JP2000220095A - 防湿紙 - Google Patents

防湿紙

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JP2000220095A
JP2000220095A JP1664299A JP1664299A JP2000220095A JP 2000220095 A JP2000220095 A JP 2000220095A JP 1664299 A JP1664299 A JP 1664299A JP 1664299 A JP1664299 A JP 1664299A JP 2000220095 A JP2000220095 A JP 2000220095A
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coating
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Shinichi Koga
慎一 古賀
Takashi Sako
隆 河向
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平板状顔料と合成樹脂ラテックスからなる防湿
性塗料を紙支持体に塗工した防湿紙において、紙支持体
表面の平滑度の如何に関わらず、良好な防湿性を有する
防湿紙を、古紙として再生利用するために必要な易離解
性を低下させることなく提供する。 【解決手段】紙支持体の少なくとも片面に、平板状顔料
と合成樹脂ラテックスからなる防湿層を有する防湿紙で
あって、紙支持体の中心線平均粗さ(Ra)、防湿層の
塗工厚さ(L)、平板状顔料の平均粒子径(a)、及び
アスペクト比(k)の関係が一定範囲内であることを特
徴とする防湿紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防水/防湿性を有
し、かつ使用した後で容易に離解することができ古紙と
してリサイクルが容易な防湿紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、工業用や産業用製品の包装には、
内容物の吸湿や吸水を防止するため、耐湿性及び耐水性
が優れたポリエチレンやポリプロピレン、塩化ビニル、
塩化ビニリデンなどの高分子化合物を、塗工、貼合、ラ
ミネート等の手段により紙支持体上に被膜形成せしめた
基材を用いることが一般的に知られている。しかし、こ
のように被膜層が強固な防湿積層体は、離解性に劣り、
古紙として回収しパルプの原料として使用すると、離解
時に被膜そのものが大きなシート状に残存したり、また
細片化した被膜が抄紙工程に混入すると、シリンダード
ライヤーなどに融着する等の様々な問題が発生する。そ
のため、このようなラミネート紙は古紙として利用でき
ず、使用後は廃棄物として焼却処分等にされているのが
現状である。しかし、昨今のリサイクル化の推進や環境
保護への取り組みといった社会的動向を背景に、これら
防湿積層体の易離解性は、必要不可欠な条件となりつつ
ある。
【0003】このような易離解性の防湿積層体を製造す
る方法としては、例えば特公昭55−22597号公
報、特開昭59−66598号公報等が知られている。
これらは合成ゴムラテックスにワックスエマルジョンを
配合してなる水性エマルジョンを紙支持体表面に塗工し
たものである。このような易離解性防湿紙は、防湿・防
水性は十分であり、古紙として再離解可能であるが、防
湿層中のワックス成分が防湿層表面に析出(ブリード)
するため、防湿紙の反対裏面に転写して滑りやすくなっ
たり、内容物にワックスが転移して内容物を汚染すると
いう問題が発生する。例えばこのような防湿紙を情報記
録用紙などの小判断裁紙包装に用いた場合、ワックス成
分が隣接する情報記録用紙に転移し表面摩擦抵抗が低下
することにより、冊間重送(複写機やプリンターなどで
一度に2枚以上の用紙が給紙される現象)などのトラブ
ルを引き起こす可能性が高くなる。また、このようなラ
テックスとワックスエマルジョンからなる防湿層は、塗
工層表面にブリードして形成されたごく薄いワックス層
でのみ防湿性を維持しているため、このような防湿紙を
一般的な包装に用いた場合、生じた折り目や微少なキズ
等から水蒸気が侵入しやすいので、十分な防湿性を保持
することが困難である。さらに、このようなワックスを
含む防湿紙を原料として製造した紙は、非常に滑りやす
く、このような紙を、例えばダンボールの中芯などに用
いた場合は、ライナーと張り合わせる際に、十分に接着
できず、剥がれてしまう等の問題が生じる。
【0004】本発明者等は上記の問題点を検討した結
果、ワックスを含まない防湿紙、即ち紙支持体上に平板
状顔料と合成樹脂とからなる防湿層を設けた防湿積層体
(特開平9−21096号公報)を以前に提案した。こ
の発明は、フィロケイ酸塩化合物粒子のような水蒸気を
通さない平板状の顔料を合成樹脂と混合して防湿性塗料
とし紙支持体に塗工して防湿層を形成させ、平面的には
水蒸気の透過面積が小さくなること、また、厚み方向で
は平板状顔料が防湿層表面に対して平行に配列して積層
し、水蒸気がこの平板状顔料を迂回しながら透過するた
め、水蒸気の所要透過距離が長くなり、結果として大幅
に防湿性能が向上するというものであった。従って、よ
り防湿性能を向上させるためには、防湿層中における平
板状顔料を、防湿層表面に対してできるだけ平行に配列
させる必要性がある。これは、仮に防湿層中の平板状顔
料が防湿層表面に対し配向角を持った状態で積層した場
合、完全に平行に配列した場合と比較して水蒸気の所要
透過距離が短くなってしまうばかりでなく、平板状顔料
が防湿層表面から飛び出してしまう可能性もあり、防湿
性能を阻害する原因となるからである。しかし、表面平
滑性が低い基材にこのような防湿性塗料を塗工した場
合、防湿層中の平板状顔料は、基材表面に近づくほどそ
の表面の状態に影響されるため、配向性が乱れやすくな
る。即ち平行に配列せず配向角を有する状態で積層され
てしまう。従って、最小の塗工量、及び塗工厚で効率良
く所望の防湿性を得るためには、塗工する基材表面の平
滑性に応じ、最適な塗工厚みや平板状顔料の最適な粒子
径などを試行錯誤の上で経験的に設定する必要性があっ
た。塗工厚さを過剰に厚く設定すれば、基材表面の平滑
度に関わらず、常に安定した防湿性能を有する防湿紙を
得ることも可能ではあるが、この場合は単に経済的に不
利となるばかりでなく、そのような防湿紙を古紙として
使用する際には離解性が大きく劣化してしまう恐れがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、平板状顔料
と合成樹脂ラテックスからなる防湿性塗料を紙支持体に
塗工した防湿紙において、紙支持体表面の平滑度の如何
に関わらず、良好な防湿性を有する防湿紙を、古紙とし
て再生利用するために必要な易離解性を低下させること
なく提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、紙支持
体の少なくとも片面に、平板状顔料と合成樹脂ラテック
スからなる防湿層を有する防湿紙において、紙支持体の
中心線表面粗さ(Ra:μm)、及び防湿層の塗工厚み
(L:μm)、平板状顔料の平均粒子径(a:μm)、
平均アスペクト比(k)が下記の式を満たすことを特徴
とする防湿紙である。 (1)式:1.5(Ra+1/Ra)≦L≦15(Ra
+1/Ra) 但し、上記(1)式において、Ra<1の場合はRa=
1とする (2)式:L/5≦a≦10L (3)式:k≧2a/L 但し、上記(3)式において、k≧5とする
【0007】本発明の第二は、平板状顔料がカップリン
グ剤で処理されていることを特徴とする請求項1に記載
の防湿紙である。
【0008】本発明の第三は、合成樹脂ラテックスが架
橋剤と反応していることを特徴とする請求項1〜2のい
ずれかに記載の防湿紙である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者等は、様々な表面平滑性
を有する紙支持体上に平板状顔料、及び合成樹脂ラテッ
クスからなる防湿層を形成させるにあたり、紙支持体の
平滑性(中心線表面粗さ)、平板状顔料の平均粒子径、
及びアスペクト比、防湿層の塗工厚みの関係がある一定
範囲内であれば、防湿層中における平板状顔料の配向の
如何に関わらず、安定した防湿性能を有する防湿紙が得
られることを見出し、本発明に至った。本発明について
以下の通り詳述する。本発明者らは、被塗工面である紙
支持体の表面平滑性と、防湿性能を得るのに十分な防湿
層の厚みとの間に関連があることを見いだした。即ち、
紙支持体の表面平滑性を表面粗さ測定器にて測定して得
た中心線表面粗さ(Ra)に対して、好適な防湿層の塗
工厚み(L)の範囲は、前記の(1)式により示され
る。ある一定の中心線粗さ(Ra)に対して塗工厚み
(L)がこの範囲未満であった場合、得られた塗工紙は
防湿紙としての十分な防湿性を示すものにはならない。
また、塗工厚み(L)がこの範囲を越えた場合、防湿性
は得られるが、その効果は頭打ちとなり経済的に不利で
あるばかりでなく、必要以上に塗工量を増やしたことに
よって使用後の離解性に悪影響を及ぼすという不具合が
発生する。また本発明者らは、(1)式を用いて設定し
た防湿層の厚みと、防湿性能を得るのに十分な平板状顔
料の平均粒子径との間に関連があることを見いだした。
即ち、防湿層の塗工厚み(L)に適した平均粒子径の範
囲は、前記の(2)式により示される。ある一定の塗工
厚みに対して、平均粒子径(a)がこの範囲未満、また
はこの範囲を越えた場合は、得られた塗工紙は、防湿紙
としての十分な防湿性を示すものにはならない。さらに
本発明者らは、(1)〜(2)式を用いて設定した防湿
層の塗工厚み及び平板状顔料の平均粒子径と、防湿性能
を得るのに十分な平板状顔料のアスペクト比(k)との
間に関連があることを見いだした。即ち、防湿層の塗工
厚み(L)と平均粒子径(a)に対して、適した顔料の
アスペクト比(k)は前記の(3)式により示される。
アスペクト比がこの範囲未満であった場合には、得られ
た塗工紙は、防湿紙としての十分な防湿性を示すものに
はならない。これら(1)〜(3)式により、紙支持体
の表面平滑性、防湿層の塗工厚み、平板状顔料の平均粒
子径、アスペクト比について、好適な値を求めることが
できる。従って、例えば、ある特定のRa値を有する紙
を防湿紙の紙支持体として使用したい場合に、必要とな
る防湿層の塗工厚み、及び防湿性塗料に用いる平板状顔
料の平均粒子径及びアスペクト比を、実験による試行錯
誤の要なく予め決定することができる。
【0010】本発明で使用する平板状顔料は、そのアス
ペクト比(k)が5以上であり、かつ塗工後もその平板
性を保持するものであれば特に限定されるものではない
が、この条件を満たす平板状顔料の中でも、特にフィロ
ケイ酸塩化合物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合
物)であることが好ましい。フィロケイ酸塩化合物に属
するものは板状または薄片状であって明瞭な劈開を有
し、カオリナイト(カオリン鉱物)、雲母族、脆雲母
族、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミ
キュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプ
ノメレーン、モンモリロナイトなどがある。これらの中
でも特に雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲
母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母
(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金
雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジン
マイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリト
ル雲母などが挙げられる。
【0011】本発明で用いる平板状顔料の平均粒子径
(a:μm)は、光散乱理論を応用したレーザー回折に
よる粒度分布測定装置において測定した値である。この
ような測定装置としては、コールター社製レーザー回折
・光散乱粒度測定装置LS230、LS200、LS1
00、また島津製作所製レーザー回折式粒度分布装置S
ALD2000、SALD3000、堀場製作所製レー
ザー回折・散乱式粒度分布装置LA910、LA70
0、LA500などが挙げられる。また本発明における
平均粒子径(a)の値は、前記の式を満たす範囲内であ
れば問題はないが、効率良く防湿性能を得るためには
0.6μm〜100μmの間にあることが好ましい。こ
の場合、平均粒子径が0.6μm 未満のものは塗工層
中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりに
くく、また100μmを超えて大きくなると平板状顔料
の一部が塗工層から突き出る可能性が高くなるばかりで
なく、配向した平板状顔料の塗工層中における層数が少
なくなってしまうために防湿性能向上効果が減少してし
まう恐れがある。
【0012】また、用いる平板状顔料の好ましいアスペ
クト比(k)は5以上であり、特に好ましくは10以上
である。アスペクト比が5未満のものは塗工面に対して
平行に配向できなくなるため防湿性能が劣る。本発明で
いうアスペクト比(k)は、平板状顔料の平均粒子径
(a)を、その厚さで除した値であり、またこの時の平
板状顔料の厚さは、電子顕微鏡による直接観察によって
求める方法、及びMaxwellの曲路効果(J.Macrom
ol.Sci.(Chem),Al(5),929(1967))によって求める方法
などがある。特に後者の場合は、平板状顔料を含んだ合
成樹脂膜のガス透過係数が平板状顔料のアスペクト比と
体積分率より求められることから、平板状顔料と合成樹
脂ラテックスの配合比率を変えた合成樹脂膜において、
このガス透過係数を求めることによってアスペクト比
(k)が得られ、このアスペクト比(k)と平均粒子径
(a)より、平板状顔料の厚さが決まる。このアスペク
ト比は、その値が大きいほどより平板性が高く、塗工層
中における層数が多くなるために高い防湿性能を発揮す
るといえる。本発明においては、測定の簡便性や正確性
の点から、平板状顔料の厚さには電子顕微鏡による直接
観察より得られた値を用いている。
【0013】本発明に用いられる合成樹脂ラテックス
は、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル−スチ
レン系共重合体、メタクリレート−ブタジエン系共重合
体、アクリルニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリ
ル系共重合体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン
系共重合体が挙げられる。これらの中でも、耐水性が良
好で、伸びが良く折割れによる塗工層の亀裂が生じにく
いスチレン−ブタジエン系共重合体が好適である。ま
た、スチレン−ブタジエン系共重合体としては(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)ア
クリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリルグリシジルエ
ーテルなどで変性されたスチレン−ブタジエンラテック
ス(変性SBR)を使用することもできる。また、本発
明に使用する平板状顔料と合成樹脂ラテックスとの配合
(重量)比率(固形比)は、好ましくは30:70〜7
0:30、より好ましくは40:60〜65:35であ
る。
【0014】また、本発明では平板状顔料をカップリン
グ剤で処理すると一段と防湿性が向上する。カップリン
グ剤は、合成樹脂ラテックスと平板状顔料との親和性を
高めて両者の界面における微少な空隙を減少させること
により、水蒸気の透過を阻害し、防湿性能を向上させる
ものである。使用するカップリング剤としては、親水基
部分にSiを含むシランカップリング剤、親水基部分に
Tiを含むチタネートカップリング剤、親水基部分にA
lを含むアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
カップリング剤の構造は、平板状顔料、例えばフィロケ
イ酸塩化合物のような無機化合物と相互作用する親水基
と、樹脂のような有機化合物と相互作用する疎水基に大
別され、特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素
やSiに結合したアルコキシ基を加水分解して得られ
る。この親水基と無機化合物の反応性は、無機化合物が
ガラス、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、マイカな
どのように表面に水酸基を有する場合に高い。チタネー
トカップリング剤は無機化合物が炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、硫酸カルシウムでも反応性が高い。一方、カ
ップリング剤の疎水基部分については、疎水基部分が有
機オリゴマーである場合、無機化合物表面に高分子有機
質の被膜を形成し、表面を完全に疎水化して樹脂マトリ
ックスとの接着性を高める効果がある。また、疎水基部
分がエポキシ基、ビニル基、アミノ基等の反応性有機官
能基を有する場合、その官能基と樹脂マトリックスの反
応性官能基とが架橋し、より一層樹脂マトリックスとの
接着性が高まる。従って、カップリング剤の疎水基部分
の組成は親和相手である樹脂との相溶性で決まる。
【0015】このようなカップリング剤としては、例え
ば2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グ
リシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3
−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチ
ル)アミノ〕エチルトリメトキシシラン、3−〔N−
(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシ
ラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピ
ルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチ
ル)アミノ〕プロピルメチルジメトキシシラン、2−メ
タクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリ
ロキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロキシエ
チルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、、3−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−メルカプ
トエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン、ビニルアセトキシシラン、2−クロロエチ
ルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシ
シラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−
クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロ
ピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミ
ノエチルアミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
【0016】また、これらのカップリング剤による平板
状顔料の表面処理方法としては、インテグラルブレンド
法と前処理法があり、必要に応じて任意に採用すること
ができる。インテグラルブレンド法は、平板状顔料と合
成樹脂ラテックスを含む塗工液にカップリング剤を直接
添加する方法である。前処理法と比較すると別工程が必
要ないため作業性に優れる。また、前処理法は防湿性塗
料を製造する前に、あらかじめ平板状顔料をカップリン
グ剤で処理しておく方法である。インテグラルブレンド
法と比較すると処理効果に優れる。カップリング剤の添
加量は平板状顔料100重量部(固形分)に対して0.
1〜5重量部(固形分または有効成分)、好ましくは
0.5〜2重量部である。添加量が0.1重量部未満の
場合、カップリング剤による平板状顔料表面の被覆が不
十分となるため好ましくなく、5重量部を超える場合、
カップリング剤の効果が頭打ちとなるため不経済であ
る。なお、カップリング処理した平板状顔料は表面の疎
水性が高まるため、水性分散液とした時増粘により塗工
できなかったり、分散不良となって凝集体が発生するこ
とがある。このような場合、界面活性剤やポリアクリル
酸系の分散剤やイソプロピルアルコール、ジアルキルス
ルホコハク酸ナトリウム等の湿潤剤を用いて分散する。
【0017】また、ラテックス架橋剤は、合成樹脂ラテ
ックスの架橋密度をあげることにより、防湿性を向上さ
せるものである。同時に防湿層の表面強度を向上させ
て、防湿紙のブロッキングを改善する効果がある。本発
明において使用するラテックス架橋剤は、合成樹脂ラテ
ックスに含まれるカルボキシル基、アミド基、水酸基等
の親水性官能基と反応して合成樹脂ラテックスを架橋、
高分子化(三次元網目構造)するものである。こうした
架橋剤としては(1)メチロール基を有し、上記親水性
官能基と脱水反応を起こすもの(メラミン−ホルムアル
デヒド縮合反応生成物など)、(2)アルデヒド基を有
し、上記親水性官能基と付加反応を起こすもの(グリオ
キザールなど)、(3)エポキシ基を有し、上記親水性
官能基と開環付加反応を起こすもの(ポリグリシジルエ
ーテル化合物など)、(4)多価金属を有し上記親水性
官能基と配位結合及び共有結合を形成するもの(炭酸ジ
ルコニウムなど)、(5)水溶液中でカチオン性を示し
アニオン性官能基とイオン結合を形成するもの(ポリア
ミドアミンポリ尿素樹脂など)などがある。ラテックス
架橋剤の配合量は合成樹脂ラテックス100重量部(固
形分)に対して0.01〜10重量部(固形分または有
効成分)、好ましくは0.1〜5重量部が望ましい。架
橋剤の配合量が0.01重量部未満の場合、架橋剤と親
水性官能基との反応性が著しく低下するため好ましくな
く、10重量部を超えても透湿度向上や耐ブロッキング
に対する効果が頭打ちとなったり、未反応の架橋剤が析
出するなどの問題が発生するため好ましくない。なお、
本発明においては、カップリング剤及びラテックス架橋
剤を併用することもできる。以上の材料を混合して防湿
性塗料(水性)とするが、この時必要に応じて、ポリカ
ルボン酸などの分散剤、消泡剤、界面活性剤、保水剤、
色合い調整剤などを添加することができる。
【0018】このようにして得られた防湿性塗料を常法
により紙支持体に塗工して防湿層を形成する。塗工設備
は特に限定はされないが、ブレードコーター、バーコー
ター、エアナイフコーターなどの塗工表面をスクレイプ
する塗工方式が、平板状顔料の配向を促す傾向があるの
で好ましい。防湿性塗料の塗工量は、塗工厚みが前記の
式を満たす範囲であれば特に問題はないが、好ましくは
塗工厚みが3μm〜90μmの範囲である。なお、塗工
厚さ(L:μm)は、防湿層の塗工量を文献値などによ
る顔料比重、及びラテックス比重から算出された防湿層
単独比重か、または防湿塗料をフィルムなどに塗工した
後にそこから防湿層そのものを取り出し、JISZ88
04に準じて測定された防湿層単独比重で除した値を用
いる。
【0019】本発明に用いられる紙支持体は、機械的離
解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とする
ものであれば特に制限はなく、一般的に包装用途などで
使用されている晒、または未晒クラフト紙(酸性紙また
は中性紙)や、純白ロール紙、その他ダンボール用、建
材用、白ボール用、チップボール用等に用いられる板紙
等が任意に使用できる。さらに好ましくはヤンキードラ
イヤー等で緊張乾燥がなされた片ツヤクラフト紙、また
はスーパーキャレンダーや熱勾配キャレンダーなどによ
るキャレンダー処理が施された晒/未晒クラフト紙等、
表面が高平滑処理されたものである。このように高平滑
な紙支持体を使用した場合、防湿層中の平板状顔料は、
乱れることなく均一に、かつ塗工面に対して平行に配列
しやすくなるため、防湿性能が格段に向上する。なお本
発明では、紙支持体として合成樹脂ラテックス、または
合成樹脂ラテックスと顔料の混合による塗工層を有する
紙支持体を使用することができる。この時使用する顔料
は、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、無定形シリ
カ、水酸化アルミ、酸化亜鉛、酸化チタンなど、通常、
紙の塗工に用いられるものが任意に使用できる。また、
これら顔料と合成樹脂ラテックスとの好ましい配合(重
量)比率(固形比)は10:90〜70:30である。
このような紙支持体は、防湿性塗料の紙支持体への浸み
込み(選択吸収)を防止できる。また、このような塗工
層を設けることによって、紙支持体の表面をより高平滑
とすることができる。
【0020】本発明では、用いる基材の平滑性の指標と
して、JISB0601にて定義されるRa(中心線平
均粗さ:μm)の値を用いている。ここで述べる中心線
平均粗さ(Ra)とは、触針式の粗さ測定器にて計測し
た基材の断面波形を粗さ曲線とし、この粗さ曲線をある
一定範囲で抜き取った部分(基準長さ)において、前記
基準長さ方向で、かつ粗さ曲線で囲まれる面積を二等分
するような平均線を、この断面波形の中心線とした場合
に、この抜き取り部分における中心線と粗さ曲線f
(x)に囲まれた面積の総和を、基準長さで除した数値
をマイクロメートル(μm)表示した値を指す。本発明
においてこのRa値の範囲に特に制限はないが、より安
定した防湿性能を得る目的で好ましくは0〜6μmの範
囲である。
【0021】また本発明では、防湿層を設けた後の防湿
性能の指標としてJISZ0208カップ法にて測定さ
れる透湿度の値を用いているが、本発明において好まし
くは、0〜100g/m2・24hrである。透湿度がこの
上限を超えるものは、本発明が目標とする防湿紙として
の実用性に乏しくなる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ「重
量部」及び「重量%」を表す。 <実施例1>金雲母顔料(商品名:W40、(株)レプ
コ製、平均粒子径25μm、アスペクト比30〜40)
50重量部と、カルボン酸変性ラテックス(商品名:L
X407S1X2、日本ゼオン(株)製、固形分濃度4
9%)50重量部に対し、アンモニア0.5重量部を混
合・撹拌し、防湿性塗料とした。この防湿性塗料を、中
心線平均粗さ4.3μmの未晒クラフト紙(坪量70g
/m2)の片面に、メイヤーバーを用い、乾燥塗工厚さ
(L)が10μmとなるように塗工し、熱風循環乾燥機
を用いて110℃、80秒の条件にて乾燥し、防湿紙を
得た。
【0023】<実施例2>白雲母顔料(商品名:FA5
00、山口雲母工業(株)製、平均粒子径15μm、ア
スペクト比20〜30)50重量部と、カルボン酸変性
ラテックス(商品名:LX407S1X2、日本ゼオン
(株)製、固形分濃度49%)50重量部に対し、アン
モニア0.5重量部、及びアミノシランカップリング剤
(商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)0.
5重量部を混合・撹拌し、防湿性塗料としたこと以外、
すべて実施例1と同様にして防湿紙を得た。
【0024】<実施例3>実施例1と同様の顔料、合成
樹脂ラテックス各50重量部に対し、アンモニア0.5
重量部、及びポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド縮
合反応生成物(商品名:SR302、住友化学(株)
製)0.5重量部を混合・撹拌し、防湿性塗料とした。
この防湿性塗料を、中心線平均粗さ2.2μmの片ツヤ
紙(坪量40g/m2)の片面に、メイヤーバーを用い
て乾燥塗工厚さ(L)が6μmとなるように塗工し、熱
風循環乾燥機を用いて110℃、80秒の条件にて乾燥
し、防湿紙を得た。
【0025】<実施例4>実施例3と同様の顔料、合成
樹脂ラテックス各50重量部に対し、アンモニア0.5
重量部、及びポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド縮
合反応生成物(商品名:SR302、住友化学(株)
製)0.5重量部を混合・撹拌し、防湿性塗料とした。
また、クレー(商品名:アマゾン、CADAM社製)1
00重量部に対して合成樹脂ラテックス(商品名:S2
694II−1、日本合成ゴム(株)製、固形分濃度5
0.4%)12重量部、及びデンプン(商品名:PC3
0A、三和澱粉工業(株)製)2重量部、アンモニア
0.3重量部を混合・撹拌し、これを下塗り塗料とし
た。未晒クラフト紙(坪量70g/m2)の片面にメイ
ヤーバーを用いて、下塗り塗料を乾燥塗工厚さが5μm
となるように塗工し、熱風循環乾燥機を用いて110
℃、80秒の条件で乾燥して紙支持体を得た。この紙支
持体表面の中心線平均粗さは0.4μmであった。さら
にこの紙支持体に防湿性塗料を乾燥塗工厚さが4μmと
なるように塗工し、熱風循環乾燥機を用いて110℃、
80秒の条件にて乾燥し、防湿紙を得た。
【0026】<比較例1>実施例3と同様にして得た防
湿性塗料を、乾燥塗工厚さが5μmとなるように塗工し
たこと以外はすべて実施例1と同様にして防湿紙を得
た。
【0027】<比較例2>顔料をタルク(商品名:PC
タルク、ダイオーエンジニアリング(株)製、平均粒子
径2μm、アスペクト比2〜4)に変更し、防湿性塗料
の乾燥塗工厚さが10μmとなるようにしたこと以外は
すべて実施例3と同様にして防湿紙を得た。
【0028】<比較例3>顔料を絹雲母(商品名:村上
セリサイト微粉、佐藤鉱業(株)製、平均粒子径2.5
μm、アスペクト比10〜20)に変更し、防湿性塗料
の乾燥塗工厚さが20μmとなるようにしたこと以外は
すべて実施例3と同様にして防湿紙を得た。
【0029】<透湿度測定方法>JIS Z0208
B法(カップ法)に準じ塗工面を外側にし、40℃90
%(相対湿度)にて透湿度を測定した。
【0030】以上実施例、比較例の測定結果を表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、用いる基材の中
心線平均粗さ(Ra:μm)、及び防湿層の塗工厚み
(L:μm)、平板状顔料の平均粒子径(a:μm)、
アスペクト比(k)が前記式を満たしていない場合に
は、所望する透湿度を得ることができない。また、塗工
厚みLに関しては、前記式の上限を超えた場合でも所望
する透湿度を得ることは可能であるが、このような場合
は、透湿度の値が頭打ちとなり経済的に不利であるばか
りでなく、使用後の離解性にも悪影響を及ぼす可能性が
ある。
【0033】
【発明の効果】本発明は、平板状顔料と合成樹脂ラテッ
クスからなる防湿性塗料を紙支持体に塗工した防湿紙に
おいて、紙支持体表面の平滑度の如何に関わらず、良好
な防湿性を有する防湿紙を、古紙として再生利用するた
めに必要な易離解性を低下させることなく提供するもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CA041 CA061 CC041 CC051 CG141 CG161 CJ011 DD001 DG001 HA526 HA536 HA546 HA556 KA03 KA08 KA16 KA20 MA10 NA04 NA27 PB04 PC10 4L055 AG25 AG38 AG63 AG71 AG76 AG80 AG84 AG93 AG94 AG97 AG98 AH02 AH23 AH37 AJ04 BE08 EA08 EA16 EA27 FA19 FA30 GA47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体の少なくとも片面に、平板状顔料
    と合成樹脂ラテックスからなる防湿層を有する防湿紙に
    おいて、紙支持体の中心線表面粗さ(Ra:μm)、及
    び防湿層の塗工厚み(L:μm)、平板状顔料の平均粒
    子径(a:μm)、平均アスペクト比(k)が下記の式
    を満たすことを特徴とする防湿紙。 (1)式:1.5(Ra+1/Ra)≦L≦15(Ra
    +1/Ra) 但し、上記(1)式において、Ra<1の場合はRa=
    1とする (2)式:L/5≦a≦10L (3)式:k≧2a/L 但し、上記(3)式において、k≧5とする
  2. 【請求項2】平板状顔料がカップリング剤で処理されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の防湿紙。
  3. 【請求項3】合成樹脂ラテックスが架橋剤と反応してい
    ることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の防
    湿紙。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104805710A (zh) * 2015-05-05 2015-07-29 湖州哲豪丝绸有限公司 一种新型棉布防潮颜料
JP2015164765A (ja) * 2014-03-03 2015-09-17 アイシン化工株式会社 断熱材及びその製造方法
JP2017523318A (ja) * 2014-07-04 2017-08-17 ビラールドコルスネス エービー コーティングした袋用紙

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JP2017523318A (ja) * 2014-07-04 2017-08-17 ビラールドコルスネス エービー コーティングした袋用紙
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