JPH10204797A - 防滑性を有する防湿シート - Google Patents

防滑性を有する防湿シート

Info

Publication number
JPH10204797A
JPH10204797A JP614997A JP614997A JPH10204797A JP H10204797 A JPH10204797 A JP H10204797A JP 614997 A JP614997 A JP 614997A JP 614997 A JP614997 A JP 614997A JP H10204797 A JPH10204797 A JP H10204797A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
proof
latex
sheet
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP614997A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Koga
慎一 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP614997A priority Critical patent/JPH10204797A/ja
Publication of JPH10204797A publication Critical patent/JPH10204797A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防滑性能、防湿性能を併せ持ち、且つ
使用後の古紙回収が可能な防滑性を有する防湿シートを
提供する。 【解決手段】 フィロケイ酸塩と合成樹脂ラテックスで
構成される防湿層に発泡性性微粒子を添加し、発泡性微
粒子を発泡させることによって、従来の防湿性を維持し
つつ且つ優れた防滑性能が発現する。フィロケイ酸塩化
合物をカップリング剤で表面処理するか、或いは合成樹
脂ラテックスとラテックス架橋剤等を併用することによ
りさらに防湿性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防滑性、及び防水/
防湿性等が要求される食器用トレーや生鮮野菜用ダンボ
ール箱等の輸送包装用途、またその他各種包装用途の基
材として有効な防滑性を有する防湿シートに関するもの
である。更に詳しく述べるならば、本発明はフィロケイ
酸塩と合成樹脂ラテックスから成る離解可能な防湿層に
発泡性微粒子を配合することにより、防水/防湿性に優
れ、且つ防湿層表面の摩擦係数の大幅な向上を実現し、
さらには容易に古紙としての再生が可能な防滑性を有す
る防湿シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙支持体上に防湿層を形成させる手段と
しては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリ
オレフィン系ポリマー、あるいは塩化ビニルや塩化ビニ
リデン等を含有したコポリマー等の高分子化合物を紙支
持体上に塗工、あるいは貼合する方法等が挙げられる
が、近年活発化してきているリサイクル化の推進や環境
保護と言った社会的動向を背景に、これら防湿層を有す
る防湿シートの易離解性はもはや必要不可欠な条件とな
りつつある。
【0003】このような易離解性防湿シートを製造する
方法としては、例えば特公昭55−22597号公報、
特開昭59−66598号公報等が知られている。これ
らは合成ゴムラテックスにワックスエマルジョンを配合
してなる水性エマルジョンを紙支持体表面に塗工したも
のである。しかしながらこの様な防湿シートは、防湿層
中に含まれるワックス成分が防湿層表面にブリードして
蓄積し、従って防湿層表面の摩擦抵抗が大幅に低下する
ため、例えば食器用トレー等に応用した場合、防水/防
湿性には優れているものの、トレー上に乗せられた食器
類は非常に滑り易く不安定な状態となってしまうし、ま
た防湿性を要するダンボール箱等の輸送包装用途として
用いた場合には、内容物へワックス成分が転移したり、
また積み重ねられた箱が荷崩れを起こす危険性もある。
【0004】またこのようなワックスを含む防湿層は、
その表面にブリードして形成されたパラフィン薄膜層に
て防水/防湿性を保持しているため、これら防湿シート
を特に包装用途等に用いた場合には、折り目や微少なキ
ズ等から水蒸気が侵入してしまい、十分な防湿性を保持
することが困難となってしまう。さらにワックスを含ん
だ紙を回収したのち、再離解して抄紙した古紙製品は非
常に滑りやすく、またこのような再生紙をダンボールの
中芯として用いた場合には、その表面にライナーを張り
合わせる場合に十分な接着ができず、剥がれたりするの
が現状である。
【0005】一方、紙支持体に防滑性を付与する方法と
しては、水溶性樹脂とコロイダルシリカの混合物をシー
ト表面に塗布する方法(特開昭61−296198)
や、不飽和カルボン酸とコロイダルシリカの乳化重合体
樹脂層をシート表面に形成する方法(特公平6−554
64)、合成樹脂中空粒子を含有させた防滑性樹脂組成
物をシート上に塗工し、防滑層を設ける方法(特開平6
−264002)等が開示されているが、いずれも防滑
性能を十分に高めることを重要課題としたものであり、
防湿性や易離解性については何等配慮されたものではな
かった。
【0006】近年、“紙”の高機能化に対する要請が高
まる一方、製品のリサイクル化が義務づけられつつある
今日において、前述の如き防滑性や防湿性、さらには易
離解性と言った特性を併せ持った機能性紙基材に対する
研究開発の推進は、依然として強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、防滑性能、及び防湿性能を併せ持ち、さらには使用
後の古紙回収が可能な防滑性を有する防湿シートを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述のワ
ックスエマルジョンを含有した防湿層を有する防湿シー
トの問題点、及びこれら防湿シートに防滑性を付与する
方法について鋭意検討を行った結果、それ自体は水蒸気
を通さないと考えられる顔料、なかでも平板状の顔料を
合成樹脂ラテックスと混合して防湿層を形成させたとこ
ろ、平面的には水蒸気の透過面積が小さくなること、ま
た厚み方向では平板状顔料が塗工層表面に対して平行に
配列して積層するため、塗工層中の水蒸気は平板状顔料
を迂回しながら透過する結果、水蒸気の所要透過距離が
大となること等の理由から、大幅に防湿性能が向上する
ことを見いだした。
【0009】また、平板状の顔料をカップリング剤で処
理することによって、また、前記混合塗料中にラテック
ス架橋剤を添加することによって、さらなる防湿性能の
向上が望めることも判った。この場合、カップリング剤
は平板状顔料と合成樹脂ラテックスとの親和性を高めて
両者の界面における微少な空隙を減少させ、水蒸気の透
過を阻害することによって防湿性能が大幅に向上し、同
時に合成樹脂を含んだ防湿層に起こりがちな表面のブロ
ッキングも改善されることを見いだした。またラテック
ス架橋剤は合成樹脂ラテックスの架橋密度を上げること
により、防湿性能を向上させることを見いだした。また
前記カップリング剤とラテックス架橋剤を併用すること
によってさらに防湿性を向上させることも可能である。
【0010】さらには前記混合塗料中に、加熱によって
発泡可能な発泡性微粒子を添加することにより、塗工後
の乾燥工程において微粒子が発泡し、防湿層表面に微細
な凹凸を形成するため、防湿層表面の摩擦抵抗は格段に
向上し、表面に防滑性を付与できることが判った。また
この場合、乾燥後の発泡微粒子はそれ自体が独立気泡で
あるため、防湿性能には何ら影響を及ぼさないことも判
明した。
【0011】従って本発明の第一は、紙支持体の少なく
とも片面に、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテック
スと発泡性微粒子を含有する塗料を塗工し、前記発泡性
微粒子を発泡させて防湿層を形成したことを特徴とする
防滑性を有する防湿シート。紙支持体上の少なくとも一
表面上に、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックス
である。本発明の第二は、前記フィロケイ酸塩化合物が
カップリング剤で処理されていることを特徴とする防滑
性を有する防湿シートである。本発明の第三は、前記塗
料にラテックス架橋剤が含まれることを特徴とする防滑
性を有する防湿シートである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明で使用するフィロケイ酸塩化合物(層状構造を有
する層状ケイ酸塩化合物)は平板状顔料である。フィロ
ケイ酸塩化合物に属するものは板状または薄片状であっ
て明瞭な劈開を有し、カオリナイト(カオリン鉱物)、
雲母族、脆雲母族、パイロフィライト、タルク、スメク
タイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇
紋石、スチルプノメレーン、モンモリロナイトがある。
【0013】これらの中でも雲母族、タルクが好まし
い。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セ
リサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオ
タイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソー
ダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パ
ラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。
【0014】これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白
雲母、絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比(平均直
径を厚さで除した数値)などの点から好適である。本発
明では平板性(平板状)が保持されている顔料であれば
よいが、より好ましい平均粒子径範囲としては3μm〜
100μm、さらに好ましい平均粒子径範囲としては5
μm〜50μmである。平均粒子径が5μm 未満のも
のは塗工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平
行になりにくく、50μmを超えて大きくなると平板状
顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚み
が数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗工
層中における層数が少なくなってしまうために防湿性能
向上効果が減少する。
【0015】また、好ましいアスペクト比は5以上であ
り、特に好ましくはアスペクト比が10以上の平板状顔
料である。アスペクト比が5未満のものは塗工面に対し
て平行に配向できなくなるため防湿性能が劣る。アスペ
クト比は大きいほど平板状顔料の塗工層中における層数
が大きくなるため高い防湿性能を発揮する。
【0016】本発明に用いられる合成樹脂ラテックス
は、スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)、アク
リル−スチレンラテックス、メタクリレート−ブタジエ
ンラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンラテック
スなどが挙げられるが、耐水性が良好で、伸びがよく折
割れによる塗工層の亀裂が生じにくいためにスチレン−
ブタジエンラテックスが好適である。
【0017】またスチレン−ブタジエンラテックスは
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリルグ
リシジルエーテルなどで変性されたスチレン−ブタジエ
ンラテックス(変性SBR)を使用しても構わない。ま
た、本発明に使用するフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂
ラテックスとの配合(重量)比率(固形比)は30:7
0〜70:30、好ましくは40:60〜65:35で
ある。
【0018】本発明で使用するカップリング剤として
は、親水基部分にSiを含むシランカップリング剤、親
水基部分にTiを含むチタネートカップリング剤、親水
基部分にAlを含むアルミニウムカップリング剤等が挙
げられる。カップリング剤の構造は、フィロケイ酸塩化
合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂
のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、
特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やSiに
結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
【0019】この親水基と無機化合物の反応性は無機化
合物がガラス、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、マ
イカなどのように表面に水酸基を有する場合に高い。チ
タネートカップリング剤は無機化合物が炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、硫酸カルシウムでも反応性が高い。
一方、カップリング剤の疎水基部分については、疎水基
部分が有機オリゴマーである場合、無機化合物表面に高
分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に疎水化して樹
脂マトリックスとの接着性を高める効果がある。
【0020】また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル
基、アミノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その
官能基と樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、
より一層樹脂マトリックスとの接着性が高まる。したが
って、カップリング剤の疎水基部分の組成は親和相手で
ある樹脂との相溶性で決まる。
【0021】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗工液
にカップリング剤を直接添加する方法である。また、前
処理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップ
リング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加
量はフィロケイ酸塩化合物100重量部(固形分)に対
して0.1〜5重量部(固形分または有効成分)、好ま
しくは0.5〜2重量部である。添加量が0.1重量部未
満の場合、カップリング剤によるフィロケイ酸塩化合物
表面の被覆が不十分となるため好ましくなく、5重量部
を越える場合、カップリング剤の効果が頭打ちとなるた
め不経済である。
【0022】このようにしてカップリング処理したフィ
ロケイ酸塩化合物は表面の疎水性が高まるため、水性分
散液としたとき増粘して塗工できなかったり、分散不良
となって凝集体が発生することがある。この場合、界面
活性剤やポリアクリル酸系の分散剤やイソプロピルアル
コール、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等の湿潤
剤を用いて分散する。
【0023】本発明で使用するラテックス架橋剤は、合
成樹脂ラテックスに含まれるカルボキシル基、アミド
基、水酸基等の親水性官能基と反応して合成樹脂ラテッ
クスを架橋、高分子化(三次元網目構造)するものであ
る。こうした架橋剤としては(1)メチロール基を有
し、上記親水性官能基と脱水反応を起こすもの(メラミ
ン−ホルムアルデヒド縮合反応生成物など)、(2)ア
ルデヒド基を有し、上記親水性官能基と付加反応を起こ
すもの(グリオキザールなど)、(3)エポキシ基を有
し、上記親水性官能基と開環付加反応を起こすもの(ポ
リグリシジルエーテル化合物など)、(4)多価金属を
有し上記親水性官能基と配位結合および共有結合を形成
するもの(炭酸ジルコニウムなど)、(5)水溶液中で
カチオン性を示しアニオン性官能基とイオン結合を形成
するもの(ポリアミドアミンポリ尿素樹脂など)などが
ある。
【0024】ラテックス架橋剤の配合量は合成樹脂ラテ
ックス100重量部(固形分)に対して0.01〜10
重量部(固形分または有効成分)、好ましくは0.1〜
5重量部が望ましい。架橋剤の配合量が0.01重量部
未満の場合、架橋剤と親水性官能基との反応性が著しく
低下するため好ましくなく、10重量部を越えても透湿
度向上や耐ブロッキングに対する効果が頭打ちとなった
り、未反応の架橋剤が析出するなどの問題が発生するた
め好ましくない。
【0025】本発明で使用する発泡性微粒子は、インサ
イト重合法等によって熱可塑性樹脂で構成される殻壁に
低沸点溶剤を内包させた熱膨張性マイクロカプセルであ
る。このカプセルは、80〜200℃の比較的低温度で
短時間の加熱により、直径が約4〜6倍、体積が50〜
100倍程度に膨張する平均粒子径が10〜30μmの
微粒子である。
【0026】内包される低沸点溶剤としては、イソブタ
ン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲ
ン化炭化水素、メチルシラン等の揮発性有機溶剤等が挙
られる。また低沸点溶剤を内包する熱可塑性樹脂として
は、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル等の共重合体組成物等が
用いられる。
【0027】これら熱膨張性マイクロカプセルは、それ
自体が殻壁を構成する熱可塑性樹脂の軟化点温度以上に
加熱されると、熱可塑性樹脂が軟化し始め、同時に内包
されている低沸点溶剤の蒸気圧が上昇し、熱可塑性樹脂
が内圧によって押し広げられることによってカプセルが
発泡する。
【0028】このような熱膨張性マイクロカプセルは、
比較的低温で膨張して独立気泡を形成するため、前述の
如き防湿層の防湿性を損なうことなく防湿層表面に微細
な凹凸を形成することが可能であるため、本用途には最
適である。これら発泡性微粒子の配合量は、塗料の固形
分比に対して好ましくは0.1〜10重量部であり、さ
らに好ましくは0.5〜5重量部である。この場合、発
泡性微粒子の配合量が0.1重量部以下では、十分な防
滑性が得られにくく、また10重量部以上では、平板状
顔料の配向が乱れ、防湿性に悪影響を及ぼすばかりでな
く、経済的にも適当であるとは言い難い。
【0029】以上の材料を混合して防滑/防湿性塗料と
するが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸などの
分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤を添加した
りすることができる。この塗料を常法により紙支持体に
塗工して防湿層を形成する。塗工設備として特に限定は
しないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイ
フコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式
が、平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。
防湿層の塗工量は片面に塗工した場合(両面に塗工した
場合は両面合わせての塗工量)、固形分として15〜4
0g/m2、好ましくは20〜35g/m2である。また防
湿層の乾燥温度としては、発泡性微粒子の発泡温度(殻
壁の軟化温度)以上の温度であれば特に問題はない。
【0030】本発明に用いられる紙支持体は機械的離解
作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とするも
のであれば特に制限はないが、包装用途として一般的に
用いられている晒または未晒クラフト紙(酸性紙または
中性紙)、またはダンボール用、建材用、白ボール用、
チップボール用等に用いられる板紙等が好適である。
【0031】本発明において、防滑性を有する防湿シー
トの透湿度はJISZ0208カップ法(B法)で測定
して10〜60g/m2・24hr、好ましくは20〜55g/
2・24hrである。以下に実施例を示し本発明を具体的に
説明する。特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞ
れ「重量部」及び「重量%」を表す。
【0032】
【実施例】
<実施例1>50重量部の水に発泡性微粒子F−30D
(粒子径10〜30μm、最高発泡温度130℃:松本
油脂製薬(株)製)3重量部を十分に分散させた後、合
成樹脂ラテックスHOJ4027(SBRラテックス、
固形分48%:日本ゼオン(株)製)100重量部を加
えて攪拌し、フィロケイ酸塩化合物マイカA21(白雲
母、平均粒子径22μm、アスペクト比20〜30:山
口雲母工業所(株)製)50重量部を添加、攪拌して防
湿性塗料を調整し、晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚
さ100μm)にバーコーターにより固形分として片面
30g/m2塗工後、145℃で乾燥させて防滑性の防湿
シートを得た。得られたシートを用い、下記に示す試験
方法にてシートの離解性、透湿度、静摩擦係数について
試験し、その評価を行った。
【0033】(1)離解試験 約3cm四方の防湿シート8gを500mlの水ととも
に家庭用ミキサー(刃は繊維を切らないようにヤスリで
削り落としたものを使用)で1分30秒間攪拌した。得
られたスラリーを用いて150メッシュ金網を備えた実
験室用角型シートマシンにより、坪量70g/m2の手抄
きシートを作成した。未離解物(フィルム片、紙片等)
の有無を目視で評価し、未離解物を含まない物を○、含
む物を×とした。 (2)透湿度の測定 JIS Z0208 B法(カップ法)で塗工面を外側
にして測定を行った。 (3)吸水度の測定 JIS P 8140 「紙及び板紙の吸水度試験方法
(コップ法)」により、接触時間120秒で測定した。
またこの場合、吸水度が3g/m2以下であれば、非常に
優れた遮水性を発揮する。 (4)すべり角度の測定 JIS P8147傾斜方法にて、塗工面同士を重ね合
わせ、下記条件ですべり角度の測定を行った。またこの
場合、すべり角度は50度以上であれば、非常に優れた
防滑性を発揮する。 傾斜速度:0.5度/分 傾斜方向:A4の長径方向
【0034】<実施例2>発泡性微粒子の添加量を0.
5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして
防滑性の防湿シートを得た。得られたシートを用いて実
施例1と同様にして試験し、品質を評価した。
【0035】<実施例3>50重量部の水に発泡性微粒
子F−30Dの3重量部を十分に分散させた後、カップ
リング剤KBM603(アミノシランカップリング剤、
有効成分98%以上:信越化学工業(株)製)を0.5
重量部添加、攪拌したこと以外は実施例1と同様にして
防滑性の防湿シートを得た。得られたシートを用いて実
施例1と同様にして試験し、品質を評価した。
【0036】<実施例4>実施例1と同様に調整した防
湿性塗料100重量部に架橋剤デナコールEX614B
(ソルビトールポリグリシジルエーテル、有効成分98
%以上:ナガセ化成(株)製)1重量部を添加、攪拌し
たこと以外は実施例1と同様にして防滑性の防湿シート
を得た。得られたシートを用いて実施例1と同様にして
試験し、品質を評価した。
【0037】<実施例5>実施例3と同様に調整した防
湿性塗料100重量部に架橋剤WS535(ポリアミド
エピクロロヒドリン縮合物、固形分30%:日本PMC
(株)製)を0.5重量部を添加、攪拌したこと以外は
実施例1と同様にして防滑性の防湿シートを得た。得ら
れたシートを用いて実施例1と同様にして試験し、品質
を評価した。
【0038】<比較例1>晒クラフト紙(坪量70g/
2、厚さ100μm)にポリエチレンを片面20μm
ラミネートしたポリエチレンラミネート紙を防湿シート
とし、得られたシートを用いて実施例1と同様にして試
験し、品質を評価した。
【0039】<比較例2>合成樹脂ラテックスHOJ4
027(SBRラテックス、固形分48%:日本ゼオン
(株)製)100重量部とワックスエマルジョンOKW
−40(パラフィンワックス、ポリブテン、ロジン樹脂
の混合乳化物、固形分40%:荒川化学工業(株)製)
60重量部を混合・攪拌し、これを防湿性塗料としたこ
と以外は実施例1と同様にして防滑性の防湿シートを得
た。得られたシートを用いて実施例1と同様にして試験
し、品質を評価した。
【0040】<比較例3>50重量部の水に発泡性微粒
子F−30D(粒子径10〜30μm、最高発泡温度1
30℃:松本油脂製薬(株)製)1.5重量部を十分に
分散させた後、合成樹脂ラテックスHOJ4027(S
BRラテックス、固形分48%:日本ゼオン(株)製)
100重量部を加えて攪拌し、これを防湿性塗料とした
こと以外は実施例1と同様にして防滑性の防湿シートを
得た。得られたシートを用いて実施例1と同様にして試
験し、品質を評価した。
【0041】<比較例4>発泡性微粒子を全く添加しな
かったこと以外は実施例5と同様にして防滑性の防湿シ
ートを得た。得られたシートを用いて実施例1と同様に
して試験し、品質を評価した。以上、実施例、及び比較
例において得られた測定結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、紙支持体の少な
くとも一表面上にフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテ
ックス、及び発泡性微粒子からなる防滑・防湿性塗料、
フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックス、及び発泡
性微粒子に架橋剤、またはカップリング剤、もしくはそ
の両者を添加した防滑・防湿性塗料を塗工した防滑性を
有する防湿シートは、透湿度、吸水度が共に良好で優れ
た防湿・防水性示しており、且つすべり角度が大きく、
離解性も良好であることが伺える(実施例1〜実施例
5)。
【0044】一方、ポリエチレンラミネート紙は離解性
が(比較例1)、ワックスエマルジョンを含有した防湿
シートは防滑性がそれぞれ不良(比較例2)であり、ま
たSBRラテックスに発泡性微粒子を配合しただけでは
防湿・防水性が悪く(比較例3)、逆に白雲母/SBR
ラテックス/カップリング剤/架橋剤の組み合わせだけ
では、満足のいく防滑性が得られない(比較例4)。
【0045】
【発明の効果】本発明は、フィロケイ酸塩化合物と合成
樹脂ラテックス、及びその他添加剤の組み合わせによっ
て実現される高い防湿性能に、発泡性微粒子を配合する
ことによって優れた防滑性能を併せ持たせた、古紙とし
て回収可能な防湿性を有する防湿シートを提供するとい
う効果を奏する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】従って本発明の第一は、紙支持体の少なく
とも片面に、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテック
スと発泡性微粒子を含有する塗料を塗工し、前記発泡性
微粒子を発泡させて防湿層を形成したことを特徴とする
防滑性を有する防湿シートである。本発明の第二は、前
記フィロケイ酸塩化合物がカップリング剤で処理されて
いることを特徴とする防滑性を有する防湿シートであ
る。本発明の第三は、前記塗料にラテックス架橋剤が含
まれることを特徴とする防滑性を有する防湿シートであ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【実施例】 <実施例1>50重量部の水に発泡性微粒子F−30D
(粒子径10〜30μm、最高発泡温度130℃:松本
油脂製薬(株)製)3重量部を十分に分散させた後、合
成樹脂ラテックスHOJ4027(SBRラテックス、
固形分48%:日本ゼオン(株)製)100重量部を加
えて攪拌し、フィロケイ酸塩化合物マイカA21(白雲
母、平均粒子径22μm、アスペクト比20〜30:山
口雲母工業所(株)製)50重量部を添加、攪拌して防
湿性塗料を調整し、晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚
さ100μm)にバーコーターにより固形分として片面
30g/m2塗工後、145℃で乾燥させて防滑性の防湿
シートを得た。得られたシートを用い、下記に示す試験
方法にてシートの離解性、透湿度、すべり角度について
試験し、その評価を行った。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙支持体の少なくとも片面に、フィロケ
    イ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスと発泡性微粒子を含
    有する塗料を塗工し、前記発泡性微粒子を発泡させて防
    湿層を形成したことを特徴とする防滑性を有する防湿シ
    ート。
  2. 【請求項2】 フィロケイ酸塩化合物がカップリング剤
    で処理されていることを特徴とする請求項1記載の防滑
    性を有する防湿シート。
  3. 【請求項3】 塗料にラテックス架橋剤が含まれること
    を特徴とする請求項1ないし請求項2記載の防滑性を有
    する防湿シート。
JP614997A 1997-01-17 1997-01-17 防滑性を有する防湿シート Pending JPH10204797A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP614997A JPH10204797A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 防滑性を有する防湿シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP614997A JPH10204797A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 防滑性を有する防湿シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10204797A true JPH10204797A (ja) 1998-08-04

Family

ID=11630476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP614997A Pending JPH10204797A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 防滑性を有する防湿シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10204797A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001248097A (ja) * 1999-12-27 2001-09-14 Oji Paper Co Ltd 包装用紙
JP2003003394A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Oji Paper Co Ltd 防湿ライナ及びそれを用いた防湿段ボールシート
JP2005343766A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology タンパク質結晶形成制御剤
JP2007023653A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Dow Kakoh Kk 凍上防止構造
JP2009161871A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Daio Paper Corp 防滑板紙
JP2012107079A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Dic Corp 有機無機複合組成物乳化分散体
CN113372627A (zh) * 2021-06-23 2021-09-10 晋江泉盈鞋材有限公司 耐油抗高压止滑功能鞋底及其制备方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001248097A (ja) * 1999-12-27 2001-09-14 Oji Paper Co Ltd 包装用紙
JP2003003394A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Oji Paper Co Ltd 防湿ライナ及びそれを用いた防湿段ボールシート
JP2005343766A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology タンパク質結晶形成制御剤
JP4543149B2 (ja) * 2004-06-04 2010-09-15 独立行政法人産業技術総合研究所 タンパク質結晶形成制御剤
JP2007023653A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Dow Kakoh Kk 凍上防止構造
JP4685534B2 (ja) * 2005-07-19 2011-05-18 ダウ化工株式会社 凍上防止構造
JP2009161871A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Daio Paper Corp 防滑板紙
JP2012107079A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Dic Corp 有機無機複合組成物乳化分散体
CN113372627A (zh) * 2021-06-23 2021-09-10 晋江泉盈鞋材有限公司 耐油抗高压止滑功能鞋底及其制备方法
CN113372627B (zh) * 2021-06-23 2023-01-06 晋江泉盈鞋材有限公司 耐油抗高压止滑功能鞋底及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101731662B1 (ko) 수성계 장벽 코팅을 위한 신규한 처리된 무기 안료
EP2837736B1 (en) Hydrophobic paper or cardboard with self-assembled nanoparticles and method for the production thereof
TW200914553A (en) Silicone coatings, methods of making silicone coated articles and coated articles therefrom
WO2019189229A1 (ja) 紙製バリア材料
JP2000303386A (ja) バリア性防湿積層体
JPH10249978A (ja) バリア性積層体
JPH10204797A (ja) 防滑性を有する防湿シート
EP1824937A1 (en) Composition for producing a barrier layer on a laminated packaging material
JP3442523B2 (ja) 耐ブロッキング性及び防滑性に優れた防湿紙
JPH10194326A (ja) 防湿防水段ボールシート
JP2020157641A (ja) 紙製バリア材料
JP2000265395A (ja) 防湿積層体
JP4164939B2 (ja) 易離解性防湿紙
JP4721596B2 (ja) 低密度発泡紙及びその製造方法
JP3763173B2 (ja) 防湿積層体
JP3804168B2 (ja) 易離解性防湿積層体
JP2000153855A (ja) 易離解性防湿多層袋
JP3150960B1 (ja) 防湿紙
JP3774934B2 (ja) 易離解性防湿多層袋
JP2000314096A (ja) 防湿積層体
JP2000220095A (ja) 防湿紙
JPH11189996A (ja) 易離解性防湿紙
JPH10226995A (ja) 易離解性防湿紙の製造方法
JP2002137315A (ja) 易離解性防湿段ボールシート
JPH09302598A (ja) 防湿性紙