシエチレンポリプロピレング
リコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミノ
エーテル、ポリオキシエチレンロジンエステルなどが挙
げられる。これらの中でも、ポリエチレングリコールエ
ーテルが好適である。この場合、ポリエチレングリコー
ルエーテルにおいてエーテル結合を形成する酸素原子の
数は2〜30個の範囲にあることが好ましい。酸素原子
数が30以上になると親水性が強すぎるために防湿性が
低下するため好ましくない。
【0014】ポリエチレングリコールエーテルの中でも
ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレンフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンベンジルアルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、
ポリオキシエチレンβ−ナフトールエーテル、ポリオキ
シエチレンビスフェノールAエーテルが好適である。ポ
リエチレングリコールアルキルエーテルのアルキル基と
してはデシル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル
基、オレイル基、ヤシアルコール基、ポリエチレングリ
コールアルキルフェニルエーテルのアルキルフェニル基
としてはオクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデ
シルフェニル基、ジノニルフェニル基などが挙げられ
る。
【0015】これらエーテル化合物またはポリエーテル
化合物はいずれも親水性で水に溶け易く、あるいは水中
において容易に分散し、常温で液体であり、芳香族環を
有するものが好ましい。その配合量としては合成樹脂と
平板状顔料の総重量に対して0.1〜10重量%が最も
好ましい。この場合、配合量が0.1重量%より小さい
と折目に対する効果がなくなり、10重量%を越えると
折り目に対する効果の頭打ちとなるばかりでなく、逆に
防湿性が悪くなる。
【0016】本発明で使用するカップリング剤として
は、親水基部分にSiを含むシランカップリング剤、親
水基部分にTiを含むチタネートカップリング剤、親水
基部分にAlを含むアルミニウムカップリング剤等が挙
げられる。カップリング剤の構造は、フィロケイ酸塩化
合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂
のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、
特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やSiに
結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
【0017】一方、カップリング剤の疎水基部分につい
ては、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化
合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に
疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果が
ある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミ
ノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と
樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層
樹脂マトリックスとの接着性が高まる。該カップリング
剤には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γメ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルアセトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピル
トリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネートなど
が挙げられる。
【0018】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗料に
カップリング剤を直接添加する方法である。また、前処
理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップリ
ング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加量
はフィロケイ酸塩化合物100重量部に対して0.1〜
5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量
が0.1重量部未満の場合、カップリング剤によるフィ
ロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分となるため好まし
くなく、5重量部を越える場合、カップリング剤の効果
が頭打ちとなるため不経済である。
【0019】本発明で使用する活性水素反応性化合物
は、合成樹脂に含まれるカルボキシル基、アミド基、水
酸基等の活性水素官能基と反応して合成樹脂ラテックス
を架橋、高分子化(三次元網目構造)するものである。
こうした活性水素反応性化合物としては(1)メチロー
ル基を有し、上記親水性官能基と脱水縮合反応を起こす
もの(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂など);(2)アルデヒド基を有し、上
記親水性官能基と付加反応を起こすもの(グリオキザー
ルなど);(3)エポキシ基を有し、上記親水性官能基
と開環付加反応を起こすもの(ポリグリシジルエーテル
など);(4)多価金属を有し上記親水性官能基と配位
結合および共有結合を形成するもの(炭酸ジルコニウム
など);(5)水溶液中でカチオン性を示しアニオン性
官能基とイオン結合を形成するもの(ポリアミン化合
物、ポリアミドアミン樹脂やポリアミドエピクロロ樹脂
などのカチオン性樹脂)などがある。活性水素反応性化
合物の配合量は合成樹脂ラテックス100重量部に対し
て0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部
が望ましい。活性水素反応性化合物の配合量が0.01
重量部未満の場合、活性水素反応性化合物と活性水素官
能基との反応性が著しく低下するため好ましくなく、1
0重量部を越えても透湿度向上や耐ブロッキングに対す
る効果が頭打ちとなったり、未反応の活性水素反応性化
合物が析出するなどの問題が発生するため好ましくな
い。
【0020】以上の材料を混合して防湿性塗料(水性)
とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸など
の分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調整剤を添加し
たりすることができる。この塗料を常法により紙支持体
に塗工して防湿層を形成する。塗工設備として特に限定
はしないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナ
イフコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式
が、平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。
防湿層の塗工量は片面に塗工した場合(両面に塗工した
場合は両面合わせての塗工量)、固形分として15〜4
0g/m2、好ましくは20〜35g/m2である。
【0021】本発明の遮光層に用いる有機中空粒子は粒
子内部に中空を有する微小粒子である。有機中空粒子は
アクリル−スチレン系樹脂のものが好ましい。有機中空
粒子の平均粒子径は0.2〜2μmの範囲が好ましい。
有機中空粒子が0.2μmより小さいと中空部分の体積
が小さくなり遮光性の効果が小さくなる。また2μmよ
り大きくなると、単位体積に占める有機中空粒子の数が
少なくなり遮光性の効果が小さくなる。また、有機中空
粒子の空隙率は粒子全体の体積に対する空隙部分の体積
の割合であり、本発明で用いる有機中空粒子の空隙率は
20%〜70%が好ましい。空隙率が20%より小さい
と遮光性の効果が小さくなる。また、70%を越えると
圧力などにより中空粒子がつぶれやすくなるため好まし
くない。本発明の遮光層には有機中空粒子の他に任意の
顔料を添加することができる。顔料としては、黒色顔
料、着色顔料、白色顔料がある。また目的に応じてこれ
らを任意に組み合わせて使用することも可能である。黒
色顔料としては、カーボンブラック、黒鉛、人工黒鉛な
どが使用できるが、なかでも平板状の構造を持つ黒鉛が
遮光性に優れるので特に好適に使用できる。
【0022】着色顔料としては印刷インキ及び塗料など
に使用される種々の有機顔料及び無機顔料が使用でき
る。有機顔料としてはフタロシアニン顔料、不溶性アゾ
顔料、アゾレーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリ
ドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔
料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、イ
ンダンスロン顔料、フラバスロン顔料、ペリノン顔料、
ペリレン顔料、イソインドリノン顔料、チオインジゴ顔
料などが挙げられる。無機顔料としては酸化鉄、群青、
紺青、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、チタ
ニウムイエロー、チタンブラック、ジンククロメート、
鉄黒、モリブデンレッド、モリブデンホワイト、リトポ
ン、エメラルドグリーン、カドミウムイエロー、カドミ
ウムレッド、コバルトブルーなどが挙げられる。白色顔
料としては、二酸化チタン、亜鉛華、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム、カオリンクレーなどが好適に使用でき
る。
【0023】また、遮光層には水性結合剤、増粘剤、分
散剤、塗れ剤、消泡剤、架橋剤など適宜使用できる。水
性結合剤としてはポリビニルアルコール系樹脂、デンプ
ン、酸化デンプン、カゼイン、カルボキシメチルセルロ
ース、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル−ス
チレンエマルジョン、アクリル系共重合体エマルジョ
ン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、ポリエステル系樹
脂エマルジョンなどが挙げられる。遮光層の塗工量は3
〜30g/m2特に好ましくは5〜25g/m2である。塗工
量が3g/m2より少ないと遮光性の効果が劣り、30g/
2より多いと遮光性の効果が頭打ちとなって不経済で
ある。遮光層の塗工方法は特に限定されないが、ブレー
ドコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ロー
ルコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ダ
イコーターなどが適している。
【0024】本発明に用いられる紙支持体は機械的離解
作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とするも
のであれば特に制限はないが、包装紙として一般的に用
いられ、ある程度遮光性のある未晒クラフト紙(酸性紙
または中性紙)が好適である。紙支持体の坪量は50〜
500g/m2、好ましくは60〜450g/m2である。紙
支持体の厚さは70〜600μm、好ましくは75〜5
50μmである。また、紙支持体中に遮光性を付与させ
るために有機中空粒子、及び顔料などを含んでいるもの
でも構わない。
【0025】本発明の防湿紙の透湿度はJISZ020
8カップ法(B法)で測定して20〜50g/m2・24h
r、好ましくは25〜45g/m2・24hrである。本発明
の構成は1.防湿層/遮光層/原紙層、2.遮光層/防
湿層/原紙層、3.防湿層/原紙層/遮光層などが主と
して挙げられるが、遮光層の形成される位置や防湿層と
の位置関係、また層数や層の構成順序は特に限定されな
い。また、本発明においては、ヒートシール性を付与す
るためにさらにヒートシール層を設けても構わない。ヒ
ートシール層としてはアクリル−スチレン系共重合体あ
るいはアクリル共重合体などのアクリル系樹脂を含んだ
ものが好ましい。該アクリル系樹脂は離解性、耐ブロッ
キング性、ヒートシール性の優れたものが好適であり、
具体的にはゲル分率が70〜100%、好ましくは80
〜100%、ガラス転移温度が−10℃から40℃、好
ましくはー5℃〜30℃のアクリル系樹脂である。該ヒ
ートシール層には本発明で使用される平板状顔料や炭酸
カルシウム、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛などの顔
料を含んでも構わない。また、他の水性結合剤や増粘
剤、分散剤、濡れ剤、消泡剤、架橋剤など適宜使用でき
る。以下に実施例を示し本発明を具体的に説明する。特
に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」
及び「重量%」を表す。
【0026】
【実施例】<実施例1>水50重量部に、アミノシラン
カップリング剤(信越化学工業(株)製)0.5重量部と
25%アンモニア水2重量部を順次撹拌しながら添加
し、ゲル分率83%、Tg14℃のSBR(固形分50
%、日本ゼオン(株)製)100重量部を加え撹拌する。
さらにフィロケイ酸塩化合物である白雲母(平均粒子径
20μm、アスペクト比20〜30:(株)山口雲母工業
製)50重量部を撹拌しながら加えて調製した防湿性塗
料を、未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μ
m)に固形分として片面20g/m2となるように塗工し
た後、熱風乾燥機を用いて110℃で1分間乾燥させて
防湿層を形成した。該防湿層上に有機中空粒子(空隙率
55%、平均粒子径1.0μm、ローム&ハース製)1
5重量%、ベンガラ(戸田工業製)40重量部、二酸化
チタン10重量部(石原産業(株)製)、黒鉛((株)中越
黒鉛工業所製)15重量部、ポリビニルアルコール(日
本合成化学(株)製)20重量部、水250重量部からな
る遮光性塗料を固形分として片面10g/m2になるよう
に塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃で1分間乾
燥させ遮光層を形成させ、遮光性を有する防湿紙を製造
した。
【0027】<実施例2>水50重量部に、25%アン
モニア水2重量部、アミノシランカップリング剤(信越
化学工業(株)製)0.5重量部を加え撹拌した後、ポ
リオキシエチレンフェニルエーテル(エチレンオキシド
のモル数は5)を3重量部、ポリアミドポリ尿素樹脂
(住友化学(株)製)ゲル分率93%、Tg27℃のSB
R(固形分50%)を100重量部、フィロケイ酸塩化
合物KF1325(絹雲母、平均粒子径13μm、アス
ペクト比20〜30:中央カオリン(株)製)50重量部
を順次撹拌しながら加えて調製した防湿性塗料を、未晒
クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)に固形
分として片面30g/m2塗工後、熱風乾燥機を用いて1
10℃で1分間乾燥させて防湿層を形成した。該防湿層
上に有機中空粒子(空隙率55%、平均粒子径1.0μ
m、ローム&ハース製)15重量%、ベンガラ(戸田工
業製)40重量部、二酸化チタン10重量部(石原産業
(株)製)、黒鉛((株)中越黒鉛工業所製)15重量部、
ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製)20重量
部、水250重量部からなる遮光性塗料を固形分として
片面10g/m2になるように塗工した後、熱風乾燥機を
用いて110℃で1分間乾燥させ遮光層を形成させ、遮
光性を有する防湿紙を製造した。
【0028】<実施例3>遮光層に用いる中空粒子を平
均粒子径0.6μm、空隙率25%の中空粒子(ローム
&ハース製)としたこと以外は実施例1と同様に製造し
た。 <実施例4>遮光層に用いる中空粒子を平均粒子径0.
40μm、空隙率33%の中空粒子(ローム&ハース
製)としたこと以外は実施例1と同様に製造した。 <実施例5>実施例1の未晒クラフト紙上に実施例1の
遮光層を設けた後、該遮光層上に実施例1の防湿層を形
成し、遮光性を有する防湿紙を製造した。 <実施例6>実施例1の未晒クラフト紙上に実施例1の
遮光層を形成させた後、該遮光層の反対面に実施例1の
防湿層を形成させ、遮光性を有する防湿紙を製造した。
【0029】<比較例1>遮光層を用いないこと以外は
実施例1と同様にして防湿紙を製造した。 <比較例2>有機中空粒子の代わりに炭酸カルシウム
(白石工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様
にして防湿紙を製造した。
【0030】<試験方法> 1)透湿度 JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験」
(カップ法)に準じ、防湿面側を高湿側にして測定し
た。測定条件は40℃、90%RHとした。透湿度が5
0g/m2・24hr以下、より好ましくは45g/m2・24
hr以下であれば十分実用性がある。 2)透過率 分光光度計((株)日立製作所製)を用いて測定し、20
0〜800nmの光に対する光透過率の最大透過率を透
過率とした。透過率が1%未満であれば遮光性が十分で
ある。
【0031】以上、実施例、比較例の測定結果を表1に
示す。
【表1】
【0032】表1より、本発明により光の透過率が0.
5%以下になり、十分な遮光性を有することが判明る。
また、本発明はいずれも実用上問題ない防湿性を有する
ことが判る。さらに、防湿層と支持体と遮光層の層構成
の順序は透湿度と光の透過率には影響を与えないことが
判る。また、比較例2より有機中空粒子を含まない遮光
層では、光の透過率が大きくなり、遮光性が十分でない
ことが判る。
【0033】
【発明の効果】本発明による防湿紙は十分な防湿性及び
遮光性を有し、かつ容易に離解することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体の少なくとも片面にフィロケイ酸
    塩化合物と合成樹脂からなる防湿層を有する防湿紙にお
    いて、該防湿層上または防湿層と紙支持体の間または防
    湿層の反対面の支持体上の少なくともいずれかの面に有
    機中空粒子を含む遮光層を有することを特徴とする易離
    解性防湿紙。
  2. 【請求項2】有機中空粒子の平均粒子径が0.2μm〜
    2μm、かつ平均空隙率が20%〜70%であることを
    特徴とする請求項1に記載の易離解性防湿紙。
  3. 【請求項3】遮光層に顔料が含まれることを特徴とする
    請求項1〜2のいずれかに記載の易離解性防湿紙。
  4. 【請求項4】フィロケイ酸塩化合物がカップリング剤で
    処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の易離解性防湿紙。
  5. 【請求項5】合成樹脂がスチレン−ブタジエン系共重合
    体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の易離解性防湿紙。
  6. 【請求項6】防湿層中に、活性水素反応性化合物、エー
    テル化合物、ポリエーテル化合物または4級アンモニウ
    ム塩から選ばれた少なくともいずれかひとつが含まれる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の易離
    解性防湿紙。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001075227A1 (fr) * 2000-03-31 2001-10-11 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Papier recyclable resistant a l'humidite et masquant la lumiere
JP2004131865A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Rengo Co Ltd 防湿紙
JP2006307377A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Daio Paper Corp 防湿紙およびこれを用いた防湿段ボール紙
WO2009123237A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙
JP2018507532A (ja) * 2014-12-03 2018-03-15 イメリーズ ミネラルズ リミテッド 被覆基材

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