JP2000153855A - 易離解性防湿多層袋 - Google Patents

易離解性防湿多層袋

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JP2000153855A
JP2000153855A JP10332505A JP33250598A JP2000153855A JP 2000153855 A JP2000153855 A JP 2000153855A JP 10332505 A JP10332505 A JP 10332505A JP 33250598 A JP33250598 A JP 33250598A JP 2000153855 A JP2000153855 A JP 2000153855A
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JP10332505A
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Takashi Kawako
隆 河向
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な防水性と防湿性と使用後の古紙回収が可
能となる易離解性を有し、粉体の充填時に空気が抜けや
すい包装用の多重袋を提供する。 【解決手段】各層の胴貼り部を接着した2層以上の紙袋
の底貼り部を接着あるいは縫合して得られる紙製多層袋
において、最内層以外の少なくとも一層の袋がフィロケ
イ酸塩化合物及び合成樹脂を含む防湿層を形成した防湿
紙からなり、該防湿紙にスリットまたは貫通孔があるこ
とを特徴とする易離解性防湿多層袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント、米、砂
糖、飼料などの重量物を収納する防湿多層袋に関し、特
に粉体の充填時に空気が抜けやすくすることを目的とし
た易離解性防湿多層袋に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント等の粉体を収納する従来の防湿
性多重袋は、粉体の充填時に内袋の空気を逃がすために
内袋は通気性のあるものとしているが、外袋は湿気の侵
入を防止するためにポリエチレン等のプラスチックフィ
ルムやポリエチレンなどのプラスチックを押出ラミネー
トした紙(ポリラミ紙)が用いられている。しかしプラ
スチックフィルムやラミネート紙を使用すると空気が抜
けないため粉体の充填スピードが落ちてしまうという欠
点がある。そのため空気抜けの目的でプラスチックフィ
ルムまたはポリラミ紙に一定間隔でスリット(切れ目)
を入れて使用されている例もある。このようなポリラミ
紙あるいはフィルムを含む多層袋ではプラスチックフィ
ルムに離解性がないため、多層袋を再離解しようしとて
もフィルム成分を回収することができず大部分は産業廃
棄物として投棄、あるいは焼却処分せざるをえないのが
現状である。
【0003】一方防湿性の易離解性防湿紙を製造する方
法として、例えば特公昭55−22597号公報、特開
昭59−66598号公報に示されたものが知られてい
る。これらは合成ゴムラテックスにワックスエマルジョ
ンを配合してなる水性エマルジョンを紙表面に塗工した
ものである。このようなワックスを含んだ易離解性防湿
紙を多層袋の一部に利用して防水性や防湿性を付与する
ことも可能であるが、防湿層に含まれるワックスのため
多重袋を製造する際に接着剤が十分働かず剥がれてしま
うという欠点や、さらに古紙として再離解したのち抄紙
したとき、できた紙製品の表面は滑りやすく、再生紙を
段ボールの中芯として用いた場合はその表面にライナー
を貼り合わせる場合に十分接着せず、剥がれたりするの
が現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、十分な防水性と防湿性と使用後の古紙回収
が可能となる易離解性を有し、粉体の充填時に空気が抜
けやすい包装用の多重袋を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、各層の胴貼り
部を接着した2層以上の紙袋の底貼り部を接着あるいは
縫合して得られる紙製多層袋において、最内層以外の少
なくとも一層の袋がフィロケイ酸塩化合物及び合成樹脂
を含む防湿層を形成した防湿紙からなり、該防湿紙にス
リットまたは貫通孔があることを特徴とする易離解性防
湿多層袋である。上記した本発明で、該スリットまたは
貫通孔は袋の平坦な胴部に存在することが望ましい。本
発明の好ましい態様としては、内層、中層、外層をこの
順に積層し、中層が前記した防湿紙からなるものが推奨
される。
【0006】前記本発明において、フィロケイ酸塩化合
物がカップリング剤で処理されていることが好ましい。
また、前記合成樹脂としては、スチレン−ブタジエン系
共重合体が推奨される。さらに、本発明の前記各態様に
おいて、防湿層中に活性水素反応性化合物により合成樹
脂を耐水化することも推奨される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用するフィロケイ酸塩
化合物(層状ケイ酸塩化合物)は平板状顔料である。フ
ィロケイ酸塩化合物に属するものは板状または薄片状で
あって明瞭な劈開を有し、雲母族、パイロフィライト、
タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑石、蛇紋石、スチル
プノメレーン、粘土鉱物がある。これらの中でも雲母
族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバ
イト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイ
ト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲
母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イラ
イト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが
挙げられる。
【0008】これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白
雲母、金雲母または絹雲母が粒子径の大きさ、アスペク
ト比などの点から好適である。本発明では平板性が保持
されている顔料であればよいが、より好ましい平均粒子
径(レーザー回折法による測定値)範囲としては1μm
〜100μm、さらに好ましい平均粒子径範囲としては
5μm〜50μm ある。平均粒子径が1μm以下のも
のは塗工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平
行になりにくく、100μm以上になると平板状顔料の
一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μ
m程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中に
おける層数が少なくなってしまうために防湿性能向上効
果が減少する。
【0009】また、好ましいアスペクト比(前記平均粒
子径を厚さで除した値。厚さは電子顕微鏡の観察により
測定した。)は5以上であり、特に好ましくはアスペク
ト比が10以上の平板状顔料である。アスペクト比が5
以下のものは塗工面に対して平行に配向できなくなるた
め防湿性能が劣る。アスペクト比は大きいほど平板状顔
料の塗工層中における層数が大きくなるため高い防湿性
能を発揮する。
【0010】本発明に用いられる合成樹脂はスチレン−
ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合
体、(メチル)メタクリレート−ブタジエン系共重合
体、アクリルニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリ
ル系共重合体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン
系共重合体が挙げられる。これらの中でも、スチレン−
ブタジエン系共重合体、特にカルボン酸含有化合物と共
重合したスチレン−ブタジエン系共重合体(酸変性SB
R)が好適である。スチレン−ブタジエン系共重合体
(SBR)はスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなど
の芳香族ビニル化合物とブタジエン、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物及び
これらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体を
乳化重合することによって得られる共重合体ラテックス
である。芳香族ビニル化合物としてはスチレン、また、
共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエンが好適で
ある。
【0011】共重合可能なその他の化合物としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和カル
ボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテント
リカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸;マレイン酸
モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不
飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、
(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n
−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エス
テル;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有エ
チレン性不飽和化合物;(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、などのエチレン性不飽和酸のグリシジルエーテル;
アリルグリシジルエーテルなどの不飽和アルコールのグ
リシジルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド
系化合物などが用いられる。上記化合物は一種類以上用
いることができる。これらの中でも活性水素を有する不
飽和カルボン酸、不飽和多価カルボン酸、(メタ)アク
リルアミド系化合物が好適である。
【0012】単量体の各構成成分の組成比は適宜選択さ
れるが、通常、芳香族ビニル化合物25〜75重量部、
好ましくは30〜70重量部、共役ジエン化合物20〜
60重量部、好ましくは25〜50重量部、共重合可能
なその他の化合物0〜50重量部である。合成樹脂のゲ
ル分率(溶媒としてテトラヒドロフランを用いたときの
不溶部分の重量%)は70%以上が好ましい。ゲル分率
が70%より小さいと、得られる防湿紙の離解性が悪く
なる。ゲル量を上げるために、アルキルメルカプタンや
四塩化炭素のような連鎖移動剤(分子量調整剤)の使用
量を減らしたり、ジビニルベンゼンのような架橋性モノ
マーを共重合させたりする。合成樹脂のガラス転移温度
(Tg)は−10℃〜40℃、より好ましくは−5℃〜
35℃である。Tgが−10℃より低いと離解性が悪く
なったりブロッキングが起きやすくなる。また、Tgが
40℃を越えて大きいと、防湿性が悪くなる。本発明に
使用するフィロケイ酸塩化合物とスチレン−ブタジエン
系ラテックスとの配合(固形分重量)比率は30:70
〜70:30、好ましくは35:65〜60:40であ
る。
【0013】本発明では、フィロケイ酸塩と合成樹脂の
接着性を上げるため、カップリング剤を使用してもよ
い。カップリング剤としては、親水基部分にSiを含む
シランカップリング剤、親水基部分にTiを含むチタネ
ートカップリング剤、親水基部分にAlを含むアルミニ
ウムカップリング剤等が挙げられる。カップリング剤の
構造は、フィロケイ酸塩化合物のような無機化合物と相
互作用する親水基と、樹脂のような有機化合物と相互作
用する疎水基に大別され、特にその親水基部分はTi、
Al等の金属元素やSiに結合したアルコキシ基を加水
分解して得られる。一方、カップリング剤の疎水基部分
については、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、
無機化合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を
完全に疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める
効果がある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル
基、アミノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その
官能基と樹脂マトリックスの官能基とが化学的あるいは
物理的に結合し、より一層樹脂マトリックスとの接着性
が高まる。
【0014】該カップリング剤には、2−グリシドキシ
エチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルト
リエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−アミ
ノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕エチルト
リメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)ア
ミノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−
アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、
3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチ
ルジメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメ
トキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシ
シラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、、3
−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルアセト
キシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2
−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、
イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チ
タネートなどが挙げられる。
【0015】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗料に
カップリング剤を直接添加する方法である。また、前処
理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップリ
ング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加量
はフィロケイ酸塩化合物100重量部に対して0.1〜
5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量
が0.1重量部未満の場合、カップリング剤によるフィ
ロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分となるため好まし
くなく、5重量部を越える場合、カップリング剤の効果
が頭打ちとなるため不経済である。
【0016】本発明では、合成樹脂の耐水性を向上する
ため、活性水素反応性化合物を使用いてもよい。活性水
素反応性化合物は、合成樹脂に含まれるカルボキシル
基、アミド基、水酸基等の活性水素官能基と結合して合
成樹脂を耐水化するものである。こうした活性水素反応
性化合物としては(1)メチロール基を有し、上記親水
性官能基と脱水縮合反応を起こすもの(メラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂な
ど);(2)アルデヒド基を有し、上記親水性官能基と
付加反応を起こすもの(グリオキザールなど);(3)
エポキシ基を有し、上記親水性官能基と開環付加反応を
起こすもの(ポリグリシジルエーテルなど);(4)多
価金属を有し上記親水性官能基と配位結合及び共有結合
を形成するもの(炭酸ジルコニウムなど);(5)水溶
液中でカチオン性を示しアニオン性官能基とイオン結合
を形成するもの(アミノ基またはアミド基含有有機化合
物、ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリアミドポリ尿素樹脂、ポリアミンポリ尿素
樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂などのカチオ
ン性樹脂)などがある。活性水素反応性化合物の配合量
は合成樹脂100重量部に対して0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部が望ましい。活性水素
反応性化合物の配合量が0.01重量部未満の場合、活
性水素反応性化合物と活性水素官能基との反応性が著し
く低下するため好ましくなく、10重量部を越えても透
湿度向上や耐ブロッキングに対する効果が頭打ちとなっ
たり、未反応の活性水素反応性化合物が析出するなどの
問題が発生するため好ましくない。
【0017】以上の材料を混合して防湿性塗料(水性)
とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸など
の分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤、増粘剤
などを添加したりすることができる。この塗料を常法に
より紙支持体に塗工して防湿層を形成する。塗工設備と
して特に限定はしないが、ブレードコーター、バーコー
ター、エアナイフコーターなどの塗工表面をスクレイプ
する塗工方式が、平板状顔料の配向を促す傾向があるの
で好ましい。防湿層の塗工量は片面に塗工した場合(両
面に塗工した場合は両面合わせての塗工量)、固形分と
して15〜40g/m2、好ましくは20〜35g/m2
である。
【0018】本発明に用いられる紙支持体は機械的離解
作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とするも
のであれば特に制限はないが、多層袋として一般的に用
いられている晒または未晒クラフト紙(酸性紙または中
性紙)が好適である。また、原紙に古紙(DIP)を配
合したものを使用しても構わない。紙支持体の坪量は5
0〜150g/m2、好ましくは60〜135g/m2
ある。紙支持体の厚さは70〜170μm、好ましくは
75〜165μmである。
【0019】本発明の防湿紙の透湿度はJIS Z02
08カップ法(B法)で測定して20〜50g/m2
24hr、好ましくは25〜45g/m2・24hrで
ある。
【0020】本発明における空気抜けのための図2のよ
うなスリット(切れ目)または図3のような貫通孔
(穴)は、防湿層を形成した原紙に形成される。スリッ
トまたは貫通孔の形成部分が多層袋の胴部分になるよう
に多層袋を製造した方が好ましい。通常多層袋は何袋も
積み重ねて保管するが、袋のサイド部分にスリットまた
は貫通孔があると、そこから水蒸気が侵入して内容物に
悪影響を与えるため好ましくない。また、空気抜けのた
めのスリットの長さや間隔には特に制限はないが、長さ
は10mm〜200mm、スリット間の間隔は5mm〜
100mmが好ましい。貫通孔の直径や貫通孔と貫通孔
の間隔に特に制限はないが、直径は0.5mm〜10m
m、貫通孔と貫通孔の間隔は5mm〜100mmが好ま
しい。また、スリットは図4、図5のように、一点に短
いスリットが集中するような構造であっても良く、この
構造にすると空気圧がかかったときに開いて通気性が良
くなる。
【0021】スリットや貫通孔を含む防湿紙の透気度
(JIS P8117「紙及び板紙の透気度試験方
法」)は200秒以下が好ましく、特に100秒以下が
好ましい。透気度が200秒より大きくなると粉体の充
填スピードが遅くなったり、充填口から粉体が漏れた
り、袋が破れてしまうといった問題が起きやすくなる。
内層、防湿層でない中間層または外層の透気度は200
秒以下が好ましく、特に100秒以下が望ましい。
【0022】本発明に使用する防湿紙の製造及び多層袋
の製造については、本出願人が特開平9−286467
号公報で提案した防湿多層袋に記載した方法が適用でき
る。スリットまたは貫通孔の形成は防湿紙が製造された
後で、該防湿紙を内層に巻き付ける前であればいつでも
よいが、防湿紙を内層に巻き付けて胴貼りする直前にス
リッターやパンチャーを間欠的に防湿紙に押し付けて形
成するか、若しくは、特定の紙幅に断裁された後にスリ
ットまたは貫通孔を形成し、製袋機に巻き取り状で防湿
紙を供給してもよい。
【0023】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ
「重量部」及び「重量%」を表す。
【実施例】<実施例1>水50重量部に、ゲル分率75
%、Tg12℃のカルボン酸変性スチレンブタジエンラ
テックス(固形分50%)100重量部を加え撹拌す
る。さらにフィロケイ酸塩化合物として白雲母(平均粒
子径20μm、アスペクト比20〜30)50重量部を
撹拌しながら加えて調製した防湿性塗料を、未晒クラフ
ト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)に固形分と
して片面30g/m2塗工後、熱風乾燥機を用いて11
0℃で1分間乾燥させて防湿紙を製造した。得られた防
湿紙に製袋後胴部分にスリット部分がくるように長さ5
0mmのスリットを間隔30mmで幅方向300mmに
わたってスリットを入れた(図2参照)。得られた防湿
紙を多層袋の中層として用いて防湿多層袋を製造した。
内層、外層の紙は未晒クラフト紙(坪量70g/m2
厚さ100μm)である。
【0024】<実施例2>水50重量部に、25%アン
モニア水2重量部、カップリング剤として3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン0.5重量部を加え撹拌した
後、ゲル分率90%、Tg20℃のカルボン酸変性スチ
レン−ブタジエンラテックス(固形分50%)を100
重量部、フィロケイ酸塩化合物として絹雲母(平均粒子
径15μm、アスペクト比20〜30)50重量部を順
次撹拌しながら加えて調製した防湿性塗料を、未晒クラ
フト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)に固形分
として片面30g/m2塗工後、熱風乾燥機を用いて1
10℃で1分間乾燥させて防湿紙を製造した。実施例1
と同様に得られた防湿紙をスリットを入れて防湿多層袋
を製造した。
【0025】<実施例3>水50重量部に、25%アン
モニア水2重量部、活性水素反応性化合物としてポリア
ミン樹脂(商品名:PA625、固形分60%、日本P
MC製)を1重量部、ゲル分率85%、Tg20℃のS
BR(固形分50%)を100重量部、フィロケイ酸塩
化合物として絹雲母(平均粒子径15μm、アスペクト
比20〜30)50重量部を順次撹拌しながら加えて調
製した防湿性塗料を、未晒クラフト紙(坪量70g/m
2、厚さ100μm)に固形分として片面30g/m2
工後、熱風乾燥機を用いて110℃で1分間乾燥させて
防湿紙を製造した。実施例1と同様にスリットを入れて
防湿多層袋を製造した。
【0026】<実施例4>水50重量部に、25%アン
モニア水2重量部、カップリング剤として3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン0.5重量部、活性水素反応
性化合物としてポリアミドポリ尿素樹脂(商品名:SR
302、固形分30%、住友化学製)を2重量部、ゲル
分率75%、Tg12℃のカルボン酸変性スチレン−ブ
タジエンラテックス(固形分50%)を100重量部、
フィロケイ酸塩化合物として絹雲母(平均粒子径13μ
m、アスペクト比20〜30)50重量部を順次撹拌し
ながら加えて調製した防湿性塗料を、未晒クラフト紙
(坪量70g/m2、厚さ100μm)に固形分として
片面30g/m2塗工後、熱風乾燥機を用いて110℃
で1分間乾燥させて防湿紙を製造した。実施例1と同様
にスリットを入れて防湿多層袋を製造した。
【0027】<実施例5>実施例1で得られた防湿紙に
製袋後胴部分に貫通孔部分がくるように直径2mmの貫
通孔を間隔30mmで幅方向300mmにわたって貫通
孔を形成した(図3参照)。得られた防湿紙を多層袋の
中層として用いて防湿多層袋を製造した。
【0028】<比較例1>スリットを入れないこと以外
は実施例1と同様に防湿多層袋を製造した。
【0029】<比較例2>未晒クラフト紙(坪量70g
/m2、厚さ100μm)にポリエチレンを15μmラ
ミネートしたポリエチレンラミネート紙に実施例1と同
様にスリットを入れて防湿多層袋を製造した。
【0030】[試験方法] 1)透湿度 JIS Z0208 B法(カップ法)に準じ、塗工面
を外側にし、40℃90%(相対湿度)にて透湿度を測
定した。サンプルはスリットのない部分とした。透湿度
が、平板で50g/m2・24hr以下、より好ましくは4
5g/m2・24hr以下であれば十分実用性がある。 2)離解性 約3cm四方の防湿紙8gを500mlの水とともに家
庭用ミキサー(刃は繊維を切らないようにヤスリで削り
落としたものを使用)で1分30秒間撹拌した。得られ
たスラリーで坪量70g/m2の手抄シートを作製した。
未離解物(フィルム片)の有無を目視で評価し、未離解
物を含まないものを○、含むものを×とした。 2)充填適性 防湿性多層袋にセメント粉をエアー充填し、問題なく充
填できた場合を○、充填口からセメント粉が吹き出した
り、破袋した場合を×とした。
【0031】
【表1】
【0032】表1より、スリットや貫通孔がある中層紙
を用いた場合、問題なく粉体を充填できることが判る。
また、本発明の防湿層は十分な防湿性を示しかつ離解性
も有していることが判る。
【0033】
【発明の効果】本発明に係る易離解性防湿多層袋は、十
分な防湿性と離解性を有し、粉体の充填性に優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により作製された多層袋の一例を示す斜
視模式図。
【図2】図1の袋においてスリットの入った中層紙(防
湿紙)のみを示す斜視模式図。
【図3】貫通孔を有する防湿紙を示す模式図。
【図4】十字に交差するスリットを有する防湿紙を示す
模式図。
【図5】3本の短いスリットが交差する形状のスリット
を有する防湿紙の模式図。
【符号の説明】
1 外層 2 中層(防湿層) 3 外層 4 同貼り部 5 底貼り部 6 スリット 7 貫通孔
フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 AC01 BA01 BA21 BA60 BB03 BB04 BC07 FA06 HD02 HE03 4F100 AA03B AA05B AC00B AC10 AK01B AK73 AL07 BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C BA13 DC11B DC13B DG10A DG10B DG10C EC08 EC18 EH46 GB17 JD04B JL14 4L055 AG25 AG63 AG71 AG76 AG89 AG97 AH02 AH37 AH48 AJ01 AJ02 AJ10 BE08 BE20 FA22 FA30 GA05 GA47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各層の胴貼り部を接着した2層以上の紙
    袋の底貼り部を接着あるいは縫合して得られる紙製多層
    袋において、最内層以外の少なくとも一層の袋がフィロ
    ケイ酸塩化合物及び合成樹脂を含む防湿層を形成した防
    湿紙からなり、該防湿紙にスリットまたは貫通孔がある
    ことを特徴とする易離解性防湿多層袋。
  2. 【請求項2】 該スリットまたは貫通孔は袋の平坦な胴
    部に存在する請求項1に記載の防湿多層袋。
  3. 【請求項3】 内層、中層、外層をこの順に積層した多
    層袋であり、中層が防湿紙からなることを特徴とする請
    求項1に記載の防湿多層袋。
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