JP2002137315A - 易離解性防湿段ボールシート - Google Patents

易離解性防湿段ボールシート

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JP2002137315A
JP2002137315A JP2000336597A JP2000336597A JP2002137315A JP 2002137315 A JP2002137315 A JP 2002137315A JP 2000336597 A JP2000336597 A JP 2000336597A JP 2000336597 A JP2000336597 A JP 2000336597A JP 2002137315 A JP2002137315 A JP 2002137315A
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moisture
proof
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corrugated cardboard
liner
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JP2000336597A
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Koji Ogiso
宏治 小木曽
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な防湿性および易離解性を有し、さらに
耐熱性と耐すべり性が良好な易離解性防湿段ボールシー
トであって、薄型で美粧性、印刷性、かさの低さを向上
させた段ボールシートを提供することを課題とする。 【解決手段】 2枚のライナー間に波形成形された中芯
が貼合された両面段ボールシートにおいて、少なくとも
片側ライナーはフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂水分散
液を含む防湿性塗料を塗布・乾燥して形成された防湿層
を有し、中芯の段高が1mm以下、段山数が30cmあ
たり90以上であることを特徴とする易離解性防湿段ボ
ールシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は段ボールシートに関
し、特に易離解性であり食品、工業用製品などを梱包す
る防湿性が優れ、あるいは電子部品などの静電気障害を
防止する除電性、防水性が優れ、さらに美粧性、印刷性
を向上させた段ボールシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から段ボールシートに防水性、防湿
性を付与する製造方法が知られており、例えば特公昭5
5−22597号公報、特開昭59−66598号公報
などが挙げられる。これらは合成ゴムラテックスにワッ
クスエマルジョンを配合してなる水性エマルジョン(防
湿性塗料)を紙支持体表面に塗工したものである。この
ような防湿性塗料をライナ表面に塗工したのち所定の乾
燥温度で乾燥することで防水性や防湿性を付与すること
が可能である。この方法で得られたライナは水への離解
性が良好なため段ボールとして使用した後も古紙として
再生可能であり大変有用なものであった。
【0003】しかし、このような方法で製造された段ボ
ールは、段ボール表面(ライナ表面)の塗工層(防湿
層)中に含まれるワックスのため非常に滑りやすく、段
ボールを多段に積み上げた場合に荷崩れが発生するとい
う問題があった。また、ライナと中芯を張り合わせた接
着剤を固化乾燥する工程に於いて、180℃前後に加熱
した場合、防湿層の耐熱性が乏しいため、防湿層が熱盤
に融着してしまうといった問題があった。さらに、この
段ボールを古紙として使用しライナを製造した場合はラ
イナー表面が滑りやすくなったり、中芯として使用した
場合は、ライナーとの接着時に接着不良を起こしやすく
なるといった問題があり、これらはワックスに起因する
ことが知られている。
【0004】また、特開平5−25796号公報には、
ライナ表面にスチレン−アクリル共重合物を主体とする
コート剤を塗布・乾燥してなる易離解性・防水・防湿性
紙が示されているが、この方法で得られる防湿シート
は、防水性及び離解性は良好であるが防湿性が不充分で
あった。さらに、防湿性、防水性を付与する別の方法と
して、ライナ表面にポリエチレンなどの熱可塑性合成樹
脂をラミネートする方法が知られているが、離解性が悪
いため、古紙として再利用するのが困難で大部分が産業
廃棄物として投棄、あるいは焼却処分せざるを得ないの
が現状である。
【0005】段ボールの段高と段山数については、その
中芯の波形状の段高及び30cm当たりの段山数によっ
て、A段、B段、C段、E段等に分類される。JISに
より規格が定められていて、いわゆる通常の段ボール箱
の材料として用いられるA段、B段、C段は各々段高が
約5mm、3mm、3.6mmである。これらに対し、
より薄型の段ボールとして、JIS等では特に規格は決
められていないが、段高が1.1〜1.4mmのE段
や、それより段高の低い、F段、G段、マイクロフルー
ト段ボール等と呼ばれるものが存在することが一般的に
知られている。
【0006】これら薄型の段ボールは、いわゆる通常の
段ボールと比較して美粧性、印刷性、かさの低さに優
れ、従来通常の段ボールが使われなかった板紙を素材と
するようないわゆる紙器の素材としてたとえば個装や内
装用箱、美粧用ギフト箱、中仕切材などに使用されてい
る。また一方、板紙と比較してもこれら薄型の段ボール
は、比較的軽い紙重量(米坪)で強い曲げ剛性を有す
る。従って、板紙と代替使用することにより、より軽量
の包装箱を製造することができる。このことは、包装材
の軽量化、資源の節約、及び廃棄物の減少に繋がる。さ
らに、段ボールはフルートを有する構造により緩衝性、
及び断熱性を有するため、そのような特性を必要とする
容器、例えばカップラーメン容器などに好適に使用でき
る。
【0007】以上のように、各種の薄型段ボールが個装
や内装用箱、美粧用箱等の分野で広く使用されるように
なってきたが、吸湿性の粉体たとえば洗剤などあるいは
湿度を嫌う工業製品たとえば電化製品などの分野では、
今でも防湿性および印刷性の観点からポリエチレンのよ
うなプラスチックをラミネートした板紙を個装や内装用
箱、美粧用箱などに使用しているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、充分な防湿
性および易離解性を有し、さらに耐熱性と耐すべり性が
良好な易離解性防湿段ボールシートであって、薄型で美
粧性、印刷性、かさの低さを向上させた段ボールシート
を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の構成を採用する。即ち、本発明の第
1は、「2枚のライナー間に波形成形された中芯が貼合
された両面段ボールシートにおいて、少なくとも片側ラ
イナーは、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂水分散液を
含む防湿性塗料を塗布・乾燥して形成された防湿層を有
し、中芯の段高が1mm以下、段山数が30cmあたり
90以上であることを特徴とする易離解性防湿段ボール
シート」である。
【0010】本発明の第2は、上記第1の発明におい
て、前記防湿性塗料がカップリング剤または架橋剤の少
なくとも一つを含むことを特徴とする易離解性防湿段ボ
ールシートである。
【0011】本発明の第3は、上記第1または第2の発
明において、前記防湿性塗料が導電性物質を含有するこ
とを特徴とする易離解性防湿段ボールシートである。
【0012】本発明の第4は、上記第1または第2の発
明において、前記防湿層の表面に導電性物質を塗布して
形成された帯電防止層を有することを特徴とする易離解
性防湿段ボールシートである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明で使用するフィロケイ酸塩化合物(層状構造を有
する層状ケイ酸塩化合物)は平板状顔料である。フィロ
ケイ酸塩化合物に属するものは板状または薄片状であっ
て明瞭な劈開を有し、カオリナイト(カオリン鉱物)、
雲母族、脆雲母族、パイロフィライト、タルク、スメク
タイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇
紋石、スチルプノメレーン、モンモリロナイトがある。
これらの中でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族に
は、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、
金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フ
ッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バ
ナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、
ブリトル雲母などが挙げられる。
【0014】これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白
雲母、絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比(平均直
径を厚さで除した数値)などの点から好適である。本発
明では平板性(平板状)が保持されている顔料であれば
よいが、より好ましい平均粒子径範囲としては0.5μ
m〜100μm、さらに好ましい平均粒子径範囲として
は1μm〜50μm ある。平均粒子径が1μm 未満の
ものは塗工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して
平行になりにくく、50μmを超えて大きくなると平板
状顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚
みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗
工層中における層数が少なくなってしまうために防湿性
能向上効果が減少する。また、好ましいアスペクト比は
5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が10以上
の平板状顔料である。アスペクト比が5未満のものは塗
工面に対して平行に配向できなくなるため防湿性能が劣
る。アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗工層中に
おける層数が大きくなるため高い防湿性能を発揮する。
【0015】本発明における平均粒子径は溶媒中に分散
させたフィロケイ酸塩化合物をレーザー回折式粒度分布
測定装置で求めたものである。また、アスペクト比は平
均粒子径を厚さで除した値である。フィロケイ酸塩化合
物の厚さは電子顕微鏡の観察で求めたものである。
【0016】本発明に用いられる合成樹脂水分散液(以
下、便宜上、ラテックスと表現する)としては、スチレ
ン−ブタジエンラテックス(SBR)、アクリル−スチ
レンラテックス、メタクリレート−ブタジエンラテック
ス、アクリルニトリル−ブタジエンラテックスなどが挙
げられるが、耐水性が良好で、伸びがよく折割れによる
塗工層の亀裂が生じにくいためにスチレン−ブタジエン
ラテックスが好適である。またスチレン−ブタジエンラ
テックスは(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エ
ステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル
酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)ア
クリルグリシジルエーテルなどで変性(共重合)された
スチレン−ブタジエンラテックス(変性SBR)が好ま
しい。
【0017】合成樹脂ラテックスの最低造膜温度(MF
T:一般に合成樹脂のガラス転移温度より5〜10℃高
い温度を示す)は、0〜80℃、より好ましくは1〜6
5℃である。合成樹脂ラテックスの粒子径、ゲル分率
(THFなどの溶媒で抽出されない量)、分子量などは
特に限定されないが、粒子径は50〜500nm、ゲル
分率は10〜90%、分子量は数千〜数十万の範囲が好
ましい。
【0018】また、本発明に使用するフィロケイ酸塩化
合物と合成樹脂ラテックスとの配合比率は固形分重量比
で、30:70〜70:30、好ましくは40:60〜
65:35である。
【0019】本発明で使用するカップリング剤として
は、親水基部分にSiを含むシランカップリング剤、親
水基部分にTiを含むチタネートカップリング剤、親水
基部分にAlを含むアルミニウムカップリング剤等が挙
げられる。このようなカップリング剤には、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、イ
ソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタ
ネートなどが挙げられる。カップリング剤の構造は、フ
ィロケイ酸塩化合物のような無機化合物と相互作用する
親水基と、樹脂のような有機化合物と相互作用する疎水
基に大別され、特にその親水基部分はTi、Al等の金
属元素やSiに結合したアルコキシ基を加水分解して得
られる。
【0020】一方、カップリング剤の疎水基部分につい
ては、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化
合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に
疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果が
ある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミ
ノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と
樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層
樹脂マトリックスとの接着性が高まる。したがって、カ
ップリング剤の疎水基部分の組成は親和相手である樹脂
との相溶性で決まる。
【0021】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗工液
にカップリング剤を直接添加する方法である。また、前
処理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップ
リング剤で処理した後、合成樹脂ラテックスと混合して
塗料を製造する方法である。カップリング剤の添加量は
フィロケイ酸塩化合物100重量部(固形分)に対して
0.1〜5重量部(固形分または有効成分)、好ましく
は0.5〜2重量部である。添加量が0.1重量部未満
の場合、カップリング剤によるフィロケイ酸塩化合物表
面の被覆が不十分となるため好ましくなく、5重量部を
越える場合、カップリング剤の効果が頭打ちとなるため
不経済である。
【0022】このようにしてカップリング剤で処理した
フィロケイ酸塩化合物は表面の疎水性が高まるため、水
性分散液としたとき増粘して塗工できなかったり、分散
不良となって凝集体が発生することがある。この場合、
界面活性剤やポリアクリル酸系の分散剤やイソプロピル
アルコール、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等の
湿潤剤を用いて分散する。
【0023】本発明で使用する架橋剤は、ラテックス中
の合成樹脂の主鎖または側鎖におけるカルボキシル基、
アミド基、水酸基等の親水性官能基と反応して合成樹脂
を架橋、高分子化(三次元網目構造)あるいは疎水化す
るものである。こうした架橋剤としては(1)メチロー
ル基を有し、上記親水性官能基と脱水反応を起こすもの
(メラミン−ホルムアルデヒド縮合反応生成物など)、
(2)アルデヒド基を有し、上記親水性官能基と付加反
応を起こすもの(グリオキザールなど)、(3)エポキ
シ基を有し、上記親水性官能基と開環付加反応を起こす
もの(ポリグリシジルエーテル化合物など)、(4)多
価金属を有し上記親水性官能基と配位結合および共有結
合を形成するもの(炭酸ジルコニウムなど)、(5)水
溶液中でカチオン性を示しアニオン性官能基とイオン結
合を形成するもの(ポリアミドアミンポリ尿素樹脂な
ど)などがある。
【0024】架橋剤の配合量は合成樹脂100重量部
(固形分)に対して0.01〜10重量部(固形分また
は有効成分)、好ましくは0.1〜5重量部が望まし
い。架橋剤の配合量が0.01重量部未満の場合、架橋
剤と親水性官能基との反応性が著しく低下するため好ま
しくなく、10重量部を越えても透湿度向上や耐ブロッ
キングに対する効果が頭打ちとなったり、未反応の架橋
剤が析出するなどの問題が発生するため好ましくない。
【0025】以上の材料を混合して防湿性塗料(水性)
とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸など
の分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤を添加し
たりすることができる。この塗料を常法によりライナー
に塗工して防湿層を形成する。塗工設備として特に限定
はしないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナ
イフコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式
が、平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。
乾燥温度は合成樹脂ラテックスのMFT(最低造膜温
度)以上で乾燥するのが好ましい。防湿層の塗工量は片
面に塗工した場合(両面に塗工した場合は両面合わせて
の塗工量)、固形分として5〜40g/m2、好ましく
は10〜35g/m2である。本発明の防湿層が形成さ
れたライナーの透湿度は、JIS Z−0208カップ
法(B法)で測定して10〜300g/m2・24h
r、好ましくは20〜200g/m2・24hrであ
る。
【0026】また、2枚の薄い紙の間に防湿層を設ける
構成でも良い。その場合、1枚目の紙表面に前記と同様
な方法で塗料を塗布し、その上に2枚目の紙を重ね合わ
せ、その後に乾燥する方法が利用できる。この場合も、
防湿層の塗布量などは前記と同様で良い。
【0027】以下、段ボールシートの製造について説明
する。段ボールシートの製造工程では、ライナーと中芯
をコルゲーターを用いて貼合する。まず、波形成形され
た中芯の片側段頂部に、コーンスターチや馬鈴薯などの
デンプンを接着剤として塗布し、これにライナーを張り
合わせて片面段ボールを製造する。通常は、コルゲータ
ーにおける上記部分をシングルフェーサーと称し、ここ
で貼合されるライナーは通常、段ボール箱の内側に相当
し、裏ライナーと称される。
【0028】次に、上記中芯の反対面段頂部に接着剤を
塗布し、ライナーを貼合して両面段ボールを製造する。
そして、この両面段ボールをキャンパスで押さえながら
熱盤で180℃前後に加熱し、この熱でデンプンを糊化
してライナと中芯を強固に接着する。接着した段ボール
シートは、乾燥させた後、カッターで所定寸法に断裁し
て、一定寸法の段ボールシートとされる。コルゲーター
のこの部分を通常、ダブルフェーサーと称する。ダブル
フェーサー側のライナーは、通常、段ボール箱の外側表
面に位地し、印刷が施される場合はダブルフェーサー側
のライナーであり、表ライナーと称される。
【0029】このうち、本発明の段ボールシートは中芯
の段高が1mm以下であり、かつ、段山数が30cmあ
たり90以上である両面段ボールシートであり、さらに
好ましくは段高0.55mm以下、段山数が30cmあ
たり130以上、より好ましくは150以上である両面
段ボールシートである。段高1mm以下の段ボールシー
トにおいて段山数が30cmあたり90未満になるとシ
ートの強度が低下し、印刷性も悪化するので好ましくな
い。ここで言う段高とは、中芯の段の山の高さである。
【0030】本発明では、上記2枚のライナーのうち、
少なくとも片側ライナーに、貼合前に予め防湿層を形成
しておく。防湿層はライナー表面のうち、中芯と貼合さ
れない方の面に形成することが好ましい。また、段ボー
ル箱とした時に箱の内側に位地することが好ましい。あ
るいは、2枚の薄い紙の間に防湿層を設けたライナーで
も良い。いずれにしても、本発明のような薄手の段ボー
ル箱は、外側に美粧印刷を施すことが多く、そのため、
箱の外面となる層は、白いクラフトパルプ層であるか、
顔料塗工層であることが好ましい。
【0031】さらに、本発明の段ボールシートは、防湿
層表面に導電性物質を塗布して帯電防止層を設けること
や、防湿層中に導電性物質を含有させることで、段ボー
ルシートに静電防止を目的として導電性を付与すること
ができる。
【0032】導電性を有する段ボールシートは電子部品
などの搬送ケースとして使用される。段ボールケースに
導電性を付与する方法としては、段ボールケースの内側
に導電性インクで網目状に連続模様を印刷したものが知
られているが(実開昭60−38267号公報参照)、
これは紙基材表面に直接印刷しているため表面同士がこ
すれたりすると紙粉が発生しやすく、耐水性や防湿性さ
らには塵やほこりの付着があるといった多くの問題点が
あった。本発明では防湿層を設けているために静電気防
止の効果が顕著であるうえ、表面同士がこすれて紙粉が
発生したり、導電層がはがれたりといった問題もない。
さらにこのような導電性の層を形成してもライナー表面
の防湿層が容易に再離解するので古紙回収の効率を低下
させることもない。
【0033】静電気を防止するために重要な特性は、表
面電気抵抗が1010オーム以下、好ましくは108オー
ム以下にすることであり、本発明では防湿層上に導電性
物質を含む導電層を設けるか、あるいは、防湿層中に導
電性物質を内在せしめることで容易に表面電気抵抗をコ
ントロールすることができる。表面電気抵抗は、JIS
K−6911(1979年)に規定される表面抵抗率
である。本発明に用いる導電性物質としては、有機導伝
剤、導電性樹脂あるいは金属粉などが挙げられる。
【0034】導電性樹脂としてはポリビニルベンジルト
リメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルジアリ
ルアンモニウムクロライド、スチレンアクリル酸トリエ
チルアンモニウムクロライドなどのカチオン性高分子電
解質またはポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸
塩、ポリビニルホスフェートなどのアニオン性高分子電
解質などがある。導電性金属としては、アルミニウム
(Al)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、チタン(T
i)、鉛(Pb)、鉄(Fe)などの金属、またはこれ
らの金属の酸化物に不純物を混合した金属半導体、例え
ば導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどが挙げられる。
【0035】また、クレー、デッカイト、ナクライト、
カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
炭酸カルシウム、焼成クレー、無定形シリカ、アルミ
ナ、焼成カオリン、硫酸バリウム、酸化チタンなどを導
電性材料と併用することもできる。また、必要に応じ
て、各種バインダー(ポリビニルアルコール、デンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエ
ンラテックスやアクリル−スチレンエマルジョンなどの
合成樹脂ラテックスなど)を導電性材料と併用すること
ができる。
【0036】以上の材料を用いて導電層形成用の塗料
(導電性塗料)とするが、増粘剤、消泡剤、分散剤、界
面活性剤、滑剤、染料、蛍光染料などの各種助剤を併用
することができる。導電性塗料の塗布方式は、ロールコ
ーティング、リバースロールコーティング、グラビアロ
ールコーティング、ゲートロールコーティング、バーコ
ーティング、エアナイフコーティング、ブレードコーテ
ィングなどの一般的な塗工方式で行える。導電層の塗工
量は固形分として0.1〜10g/m2、好ましくは
0.3〜7g/m2、さらに好ましくは0.5〜5g/
2である。防湿層中に添加する導電剤の配合量は、防
湿材料100重量部(固形分)に対して0.5〜20重
量部、好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは2
〜5重量部である。
【0037】本発明に使用するライナー原紙、中芯原紙
の用紙としては、従来の段ボールに使用される離解可能
な用紙が使用できる。前記した段の山数、段高を実現す
るためには、ライナー原紙の米坪は150g/m2
下、好ましくは、120g/m2以下である事が望まし
い。中芯の米坪は、前記した段の山数、段高を実現する
ためには、好ましくは115g/m2以下、より好まし
くは100g/m2以下である。パルプとしては、未晒
しクラフトパルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケ
ミグラインドパルプ(CGP)、段ボール古紙パルプ、
雑誌古紙パルプなどが使用できる。
【0038】本発明のライナー原紙および中芯には、前
記した従来の段ボールに使用されている、いわゆる段ボ
ール原紙および板紙以外に、米坪30〜130g/m2
の上質紙、中質紙、印刷用塗工紙なども使用できる。中
でも、米坪50〜120g/m2の紙が好ましい。本発
明に使用するライナー原紙または中芯は、前記した各種
紙の積層紙であっても良い。
【0039】前記した各種の紙には、填料、サイズ剤、
紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤、耐油剤など、通常、各
種用途に合わせて添加される添加剤を含有しても良い。
本発明に用いられるライナは機械的離解作用により水中
で分散しやすいパルプを主成分とするものであれば特に
制限はないが、坪量50〜250g/m2のものを適宜
用いることができる。本発明に用いられる中芯は機械的
離解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とす
るものであれば特に制限はないが、坪量50〜250g
/m2のものを適宜用いることができる。
【0040】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ
「重量部」及び「重量%」を表す。
【実施例】<実施例1>50重量部の水に合成樹脂ラテ
ックスHOJ4027(SBRラテックス、固形分48
%:日本ゼオン(株)製)100重量部を加え攪拌し、
フィロケイ酸塩化合物マイカA21(白雲母、平均粒子
径22μm、アスペクト比20〜30:山口雲母工業所
(株)製)50重量部を添加、攪拌し防湿性塗料を調成し
た。裏ライナーとして坪量160g/m2のクラフトラ
イナーを使用し、片面に前記防湿性塗料を固形分で20
g/m2となるように塗布・乾燥した。その裏ライナー
の非塗工面を、段高0.5mmで30cmあたりの段山
数が175となるように段形成した中芯(坪量115g
/m2)とコルゲーターを用いて貼り合わせて片面段ボ
ールシートを製造した。続いて坪量180の塗工白板紙
を表ライナーとして選択し、ダブルフェーサー部で前記
片面段ボールシートと貼合して両面段ボールシートを得
た。
【0041】<実施例2>実施例1の塗料に防湿性塗料
にカップリング剤KBM603(アミノシランカップリ
ング剤、有効成分98%以上:信越化学工業(株)製)
を0.5重量部添加した他は、実施例1と同様にして両
面段ボールシートを得た。
【0042】<実施例3>実施例1の防湿性塗料100
重量部に架橋剤デナコールEX614B(ソルビトール
ポリグリシジルエーテル、有効成分98%以上:ナガセ
化成(株)製)1重量部を添加、攪拌して防湿性塗料を
調成した。それ以外は実施例1と同様にして両面段ボー
ルシートを得た。
【0043】<実施例4>実施例2と同様に調整した防
湿性塗料に、架橋剤SR633(ポリアミドアミン樹
脂、固形分30%:住友化学(株))製を1重量部さらに
混合して防湿性塗料を調成した。それ以外は実施例1と
同様にして両面段ボールシートを得た。
【0044】<実施例5>防湿性塗料の塗工量を10g
/m2としたこと以外は実施例4と同様にして両面段ボ
ールシートを製造した。
【0045】<実施例6>防湿性塗料の塗工量を30g
/m2としたこと以外は実施例4と同様にして両面段ボ
ールシートを製造した。
【0046】<実施例7>実施例1と同様に防湿性塗料
を形成したライナの防湿層表面に、カチオン性高分子電
解質(商品名:ケミスタット7300:三洋化成(株)
製)をバーコーターにより固形分として2g/m2塗工
し導電層を形成した。それ以後は実施例1と同様にして
両面段ボールシートを得た。
【0047】<比較例1>防湿性塗料を塗布しないこと
以外は実施例1と同様にして両面段ボールシートを得
た。
【0048】<比較例2>合成樹脂ラテックスHOJ4
027(SBRラテックス、固形分48%:日本ゼオン
(株)製)100重量部とワックスエマルジョンOKW
−40(パラフィンワックス、ポリブテン、ロジン樹脂
の混合乳化物、固形分40%:荒川化学工業(株)製)
60重量部を混合して防湿性塗料を調成した。この塗料
を実施例1の塗料に換えて使用した他は実施例1と同様
にして両面段ボールシートを得た。
【0049】<比較例3>実施例1で使用した裏ライナ
ーにポリエチレン(商品名:ショウレックスL−17
0:昭和電工(株)製)を塗工厚さ15μmになるように
押し出しラミネーションした裏ライナーを使用し、防湿
性塗料は塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様に
して両面段ボールシートを得た。
【0050】<試験方法> (1)表面ライナの透湿度 JIS Z0208「防湿包装材料の透湿度試験方法
(カップ法)」により、塗工面を外側にして条件B(温
度40±0.5℃ 相対湿度90±2%) (2)吸水度 JIS P 8140「紙及び板紙の吸水度試験方法
(コッブ法)」により接触時間120秒で測定した。
【0051】(3)離解試験 約3cm四方の防湿紙8gを500mlの水とともに家
庭用ミキサー(刃は繊維を切らないようにヤスリで削り
落としたものを使用)で1分30秒間攪拌した。得られ
たスラリーで坪量70g/m2の手抄きシートを作成し
た。未離解物(フィルム片、紙片)の有無を目視で評価
し、未離解物を含まないものを○、含むものを×とし
た。
【0052】(4)摩擦係数 JIS P 8147「紙及び板紙の摩擦係数試験方法
(水平方法)」により、ライナーどうし(塗工面どう
し)を速度20m/minで縦方向で測定した。 (5)表面抵抗 ライナ表面の表面抵抗を20℃30%RHの雰囲気下で
測定した。以上実施例、比較例の結果を表1及び表2に
示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表1よりフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂
ラテックスを含む防湿性塗料から形成された防湿層有す
るライナは透湿度、吸水度、接着性が良好で、防湿層に
導電層を設けることにより表面抵抗値が下がることがわ
かる。また、表2よりポリエチレンラミネートやワック
スを含む防湿層の場合は防湿層が熱盤に融着するが、本
発明のライナは段ボールシート製造時の何ら問題がない
ことがわかる。
【0056】
【発明の効果】フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテッ
クスを含む防湿性塗料から形成された防湿層を有するラ
イナを用いた段高1mm以下で30cmあたりの段山数
が90以上の段ボールシートは表面ライナ透湿度、防水
性、離解性、操業性、美粧性、印刷性、かさの低さが良
好である。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E078 AA13 BB03 BB29 CE10X 4F100 AA03D AA03E AC05D AC05E AH06D AH06E AK01D AK01E AR00E BA05 BA06 BA10D BA10E CA02D CA02E CC00D CC00E DD12B DG10A DG10B DG10C JD04 JD04D JD04E JG01E JL14 JM01D JM01E YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚のライナー間に波形成形された中芯
    が貼合された両面段ボールシートにおいて、少なくとも
    片側ライナーはフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂水分散
    液を含む防湿性塗料を塗布・乾燥して形成された防湿層
    を有し、中芯の段高が1mm以下、段山数が30cmあ
    たり90以上であることを特徴とする易離解性防湿段ボ
    ールシート。
  2. 【請求項2】 前記防湿性塗料がカップリング剤または
    架橋剤の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項
    1に記載の易離解性防湿段ボールシート。
  3. 【請求項3】 前記防湿性塗料が導電性物質を含有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに
    記載の易離解性防湿段ボールシート。
  4. 【請求項4】 前記防湿層の表面に導電性物質を塗布し
    て形成された帯電防止層を有することを特徴とする請求
    項1または請求項2のいずれかに記載の易離解性防湿段
    ボールシート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004196409A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Dainippon Printing Co Ltd 防湿カートン
JP2008012398A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Toppan Printing Co Ltd 紙粉の発生を抑止したダンボールおよびこのダンボールを用いた収納体
EP1700694A3 (de) * 2005-03-10 2010-03-17 manroland AG Prägeverfahren für Wellpappe in einer Bogendruckmaschine und entsprechende Einrichtung

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