JP2020157641A - 紙製バリア材料 - Google Patents

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博 紺屋本
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昭夫 宮嶋
有理 大石
Yuri OISHI
有理 大石
福永 正明
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正明 福永
知恵 大村
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知恵 大村
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Abstract

【課題】本発明は、優れたバリア性を有する、環境負荷が少ない紙製バリア材料を提供することを目的とする。【解決手段】紙基材上に少なくとも1層の顔料を含有するバリア塗工層を有する紙製バリア材料であって、該バリア塗工層に、少なくとも2種類の扁平無機顔料A及び扁平無機顔料Bを該バリア塗工層の全顔料に対し50重量%以上含有し、少なくとも該バリア塗工層上に、さらに樹脂を含有する保護層を有することを特徴とする紙製バリア材料。前記扁平無機顔料Aがマイカであり、前記扁平無機顔料Bがアスペクト比が10以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、優れたバリア性を有する紙製バリア材料に関する。
各種バリア性の中でも、ガスバリア性と水蒸気バリア性は、食品、化粧品、農薬、医薬品、雑貨等の包材や容器、建築材料、産業資材等の広い分野で、内容物の保存性を左右する重要な性能である。
従来から、紙製の包装材料へのガスバリア性の付与には、紙基材(原紙)上に、ガスバリア層としてアルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたフィルム、更に酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等を紙基材(原紙)に押し出しラミネート、または、貼合する方法が主に用いられてきた。
上記以外のガスバリア性を付与した紙製の包装材料としては、水溶性高分子と無機層状化合物からなるガスバリア層を有する紙製のガスバリア材料(特許文献1、2)、被覆層上に特定のビニルアルコール系重合体からなるバリア層を設けた紙製のガスバリア材料(特許文献2)などが開示されている。
また、ガスバリア層の無機層状化合物の配合比等を規定した樹脂組成物および用途も開示されている(特許文献3)が、水蒸気バリア性についての記載はない。
また、ガスバリア性に水蒸気バリア性を加えたバリア材料も開示されている(特許文献4)。
特開2009−184138号公報 特開2003−094574号公報 特許第3898536号公報 特許第5331265号公報
しかし、上記したフィルム等を紙基材(原紙)に押し出しラミネート、または、貼合する方法では、これらのフィルムがサステナブルな原料ではなく、また、焼却処理では残渣や二酸化炭素排出の問題が、埋め立てた処理では生分解性がないため海洋ごみの原因となり、環境負荷が大きいという問題があった。
そこで、本発明は、優れたバリア性を有する、環境負荷が少ない紙製バリア材料を提供することを目的とする。
本発明は、以下の〔1〕〜〔8〕を提供するものである。
〔1〕紙基材上に少なくとも1層の顔料を含有するバリア塗工層を有する紙製バリア材料であって、該バリア塗工層に、少なくとも2種類の扁平無機顔料A及び扁平無機顔料Bを該バリア塗工層の全顔料に対し50重量%以上含有し、少なくとも該バリア塗工層上に、さらに樹脂を含有する保護層を有することを特徴とする紙製バリア材料。
〔2〕前記樹脂が生分解性を有することを特徴とする〔1〕に記載の紙製バリア材料。
〔3〕前記扁平無機顔料Aがマイカであり、前記扁平無機顔料Bがアスペクト比が10以上であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の紙製バリア材料。
〔4〕前記扁平無機顔料Bがカオリンであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の紙製バリア材料。
〔5〕前記扁平無機顔料Bがアスペクト比が30以上であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の紙製バリア材料。
〔6〕前記バリア塗工層が水蒸気バリア性及び/又はガスバリア性を有することを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の紙製バリア材料。
〔7〕前記バリア塗工層が少なくとも水蒸気バリア性を有することを特徴とする〔6〕に記載の紙製バリア材料。
〔8〕前記バリア塗工層が単層であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の紙製バリア材料。
本発明によれば、少なくとも1層のバリア塗工層に少なくとも2種類の扁平無機顔料を特定量含有させ、少なくとも該バリア塗工層上に、さらに樹脂を含有する保護層を有することにより、優れたバリア性を有する紙製バリア材料を提供することができる。更に、バリア塗工層が水蒸気バリア性とガスバリア性の両方を併せ持つ、または、バリア塗工層を水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア塗工層とガスバリア性を有するガスバリア塗工層の組み合わせとすることにより、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア材料を提供することができる。
加えて、主成分がサステナブルな原料であるバイオマス素材の紙であるため、カーボンニュートラルの考えから、化石資源由来のフィルムに比べて、製造から廃棄までの二酸化炭素の排出量を削減でき、かつ生分解性を有するため廃棄時も環境汚染を引き起こす可能性が低く、環境負荷が少ない。特に、保護層の樹脂が生分解性を有する樹脂であると、環境負荷が更に少なくなる。
本発明は、紙基材(以下、「原紙」ということがある。)上に少なくとも1層の顔料を含有するバリア塗工層が設けられた紙製バリア材料であり、該バリア塗工層に、少なくとも2種類の扁平無機顔料A及び扁平無機顔料Bを該バリア塗工層の全顔料に対し50重量%以上含有し、少なくとも該バリア塗工層上に、さらに樹脂を含有する保護層を有する。
(バリア塗工層)
本発明のバリア塗工層は水蒸気バリア性及び/又はガスバリア性を有することが好ましく、少なくとも水蒸気バリア性を有することがより好ましい。また、バリア塗工層が水蒸気バリア性とガスバリア性の両方を併せ持つ、または、バリア塗工層を水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア塗工層とガスバリア性を有するガスバリア塗工層の組み合わせとすることにより、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア材料が得られるため好ましい。バリア塗工層を水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア塗工層とガスバリア性を有するガスバリア塗工層の組み合わせとする場合は、各層の構成順については特に限定されないが、紙基材、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層の順に積層されている方が好ましい。
これらの塗工層は、主として水を媒体とする塗工液を各種の塗工装置で塗工し、乾燥することにより形成することができる。
(水蒸気バリア性樹脂)
本発明において、バリア塗工層に含有させる水蒸気バリア性樹脂は、水蒸気バリア性を有している、水溶性または水分散性の水系樹脂であり、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、パラフィン(WAX)系、ポリエステル樹脂、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、またはそれらのパラフィン(WAX)配合合成接着剤等を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。本発明においては、2種類以上混合して使用することが好ましく、水蒸気バリア性や紙基材への接着性の点から、水分散性樹脂と水溶性樹脂の組み合わせが好ましい。
(ガスバリア性樹脂)
本発明において、バリア塗工層に含有させるガスバリア性樹脂は、ガスバリア性を有している、水溶性高分子や水分散性高分子などの高分子である。水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどを例示することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール類、セルロース誘導体が好ましく、ポリビニルアルコール類がさらに好ましい。また、水分散性高分子としては、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂などを例示することができる。
(その他の樹脂)
本発明では、水蒸気バリア性、ガスバリア性に問題がない程度であれば、上記した水蒸気バリア性樹脂、ガスバリア性樹脂以外の各種公知の樹脂を併用してもよい。
(顔料)
本発明において、少なくとも1層のバリア塗工層に少なくとも2種類の扁平無機顔料A及び扁平無機顔料Bを含有させる。扁平無機顔料A及び扁平無機顔料Bとしては、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト、サポナイト、スティブンナイト、モンモリロナイト、マイカ等の各種公知の扁平無機顔料が使用可能であるが、本発明では、扁平無機顔料A及び扁平無機顔料Bの合計で、該バリア塗工層の全顔料に対し50重量%以上含有する。全顔料に対し60重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
扁平無機顔料A及び扁平無機顔料Bの合計で、該バリア塗工層の全顔料に対し50重量%未満であると、バリア塗工層中を水蒸気やガス等が迂回する回数が少なく、移動する距離が短いため、 各種バリア性、特に水蒸気バリア性やガスバリア性が不十分となる。
本発明では、扁平無機顔料Aがマイカであることが好ましい。
マイカとは、ケイ素を主成分とする鉱物の一種であり、結晶中では、ケイ素と酸素からなる四面体がシート状に連なっており、この連続した構造が高扁平な形状を形成している。特に、膨潤性マイカは、このシート状の構造間に水分子を取りこんで膨潤し、微細に劈開するため、非膨潤性マイカよりも高いバリア性を発現しやすいため好ましい。
本発明で、バリア塗工層を顔料を含有する水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層の組み合わせとする場合は、水蒸気バリア塗工層中のマイカとマイカ以外の扁平無機顔料の含有比率は、マイカ/マイカ以外の扁平無機顔料=60/40〜5/95(固形分比率)であると、水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層の密着性が良好となり、高い水蒸気バリア性とガスバリア性が得られるため好ましい。より好ましくは50/50〜10/90であり、さらに好ましくは55/45〜15/85である。
本発明では、扁平無機顔料Bがアスペクト比が10以上であることが好ましい。アスペクト比が10以上である扁平無機顔料Bとしては、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト、サポナイト、スティブンナイト、モンモリロナイト等が例示可能である。これらの中では、水蒸気バリア性の向上と、ガスバリア層の浸透抑制の両方の観点から、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイトが好ましく、カオリン、ベントナイトがより好ましい。
扁平無機顔料Aがマイカであり、扁平無機顔料Bがアスペクト比が10以上であると、バリア塗工層中を水蒸気やガスが迂回する回数が増加し、移動する距離が長くなるため、水蒸気バリア性やガスバリア性の改善効果が大きくなる。特に、高湿度下のガスバリア性の改善効果が大きいため好ましい。また、アスペクト比は30以上であることが好ましく、90以上であることがより好ましい。
なお、扁平無機顔料Bのアスペクト比とは、扁平無機顔料Bの粉体粒子を電子顕微鏡で撮影し、ランダムに抽出した粒子100個について、直径を厚さで除して平均を求めた値であり、アスペクト比の値が大きい程、扁平無機顔料Bの扁平度合いが大きいことになる。
本発明において、扁平無機顔料Aがマイカであり、扁平無機顔料Bがアスペクト比が10以上である場合、扁平無機顔料Aと扁平無機顔料Bの含有比率は、扁平無機顔料A/扁平無機顔料B=60/40〜5/95(固形分比率)であると、マイカと扁平無機顔料Bがバリア塗工層中の空隙を効果的に充填するため、水蒸気バリア性やガスバリア性の改善効果が更に大きくなるため好ましい。より好ましくは50/50〜10/90であり、さらに好ましくは55/45〜15/85である。
本発明において、上記した扁平無機顔料A、扁平無機顔料B以外に、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することもできる。
本発明において、バリア塗工層が単層の場合は、バリア塗工層が含有する全顔料100重量部に対して、水蒸気バリア性樹脂とガスバリア性樹脂の合計が、乾燥重量で11重量部以上1300重量部以下であることが好ましい。
また、バリア塗工層を水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層の組み合わせとする場合で、水蒸気バリア塗工層に顔料を含有させる場合は、水蒸気バリア塗工層が含有する全顔料100重量部に対して、水蒸気バリア性樹脂が、乾燥重量で10重量部以上300重量部以下であることが好ましく、30重量部以上250重量部以下であることがより好ましい。また、ガスバリア塗工層に顔料を含有させる場合は、ガスバリア塗工層が含有する全顔料100重量部に対して、ガスバリア性樹脂が、乾燥重量で1重量部以上1000重量部以下であることが好ましい。
なお、本発明において、顔料をバリア塗工層に含有させる際は、顔料がスラリー化したものを水蒸気バリア性樹脂やガスバリア性樹脂に添加し混合することが好ましい。
(架橋剤)
本発明において、バリア塗工層には多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することができる。架橋剤はバリア塗工層に含有される水蒸気バリア性樹脂やガスバリア性樹脂と架橋反応を起こすため、バリア塗工層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、バリア塗工層が緻密な構造となり、良好な水蒸気バリア性やガスバリア性を発現することができる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、バリア塗工層に含有される水蒸気バリア性樹脂やガスバリア性樹脂の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸など適宜選択して使用することが可能である。架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の配合量については、塗工可能な塗工液の濃度や粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができるが、好ましくは顔料100重量部に対して、架橋剤が1重量部以上10重量部以下であり、より好ましくは3重量部以上5重量部以下である。1重量部未満であると架橋剤の添加効果が十分に得られないことがある。また、10重量部より多いと塗工液の粘度上昇が著しくなり、塗工が困難となることがある。
本発明において、バリア塗工層用塗工液に架橋剤を添加する場合、アンモニアなどの極性溶媒に架橋剤を溶解させてから添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解させると架橋剤と極性溶媒で結合を作るため、塗工液へ添加しても直ちには水蒸気バリア性樹脂やガスバリア性樹脂との架橋反応が起こらないため、塗工液の増粘を抑制することができる。その場合、紙基材への塗工後に乾燥することにより極性溶媒成分が揮発し、水蒸気バリア性樹脂やガスバリア性樹との架橋反応が起こり、緻密なバリア塗工層が形成されると推測される。
(撥水剤)
本発明において、水蒸気バリア性向上させるために、バリア塗工層に撥水剤を含有させることができる。撥水剤としては、アルカン化合物を主体とするパラフィン系撥水剤、カルナバやラノインなどの動植物由来の天然油脂系撥水剤、シリコーンまたはシリコーン化合物を含有するシリコーン含有系撥水剤、フッ素化合物を含有するフッ素含有系撥水剤など例示することができる。これらの中では、水蒸気バリア性能発現の観点からパラフィン系撥水剤を使用することが好ましい。また、これらの撥水剤を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。 本発明において、撥水剤の配合量は特に限定されるものではないが、撥水剤の配合量は、乾燥重量で水蒸気バリア性樹脂100重量部に対して、撥水剤が1重量部以上100重量部以下であることが好ましい。撥水剤の配合量が1重量部未満であると、水蒸気バリア性の向上効果が十分に得られない可能性がある。一方、100重量部を超えた場合には、紙基材、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層の順に積層し、水蒸気バリア塗工層に撥水剤を含有させた場合に、ガスバリア塗工層が均一に形成し難くなるため、ガスバリア性が低下する可能性がある。
また、本発明において、紙基材、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層の順に積層した場合は、水蒸気バリア性の向上、及びガスバリア塗工層との密着性の観点から、水蒸気バリア塗工層表面の濡れ張力としては10mN/m以上60mN/m以下とすることができ、15mN/m以上50mN/m以下であれば、より効果が発揮される。
(界面活性剤)
本発明において、バリア塗工層に界面活性剤を含有させることができる。特に、紙基材、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層の順に積層した場合は、ガスバリア塗工層中に界面活性剤を含有させると、水蒸気バリア塗工層との密着性が向上するため好ましい。
界面活性剤のイオン性は制限されるものはなく、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれの種類でも単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、具体的な種類としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アルコール系界面活性剤、アセチレン基を有するアセチレン系界面活性剤、アセチレン基と2つの水酸基を有するアセチレンジオール系界面活性剤、アルキル基とスルホン酸を有するアルキルスルホン酸系界面活性剤、エステル系界面活性剤、アミド系界面活性剤、アミン系界面活性剤、アルキルエーテル系界面活性剤、フェニルエーテル系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、フェノール系界面活性剤などを例示することができる。
これらの中では、ガスバリア塗工層用塗工液のレベリング性の向上効果が大きい、アセチレンジオール系界面活性剤を使用することが好ましい。なお、ガスバリア塗工層用塗工液のレベリング性が向上すると、ガスバリア塗工層の均一性が向上するため、ガスバリア性が向上する。
本発明において、紙基材、水蒸気バリア塗工層、ガスバリア塗工層の順に積層した場合は、水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層の密着性の観点から、ガスバリア塗工層用塗工液の表面張力を、10mN/m以上60mN/m以下に調整することが好ましく、より効果を発揮させるには、15mN/m以上50mN/m以下に調整することが好ましい。また、水蒸気バリア塗工層表面の濡れ張力に対して、ガスバリア塗工層用塗工液の表面張力を±20mN/mとすることが、水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層との密着性の観点から好ましい。
(助剤)
本発明のバリア塗工層には、上記した水蒸気バリア性樹脂、ガスバリア性樹脂、その他の樹脂、顔料、撥水剤、界面活性剤の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(バリア塗工層の塗工)
本発明において、バリア塗工層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置及び塗工系で塗工することができる。例えば、塗工装置としてはブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工系としては、主として水を媒体とする水系塗工が好ましい。
バリア塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、バリア塗工層が単層の場合は、バリア塗工層の塗工量は、乾燥重量で3.2g/m以上70g/m以下とすることが好ましく、5.2g/m以上60g/m以下とすることがより好ましく、7.2g/m以上40g/m以下とすることがさらに好ましい。
また、バリア塗工層を水蒸気バリア塗工層とガスバリア塗工層の組み合わせとする場合、水蒸気バリア塗工層の塗工量は、乾燥重量で3.0g/m以上50g/m以下とすることが好ましく、5.0g/m以上40g/m以下とすることがより好ましく、7.0g/m以上20g/m以下とすることがさらに好ましい。水蒸気バリア塗工層の塗工量が3g/m未満であると、紙基材を塗工液が完全に被覆することが困難となり、十分な水蒸気バリア性が得られなくなることや、ガスバリア層が紙基材にまで浸透して、十分なガスバリア性が得られなくなることがある。一方、50g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなる。
なお、本発明において、水蒸気バリア塗工層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。水蒸気バリア塗工層を2層以上の多層で構成する場合は、全ての水蒸気バリア塗工層を合計した塗工量を上記範囲とすることが好ましい。
また、ガスバリア塗工層の塗工量は、乾燥重量で0.2g/m以上20g/m以下とすることが好ましい。ガスバリア塗工層の塗工量が0.2g/m未満であると、均一なガスバリア層を形成することが困難であるため、十分なガスバリア性が得られなくなることがある。一方、20g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなる。
なお、本発明において、ガスバリア塗工層は1層であってもよく、2層以上の多層で構成してもよい。ガスバリア塗工層を2層以上の多層で構成する場合は、全てのガスバリア塗工層を合計した塗工量を上記範囲とすることが好ましい。
(紙基材)
本発明において紙基材とは、主としてパルプからなるシートであり、填料、各種助剤を含んでもよい。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白パルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂繊維、ナイロン等のポリアミド系樹脂繊維、ポリ塩化ビニル等の含ハロゲン系樹脂繊維等の合成繊維などを用いることができ、適宜配合して用いることが可能である。
填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマーマシン、オントップハイブリッドフォーマーマシン、ギャップフォーマーマシン、ヤンキーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して紙基材を製造することができる。また、紙基材は1層であってもよく、2層以上の多層で構成されていてもよい
さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
さらに、これらの各種薬剤と顔料を併用してもよい。顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリングサイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
この様にして得られる紙基材としては、上質紙、中質紙、塗工紙、片艶紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、晒クラフト紙、グラシン紙、板紙、白板紙、ライナーなどの各種公知のものが例示可能である。
(湿潤引張強さ)
本発明の紙基材は、主として水を媒体とする塗工液を塗工するため、紙基材が水に濡れた時の強度が一定以上であることが好ましい。そのため、抄紙方向(MD)の湿潤引張強さは、300N/m以上であることが好ましい。
(坪量)
本発明の紙基材は、用途に応じて最適な坪量とすればよいが、一般的には、30g/m〜600g/m程度、30g/m〜500g/mのものが用いられることが多い。
(保護層)
本発明の紙製バリア材料の少なくともバリア塗工層上に、さらに樹脂を含有する保護層を有する。保護層は、空気中の水分や、バリア塗工層の擦過、割れなどによる紙製バリア材料のバリア塗工層への影響(劣化)を防ぐと共に、紙製バリア材料に更なる水蒸気バリア性、ガスバリア性を付与する、あるいは耐油性、耐溶剤性、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐光性、耐水性、ヒートシール性などを付与することができる。
保護層は、紙製バリア材料の両面に設けることもできるが、少なくともバリア塗工層を有する側の面上に有する。さらに、水蒸気バリア性とガスバリア性の両方を併せ持つバリア塗工層上に保護層を有すると、空気中の水分などによるバリア塗工層への影響(劣化)を防ぐために好ましい。
(樹脂)
保護層の樹脂としては、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメチルメタアクリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアセタール、ポリカーボネート等の化石資源由来樹脂、ポリ乳酸(PLA)、エステル化澱粉、酢酸セルロース、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、バイオポリエチレン、バイオポリエチレンテレフタレート、バイオポリウレタン等の生物由来樹脂を含むことができる。
なお、生物由来樹脂とは、原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み,化学的または生物学的に合成することにより得られる、数平均分子量(Mn)1,000以上の高分子材料をいう。
また、化石資源由来樹脂、および、生物由来樹脂として、ポリ乳酸(PLA)、エステル化澱粉、酢酸セルロース、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)等の生分解性を有する樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン)、バイオポリエチレン等の生分解性を有さない樹脂のいずれを用いることができる。
これらの樹脂の中では、ポリ乳酸(PLA)、エステル化澱粉、酢酸セルロース、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)等の生分解性を有する樹脂であると、環境負荷が更に少なくなるため好ましい。
なお、生分解性樹脂とは、微生物の働きにより、分子レベルまで分解され、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質の樹脂をいう。
本発明において、樹脂を含有する保護層としては樹脂ラミネート層が好ましい。樹脂ラミネート層としては、押し出しラミネート層や、バリアフィルム、蒸着フィルム等のフィルム貼合層を挙げることができる。
樹脂ラミネート層が押し出しラミネート層の場合は、紙製バリア材料の少なくともバリア塗工層上に、上記した各種樹脂を押し出しラミネート法により樹脂ラミネート層として積層する。また、樹脂ラミネート層がフィルム貼合層の場合は、紙製バリア材料の少なくともバリア塗工層上に、上記した各種樹脂製のフィルムをドライラミネート法、サンドラミネート法等により樹脂ラミネート層として貼合する。
本発明において、フィルム貼合層に使用するフィルムとしては、上記した各種樹脂製のフィルムが挙げられる。これらのフィルムの中では、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂を主成分としたフィルム、上記した各種樹脂製のフィルムにこれらポリビニルアルコール等の樹脂をコーティングしたフィルム、上記した各種樹脂製のフィルムにアルミニウム等の各種金属からなる金属箔を貼合したフィルム、上記した各種樹脂製のフィルムにアルミニウム等の各種金属、または酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着させた蒸着フィルム等のバリアフィルムが好ましく、蒸着フィルムがより好ましい。目的に応じてこれらのフィルムを1層または複数層を貼合して使用することができる。
本発明の紙製バリア材料は、紙製バリア材料のまま、または更に各種樹脂等を積層する、各種汎用フィルム、バリアフィルム、アルミ箔等と貼合するなどして、食品などの包装材、袋、紙器、段ボール箱、トレー、カップ、液体紙容器等の包装用途に用いられる包装材料、または産業用資材や建築資材などに用いられる積層体とすることが可能である。これらの中で、食品などの包装材、袋、紙器、段ボール箱、トレー、カップ、液体紙容器等の包装用途に用いられる包装材料として好適に使用することができ、食品などの軟包装材として特に好適に使用することができる。なお、軟包装材とは、構成としては、柔軟性に富む材料で構成されている包装材であり、一般には紙、フィルム、アルミ箔等の薄く柔軟性のある材料を、単体あるいは貼り合せた包装材を指す。また、形状としては、袋など、内容物を入れることにより立体形状を保つような包装材を指す。
本発明の紙製バリア材料を食品などの包装材、特に軟包装材として用いる場合は、ヒートシール性を有する樹脂を保護層に使用する、または更にヒートシール性を有する樹脂を積層することにより、包装材料としての密閉性を高め、内容物を酸素による酸化や湿気などによる劣化などから守り、保存期間の延長を可能にすることができる。
また、産業用資材や建築資材などに用いられる積層体として使用する場合においても、酸素や湿気の侵入を抑えることで、腐敗、劣化を防止できるほか、溶剤の臭気が漏れ出るのを防止するフレーバーバリア性などの効果が期待される。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、もちろんこれらの例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、得られた紙製バリア材料について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度差90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。なお、保護層を設ける前の紙製バリア材料を用いて測定した。
(2)扁平無機顔料のアスペクト比:上述の方法により測定した。
[実施例1]
(紙基材の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)320mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)100重量部を原料パルプとした。原料パルプを長網抄紙機で抄紙し、坪量63.0g/mの紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度3%に調製した澱粉(サナス社製、ローコンス)を、両面合計で1.0g/m塗工、乾燥し、チルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行い、坪量64.0g/mの紙基材を得た。
(水蒸気バリア塗工層用塗工液Aの調製)
扁平無機顔料Aとして、マイカスラリー(トピー工業社製、製品名:NTS−10、アスペクト比:1500、固形分濃度10%)を用意した。また、扁平無機顔料Bとしてカオリン(イメリス社製、製品名:バリサーフHX、アスペクト比:100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度60%のカオリンスラリーを調製した。
上記マイカスラリーとカオリンスラリーを、マイカが50部(固形分)、カオリンが50部(固形分)となるように混合し、顔料100部(固形分)に対し水蒸気バリア性樹脂としてスチレン・アクリル系共重合体エマルジョン(サイデン化学社製、製品名:サイビノールX−511−374E)を100部(固形分)となるように配合し、更にパラフィン系撥水剤(丸芳化学社製、製品名:MYE―35G、ワックス含有ポリエチレンエマルジョン)を顔料100部に対して100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度22%の水蒸気バリア塗工層用塗工液Aを得た。
(ガスバリア塗工層用塗工液Bの調製)
ガスバリア性樹脂としてポリビニルアルコール(クラレ社製、製品名:PVA117)水溶液を固形分濃度10%となるよう調製し、得られたポリビニルアルコール水溶液中に、ポリビニルアルコール100部(固形分)に対しシリコーン系界面活性剤(サンノプコ社製、製品名:SNウェット125)を1部(固形分)となるように配合し、ガスバリア塗工層用塗工液B1を得た。
(バリア層塗工紙、紙製バリア材料の作製)
得られた紙基材上に水蒸気バリア塗工層用塗工液A1を乾燥重量で塗工量15g/mとなるようにブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上にガスバリア塗工層用塗工液Bを乾燥重量で塗工量5.0g/mとなるようにロールコーターを用いて片面塗工、乾燥し、バリア層塗工紙1を得た。
次いで、得られたバリア層塗工紙1のガスバリア層上に、押し出しラミネート法によりポリ乳酸(PLA)樹脂を厚み20μm(25.2g/m2)積層し、紙製バリア材料を得た。
[実施例2]
水蒸気バリア塗工層用塗工液Aのカオリン(イメリス社製、製品名:バリサーフHX、アスペクト比:100)に替えてカオリン(イメリス社製、製品名:カピムCC、アスペクト比:15)を使用した以外は、実施例1と同様にして、紙製バリア材料を得た。
[実施例3]
扁平無機顔料Bとしてベントナイト(クニミネ工業社製、製品名:クニピアF、アスペクト比:400)に分散剤としてピロリン酸ソーダを添加し(対無機顔料0.4部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度15%のベントナイトスラリーを調製した。
水蒸気バリア塗工層用塗工液Aのカオリンスラリー(イメリス社製、製品名:バリサーフHX、アスペクト比:100)50部(固形分)に替えて上記ベントナイトスラリー50部(固形分)を使用した以外は、実施例1と同様にして、紙製バリア材料を得た。
[実施例4]
ガスバリア塗工層用塗工液Bを塗工せず、水蒸気バリア層上にポリ乳酸(PLA)樹脂を積層した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
[比較例1]
水蒸気バリア塗工層用塗工液Aのカオリン(イメリス社製、製品名:バリサーフHX、アスペクト比:100)に替えて重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、製品名:FMT−90)を使用した以外は、実施例1と同様にして紙製バリア材料を得た。
Figure 2020157641
表1に示されるように、実施例1〜4の紙製バリア材料は、比較例1の紙製バリア材料よりもバリア性に優れている。

Claims (8)

  1. 紙基材上に少なくとも1層の顔料を含有するバリア塗工層を有する紙製バリア材料であって、該バリア塗工層に、少なくとも2種類の扁平無機顔料A及び扁平無機顔料Bを該バリア塗工層の全顔料に対し50重量%以上含有し、少なくとも該バリア塗工層上に、さらに樹脂を含有する保護層を有することを特徴とする紙製バリア材料。
  2. 前記樹脂が生分解性を有することを特徴とする請求項1に記載の紙製バリア材料。
  3. 前記扁平無機顔料Aがマイカであり、前記扁平無機顔料Bがアスペクト比が10以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙製バリア材料。
  4. 前記扁平無機顔料Bがカオリンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の紙製バリア材料。
  5. 前記扁平無機顔料Bがアスペクト比が30以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙製バリア材料。
  6. 前記バリア塗工層が水蒸気バリア性及び/又はガスバリア性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の紙製バリア材料。
  7. 前記バリア塗工層が少なくとも水蒸気バリア性を有することを特徴とする請求項6に記載の紙製バリア材料。
  8. 前記バリア塗工層が単層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の紙製バリア材料。
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