JP4164939B2 - 易離解性防湿紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた防湿性を持ち、また折り目がついた状態でも十分な防湿性を発揮し、かつ使用後のリサイクルが容易な各種包装用途(紙袋や平判包装、段ボール包装など)の基材として有用な易離解性防湿紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、工業用や産業用製品の包装には、内容物の吸湿や吸水を防止するため、耐湿性及び耐水性が優れたポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系の高分子化合物を紙支持体にラミネートしたポリオレフィンラミネート紙(以下ポリラミ紙と称す)が使われてきた。
例えば、ポリラミ紙は、紙製品の巻き取り用包装、アート紙やコート紙などの平判用包装、電子写真複写用紙やインクジェット用紙などの小判断裁紙堆積体用の包装、セメントや樹脂などの重包装袋用などに使用されている。
しかしながら、これらポリラミ紙は被膜層が強固なため離解性に劣り、古紙として回収しパルプの原料として使用すると、離解時に被膜そのものが大きなシート状に残存したり、また細片化した被膜が抄紙工程に混入すると、シリンダードライヤーなどに融着する等の様々な問題が発生する。そのためポリラミ紙は古紙として利用できず、使用後は焼却処分しているのが現状である。
一方、防湿性のある易離解性紙を製造する方法としては、例えば特公昭55−22597号公報、特開昭59−66598号公報などが知られている。
これらは合成ゴムラテックスにワックスエマルジョンを配合してなる水性エマルジョンを紙表面に塗工したものである。
このような易離解性防湿紙は防湿・防水性は十分であり古紙として再離解可能であるが、防湿層中のワックスが防湿層表面に析出(ブリード)し、防湿紙の反対裏面に転写して滑りやすくなったり、内容物にワックスが転移し内容物を汚染するといった問題がある。
また、このようなワックスを含む防湿紙を古紙原料として製造した紙はワックスのために滑りやすくなるといった問題もある。
【0003】
このようにワックスを含有する防湿紙の欠点を解決すべく、本発明者等は過去に紙支持体上に平板状顔料と合成樹脂ラテックスとからなる防湿層を設けた防湿紙(特開平9−21096号公報)を提案した。この発明は、それ自体は水蒸気を通さないと思われる顔料、例えばフィロケイ酸塩化合物粒子に見られるような平板状の顔料を合成樹脂ラテックスと混合して防湿層を形成させたところ、平面的には水蒸気の透過面積が小さくなること、また厚み方向では平板状顔料が防湿層表面に対して平行に配列して積層するため、防湿層中の水蒸気はこの平板状顔料を迂回しながら透過することから、水蒸気の所要透過距離が長くなり、結果として大幅に防湿性能が向上することから見出された。
しかしながら、前記防湿紙を離解する場合、レファイナーやニーダーなどのように離解力が強い装置を用いれば十分に離解するが、パルパーのように離解力が弱い装置の場合は、離解に要する時間が非常に長くなるという問題がある。
このような離解性を改善するための手段としては、例えば使用する合成樹脂ラテックスのガラス転移温度をより高くするか、ゲル分率を高く設定して力学的な歪み量を抑えることにより、外力に対して脆性破壊を促す方法がある。これにより、防湿層自体は離解攪拌時に受けるせん断力に対してクラックを生じやすくなるため、防湿層は容易に、かつ微細に崩壊し、かくして離解性は向上する。しかしながら防湿紙の折り加工などの際には、防湿層の折り目部に亀裂が発生しやすくなるため、防湿性能の著しい劣化を招く危険性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、内容物と防湿層が接触することによる、内容物の汚染や摩擦抵抗の低下の心配がなく、かつ折り目を付けても十分な防湿性能を発揮し、さらには使用後の離解が容易であって、従ってリサイクルが容易な易離解性防湿紙を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、紙支持体の少なくとも一表面上に、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む防湿層を有する防湿紙において、合成樹脂ラテックスとしてガラス転移温度−20〜30℃のスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスを用い、かつ防湿層中に、ガラス転移温度30℃以上の合成樹脂が対防湿層100重量部に対して固形分比で3〜30重量部配合されたことを特徴とする易離解性防湿紙である。
【0006】
本発明の第ニは、フィロケイ酸塩化合物がカップリング剤で処理されていることを特徴とする前項記載の易離解性防湿紙である。
【0007】
本発明の第三は、防湿層中にラテックス架橋剤が含まれていることを特徴とする前項記載の易離解性防湿紙である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、前述の如き平板状顔料と合成樹脂ラテックスとからなる防湿層を設けた防湿紙において離解性を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、使用する平板状顔料にフィロケイ酸塩化合物を、また合成樹脂ラテックスにガラス転移温度が低く柔軟なスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスを用い、これにガラス転移温度が高く、脆性的な硬い被膜を形成する合成樹脂を少量併用することによって、折り目が付けられても十分な防湿性能を発揮し、かつ大幅に離解性が改善されることを見出し、本発明に至った。
本発明について以下の通り詳述する。
【0009】
本発明で使用するフィロケイ酸塩化合物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合物)は、塗布加工後も平板性が保持されているものであれば特に限定されるものではない。
フィロケイ酸塩化合物に属するものは板状または薄片状であって明瞭な劈開を有し、カオリナイト(カオリン鉱物)、雲母族、脆雲母族、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン、モンモリロナイトなどがある。これらの中でも特に雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。
【0010】
本発明で用いるフィロケイ酸塩化合物の平均粒子径は、光散乱理論を応用したレ−ザ−回折による粒度分布測定装置において測定した値で0.5μm〜100μmの範囲にあることが好ましい。この場合、平均粒子径が0.5μm未満のものは塗工層中でのフィロケイ酸塩化合物の配向が支持体に対して平行になりにくく、また100μmを越えて大きくなるとフィロケイ酸塩化合物の一部が塗工層から突き出る可能性が高くなるばかりでなく、配向したフィロケイ酸塩化合物の塗工層中における層数が少なくなってしまうために防湿性能向上効果が減少してしまう恐れがある。
また、フィロケイ酸塩化合物の好ましいアスペクト比は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が10以上である。アスペクト比が5未満のものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため防湿性能が劣る。アスペクト比は大きいほど顔料の塗工層中における層数が大きくなるため、高い防湿性能を発揮する。
その一方で、通常使用される無機顔料である炭酸カルシウム、カオリン、無定形シリカ、水酸化アルミ、酸化亜鉛、酸化チタン等はアスペクト比が5未満であり、粒子径も通常1000nmを越えてしまうため、本発明の材料として不適である。
【0011】
本発明に用いられる合成樹脂ラテックスは、耐水性が良好で、伸びがよく折割れによる塗工層の亀裂が生じにくいなどの理由から、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(SBR)が好適に用いられる。
スチレン−ブタジエン系共重合体は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物とブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物及びこれらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体を乳化重合することによって得られる共重合体ラテックスである。芳香族ビニル化合物としてはスチレン、また共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエンが好適である。
共重合可能なその他の化合物としては、不飽和カルボン酸や不飽和多価カルボン酸、エチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物、(メタ)アクリル酸エステル、シアノ基含有エチレン性不飽和化合物、エチレン性不飽和酸のグリシジルエーテル、不飽和アルコールのグリシジルエーテル、(メタ)アクリルアミド系化合物などが用いられる。これらの中でも活性水素を有する不飽和カルボン酸、不飽和多価カルボン酸、(メタ)アクリルアミド系化合物が好適である。本発明において、用いるスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスの好ましいガラス転移温度(Tg)は、−20℃〜30℃の範囲である。Tgが−20℃より低いと離解性が悪くなったりブロッキングが起きやすくなる。また、Tgが30℃を越えて大きいと、折り目などに対してクラックが発生しやすくなるため望ましくない。
【0012】
また、本発明に使用するフィロケイ酸塩化合物とスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスとの配合(固形分重量)比率は30:70〜70:30、好ましくは35:65〜60:40である。
【0013】
本発明においては、防湿層の離解性を向上させる目的でガラス転移温度(Tg)の高い合成樹脂エマルジョンを使用する。このような合成樹脂エマルジョンから得られる皮膜粒子は、柔軟で延性のあるSBRから得られる皮膜粒子のマトリックス中にあって、(1)該合成樹脂エマルジョンの皮膜粒子自身は脆性的で外力により崩壊しやすく、また(2)乾燥過程においてSBR皮膜粒子の最密充填を阻害して粒子間空隙を増大させ、かつ(3)SBR皮膜粒子との界面における融着力が弱い、などの理由から、離解攪拌時にはこのSBR皮膜中に散在する高Tg合成樹脂エマルジョンの皮膜粒子の内部、及び/またはその界面を起点としてクラックが発生・増幅し、防湿層の離解が促進されると考えられる。
【0014】
このような合成樹脂エマルジョンとしては、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体、スチレンボ−ルなどの有機フィラ−などが挙げられる。これらの中でも、アクリル−スチレン系共重合体、アクリル系共重合体などに代表されるアクリル樹脂エマルジョンが好適である。
本発明にて用いるアクリル樹脂エマルジョンは、アクリル酸メチルやアクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸エステルを主成分とし、これらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体を乳化重合することによって得られる共重合体樹脂エマルジョンである。本発明においては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが好適に用いられる。
【0015】
共重合可能なその他の化合物としては、メタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル、アメタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミルなどのメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド化合物;(メタ)アクリロニトリル、α−クロル(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有エチレン性不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物;ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物などが用いられる。
上記化合物は一種類以上用いることができ、中でもメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸、スチレン、(メタ)アクリロニトリルが好適である。
【0016】
本発明において用いる高Tg合成樹脂とは、ガラス転移温度(Tg)は、30℃以上の合成樹脂を指す。
Tgが30℃以下である場合、該合成樹脂を合成樹脂エマルジョンとして基材紙に塗工、乾燥して防湿層が形成されたとき、高Tg合成樹脂からなる被膜粒子は柔軟性に富むため、SBR被膜粒子と強固に融着してしまい、従って防湿層の十分な離解性が得られなくなるため好ましくない。
また本発明において使用する高Tg合成樹脂をエマルジョンとして塗工するにあたっては、該エマルジョンの望ましい粒子径範囲は10〜1000nmである。
粒子径が10nm以下では、被膜形成後の高Tg合成樹脂の被膜粒子が十分な大きさでないため、防湿層を崩壊させるのに十分なクラック発生の起点とはなり得ず、離解性の改善効果が得られない。
また粒子径が1000nmを越えると、高Tg合成樹脂被膜粒子の単位面積当たりにおける存在比率の低下に伴って離解性が低下してしまうばかりでなく、SBR被膜粒子間、及びフィロケイ酸塩化合物との界面における空隙が大きくなりすぎるため、防湿性能が大きく低下してしまう。
また、本発明に使用する高Tg合成樹脂の配合比は、固形分比(対防湿層100%重量部)で3〜30%重量部、好ましくは10〜20%重量部である。この場合、配合量が3重量%以下では、十分な離解性を得ることができず、また30重量%以上では、高Tg合成樹脂の粒子同士が接触・融着してしまい、SBR被膜粒子中に脆性的な被膜領域が形成されるため、折り目に対する防湿性能が大幅に劣化してしまう恐れがある。
また本発明では、フィロケイ酸塩化合物をカップリング剤で処理すると、一段と防湿性能が向上する。このようなカップリング剤は、合成樹脂ラテックスとフィロケイ酸塩化合物との親和性を高めて両者の界面における微少な空隙を減少させることにより、水蒸気の透過を阻害して防湿性能を大幅に向上させるものである。
【0017】
本発明で使用するカップリング剤としては、親水基部分にSiを含むシランカップリング剤、親水基部分にTiを含むチタネートカップリング剤、親水基部分にAlを含むアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。カップリング剤の構造は、平板状顔料、例えばフィロケイ酸塩化合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やSiに結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
この親水基と無機化合物の反応性は無機化合物がガラス、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、マイカなどのように表面に水酸基を有する場合に高い。チタネートカップリング剤は無機化合物が炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウムでも反応性が高い。一方、カップリング剤の疎水基部分については、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果がある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層樹脂マトリックスとの接着性が高まる。従って、カップリング剤の疎水基部分の組成は親和相手である樹脂との相溶性で決まる。
【0018】
このようなカップリング剤としては、例えば2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕エチルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチルジメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルアセトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
【0019】
また、これらのカップリング剤によるフィロケイ酸塩化合物の表面処理方法としては、インテグラルブレンド法と前処理法があり、必要に応じて任意に採用することができる。
インテグラルブレンド法は、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗工液にカップリング剤を直接添加する方法である。前処理法と比較すると別工程が必要ないため作業性に優れる。
また、前処理法は防湿性塗料を製造する前に、あらかじめフィロケイ酸塩化合物をカップリング剤で処理しておく方法である。インテグラルブレンド法と比較すると処理効果に優れる。
カップリング剤の添加量はフィロケイ酸塩化合物100重量部(固形分)に対して0.1〜5重量部(固形分または有効成分)、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量が0.1重量部未満の場合、カップリング剤によるフィロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分となるため好ましくなく、5重量部を越える場合、カップリング剤の効果が頭打ちとなるため不経済である。
このようにしてカップリング処理したフィロケイ酸塩化合物は、表面の疎水性が高まるため水性分散液としたとき増粘して塗工できなかったり、分散不良となって凝集体が発生することがある。この場合、界面活性剤やポリアクリル酸系の分散剤やイソプロピルアルコール、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等の湿潤剤を用いて分散する。
【0020】
また、ラテックス架橋剤は、合成樹脂ラテックスの架橋密度をあげることにより、防湿性を向上させるものである。同時に防湿層の表面強度を向上させて、防湿紙のブロッキングを改善する効果がある。
本発明で使用するラテックス架橋剤は、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに含まれるカルボキシル基、アミド基、水酸基等の親水性官能基と反応してスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスを架橋、高分子化(三次元網目構造)するものである。こうした架橋剤としては(1)メチロール基を有し、上記親水性官能基と脱水反応を起こすもの(メラミン−ホルムアルデヒド縮合反応生成物など)、(2)アルデヒド基を有し、上記親水性官能基と付加反応を起こすもの(グリオキザールなど)、(3)エポキシ基を有し、上記親水性官能基と開環付加反応を起こすもの(ポリグリシジルエーテル化合物など)、(4)多価金属を有し上記親水性官能基と配位結合及び共有結合を形成するもの(炭酸ジルコニウムなど)、(5)水溶液中でカチオン性を示しアニオン性官能基とイオン結合を形成するもの(ポリアミドアミンポリ尿素樹脂など)などがある。
ラテックス架橋剤の配合量はスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス100重量部(固形分)に対して0.01〜10重量部(固形分または有効成分)、好ましくは0.1〜5重量部が望ましい。架橋剤の配合量が0.01重量部未満の場合、架橋剤と親水性官能基との反応性が著しく低下するため好ましくなく、10重量部を越えても透湿度向上や耐ブロッキングに対する効果が頭打ちとなったり、未反応の架橋剤が析出するなどの問題が発生するため好ましくない。
なお、本発明においては、カップリング剤及びラテックス架橋剤を併用することもできる。
以上の材料を混合して防湿性塗料とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸などの分散剤、消泡剤、界面活性剤、保水剤、色合い調整剤などを添加したりすることができる。
【0021】
この塗料を常法により紙支持体に塗工して防湿層を形成する。塗工設備として特に限定はしないが、特に防湿層の塗工の際には、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式の方が、フィロケイ酸塩化合物の配向を促す傾向がある点でより好ましい。
本発明に用いられる紙支持体は、機械的離解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とするものであれば特に制限はないが、一般的に用いられている晒または未晒クラフト紙(酸性紙または中性紙)、または段ボール用、建材用、白ボ−ル用、チップボ−ル用等に用いられる板紙等が好適であり、さらに好ましくはヤンキ−ドライヤ−等で強制乾燥がなされた片ツヤ紙、純白ロ−ル紙、またはカレンダ−処理が施された晒/未晒クラフト紙等であり、このような紙支持体を用いた場合は、その高平滑な基材表面より、防湿層の厚さ方向におけるフィロケイ酸塩化合物の配向性は、塗工面に対して部分的に乱れることなく均一に、平行に配列しやすくなるため、防湿性能も格段に向上する。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明を具体的に説明する。特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
【0023】
<実施例1>
フィロケイ酸塩化合物として金雲母顔料(商品名:W40、(株)レプコ製、平均粒子径25μm、アスペクト比30〜40)54重量部と、合成樹脂ラテックスとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:LX407S1X2、日本ゼオン(株)製、Tg12℃、粒子径192nm)46重量部、及びアンモニア0.6重量部、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド縮合反応生成物(商品名:SR302、住友化学(株)製)0.5重量部に対し、高Tgの合成樹脂エマルジョンとして、アクリル・スチレン共重合樹脂(商品名:M749J、ヘキスト合成(株)製、ガラス転移温度(Tg)35℃、粒子径120nm)10重量部を混合・攪拌し、防湿性塗料とした。
この防湿性塗料を、坪量70g/m2の未晒クラフト紙のフェルト面側に、メイヤーバーを用いて塗工量20g/m2となるように塗工し、熱風循環乾燥機を用いて110℃、80秒の条件にて乾燥して防湿紙を得た。
【0024】
<実施例2>
フィロケイ酸塩化合物として白雲母顔料(商品名:AB32、(株)山口雲母工業製、平均粒子径20μm、アスペクト比20〜30)54重量部と、合成樹脂ラテックスとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:LX407S1X2、日本ゼオン(株)製、Tg12℃、粒子径192nm)46重量部、及びアンモニア0.6重量部、アミノシランカップリング剤(商品名:KBM603、信越化学工業(株)製、有効成分99%以上)に対し、高Tgの合成樹脂エマルジョンとしてアクリル−スチレン共重合樹脂(商品名:M749J、ヘキスト合成(株)製、ガラス転移温度35℃、粒子径120nm)を混合・攪拌し、防湿性塗料とした。
この防湿性塗料を用い、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0025】
<実施例3>
アクリル−スチレン共重合樹脂の配合量を25重量部としたこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0026】
<実施例4>
高Tgの合成樹脂エマルジョンとして、カルボキシ変性アクリル樹脂(商品名:AE140、JSR(株)製、Tg53℃、平均粒子径80nm)10重量部を配合したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0027】
<実施例5>
高Tgの合成樹脂エマルジョンとして、SBR(商品名:0640、JSR(株)製、Tg55℃、平均粒子径240nm)10重量部を配合したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0028】
<実施例6>
合成樹脂ラテックスをスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:2Y67、住化A&L(株)製、Tg27℃、粒子径190nm)に変更したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0029】
<実施例7>
合成樹脂ラテックスをスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:SOX21、武田薬品工業(株)製、Tg−11℃、粒子径110nm)に変更したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0030】
<実施例8>
顔料をタルク(商品名:シュウエン、中央カオリン(株)製、平均粒子径15μm、アスペクト比5〜10)に変更したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0031】
<比較例1>
防湿性塗料にアクリル−スチレン共重合樹脂エマルジョン(商品名:M749J、ヘキスト合成(株)製、ガラス転移温度35℃、粒子径120nm)を配合しなかったこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0032】
<比較例2>
アクリル−スチレン共重合樹脂の配合量を50重量部としたこと以外は実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0033】
<比較例3>
アクリル−スチレン共重合樹脂の配合量を1重量部としたこと以外は実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0034】
<比較例4>
高Tg合成樹脂エマルジョンとして、カルボキシ変性アクリル樹脂(商品名:三井化学(株)製、Tg25℃、平均粒子径150nm)10重量部を配合したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0035】
<比較例5>
高Tg合成樹脂エマルジョンとして、カルボキシ変性アクリル樹脂(商品名:A120、JSR(株)製、Tg−10℃、平均粒子径70nm)10重量部を配合したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0036】
<比較例6>
合成樹脂ラテックスをスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン(株)製、Tg35℃、粒子径130nm)に変更したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0038】
<比較例
顔料を炭酸カルシウム(商品名:ソフトンBF−100、備北粉化(株)、平均粒子径3.5μm)変更したこと以外は、実施例1と全く同様の方法で防湿紙を得た。
【0039】
以上の実施例、及び比較例を下記の方法で評価し、その結果を表1及び表2に示した。
【0040】
<試験方法>
1)透湿度
JIS Z0208 B法(カップ法)に準じ、測定サンプルを4つ折りにして折り目を付けたもの(折り目)、及び付けないもの(平判)についてそれぞれ塗工面を外側にし、40℃、90%(相対湿度)にて透湿度を測定した。
40℃、90%における透湿度が、平板で50g/m2・24hr以下、より好ましくは45g/m2・24hr以下、折り目付きで120g/m2・24hr以下、より好ましくは100g/m2・24hr以下であれば十分実用性がある。
2)離解性試験
TAPPI標準離解機を用いて、約3cm四方の防湿紙45gを水1500mlとともに、10分間攪拌した。得られたパルプスラリーで坪量70g/m2の手抄シートを作成した。未離解物の離解片の大きさが1mm×1mm以下のものを○、その大きさを越える離解片が残るものを×とした。
【0041】
【表1】
Figure 0004164939
【0042】
【表2】
Figure 0004164939
【0043】
表1、及び表2から明らかなように、防湿性塗料として用いる合成樹脂エマルジョンの添加量が本発明の規定する範囲以下である場合には十分な離解性を得ることが難しく(比較例1、3)、また逆に範囲を越えて配合された場合には、粒子間、及び顔料/樹脂の界面における空隙の影響から、本発明が目標とする防湿性能を得ることが困難となる(比較例2)。一方、用いる合成樹脂エマルジョン、及びスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスのガラス転移温度が、本発明の規定する範囲外である場合には、いずれも十分な防湿性能、または離解性を得ることが難しくなってしまう(比較例4〜)。また用いる顔料がフィロケイ酸塩以外のものである場合も、前記同様に十分な防湿性能が得られない(比較例)。
【0044】
【発明の効果】
本発明によって折り目が付いた状態においても十分な防湿性能を有し、かつ使用後の離解・再生が容易な易離解性防湿紙を得ることが可能である。

Claims (3)

  1. 紙支持体の少なくとも一表面上に、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む防湿層を有する防湿紙において、合成樹脂ラテックスがガラス転移温度−20〜30℃のスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスであり、かつ防湿層中にガラス転移温度30℃以上の合成樹脂が対防湿層固形分比で3〜30重量%含まれることを特徴とする易離解性防湿紙。
  2. フィロケイ酸塩化合物がカップリング剤で処理されていることを特徴とする請求項1記載の易離解性防湿紙。
  3. 防湿層中にラテックス架橋剤が含まれていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の易離解性防湿紙。
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